JP2855104B2 - Frp製二重殻タンク及びfrp製二重殻タンクへのノズルの取付方法 - Google Patents

Frp製二重殻タンク及びfrp製二重殻タンクへのノズルの取付方法

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JP2855104B2 JP8196102A JP19610296A JP2855104B2 JP 2855104 B2 JP2855104 B2 JP 2855104B2 JP 8196102 A JP8196102 A JP 8196102A JP 19610296 A JP19610296 A JP 19610296A JP 2855104 B2 JP2855104 B2 JP 2855104B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FRP製二重殻タ
ンク、詳しくは、地下埋設用タンクとして好適に用いら
れるFRP製二重殻タンク、および該FRP製二重殻タ
ンクへのノズルの取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、地下埋設用のオイルタンクとして
は、鋼製のタンクが使用されていたが、かかる鋼製のタ
ンクは、その性質上長年地下に埋設して使用すると、タ
ンク外壁面側からは酸性土壌による腐食を受け、また、
タンク内壁面側からはオイルに混入した水などによる腐
食を受けることにより、タンク壁にピンホール等が発生
して、オイル等の危険物が漏洩するという不具合を招い
ていた。
【0003】このため、耐食性に優れ強度的にも十分使
用可能である強化プラスチック(FRP)が着目され、
内殻を鋼製とし、その外周囲を、危険物の漏れを検知す
るための所定の空間が形成されるようにしながら、該内
殻から所定間隔を隔てて配置されるFRP製の外殻で覆
った鋼製強化プラスチック製二重殻タンク(以下、SF
二重殻タンクと称する。)の使用が普及されるに至っ
た。しかし、SF二重殻タンクでも、長年の使用によ
り、内殻が腐食して、該内殻の壁にピンホール等が発生
し、やはり十分な耐食性を有するものではない。
【0004】そこで、耐食性に優れた地下埋設用のタン
クとして、内殻と外殻とをともに強化プラスチックで製
造するFRP製二重殻タンクの使用が検討され、例え
ば、実用新案登録第3022356号公報には、外殻と
内殻との間に、凹凸を有するプラスチックシートを介装
するとともに、該プラスチックシートと外殻との間に、
フィルムを介装することで、タンク内の危険物の漏れを
検知するための空間を効率的に設けて、よって生産性を
高め、SF二重殻タンクと同等のコストでFRP製二重
殻タンクの製造ができる旨が記載されている。
【0005】一方、このようなFRP製二重殻タンクに
は、注油用のノズルや検知センサー用のノズルなどの各
種ノズルを取り付ける必要があり、これらノズルを取り
付けるにあたっては、通常、外殻及び内殻におけるノズ
ルの取付位置を穿孔して、この穿孔により形成された孔
に各種ノズルを挿通した後に、外殻及び内殻におけるノ
ズルの挿通部位近傍とノズルとを樹脂にて接着固定する
ようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のよう
に、FRP製二重殻タンクに直接各種ノズルを取り付け
ると、作業が大がかりとなり、また、樹脂などを用いて
接着固定する際には、タンクに対してノズルを正確に位
置ぎめし、或いは位置ぎめした状態を保持して接着する
ことができず、そのためノズルがゆがんで固定され、タ
ンクに対するノズルの垂直度、すなわちタンク鉛直方向
と平行方向におけるノズルの取付精度、およびタンクに
対するノズル水平度、すなわち、タンク軸方向と平行方
向及び直角方向におけるノズルの取付精度が出ないとい
う不具合を生じる。
【0007】本発明の目的は、FRP製二重殻タンクに
各種のノズルが正確に位置ぎめされ、タンクに対するノ
ズルの垂直度および水平度が正確に保持されて取り付け
られているFRP製二重殻タンク、及びFRP製二重殻
タンクへのノズルの取付方法を提供しようとするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、強化プラスチックからなる内殻1と、前
記内殻1を覆うように前記内殻1に対して所定の間隔を
隔てて配置される、強化プラスチックからなる外殻2
と、前記外殻2外側と内殻1内側とを連通する、強化プ
ラスチックからなるノズル14とを備えたFRP製二重
殻タンクであって、前記外殻2におけるノズル14の挿
通部位を含む外殻挿通部分15が、前記外殻2の一部を
切り出すことによって得られた外殻切出板16によって
与えられ、該外殻切出板16に前記ノズル14が取り付
けられるとともに、該外殻切出板16が前記外殻2の残
部17に取り付けられている。
【0009】また、本発明は、外殻2におけるノズル1
4の挿通部位を含む外殻挿通部分15が、前記外殻2の
一部を切り出すことによって得られた外殻切出板16に
よって与えられるとともに、内殻1におけるノズル14
の挿通部位を含む内殻挿通部分21が、前記内殻1の一
部を切り出すことによって得られた内殻切出板22によ
って与えられており、前記外殻切出板16と内殻切出板
22とに前記ノズル14が取り付けられる一方、前記外
殻切出板16が前記外殻2の残部17に取り付けられて
いるとともに、前記内殻切出板22が前記内殻1の残部
23に取り付けられているようにしてもよい。
【0010】また、本発明は、外殻2外側と内殻1内側
とを連通するノズル14が複数である場合に好適に用い
られる。
【0011】また、本発明のFRP製二重殻タンクは、
地下埋設用タンクとして好適に用いられる。
【0012】また、本発明は、強化プラスチックからな
る内殻1と、前記内殻1を覆うように前記内殻1に対し
て所定の間隔を隔てて配置される、強化プラスチックか
らなる外殻2とを備えるFRP製二重殻タンクに、前記
外殻2外側と内殻1内側とを連通するノズル14を取り
付けるためのFRP製二重殻タンクへのノズルの取付方
法であって、前記外殻2におけるノズル14の挿通部位
を含む外殻挿通部分15を、前記外殻2から切り出して
外殻切出板16を得た後、該外殻切出板16に前記ノズ
ル14を取り付けた上で、該外殻切出板16を、外殻2
の残部17に取り付けるFRP製二重殻タンクへのノズ
ルの取付方法にも向けられている。
【0013】
【発明の作用効果】本発明によれば、ノズル14の取り
付けは、FRP製二重殻タンクに直接ノズル14を取り
付けるのではなく、外殻2から切り出して得られた外殻
切出板16に取り付けるので、ノズル14の取付作業
は、大がかりとなることなく、タンクに対するノズル1
4の垂直度および水平度を正確に出しながら位置ぎめで
き、且つ位置ぎめした状態を保持しながら外殻切出板1
6におけるノズル14の挿通部位近傍とノズル14とを
樹脂にて確実に接着固定することができ、正確に位置ぎ
めされて取り付けられたノズル14を備えたFRP製二
重殻タンクを得ることができる。
【0014】また、外殻2から切り出して得られた外殻
切出板16と内殻1から切り出して得られた内殻切出板
22との両方にノズル14を取り付ける場合には、その
切り出し作業において、外殻切出板15と内殻切出板2
2とを同時に切り出すので、外殻切出板16のみを切り
出す場合に比べ切り出し作業が容易であり、また、ノズ
ル14は、外殻切出板16におけるノズル14の挿通部
位近傍と内殻切出板22におけるノズル14の挿通部位
近傍との二つの位置で接着固定することができるので、
より精度よくタンクに対するノズル14の垂直度および
水平度を出すことができ、より正確に取り付けられたノ
ズル14を備えたFRP製二重殻タンクを得ることがで
きる。
【0015】また、取り付けようとするノズル14が複
数である場合には、外殻切出板16および内殻切出板2
2に一度に複数のノズル14を取り付けることができ、
簡易に取り付けることができながら、且つ精度よくタン
クに対する各ノズル14の垂直度および水平度を出すこ
とができ、正確に取り付けられた複数のノズル14を備
えたFRP製二重殻タンクを得ることができる。
【0016】そして、本発明のFRP製二重殻タンク
は、耐腐食性が要求される地下埋設用のタンクとして、
特に好適に用いることができる。
【0017】また、外殻2から切り出して外殻切出板1
6を得た後、該外殻切出板16にノズル14を挿通した
上で、該外殻切出板16を、外殻2の残部17に取り付
けることにより、ノズル14の取付作業は、大がかりと
なることなく、タンクに対するノズル14の垂直度およ
び水平度を正確だしながら位置ぎめでき、且つ位置ぎめ
した状態を保持しながら外殻切出板16におけるノズル
14の挿通部位近傍とノズル14とを樹脂にて確実に接
着固定することができ、正確にノズル14をFRP製二
重殻タンクに取り付けることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のFRP製二重殻
タンクの一実施形態を示す平面図であり、図2は、図1
に示したFRP製二重殻タンクの側面図である。
【0019】図1及び図2において、FRP製二重殻タ
ンクは、ガソリンなどの危険物が貯蔵される地下埋設用
のタンクであり、軸線を水平方向に向けた円筒形状をな
し、その左側上面部には、注油ノズル10、通気ノズル
11a、給油ノズル11b、液面計ノズル12、検知用
ノズル13など各種のノズル14が取り付けられてお
り、また右側上面部には、作業者が出入りするためのマ
ンホール29が取り付けられている。
【0020】そして、このFRP製二重殻タンクは、図
3にその断面を示すように、強化プラスチックからなる
内殻1と、前記内殻1を覆うように前記内殻1に対して
所定の間隔を隔てて配置される、強化プラスチックから
なる外殻2とを備えており、前記内殻1と外殻2との間
には、内殻1を覆うようにスペーサー3が介装されてい
る。
【0021】前記スペーサー3は、図4に示すように、
矩形板状で、外殻2側に向かって開口する凹部4を有す
るシート5と、前記シート5の凹部4の開口を覆い且つ
前記シート5に貼着されるフィルム6とを備えており、
各凹部4と凹部4との間の間隙が、危険物の漏れを検知
するための空間を形成している。尚、このスペーサー3
は、内殻1と外殻2との間に介装されるときには、内殻
1の外周に沿った曲率を有する湾曲状に成形される。
【0022】前記シート5の凹部4は、図4及び図5に
示すように、縦溝7と、該縦溝7に直交する横溝8を備
え、この縦溝7と横溝8とで、十字状の溝とT字状の溝
と十字状の溝とT字状とを連続させた溝とを形成して、
内殻の何れの位置から危険物が漏れたとしても、漏れた
危険物が後述する検知センサー30に至るまでの流路を
有効に確保している。そして、このシート5は、漏れた
危険物をすばやく検知するために、凹部4と凹部4との
間の空間をあまり広くすることのないよう、シート5の
高さとして、3〜5mm程度とするのが好ましく、また、
シート5の厚さは、耐圧強度を考慮して、0.4〜1.
2mmとするのが好ましい。
【0023】また、前記シート5における前記凹部4の
開口側の面には、面全体にフィルム6が貼着されていお
り、さらに、スペーサー3の四方縁部には、これと隣合
うスペーサー3の縁部に重合する重ねしろ9が設けられ
ている。
【0024】そして、このスペーサー3は、図3に示す
ように、前記シート5における前記凹部4の開口側が外
殻2側に対向し、前記シート5における前記凹部4の窪
み側が内殻1側に対向するようにして、前記内殻1を覆
うようにして複数配置されている。
【0025】そして、このように複数の前記スペーサー
3を用いて内殻1を覆うことにより、FRP製二重殻タ
ンクの製造時においては、このスペーサー3を内殻1の
外周囲上に配置するのみで、危険物の漏れを検知するた
めの空間を確保できながら、且つそのまま外殻2を成形
できるので、従来のように、内殻1の外周囲にシート5
を配置した後、フィルム6の緊張状態を把握しながらシ
ート5にフィルム6を弛みなく均一に巻きつけるといっ
た煩雑な工程を必要とせず、作業の効率を向上させて生
産性を高め、よりコストが低減されたFRP製二重殻タ
ンクを得ることができる。
【0026】また、この配置において、図6に示すよう
に、前記スペーサー3の重ねしろ9を、これと隣合うス
ペーサー3の重ねしろ9と互いに重合させるようにして
配置すると、各スペーサー3とスペーサー3との間に隙
間を生じさせることがなく、よって、外殻2を成形する
作業時において、危険物の漏れを検知するための空間へ
の樹脂の侵入を確実に防止することができる。尚、本実
施態様では、図5及び図6に示すように、重ねしろ9に
おいて、フィルム6の端部をシート5の端部よりも長く
して、前記フィルム6を、それと隣合うスペーサー3の
凹部付近まで重合させることにより、樹脂の侵入をより
確実に防止している。
【0027】そして、注油ノズル10、通気ノズル11
a、給油ノズル11b、液面計ノズル12、検知用ノズ
ル13などの外殻2外側と内殻1内側とを連通する各種
のノズル14は、前述したように、図1において、FR
P製二重殻タンクの左側上面に取り付けられており、こ
の取り付けは、図7及び図8に示すように、前記外殻2
におけるノズル14の挿通部位を含む外殻挿通部分15
を、前記外殻2から切り出して外殻切出板16を得、次
いで、外殻切出板16に前記ノズル14を挿通した上
で、該外殻切出板16を、外殻2の残部17に取り付け
るようにしている。
【0028】さらに詳述すると、まず、図1に示す、外
殻2におけるノズル14の挿通部位を含む外殻挿通部分
15を、外殻切出板16として切り出して、この外殻切
出板16に各種のノズル14を取り付ける。この取り付
けは、前記外殻切出板16を所定の治具で固定して、ノ
ズル14の取り付けのための貫通孔18を形成し、次い
で、前記貫通孔18にノズル14を挿通した上で、外殻
切出板16におけるノズル14の挿通部位近傍とノズル
14とを樹脂で積層し、オーバーレイ層19を形成する
ことにより行われている。このようにして、図7に示す
ような状態とし、これを、外殻2の残部17、すなわ
ち、外殻切出板16が切り出されることによって形成さ
れた外殻2の開口部位にふたたび取り付けて、図8に示
すような状態とする。
【0029】外殻切出板16の外殻2の残部17への取
り付けに際しては、内殻1にノズル14を挿通する貫通
孔20を形成しておき、ノズル14を内殻1の貫通孔2
0に挿通するとともに、外殻切出板16を前記残部17
に組付けて、該外殻切出板16の縁部と外殻2とを樹脂
を用いて積層し、オーバーレイ層24を形成することに
より接着する。この場合、前記内殻1に形成された貫通
孔20とノズル14との隙間は、内殻1の内部の気密性
を保持するため、別途樹脂31を用いて積層する。
【0030】このようにして、各種ノズル14をFRP
製二重殻タンクに取り付けると、直接タンクにノズル1
4を取り付ける場合に比べて、ノズル14の取付作業
は、切り出した外殻取付板16上で行うことができて、
作業が大がかりとなることなく、簡易な治具などを用い
て取り付けることができ、タンクに対するノズル14の
垂直度および水平度を正確に出しながら位置ぎめでき、
且つ位置ぎめした状態を保持しながら外殻切出板16に
おけるノズル14の挿通部位近傍とノズル14とを樹脂
にて確実に接着固定することができ、正確に位置ぎめさ
れて取り付けられたノズルを備えたFRP製二重殻タン
クを得ることができる。
【0031】さらに、この取り付けは、図9及び図10
に示すように、前記外殻2におけるノズル14の挿通部
位を含む外殻挿通部分15を、前記外殻2から切り出し
て外殻切出板16を得るとともに、前記内殻1における
ノズル14の挿通部位を含む内殻挿通部分21を、前記
内殻1から切り出して内殻切出板22を得て、次いで、
外殻切出板16と内殻切出板22とに前記ノズル14を
挿通した上で、前記外殻切出板16を、外殻2の残部1
7に取り付けるとともに、前記内殻切出板22を、内殻
1の残部23に取り付けるようにしてもよい。
【0032】さらに詳述すると、外殻2及び内殻1から
外殻切出板16と内殻切出板22とを一度に切り出し
て、この切り出された前記外殻切出板16と内殻切出板
22とを所定の治具で固定して、ノズル14の取り付け
のための貫通孔18、20を一度に形成し、次いで、前
記貫通孔18、20にノズル14を挿通した上で、外殻
切出板16におけるノズル14の挿通部位近傍とノズル
14とを樹脂で積層して、オーバーレイ層25を形成す
るとともに、内殻切出板22におけるノズル14の挿通
部位近傍とノズル14とを樹脂で積層して、オーバーレ
イ層26を形成する。
【0033】そして、ノズル14が取り付けられた外殻
切出板16及び内殻切出板22(図9に示す状態)を、
外殻2の残部17及び内殻1の残部23にふたたび組付
けて、前記外殻切出板16の縁部と外殻2とを樹脂を用
いて積層し、オーバーレイ層27を形成するとともに、
前記内殻切出板22の縁部と内殻1とを樹脂を用いて積
層し、オーバーレイ層28を形成する(図10に示す状
態)。
【0034】また、この取り付けに際しては、図11に
示すように、外殻切出板16より大きめの補強板32を
外殻切出板16に取り付けて、この補強板32を介して
外殻2に外殻切出板16を固定してもよい。この補強板
32を用いることにより、外殻2へのノズル14の取り
付けに際しては、補強板32におけるノズル14の取り
付け位置を予め穿孔しておいて、この穿孔された補強板
32を外殻に取り付けた後、外殻2及び内殻1の穿孔を
することにより、外殻2及び内殻1の穿孔をより簡易且
つ正確に行うことができる。
【0035】また、本実施形態では、注油ノズル10、
通気ノズル11a、給油ノズル11b、液面計ノズル1
2、検知用ノズル13など複数のノズル14を、外殻切
出板16および内殻切出板22に一度に取り付けるの
で、簡易に取り付けることができながら、且つ精度よく
タンクに対する各ノズル14の垂直度および水平度をだ
すことができる。
【0036】尚、各種ノズル14の内、検知用ノズル1
3には、図12に示すように検知センサー30を挿通し
て、その先端が内殻1と外殻2との間に設けられた空
隙、すなわち、前記スペーサー3の凹部4間に位置する
ように配置して、内殻から危険物が洩れた場合に、その
洩れを検知できるようにしている。
【0037】次に、本実施形態のFRP製二重殻タンク
の製造方法について述べる。
【0038】本発明のFRP製二重殻タンクは、フィラ
メントワインディング法、ハンドレイアップ法、スプレ
イアップ法、シート貼り法、遠心成形法など従来公知の
FRPの成形法で成形することができるが、二重殻構造
を成形する場合は、好適にはフィラメントワインディン
グ法が用いられる。以下、フィラメントワインディング
法で成形する場合について説明する。
【0039】先ず、強化プラスチックからなる内殻1を
フィラメントワインディング法により成形する。内殻1
を成形する強化プラスチックとしては、熱硬化性樹脂、
好ましくは不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹
脂などが用いられる。該不飽和ポリエステル樹脂として
は、公知の何れの樹脂を用いてもよいが、耐食性の点か
らイソフタル酸系、テレフタル酸系、ビスフェノール系
の樹脂が好ましい。
【0040】また、強化プラスチック中の強化繊維とし
ては、ガラス繊維が好ましく、ガラス含有量は、特に限
定されないが30〜60重量%の範囲とするのがよい。
【0041】そして、マンドレル上に、ガラス繊維を、
パラレル、ヘリカル、ポーラー、レベルなど公知の巻き
方で巻きつけて、前述した熱硬化性樹脂を含浸させ、内
殻1を成形する。この場合、チョップドストランドを併
用してもよい。
【0042】次いで、成形された内殻1上に、凹部4を
有するシート5と、前記シート5の凹部4の開口を覆い
且つ前記シート5に貼着されるフィルム6とを備える複
数のスペーサー3を用意し、前記フィルム6を外側に向
けた状態としながら、前記スペーサー3とスペーサー3
との間に隙間ができないように、前記内殻1上に配置す
る。
【0043】この場合前述したように、図6に示すよう
に、前記スペーサー3の重ねしろ9を、これと隣合うス
ペーサー3の重ねしろ9と互いに重合させるようにして
配置すると、各スペーサー3とスペーサー3との間に隙
間を生じさせることがなく、よって、外殻2を成形する
段階において、危険物の漏れを検知するための空間への
樹脂の侵入を確実に防止することができる。
【0044】前記シート5の材料としては、例えば、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル樹脂など
公知の熱可塑性樹脂が用いられ、ストレートフォーミン
グ、プレッシャーフォーミング、プラッグアシストフォ
ーミング、ドレープフォーミング、プレッシャーバルブ
イマージョンフォーミングなど公知のシート成形方法に
よりシート状とし、次いで真空成形などにより、該シー
ト5に凹部4を形成する。
【0045】また、前記フィルム6の材料としては、内
殻1及び外殻2の成形に使用する、前記の不飽和ポリエ
ステル樹脂やエポキシアクリレート樹脂中に含まれるス
チレンモノマーなどに溶解しないものであれば、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリ塩化ビニリデンなどの公知のいずれの
樹脂を使用してもよい。
【0046】そして、前記内殻1を覆ったスペーサー3
のフィルム6上に、強化プラスチックからなる外殻2を
フィラメントワインディング法により成形する。
【0047】外殻2を成形する強化プラスチックとして
は、内殻1を形成する強化プラスチックと同等のものを
用いることができ、内殻1と同様の方法で成形する。
【0048】このようにして得られた本発明のFRP製
二重殻タンクは、耐腐食性が要求される、ガソリンなど
の危険物が貯蔵される地下埋設用のタンクとして、好適
に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のFRP製二重殻タンクの一実施形態を
示す平面図である。
【図2】図1におけるFRP製二重殻タンクの側面図で
ある。
【図3】図1におけるFRP製二重殻タンクの部分断面
図である。
【図4】図3で内殻と外殻との間に介装されているスペ
ーサーの斜視図である。
【図5】図4に示すスペーサーの縁部の部分断面図であ
る。
【図6】図3に示すスペーサーの重ねしろを重ねている
部分を示すFRP製二重殻タンクの部分断面図である。
【図7】外殻切出板にノズルが挿通された状態を示す外
殻切出板の部分断面図である。
【図8】外殻切出板を外殻の残部に取り付けた状態を示
すFRP製二重殻タンクの部分断面図である。
【図9】外殻切出板と内殻切出板とにノズルが挿通され
た状態を示す外殻切出板及び内殻切出板の部分断面であ
る。
【図10】外殻切出板と内殻切出板とをそれぞれ、外殻
の残部及び内殻の残部に取り付けた状態を示すFRP製
二重殻タンクの部分断面図である。
【図11】補強板を用いて外殻切出板と外殻とを固定し
ている状態を示すFRP製二重殻タンクの部分断面図で
ある。
【図12】検知センサーの配置を示すFRP製二重殻タ
ンクの部分断面図である。
【符号の説明】
1 内殻 2 外殻 14 ノズル 15 外殻挿通部分 16 外殻切出板 17 残部 21 内殻挿通部分 22 内殻切出板 23 残部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化プラスチックからなる内殻(1)
    と、前記内殻(1)を覆うように前記内殻(1)に対し
    て所定の間隔を隔てて配置される、強化プラスチックか
    らなる外殻(2)と、前記外殻(2)外側と内殻(1)
    内側とを連通する、強化プラスチックからなるノズル
    (14)とを備えたFRP製二重殻タンクであって、 前記外殻(2)におけるノズル(14)の挿通部位を含
    む外殻挿通部分(15)が、前記外殻(2)の一部を切
    り出すことによって得られた外殻切出板(16)によっ
    て与えられ、該外殻切出板(16)に前記ノズル(1
    4)が取り付けられるとともに、該外殻切出板(16)
    が前記外殻(2)の残部(17)に取り付けられている
    ことを特徴とするFRP製二重殻タンク。
  2. 【請求項2】 外殻(2)におけるノズル(14)の挿
    通部位を含む外殻挿通部分(15)が、前記外殻(2)
    の一部を切り出すことによって得られた外殻切出板(1
    6)によって与えられるとともに、内殻(1)における
    ノズル(14)の挿通部位を含む内殻挿通部分(21)
    が、前記内殻(1)の一部を切り出すことによって得ら
    れた内殻切出板(22)によって与えられており、前記
    外殻切出板(16)と内殻切出板(22)とに前記ノズ
    ル(14)が取り付けられる一方、前記外殻切出板(1
    6)が前記外殻(2)の残部(17)に取り付けられて
    いるとともに、前記内殻切出板(22)が前記内殻
    (1)の残部(23)に取り付けられている請求項1記
    載のFRP製二重殻タンク。
  3. 【請求項3】 外殻(2)外側と内殻(1)内側とを連
    通するノズル(14)が複数である請求項1又は2に記
    載のFRP製二重殻タンク。
  4. 【請求項4】 地下埋設用タンクとして用いられる請求
    項1〜3のいずれかに記載のFRP製二重殻タンク。
  5. 【請求項5】 強化プラスチックからなる内殻(1)
    と、前記内殻(1)を覆うように前記内殻(1)に対し
    て所定の間隔を隔てて配置される、強化プラスチックか
    らなる外殻(2)とを備えるFRP製二重殻タンクに、
    前記外殻(2)外側と内殻(1)内側とを連通するノズ
    ル(14)を取り付けるためのFRP製二重殻タンクへ
    のノズルの取付方法であって、 前記外殻(2)におけるノズル(14)の挿通部位を含
    む外殻挿通部分(15)を、前記外殻(2)から切り出
    して外殻切出板(16)を得た後、該外殻切出板(1
    6)に前記ノズル(14)を取り付けた上で、該外殻切
    出板(16)を、外殻(2)の残部(17)に取り付け
    ることを特徴とするFRP製二重殻タンクへのノズルの
    取付方法。
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