JP2851902B2 - 熱線式空気流量計 - Google Patents

熱線式空気流量計

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JP2851902B2 JP2060015A JP6001590A JP2851902B2 JP 2851902 B2 JP2851902 B2 JP 2851902B2 JP 2060015 A JP2060015 A JP 2060015A JP 6001590 A JP6001590 A JP 6001590A JP 2851902 B2 JP2851902 B2 JP 2851902B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ガソリンエンジンなどの内燃機関の吸気流
量計測用の熱線式空気流量計に係り、特に気筒数が2以
上の自動車用ガソリンエンジンの吸気流量計測に好適な
熱線式空気流量計に関する。
〔従来の技術〕
近年、自動車用多気筒ガソリンエンジンでは、各気筒
ごとに独立した空燃比制御を適用する機運にあるが、こ
のとき、1個の熱線式空気流量計をそれぞれの気筒の吸
気流量の計測に共用する方式が知られている。
そして、このような場合に使用される熱線式空気流量
計としては、例えば特開昭63-210715号公報に記載され
ているように、吸気流量検出用通路(センシング通路)
方式の熱線式空気流量計がある。
この従来の熱線式空気流量計では、複数の吸気通路
と、それらの中央に、いわゆるセシング通路を備え、こ
のセンシング通路の吸気流下流側の底部を隣合う吸気通
路の側面に連通させてバイパス通路が形成されるように
していた。
なお、この種の装置として関連するものには、上記公
報の外、例えば、 特開昭58-132618公報 特開昭58-14221号公報 特開昭59-100821号公報 特開昭63-281016号公報 などによるものを挙げることができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、多気筒エンジン、特に4気筒エンジ
ンなどで顕著な吸気脈動について配慮がされておらず、
この脈動による流量計測精度の低下や、特にエンジン回
転速度が低速から中速までの領域で、スロットルバルブ
全開状態のときに発生しやすい出力信号の二値化現象抑
圧の点で問題があった。つまり、上記従来技術では、熱
線検出素子が設置されているセンシング通路と複数の吸
気通路とを連通する通路長が極めて短いため、エンジン
の吸気脈動の影響がセンシング通路内に強く現われてし
まうので、上記した問題が生じるのである。
本発明の目的は、複数の、つまり2以上の吸気通路と
センシング通路を有する熱線式空気流量計において、出
力信号の二値化現象発生などの虞れが無く、常に高精度
の吸気流量検出が可能な熱線式空気流量計を提供するこ
とである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明は、複数の吸気通路
の外側を通る環状の空気通路からなるバイパス通路を設
け、センシング通路とこれら複数の吸気通路間の連通
が、全てこのバイパス通路を介して与えられるようにし
たものであり、更に具体的には、本発明では、以下の通
り、すなわち、吸気流量検出用通路を中心軸として、互
いに平行になった4以上の偶数の独立した通路からなる
複数本の主吸気通路を配置し、上記吸気流量検出用吸気
通路内に吸気流量検出素子を設置する方式の多気筒内燃
機関用バイパス型熱線式空気流量計において、上記複数
本の主吸気通路の全てを取り囲む円環状のバイパス通路
と、上記複数本の主吸気通路の下流側を、2本の主吸気
通路ごとに、それらを相互に連通する2以上の偶数から
なる複数本の共通路とを設け、上記吸気流量検出用通路
の出口側と、上記複数本の主吸気通路の下流側とが、上
記複数本の共通路と上記バイパス通路を介して連通され
るようにしたものである。
〔作用〕
バイパス通路は全ての吸気通路を取り囲む環状の空気
通路からなり、センシング通路は、一旦、このバイパス
通路に連通された後、各吸気通路に連通されるので、連
通径路内に存在する空気量が多くなり、そのイナーシャ
によるフィルタ機能がセンシング通路内での吸気脈動を
抑えるように働く。従って、出力信号の二値化現像が阻
止でき、高精度で吸気流量を計測することができる。
〔実施例〕
以下、本発明による熱線式空気流量計について、図示
の実施例により詳細に説明する。
まず、第1図ないし第4図は本発明の一実施例で、第
1図は正面図、第2図は底面図、第3図は第1図のA−
A線による側断面図、そして第4図は第3図のB−B線
による縦断面図であり、これらの図に示すように、この
実施例による熱線式空気流量計は、中心にセンシング通
路2を、そして、その回りに4個の吸気通路9を有する
流量計本体1で構成されている。そして、この流量計本
体1は、吸気入口部1aを有する上流部材1Aと、吸気出口
部1bを有する下流部材1Bとを、後述するリング状のバイ
パス通路11の部分で結合して構成され、上流部材1Aが空
気フィルタ側に、そして下流部1Bがエンジンの吸気弁側
にそれぞれ連通され、エンジンの吸気通路の一部を構成
するようになっている。従って、第1図では紙面の手前
側が、そして第3図では図の上側がそれぞれ吸気流の上
流側になり、第2図と第4図では手前側が吸気流の下流
側になっている。
センシング通路2は、図示のように、その入口側が吸
気入口部1a側、つまり上流側に開口しており、その中に
流量検出用の熱線素子3と、空気温度補正用の感温抵抗
素子4からなる吸気流量検出素子が設けられ、そして、
これらの熱線素子3と、感温抵抗素子4はターミナル5
を介して、モジュール7内の検出制御回路6に接続され
ている。モジュール7には外部装置との接続端子を有す
るコネクタ8が設けられている。
4個の吸気通路9は、図から明らかなように、互いに
平行に、センシング通路2を中心線として、その周囲に
対称的に配置されており、さらに、その周囲を取り巻く
ようにして、リング(環)状のバイパス通路11が流量計
本体1の外側に突出するようにして形成してある。
10はセンシング側連通路で、十文字をなして形成さ
れ、センシング通路2の下流側、つまり出力側をバイパ
ス通路11に連通させるように形成されている。
一方、12は吸気通路側連通路で、各吸気通路9の下流
側の外側から外方に向けて開口され、各吸気通路9の下
流側をバイパス通路11に連通させるように形成されてい
る。
流量計本体1は、上流部材1Aと、下流部材1Bとをリン
グ状のバイパス通路11が形成される部分で嵌め合う構造
に作られており、圧入結合、あるいは接着など手段によ
り一体に結合され、組立られる。そして、下流部材1Bに
形成してあるフランジ15により、取付孔14を介してエン
ジンの吸気管に連結される。このとき、この実施例で
は、吸気通路9が4個設けられており、それぞれの吸気
通路9は、それぞれのスロットルバルブと燃料噴射弁を
有する。多気筒エンジンの各気筒の吸気管に連結される
ことによりエンジンに実装され、熱線式空気流量計とし
てエンジン制御に使用される。
この実施例によれば、吸気入口部1aから流量計本体1
に流れ込んだ吸気のうち、センシング通路2内に流入し
た空気は、このセンシング通路2の出口側から、まず十
文字型に形成されているセンシング側連通路10に流れ込
み、ついでリング状のバイパス通路11に流入する。そし
て、このように一旦バイパス通路11に入った後、今度は
吸気通路側連通路12を通って各吸気通路9の下流側に合
流されることになる。
従って、この実施例においては、多気筒エンジンの各
気筒の吸気管に連結されている各吸気通路9ごとに、そ
こを通過する空気流に異なった脈動を生じていたとして
も、センシング通路2内に流れ込んだ空気は、上記した
ように、まずセンシング側連通路10に流れ込み、ついで
バイパス通路11に流入し、このように一旦バイパス通路
11に入った後、今度は吸気通路側連通路12を通って、や
っと各吸気通路9の下流側に合流するので、この合流す
るまでの経路に存在する空気のイナーシャにより脈動が
なまされ、平滑化されてしまうことになり、センシング
通路2内の熱線素子3と感温抵抗素子4からなる吸気流
量検出素子が存在する部分での空気流は、エンジンの吸
気脈動をほとんど含まない平均吸気流量になっているの
で、脈動の影響を受けること無く、出力信号の二値化現
象を抑え、常に正確に吸気流量を計測することができ
る。
このとき、多気筒エンジンの各気筒毎の吸気流量は、
各気筒の吸気タイミングに合わせて吸気流量をサンプリ
ングすることにより、容易に計測することができる。
次に、第5図ないし第8図は本発明の別の一実施例
で、第5図は正面図、第6図は底面図、第7図は第5図
のA−A線による側断面図、そして第8図は第7図のB
−B線による縦断面図であり、これらの図に示すよう
に、この実施例による熱線式空気流量計は、特に第8図
から明らかなように、4個の吸気通路9を2個ずつ対に
し、それぞれの対毎に、それらの吸気通路側連通路12を
向かい合わせて接続し、それぞれを共通連通路13を介し
てバイパス通路2に連通させるようにしたものであり、
これに合わせて十文字型のセンシング通路10に代えて一
文字になったセンシング側連通路16を設けたもので、そ
の他の構成は第1図〜第4図の実施例と同じである。
従って、この実施例によっても、脈動の影響を受ける
こと無く、出力信号の二値化現象を抑え、常に正確に吸
気流量を計測することができる。
次に、第9図ないし第12図は本発明の別の一実施例
で、同じく第9図は正面図、第10図は底面図、第11図は
第9図のA−A線による側断面図、そして第12図は第11
図のB−B線による縦断面図である。
この実施例は6気筒エンジンに対応して構成されたも
ので、6個の気筒を3個づつの2群に分け、それに対応
させて対をなす2個の吸気通路9A、9Bを設けたものであ
る。
2個の吸気通路9A、9Bは、それぞれ破線の円で表わし
てある6個の吸気通路に対応し、それらの3個づつを包
含するような断面形状になるよう、幅が一様なほぼ半月
形の断面形状に作られ、それぞれ吸気通路側連通路12を
介してリング状のバイパス通路11に連通されるように構
成されており、その他の構成は第1図ないし第8図の実
施例と同じである。
周知のように、気筒数が6以上のエンジンでは、4気
筒のエンジンとは異なり、吸気タイミングが2の気筒以
上にわたって重複しており、従って、吸気脈動はかなり
小さくなっている。
従って、気筒数が6のエンジンに対しては、この実施
例のように、2個の吸気通路9A、9Bに分割しただけでも
充分にエンジンの吸気脈動を軽減させることができ、エ
ンジン吸気脈動の影響を受けること無く、出力信号の二
値化現象を抑え、常に正確に吸気流量を計測することが
できる。
第13図ないし第16図も本発明の別の一実施例で、同じ
く第13図は正面図、第14図は底面図、第15図は第13図の
A−A線による側断面図、そして第16図は第15図のB−
B線による縦断面図である。
これら第13図ないし第16図において、17はスロットル
バルブで、4個の吸気通路9の、リング状バイパス通路
11よりも下流側の内部に、それぞれ設けてあるものであ
り、従って、この実施例は、いわゆる気筒別スロットル
一体型の熱線式空気流量計を構成しているものである。
なお、その他の構成は第1図ないし第4図の実施例と同
じである。
この第13図ないし第16図に示したスロットル一体型熱
線式空気流量計のエンジンへの実装状態を示したのが第
17図で、図において、IMは4本の吸気管からなるインテ
ークマニホールドであり、これにより、空気フィルタに
連通した吸入空気管18から流量計本体1の各吸気通路9
内に流入した吸入空気は、それぞれ独立して4個の各気
筒につながっている吸気管20に供給され、吸気バルブ21
を介して燃焼室23内に供給される。なお、19は燃料噴射
弁、22は点火プラグ、そして24はピストンを表わす。
従って、この実施例によれば、多気筒エンジンの各気
筒別に吸気流量を制御出来ると共に、各気筒ごとの吸気
タイミングに合わせて流量検出信号を取り込むことによ
り、各気筒毎の吸気流量計測を得ることができ、結局、
この実施例によれば、エンジン吸気脈動の影響を受ける
こと無く、出力信号の二値化現象を抑え、常に正確に吸
気流量を計測することができ、各気筒毎に独立した空燃
比制御が可能な、コンパクトな気筒別スロットル一体型
熱線式空気流量計を容易に提供することができる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、以下に示すような優れた効果を得る
ことが出来る。
センシング通路と複数の吸気通路間を充分な長さの空
気通路で連通できるので、流量計測に対する吸気脈動の
影響を充分に抑えることができ、出力信号の二値化現象
をなくし、高精度の流量計測のもとで良好なエンジン制
御を容易に得ることができる。
複数の吸気通路のバイパス通路の下流側に、それぞれ
スロットルバルブを設けるだけで、気筒別スロットル一
体型熱線式空気流量計を構成することができるので、小
型で高精度の気筒別スロットル一体型熱線式空気流量計
を容易に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は本発明の第1の実施例で、第1図
は正面図、第2図は底面図、第3図は第1図のA−A線
による側断面図、第4図は第3図のB−B線による縦断
面図、第5図ないし第8図は本発明の第2の実施例で、
第5図は正面図、第6図は底面図、第7図は第5図のA
−A線による側断面図、第8図は第7図のB−B線によ
る縦断面図、第9図ないし第12図は本発明の第3の実施
例で、第9図は正面図、第10図は底面図、第11図は第9
図のA−A線による側断面図、第12図は第11図のB−B
線による縦断面図、第13図ないし第16図は本発明の第4
の実施例で、第13図は正面図、第14図は底面図、第15図
は第13図のA−A線による側断面図、第16図は第15図の
B−B線による縦断面図、第17図はエンジン実装状態を
示す実施例の説明図である。 1……流量計本体、1a……吸気入口部、1b……吸気出口
部、1A……上流部材、1B……下流部材、2……センシン
グ通路、3……熱線素子、4……感熱抵抗素子、5……
ターミナル、6……検出制御回路、7……モジュール、
8……コネクタ、9、9A、9B……吸気通路、10……十文
字形のセンシング側連通路、11……バイパス通路、12…
…吸気通路側連通路、13……共通連通路、14……取付
孔、15……フランジ、16……一文字形のセンシング側連
通路、17……スロットルバルブ、18……吸入空気管、20
吸気管、21……吸気バルブ、22……点火プラグ、23……
燃焼室、24……ピストン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01F 1/68 F02D 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気流量検出用通路を中心軸として、互い
    に平行になった4以上の偶数の独立した通路からなる複
    数本の主吸気通路を配置し、上記吸気流量検出用吸気通
    路内に吸気流量検出素子を設置する方式の多気筒内燃機
    関用バイパス型熱線式空気流量計において、 上記複数本の主吸気通路の全てを取り囲む円環状のバイ
    パス通路と、 上記複数本の主吸気通路の下流側を、2本の主吸気通路
    ごとに、それらを相互に連通する2以上の偶数からなる
    複数本の共通路とを設け、 上記吸気流量検出用通路の出口側と、上記複数本の主吸
    気通路の下流側とが、上記複数本の共通路と上記バイパ
    ス通路を介して連通されるように構成したことを特徴と
    する熱線式空気流量計。
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