JP3009851B2 - Frp製二重殻タンクおよびその製造方法 - Google Patents
Frp製二重殻タンクおよびその製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FRP製二重殻タ
ンク、詳しくは、地下埋設用タンクとして好適に用いら
れるFRP製二重殻タンク、およびその製造方法に関す
る。
ンク、詳しくは、地下埋設用タンクとして好適に用いら
れるFRP製二重殻タンク、およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、地下埋設用のオイルタンクとして
は、鋼製のタンクが使用されていたが、かかる鋼製のタ
ンクは、その性質上長年地下に埋設して使用すると、タ
ンク外壁面側からは酸性土壌による腐食を受け、また、
タンク内壁面側からはオイルに混入した水などによる腐
食を受けることにより、タンク壁にピンホール等が発生
して、オイル等の危険物が漏洩するという不具合を招い
ていた。
は、鋼製のタンクが使用されていたが、かかる鋼製のタ
ンクは、その性質上長年地下に埋設して使用すると、タ
ンク外壁面側からは酸性土壌による腐食を受け、また、
タンク内壁面側からはオイルに混入した水などによる腐
食を受けることにより、タンク壁にピンホール等が発生
して、オイル等の危険物が漏洩するという不具合を招い
ていた。
【0003】このため、耐食性に優れ強度的にも十分使
用可能である強化プラスチック(FRP)が着目され、
内殻を鋼製とし、その外周囲を、危険物の漏れを検知す
るための所定の空間が形成されるようにしながら、該内
殻から所定間隔を隔てて内殻を覆うように配置されるF
RP製の外殻とで構成される鋼製強化プラスチック製二
重殻タンク(以下、SF二重殻タンクと称する。)の使
用が普及されるに至った。しかし、SF二重殻タンクで
も、長年の使用により、内殻が腐食して、該内殻の壁に
ピンホール等が発生し、やはり十分な耐食性を有するも
のではない。
用可能である強化プラスチック(FRP)が着目され、
内殻を鋼製とし、その外周囲を、危険物の漏れを検知す
るための所定の空間が形成されるようにしながら、該内
殻から所定間隔を隔てて内殻を覆うように配置されるF
RP製の外殻とで構成される鋼製強化プラスチック製二
重殻タンク(以下、SF二重殻タンクと称する。)の使
用が普及されるに至った。しかし、SF二重殻タンクで
も、長年の使用により、内殻が腐食して、該内殻の壁に
ピンホール等が発生し、やはり十分な耐食性を有するも
のではない。
【0004】そこで、耐食性に優れた地下埋設用のタン
クとして、内殻と外殻とをともに強化プラスチックで製
造するFRP製二重殻タンクの使用が検討され、例え
ば、実用新案登録第3022356号公報には、外殻と
内殻との間に、凹凸を有するプラスチックシートを介装
するとともに、該プラスチックシートと外殻との間に、
フィルムを介装することで、タンク内の危険物の漏れを
検知するための空間を効率的に設けて、よって生産性を
高め、SF二重殻タンクと同等のコストでFRP製二重
殻タンクの製造ができる旨が記載されている。
クとして、内殻と外殻とをともに強化プラスチックで製
造するFRP製二重殻タンクの使用が検討され、例え
ば、実用新案登録第3022356号公報には、外殻と
内殻との間に、凹凸を有するプラスチックシートを介装
するとともに、該プラスチックシートと外殻との間に、
フィルムを介装することで、タンク内の危険物の漏れを
検知するための空間を効率的に設けて、よって生産性を
高め、SF二重殻タンクと同等のコストでFRP製二重
殻タンクの製造ができる旨が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記したFR
P製二重殻タンクを製造するには、内殻を成形する工程
と、該内殻の外周囲にプラスチックシートを配置する工
程と、該プラスチックシートにフィルムを巻きつける工
程と、該フィルム上に外殻を成形する工程とを要し、製
造上の工程が多く、生産性の向上をそれ程図ることはで
きない。
P製二重殻タンクを製造するには、内殻を成形する工程
と、該内殻の外周囲にプラスチックシートを配置する工
程と、該プラスチックシートにフィルムを巻きつける工
程と、該フィルム上に外殻を成形する工程とを要し、製
造上の工程が多く、生産性の向上をそれ程図ることはで
きない。
【0006】殊に、プラスチックシートにフィルムを巻
きつける工程においては、フィルムの伸びによりフィル
ムの緊張状態が変化するので、プラスチックシートにフ
ィルムを弛みなく均一に巻きつけるには、正確な作業を
要し、却って作業が煩雑となって生産性の低下を招来し
かねない。
きつける工程においては、フィルムの伸びによりフィル
ムの緊張状態が変化するので、プラスチックシートにフ
ィルムを弛みなく均一に巻きつけるには、正確な作業を
要し、却って作業が煩雑となって生産性の低下を招来し
かねない。
【0007】本発明の目的は、煩雑な作業を要すること
なく製造でき、生産性が高められたFRP製二重殻タン
ク、およびその製造方法を提供しようとするものであ
る。
なく製造でき、生産性が高められたFRP製二重殻タン
ク、およびその製造方法を提供しようとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、強化プラスチックからなる内殻1と、前
記内殻1を覆う強化プラスチックからなる外殻2とを備
えるFRP製二重殻タンクであって、前記内殻1と外殻
2との間には、内殻1を覆うように複数のスペーサー3
が介装されており、前記スペーサー3は、外殻2側に向
かって開口する凹部4を有するシート5と、前記シート
5の凹部4の開口を覆い且つ前記シート5に貼着される
フィルム6とを備え、その縁部には、これと隣合うスペ
ーサー3の縁部に重合する重ねしろ9が設けられてい
る。
め、本発明は、強化プラスチックからなる内殻1と、前
記内殻1を覆う強化プラスチックからなる外殻2とを備
えるFRP製二重殻タンクであって、前記内殻1と外殻
2との間には、内殻1を覆うように複数のスペーサー3
が介装されており、前記スペーサー3は、外殻2側に向
かって開口する凹部4を有するシート5と、前記シート
5の凹部4の開口を覆い且つ前記シート5に貼着される
フィルム6とを備え、その縁部には、これと隣合うスペ
ーサー3の縁部に重合する重ねしろ9が設けられてい
る。
【0009】
【0010】そして、本発明のFRP製二重殻タンク
は、地下埋設用タンクとして好適に用いられる。
は、地下埋設用タンクとして好適に用いられる。
【0011】さらに、本発明は、強化プラスチックから
なる内殻1を成形し、凹部4を有するシート5と、前記
シート5の凹部4の開口を覆い且つ前記シート5に貼着
されるフィルム6とを備える複数のスペーサー3を用意
し、前記フィルム6を外側に向けた状態としながら前記
複数のスペーサー3で前記内殻1を覆い、前記内殻1を
覆ったスペーサー3のフィルム6上に、強化プラスチッ
クからなる外殻2を成形する、各工程を備えるFRP製
二重殻タンクの製造方法にも向けられている。
なる内殻1を成形し、凹部4を有するシート5と、前記
シート5の凹部4の開口を覆い且つ前記シート5に貼着
されるフィルム6とを備える複数のスペーサー3を用意
し、前記フィルム6を外側に向けた状態としながら前記
複数のスペーサー3で前記内殻1を覆い、前記内殻1を
覆ったスペーサー3のフィルム6上に、強化プラスチッ
クからなる外殻2を成形する、各工程を備えるFRP製
二重殻タンクの製造方法にも向けられている。
【0012】このFRP製二重殻タンクの製造方法にお
いて、スペーサー3の縁部には、これと隣合うスペーサ
ー3の縁部に重合する重ねしろ9が設けられ、複数のス
ペーサー3で内殻1を覆う工程は、前記スペーサー3の
重ねしろ9を互いに重合させる工程を含んでいることが
好ましい。
いて、スペーサー3の縁部には、これと隣合うスペーサ
ー3の縁部に重合する重ねしろ9が設けられ、複数のス
ペーサー3で内殻1を覆う工程は、前記スペーサー3の
重ねしろ9を互いに重合させる工程を含んでいることが
好ましい。
【0013】
【発明の作用効果】本発明によれば、内殻1と外殻2と
の間に介装されるスペーサー3は、外殻2側に向かって
開口する凹部4を有するシート5と、前記シート5の凹
部4の開口を覆い且つ前記シート5に貼着されるフィル
ム6とを備えているので、FRP製二重殻タンクの製造
時において、このスペーサー3を内殻1の外周囲上に配
置するのみで、危険物の漏れを検知するための空間を確
保できながら、且つそのまま外殻2を成形できるので、
従来のように、内殻1の外周囲にプラスチックシートを
配置した後、フィルムの緊張状態を把握しながらプラス
チックシートにフィルムを弛みなく均一に巻きつけると
いった煩雑な工程を必要とせず、作業の効率を向上させ
て生産性を高め、よりコストが低減されたFRP製二重
殻タンクを提供することができる。
の間に介装されるスペーサー3は、外殻2側に向かって
開口する凹部4を有するシート5と、前記シート5の凹
部4の開口を覆い且つ前記シート5に貼着されるフィル
ム6とを備えているので、FRP製二重殻タンクの製造
時において、このスペーサー3を内殻1の外周囲上に配
置するのみで、危険物の漏れを検知するための空間を確
保できながら、且つそのまま外殻2を成形できるので、
従来のように、内殻1の外周囲にプラスチックシートを
配置した後、フィルムの緊張状態を把握しながらプラス
チックシートにフィルムを弛みなく均一に巻きつけると
いった煩雑な工程を必要とせず、作業の効率を向上させ
て生産性を高め、よりコストが低減されたFRP製二重
殻タンクを提供することができる。
【0014】しかも、本発明では、スペーサー3の縁部
に、これと隣合うスペーサー3の縁部に重合する重ねし
ろ9を設けているので、複数のスペーサー3を用いて
も、スペーサー3で内殻1を覆う際には、各スペーサー
3の重ねしろを互いに重合させることにより、各スペー
サー3とスペーサー3との間に隙間を生じさせることが
なく、よって、外殻2を成形する際に、危険物の漏れを
検知するための空間への樹脂の侵入を確実に防止するこ
とができる。
に、これと隣合うスペーサー3の縁部に重合する重ねし
ろ9を設けているので、複数のスペーサー3を用いて
も、スペーサー3で内殻1を覆う際には、各スペーサー
3の重ねしろを互いに重合させることにより、各スペー
サー3とスペーサー3との間に隙間を生じさせることが
なく、よって、外殻2を成形する際に、危険物の漏れを
検知するための空間への樹脂の侵入を確実に防止するこ
とができる。
【0015】そして、本発明のFRP製二重殻タンク
は、耐腐食性が要求される地下埋設用のタンクとして、
特に好適に用いることができる。
は、耐腐食性が要求される地下埋設用のタンクとして、
特に好適に用いることができる。
【0016】さらに、本発明のFRP製二重殻タンク
は、凹部4を有するシート5と、前記シート5の凹部4
の開口を覆い且つ前記シート5に貼着されるフィルム6
とを備える複数のスペーサー3を用いて、前記フィルム
6を外側に向けた状態としながら内殻1を覆い、前記内
殻1を覆ったスペーサー3のフィルム6上に、外殻2を
成形することにより製造されるので、複数のスペーサー
3を内殻1の外周囲上に配置するのみで、危険物の漏れ
を検知するための空間を確保しながら、且つそのまま外
殻2を成形することができるので、従来のように、内殻
1の外周囲にプラスチックシートを配置した後、フィル
ムの緊張状態を把握しながらプラスチックシートにフィ
ルムを弛みなく均一に巻きつけるといった煩雑な工程を
必要とせず、作業の効率を向上させて生産性を高めるこ
とができ、よって、よりコストが低減されたFRP製二
重殻タンクを提供することができる。
は、凹部4を有するシート5と、前記シート5の凹部4
の開口を覆い且つ前記シート5に貼着されるフィルム6
とを備える複数のスペーサー3を用いて、前記フィルム
6を外側に向けた状態としながら内殻1を覆い、前記内
殻1を覆ったスペーサー3のフィルム6上に、外殻2を
成形することにより製造されるので、複数のスペーサー
3を内殻1の外周囲上に配置するのみで、危険物の漏れ
を検知するための空間を確保しながら、且つそのまま外
殻2を成形することができるので、従来のように、内殻
1の外周囲にプラスチックシートを配置した後、フィル
ムの緊張状態を把握しながらプラスチックシートにフィ
ルムを弛みなく均一に巻きつけるといった煩雑な工程を
必要とせず、作業の効率を向上させて生産性を高めるこ
とができ、よって、よりコストが低減されたFRP製二
重殻タンクを提供することができる。
【0017】また、本発明のFRP製二重殻タンクの製
造方法において、スペーサー3の縁部に、これと隣合う
スペーサー3の縁部に重合する重ねしろ9が設けられ、
複数のスペーサー3で内殻1を覆う工程において、前記
スペーサー3の重ねしろ9を互いに重合させる場合に
は、重合させたスペーサー3とスペーサー3との間に
は、隙間が生じることはなく、よって、外殻2を成形す
る際に、危険物の漏れを検知するための空間への樹脂の
侵入を確実に防止することができる。
造方法において、スペーサー3の縁部に、これと隣合う
スペーサー3の縁部に重合する重ねしろ9が設けられ、
複数のスペーサー3で内殻1を覆う工程において、前記
スペーサー3の重ねしろ9を互いに重合させる場合に
は、重合させたスペーサー3とスペーサー3との間に
は、隙間が生じることはなく、よって、外殻2を成形す
る際に、危険物の漏れを検知するための空間への樹脂の
侵入を確実に防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のFRP製二重殻
タンクの一実施形態を示す平面図であり、図2は、図1
に示したFRP製二重殻タンクの側面図である。
タンクの一実施形態を示す平面図であり、図2は、図1
に示したFRP製二重殻タンクの側面図である。
【0019】図1及び図2において、FRP製二重殻タ
ンクは、ガソリンなどの危険物が貯蔵される地下埋設用
のタンクであり、軸線を水平方向に向けた円筒形状をな
し、その左側上面部には、注油ノズル10、通気ノズル
11a、給油ノズル11b、液面計ノズル12、検知用
ノズル13など各種のノズル14が取り付けられてお
り、また右側上面部には、作業者が出入りするためのマ
ンホール29が取り付けられている。
ンクは、ガソリンなどの危険物が貯蔵される地下埋設用
のタンクであり、軸線を水平方向に向けた円筒形状をな
し、その左側上面部には、注油ノズル10、通気ノズル
11a、給油ノズル11b、液面計ノズル12、検知用
ノズル13など各種のノズル14が取り付けられてお
り、また右側上面部には、作業者が出入りするためのマ
ンホール29が取り付けられている。
【0020】そして、このFRP製二重殻タンクは、図
3にその断面を示すように、強化プラスチックからなる
内殻1と、前記内殻1を覆うように前記内殻1に対して
所定の間隔を隔てて配置される、強化プラスチックから
なる外殻2とを備えており、前記内殻1と外殻2との間
には、内殻1を覆うようにスペーサー3が介装されてい
る。
3にその断面を示すように、強化プラスチックからなる
内殻1と、前記内殻1を覆うように前記内殻1に対して
所定の間隔を隔てて配置される、強化プラスチックから
なる外殻2とを備えており、前記内殻1と外殻2との間
には、内殻1を覆うようにスペーサー3が介装されてい
る。
【0021】前記スペーサー3は、図4に示すように、
矩形板状で、外殻2側に向かって開口する凹部4を有す
るシート5と、前記シート5の凹部4の開口を覆い且つ
前記シート5に貼着されるフィルム6とを備えており、
各凹部4と凹部4との間の間隙が、危険物の漏れを検知
するための空間を形成している。尚、このスペーサー3
は、内殻1と外殻2との間に介装されるときには、内殻
1の外周に沿った曲率を有する湾曲状に成形される。
矩形板状で、外殻2側に向かって開口する凹部4を有す
るシート5と、前記シート5の凹部4の開口を覆い且つ
前記シート5に貼着されるフィルム6とを備えており、
各凹部4と凹部4との間の間隙が、危険物の漏れを検知
するための空間を形成している。尚、このスペーサー3
は、内殻1と外殻2との間に介装されるときには、内殻
1の外周に沿った曲率を有する湾曲状に成形される。
【0022】前記シート5の凹部4は、図4及び図5に
示すように、縦溝7と、該縦溝7に直交する横溝8を備
え、この縦溝7と横溝8とで、十字状の溝とT字状の溝
と十字状の溝とT字状とを連続させた溝とを形成して、
内殻の何れの位置から危険物が漏れたとしても、漏れた
危険物が後述する検知センサー30に至るまでの流路を
有効に確保している。そして、このシート5は、漏れた
危険物をすばやく検知するために、凹部4と凹部4との
間の空間をあまり広くすることのないよう、シート5の
高さとして、3〜5mm程度とするのが好ましく、また、
シート5の厚さは、耐圧強度を考慮して、0.4〜1.
2mmとするのが好ましい。
示すように、縦溝7と、該縦溝7に直交する横溝8を備
え、この縦溝7と横溝8とで、十字状の溝とT字状の溝
と十字状の溝とT字状とを連続させた溝とを形成して、
内殻の何れの位置から危険物が漏れたとしても、漏れた
危険物が後述する検知センサー30に至るまでの流路を
有効に確保している。そして、このシート5は、漏れた
危険物をすばやく検知するために、凹部4と凹部4との
間の空間をあまり広くすることのないよう、シート5の
高さとして、3〜5mm程度とするのが好ましく、また、
シート5の厚さは、耐圧強度を考慮して、0.4〜1.
2mmとするのが好ましい。
【0023】また、前記シート5における前記凹部4の
開口側の面には、面全体にフィルム6が貼着されていお
り、さらに、スペーサー3の四方縁部には、これと隣合
うスペーサー3の縁部に重合する重ねしろ9が設けられ
ている。
開口側の面には、面全体にフィルム6が貼着されていお
り、さらに、スペーサー3の四方縁部には、これと隣合
うスペーサー3の縁部に重合する重ねしろ9が設けられ
ている。
【0024】そして、このスペーサー3は、図3に示す
ように、前記シート5における前記凹部4の開口側が外
殻2側に対向し、前記シート5における前記凹部4の窪
み側が内殻1側に対向するようにして、前記内殻1を覆
うようにして複数配置されている。
ように、前記シート5における前記凹部4の開口側が外
殻2側に対向し、前記シート5における前記凹部4の窪
み側が内殻1側に対向するようにして、前記内殻1を覆
うようにして複数配置されている。
【0025】そして、このように複数の前記スペーサー
3を用いて内殻1を覆うことにより、FRP製二重殻タ
ンクの製造時においては、このスペーサー3を内殻1の
外周囲上に配置するのみで、危険物の漏れを検知するた
めの空間を確保できながら、且つそのまま外殻2を成形
できるので、従来のように、内殻1の外周囲にシート5
を配置した後、フィルム6の緊張状態を把握しながらシ
ート5にフィルム6を弛みなく均一に巻きつけるといっ
た煩雑な工程を必要とせず、作業の効率を向上させて生
産性を高め、よりコストが低減されたFRP製二重殻タ
ンクを得ることができる。
3を用いて内殻1を覆うことにより、FRP製二重殻タ
ンクの製造時においては、このスペーサー3を内殻1の
外周囲上に配置するのみで、危険物の漏れを検知するた
めの空間を確保できながら、且つそのまま外殻2を成形
できるので、従来のように、内殻1の外周囲にシート5
を配置した後、フィルム6の緊張状態を把握しながらシ
ート5にフィルム6を弛みなく均一に巻きつけるといっ
た煩雑な工程を必要とせず、作業の効率を向上させて生
産性を高め、よりコストが低減されたFRP製二重殻タ
ンクを得ることができる。
【0026】また、この配置において、図6に示すよう
に、前記スペーサー3の重ねしろ9を、これと隣合うス
ペーサー3の重ねしろ9と互いに重合させるようにして
配置しているので、各スペーサー3とスペーサー3との
間に隙間を生じさせることがなく、よって、外殻2を成
形する作業時において、危険物の漏れを検知するための
空間への樹脂の侵入を確実に防止することができる。
尚、本実施態様では、図5及び図6に示すように、重ね
しろ9において、フィルム6の端部をシート5の端部よ
りも長くして、前記フィルム6を、それと隣合うスペー
サー3の凹部付近まで重合させることにより、樹脂の侵
入をより確実に防止している。
に、前記スペーサー3の重ねしろ9を、これと隣合うス
ペーサー3の重ねしろ9と互いに重合させるようにして
配置しているので、各スペーサー3とスペーサー3との
間に隙間を生じさせることがなく、よって、外殻2を成
形する作業時において、危険物の漏れを検知するための
空間への樹脂の侵入を確実に防止することができる。
尚、本実施態様では、図5及び図6に示すように、重ね
しろ9において、フィルム6の端部をシート5の端部よ
りも長くして、前記フィルム6を、それと隣合うスペー
サー3の凹部付近まで重合させることにより、樹脂の侵
入をより確実に防止している。
【0027】そして、注油ノズル10、通気ノズル11
a、給油ノズル11b、液面計ノズル12、検知用ノズ
ル13などの外殻2外側と内殻1内側とを連通する各種
のノズル14は、前述したように、図1において、FR
P製二重殻タンクの左側上面に取り付けられており、こ
の取り付けは、図7及び図8に示すように、前記外殻2
におけるノズル14の挿通部位を含む外殻挿通部分15
を、前記外殻2から切り出して外殻切出板16を得、次
いで、外殻切出板16に前記ノズル14を挿通した上
で、該外殻切出板16を、外殻2の残部17に取り付け
るようにしている。
a、給油ノズル11b、液面計ノズル12、検知用ノズ
ル13などの外殻2外側と内殻1内側とを連通する各種
のノズル14は、前述したように、図1において、FR
P製二重殻タンクの左側上面に取り付けられており、こ
の取り付けは、図7及び図8に示すように、前記外殻2
におけるノズル14の挿通部位を含む外殻挿通部分15
を、前記外殻2から切り出して外殻切出板16を得、次
いで、外殻切出板16に前記ノズル14を挿通した上
で、該外殻切出板16を、外殻2の残部17に取り付け
るようにしている。
【0028】さらに詳述すると、まず、図1に示す、外
殻2におけるノズル14の挿通部位を含む外殻挿通部分
15を、外殻切出板16として切り出して、この外殻切
出板16に各種のノズル14を取り付ける。この取り付
けは、前記外殻切出板16を所定の治具で固定して、ノ
ズル14の取り付けのための貫通孔18を形成し、次い
で、前記貫通孔18にノズル14を挿通した上で、外殻
切出板16におけるノズル14の挿通部位近傍とノズル
14とを樹脂で積層し、オーバーレイ層19を形成する
ことにより行われている。このようにして、図7に示す
ような状態とし、これを、外殻2の残部17、すなわ
ち、外殻切出板16が切り出されることによって形成さ
れた外殻2の開口部位にふたたび取り付けて、図8に示
すような状態とする。
殻2におけるノズル14の挿通部位を含む外殻挿通部分
15を、外殻切出板16として切り出して、この外殻切
出板16に各種のノズル14を取り付ける。この取り付
けは、前記外殻切出板16を所定の治具で固定して、ノ
ズル14の取り付けのための貫通孔18を形成し、次い
で、前記貫通孔18にノズル14を挿通した上で、外殻
切出板16におけるノズル14の挿通部位近傍とノズル
14とを樹脂で積層し、オーバーレイ層19を形成する
ことにより行われている。このようにして、図7に示す
ような状態とし、これを、外殻2の残部17、すなわ
ち、外殻切出板16が切り出されることによって形成さ
れた外殻2の開口部位にふたたび取り付けて、図8に示
すような状態とする。
【0029】外殻切出板16の外殻2の残部17への取
り付けに際しては、内殻1にノズル14を挿通する貫通
孔20を形成しておき、ノズル14を内殻1の貫通孔2
0に挿通するとともに、外殻切出板16を前記残部17
に組付けて、該外殻切出板16の縁部と外殻2とを樹脂
を用いて積層し、オーバーレイ層24を形成することに
より接着する。この場合、前記内殻1に形成された貫通
孔20とノズル14との隙間は、内殻1の内部の気密性
を保持するため、別途樹脂31を用いて積層する。
り付けに際しては、内殻1にノズル14を挿通する貫通
孔20を形成しておき、ノズル14を内殻1の貫通孔2
0に挿通するとともに、外殻切出板16を前記残部17
に組付けて、該外殻切出板16の縁部と外殻2とを樹脂
を用いて積層し、オーバーレイ層24を形成することに
より接着する。この場合、前記内殻1に形成された貫通
孔20とノズル14との隙間は、内殻1の内部の気密性
を保持するため、別途樹脂31を用いて積層する。
【0030】このようにして、各種ノズル14をFRP
製二重殻タンクに取り付けると、直接タンクにノズル1
4を取り付ける場合に比べて、ノズル14の取付作業
は、切り出した外殻取付板16上で行うことができて、
作業が大がかりとなることなく、簡易な治具などを用い
て取り付けることができ、タンクに対するノズル14の
垂直度および水平度を正確に出しながら位置ぎめでき、
且つ位置ぎめした状態を保持しながら外殻切出板16に
おけるノズル14の挿通部位近傍とノズル14とを樹脂
にて確実に接着固定することができ、正確に位置ぎめさ
れて取り付けられたノズルを備えたFRP製二重殻タン
クを得ることができる。
製二重殻タンクに取り付けると、直接タンクにノズル1
4を取り付ける場合に比べて、ノズル14の取付作業
は、切り出した外殻取付板16上で行うことができて、
作業が大がかりとなることなく、簡易な治具などを用い
て取り付けることができ、タンクに対するノズル14の
垂直度および水平度を正確に出しながら位置ぎめでき、
且つ位置ぎめした状態を保持しながら外殻切出板16に
おけるノズル14の挿通部位近傍とノズル14とを樹脂
にて確実に接着固定することができ、正確に位置ぎめさ
れて取り付けられたノズルを備えたFRP製二重殻タン
クを得ることができる。
【0031】さらに、この取り付けは、図9及び図10
に示すように、前記外殻2におけるノズル14の挿通部
位を含む外殻挿通部分15を、前記外殻2から切り出し
て外殻切出板16を得るとともに、前記内殻1における
ノズル14の挿通部位を含む内殻挿通部分21を、前記
内殻1から切り出して内殻切出板22を得て、次いで、
外殻切出板16と内殻切出板22とに前記ノズル14を
挿通した上で、前記外殻切出板16を、外殻2の残部1
7に取り付けるとともに、前記内殻切出板22を、内殻
1の残部23に取り付けるようにしてもよい。
に示すように、前記外殻2におけるノズル14の挿通部
位を含む外殻挿通部分15を、前記外殻2から切り出し
て外殻切出板16を得るとともに、前記内殻1における
ノズル14の挿通部位を含む内殻挿通部分21を、前記
内殻1から切り出して内殻切出板22を得て、次いで、
外殻切出板16と内殻切出板22とに前記ノズル14を
挿通した上で、前記外殻切出板16を、外殻2の残部1
7に取り付けるとともに、前記内殻切出板22を、内殻
1の残部23に取り付けるようにしてもよい。
【0032】さらに詳述すると、外殻2及び内殻1から
外殻切出板16と内殻切出板22とを一度に切り出し
て、この切り出された前記外殻切出板16と内殻切出板
22とを所定の治具で固定して、ノズル14の取り付け
のための貫通孔18、20を一度に形成し、次いで、前
記貫通孔18、20にノズル14を挿通した上で、外殻
切出板16におけるノズル14の挿通部位近傍とノズル
14とを樹脂で積層して、オーバーレイ層25を形成す
るとともに、内殻切出板22におけるノズル14の挿通
部位近傍とノズル14とを樹脂で積層して、オーバーレ
イ層26を形成する。
外殻切出板16と内殻切出板22とを一度に切り出し
て、この切り出された前記外殻切出板16と内殻切出板
22とを所定の治具で固定して、ノズル14の取り付け
のための貫通孔18、20を一度に形成し、次いで、前
記貫通孔18、20にノズル14を挿通した上で、外殻
切出板16におけるノズル14の挿通部位近傍とノズル
14とを樹脂で積層して、オーバーレイ層25を形成す
るとともに、内殻切出板22におけるノズル14の挿通
部位近傍とノズル14とを樹脂で積層して、オーバーレ
イ層26を形成する。
【0033】そして、ノズル14が取り付けられた外殻
切出板16及び内殻切出板22(図9に示す状態)を、
外殻2の残部17及び内殻1の残部23にふたたび組付
けて、前記外殻切出板16の縁部と外殻2とを樹脂を用
いて積層し、オーバーレイ層27を形成するとともに、
前記内殻切出板22の縁部と内殻1とを樹脂を用いて積
層し、オーバーレイ層28を形成する(図10に示す状
態)。
切出板16及び内殻切出板22(図9に示す状態)を、
外殻2の残部17及び内殻1の残部23にふたたび組付
けて、前記外殻切出板16の縁部と外殻2とを樹脂を用
いて積層し、オーバーレイ層27を形成するとともに、
前記内殻切出板22の縁部と内殻1とを樹脂を用いて積
層し、オーバーレイ層28を形成する(図10に示す状
態)。
【0034】また、この取り付けに際しては、図11に
示すように、外殻切出板16より大きめの補強板32を
外殻切出板16に取り付けて、この補強板32を介して
外殻2に外殻切出板16を固定してもよい。この補強板
32を用いることにより、外殻2へのノズル14の取り
付けに際しては、補強板32におけるノズル14の取り
付け位置を予め穿孔しておいて、この穿孔された補強板
32を外殻に取り付けた後、外殻2及び内殻1の穿孔を
することにより、外殻2及び内殻1の穿孔をより簡易且
つ正確に行うことができる。
示すように、外殻切出板16より大きめの補強板32を
外殻切出板16に取り付けて、この補強板32を介して
外殻2に外殻切出板16を固定してもよい。この補強板
32を用いることにより、外殻2へのノズル14の取り
付けに際しては、補強板32におけるノズル14の取り
付け位置を予め穿孔しておいて、この穿孔された補強板
32を外殻に取り付けた後、外殻2及び内殻1の穿孔を
することにより、外殻2及び内殻1の穿孔をより簡易且
つ正確に行うことができる。
【0035】また、本実施形態では、注油ノズル10、
通気ノズル11a、給油ノズル11b、液面計ノズル1
2、検知用ノズル13など複数のノズル14を、外殻切
出板16および内殻切出板22に一度に取り付けるの
で、簡易に取り付けることができながら、且つ精度よく
タンクに対する各ノズル14の垂直度および水平度をだ
すことができる。
通気ノズル11a、給油ノズル11b、液面計ノズル1
2、検知用ノズル13など複数のノズル14を、外殻切
出板16および内殻切出板22に一度に取り付けるの
で、簡易に取り付けることができながら、且つ精度よく
タンクに対する各ノズル14の垂直度および水平度をだ
すことができる。
【0036】尚、各種ノズル14の内、検知用ノズル1
3には、図12に示すように検知センサー30を挿通し
て、その先端が内殻1と外殻2との間に設けられた空
隙、すなわち、前記スペーサー3の凹部4間に位置する
ように配置して、内殻から危険物が洩れた場合に、その
洩れを検知できるようにしている。
3には、図12に示すように検知センサー30を挿通し
て、その先端が内殻1と外殻2との間に設けられた空
隙、すなわち、前記スペーサー3の凹部4間に位置する
ように配置して、内殻から危険物が洩れた場合に、その
洩れを検知できるようにしている。
【0037】次に、本実施形態のFRP製二重殻タンク
の製造方法について述べる。
の製造方法について述べる。
【0038】本発明のFRP製二重殻タンクは、フィラ
メントワインディング法、ハンドレイアップ法、スプレ
イアップ法、シート貼り法、遠心成形法など従来公知の
FRPの成形法で成形することができるが、二重殻構造
を成形する場合は、好適にはフィラメントワインディン
グ法が用いられる。以下、フィラメントワインディング
法で成形する場合について説明する。
メントワインディング法、ハンドレイアップ法、スプレ
イアップ法、シート貼り法、遠心成形法など従来公知の
FRPの成形法で成形することができるが、二重殻構造
を成形する場合は、好適にはフィラメントワインディン
グ法が用いられる。以下、フィラメントワインディング
法で成形する場合について説明する。
【0039】先ず、強化プラスチックからなる内殻1を
フィラメントワインディング法により成形する。内殻1
を成形する強化プラスチックとしては、熱硬化性樹脂、
好ましくは不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹
脂などが用いられる。該不飽和ポリエステル樹脂として
は、公知の何れの樹脂を用いてもよいが、耐食性の点か
らイソフタル酸系、テレフタル酸系、ビスフェノール系
の樹脂が好ましい。
フィラメントワインディング法により成形する。内殻1
を成形する強化プラスチックとしては、熱硬化性樹脂、
好ましくは不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹
脂などが用いられる。該不飽和ポリエステル樹脂として
は、公知の何れの樹脂を用いてもよいが、耐食性の点か
らイソフタル酸系、テレフタル酸系、ビスフェノール系
の樹脂が好ましい。
【0040】また、強化プラスチック中の強化繊維とし
ては、ガラス繊維が好ましく、ガラス含有量は、特に限
定されないが30〜60重量%の範囲とするのがよい。
ては、ガラス繊維が好ましく、ガラス含有量は、特に限
定されないが30〜60重量%の範囲とするのがよい。
【0041】そして、マンドレル上に、ガラス繊維を、
パラレル、ヘリカル、ポーラー、レベルなど公知の巻き
方で巻きつけて、前述した熱硬化性樹脂を含浸させ、内
殻1を成形する。この場合、チョップドストランドを併
用してもよい。
パラレル、ヘリカル、ポーラー、レベルなど公知の巻き
方で巻きつけて、前述した熱硬化性樹脂を含浸させ、内
殻1を成形する。この場合、チョップドストランドを併
用してもよい。
【0042】次いで、成形された内殻1上に、凹部4を
有するシート5と、前記シート5の凹部4の開口を覆い
且つ前記シート5に貼着されるフィルム6とを備える複
数のスペーサー3を用意し、前記フィルム6を外側に向
けた状態としながら、前記スペーサー3とスペーサー3
との間に隙間ができないように、前記内殻1上に配置す
る。
有するシート5と、前記シート5の凹部4の開口を覆い
且つ前記シート5に貼着されるフィルム6とを備える複
数のスペーサー3を用意し、前記フィルム6を外側に向
けた状態としながら、前記スペーサー3とスペーサー3
との間に隙間ができないように、前記内殻1上に配置す
る。
【0043】より具体的には、図6に示すように、前記
スペーサー3の重ねしろ9を、これと隣合うスペーサー
3の重ねしろ9と互いに重合させるようにして配置す
る。そうすると、各スペーサー3とスペーサー3との間
に隙間を生じさせることがなく、よって、外殻2を成形
する段階において、危険物の漏れを検知するための空間
への樹脂の侵入を確実に防止することができる。
スペーサー3の重ねしろ9を、これと隣合うスペーサー
3の重ねしろ9と互いに重合させるようにして配置す
る。そうすると、各スペーサー3とスペーサー3との間
に隙間を生じさせることがなく、よって、外殻2を成形
する段階において、危険物の漏れを検知するための空間
への樹脂の侵入を確実に防止することができる。
【0044】前記シート5の材料としては、例えば、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル樹脂など
公知の熱可塑性樹脂が用いられ、ストレートフォーミン
グ、プレッシャーフォーミング、プラッグアシストフォ
ーミング、ドレープフォーミング、プレッシャーバルブ
イマージョンフォーミングなど公知のシート成形方法に
よりシート状とし、次いで真空成形などにより、該シー
ト5に凹部4を形成する。
リスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル樹脂など
公知の熱可塑性樹脂が用いられ、ストレートフォーミン
グ、プレッシャーフォーミング、プラッグアシストフォ
ーミング、ドレープフォーミング、プレッシャーバルブ
イマージョンフォーミングなど公知のシート成形方法に
よりシート状とし、次いで真空成形などにより、該シー
ト5に凹部4を形成する。
【0045】また、前記フィルム6の材料としては、内
殻1及び外殻2の成形に使用する、前記の不飽和ポリエ
ステル樹脂やエポキシアクリレート樹脂中に含まれるス
チレンモノマーなどに溶解しないものであれば、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリ塩化ビニリデンなどの公知のいずれの
樹脂を使用してもよい。
殻1及び外殻2の成形に使用する、前記の不飽和ポリエ
ステル樹脂やエポキシアクリレート樹脂中に含まれるス
チレンモノマーなどに溶解しないものであれば、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリ塩化ビニリデンなどの公知のいずれの
樹脂を使用してもよい。
【0046】そして、前記内殻1を覆ったスペーサー3
のフィルム6上に、強化プラスチックからなる外殻2を
フィラメントワインディング法により成形する。
のフィルム6上に、強化プラスチックからなる外殻2を
フィラメントワインディング法により成形する。
【0047】外殻2を成形する強化プラスチックとして
は、内殻1を形成する強化プラスチックと同等のものを
用いることができ、内殻1と同様の方法で成形する。
は、内殻1を形成する強化プラスチックと同等のものを
用いることができ、内殻1と同様の方法で成形する。
【0048】このようにして得られた本発明のFRP製
二重殻タンクは、耐腐食性が要求される、ガソリンなど
の危険物が貯蔵される地下埋設用のタンクとして、好適
に用いることができる。
二重殻タンクは、耐腐食性が要求される、ガソリンなど
の危険物が貯蔵される地下埋設用のタンクとして、好適
に用いることができる。
【図1】本発明のFRP製二重殻タンクの一実施形態を
示す平面図である。
示す平面図である。
【図2】図1におけるFRP製二重殻タンクの側面図で
ある。
ある。
【図3】図1におけるFRP製二重殻タンクの部分断面
図である。
図である。
【図4】図3で内殻と外殻との間に介装されているスペ
ーサーの斜視図である。
ーサーの斜視図である。
【図5】図4に示すスペーサーの縁部の部分断面図であ
る。
る。
【図6】図3に示すスペーサーの重ねしろを重ねている
部分を示すFRP製二重殻タンクの部分断面図である。
部分を示すFRP製二重殻タンクの部分断面図である。
【図7】外殻切出板にノズルが挿通された状態を示す外
殻切出板の部分断面図である。
殻切出板の部分断面図である。
【図8】外殻切出板を外殻の残部に取り付けた状態を示
すFRP製二重殻タンクの部分断面図である。
すFRP製二重殻タンクの部分断面図である。
【図9】外殻切出板と内殻切出板とにノズルが挿通され
た状態を示す外殻切出板及び内殻切出板の部分断面であ
る。
た状態を示す外殻切出板及び内殻切出板の部分断面であ
る。
【図10】外殻切出板と内殻切出板とをそれぞれ、外殻
の残部及び内殻の残部に取り付けた状態を示すFRP製
二重殻タンクの部分断面図である。
の残部及び内殻の残部に取り付けた状態を示すFRP製
二重殻タンクの部分断面図である。
【図11】補強板を用いて外殻切出板と外殻とを固定し
ている状態を示すFRP製二重殻タンクの部分断面図で
ある。
ている状態を示すFRP製二重殻タンクの部分断面図で
ある。
【図12】検知センサーの配置を示すFRP製二重殻タ
ンクの部分断面図である。
ンクの部分断面図である。
1 内殻 2 外殻 3 スペーサー 4 凹部 5 シート 6 フィルム 9 重ねしろ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 88/76 B65D 90/02
Claims (4)
- 【請求項1】 強化プラスチックからなる内殻(1)
と、前記内殻(1)を覆う強化プラスチックからなる外
殻(2)とを備えるFRP製二重殻タンクであって、 前記内殻(1)と外殻(2)との間には、内殻(1)を
覆うように複数のスペーサー(3)が介装されており、 前記スペーサー(3)は、外殻(2)側に向かって開口
する凹部(4)を有するシート(5)と、前記シート
(5)の凹部(4)の開口を覆い且つ前記シート(5)
に貼着されるフィルム(6)とを備え、その縁部には、
これと隣合うスペーサー(3)の縁部に重合する重ねし
ろ(9)が設けられていることを特徴とするFRP製二
重殻タンク。 - 【請求項2】 地下埋設用タンクとして用いられる請求
項1に記載のFRP製二重殻タンク。 - 【請求項3】 強化プラスチックからなる内殻(1)を
成形し、 凹部(4)を有するシート(5)と、前記シート(5)
の凹部(4)の開口を覆い且つ前記シート(5)に貼着
されるフィルム(6)とを備える複数のスペーサー
(3)を用意し、 前記フィルム(6)を外側に向けた状態としながら前記
複数のスペーサー(3)で前記内殻(1)を覆い、 前記内殻(1)を覆ったスペーサー(3)のフィルム
(6)上に、強化プラスチックからなる外殻(2)を成
形する、各工程を備えることを特徴とするFRP製二重
殻タンクの製造方法。 - 【請求項4】 スペーサー(3)の縁部には、これと隣
合うスペーサー(3)の縁部に重合する重ねしろ(9)
が設けられ、前記複数のスペーサー(3)で内殻(1)
を覆う工程は、前記スペーサー(3)の重ねしろ(9)
を互いに重合させる工程を含む請求項3に記載のFRP
製二重殻タンクの製造方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8196103A JP3009851B2 (ja) | 1996-07-25 | 1996-07-25 | Frp製二重殻タンクおよびその製造方法 |
CA002184562A CA2184562C (en) | 1995-09-04 | 1996-08-30 | Frp double-wall tank and producing method therefor |
EP96114093A EP0760346B1 (en) | 1995-09-04 | 1996-09-03 | FRP double-wall tank and producing method therefor |
DE69600213T DE69600213T2 (de) | 1995-09-04 | 1996-09-03 | Doppelwandiger Tank aus glasfaserverstärktem Kunststoff und dessen Herstellungsverfahren |
US08/707,136 US5829625A (en) | 1995-09-04 | 1996-09-03 | FRP double-wall tank and producing method therefor |
AU64445/96A AU697826B2 (en) | 1995-09-04 | 1996-09-04 | FRP double-wall tank and producing method therefor |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8196103A JP3009851B2 (ja) | 1996-07-25 | 1996-07-25 | Frp製二重殻タンクおよびその製造方法 |
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---|---|
JPH1035784A JPH1035784A (ja) | 1998-02-10 |
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JP (1) | JP3009851B2 (ja) |
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JP4593553B2 (ja) * | 2006-12-18 | 2010-12-08 | 株式会社富永製作所 | 二重殻燃料タンクの製造方法 |
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1996
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