JP2854719B2 - 限流装置 - Google Patents

限流装置

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JP2854719B2
JP2854719B2 JP7798691A JP7798691A JP2854719B2 JP 2854719 B2 JP2854719 B2 JP 2854719B2 JP 7798691 A JP7798691 A JP 7798691A JP 7798691 A JP7798691 A JP 7798691A JP 2854719 B2 JP2854719 B2 JP 2854719B2
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敦史 山本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[発明の目的]
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は電気機器に流れる過電流
を限流して保護する限流装置に関する。
【0003】
【従来の技術】近年、電気設備の大容量化にともない、
短絡事故などで発生する過電流は増大する傾向にある。
このような場合、短絡容量を十分満足する大形遮断器を
用意することは不経済であるから、最近では従来からの
比較的小遮断容量の遮断器に直列に限流器を接続するこ
とによって、電流を制御し、大きな遮断容量を確保する
ことが行われている。
【0004】従来の限流器は図2に示すように限流素子
1として例えばFe,Fe-Co合金のように常温で比較的
小さい比抵抗を持ち、かつ大きな抵抗の温度係数を持つ
材料を用い、この両端に接続用端子2、2を取付けると
共に絶縁被覆3をしたもので、遮断器に直列に接続し、
過電流が流れた場合に発生するジュール熱により抵抗を
増大させ、過電流を制限させるものである。Fe,Fe-C
o合金の常温での比抵抗はそれぞれ10μΩcm,6μΩ
cm程度でかなり低抵抗であるが、さらに大きな限流比を
得るには、固体間の抵抗変化のみでは十分な限流効果が
得られなかった。すなわち、Feの温度の増加に対する
比抵抗の増加は大きくはあるが、例えば、動作温度を80
0 ℃とした場合で、抵抗の増加は10倍程度に過ぎな
い。
【0005】従って、限流器の高性能化を図るために
は、例えば固体から液体、もしくは固体から気体の如き
相変態を利用し、大きな抵抗の変化率を得るようにする
か、または限流器の熱容量を増加させることなく常温に
おける抵抗を減少させ、通電容量を大きくするため、限
流材の断面積を増加して抵抗を下げると、限流器自体の
熱容量も増加するから過電流時のジュール熱による温度
上昇が小さくなり、十分な限流効果は得られないと言う
ことになる。
【0006】大きい抵抗の変化率を得る他の方法とし
て、従来よりPTC抵抗体材料として用いられる代表的
なものに各種不純物を添加したBaTiO3 セラミック
がある。それらは、その低抵抗状態における電気抵抗が
通常10Ωcm以上と大きく、またそのPTC現象が粒
界層に起因する機構によっているため、大電流用途に用
いることは困難である。
【0007】他のPTC抵抗体材料として、酸化バナジ
ュウム系セラミックがある。
【0008】CrまたはAlを添加した酸化バナジュウ
ムV2 3 においては、室温から200 ℃付近の温度領域
で金属〜絶縁体転移に起因する比抵抗のPTC特性が存
在するこが知られている。しかしながら、同材料は大形
の単結晶を得ることが困難である。また、その多結晶焼
結体は焼結性が低く、高密度のセラミックスを得ること
は困難で、PTC倍率を得ることは困難であった。さら
に、低密度に起因する強度の低さのため大電流用途にも
適合しないものであった。
【0009】BaTiO3 またはV2 3 の粒子を焼き
固めて所定の大きさの塊状とした焼結体では、定常電流
から過電流に移行したとき電流の集中化が起こり、集中
したところが急激に過熱し、破断するという現象がよく
見られる。このような現象を呈すると、限流器用素子と
しての機能を期待することができない。
【0010】以上説明したように、限流器として従来か
ら2、3の技術が開発され、いづれも実用に供されては
いるが、最近の機能拡大要求、信頼性向上要求に対し改
良が必要となっている。すなわち、上記したFe,Fe
−CO 系限流素子では、経済性、作業性、低い定常時の
抵抗値など優れた特性のため、現在も多用されてはいる
が、限流比をいっそう大きく要求する分野への適用に
は、不向きである。
【0011】また、上記したBaTiO3 系素子では、
大きい限流比が得られる優位性を有する特徴があるもの
の、定常時の固有抵抗が高すぎること及びBaTiO3
粒子を焼き固めた焼結体は、過電流の集中化による破断
現象があり、さらに、PTC現象を呈するメカニズムが
結晶粒界層にあるため、大電流を限流するのには致命的
な欠陥となり、好ましくない。
【0012】一方、上記した酸化バナジウム系素子で
は、定常時の固有抵抗及びPTC現象が結晶粒自体にあ
るためBaTiO3 系の持つ多くの欠点を軽減化する優
位性があるが、BaTiO3 と同様に限流特性を損なう
ことなく電流の集中化、破断を防止する技術の開発が必
要である。
【0013】そこで、図3に示すように限流材として低
融点、高蒸気金属や合金を使用した限流器がある。即
ち、絶縁容器4内に電極5、6を開して限流材7を装着
し、限流器の定格を越えた過電流が流れると、限流材7
が蒸気圧が高くなったときに気化して限流作用を行い、
極めて大きな限流比を得ることができる。
【0014】しかしながら、このような構造では限流動
作終了後に限流材7を限流部へ再充填し復旧させるのに
復旧の時間がまちまちであるのみならず、限流材の損失
も多く、また限流開始の応答時刻もばらつきが大きかっ
た。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】V2 3 系、BaTi
3 系の焼結体を使用した限流器では、過電流通過時の
素子破断現象の発生、またFe系、Fe−Co系等固体
金属を使用した限流器では、限流比(過電流通過時と定
常時との抵抗の比率)不足の問題点がある。
【0016】本発明はこれらに鑑み、従来の限流材より
も限流比が大きく、且つ、V2 3 系セラミックのよう
な素子破断のない限流器を提供することである。
【0017】[発明の構成]
【0018】
【課題を解決するための手段】前記した破断現象の発生
を避けるため、限流抵抗体としてはセラミック系焼結体
を使用せず、定常状態でその一部が液状にある素材を使
用する。(ここで言う定常状態とは、電路に定格電流が
正常に流れ異常な温度の上昇を伴わない状態を指し、通
常では導体の温度は室温からほぼ100℃程度以下の範
囲となるのが一般である。)即ち、本発明は定常状態で
少なくとも一部が液体を呈する金属又は/及び合金、化
合物よりなる限流抵抗体と、これを収納する狭室部と、
過電流時に気化した前記限流抵抗体蒸気を通過させ、且
つ、冷却後液状となった限流抵抗体を再び前記狭室部へ
戻すための通過孔を有する限流体蒸気収納室と少なくと
も前記狭室部と前記限流体蒸気収納室とを収納する気密
容器室と、前記過電流時の限流抵抗体の気化時の衝撃を
吸収するための緩衝部とで構成されている限流部よりな
る限流装置である。
【0019】
【作用】本発明は定常状態の限流抵抗を常時収納する狭
室部と、過電流で気化した限流抵抗体を一時収納する限
流体蒸気収納室と、気化した時の衝撃を必要により吸収
する緩衝部とから構成されて、しかも前記限流抵抗体の
容積とこれを収納する狭室部の容積と限流抵抗体蒸気収
納室の容積の夫々の比率を所定値にすると共に、かつ限
流抵抗体は定常状態で、即ち定格電流が与えられている
状態では、少なくとも一部が液体の状態にある金属、合
金、化合物を選択しているため、過電流通過による温度
変化で、狭室部に収納されている限流抵抗体はジュール
発熱現象によって抵抗上昇及び気化等により狭室部での
抵抗は約1〜数桁急変する。
【0020】即ち、この抵抗の変化は限流抵抗体の固相
液相→気相への相変化、又は液相→気相への相変化によ
るため、抵抗は昇温時には増加、降温時には減少を示す
ため過電流を自己抑制する。
【0021】しかも、限流抵抗体には定常状態でも必ず
液相が存在するような融点を持つよう組成を選択するた
め導体の端子(電極)とのなじみも良く、従って応答速
度が安定していると共に、冷却後の限流抵抗体が限流抵
抗体蒸気収納室から狭室部へ戻るのも容易にしている。
【0022】更に、限流器に使う限流抵抗体の量、即ち
定常状態での容積を狭室部の容積よりも大で、所定値範
囲内としているので、安定した通電特性、限流特性を得
ると共に限流抵抗体蒸気収納室の容積を限流抵抗体の定
常状態での容積よりも大とし、かつ所定値範囲内として
いるので、過電流によって限流抵抗体のすべてが気化し
たとしてもそれを十分に収納することができる上に、蒸
気収納室の容積の上限を設けているので、気化した限流
抵抗体の蒸気が蒸気収納室内表面に吸着するなどによる
よる必要以上の損失を防止し、安定した通電特性と限流
特性が確保出来る。
【0023】なお、必要により限流抵抗体の全抵抗(固
有抵抗ではない)よりも少なくとも1桁大きい外部抵抗
を前記狭室部と並列に設置すれば、狭室部からの限流抵
抗体の著しく急激な移動に基づく電流の急変現象のため
に発生するサージの大きさを抑制するのに有効である。
【0024】このように本発明の限流抵抗材の組成範囲
では応答性、安定性と共に高い限流比を得ることができ
るがその一部に液相が存在する時には一層の安定性が得
られる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。
【0026】図1において限流器14は円筒状とした例
えばアルミナ製の絶縁円筒3aと絶縁蓋体3bとで囲ま
れた内部に銅製の導体4、4を配置し、前記導体4、4
の内部には限流体8を収納する狭室部7、限流抵抗体収
納室10及び必要により設置される緩衝部11を収納す
る気密容器室12を設け、その内部は気密封着部13に
よって減圧することが出来るようにしておく。
【0027】ここで、狭室部7は定常状態で少なくとも
その一部に液相が存在する限流抵抗体8を満たし、且つ
過電流通過時にジュール発熱効果によって容易に且つ安
定して昇温し、容易に抵抗の増大が得られるよう狭くし
て電力端子1、2の間に設ける。
【0028】また限流抵抗体収納室10には過電流通過
によって爆発的に気化した限流抵抗8の蒸気を安全、確
実に限流体収納室10へ導くための限流抵抗体通過孔9
を明けておき、冷却が始まった限流抵抗体8が少なくと
もその一部が液状である性質を利用し前記通過孔9を通
り元の狭室部7へ自己復帰することになる。
【0029】限流器14における電流経路は電力端子1
から導体4a、4bに接した限流抵抗体を通り導体5を
介し電力端子2へ導かれる。即ち、導体4a,4bと導
体5との間に介挿した絶縁物6によって形成された狭室
部7のなかに所定限流抵抗体8の一部または全部を存在
させておく。
【0030】更に、限流器14には過電流通過によって
限流抵抗体8が急激に気化した時に回路へ及ぼす障害を
抑制するために外部抵抗15を設置する。外部抵抗15
の抵抗値は外部負荷のインピーダンスに応じて選択され
るが、限流抵抗体8の抵抗値の10倍以上を要する。
【0031】このような構成において、ジュール発熱特
性の発揮による限流開始の応答性を安定して維持するた
めに、定常状態では狭室部7の中は常に完全に限流抵抗
体8で満たされている必要がある。そのためには限流抵
抗体の定常状態での容積は、狭室部の容積と同等かそれ
より大である必要がある。更に、限流抵抗体収納室10
への付着、同通過孔9への付着などによる損失を考慮に
入れると十分大である必要がある。しかし、狭室部の容
積に比較した限流抵抗体の量が所定値以上に大きいと過
電流通過時の限流抵抗体の気化に要するエネルギーが相
対的に大となり、限流開始するまでの応答に遅れを生じ
る。そのため限流抵抗体の量は狭室部の容積の最大25
倍以内とする事がよいことが実験的に判った。
【0032】更に本限流器10は上記した応答性のみで
なく、繰り返し安定して動作させる必要がある。そのた
めには限流抵抗体の定常状態での容積と気化した限流抵
抗体を収納する限流抵抗体収納室10との容積の比率が
重要となる。
【0033】限流抵抗体収納室の容積が小さすぎる場合
には、収納室10の破壊を招き、大きすぎる場合には収
納室10内面への必要以上の付着による限流抵抗体の損
失を考慮に入れなければならず、さらに狭室部7へ自己
復帰するまでの時間を長く要することもあり、過電流の
通過が短時間内に繰り返される場合、狭室部内での限流
抵抗体の不足の現象を起こす。従ってこれらを考慮した
とき、限流抵抗体の定常状態での容積の1〜500倍の
範囲に選定することが必要である。しかし前記限流抵抗
体の定常状態での容積が狭室部の容積の1〜20倍の範
囲に選定すべき事と同時に、限流抵抗体の定常状態での
容積と狭室部の容積と収納室の容積とを選定すべきで
あ。
【0034】このような構成になしたとき、限流抵抗体
が定常状態で少なくとも一部が液体状態にあることは、
定常状態で導体4、4との間の接触を安定にするため及
び気化した限流抵抗体が収納室から狭室部へ戻るときの
動作をスムーズにおこなわさせることの両面から有効で
あるのみならず、定常状態で狭室部のなかに存在する限
流抵抗体の存在状態を好ましい状態即ちポアのない均質
な状態とする。すなわち過電流が限流抵抗体に投入され
たとき限流抵抗体部にポアなど不均一な部分が存在する
と過電流は局部に集中する傾向を示し限流抵抗材の爆発
的気化の原因になるなど応答性のばらつきになる。
【0035】以下、更に本発明の構成を種々に変えた場
合の夫々の機能その評価等に付いて幾つかの実施例(表
1、3に示す)に基づき説明する。
【0036】1、限流抵抗体の組成を種々に変えた場合 実施例1〜3比較例1〜2(表1参照のこと)の場合 図1において、外径180mm,内径115mm,純度92
%のAl2 3 製の絶縁円筒3に内接するようCu製の
導体4a、4b、5を配置する。導体4a、4b、と5
は内径7mmの円柱室を持つ外径180mm厚さ7mmのAl
N製の絶縁物6によって仕切られ上述の内径7mmの円柱
室が狭室部7を形成し、狭室部の容積の12倍の容積
(実施例1〜2)に相当する限流抵抗体8を挿入する。
4mmの径を有する限流抵抗体通気孔9を持つ外形52mm
で内径33mmのタングステン製の限流抵抗体蒸気収納室
10を配置しその内容積を限流抵抗体8の容積の150
倍となるよう作製した。
【0037】これら限流抵抗体蒸気収納室10は内部が
あらかじめ少なくとも10-2tor に減圧された導体4
a、4bとで作る空間の気密容器室に収納されている。
【0038】前記絶縁容器3、3の両端に厚さ32mmの
Al2 3 製の絶縁蓋体3、3を配置する。更に、絶縁
蓋体3には中心部に貫通するよう電力端子1が導体4
a、4bと導通するよう配置され同じく絶縁蓋体3aに
は導体5と同通するよう電力端子2が配置され外部電力
を限流器14に導いている。更に限流器14にはCr3
2 −2%カーボンよりなる外部抵抗15を配した。
【0039】このような構成としたときの限流器に限流
抵抗体の組成を変えたときの限流器の応答性、安定性、
限流比の評価の結果を表1及び表2に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】使用した限流抵抗体の組成がGa−In系
のときにはIn量が1〜65%(実施例1〜3)、Ga
−Sn系のときにはSn量が0、5〜30%(実施例4
〜5)の範囲において第1表における応答性で比較的速
やかな特性を示し且つ安定性と大きな限流比を得る。こ
れに対してInが多い85%の場合(比較例1)および
Snが多い60%の場合(比較例1)およびSnが多い
60%の場合(比較例−3)では合金全体の溶融点が高
めのため応答までの時間が長い傾向にあるともに過電流
印加後に定格電流を与えたとき、流れる定格電流を与え
たとき、流れる定格電流値が限流器によってばらつき
(変動の幅)が大きい傾向にあった。
【0043】In、Au、Snの下限は特に応答性のば
らつき(変動幅)が大きい傾向にあった。
【0044】In及びSnの下限は特に応答性のばらつ
き幅で決まりその量が夫々0、1%では安定性と限流比
は好ましい範囲にあるものの応答性が欠ける傾向にあっ
た(比較例2、比較例4)。
【0045】Gaに対してIn,Snを共存させる場合
には応答性および安定性(変動幅の縮小)の改善に寄与
すると共に同時に限流特性の向上(限流比を大きくとれ
る)が得られた(実施例6〜9)、0、1〜5%の範囲
のAg、Zn,Alを添加しても同等の効果が得られる
(実施例10〜14)。
【0046】2、 次に本発明の限流器の構造として、
限流抵抗体の容積(A)と狭室部の容積(B)、更に限
流抵抗体蒸気収納室の容積(C)を変えた場合につい
て、その結果を示す表3(及びそれにつながる表4)に
基づいて説明する。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】限流抵抗体の容積(A)と狭室部の容積
(B)との比(A)/(B)を0、4(表3の比較例2
1)から54(表3の比較例22)まで変化させて限流
器としての応答性、安定性の評価を行いその結果を表3
(及び表4)に示した。
【0050】狭室部7の容積に比較して限流抵抗体8の
容積が少ない場合即ち前記(A)/(B)の比が小さい
場合過電流が印加されてから限流器が機能するまでの時
間にばらつきが見られると共に全く機能を示さないケー
スも見られた(比較例21)。
【0051】これに対し前記(A)/(B)が1〜25
(実施例21〜23)では安定した応答性を示した。一
方前記(A)/(B)比が54の場合(比較例22)に
は応答性にばらつきが見られると共に応答までの感度が
悪いケースが見られた。
【0052】更に(A)/(B)比が0、4の比較例2
1では繰り返し使用する目安となる10倍の過電流を印
加後所定定格電流を与えたときの定格電流の変動幅を3
台の限流器につき調査したときの最大と最小の値による
評価では一部に異常圧力による容器10の破壊が見られ
て好ましくない。
【0053】実施例24〜27、比較例23〜24の構
成の場合 限流抵抗体8の容積(A)と限流抵抗体蒸気収納室10
の容積(C)との比(A)/(C)を1/12(比較例
23)から1/2500(比較例24)まで変化させて
限流器としての応答性、安定性の評価を行いその結果を
表3(及び表4)に示した。
【0054】限流器8の容積(A)と限流抵抗体蒸気収
納室10の容積(C)との比(A)/(C)が比較的大
きい場合、応答性には問題無いものの安全性に難点が見
られ、評価したうちには過圧による気密容器12の変
形、破壊が見られたが、(A)/(C)比が1/10〜
1/500の範囲の限流器においては安定性に優れた特
性を発揮した(実施例24〜27)。
【0055】即ち、定格電流の約10倍の過電流を印加
後、直ちに定格電流を与えたときの定格電流の変動の範
囲が極めて小さく安定している。これに対し前記(A)
/(C)比が1/2500の場合では(比較例24)、
過電流印加後の定格電流通電に対する対応が不能となり
限流器としての安定性に問題がある(比較例24)。
なお、定常状態での導体が温度に比較し融点が著しく大
きいSb,Teを限流抵抗体として使用した場合(比較
例25〜26)には上述した構成による限流器の限流抵
抗材としては好ましくないことが分かった。
【0056】したがって本発明限流器においては定常状
態での限流抵抗体の容積(A)と狭室部の容積(B)と
の比率(A)/(B)を1〜25の範囲とし前記(A)
と限流抵抗蒸気収納室の容積(C)との比率(A)/
(C)を1/10〜1/500の範囲としこれらを同時
に満たすべきであることが分かった。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明によれば限流器にお
いて密閉する絶縁容器内に定常状態で少なくとも一部が
液体である限流抵抗体材料を狭室部に収納し、この狭室
部が過電流通過によって限流抵抗体の気化を促進する機
能を持つよう構成し、特に限流器に収納する限流抵抗体
の容積と狭室部の容積と限流抵抗体蒸気収納室の容積と
を夫々所定値に設定することによって限流抵抗体は過電
流によって限流抵抗体蒸気となって限流時の抵抗は定常
状態の10〜数10倍となって限流し、しかも前記した
各容積のバランスを配慮してあるので限流器としての優
れた応答性、安全性を同時に得られ、信頼性の高い限流
器が得られることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による限流装置断面図、
【図2】従来の限流器の概略図、
【図3】更に従来の他の限流器の概略図である。
【符号の説明】
7 狭室部 8 限流抵抗体 10 限流体蒸気収納室 11緩衝部 12 気密容器室
フロントページの続き (72)発明者 大川 幹夫 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝 府中工場内 (72)発明者 本間 三孝 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝 府中工場内 (56)参考文献 特開 昭50−18956(JP,A) 特開 昭60−218731(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01H 87/00 H01H 85/048

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定常状態で、少なくとも一部が液体を呈
    する金属又は/及び合金、化合物よりなる限流抵抗体と
    これを収納する狭室部と、過電流時に気化した前記限流
    抵抗体蒸気を通過させ、かつ冷却後液状となった限流抵
    抗体を再び前記狭室部へ戻すための通過孔を有する限流
    体蒸気収納室と少なくとも前記狭室部と前記限流体蒸気
    収納室とを収納する気密容器室と前記過電流時の限流抵
    抗体の気化時の衝撃を吸収するための緩衝部とで構成さ
    れた限流部を電極間に設けてなることを特徴とする限流
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の限流抵抗体の定常状態
    での容積(A)と狭室部の容積(B)との比率(A)/
    (B)が1〜25であり、且つ、限流体抵抗体の定常状
    態での容積(A)と限流抵抗体蒸気収納室の容積(C)
    との比率(A)/(C)が1/10〜1/500である
    ことを特徴とする限流装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の限流抵抗体をInが1
    〜65wt%又は/及びSnが0、5〜30wt%、残
    部がGaからなるものとしたことを特徴とした限流装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の限流抵抗体をInが1
    5〜30wt%又は/及びSnが0、5〜15wt%残
    部がGaからなるものとしたことを特徴とする限流装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の限流抵抗体をInが1
    〜65wt%又は/及びSnが0、5〜30wt%且、
    Ag、Zn,Alの少なくとも1つが0、1〜5wt%
    残部がGaからなるものとしたことを特徴とする限流装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の限流抵抗体をInが1
    5〜30wt%又は/及びSnが0、5〜15wt%、
    且、Ag、Zn,Alの少なくとも1つが0、1〜5w
    t%残部がGaからなるものとしたことを特徴とする限
    流装置。
JP7798691A 1991-04-10 1991-04-10 限流装置 Expired - Lifetime JP2854719B2 (ja)

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JP7798691A JP2854719B2 (ja) 1991-04-10 1991-04-10 限流装置

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