JP2854664B2 - かご形回転子 - Google Patents

かご形回転子

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JP2854664B2 JP8572690A JP8572690A JP2854664B2 JP 2854664 B2 JP2854664 B2 JP 2854664B2 JP 8572690 A JP8572690 A JP 8572690A JP 8572690 A JP8572690 A JP 8572690A JP 2854664 B2 JP2854664 B2 JP 2854664B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、外周部に導体収納用のスロット形成部が複
数形成された鋼板を積層してなる積層鉄心を有するかご
形回転子に関する。
(従来の技術) 一般に、この種のかご形回転子は、予め外周部に複数
のスロット形成部を打抜き加工等により形成した磁性鋼
板を多数枚積層して積層鉄心を形成し、この積層鉄心の
スロットにアルミニウム等の二次導体を鋳込み等の方法
で形成し、二次導体の端部をエンドリングによる連結し
た状態にしてかご形導体が形成されている。
この場合、上記回転子が駆動された状態において、固
定子からギャップ部を介して積層鉄心に入る磁束は、高
調波成分を含んだものとなっており、この磁束の高調波
成分により二次導体に高調波起電力を発生させることに
なる。ところが、このような高調波起電力は、回転子に
とって異常トルクとして使用し、結果的には脈動トルク
となったり振動或は騒音の原因となるのである。
そこで、従来、このような高調波成分による悪影響を
抑制するために、回転子に所謂スキューを施した積層鉄
心が用いられている。これは、鋼板を積層する際に、回
転子スロットの位置を周方向に僅かずつずらしてゆくも
ので、例えば全体として固定子スロットの1ピッチ分だ
けずらすものがある。このようにすることにより、磁束
の高調波成分により二次導体に発生する起電力の位相が
僅かずつずれるので、全体としての起電力の高調波成分
が打ち消され、異常トルクに寄与する分が抑制されるも
のである。
また、固定子及び回転子に形成されたスロットの配
置,形状によっては、始動時の両者の相対的な位置に応
じてポジショントルクと呼ばれる異常トルクが発生して
しまう場合がある。つまり、上述の場合も含めてスキュ
ー量が固定子スロットの1ピッチ分以下である場合に
は、回転子と固定子との対向する状態が不均等であるた
め、その位置に応じて始動時に固定子から受けるトルク
の大きさが異なってしまうのである。そこで、このよう
なポジショントルクを抑制するために、上述のスキュー
量をさらに大きくして、固定子スロットの1ピッチ分を
越えるスキュー量とした回転子を形成しているものがあ
る。即ち、スキュー量を大きくすることで、回転子の停
止位置に応じて固定子との対向状態が不均一とならない
ようにし、ポジショントルクを抑制するのである。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述のような従来構成のものでは、次
のような不具合があった。
即ち、スキューされたスロットを有する積層鉄心に二
次導体を収納する際には、例えばアルミニウム等の金属
を鋳込みにより形成する必要がある。この場合、そのス
キュー量を固定子スロットの1ピッチ分よりも大きくし
ているので、スロット内において鋼板の積層部分に大き
な段差が生じ、その段差部分に巣等の欠陥部分が発生す
る場合が生ずる。そして、このような欠陥部分は、回転
子をアンバランスにするため、特に高速回転においては
回転状態の安定性を低下させるという不具合がある。
また、上述のようにスキュー量が大きいことにより、
回転子のスロット断面が有効に活用されず、温度上昇を
発生させたり或は特性を悪化させたりする等の不具合が
ある。
一方、上述のように機械的にスキューを行うことによ
る不具合を避けるために、鋼板の積層時にスキューを行
なわずにスキュー効果のみを得ようとするものが考えら
れている。例えば、実公昭52−17045号公報に示された
ものは、スロットの開口部或はブリッジ部に当たる部分
をスロットの中心線からずらして形成し、スロットの主
部をスキューすることなく鋼板を積層して積層鉄心を構
成するようにしたものである。これにより、高調波磁束
による悪影響を抑制するというスキュー効果は得られる
が、この場合には、機械的なスキューを行っていないこ
とから、前述したポジショントルクの発生による不具合
は解決できていない状況であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目
的は、機械的スキュー量を大きくすることなく、高調波
磁束による異常トルク或は振動,騒音等を抑制すると共
に、始動時のポジショントルクをも抑制することができ
るかご形回転子を提供するにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は、外周部に導体を収納するためのスロット形
成用の打抜部が形成された鋼板を所定枚数積層して積層
鉄心を形成してなるかご形回転子を対象とし、前記鋼板
の打抜部を、その外周側のブリッジ部或は開口部が前記
導体が収納される主部の中心線に対して一方側に下記条
件を満たす距離dだけずれた位置となる非対称形状に形
成し、前記積層鉄心を、前記鋼板を前記スロットの方向
が一致するようにして複数枚積層された単位ブロックを
複数組合せると共に、各単位ブロック間においてはスロ
ットの方向が互いに異なると共に前記主部が重なるよう
に構成し、前記複数組の積層鉄心のうち少なくとも1個
を所定量スキューしたところに特徴を有する。
但し、D:回転子直径 z:対応する固定子のスロット数 p:極対数 (作用) 本発明のかご形回転子によれば、第1図に示す如く、
積層鉄心1は、打抜部2を有する鋼板3を複数枚積層し
て単位ブロック4を形成し、この単位ブロック4を複数
(図中では2個の単位ブロック4A,4Bの場合を示す)組
み合わせて構成されている。この場合、鋼板3の打抜部
2により形成されるスロット5は、主部5aに対してブリ
ッジ部或は開口部5b(図中ではスロット5を全閉形のも
のを示し、外周側がブリッジ部5bとなる場合である)は
主部5aの中心線lから所定距離dだけずれた位置に形成
されていると共に、単位ブロック4A,4B毎にずれる方向
が逆になるように配置されている。また、各単位ブロッ
ク4A,4Bは、スロット5の主部5aが所定量だけスキュー
されるように鋼板3が積層されており、積層鉄心1は全
体として距離gだけスキューされた状態に形成されてい
る。従って、外形上においては、スロット5の主部5aが
回転軸の軸線に対して全体として距離gだけスキューさ
れた形状となっている。
このように構成することにより、電気的特性として
は、以下に示す原理により距離gだけスキューしたもの
よりも大きなスキュー効果が得られ、回転子の駆動に伴
う異常トルク発生や振動,騒音を極力抑制できると共
に、ポジショントルクをも抑制できる。つまり、機械的
スキュー(スキュー量g)により得られるスキュー効果
(以下、機械的スキュー効果と称す)に加えて、スロッ
ト5の形状によるスキュー効果(以下、疑似スキュー効
果と称す)があるため、結果として大きなスキュー効果
が得られるのである。
上述の原理を説明するに、まず、第2図を用いて
(I)疑似スキュー係数Ksn′を求め、次いで第3図を
用いて(II)機械的スキュー係数Ksn″について求め、
最後に両者を合わせた(III)本発明のスキュー係数Ksn
について求め、そのスキュー効果について説明する。
(I)疑似スキュー係数Ksn′ 第2図は、第1図における積層鉄心1を機械的スキュ
ー(スキュー量g)をしない状態とした場合の積層鉄心
1′を示した図である。即ち、同様の鋼板3を積層して
形成された単位ブロック4A′及び4B′よりなるものであ
る。
即ち、この場合、第4図に示すように、固定子側から
ギャップを介して単位ブロック4A′及び4B′に入る込む
磁束Φ及びΦは流入経路が異なり、位相差α(電気
角)が生ずる。磁束Φ及びΦにより二次導体6に誘
起される電圧を夫々eA及びeBとすると、これも同様に位
相差αが生ずる。この位相差αは磁束Φ及びΦの磁
路の差に相当する距離2dにより生ずるもので、具体的に
は、極対数pと積層鉄心1の外径Dにより表わされる極
ピッチτにより、次式のように与えられる。
一方、誘起電圧eA及びeBは夫々第5図に示すようにベ
クトル量として表わされる量であり、実際に回転子の導
体6に発生する電圧eはこれらの和e=eA+eBとして表
わされる値である。磁束Φ及びΦには高調波成分が
含まれ、これにより誘起電圧eA及びeBにも高調波成分が
生ずる。しかし、両者の間には位相差αがあるため、こ
れらの合成値となる誘起電圧eに含まれる高調波成分の
度合いは各次数に応じて異なる値となる。
このような誘起電圧eに含まれる高調波成分の度合い
を示す疑似スキュー係数Ksn′は次式によって与えられ
る。
いま、単位ブロック4A,4Bの厚さを同じ寸法とする
と、|eA|=|eB|となり、第5図に概念図にベクトルで示
すように、式(2)の分母の値は線分OAの2倍の長さ2r
に等しくなる。また、同式の分子にあるベクトル和の大
きさは同図中線分OBの長さqに等しくなる。そして、こ
れらの値を式(2)に対応して表わすと、次のように算
出される。
また、第n次高調波合においては位相角αがn倍とな
るので、αをnαに置き換えると、結局、式(2)で表
わされた疑似スキュー係数Ksn′は、次式のように表わ
せる。
(II)機械的スキュー係数Ksn″ 第3図は第1図における積層鉄心1の鋼板3を、一般
的なスロット5′とする打抜部2′を有する鋼板3′を
用いて機械的スキュー(スキュー量g)を行って形成し
た場合の積層鉄心1″を示した図である。(従って、単
位ブロックはできない) この場合には、機械的にスキューしているためスロッ
ト5の中心線上でその位置に応じて磁束の位相は異な
る。ここで、両端部における位相差をθ(電気角)とす
ると、スキュー量gに対して次のように表せる。
また、この場合に、二次導体6に発生する誘起電圧e
は、上述同様にして第6図に示すベクトル図で考える
と、機械的スキューにより円弧Sのように順次方向が曲
げられたベクトルの合成とした弦OCの長さで表わされる
ので、円弧OCの長さをs,弦OCの長さをtとすると、スキ
ュー係数Ks″は次式のようになる。
また、第n次高調波においては、位相角θがn倍とな
るので、θをnθと置換えると、結局,式(6)で表わ
したスキュー係数Ks″は次のようになる。
(III)本発明のスキュー係数Ksn 次に、本発明の場合について説明すると、スキュー係
数Ksは上記した2つの場合の合成となるから、第5図及
び第6図におけるベクトルに基づいて表すと、次式のよ
うになる。
いま、同じ積層鉄心1について考えているので、線分
OB及び弧OCの長さq及びsは等しいことがわかっている
ので、次の関係が成り立つ。
従って、この式(9)を式(8)に代入すると、 となり、この結果から、式(3)及び式(6)と比較す
ると、本発明におけるスキュー係数Ksは、次のように表
せる。
Ks=Ks′・Ks″ …(11) つまり、夫々のスキュー係数の積で表されるのであ
る。
また、第n次高調波においては、位相角α及びθが夫
々n倍となるので、式(10)に代入して式(4)及び式
(7)と比較すると、次式を得る。
さて、一般に、異常トルク,振動或は騒音を発生しや
すい高調波は、固定子スロットによる溝高調波によるも
のであることは良く知られているところであるが、その
高調波の次数μsは、次のように表わされる。
(但し、zは固定子スロット数とする) 従って、上記式(13)に示される次数における本発明
の場合のスキュー係数Ksnの値は、式(12)に基づいて
次のように算出される。即ち、まず、設定された距離d
の範囲(A)に対して、位相差αの範囲は、式(1)よ
り、 この結果に基づいて式(12)に示されるスキュー係数Ks
nのうち、まず1次(n=1)の場合について求める
と、 (a)αの下限値で、 (b)αの上限値で、 ここで、一般的な場合には、固定子のスロット数zが極
対数pに比べて大きいので(例えばz=48,p=2)、式
(15a),(15b)の値は、cosの値が略1になり、ま
た、残りの部分の値も一般にθの値が小さいことにより
略1になるので、全体として略1であるとみなせる。
一方、式(13)で示されるμs次の高調波によるスキ
ュー係数Ksnは、距離dの上限値及び下限値の夫々に対
応して次式のようになる。
但し、±は順不同 ここで、式(16)の値の内、cosの値は、上述したよ
うに一般に固定子のスロット数zが極対数pに比べて大
きいことにより、以下のように近似できる。
従って、式(16)は次式のように近似できるのであ
る。
これにより、式(13)に示した回転子に悪影響を及ぼ
す第μs次のスキュー係数Ksnを、機械的スキューの大
きさに対応した位相差θの値に関係なく略ゼロとするこ
とができるのである。従って、いずれの場合においても
導体に誘起される電圧のうち、回転子の回転力として有
効に作用する1次の成分に対してはスキュー係数を略1
にすることができ、異常トルク,振動或は騒音の原因と
なる次数μsの高調波成分の誘起電圧を極力低減させる
ことができ、大きなスキュー効果が得られるのである。
さて、次に始動時に固定子と回転子との相対的な位置
関係に基づいて発生するポジショントルクについて説明
する。
まず、本発明における機械的スキュー量g及び位相差
α,θを式(1),(5)を用いて式(12)に代入し、
スキュー係数Ksnを求めると、次式が得られる。
ここで、前述の積層鉄心1″について、第7図(a)
に外周側から示すように、通常の機械的スキューを行っ
てポジショントルクを抑制する場合にスキュー量hが必
要であるとすると、本発明において略同様のスキュー効
果を得るためのスキュー量gは、同図(b)に示すよう
に表わされ、これから次式の関係が得られる。
g=h−2d …(20) つまり、機械的スキューのみの場合に比べて、2dだけ
少ないスキュー量で良いのである。いま、第7図(a)
に示す機械的スキュー量hが固定子スロットの1ピッチ
以上必要である場合について考えると、例えば、dの値
をd=(πD)/(4z)とすると、本発明の場合のスキ
ュー量gは次式のような条件として得られる。即ち、 尚、このようにして導出されるスキュー係数Ksnを、
種々の条件に応じて算出した結果を第8図に示す。この
場合、従来のスキューを行った場合の係数Ksn′及びKs
n″の値を並記しており、その算出は式(4)及び式
(7)に基づいている。
この結果からもわかるように、従来のスキューを行っ
た場合には、距離dの値が式(A)の範囲においても殆
ど0.6以上の大きな値となるのに対し、単に第2図に示
すように疑似スキューを行ったものでは0.1以下或はそ
の近傍の値となり、本発明においてはさらにその値の0.
6倍程度に減少され、十分に大きなスキュー効果が得ら
れていることがわかる。
(実施例) 以下、本発明をモータに適用した場合の一実施例につ
いて第9図乃至第12図を参照しながら説明する。
まず、全体構成を断面で示す第11図において、固定子
11は、固定子鉄心12と図示しないスロットに収納された
固定子巻線13からなるもので、固定子鉄心12は、スロッ
ト部分が打抜き形成された鋼板14をスキューしないで積
層することにより形成されている。
かご形回転子15は、図示しない軸受に支持された回転
軸16とこの回転軸16に関着された積層鉄心17からなり、
その積層鉄心17にはスロット18が外周部に沿って多数形
成されている。積層鉄心17のスロット18には、アルミニ
ウム等の二次導体19が鋳込みにより収納形成され、その
端部にはエンドリング20が設けられてかご形導体21が構
成されている。
次に、かご形回転子15について詳細に述べる。積層鉄
心17を構成する鋼板22は、けい素鋼板或は冷間圧延鋼板
等を用いた外径寸法をDとする円盤状のもので、第10図
に示すように外周部に所定間隔を存してスロット18形成
用の打抜部23が多数形成されている。この打抜部23は、
内周側部分の主部23aとスキュー効果を発生させるため
のブリッジ部23bとが次の関係で配置形成されている。
即ち、ブリッジ部23bの位置は、主部23aの中心線lに対
して所定の距離dだけ一方側にずれるように配置されて
いる。そして、距離dは、前述した式(A)に示す条件
を満たす値として、次のように設定されている。
このような鋼板22を打抜部23の位置が周方向に僅かづ
つずれるように所定枚数積層して全体の厚さLの1/2の
厚みの単位ブロック24を形成し、その両端部におけるス
キュー量をg/2となるようにする。そしてこの単位ブロ
ック24と、同様にして形成され打抜部23が裏返しに配置
された単位ブロック25とを打抜部23の主部23aが重なる
ようにして組合わせた状態にして積層鉄心17を構成して
いる(第9図参照)。従って、積層鉄心17のスロット18
を回転軸16の軸方向に見た場合、第9図に示すように、
各スロット18は、単位ブロック24と25との間でブリッジ
部23bの位置が距離2dだけずれた位置関係となり、全体
として距離gだけスキューされたものとなる。
このように構成された本実施例によれば、回転状態に
おいては以下に示すようなスキュー効果が得られる。
即ち、前述した距離dを式(イ)に示すように設定し
ているので、位相差αの値は、 となる。従って、スキュー係数Ksnは、式(15a),(15
b)及び式(16)に対応して次のような値が得られる。
(a)1次の場合(n=1) (b)μs次の場合〔μ=(z/p)±1〕 いま、例えばステータのスロット数zを36とし、極対
数pを2,スキュー量gをステータのスロット1ピッチ分
(g=πD/z)として計算すると第12図に示すようにな
る。この結果、式(ハ)におけるスキュー係数Ksnの値
は0.995であるから略1と見なせ、また、式(ニ)にお
けるスキュー係数Ksnの値は17次,19次で夫々0.058及び
0.052であるから略ゼロと見なせる。
この結果から、従来スキューの場合の機械的スキュー
係数Ksn″及び疑似スキュー係数Ksn′と、本実施例にお
けるスキュー係数Ksnとを比較すると、17次,19次の溝高
調波についてみると、本実施例のスキュー係数Ksnは、
機械的スキュー係数Ksn″に対して約9%に低減されて
おり、疑似スキュー係数Ksn′に対しても約60%に低減
されていることがわかる。従って、高調波トルクが減少
するので、異常トルクの発生は極力抑制されると共に、
振動,騒音の発生も低減されるのである。
また、始動時に固定子11と回転子15との各スロットの
相対的な位置関係に応じて発生するポジショントルクに
ついても、機械的スキューのみの場合に較べてより大き
く低減される。つまり、本実施例において実質的にスキ
ュー効果として作用するスキュー量hは、前述の式(2
0)に基づき式(イ)及びgの値を代入すると、次のよ
うになる。
この結果、実際には機械的スキュー量gでスキュー効
果としてはその1.5倍のスキュー量が得られたことにな
り、ポジショントルクの抑制を大きくすることができ、
しかも、この場合でも回転子15のスロット18の有効断面
積を減少させることなく、回転特性の低下や異常な温度
上昇を招くことを防止できる。
第13図(a),(b)及び(c)は上記実施例の変形
例を示すもので、夫々前述の単位ブロック24及び25に代
えて、それらの機械的スキューを変化させて構成してい
るものである。
即ち、同図(a)においては、単位ブロック26及び27
のうち、一方の単位ブロック26のみを機械的スキューし
て積層鉄心28を構成したものである。同図(b)におい
ては、単位ブロック29及び30の機械的スキューの方向を
逆にして積層鉄心31を構成したものである。さらに、同
図(c)においては、4個の単位ブロック32乃至35を用
い、夫々機械的スキュー量をg1乃至g4とし、それらのス
キュー量の和が前述のスキュー量gとなるようにして積
層鉄心36を構成したものである。このような構成によっ
ても、前述の実施例と同様にして機械的スキュー及び疑
似スキューの夫々の和としてのスキュー効果が得られる
ものである。
尚、上記実施例においては、スロット18を全閉形のも
のとしたが、これに限らず、半閉形のものでもよいし、
普通かご形以外の二重かご形,深溝かご形のものでも良
いし、また、距離dの値は、式(イ)のように設定した
が、これに限らず式(A)に示す範囲であれば良い。
さらに、上記各実施例においては、単位ブロックを2
個或は4個設けた場合について述べたが、これに限ら
ず、3個或は5個以上設ける構成としても良い等、本発
明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能であ
る。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明のかご形回転子によれ
ば、積層鉄心を複数の単位ブロックから構成し、それら
の単位ブロックにおけるスロットのブリッジ部或は開口
部を主部の中心線から式(A)で示される範囲の距離d
に設定したので、それだけでスキューを施したのと同様
の効果が得られ、さらに、少なくとも1個の単位ブロッ
クに所定量のスキューを施すようにしたので、機械的な
スキューのみのものに比べてさらに大きなスキュー効果
が得られる。これにより、回転子は高調波成分による異
常トルクの発生を極力抑制できると共に、振動,騒音の
発生も極力抑制でき、さらに、始動時の固定子と回転子
とのスロットの相対位置に基づいて発生するポジション
トルクの抑制を機械的に大きなスキューを施すことなく
行えるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第8図は本発明の作用を説明するための原理
図で、第1図は積層鉄心の外観を一部を破断して示す斜
視図、第2図は疑似スキュー係数を求めるための第1図
相当図、第3図は機械的スキュー係数を求めるための第
1図相当図、第4図はスロットに入り込む磁束の状態を
示す説明図、第5図は疑似スキュー効果により導体に誘
起される起電力を示す説明図、第6図は同機械的スキュ
ー効果について示す説明図、第7図(a),(b)は機
械的スキューのみの積層鉄心と本実施例の積層鉄心とを
外周側から示したポジショントルク低減効果の説明図、
第8図は種々の計算例を示す図である。第9図乃至第12
図は本発明の一実施例を示し、第9図は積層鉄心の外観
を一部を破断して示す斜視図、第10図は鋼板の部分平面
図、第11図は全体構成の縦断側面図、第12図はスキュー
係数の計算結果を示す図であり、第13図は上記実施例の
変形例を示す第7図相当図である。 図面中、1,1′,1″,17,28,31及び36は積層鉄心、2,2′
及び23は打抜部、3,3′及び22は鋼板、4A,4B,24,25,26,
27,29,30,32,33,34及び35は単位ブロック、5,5′及び18
はスロット、5a及び23aは主部、5b及び23bはブリッジ部
(或は開口部)、6及び19は二次導体、11は固定子、12
は固定子鉄心、15はかご形回転子、16は回転軸、20はエ
ンドリング、21はかご形導体である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特許2695952(JP.B2) 実公 昭52−17045(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02K 17/16 H02K 1/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周部に導体を収納するためのスロット形
    成用の打抜部が形成された鋼板を所定枚数積層して積層
    鉄心を形成してなるかご形回転子において、前記鋼板の
    打抜部は、その外周側のブリッジ部或は開口部が前記導
    体が収納される主部の中心線に対して一方側に下記条件
    を満たす距離dだけずれた位置となる非対称形状に形成
    され、前記積層鉄心は、前記鋼板を前記スロットの方向
    が一致するようにして複数枚積層された単位ブロックを
    複数組合せると共に、各単位ブロック間においてはスロ
    ットの方向が互いに異なると共に前記主部が重なるよう
    に構成され、前記複数組の積層鉄心のうち少なくとも1
    個は所定量スキューされていることを特徴とするかご形
    回転子。 但し、D:回転子直径 z:対応する固定子のスロット数 p:極対数
JP8572690A 1989-12-28 1990-03-30 かご形回転子 Expired - Lifetime JP2854664B2 (ja)

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