JP2851556B2 - 新規なエシェリキア・コリ菌株から単離した1型およびp型フィムブリエ−アドヘシン、その製法ならびにその使用 - Google Patents

新規なエシェリキア・コリ菌株から単離した1型およびp型フィムブリエ−アドヘシン、その製法ならびにその使用

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    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、尿路感染を治療および
予防するのに用いる生成物の技術分野に関する。さらに
詳細には、本発明は、新規なイー・コリ(E.col
i)株から高精製状態で単離され、前記目的において、
動物で非常に有効であることが示されたフィムブリエを
提供する。従って、該フィムブリエは、ヒトにおける前
記感染を予防し治療するのに潜在的に有用である。
【0002】前記の新規なイー・コリ株は、特には、
「特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブ
ダペスト条約」に従い、1994年1月19日に、ユニ
バーシティ・オブ・バレンシア(University
of Valencia)のスパニッシュ・カルチャ
ー・タイプ・コレクション(Spanish Cult
ure Type Collection)(コレクシ
オン・エスパニョーラ・デ・クルティーボス・ティボ−
CECT(Coleccion Espanola d
e Cultivos Tipo−CECT))に本出
願人が寄託したエシェリキア・コリ(Escheric
hia coli)CECT4484株およびエシェリ
キア・コリ(Escherichia coli)CE
CT4485株であり、双方とも寄託時に「適当な培養
培地における再培養」の条件下で生存可能な株であると
判明した。
【0003】
【従来の技術】イー・コリは、急性および慢性の膀胱
炎、ならびに腎盂腎炎および無症候性細菌尿症の症状を
引き起こす、尿路感染における最もよくある病原因子で
ある[(1)(「スペインにおける尿路感染の問題」
(Problem of urinary infec
tions in Spain))、リアド(Liad
e)、1989年;(2)ウッドロー,ジイシイ(Wo
odrow GC)、レビネ,エムエム(Levine
MM)「新世代のワクチン」(New genera
tion vaccines)、1990年]。
【0004】尿路感染が、尿路上皮細胞結合能を有する
アドヘシン(adhesin)構造を含むエシェリキア
・コリ(Escherichia coli)株により
引き起こされること[(3)ジョンソン,ジェイエム
(Johnson JM)、「E.coli UTIに
おける病原性因子」(Virulence facto
rs in E.coli UTI.)、クリニカル・
マイクロバイオロジー・レビューズ(Clin.Mic
robiol.Reviews)、1991年;第4
巻;80−128頁]、ならびに、該構造が尿路感染に
おけるこれら生物の病原性を引き起こす主要な1つであ
ること(3)は公知である。これらの構造は、そこで受
容体と結合する末端および/または側領域を含有する管
状型のタンパク質サブユニットよりなる[(3)および
(4)ブリントン,シイシイ(Brington C
C)、「グラム陰性菌における細菌線毛の構造、機能、
合成および遺伝的制御ならびにDNAおよびRNA移行
の分子モデル」(The structure,fun
ction,synthesis and genet
ic control of bacterial p
ili and molecular model f
or DNA and RNA transport
in gram negative bacteri
a.)、トランス・ニューヨーク・アカデミック・サイ
エンス(Trans NY Acad.Sci.)、1
965年;第27巻;1003−1054頁]。該構造
は、病原性因子と関連するフィムブリエおよびいくつか
のファミリーと命名された:マンノース抵抗性フィムブ
リエ(P型:P、FまたはNAP、X型またはDr関
連:5M,6)およびマンノース感受性フィムブリエ
(1型)が同定され(3.)、X型、AFA−Iおよび
AFA−IIIマンノース抵抗性アドヘシンはフィムブ
リエ構造と関連がない。尿路病原性イー・コリによる尿
路感染の予防剤および/または保護剤として、双方の型
のフィムブリエが試験されている[(5)ハグバーグ,
エル(Hagberg L)、レッフラー,エイチ(L
effler H)、スバンボーグ−エデン,シイ(S
vanborg−Eden C)、「抗生物質によらな
いUTIの防御」(Non−antibiotic p
revention of UTI.):インフェクシ
ョン(Infection)、1985年;第13巻
(第2巻増刊号):196−200頁;(6)オウヘン
リー,ピイ(O’Hanley P)、ラーク,ディイ
(Lark D)、ファルコウ,エス(Falkow
S)、スクールニク,ジイ(Schoolnik
G)、「Balb/cマウスにおける上部尿路のE.c
oliコロニー形成の分子理論」(Molecular
basis of E.coli coloniza
tion of the upper urinary
tract in Balb/c mice.)、ジ
ャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション
(J.Clin.Invest.)、1985年;第7
5巻:347−360頁;(7)ハルグレン,エスジェ
イ(Hutlgren SJ)、ポーター,ティイエヌ
(Porter TN)、シェファー,エイジェイ(S
chaeffer AJ)、ダンカン,ジェイエル(D
uncan JL)、「底部UTIに対する、I型線毛
の役割およびE.coliにより作出される相変化の影
響」(Role of type I pili an
d effects of phase variat
ion on lower UTI produced
by E.colo.)、インフェクト・アンド・イミ
ュニティー(Infect.Immun.)、1985
年;第50巻:370−377頁;(8)シルバーブラ
ッド,エフエス(Silverblatt FS)、ワ
インステイン,アール(Weinstein R)、レ
ネ,ピイ(Rene P)、「抗−線毛抗体による実験
的腎盂腎炎に対する保護」(Protection a
gainst experimental pyelo
nephritis by antibodies t
o pili.)、サイエンス・ジェイ・インフェクト
・ディス(Science J.Infect Di
s.)、1982年;第33巻増刊号:79−82
頁]。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、再発
性膀胱炎を発病した女性の尿試料から単離した尿路病原
性イー・コリのフィムブリエ−アドヘシンを精製し同定
し、尿路感染を予防的に治療するための生成物としてそ
れらを使用することにある。
【0006】尿路感染を予防するためのワクチンとして
用いられるイー・コリのフィムブリエの製造および有効
性について、研究がすでに行われている。従って、ペッ
チャ(Pecha)らの刊行物[ペッチャ,ビイ(Pe
cha B)、ロウ,ディイ(Low D.)、オウヘ
ンリー,ピイ(O’Hanley P)、「ネズミ・モ
デルにおいて線毛を有するE.coliによる腎盂腎炎
を阻害するGal−Gal線毛ワクチン」(Gal−G
al pili vaccines prevent
pyelonephritis by piliate
d E.coli in murine mode
l.)、ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティ
ゲーション(J.Clin.Invest.)、198
9年;第83巻:2102−2108頁]の他、以下の
特許が関連するものとして挙げられる:
【0007】−イー・コリ細胞からのp−アドヘシンの
単離ならびに免疫、抗体産生および診断のためのその使
用に関するDE3832785。 −ワクチン接種または局所適用によりイー・コリ感染を
予防するための、イー・コリ上にフィムブリエとして発
現される新規なフィブロネクチン結合タンパク質、なら
びに、その配列をコードするハイブリッドDNAに関す
るEP−342173。 −抗原部位もしくはF11型フィムブリエを含有するイ
ー・コリまたはそれらに対する抗体により、敗血症に対
して、家禽を保護するためのワクチンに関するEP−3
14224。 −感染生物としての当該フィムブリエと同一フィムブリ
エ・ファミリーのフィムブリエとよりなる、尿路感染に
対する免疫用ワクチンに関するEP−249739号。 −細菌感染に対する免疫、および、感染診断用の抗体の
産生に有用な、ポリペプチド・アドヘシン抗原決定基よ
りなる抗原に関するEP−179887。 −イー・コリのgal−gal・フィムブリエの断片ま
たはタンパク質を含有する尿路感染に対するワクチンに
関するEP−161095。 −胃腸炎の予防または治療に薬理学的に用いる、エシェ
リキア・コリからのワクチンの製造に関する特許第05
46584号。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記に引用した先行技術
とは対照的に、本発明は、さらに示す特定の特徴を有す
る、再発性膀胱炎に発病した女性の尿から単離した新規
なイー・コリ株からの1型およびP型のフィムブリエ-
アドヘシンの製法および精製法を提案する。本発明によ
れば、該精製物の目的に影響し得る鞭毛、溶血素および
LPSのごとき他のタンパク質または構造体から遊離し
た無傷のフィムブリエ−アドヘシンを得ることができる
と共に、注目する生成物と共に存在し得る毒性物質を確
実に除去することができる。
【0009】一方、単離された1型フィムブリエ−アド
ヘシンとP型フィムブリエ−アドヘシンとの間に交差反
応が実際全くなければ、各型のフィムブリエを別々に有
するもの、および、同濃度における2つの型のフィムブ
リエ−アドヘシンを有するものであって、かつ行った実
験において保護能を示した免疫原を製造することが可能
となる。
【0010】加えて、該フィムブリエに関連するイー・
コリ株の粘着能を検証すれば、そのアドヘシン画分に対
する免疫反応を誘導する物質が、イー・コリの尿路上皮
細胞への付着を引き起こさせるようにすることもでき
る。
【0011】発明の名称に示すごとく、本発明は、新規
なイー・コリ株から単離した1型およびP型フィムブリ
エ-アドヘシン、それらの製法および使用に関する。
【0012】本発明の製法は、再発性膀胱炎に発病した
女性の尿から単離し、1型およびP型フィムブリエに関
連したアドヘシンの存在が確認されている新規な尿路病
原性イー・コリ株を出発物質として用いた、ブリントン
(4)によりすでに記載されている古典的な製法に基づ
いている。特に、以下の表1にその特性を示す、イー・
コリCECT4484株およびCECT4485株を用
いた:
【0013】
【表1】
【0014】該細菌を、37℃にて液体培養培地に撒
き、対数増加期開始時の培養(108−109ufc/m
l)を得る。その培養を遠心し、培地およびその中に存
在し得る成分を除去するため、得られた沈殿物を遠心に
より洗浄する。該細菌を含有し、中性pHの塩溶液に懸
濁した該洗浄沈殿物を、20,000ないし25,00
0rpmの速度にて、2ないし10分間剪断ホモジナイ
ザー中で冷ホモジナイズする。そのホモジネートを、約
25,000−45,000×gの高速にて、20−4
5分間遠心し、細菌を含有する沈殿物を捨てる。
【0015】フィムブリエを含有する上清を収集し、数
回冷塩溶液沈殿を行う(MgCl2または(NH42
4で行うこともできる)。該沈殿操作は、2時間ない
し一晩の十分な時間で行うことができる。該沈殿物質
は、遠心により収集する。それを中性pHの塩溶液で復
元して、その後に、沈殿に用いた塩の残渣、ならびに、
10,000Da未満の分子を除去する目的でそれを透
析する。その後に、該フィムブリエを、リポ多糖(LP
S)を除去する目的で、約80℃にて5%デオキシコ−
ル酸ナトリウムで処理する。
【0016】かく得られた物質(無傷のフィムブリエ)
を、セファクリル(Sephacryl)S-200を含有するゲル
濾過カラム(アリルデキストランとN,N−メチレンビ
スアクリルアミドとの共有結合により形成され、1,0
00〜80,000Daのタンパク質が入り込める孔を
有する25〜75μmの球体形態の強固なメッシュを生
じたクロマトグラフィー用マトリックス)にてのクロマ
トグラフィーに付し、続いて、かく得られた排除容量を
再度、セファロース(Sepharose)4Bカラム(6×104
20×106Daのタンパク質を封入できる孔が形成さ
れ、わずかな残基と充填物を有する45〜165μmの
アガロース球体よりなるクロマトグラフィー用マトリッ
クス)にてのクロマトグラフィーに付する。これは、鞭
毛または膜残留物等のごとき非常に大きな物質、あるい
は、該生成物の特性に影響し得る、溶血素、LPS等の
ごとき中程度の分子量または低分子量の毒性物質の残留
物を含有しない無傷のフィムブリエを得るためである。
これに加えて、注目する生成物と共に存在し得る毒性物
質が確実に除去される。
【0017】セファロース4Bカラムの包括容量中に含
有されている物質が、2×105Daないし20×106
Daの分子量を有する本発明の生成物を構成する。
【0018】この生成物は、各型のフィムブリエを別々
に有するもの、および同濃度で該2つの型のフィムブリ
エ−アドヘシンを有するものであって、かつ尿路感染し
たマウスの実験系にて保護能を示した免疫原の製造を可
能とする、本発明に従って単離された1型とP型のフィ
ムブリエ−アドヘシンの間で、交差反応を実質的に有し
ない。
【0019】加えて、フィムブリエと関連する該イー・
コリ株の粘着能を検証することにより、そのアドヘシン
画分に対して免疫反応を誘導する物質が、上皮細胞への
イー・コリの付着を引き起こすようにすることができ
る。
【0020】一旦フィムブリエを得たら、その特性を調
べ、糖還元法[(10)パーク,ジェイティイ(Par
k JT.)、ジョンソン,エムジェイ(Johnso
nMJ)、「グルコースの微小定量法」ア・サブミノデ
ターミネイション・オブ・グルコース(A submi
nodetermination of glucos
e.)、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミスト
リー(J.Biol.Chem.)、1949年;第1
81巻:149−151頁;(11)チャップリン,エ
ムエフ(Chaplin MF.)、ケネディー,ジェ
イエフ(Kennedy JF)、「炭化水素分析」
(Carbohydrate analysis.)ア
・プラクチカル・アプローチ(A practical
approach)、アイアールエル・プレス(IR
L Press.)オックスフォード,ワシントン,デ
ィイ・シイー(Oxford.Washington,
D.C.)(1986年)]により全糖含量の定量を行
うとともに、サザーランド法[(12)サザーランド,
イイダブリュ(Sutherland EW)、コシ,
シイエフ(Cosi CF)、ヘイネス,アール(Ha
ynes R)、オルソン,エヌエス(Olson N
S)、「高血糖症−糖原症因子のインシュリンおよび胃
粘膜からの精製」(Purification of
the hyperglycemic−glycoge
nolitic factor from insul
in and from gastric mucos
a.)、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミスト
リー(J.Biol.Chem.)、1949年;第1
80巻;825−837頁]またはUV分光分析により
全タンパク質含量を定量した。
【0021】その結果、本発明の製法により得られた該
フィムブリエは、90−95重量%のタンパク質および
1−3重量%の糖を有することが判明した。
【0022】また、UV領域よりなる波長範囲(350
−195nm)における試料の分光分析的測定により、
該フィムブリエの重合度も測定した(4.)。
【0023】マク・マイケル,(Mc.Michae
l)[(13)マク・マイケル,ジェイ(Mc Mic
heal J.)、オウ,ジェイティイ(Ou.J
T.)、「イー・コリからの通常の線毛の構造」(St
ructure of common pili fr
om E.coli.)、ジャーナル・オブ・バクテリ
オロジー(J.Bacteriol.)、1979年;
第138巻:969−975頁]に基づいて行われたS
DS−PAGE実験は、2−β−メルカプトエタノール
の存在または不存在においてフィムブリエが異なった電
気泳動移動度を示したため、(膜タンパク質と区別でき
る)フィムブリエ画分が存在すること、ならびに、それ
を異なったフィムブリエ型の間に完全に分類できること
を強調している。
【0024】ジェイ・モントレール(J.Montre
uil)らによるレシチンでの免疫検出法による炭化水
素の同定および分類の研究[(14)モントレール,ジ
ェイ(Montreuil J.)、ブカレット,エス
(Bouquelet S)、デブレイ,エイチ(De
bray H)ら、グリコプロテインズ(Glycop
roteins)エムエフ・チャップリン(MF Ch
aplin)およびジェイエフ・ケネディー(JF K
ennedy)、カーボハイドレート・アナリシス(C
arbohydrate analysis)、198
6年、アイアールエル・プレス(IRL Press)
オックスフォード、ワシントン、ディイ・シイ(Oxf
ord,Washington,D.C.)の第5章]
は、以下の形態を有する該フィムブリエの特定画分に関
連する炭化水素の存在を強調している: −14〜20kDaの分子量を有する5つの異なったタ
ンパク質画分の存在を示し、炭水化物と関連する17−
18kDaの主要成分(55%)を有する1型フィムブ
リエ; −14〜20kDaの分子量を有する5つのタンパク質
画分の存在を示し、各々19〜20kDaおよび15k
Daの2つの主要成分(35%および30%)を有し、
その前者が炭水化物と関連しているP型フィムブリエ。
【0025】スマート・システム(SMART SYS
TEM)法によるゲル濾過クロマトグラフィーは、ピリ
ンサブユニットが高分子量のフィムブリエを形成する該
ピリンサブユニットの再生能、ならびに、続くその精製
を強調している。
【0026】レシチンでの免疫同定法による、フィムブ
リエ−アドヘシンに関連する炭水化物の分析は、該炭水
化物が、マンノース−マンノース単位α(1−3)、α
(1−6)またはα(1−2)、シアル酸α(2−6)
またはα(2−3)ガラクトース、ガラクトースβ(1
−3)n−アセチルガラクトサミン、ガラクトースβ
(1−4)n−アセチルグルコサミンを有することを強
調している。
【0027】一方、フィムブリエ−アドヘシン、ならび
に、それを構成するタンパク質サブユニットのクロマト
グラフィー分析は、該フィムブリエは水溶液中の懸濁液
で維持でき、該サブユニットが迅速に再集合してフィム
ブリエ・ユニットおよび/または高分子量の同凝集物を
形成すること、ならびに、アルカリ溶液、アニオン性界
面活性剤、または2−β−メルカプトエタノールの存在
中に高温(100℃の槽)に付すと14−20kDaの
サブユニットに再度分離することを示している。
【0028】また、精製された1型ならびに精製された
P型のフィムブリエは、それらが、菌体、エス・セレビ
シア(S.cerevisiae)(1型)の血液凝集
反応および凝集反応[(3)および(15)ドミング,
ジイジェイ(Domingue GJ)、ロバーツ,ジ
ェイエイ(Roberts JA)、ローシリア,アー
ル(Lauciria R)、「尿路感染におけるO線
毛を有するイー・コリの病原性」(Pathogeni
c significance of O.fimbr
iated E.coli in urinary t
ract infections.)、ジャーナル・オ
ブ・ウロロジー(J.Urology)、1985年;
第133巻:983−959頁]ならびにPPA技術、
「受容体特異的」粒子凝集[(16)スベンソン,エス
ビイ(Svenson SB)、カーレニウス,ジイ
(Kallenius G)、ムルビー,アール(Mo
llby R)、ハットベルグ,エイチ(Huttbe
rg H)、ウィンバーグ,ジェイ(Winberg
J)、「受容体特異的粒子凝集試験によるP線毛を有す
るイー・コリの迅速な同定」(Rapid ident
ificationof P.fimbriated
E.coli by a receptor−spec
ific particle agglutinati
on test.)、インフェクション(Infect
ion)、1982年;第10巻:209−213頁]
に関しては同一の特性を有する。
【0029】再発性膀胱炎を発病した女性の尿から単離
した1型フィムブリエを有するイー・コリ株(CECT
4485株)から本発明の製法により得た無傷のフィム
ブリエ−アドヘシンは、免疫原として重要な用途があ
り、ポリまたはモノクローナル抗体を得るための免疫感
作源(immunizator)として本発明において
使用する生成物を構成する。
【0030】該フィムブリエ−アドヘシンの免疫原能
は、特異的抗1型−フィムブリエ−アドヘシン抗体およ
び抗P型−フィムブリエ−アドヘシン抗体の産生を可能
とするが、一方で、両方のポリおよびモノクローナル抗
体は、実質的に、交差反応を有しない。該抗体は、尿路
病原性イー・コリのフィムブリエ−アドヘシンの型を類
形化する診断試薬として用い得る。一方、無傷のフィム
ブリエ−アドヘシンをUTIに対する保護剤として用い
ることが、該成分での能動免疫化の間に効果的であるこ
とが判明した。特に、尿病原菌イー・コリによりもたら
される尿路感染の予防にて治療的に用いられる該生成物
は:(1)水性懸濁液中の無傷のフィムブリエ(2)水
酸化アルミニウムゲルに弱毒化して吸着させた、混合ア
ジュバントと混合したフィムブリエ、あるいは、(オー
レオボシジウム・プルランス(Aureobosidi
um pullulans)により産生される線状グル
コース重合体であるプルランのごとき)高分子量多糖に
共有結合したフィムブリエ、ならびに(3)経口的には
ナノメートル程の粒子である。
【0031】無傷のフィムブリエに対する特異的免疫反
応を誘導する実験により、特異的抗体を産生する体液性
免疫反応において効果的であること、ならびに、組織病
理学的研究の手法により、早期に生来的細胞性免疫反応
が誘導されることが立証された。白血球細胞の蓄積によ
る炎症侵潤の存在により、尿路感染に続く特異的免疫細
胞性反応の開始を想定できる。
【0032】同様にして、マウスにおけるUTIに先立
って1型およびP型フィムブリエで免疫すると、以前に
免疫されているか否かに応じ、実験した感染群の間で顕
著な相違を生じた。従って、この型の能動免疫化は、尿
病原性イー・コリ株により引き起こされるUTIにおい
て特異的保護を引き起こすと結論付けることができる。
【0033】マウスで得た特異的ポリクローナル(抗−
フィムブリエ)抗体は、1型およびP型フィムブリエ−
アドヘシンの粘着能を阻害できる。無傷の免疫原(フィ
ムブリエ)またはアジュバントと混合した免疫原は、
0.1μg−100μg/kg体重の広範囲で有効であ
ることが確認されている水性懸濁液(0.01%メルチ
オレートで緩衝した生理食塩溶液)の形態で、(1を超
える用量を投与する限りは)最短30日の時間間隔で投
与する。通常に用いるアジュバントは、水酸化アルミニ
ウムゲル、リン酸カルシウムゲルおよびプルランであ
る。
【0034】該免疫原は、通常、皮下投与や腹腔内投与
する。いずれにしても、経口、カプセルまたはマイクロ
カプセル中、ならびに懸濁液形態で尿路内に投与するよ
うな投与方法も除外できない。
【0035】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに説明する
が、これは本発明の範囲を限定するものではない。
【0036】株およびその特性 異なるイー・コリ株を、再発性膀胱炎の女性の尿路から
単離し、マンノース存在下あるいは非存在下凝集技術に
よるフィムブリエの存在、ヒトの尿路上皮細胞への付着
能力、特異的な免疫血清の産生および寒天中の血液培養
中で検出可能な溶血素の産生による現在の血清型の特徴
により分類した。最終的に、以下の株が選択された:
【0037】
【表2】
【0038】調製および特徴付けの方法 尿路病原性イー・コリの株を栄養培地に接種し、37℃
において一晩中インキュベートした。これらの培養の1
ml(108〜109ufc/ml)を500mlの栄養
培地に接種し、37℃にて撹拌することなくインキュベ
ーションを行なった。すでに増殖させた培養を、培養培
地を除去する目的のために、10,000−20,00
0×gで20分間、3回にわたり遠心し、沈澱を滅菌塩
溶液(SS)(45ml/500ml培養)に再懸濁した。
SS中の細菌を機械的剪断ホモジナイザーにより、異な
るパルスの間を3分間の間を空け、18,750rpm
における1分間の4パルスで、冷ホモジナイズした(4
℃)。(マクロアセンブラー(macroassembl
er)と剪断機を備えたバーチシェアー(Virtis
hear)−24 ホモジナイザー。) ホモジナイズし
た材料(細菌および細菌から分離したフィムブリエ)を
10,000gにおいて20分間冷遠心した。塩溶液沈
澱により精製されたフィムブリエを含む上清を回収し
た;それは冷MgCl2(20.3gのMgCl2・3H2
O/上清1リットル)で行った。沈澱した物質を遠心(2
0,000g、4℃において30分)により回収し、
0.02MでpH7.4のPBSに再懸濁した。この塩
溶液沈澱は3回繰り返した。該物質(フィムブリエ)は、
最後の沈澱物を蒸留水に対し徹底的に透析膜中で透析し
た後、PBSに再懸濁した。
【0039】単離したフィムブリエを80℃において1
5分間5%デオキシコール酸ナトリウムで処理し、蒸留
水に対し再び透析した。
【0040】試料をセファクリルS−200 HRカラ
ム(XK26/100 ファルマシア(Pharmac
ia))に通し、分画回収機(リトリーバー II)を装備
したISCO VA−5装置でモニターした。50mM
のpH8のトリス−塩酸溶出緩衝液を40ml/hの液
速で用いた。溶出体積に応じた画分を集め、これらを同
じ特性と同じ条件であるが、セファロース4Bゲルであ
る点で異なるカラムに付した。
【0041】回収された物質は包含された体積である。
該物質を蒸留水に対し徹底的に透析し、ひき続いてのす
べての実験の基礎とした。
【0042】加熱およびSDSにより分離したフィムブ
リエの試料についての糖の定量(11)(ネオクプロイン
(neocuproine)試薬による単糖類の定量の
ための糖還元方法)とタンパク質の定量(4)(ウシ血清ア
ルブミン標準でのλ=280nmにおける分光光度によ
る測定)によって、培地1リットル当たり3ないし10
mgのフィムブリエタンパク質ならびに培地1リットル
あたり0.03ないし0.5mgの単糖類の糖を含有する
フィムブリエを調製する工程の収率の研究が可能となっ
た。
【0043】マク・マイケル(Mc Michael)ら
の方法(13)に基づくフィムブリエの処理によって、該
フィムブリエのタンパク質成分の評価が可能となった。
(pH=2への試料の酸性化、100℃において10分
間の加熱、pH=10への試料のアルカリ性化。遠心と
pH=7の中性にした上清の回収。沈澱は硫酸アンモニ
ウムで行い、沈澱物はトリス−塩酸 0.5M pH=
6.8、SDS10%で2−β−メルカプトエタノール
有りあるいは無しの試料緩衝液中に再懸濁した。試料は
2分間または10分間で100℃まで加熱した。
【0044】12.5%における不連続SDS−PAG
Eシステム中での電気泳動をラエムリー(Laemml
i)法に基づいて行なった[(17)Laemmli
(ラエムリー) UK「バクテリオファージT4の頭部
の集合の間の構造タンパク質の切断」(Cleavag
e of structural proteinsd
uring the asembly of the
head of bacteriophage
4.)、 ネイチャー(Nature)1970年;第
277巻:680−685頁]。
【0045】結果として、該試料を2分間加熱した後、
フィムブリエの2個の型とは少し異なる標準とともに、
P型フィムブリエタンパク質(18kDa)だけでなく
1型フィムブリエタンパク質(19kDa)も含めた、
全フィムブリエタンパク質の95%以上に相当する主た
るバンドが示された。
【0046】試料をより長く熱すると(10分)、フィム
ブリエの双方の型の電気泳動の標準は明白に異なる。こ
れより、1型のフィムブリエは、21ないし13kDa
の分子量の5個の異なる画分を示し、33%ないし31
%であって、19ないし15kDaである2個の主たる
バンドを伴う。
【0047】P型のフィムブリエは、20ないし14k
Daの間からなる5個のバンドを示し、主たる成分は1
8kDaで53%である。
【0048】ベーリンガー・マンハイム社(Boehr
inger Mannheim)によりデザインされた
方法によるレシチンの免疫検出[グリカン・ディテクシ
ョン・キット(Glycan Detection K
it)およびグリカン・ディファレンシエーション・キ
ット(Glycan Differentiation
Kit)]を用いて明らかにされた、ピリンバンドに
関連する糖タンパク質の検出と区別は、ニトロセルロー
ス膜に固定された分画内において、フィムブリエの双方
の型にみられるピリンバンドに関連する糖の存在を示し
た。用いたレシチンは、マンノースに結合した末端マン
ノース残基α(1−3)、α(1−6)もしくはα(1
−2)、α(2−3)ガラクトースおよびガラクトース
β(1−3)N−アセチルガラクトサミンに結合したシ
アル酸を認識した。該認識は、中のレベルにおいてと同
様に末端のレベルにおいても、試料が付せられる前処理
により与えられるであろう。
【0049】2−β−メルカプトエタノール(2βB
E)が存在するか否かは、1型およびP型フィムブリエ
にそれぞれ対応する19kDaあるいは18kDaの画
分の移動度の修飾を決定する。これは該フィムブリエの
一部を形成するように思われるサブユニットを示す(1
3)。紫外線の領域からなる波長のエレクトロフォトメ
トリック(electrophotometric)分
析により、調製の過程で直接単離したフィムブリエ中の
290nmの相対最大値の存在と、それがフィムブリエ
の無傷もしくは重合度を特徴付ける分離試薬によって処
理した後に同一波長で消失することを示す。
【0050】製造者により提案された方法論に従い、ス
ーパーデックス 75 Pc 3.2 ゲル(30)中
の濾過微小カラムでのスマート・システム(ファルマシ
ア・バイオテック(Pharmacia Biotec
h))による高分解能マイクロクロマトグラフィーを用
いた分析は、水溶性の培地中のピリンサブユニットの凝
集特性を示す。酸−塩基ショック、2−β−メルカプト
エタノール、SDS、尿素および/または熱により分離
されたピリンサブユニットは、一旦分離試薬が除去され
てしまった後水性培地中で急速に集合し、マイクロクロ
マトグラフィーの排除体積内で試料が再び回収された
が、これは他の著者(13)が指摘するようにこれらの
タンパク質の疎水的な性質を示唆する。
【0051】透過型電子顕微鏡での実験は、調べた2種
のイー・コリの株におけるフィムブリエの存在を示す
(CECT4484およびCECT4485)。精製さ
れたフィムブリエの電子顕微鏡写真は、その高純度を示
す(図1および2)。
【0052】実験的研究 フィムブリエで動物を能動免疫することにより得られた
保護の程度をみることを可能にするモデルを研究する目
的のために、Balb/cマウスについての実験的研究
をデザインした。
【0053】20匹の雌のBalb/cマウスの4バッ
チ(各バッチ)を、プロトコールに表されているように
使用した。
【0054】(I)血清および尿からの特異的抗体のレ
ベル(力価)を測定するための、丁度ビエルム(Bje
rrum)らにより論じられているドット−エライサ
(DOT−ELISA)技術[(18)ゴードン,ジェ
イ(Gordon J.)、ビリング,ピィ(Bill
ing P.)のドット−イムノブロッティング(Dot
−Immunoblotting)、一般的原理と方
法。血清と尿からの特異的抗体レベル(力価)の測定の
ためのビエルム,オウジェイ(Bierrum O
J.)とヘーガード,エヌエイチ(Heegaard
NH.)編、「タンパク質のイムノブロッティングのハ
ンドブック(Handbook of Immunob
lotting of proteins)、第1巻、
シーアールシー・プレス(CRC Press)、19
88年:27−30頁]により;(II)解剖断片からの
細菌の単離(6)と同定(APIシステム)により実験
の評価を行った。単離されたイー・コリ菌株のフィムブ
リエの型の分類は、イー・コリの各単離菌から得られた
フィムブリエのSDS−PAGEにより;(III)解剖
断片(膵臓と膀胱)からの組織病理学的研究[(19)
バンクロフト,ジェイビイ(Bancroft J
B.)、スティーブンス,エイ(Stevens
A.)編、「組織病理学技術の理論と実際」(Theo
ry and Practice of Histol
ogical Techniques)、1982年;
第2版、チャーチル(Churchill)とリビング
ストーン(Livingstone)、エジンバラ(E
dimburgh)]により行った。
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】動物免疫−感染モデル対照 尿対照:自然排尿の試料から陽性の尿培養物を有するマ
ウスを捨てる。尿培養培地:マッコンキーおよび栄養寒
天。 感 染:外尿道口を介してカテーテル法を行い、109
ufc/mlに調節した細菌の懸濁液0.1mlを膀胱
内注入する。 剖 検: 殺す:膀胱感染の72時間後。 瀉血:麻酔した動物においてパスツールピペットを用い
て内眼角(inside angle of the
eye)を穿刺し、血餅を除去するためにエッペンドル
フ管中に注ぎ、血清を採取する。 試料:皮膚をエタノールで殺菌した後、骨盤から首の器
官付着部までの切開を行い、足まで広げる。さらに、腹
腔に近づくために切開を行う。 無菌尿の採取:直径0.5mmの針で膀胱を穿刺し、次
のその培養のために1mlの注射器で吸引し、抗体を同
定する。 膀胱の採取:尿を除去した後、膀胱を区分し、その器官
付着部で取り出し、緩衝化ホルモルを有するバイアル中
に移し、組織病理学を研究する。 腎臓の採取:両方の腎臓を切開し、取り出し、2つの同
等な部分における腎盂レベルで該腎臓を矢状切断する。
マッコンキー寒天を有するプレート上で該切片の表面の
塗抹標本によって微生物学的分析し、37℃/24時間
インキュベートする。組織病理学的分析する。
【0060】
【表7】
【0061】組織病理学的研究から、尿道を介する雌性
マウスの接種が腎盂炎、尿道炎または急性膀胱炎を生じ
ることが判明した。すべての場合、炎症現象は、腎杯の
移行上皮およびそれに隣接する連結組織に限定され、尿
道の近位部分の部分炎症現象が少ない程度に観察され
る。柔組織には感染の主患部はない。
【0062】フィムブリエ抗原による免疫化に対するマ
ウスの免疫応答の研究 ゴードンら(18)によって開示されたDOT−ELI
SA法、ムニョスら[(20)ムニョス,(Munoz
C)、ニエト,ア(Nieto A)、ガヤ,ア(G
aya A)、マルティネス,ホタ(Martinez
J.)、ビベス,ホタ(Vives J)、「ELI
SAにおける固相抗原濃度および安定性の最適化のため
の新しい実験的規準」(New experiment
al criteria for optimizat
ion of solid−phase antige
n concentration and stabi
lity in ELISA)、ジャーナル・オブ・イ
ムノロジカル・メソッズ(J Immunol.Met
hods)1986年;第94巻:137−144頁]
に基づいたELISAおよびSDS−PAGEイムノブ
ロッティング[(21)トウビン,エイチ(Towbi
n H)、ステヒリン,アイ(Staehilin
I)、ゴードン,ジェイ(Gordon J)、「ポリ
アクリルアミドゲルからニトロセルロースシートへのタ
ンパクの電気泳動移動:方法および用途」(Elect
rophoretic transfer of pr
oteins from polyacrylamid
e gels to nitrocellulose
sheet:procedure and some
applications)、プロシーディングズ・オ
ブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・ユ
ー・エス・エイ(Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA)1979年;第76巻:4350−435
4頁]によって特異的抗体の力価および特徴を測定する
ことにより体液性免疫反応を研究した。
【0063】マルティネスら[(22)マルティネス,
ホタ(Martinez J)、ニエト,ア(Niet
o A)、ビベス,ホタ(Vives J)、トルレ
ス,ホタエメ(Torres JM)、「免疫診断のた
めのアスペルギルス(Aspergillus)抗原標
準化に対するELISA阻害の適用」(Applica
tion of ELISA inhibition
to Aspergillus antigen st
andardization for immunod
iagnosis)、J.Med Vet Mico
l、1985年;第23巻:317−320頁]によっ
て記載されている方法に準じ、ELISA阻害によっ
て、1型およびP型フィムブリエ間の交差反応性の研究
を行った。
【0064】結果は、全ての個体において免疫化前の負
の値から、半月おきに3回免疫化した後に1,280以
上の力価(DOT−ELISA)までであった特異的抗
体の力価の明らかな増加および1/1,000の血清希
釈度で1.5の吸光度差異を示した。
【0065】イムノブロッティングは、フィムブリエの
基本的な成分に対応する17kDa(1型)および19
kDa(P型)の画分に対する抗体自体の反応の特異性
を示した。
【0066】ELISAによる交差反応性の研究は、有
意な交差反応性を示さなかった。
【0067】「図3」および「図4」のグラフから分か
るように、1型フィムブリエ(固相)およびP型フィム
ブリエ(阻害相)の間では、交差反応は、全く観察され
なかった。P型フィムブリエ(固相)および1型フィム
ブリエ(阻害相)の間で、2%未満であって、かつ、5
×103よりも高い両系のAg50の差異を有するという
ように非常に不十分な交差反応性しか検出されなかっ
た。
【0068】
【表8】
【0069】
【表9】
【0070】(「マウスの種々のバッチにおける実験的
感染の研究の全結果」と題した)前記表に示した統計学
的分析は、感染していない対照バッチ、感染したバッチ
および感染前に免疫化されたバッチの間で有意な差異の
存在を示した。
【0071】毒性試験 「セントゥロ・デ・インベスティガガシオン・イ・デサ
ルロリョ・アプリカド,エセ・ア・エレ」(Centr
o de Investigacion yDesar
rollo Aplicado,S.A.L.)(リサ
ーチ・アンド・アプライド・ディベロープメント・セン
ター,リミテッド)(承認された)によって行われた標
準的なプロトコールに従って、モルモット(腹腔内投
与)に対して異常毒性試験を、マウスに対して皮下的局
所耐性を、ならびに、マウス(腹腔内投与)において異
常毒性を行った。
【0072】結果は、許容されない生成物として含むよ
うな欧州薬局方の規定に抵触した要素を示さなかった。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、エシェリキア・コリに
よる尿路感染疾患を治療し予防できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 イー・コリCECT4484株から単離し
た、電子顕微鏡技術により撮影した、精製フィムブリエ
の図面代用の電子顕微鏡写真である。
【図2】 イー・コリCECT4485株から単離し
た、電子顕微鏡技術により撮影した、精製フィムブリエ
の図面代用の電子顕微鏡写真である。
【図3】 固相にての、1型フィムブリエを有する尿路
病原菌のELISA阻害実験の結果を示したグラフであ
る。
【図4】 固相にての、P型フィムブリエを有する尿路
病原菌のELISA阻害実験の結果を示したグラフであ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:19) (72)発明者 アルベルト・マルティネス・ガラテ スペイン、サントゥルセ(ビスカヤ)、 ホセ・ミゲル・デ・バランディアラン11 番 クアルト・イスキエルダ (72)発明者 ホルヘ・マルティネス・ケサーダ スペイン、ビルバオ、ブルダ・デ・エパ ルサ13番 クアルト・アチエ (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 14/245 A61K 38/02 C12P 21/00 G01N 33/569 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エシェリキア・コリ(E.coli)
    (以下、イー・コリという)CECT 4485株から
    単離された1型フィムブリエ−アドヘシンまたはイー・
    コリCECT 4484株から単離されたP型フィムブ
    リエ−アドヘシンからなるフィムブリエ−アドヘシン生
    成物であって、ここに、該生成物は2×105〜2×1
    7の分子量を有し、かつ90〜95重量%のタンパク
    質および1〜3重量%の糖を含み、該各フィムブリエ−
    アドヘシンは炭水化物に結合する主要成分を含有する5
    種の異なるタンパク質画分を含み、該炭水化物にはマン
    ノース−マンノース単位α(1−3)、α(1−6)ま
    たはα(1−2)、αシアル酸α(2−6)またはα
    (2−3)ガラクトース、ガラクトース(1−3)n−
    アセチルガラクトサミン、ガラクトースβ(1−4)n
    −アセチルグルコサミンが含まれ、該1型フィムブリエ
    の5種のタンパク質画分は17〜18kDaの分子量の
    主成分を含む14〜20kDaの分子量を有し、該P型
    フィムブリエの5種のタンパク質画分は19〜20kD
    aの分子量の第1の主要成分および15kDaの分子量
    を有し炭水化物に結合していない第2の主要成分を含む
    14〜20kDaの分子量を有することを特徴とする該
    フィムブリエ−アドヘシン生成物。
  2. 【請求項2】 静止期の初期における培養が得られるま
    で、約37℃で液体培養培地にCECT4484株およ
    びCECT4485株から選択される1種のイー・コリ
    細菌を接種する(108〜109ucf/ml)第1の工
    程; 第1の工程から得た培養物を遠心し、それによって第1
    の沈殿物を得、該第1の沈殿物を洗浄して洗浄沈殿物を
    得る第2の工程; 該洗浄沈殿物を中性pHを有する塩溶液に再懸濁して懸
    濁液を得、10,000〜25,000rpmの速度で
    2〜10分間、剪断型ホモジナイザー中で該懸濁液を冷
    ホモジナイズしてホモジネートを得る第3の工程; 細菌を含有する第2の沈殿物およびフィムブリエを含有
    する上清液体が得られるまで20〜45分間、第3の工
    程によって得たホモジネートを25,000〜45,0
    00×gで遠心し、該第2の沈殿物を捨て、該上清液体
    を回収する第4の工程; フィムブリエを含有する該上清液体を、沈殿物が得られ
    るまで2〜15時間、冷塩溶液沈殿に数回付し、遠心に
    よって該沈殿物を回収して遠心沈殿物を得る第5の工
    程; 該遠心沈殿物を中性pHの塩溶液中で復元して沈殿物溶
    液を得、該沈殿物溶液を透析してフィムブリエを含有す
    る透析溶液を得る第6の工程; 約80℃で、該透析溶液を5%デオキシコール酸ナトリ
    ウムで処理して第1のフィムブリエ含有生成物を得る第
    7の工程;および 該第1の生成物を、クロマトグラフィーに付した生成物
    が得られるまで、アリルデキストランとN,N−メチレ
    ンビスアクリルアミドとの共有結合により形成され、
    1,000〜80,000Daのタンパク質が入り込め
    る孔を有する25〜75μmの球体形態の強固なメッシ
    ュを生じたクロマトグラフィー用マトリックスを含有す
    るゲル濾過カラム中のクロマトグラフィーに付し、さら
    に該クロマトグラフィーに付した生成物(排除容量)
    を、6×104〜20×106Daのタンパク質を封入で
    きる孔が形成され、わずかな残基と充填物を有する45
    〜165μmのアガロース球体よりなるクロマトグラフ
    ィー用マトリックスを含有するカラム中のクロマトグラ
    フィー(包括容積)に付してフィムブリエ−アドヘシン
    を得る第8の工程からなることを特徴とする請求項1記
    載のフィムブリエ−アドヘシン生成物の製法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のフィムブリエ−アドヘシ
    ン生成物を含有するイー・コリによって産生される尿路
    感染症の治療用および予防用の薬剤。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のフィムブリエ−アドヘシ
    ン生成物に対する抗体を含有する尿路疾患病原性イー・
    コリの診断用生成物。
  5. 【請求項5】 1型フィムブリエの5種のタンパク質画
    分の中の主要成分が55%の比率で存在することを特徴
    とする請求項1記載の生成物。
  6. 【請求項6】 P型フィムブリエの5種のタンパク質画
    分の中の主要成分が35%の比率で存在することを特徴
    とする請求項1記載の生成物。
  7. 【請求項7】 該第2の主要成分が30%の比率で存在
    することを特徴とする請求項6記載の生成物。
JP7016819A 1994-02-04 1995-02-03 新規なエシェリキア・コリ菌株から単離した1型およびp型フィムブリエ−アドヘシン、その製法ならびにその使用 Expired - Fee Related JP2851556B2 (ja)

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