JP2853509B2 - レーザ加工機 - Google Patents

レーザ加工機

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JP2853509B2
JP2853509B2 JP5079639A JP7963993A JP2853509B2 JP 2853509 B2 JP2853509 B2 JP 2853509B2 JP 5079639 A JP5079639 A JP 5079639A JP 7963993 A JP7963993 A JP 7963993A JP 2853509 B2 JP2853509 B2 JP 2853509B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ加工機に関する
ものであり、特に、軟鋼、銅、アルミニュウム、ステン
レス鋼などの金属を加工する際の加工精度を向上できる
レーザ加工機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のレーザ加工機に関連する
ものとして、特開昭59−120391号公報に掲載の
技術がある。図16は従来のレーザ加工機を示す構成図
である。図において、1は被加工物10の加工形状や加
工条件等の指令を発生する制御指令手段である数値制御
装置(以下、NC装置という)であり、通常、オペレー
タによって入力された加工形状・位置データ1aが記憶
されている。2はNC装置1の指令に基づき被加工物1
0を移動させる駆動制御部、3はNC装置1からの加工
条件によってレーザのパワーを制御するレーザ出力制御
部、4はレーザ発振器、5はレーザ発振器4から照射さ
れたレーザビーム、6はレーザビーム5の光路を変更す
るベンダーミラー、7は内部に集光レンズ8が設置され
ている加工ヘッド、9は被加工物10の加工部に吹付け
られる加工ガスの導入口である。
【0003】レーザ光により金属板等の切断を行なうレ
ーザ加工機においては、通常、加工機(例えば、発振
器、光学系(ミラー、レンズ)、加工ヘッド等)が適正
な状態であり、且つ、加工条件(例えば、レーザ出力、
切断速度、加工ガス圧力等)が適正な状態であれば、良
好な切断加工が行なわれる。
【0004】図17は従来のレーザ加工機による穴あけ
加工手順を示す説明図であり、被加工物10(この場合
は金属板)に穴あけ加工を行なう手順を示す。図におい
て、ABCDは被加工物10(金属板)の外形、H0 〜
H2 は加工する穴である。穴あけ加工の位置決めは、N
C装置1で穴の位置が指令され、この指令が駆動制御部
2に送られ、被加工物10が移動することによって行な
われる。この際、被加工物10が、X,Y軸に移動する
方式と、被加工物10と加工ヘッド7とが共に移動する
方式等がある。この例は、被加工物がX,Y軸に移動す
る場合である。
【0005】次に、レーザ切断によって穴あけ加工を行
なう手順について説明する。まず、穴H0 の中心にレー
ザビーム5で穴をあけ(以下、ピアシングと呼ぶ)、次
に、穴H0 の矢印の向きにレーザ切断を行ない穴加工を
行なう。このとき、被加工物10の移動は、前記NC装
置1に予め記憶させてある加工形状・位置データ1aに
従って行なわれる。穴H1 、H2 も同様の順序で加工さ
れる。
【0006】しかし、加工機の状態及び加工条件が最適
であっても、加工される材料が大きく、多数の部品を連
続して切断したり、大きな部品を切断すると、切断加工
が進むにつれて材料の温度が次第に高くなる。このた
め、被加工物10に熱膨張をもたらす。これに対して、
切断形状入力データは、材料の温度変化がないのを前提
として与えられている。このために、加工後、材料が収
縮し、仕上寸法は加工指令値よりも小さくなる。
【0007】上述の内容を、被加工物10である板状の
金属板に複数の穴を加工する場合を例に挙げ、図18及
び図19を用いて説明する。図18は従来のレーザ加工
機により板状の被加工物に穴あけ加工する場合の加工形
状を示す説明図であり、また、図19は従来のレーザ加
工機による加工データと加工した穴との位置関係を示す
比較説明図であり、所望する穴加工の位置データと加工
後の穴の位置とを比較した被加工物全体図である。ここ
では、被加工物10であるABCDのAの部分を固定し
て、穴H0 〜H2をH0 、H1 、H2 の順に加工をす
る。加工の進行に伴って、被加工物10である金属板の
温度は上昇し、レーザ加工の熱が被加工物10の全体に
伝導する。被加工物10の周辺の温度上昇により、AB
CDはAbcdに熱膨張する。これに対して、穴加工の
位置データはH0 〜H2 である。このため、加工が終了
し、被加工物10がAbcdからABCDに収縮するた
め、加工された穴の位置は図19のS0 、S1 、S2 と
なり、後から加工した穴ほど加工データからずれ、大き
な誤差が生じる。
【0008】また、レーザ加工により被加工物10を加
工したときの被加工物の寸法変化を図20及び図21を
用いて説明する。図20はレーザ加工直後の熱分布など
を模式的に示した説明図であり、板状の被加工物10に
穴を加工したときの熱の伝わり方である。また、図21
はレーザ加工後一定時間経過後の熱分布などを模式的に
示した説明図であり、被加工物10の熱膨張を示した全
体図である。図において、Hは被加工物10である金属
板に加工される穴である。穴Hがレーザビーム5で加工
されると、加工による熱は、最初、図20の矢印のよう
に、穴Hの周囲から被加工物10の端(周囲)へ伝導す
る。この時点では、被加工物10は温度が変化していな
い周囲に拘束され、寸法変化がない。熱が被加工物10
の周囲に伝導し、周囲が熱膨張して初めて寸法変化が生
じる(図21の破線で示した四角形)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のレ
ーザ加工機では、板状の被加工物に穴あけ加工する場
合、特に、板材に一定の間隔で穴をあける穴ピッチ加工
の場合には、この穴ピッチ寸法に対する寸法精度の要求
が高いが、熱膨張の影響を受け、加工精度の確保が困難
となることが多かった。被加工物の材料が軟鋼板よりも
熱膨張係数の大きいステンレス鋼、銅、アルミニュウム
等はかかる影響が大きかった。
【0010】また、レーザ加工の熱膨張による被加工物
の寸法変化は、被加工物周囲の温度変化で決定されるた
めに、この部分の温度を測定することによって、被加工
物の熱膨張を知ることができる。この他に、被加工物の
端部を測定することによっても、被加工物の熱膨張を知
ることができる。したがって、これを利用して、熱膨張
した割合だけ加工データを補正して加工すれば、加工後
の被加工物が室温に戻ったときに、加工寸法に誤差が生
じない。或いは、レーザ加工によって被加工物が温度上
昇するのを防止することもできる。
【0011】そこで、本発明は、レーザ光を用いた切断
加工において、レーザ加工される材料の面積が大きく、
多数の部品を連続して切断したり、或いは、大きな部品
を切断等する場合にも、加工寸法精度を確保できるレー
ザ加工機の提供を課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
レーザ加工機は、レーザ光で被加工物をレーザ加工する
レーザ加工手段と、前記被加工物の温度データを、前記
被加工物のX軸Y軸平面からなる平面面積の変化として
検出する温度検出手段と、前記温度検出手段で検出した
温度データによって基準温度データに設定してある被加
工物の加工寸法指令を補正する温度補正指令手段と、前
記温度補正指令手段で補正した加工寸法指令によって前
記被加工物を加工制御する制御指令手段とを具備するも
のである。
【0013】請求項2の発明にかかるレーザ加工機は、
レーザ光で被加工物をレーザ加工するレーザ加工手段
と、前記被加工物の2端部以上の画像を検出する画像検
出手段と、前記画像検出手段で検出した2端部以上の
像の移動によって被加工物の寸法変化をスケールの寸法
データに基き算出もしくは比較算出する寸法変化算出手
段と、前記寸法変化算出手段で算出した寸法変化によっ
て基準寸法の基に設定してある被加工物の加工寸法指令
を補正する加工寸法補正指令手段と、前記寸法補正指令
手段で補正した加工寸法指令によって前記被加工物を加
工制御する制御指令手段とを具備するものである。
【0014】請求項3の発明にかかるレーザ加工機は、
レーザ光で被加工物をレーザ加工するレーザ加工手段
と、前記被加工物の加工開始点にレーザ光で予めマーク
を描画するマーク描画手段と、前記レーザ光で描画され
たマークを検出する画像検出手段と、前記画像検出手段
で検出したマークの位置を、被加工物をレーザ加工する
加工データの加工開始点に変化させて加工寸法指令を補
正する加工寸法補正指令手段と、前記加工寸法補正指令
手段で補正した補正加工開始点データによって前記被加
工物を加工制御する制御指令手段とを具備するものであ
る。
【0015】請求項4の発明にかかるレーザ加工機は、
レーザ光で被加工物をレーザ加工するレーザ加工手段
と、前記被加工物を加工テーブルに固定するクランパを
冷却するクランパ冷却手段と、前記被加工物の周辺を
却板を介して冷却する冷却手段と、前記クランパ冷却手
段及び冷却手段に用いる冷媒の温度を検出する冷媒温度
検出手段と、前記冷媒温度検出手段で検出した温度によ
って冷媒温度を制御する冷媒温度制御手段とを具備する
ものである。
【0016】
【作用】請求項1の発明のレーザ加工機においては、レ
ーザ加工される被加工物の温度を検出し、この温度によ
って基準温度に設定してある被加工物の加工寸法指令を
補正し、補正後の加工寸法指令によって前記被加工物の
加工を制御するものであるから、連続切断加工により材
料が温度上昇し、熱膨張した状態で加工しても、加工後
の仕上寸法の誤差が除去され、正確な加工ができる。
【0017】請求項2の発明のレーザ加工機において
は、レーザ加工される被加工物の端部の少なくとも一個
所の画像を検出し、この端部の画像の移動によって被加
工物の寸法変化を算出もしくは比較算出し、この算出し
た寸法変化によって基準寸法の基に設定してある被加工
物の加工寸法指令を補正して、補正後の加工寸法指令に
よって前記被加工物の加工を制御するものであるから、
連続切断加工により材料が温度上昇し、熱膨張した状態
で加工しても、加工後の仕上寸法に誤差が生ずることは
なく、正確な加工ができる。
【0018】請求項3の発明のレーザ加工機において
は、レーザ加工される被加工物の加工開始点にレーザ光
で予めマークを描画し、この描画されたマークを検出
し、この検出したマークの位置を加工開始点に変化させ
て加工寸法指令を補正して、補正後の加工寸法指令によ
って前記被加工物の加工を制御するものであるから、連
続切断加工により材料が温度上昇し、熱膨張した状態で
加工しても、加工後の仕上寸法に誤差が生ずることはな
く、正確な加工ができる。
【0019】請求項4の発明のレーザ加工機において
は、レーザ加工される被加工物を加工テーブルに固定す
るクランパ及び被加工物の周辺を冷却する冷媒の温度を
検出して、この検出した温度によって冷媒温度を制御す
ることにより、被加工物を加工寸法指令を設定した温度
に保持でき、連続切断加工により材料が温度上昇せず、
加工後の仕上寸法に誤差が生ずることはなく、正確な加
工ができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の各実施例について説明をす
る。 〈第一実施例〉 図1は本発明の第一実施例であるレーザ加工機を示す構
成図、図2は加工位置データと被加工物が熱膨脹したと
きに補正された加工位置データとを示す説明図、図3は
加工データと補正された加工データで加工された穴の位
置関係を示す比較説明図である。図中、上記従来例と同
一符号及び記号は上記従来例の構成部分と同一または相
当する構成部分を示す。
【0021】図1において、11は加工テーブルであ
り、被加工物10が載置され、NC装置1からの指令に
基づき駆動制御部2によって制御され駆動される。加工
テーブル11には、直線方向にのみ移動できるものや、
X−Y(平面)テーブルなどがあるが、本例ではX−Y
平面を移動できる例を示している。12は被加工物10
の温度を検出する温度センサであり、加工テーブル11
に固定され、被加工物10の加工されない端の部分の温
度を測定している。13は温度計測器で、複数の温度セ
ンサ12で検出された温度を平均する。14は温度計測
器13の平均温度の値が電気信号として入力され、この
データと既存の加工形状・位置データ1aとによって、
補正された補正加工形状・位置データ15を算出する温
度補正指令手段であり、マイクロコンピュータ(以下、
マイコンという)とランダムアクセスメモリ(RAM)
などのメモリ及びその入出力インターフェイスなど(い
ずれも図示せず)から構成されている。温度センサ12
には、物体表面から放射される熱放射エネルギーを検知
する熱放射温度センサに代表される非接触式、或いは、
熱起電力を検知する熱電対、電気抵抗を検知するサーミ
スタ等に代表される接触式のいずれも用いることができ
る。本例では非接触式の熱放射温度センサを用いてい
る。
【0022】次に、上記構成の本実施例のレーザ加工機
の動作を、図2を用いて説明する。ここでは、レーザ加
工機によって板状の被加工物(金属板)に穴を複数個あ
ける場合を例に説明する。図2において、ABCDはレ
ーザ加工前の被加工物10の外形を示す。H0 からH2
は加工する穴を示す。AはNC加工データ上の原点であ
り、且つ、固定されている。また、AB,ADは加工デ
ータのX,Y軸に各々一致している。温度は被加工物1
0の端B,C,Dの三個所を測定し、その平均を採用す
る。レーザビーム5によってH0 の穴あけ加工を行なう
と、被加工物10は温度上昇し、その外形はAbcdに
熱膨張する。このため、次に加工する穴H1 は、NC加
工データよりも熱膨張した分だけ原点から離れた位置穴
L1 に加工データを補正し、加工を行なう。次の穴H2
では、被加工物10の温度が更に上昇し、その外形は更
に大きくなる(図示せず)。このため、穴H1 の場合と
同様に、温度上昇による熱膨張を考慮した位置穴L2 に
加工する。
【0023】上記の動作をフローチャートにしたのが図
4である。図4は温度検出による加工データの補正動作
を示すフローチャートであり、マイコンのメモリ(図示
せず)に記憶されたプログラムの内容を示すフローチャ
ートである。図において、まず、ステップS1で被加工
物10の材料を指定する。これは被加工物10の材料に
よって熱膨張係数αが異なるためである。材料の指定に
よって、ステップS2で自動的にRAM(図示せず)に
記憶されている被加工物10の熱膨張係数αが設定され
る。次に、ステップS3で被加工物10の加工されない
端部温度の平均値を算出し、この値をtriとして、ステ
ップS4では、加工データを設定した基準温度t0 との
差Δtを求める。そして、加工寸法指令Lriの算出式に
よって加工寸法を求める。即ち、この場合、既存加工形
状・位置データ1aがL01、補正加工形状・位置データ
15がLr1 (図2参照)である。ステップS5では、
NC装置1より算出された加工寸法指令Lr1 を駆動制
御部2に与え、被加工物10を移動させる。その後に、
ステップS6で穴H0 をレーザビーム5により切断加工
する。穴H0 は最初の穴加工なので、被加工物10の温
度上昇は殆どないのが普通である。同一材料で次の穴加
工を行なうときには、ステップS7からステップS3へ
戻り、ステップS3以降の一連の処理を繰返し行なう。
また、材料が異なる場合は、再びステップS1の処理か
ら行なう。こうして、熱膨張を見込んだ位置に穴加工を
行なうことにより、加工が終わった後には、図3のよう
に加工データと加工された穴との誤差がなくなる。
【0024】このように、本実施例のレーザ加工機は、
レーザ発振器4から照射されるレーザビーム5で被加工
物10をレーザ加工する周知のレーザ加工手段と、前記
被加工物10の端部B,C,Dの温度を検出する温度セ
ンサ12及び温度計測器13からなる温度検出手段と、
前記温度検出手段で検出した温度によって基準温度に設
定してある被加工物10の加工形状・位置データ1a
(加工寸法指令)を補正(図4のステップS4の処理)
する温度補正指令手段14と、前記温度補正指令手段1
4で補正した補正加工形状・位置データ15(加工寸法
指令)によって前記被加工物10を駆動制御部2を介し
て適宜移動させるなどして加工制御する制御指令手段と
備えている。
【0025】即ち、本実施例のレーザ加工機は、レーザ
加工される被加工物10の温度を検出し、この温度によ
って基準温度に設定してある被加工物10の加工形状・
位置データ1a(加工寸法指令)を補正し、補正後の補
正加工形状・位置データ15(加工寸法指令)によって
前記被加工物10の加工を制御するものであり、被加工
物10の温度を検出し、この温度検出値を利用して加工
データを補正して、レーザ加工を行なう。
【0026】したがって、被加工物10の連続切断加工
により材料が温度上昇し、熱膨張した状態で加工して
も、加工後の仕上寸法の誤差が除去され、正確な加工が
できるので、レーザ加工される材料が大きく、多数の部
品を連続して切断したり、或いは、大きな部品を切断等
する場合にも、加工寸法精度を確保できる。この結果、
加工による温度上昇に伴う材料の熱膨張分の影響を受け
にくくなり、精度のよいレーザ加工が行なえる。
【0027】ところで、本実施例では、被加工物10の
端B,C,Dの三個所の温度を温度センサ12で測定
し、温度計測器13でその平均を求めて、この平均温度
によって基準温度に設定してある被加工物10の加工形
状・位置データ1aを補正する場合について説明した
が、被加工物10の温度検出個所は上記三個所に限定さ
れるものではない。また、被加工物10の形状や、加工
位置に応じて温度の測定個所を適宜変えてもよい。
【0028】〈第二実施例〉 図5は本発明の第二実施例による加工データの補正動作
を示すフローチャート、図6は熱膨張による加工データ
の補正を示す説明図である。図中、第一実施例と同一符
号及び記号は第一実施例の構成部分と同一または相当す
る構成部分を示す。なお、図1は上記第一実施例と共通
である。上記実施例では、被加工物10の温度上昇を図
2に示す被加工物10の端B,C,Dの平均を採用した
が、本実施例ではB,Dの温度を測定し、それぞれ独立
に熱膨張による補正を加えたものである。
【0029】これを、図5のフローチャートに従って説
明するが、図5中、図4のステップと同一番号のステッ
プでは図4と同一の処理がされるので、ここでは相違点
のみ説明する。図5は図4のステップS3をステップS
13に、ステップS4をステップS14に代えたもので
ある。図5のステップS13で、被加工物10の端B,
Dの温度の平均値を算出し、この値をtxri ,tyri と
して、ステップS14の如く、X軸の補正値Lxri ,Y
軸の補正値Lyri を求める。即ち、図6の穴H1 の場合
では、Lx01 をLxr01に、Ly01 をLyr01に補正する。
そして、この補正値を加工データとして、穴H1 をL1
の位置で加工する。H2 の穴も同様である。こうして、
熱膨張を見込んだ位置に穴加工を行なうことにより、加
工が終わった後には、加工データと加工された穴との誤
差がなくなる。
【0030】このように、本実施例のレーザ加工機は、
レーザ発振器4から照射されるレーザビーム5で被加工
物10をレーザ加工する周知のレーザ加工手段と、前記
被加工物10の端部B,Dの温度を検出する温度センサ
12及び温度計測器13からなる温度検出手段と、前記
温度検出手段で検出した温度によって基準温度に設定し
てある被加工物10の加工形状・位置データ1a(加工
寸法指令)を補正(図5のステップS14の処理)する
温度補正指令手段14と、前記温度補正指令手段14で
補正した補正加工形状・位置データ15(加工寸法指
令)によって前記被加工物10を駆動制御部2を介して
適宜移動させるなどして加工制御する制御指令手段とを
備えている。
【0031】即ち、本実施例のレーザ加工機も上記第一
実施例と同様に、レーザ加工される被加工物10の温度
を検出し、この温度によって基準温度に設定してある被
加工物10の加工形状・位置データ1a(加工寸法指
令)を補正し、補正後の補正加工形状・位置データ15
(加工寸法指令)によって前記被加工物10の加工を制
御するものである。
【0032】したがって、本実施例においても、被加工
物10が温度上昇し、熱膨張した状態で加工しても、正
確な加工ができるので、加工寸法精度を確保できる。こ
の結果、加工による温度上昇に伴う材料の熱膨張分の影
響を受けにくくなり、精度のよいレーザ加工が行なえ
る。
【0033】〈第三実施例〉 図7は本発明の第三実施例であるレーザ加工機を示す構
成図、図8は被加工物の長さ変化測定場所を示す説明図
である。図中、上記従来例及び各実施例と同一符号及び
記号は上記従来例及び各実施例の構成部分と同一または
相当する構成部分を示す。図において、21x,21y
(なお、図7では21yは図示せず)は加工テーブル1
1上に被加工物10と同一平面に配設された精密スケー
ルである。22x、22y(なお、図7では22yは図
示せず)は照明ヘッド・レンズ(図示せず)付きCCD
カメラであり、被加工物10の端部及び精密スケール2
1x,21yを受像する。23はコントロールプロセッ
サ、CPU、メモリ、イメージプロセッサ、イメージメ
モリなど(いずれも図示せず)で構成されている画像処
理部であり、CCDカメラ22x,22yで検出した画
像から被加工物10の端部の位置を検出し、長さ変化を
算出する。24は画像処理部23の長さ変化の値が電気
信号として入力され、このデータと既存の加工形状・位
置データ1aから補正された補正加工形状・位置データ
25を算出する長さ変化補正指令手段であり、マイコン
とRAMなどのメモリ及びその入出力インターフェイス
など(いずれも図示せず)から構成されている。
【0034】次に、上記構成の本実施例のレーザ加工機
の動作を、図8の被加工物の長さ変化測定場所の説明図
を用いて説明する。なお、ここでも、上記各実施例と同
様に、レーザ加工機によって板状の被加工物(金属板)
に穴を複数個あける場合を例に説明する。図8におい
て、ABCDはレーザ加工前の被加工物10の外形を示
す。H0 からH2 は加工する穴を示す。AはNC加工デ
ータ上の原点であり、且つ、固定されている。また、A
B,ADは加工データのX,Y軸に各々一致している。
被加工物10の端部D,B及び精密スケール21x,2
1yはCCDカメラ22x,22yで拡大され、画像が
検出されて、画像処理部23に取込まれる。取込まれた
画像のうち、被加工物10の端部を2値化処理し、濃淡
境界部を決定する。そして、この境界部の位置に相当す
る精密スケール21x,21yの位置を検出し記憶す
る。
【0035】次に、レーザビーム5によりH0 の穴あけ
加工を行なうと、被加工物10は温度上昇し、熱膨張を
する。すると、例えば、図8に示す拡大図のように、B
がbに移動する。そこで、上記の手順によってbの位置
を検出し記憶する。今回の位置データと上記位置データ
とから、熱膨張による被加工物10の長さ変化を求め、
長さ変化補正指令手段24に電気信号として送る。被加
工物10の端部Dも同様にして、被加工物10の長さ変
化を求め、長さ変化補正指令手段24に電気信号として
送る。
【0036】長さ変化補正指令手段24では、各々の長
さ変化を予め入力されているA点からの距離で割り、単
位長さ当りの変化分を求める。この単位長さ当りの変化
分を既に入力されている加工形状・位置データ1aのう
ち、次に加工する穴H1 の加工データの位置座標(X,
Y)に掛けて補正加工形状・位置データ25を算出す
る。そして、この熱膨張分を補正した加工データで加工
指令を出し、加工を行なう。こうして、次の穴H2 も同
様にして、熱膨張分が補正された加工データの加工指令
を駆動制御部2に送り、被加工物10を加工する。
【0037】なお、上記実施例では精密スケール21
x,21yで被加工物10の端部の位置を検出している
が、精密スケール21x,21yを使用しないで、予め
画像上の距離を求めておいて長さ変化を求めても良いの
はもちろんである。
【0038】このように、本実施例のレーザ加工機は、
レーザ発振器4から照射されるレーザビーム5で被加工
物10をレーザ加工する周知のレーザ加工手段と、前記
被加工物10の端部B,Dの画像を検出するCCDカメ
ラ22x,22y(画像検出手段)と、前記CCDカメ
ラ22x,22y(画像検出手段)で検出した端部B,
Dの画像の移動によって被加工物10の寸法変化を精密
スケール21x,21yを介して比較算出する画像処理
部23(寸法変化算出手段)と、前記画像処理部23
(寸法変化算出手段)で算出した寸法変化によって基準
寸法の基に設定してある被加工物10の加工形状・位置
データ1a(加工寸法指令)を補正する長さ変化補正指
令手段24(加工寸法補正指令手段)と、前記長さ変化
補正指令手段24(加工寸法補正指令手段)で補正した
補正加工形状・位置データ25(加工寸法指令)によっ
て前記被加工物10を駆動制御部2を介して適宜移動さ
せるなどして加工制御する制御指令手段とを備えてい
る。
【0039】即ち、本実施例のレーザ加工機は、レーザ
加工される被加工物10の端部の画像を検出し、この端
部の画像の移動によって被加工物10の寸法変化を比較
算出し、この算出した寸法変化によって基準寸法の基に
設定してある被加工物10の加工形状・位置データ1a
(加工寸法指令)を補正して、補正後の補正加工形状・
位置データ25(加工寸法指令)によって前記被加工物
10の加工を制御するものであり、被加工物10の長さ
変化の検出値を利用して加工データを補正し、レーザ加
工を行なう。
【0040】したがって、被加工物10の連続切断加工
により材料が温度上昇し、熱膨張した状態で加工して
も、加工後の仕上寸法に誤差が生ずることはなく、正確
な加工ができるので、レーザ加工される材料が大きく、
多数の部品を連続して切断したり、或いは、大きな部品
を切断等する場合にも、加工寸法精度を確保できる。こ
の結果、加工による温度上昇に伴う材料の熱膨張分の影
響を受けにくくなり、精度のよいレーザ加工が行なえ
る。
【0041】ところで、本実施例では、被加工物10の
2つの端部B,Dの二個所の画像をCCDカメラ22
x,22yで検出する場合について説明したが、被加工
物10の端部の少なくとも一個所の画像を検出する画像
検出手段であれば構わない。
【0042】〈第四実施例〉 図9は本発明の第四実施例であるレーザ加工機を示す構
成図、図10は加工開始点のマーキングを示す説明図で
あり、加工位置データ及び加工開始点をマーキングした
板状被加工物を示す全体図である。図11は加工開始点
の補正を示す説明図であり、板状被加工物が熱膨張した
とき補正された加工位置データを示す全体図である。図
中、上記従来例及び各実施例と同一符号及び記号は上記
従来例及び各実施例の構成部分と同一または相当する構
成部分を示す。図9において、22は照明が付属したズ
ームアップレンズ(図示せず)付きCCDカメラで、加
工ヘッド7を一定量上昇させたときに、被加工物10の
表面に予め付けられた加工開始点の画像を検出する。2
3はコントロールプロセッサ、CPU、メモリ、イメー
ジプロセッサ、イメージメモリなど(いずれも図示せ
ず)で構成されている画像処理部であり、CCDカメラ
22で検出した画像から被加工物表面のマークの位置を
検出する。31は被加工物表面のマークの位置が電気信
号として入力され、このデータと既存の加工形状・位置
データ1aから補正された補正加工開始点データ32を
算出する加工開始点補正指令手段であり、マイコンとR
AMなどのメモリ及びその入出力インターフェイスなど
(いずれも図示せず)から構成されている。
【0043】次に、上記構成の本実施例のレーザ加工機
の動作を、図10の板状被加工物、加工位置データ及び
加工開始マークの全体図、図11の板状被加工物、加工
開始マーク、加工位置データ及び被加工物が熱膨張した
ときに補正された加工位置データを示す全体図を用いて
説明する。なお、ここでも、上記各実施例と同様に、レ
ーザ加工機によって板状の被加工物(金属板)に穴を複
数個あける場合を例に説明する。
【0044】図10及び図11において、ABCDはレ
ーザ加工前の被加工物10の外形を示す。H0 からH2
は加工する穴を示す。AはNC加工データ上の原点であ
り、且つ、固定されている。この被加工物10の加工手
順を次に説明する。穴加工に先立ち、まず、全ての穴の
加工開始点にレーザビーム5でマークを描画する(図1
0)。次に、NC装置1の加工形状・位置データ1aに
基づき、加工テーブル11を最初の穴H0 の加工開始点
に移動し、穴加工を行なう。次に、NC装置1の加工形
状・位置データ1aに基づき、加工テーブル11を穴H
1 の加工開始点に移動し、加工ヘッド7を上昇して加工
開始マークの像をCCDカメラ22で取込み、画像処理
部23に送る。画像処理部23には、予めレーザ照射位
置が画像上のどの点に対応しているか記憶しておく(図
11に示す拡大(CCDカメラによる画像)O点)。ま
た、図11に示す拡大(CCDカメラによる画像)で、
Ox,Oyは予め加工形状・位置データ1aのX,Y軸
に各々一致させておく。取込まれた像と画像上に設定さ
れた加工開始点とのずれ量Px1,Py1を計算して加工開
始点補正指令手段31に送る。加工開始点補正指令手段
31は既存の加工形状・位置データ1aに前記ずれ量P
x1,Py1を加え、補正加工開始点データ32を算出し、
この補正加工開始点データ32を駆動制御部2に指令し
て、加工テーブル11を移動する。こうして、加工開始
点を決定してから、レーザビーム5による穴加工を行な
う。そして、上記の繰返しにより穴加工を順次行なう。
なお、穴H0 の場合は最初の穴なので、上記ずれは発生
しない場合が多いが、穴H0 から上記の動作を実行して
も構わない。2番目に加工を行なう穴H1 では、穴H0
の加工により、被加工物10が熱膨張するため、ずれが
発生する。当然、後から加工する穴ほど、このずれが大
きくなる。
【0045】上記の動作をフローチャートにしたのが図
12である。図12は本発明の第四実施例の動作を示す
フローチャートである。図において、まず、ステップS
21で、最初既存加工データにより、全ての加工開始点
にマークをレーザビーム5で描画する。次に、ステップ
S22で、画像上の原点(レーザビームが照射される位
置)、xy軸(加工データのXY軸と一致)、距離(画
像上の距離が実際の距離の何倍になっているか校正す
る)を設定する。次に、ステップS23で、既存加工デ
ータにより加工テーブル11を加工開始点に移動する。
そして、ステップS24で加工ヘッド7を上昇し、ステ
ップS25でマークを含む画像を取込み、画像処理によ
り、マークを検出して、画像処理に画像上の原点とマー
クとのずれを算出する。ステップS26では、このずれ
量から補正した加工開始点のデータを作成し、ステップ
S27で加工ヘッド7を所定の高さまで下降し、ステッ
プS28で加工テーブル11を移動して被加工物10を
移動させる。その後に、ステップS29でレーザビーム
5により切断加工を行なう。次の穴を加工するときに
は、ステップS30からステップS23へ戻り、ステッ
プS23以降の一連の処理を繰返し行なう。なお、被加
工物10が変わった場合には、再びステップS21の処
理から行なう。
【0046】このように、本実施例のレーザ加工機は、
レーザ発振器4から照射されるレーザビーム5で被加工
物10をレーザ加工する周知のレーザ加工手段と、前記
被加工物10の加工開始点にレーザビーム5で予めマー
クを描画(図12のステップS21の処理)するマーク
描画手段と、前記レーザビーム5で描画されたマークを
検出するCCDカメラ22及び画像処理部23からなる
画像検出手段と、前記画像検出手段で検出したマークの
位置を加工開始点に変化させて加工形状・位置データ1
a(加工寸法指令)を補正(図12のステップS25及
びステップS26の処理)する加工開始点補正指令手段
31(加工寸法補正指令手段)と、前記加工開始点補正
指令手段31(下降寸法補正指令手段)で補正した補正
加工開始点データ32(加工寸法指令)によって前記被
加工物10を駆動制御部2を介して適宜移動させるなど
して加工制御する制御指令手段とを備えている。
【0047】即ち、本実施例のレーザ加工機は、レーザ
加工される被加工物10の加工開始点にレーザビーム5
で予めマークを描画し、この描画されたマークを検出
し、この検出したマークの位置を加工開始点に変化させ
て加工形状・位置データ1a(加工寸法指令)を補正し
て、補正後の補正加工開始点データ32(加工寸法指
令)によって前記被加工物10の加工を制御するもので
あり、被加工物10にマークを付け、このマーク位置を
利用して加工データを補正し、レーザ加工を行なう。
【0048】したがって、被加工物10の連続切断加工
により材料が温度上昇し、熱膨張した状態で加工して
も、加工後の仕上寸法に誤差が生ずることはなく、正確
な加工ができるので、レーザ加工される材料が大きく、
多数の部品を連続して切断したり、或いは、大きな部品
を切断等する場合にも、加工寸法精度を確保できる。こ
の結果、加工による温度上昇に伴う材料の熱膨張分の影
響を受けにくくなり、精度のよいレーザ加工が行なえ
る。
【0049】〈第五実施例〉 図13は本発明の第五実施例であるレーザ加工機を示す
構成図である。図中、上記従来例及び各実施例と同一符
号及び記号は上記従来例及び各実施例の構成部分と同一
または相当する構成部分を示す。図において、温度セン
サ12は加工ヘッド7の周囲に90度の角度ピッチで4
箇所配設されており、被加工物10のレーザ加工部周辺
(加工部から50mm程度離れた位置)の温度を検出す
る。41は前記温度センサ12の外周部に配設されてい
る冷媒吹付部であり、レーザ加工部周辺に冷媒を吹付け
る構造になっている。この冷媒には、気体が適している
が本実施例では空気を用いる。更に、冷媒吹付部41の
構造は二重円筒状となっており、内側の長さが長く、加
工ガス導入口9から被加工物10のレーザ加工部へ吹付
けられる加工ガスの流れを乱さない形状になっている。
42は温度制御部であり、温度センサ12の温度が電気
信号として入力され、被加工物10の加工データが設定
されている基準温度に近づけるように冷媒の温度を調整
する。43は冷媒冷却送風手段で、冷却機及び送風機な
どで構成され、温度制御部42の温度指令に基づいた温
度冷媒を冷媒吹付部41に供給する。
【0050】次に、上記構成の本実施例のレーザ加工機
の動作について説明する。加工ヘッド7の周囲に配設さ
れた4個の温度センサ12は、被加工物10のレーザ加
工される周辺の温度を検出する。温度制御部42には、
NC装置1に記憶されている加工データが設定された基
準温度が設定されており、温度センサ12から入力され
た温度データと比較されて、基準温度との差がなくなる
方向の温度が新たに設定される。こうして設定された温
度は、冷媒冷却送風手段43に送られ、冷媒の温度が決
定され、加工ヘッド7周囲に設置されている冷媒吹付部
41から被加工物10のレーザ加工部周辺に吹付けられ
る。温度センサ12で検出される温度が、加工データが
設定された基準温度に達している場合は、冷媒の送風を
停止する。こうして、被加工物10のレーザ加工される
部分の周囲温度が常に基準温度に保たれることにより、
レーザ加工によって被加工物10が温度上昇せず、熱膨
張しない。
【0051】このように、本実施例のレーザ加工機は、
レーザ発振器4から照射されるレーザビーム5で被加工
物10をレーザ加工する周知のレーザ加工手段と、前記
被加工物10のレーザ加工部周辺に冷媒を吹付ける冷媒
吹付部41及び冷媒冷却送風手段43からなる冷媒吹付
手段と、前記被加工物10の温度を検出する温度センサ
12(温度検出手段)と、前記温度センサ12(温度検
出手段)で検出した温度によって温度制御部42を介し
て冷媒冷却送風手段43を制御することにより、被加工
物10の温度を加工寸法指令を設定した温度に保つ被加
工物温度制御手段とを備えている。
【0052】即ち、本実施例のレーザ加工機は、レーザ
加工される被加工物10のレーザ加工部周辺に冷媒を吹
付け、この被加工物10の温度を検出し、検出した温度
によって被加工物10の温度を加工寸法指令を設定した
温度に保つものであり、加工部周辺の温度上昇を防止し
て、レーザ加工を行なう。
【0053】したがって、被加工物10の連続切断加工
をしても材料が温度上昇せず、加工後の仕上寸法に誤差
が生ずることはなく、正確な加工ができるので、レーザ
加工される材料が大きく、多数の部品を連続して切断し
たり、或いは、大きな部品を切断等する場合にも、加工
寸法精度を確保できる。この結果、加工による温度上昇
に伴う材料の熱膨張分の影響を受けにくくなり、精度の
よいレーザ加工が行なえる。
【0054】〈第六実施例〉 図14は本発明の第六実施例であるレーザ加工機を示す
構成図である。図中、上記従来例及び各実施例と同一符
号及び記号は上記従来例及び各実施例の構成部分と同一
または相当する構成部分を示す。図において、51a〜
51d(なお、図14では51b,51dは図示せず)
は被加工物10を固定するクランパ及び被加工物10で
加工を行なわない周囲に配設された冷却板であり(銅や
アルミニュウム等の熱伝導の良好な材料で作られてお
り、本例では、銅が使用されている。)、この内部には
冷却水が循環する穴が設けられている。52はクランパ
51a,51b(なお、図14では51bは図示せず)
及び冷却板51c,51d(なお、図14では51dは
図示せず)に送る水を冷却する冷却器である。42は温
度制御部であり、クランパ51a,51b(図14では
51bは図示せず)及び冷却板51c,51d(図14
では51dは図示せず)を循環する冷却水の出口側温度
を検出し、検出温度に基づいて冷却器52に冷却水の設
定温度を指令する。
【0055】次に、上記構成の本実施例のレーザ加工機
の動作を、図14のレーザ加工機の構成図、図15のク
ランパ及び冷却板の説明図を使用して説明する。図15
は被加工物を一定温度に保つ冷却板等を示す全体図であ
る。図15において、51a,51bは被加工物10を
固定するクランパであり、51c,51dは被加工物1
0で加工を行なわない周囲に密着された冷却板である。
クランパ51a,51b及び冷却板51c,51dには
内部に水が循環する穴が設けられており、冷却器52か
ら送られてきた水が通過する。水の出口には温度センサ
(図示せず)が設置されており、検出した温度は温度制
御部42へ送られる。温度制御部42には、NC装置1
に記憶されている加工データが設定された基準温度が設
定されており、温度センサから入力された温度データと
比較されて、基準温度との差がなくなる方向の温度が新
たに設定される。ここで設定された温度は冷却器52に
送られ、冷却水の温度が決定される。こうして、被加工
物10の温度が基準温度に保たれることにより、レーザ
加工によって被加工物10が温度上昇せず、熱膨張しな
い。
【0056】このように、本実施例のレーザ加工機は、
レーザ発振器4から照射されるレーザビーム5で被加工
物10をレーザ加工する周知のレーザ加工手段と、前記
被加工物10を加工テーブル11に固定するクランパ5
1a,51bを冷却する冷却器52(クランパ冷却手
段)と、前記被加工物10の周辺を冷却板51c,51
dを介して冷却する冷却器52(冷却手段)と、前記冷
却器52(クランパ冷却手段及び冷却手段)に用いる冷
媒の温度を検出する温度センサ(冷媒温度検出手段)
と、前記温度センサ(冷媒温度検出手段)で検出した温
度によって冷媒温度を制御する温度制御部42(冷媒温
度制御手段)とを備えている。
【0057】即ち、本実施例のレーザ加工機は、レーザ
加工される被加工物10を加工テーブル11に固定する
クランパ51a,51b及び被加工物10の周辺を冷却
する冷媒の温度を検出して、この検出した温度によって
冷媒温度を制御することにより、被加工物10を加工寸
法指令を設定した温度に保持するものであり、被加工物
10全体の温度上昇を防止して、レーザ加工を行なう。
【0058】したがって、被加工物10の連続切断加工
をしても材料が温度上昇せず、加工後の仕上寸法に誤差
が生ずることはなく、正確な加工ができるので、レーザ
加工される材料が大きく、多数の部品を連続して切断し
たり、或いは、大きな部品を切断等する場合にも、加工
寸法精度を確保できる。この結果、加工による温度上昇
に伴う材料の熱膨張分の影響を受けにくくなり、精度の
よいレーザ加工が行なえる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明の
レーザ加工機は、レーザ加工手段と、温度検出手段と、
温度補正指令手段と、制御指令手段とを備え、レーザ加
工される被加工物の温度データを前記被加工物の平面面
積の変化として検出し、この温度データによって基準温
データに設定してある被加工物の加工寸法指令を補正
し、補正後の加工寸法指令によって前記被加工物の加工
を制御することにより、連続切断加工により材料が温度
上昇し、熱膨張した状態で加工しても、加工後の仕上寸
法の誤差が除去され、正確な加工ができるので、レーザ
加工による温度上昇に伴う材料の熱膨張分の影響を受け
にくくなり、加工寸法精度を向上できる。
【0060】請求項2の発明のレーザ加工機は、レーザ
加工手段と、画像検出手段と、寸法変化算出手段と、加
工寸法補正指令手段と、制御指令手段とを備え、レーザ
加工される被加工物の二次元を得る2端部の個所の画像
を検出し、この二次元を得る2端部の画像の移動によっ
て被加工物の寸法変化を算出もしくは比較算出し、この
算出した寸法変化によって基準寸法の基に設定してある
被加工物の加工寸法指令を補正して、補正後の加工寸法
指令によって前記被加工物の加工を制御することによ
り、連続切断加工により材料が温度上昇し、熱膨張した
状態で加工しても、加工後の仕上寸法に誤差が生ずるこ
とはなく、正確な加工ができるので、レーザ加工による
温度上昇に伴う材料の熱膨張分の影響を受けにくくな
り、加工寸法精度を向上できる。
【0061】請求項3の発明のレーザ加工機は、レーザ
加工手段と、マーク描画手段と、画像検出手段と、加工
寸法補正指令手段と、制御指令手段とを備え、レーザ加
工される被加工物の加工開始点にレーザ光で予めマーク
を描画し、この描画されたマークを検出し、この検出し
たマークの位置を加工開始点に変化させて加工寸法指令
を補正して、補正後の加工寸法指令によって前記被加工
物の加工を制御することにより、連続切断加工により材
料が温度上昇し、熱膨張した状態で加工しても、加工後
の仕上寸法に誤差が生ずることはなく、正確な加工がで
きるので、レーザ加工による温度上昇に伴う材料の熱膨
張分の影響を受けにくくなり、加工寸法精度を向上でき
る。
【0062】請求項4の発明のレーザ加工機は、レーザ
加工手段と、クランパ冷却手段と、冷却手段と、冷媒温
度検出手段と、冷媒温度制御手段とを備え、レーザ加工
される被加工物を加工テーブルに固定するクランパ及び
被加工物の周辺を冷却する冷媒の温度を検出して、この
検出した温度によって冷媒温度を制御することにより、
被加工物を加工寸法指令を設定した温度に保持でき、連
続切断加工しても材料が温度上昇せず、加工後の仕上寸
法に誤差が生ずることはなく、正確な加工ができるの
で、レーザ加工による温度上昇に伴う材料の熱膨張分の
影響を受けにくくなり、加工寸法精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の第一実施例及び第二実施例で
あるレーザ加工機を示す構成図である。
【図2】 図2は加工位置データと被加工物が熱膨脹し
たときに補正された加工位置データとを示す説明図であ
る。
【図3】 図3は加工データと補正された加工データで
加工された穴の位置関係を示す比較説明図である。
【図4】 図4は温度検出による加工データの補正動作
を示すフローチャートである。
【図5】 図5は本発明の第二実施例のレーザ加工機に
よる加工データの補正動作を示すフローチャートであ
る。
【図6】 図6は熱膨張による加工データの補正を示す
説明図である。
【図7】 図7は本発明の第三実施例であるレーザ加工
機を示す構成図である。
【図8】 図8は被加工物の長さ変化測定場所を示す説
明図である。
【図9】 図9は本発明の第四実施例であるレーザ加工
機を示す構成図である。
【図10】 図10は加工開始点のマーキングを示す説
明図である。
【図11】 図11は加工開始点の補正を示す説明図で
ある。
【図12】 図12は本発明の第四実施例のレーザ加工
機の動作を示すフローチャートである。
【図13】 図13は本発明の第五実施例であるレーザ
加工機を示す構成図である。
【図14】 図14は本発明の第六実施例であるレーザ
加工機を示す構成図である。
【図15】 図15は被加工物を一定温度に保つ冷却板
等を示す全体図である。
【図16】 図16は従来のレーザ加工機を示す構成図
である。
【図17】 図17は従来のレーザ加工機による穴あけ
加工手順を示す説明図である。
【図18】 図18は従来のレーザ加工機により板状の
被加工物に穴あけ加工する場合の加工形状を示す説明図
である。
【図19】 図19は従来のレーザ加工機による加工デ
ータと加工した穴との位置関係を示す比較説明図であ
る。
【図20】 図20はレーザ加工直後の熱分布などを模
式的に示した説明図である。
【図21】 図21はレーザ加工後一定時間経過後の熱
分布などを模式的に示した説明図である。
【符号の説明】
1 NC装置 1a 加工形状・位置データ 2 駆動制御部 4 レーザ発振器 5 レーザビーム 7 加工ヘッド 10 被加工物 11 加工テーブル 12 温度センサ 13 温度計測器 14 温度補正指令手段 15,25 補正加工形状・位置データ 21x,21y 精密スケール 22,22x,22y CCDカメラ 23 画像処理部 24 長さ変化補正指令手段 31 加工開始点補正指令手段 32 補正加工開始点データ 41 冷媒吹付部 42 温度制御部 43 冷媒冷却送風手段 51a,51b クランパ 51c,51d 冷却板 52 冷却器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−155579(JP,A) 特開 平3−213244(JP,A) 特開 平3−275230(JP,A) 特開 昭64−87713(JP,A) 特開 昭62−176695(JP,A) 特開 平3−285798(JP,A) 特開 平3−207593(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 26/00 26/04 B23K 31/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光で被加工物をレーザ加工するレ
    ーザ加工手段と、 前記被加工物の温度データを、前記被加工物のX軸Y軸
    平面からなる二次元の変化として検出する温度検出手段
    と、 前記温度検出手段で検出した温度データによって基準温
    度データに設定してある被加工物の加工寸法指令を補正
    する温度補正指令手段と、 前記温度補正指令手段で補正した加工寸法指令によって
    前記被加工物を加工制御する制御指令手段とを具備する
    ことを特徴とするレーザ加工機。
  2. 【請求項2】 レーザ光で被加工物をレーザ加工するレ
    ーザ加工手段と、 前記被加工物の二次元を得る2端部の画像を検出する画
    像検出手段と、 前記画像検出手段で検出した二次元を得る2端部の画像
    の移動によって被加工物の寸法変化をスケールの寸法デ
    ータに基き算出もしくは比較算出する寸法変化算出手段
    と、 前記寸法変化算出手段で算出した寸法変化によって基準
    寸法の基に設定してある被加工物の加工寸法指令を補正
    する加工寸法補正指令手段と、 前記寸法補正指令手段で補正した加工寸法指令によって
    前記被加工物を加工制御する制御指令手段とを具備する
    ことを特徴とするレーザ加工機。
  3. 【請求項3】 レーザ光で被加工物をレーザ加工するレ
    ーザ加工手段と、 前記被加工物の加工開始点にレーザ光で予めマークを描
    画するマーク描画手段と、 前記レーザ光で描画されたマークを検出する画像検出手
    段と、 前記画像検出手段で検出したマークの位置を、被加工物
    をレーザ加工する加工データの加工開始点に変化させて
    加工寸法指令を補正する加工寸法補正指令手段と、 前記加工寸法補正指令手段で補正した補正加工開始点デ
    ータによって前記被加工物を加工制御する制御指令手段
    とを具備することを特徴とするレーザ加工機。
  4. 【請求項4】 レーザ光で被加工物をレーザ加工するレ
    ーザ加工手段と、 前記被加工物を加工テーブルに固定するクランパを冷却
    するクランパ冷却手段と、 前記被加工物の周辺を冷却板を介して冷却する冷却手段
    と、 前記クランパ冷却手段及び冷却手段に用いる冷媒の温度
    を検出する冷媒温度検出手段と、 前記冷媒温度検出手段で検出した温度によって冷媒温度
    を制御する冷媒温度制御手段とを具備することを特徴と
    するレーザ加工機。
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