JP2850397B2 - プラズマアーク加工装置 - Google Patents

プラズマアーク加工装置

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JP2850397B2 JP23411689A JP23411689A JP2850397B2 JP 2850397 B2 JP2850397 B2 JP 2850397B2 JP 23411689 A JP23411689 A JP 23411689A JP 23411689 A JP23411689 A JP 23411689A JP 2850397 B2 JP2850397 B2 JP 2850397B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、プラズマアーク加工装置の改良に関し、特
に電極が使用時間の経過に従って消耗し、寿命に達した
ときにこれを検出し、加工用電力供給の停止、警告灯の
点灯等によって作業者に知らしめて、トーチの焼損を防
止するとともに加工品質を向上させるためのものであ
る。
<従来の技術> プラズマアーク加工装置においては、主電極と被加工
物との間にアークが発生し、これによって溶断、溶接な
どの加工を行うものであるが、通常はこの加工用主アー
クの点弧に先立って主電極を囲むように同心状に設けら
れたチップ電極との間にパイロットアークとよばれる少
電流アークを点弧する。このパイロットアークは主アー
クを誘発するために用いられるものであり、従ってチッ
プ電極はこのパイロットアークを発生させる目的で設け
られるものである。このチップ電極はまた、主アークを
細く収束するために先端にオリフィス部とよばれる小孔
が設けられており、主電極とこのチップ電極との間に高
速のガス流を通してアークの周囲を冷却してアークを細
く絞るとともに狭いオリフィス部から噴出させることに
よって高いエネルギー密度のプラズマアークを得る。
電極の寿命の末期に達すると、アーク発生位置が不安
定となるために十分にアークが収束されず乱れた状態と
なり、目的の加工が行なえなくなる。
また加工用の大きな電流がチップ電極に流れるシリー
ズアーク現象が発生するとチップ電極が短時間で焼損
し、これにつづいてチップ電極を覆っているカップの破
損および主電極の急激な消耗を招き、ついにはトーチの
焼損に至ることになる。
それ故、電極異常の発生の前兆をとらえて直ちに作業
中止の処置をとることが重要であるが、従来の検出装置
は十分な機能を有していなかった。
第6図に従来装置の例を示す。同図において1はプラ
ズマアーク加工用電源であり、通常定電流特性の直流電
源が用いられる。2は加工用トーチの内部に設けられた
棒状の主電極でありその先端には難消耗性材料からなる
陰極部材2aが埋設されており、電源1の負出力端子に接
続される。3は主電極2を同心的に囲むように設けられ
たチップ電極であり、縦断面にて示してある。このチッ
プ電極3は円錐筒状をなし先端にはオリフィス部3aが設
けられている。4は被加工物であり、電源1の正出力端
子に接続される。5は主電極2と被加工物4との間に発
生しているアークであり、6は主電極2とチップ電極3
との間の電圧を入力とし、この入力電圧が設定値に対し
て変化したときに異常信号を出力する異常検出器であ
る。また図示は省略したがプラズマ生成用ガスがトーチ
の上方からチップ電極3と主電極2との間に供給されて
オリフィス部3aから高速のガス流となって噴出するよう
構成されている。
同図において、正常アーク発生時は、アーク5によっ
てイオン化されたガス流がオリフィス部3aを通っている
のでこのガス流に触れているチップ電極3はアーク5の
オリフィス部3a相当の電位にある。
第6図の従来装置においては、電極の消耗が進行して
もチップ電極3と主電極2との間のアーク長がそれほど
変化しないために直ちには電圧の変化が現われず、この
電圧変化が検出できる程度になるのは電極が極端に消耗
してアークの乱れが大きくなってからである。
それ故、第6図の従来装置においては電極の寿命の末
期においてこれを検出することは困難であった。
一方、第6図の装置にかわるものとしてチップ電極3
と被加工物4との間の電圧の変化を検出する方式のもの
が考えられているが、この間の電圧は主アークが正常時
においても被加工物におけるアークの発生点が被加工物
の板厚方向に変化するために、その変動が大きく、電極
の寿命の末期に現れる現象との区別がつかない。
さらに加工電流の変化を検出する方法も考えられる
が、加工用電源1として定電流特性のものを用いるとき
には、当然アークの状態にかかわらず電流が一定になる
ように制御されるので、加工用電源が高精度のものほど
検出が困難となる。
一方、主電極の消耗によってトーチが焼損するまでの
状態を詳細に検討した結果、トーチ焼損の直前には主電
極とチップ電極との間の電圧が第7図に示すように特徴
のある変化をすることが判っている。
第7図は、チップ電極3と被加工物4との距離を一定
に保ったときのチップ電極3と主電極2との間の電圧Vc
の変化を時間の経過とともに示したものである。同図に
おいて、新品の主電極およびチップ電極を用いてプラズ
マアーク加工を開始すると、時刻t1までは電圧Vcは主電
極とチップ電極との間の距離に相当するアーク長によっ
て定まるほぼ一定の値Vnに保たれている。
しかし主電極またはチップ電極の寿命が尽きる直前の
時刻t=t1に至ると電圧Vcはその平均値が上昇し始め、
またこの上昇する電圧の途中に同図中にB1ないしB4で示
すようなパルス状に先の正常時の電圧Vnをはるかに下廻
る低い、ほとんど零近くまで落ち込む部分が出現するよ
うになり、このまま使用を続けると電極の消耗が進行し
て時刻t=t2にて遂にトーチを焼損するに至る。この理
由は、加工を続行してゆくと主電極2が次第に消耗して
ゆき、加工時間の合計が電極の寿命時間に近づくと主電
極2の先端に埋設された難消耗材2aがなくなってアーク
が主電極2の構成材から直接発生するようになる。この
ために電極表面の損耗が急激になり、ついには主電極が
部分的に溶落し始め、この主電極の溶落が発生すると主
電極とチップ電極との間に溶融した電極構成物が存在す
る瞬間が生じ、両電極間の電圧が一瞬低下する現象が発
生するものと考えられる。
一方、主電極とチップ電極との間の電圧はアーク電流
によって変化し、また瞬間的なアーク切れの発生によっ
てパルス状に上昇することもある。それ故、各電極の消
耗限界を検知するためには、単に電圧の上昇のみを検出
しても正確な結果は得られないことになる。
第1図は別の従来装置の例を示す接続図である。同図
において1ないし4は第6図の従来装置の同符号のもの
と同機能のものを示してある。7は主電極2とチップ電
極3との間の電圧Vcを検出する電圧検出器、8は比較器
であり電圧検出器7の出力Vcと基準電圧設定回路9の出
力Vsとを比較しVc<Vsとなったときにハイレベル信号を
出力する。10はRSフリップフロップ回路でありS入力端
子に比較器8の出力が供給される。またR端子はリセッ
ト用押ボタンスイッチPB3を介して直流電源Eに接続さ
れる。これによってRSフリップフロップ回路10はVc<Vs
となって比較器8の出力がハイレベルとなったときから
出力端子Qがハイレベルとなり、リセット用押ボタンス
イッチPB3を押すまでの間これを保持するように動作す
る。この比較回路8と基準電圧設定回路9とは主電極2
とチップ電極3との間の電圧が低下したことを検出する
短絡検出回路11を構成している。それ故、基準電圧設定
回路9の設定値Vsは主電極2とチップ電極3との間の電
圧の正常時の平均電圧に比べて十分低い電圧に設定す
る。TR1はトランジスタであり、フリップフロップ回路1
0のQ出力がハイレベルになることによって導通してリ
レーCR1を励磁する。PB1は加工開始指令用押ボタンスイ
ッチ,PB2は加工停止指令用押ボタンスイッチであり、押
ボタンスイッチPB1を押すとリレーCR2が励磁されて接点
CR2aにてコイルが自己保持されるとともに接点CR2aが閉
じることによって加工用電源1が起動する。ALMは異常
警報器であり、リレーCR1の接点CR1aと直列にして直流
電源Eに接続される。
第1図の従来装置において、起動指令用押ボタンスイ
ッチPB1を押すとリレーCR2が励磁され、接点CR2aが閉じ
る。これによって加工用電源1が起動し被加工物4に正
出力、主電極2に負出力を供給する。これと同時にガス
が供給されるとともに図示を省略した起動回路によって
主電極とチップ電極との間にパイロットアークが点弧さ
れる。このパイロットアークによって電離されたガスが
被加工物4に達することによって加工用プラズマアーク
が主電極2と被加工物4との間に発生する。プラズマア
ークが発生すると電圧検出器7は主電極2とチップ電極
3との間の電圧Vcを検出し、比較器8に供給する。比較
器8において検出電圧Vcは基準電圧Vsと比較され、Vc>
Vsの間はローレベル出力、Vc<Vsになるとハイレベル出
力を発生する。それ故、プラズマアーク起動前および起
動直後の不安定期間はこの比較器8の出力をフリップフ
ロップ回路10に伝達しないように工夫しておくことが必
要である。
いま、加工を続行してゆくと主電極2が次第に消耗し
てゆき、加工時間の合計が寿命時間に近づくと、第7図
にて説明したように主電極とチップ電極との間の電圧が
一瞬低下する現象が発生する。この電圧低下が発生する
と比較器8は電圧の低下する期間に応じたパルス状の出
力信号を発生し、この最初のパルス状出力の立上りによ
ってフリップフロップ回路10がセットされてQ端子出力
がハイレベルに反転する。これによってリレーCR1が励
磁されて接点CR1bが開き、リレーCR2を非励磁とする。
この結果加工用電源1は起動指令接点CR2aが開くので出
力を停止し、プラズマアークは遮断される。一方、リレ
ーCR1の励磁によって接点CR1aが閉じ警報器ALMは直流電
源Eの出力が印加されて異常の発生を作業者に知らせ
る。フリップフロップ回路10はS端子入力がローレベル
になってもR端子にリセット入力信号が供給されるかま
たは制御電源が遮断されるまではQ端子出力をハイレベ
ルのまま保つのでプラズマアークが遮断されて後も継続
して警報を発生したままとなる。作業者がこの警報によ
って電極の異常(寿命の終了)を知り、主電極2および
チップ電極3を点検,取替した後にリセット用押ボタン
スイッチPB3を押すと、フリップフロップ回路10はリセ
ットされ、これによってリレーCR1は非励磁となって接
点CR1aが開き、接点CR1bが閉じて起動前の状態に戻る。
<発明が解決しようとする課題> 上記のように従来装置においては、主電極とチップ電
極との間の電圧の上昇または瞬間的な電圧の低下のいず
れかを検出して異常とするものであったが、これらの電
圧は、瞬間的なアーク切れの発生によっても上昇するこ
とがあり、また、主電極の寿命の終末期以外にも瞬間的
な電圧の低下が発生することがある。それ故、各電極の
消耗限界を検知するためには、単に電圧の極端な低下の
みを検出しても正確な結果は得られないことになる。
<課題を解決するための手段> 本発明は、主電極とチップ電極との間の電圧の極端な
低下(短絡または短絡に近い低電圧に至る電圧低下)と
主電極とチップ電極との間の平均電圧の上昇とが同時に
発生したときに異常(電極寿命終了)と判断して加工用
電源を遮断し、また警報を発する構成としたものであ
る。
また、チップ電極と被加工物との間が極端に近接して
チップ電極が被加工物に瞬間的に接触するようになる
と、チップ電極と被加工物との間の電圧が異常に低下す
ることになり、この電圧降下が急であると電流制御系の
遅れから振動が発生し、またチップ電極と主電極との間
の平均電圧の上昇を招くことになる。このために主電極
とチップ電極との間の電圧の平均値の上昇と瞬時値の落
ち込みが発生することがあるが、この場合には電極異常
ではないので区別すべきである。
そこで本発明の第2の発明においては上記第1の発明
に加えてさらにチップ電極と被加工物との間の電圧が一
定以上である場合にのみ異常検出を有効とする構成とし
て、上記正常時との区別を行うようにしたものである。
さらに上記した電極寿命の末期における現象をより顕
著に現出するために先端部の難消耗材からなる陰極部材
の埋設位置よりも電極の基部側に断面積の小なる部分を
設けた電極を使用することを提案したものである。
<作 用> 本発明の装置においては、電極の寿命の末期に特徴的
に発生する主電極とチップ電極との間の電圧の平均値の
上昇と瞬時値の極端な低下の発生とを捉えて電極の寿命
を判断するので、正確な検出が可能となるものである。
<実施例> 第2図に本発明の実施例を示す。同図において12は電
圧検出器7の出力Vcの平均値を算出する平均値演算回路
であり、入力信号Vcの単独時間当りの平均値Vmを算出す
る。13は正常加工時の主電極2とチップ電極3との間の
電圧の平均値より若干高い電圧Vrを出力する基準電圧設
定回路であり、14は平均値演算回路12の出力Vmと基準電
圧設定回路13の出力Vrとを比較し、Vm>Vrのときにハイ
レベル信号を出力する比較器,AND1は短絡検出回路11の
出力と比較器14の出力とを入力とし、両入力信号が共に
ハイレベルとなったときにハイレベル信号を出力するAN
D回路である。第2図のその他の回路は第1図の従来装
置と同様であるので同機能のものに同符号を付して詳細
は省略する。
同図の実施例においては、プラズマアーク起動後、電
極の消耗が進むと主電極2とチップ電極3との間の平均
電圧が上昇して比較器14の出力がハイレベルとなる。そ
の後さらに電極の消耗が進むと主電極2の部分的な溶落
が発生するなどして、主電極2とチップ電極3との間の
電圧の瞬時値がパルス状に落ち込むと短絡検出回路11の
出力もハイレベルとなり、両入力信号がハイレベルとな
ったAND回路AND1の出力はハイレベルとなってRSフリッ
プフロップ回路10のQ出力がハイレベルに反転し電極異
常を検出して、加工用電源1の出力を遮断し、またALM
により警報を発する。
第3図は、第2図の実施例にさらにチップ電極3と被
加工物4との電圧が正常時にのみ電極以上の検出信号を
有効としたものである。
第3図において、15はチップ電極3と被加工物4との
間の電圧を検出する電圧検出器であり、16はチップ電極
3と被加工物4との間の正常加工時の平均電圧よりも若
干低い値に定められた電圧に設定された基準電圧設定回
路であり、17は基準電圧設定回路16の出力V0と電圧検出
器15の出力Vwとを比較し、Vw>V0,即ちチップ電極3と
被加工物4との間の電圧が正常加工時の電圧であるとき
にのみハイレベル信号を出力する比較器である。その他
は第2図と同機能のものに同符号を付して説明を省略す
る。
同図においては、チップ電極3と被加工物4との間の
電圧が正常電圧であってかつ主電極2とチップ電極3と
の間の電圧の平均値が基準値より高くなりさらにこの電
圧がパルス状に落ち込む現象が発生したときに異常が発
生したと判断して異常信号が出力される。
ところで、上記第2図および第3図の実施例において
は、電極寿命の終了を検出してRSフリップフロップ回路
10がセットされてリレーCR1が励磁されて警報が発せら
れると、作業者はこれにより電極の取りかえ作業を行う
ことになる。しかし、これらの実施例ではリセット用押
ボタンスイッチPB3を押すことによりいつでも警報を解
除することができる。このために、もし作業者が警報が
発せられたにもかかわらず電極の取りかえをせずにリセ
ット用押ボタンPB3のみを押すとそのまま加工作業を再
開できることになり、トーチ焼損につながる危険性が残
る。これを防止するには、一旦警報が発生すると電極の
取りかえ作業を開始しなければリセット用押ボタンスイ
ッチPB3が有効にならないようにインタロック機能を設
けておけばよい。
第4図は第3図の実施例に上記機能を付加した実施例
を示す接続図である。同図において18は電極取替時にチ
ップ電極3を取外したときに開く接点であり、CR3,CR4
はリレーであり、それぞれ図示のように接続されてい
る。その他は第3図の実施例と同機能のものに同符号を
付してある。同図の実施例において、電極の寿命が終了
したときにANDゲートAND1がハイレベル出力をRSフリッ
プフロップ回路10に供給するとそのQ端子出力がハイレ
ベルとなり、これによってトランジスタTR1が導通し、
リレーCR1が励磁される。リレーCR1の励磁によってリレ
ーCR2が非励磁となり加工用電源1は出力を停止し、ア
ークが遮断されて加工は中断する。同時に接点CR1aによ
って警報器ALMが動作し作業者に電極の取替時期である
ことを知らせる。またこのときリレーCR4のコイルに直
列に接続された接点CR1aも閉じるが、作業者が電極を取
外す作業を始めるまでは接点18は閉じたままであるので
リレーCR3は励磁されており、接点CR3bが開いているの
でリレーCR4は非励磁のままである。このためにリセッ
ト用押ボタンスイッチPB3に直列に接続された接点CR4a
は開いており、この状態ではリセット用押ボタンスイッ
チPB3は無効となっており、リセットできない。
次に作業者が点検,取替等のために主電極2およびチ
ップ電極3を取外すとこの作業に応動する接点18が開
き、リレーCR3が非励磁となる。このためリレーCR4が接
点CR1aおよびCR3bを通して励磁される。この結果、リセ
ット用押ボタンスイッチPB3に直列接続された接点CR4a
が閉じて押ボタンスイッチPB3が有効、即ちリセット可
能となる。またリレーCR4は接点4aにて自己保持される
ので主電極2およびチップ電極3を再びトーチ本体に取
付けてもリレーCR4は励磁状態をつづける。電極取替作
業の完了後、加工の再開に先立ってリセット用押ボタン
スイッチPB3を押すとフリップフロップ回路10がリセッ
トされリレーCR1が非励磁となり、接点CR1bが閉じるこ
とによって再起動可能となるとともにリレーCR4が非励
磁となって警報発生前の状態に戻る。なお第4図の実施
例においては、警報器ALMは電極取替作業を行うまで警
報の発信を停止できないが、作業者が確認後は警報のみ
を停止し得るよう警報器ALMに直列に切替スイッチを設
けて遮断できるようにすれば警報器にブザー等音響発生
器を用いるときに便利である。
第4図において用いる接点18としては、電極の点検、
取替作業時に開くようにしたものであればよく、例えば
チップ電極の取付検出器、主電極の取付検出器の各出力
接点、あるいはトーチに水冷式のトーチを用いるときに
は冷却水の送水停止や排出がこれらの作業の前工程とな
るときには、冷却水の送水停止や排出によって開く接点
でもよい。
第5図は、トーチのチップ電極の装着状態を検出する
検出機構を有するトーチの構造を一部断面にて示す図で
ある。チップ電極3はトーチ本体19にネジ止めされる絶
縁性の保護キャップ31にて主電極2に対して同心状に取
付けられる。保護キャップ31にはトーチ本体との衝合部
にリング状の導電体からなる短絡導体181が埋設されて
おり、トーチ本体19にはこの短絡導体181に対向する位
置に2ケ所接点導体182a,182bが埋設されており、この
接点導体182a,182bはトーチ本体19に対してスプリング
にて常時外方に付勢されて保護キャップ31装着時に短絡
導体181と良好な電気的接触を得るように配慮されてお
り、リード線183にて外部に引出されているいる。この
短絡導体181と接点導体182a,182bとは第4図の電極取替
時に開く接点18を構成している。
第5図の構造のトーチにおいて、主電極2またはチッ
プ電極3を点検あるいは取替えのためにトーチ本体から
取外すべく保護キャップ31を外すと接点導体182aと182b
との短絡が解除される。したがってこの接点導体182aと
182bとを第4図の接点18として直接利用するか、または
この接点によって動作するリレー接点を利用すれば第4
図の実施例の装置は警報発生後、トーチの保護キャップ
を外す、即ち作業者が電極を点検取替の動作を始めたこ
とによって、これがリレーCR4にて記憶されて警報のリ
セットが可能となる。
なお、上記第2図ないし第4図に示した実施例におい
ては異常信号を保持する手段としてRSフリップフロップ
回路を用い、また各指令用にリレーを用いたが、これら
は他の論理素子によって構成してもよいことはもちろん
である。
ところで、プラズマアーク加工装置における電極寿命
の末期の前述の現象は、主電極2の先端に埋設された難
消耗材からなる陰極部材が使用時間の経過にしたがって
消耗し、主電極2の基材から直接アークが発生するよう
になったときに現われるものである。それ故、埋設され
た陰極部材が消耗しつくされた直後には主電極2の基材
ができるだけまとまって溶融すると溶滴が大となり、チ
ップ電極3と主電極2との間の電圧低下が顕著に現われ
る。
そこで本発明のプラズマアーク加工装置に適した主電
極2の構造として、陰極部材の埋設位置よりも基部側
(電極先端と反対側、即ち給電点に近い部分)に断面積
が局部的に小となる部分を設けたものを使用することを
提案する。
第8図はこのようにした主電極の1例を示す図であ
り、同図(a)はその外観の側面図、(b)は縦断面図
である。同図の例においては主電極2の先端近くで埋設
された陰極部材2aの最深部よりも基部側に寄った部分に
環状の凹溝2bを設けて、この部分の断面積を他の部分よ
りも小さくしてある。この凹溝2bの主電極2の先端から
の位置l2は陰極部材2aの埋設深さl1に対してl1≦l2とな
るように定めておく。
上記のように陰極部材2aよりも基部側に断面積の小な
る凹溝部分を設けておくと、陰極部材が存在する間にお
いても加工電流によってこの凹溝部分およびこれより先
端側の電極基材が過熱ぎみとなる。このために陰極部材
2aが残っている間は、アーク5は陰極部材2aから集中し
て発生し、第9図(a)に示すように、消耗は主として
陰極部材2aにおいて発生し、電極基材は陰極部材2aが極
端に消耗するまでほとんど消耗しない。陰極部材2aの消
耗が進行して第9図(b)のように完全になくなると、
アーク5は電極基材から直接発生するようになる。この
とき第9図(a)、(b)に斜線にて示すように断面積
が他より小となる凹溝部2bおよびこれより先端側は陰極
部材2aが残っている間から過熱ぎみであったので、陰極
部材2aがなくなって電極基材から直接アーク5が発生す
ると図の斜線部に相当する部分の温度が急速に上昇して
溶融速度が加速されることになり、主電極2とチップ電
極3との間の電圧が大きく低下する前述の現象がより顕
著に発生するようになる。それ故、電極寿命の終了をよ
り確実に検出することが可能となる。
上記のような効果を得るためには、主電極2の通電経
路の途中で陰極部材2aよりも基部側(給電点側)に断面
積の小なる部分を設けて、これより先端の電極基材の過
熱を助長する構造とすればよい。
第10図(a)ないし(c)はこのようにした主電極2
の構造の別の実施例を示す図であり、(a)は陰極部材
2aの上方に複数の横孔2cを設けた例、(b)は陰極部材
2aの上部に空洞部2dを設けた例、(c)は凹溝2eを部分
的に設けた例をそれぞれ示している。また第10図(a)
ないし(c)において(イ)は縦断面図、(ロ)はx−
x部横断面図をそれぞれ示している。
<発明の効果> 本発明は、上記のようにプラズマアーク加工装置にお
いて、電極寿命の末期における主電極とチップ電極との
間の電圧変化の特徴を利用するものであるので、電極の
取替時期を的確に知ることができるので、加工用トーチ
の焼損を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の装置の例を示す接続図、第2図は本発明
の実施例を示す接続図、第3図および第4図は本発明の
別の実施例を示す接続図、第5図は第4図の実施例に用
いる接点を有するトーチの構造の例を示す図、第6図は
従来の装置の例を示す接続図、第7図は主電極とチップ
電極との間の電圧の変化を説明するための線図、第8図
は本発明のプラズマアーク加工装置に用いるのに適した
主電極の構造の例を示す図、第9図は第8図の構造の主
電極の消耗状態を説明するための図、第10図は本発明の
プラズマアーク加工装置に用いるのに適した主電極の構
造の別の例を示す図である。 1……加工用電源、2……主電極、 2a……難消耗性材料からなる陰極部材、 2b、2e……凹溝、2c……横孔、 2d……空洞、3……チップ電極、 4……被加工物、5……アーク、 7……電圧検出器、8……比較器、 9……基準電圧設定回路、 10……RSフリップフロップ回路、 11……短絡検出回路、12……平均値演算回路、 13……基準電圧設定回路、14……比較器、 15……電圧検出器、16……基準電圧設定回路、 17……比較器、18……接点、 31……保護キャップ、ALM……警報器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 俊彦 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (72)発明者 寺山 喜久夫 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (56)参考文献 実開 昭57−3470(JP,U) 実開 昭62−151074(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 10/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主電極とチップ電極とを有するトーチを使
    用するプラズマアーク加工装置において、前記主電極と
    前記チップ電極との間の電圧を検出する電圧検出器と、
    前記電圧検出器の出力を入力とし入力電圧の平均値Vmを
    得る平均値演算回路と、正常加工時における前記主電極
    とチップ電極との間の電圧の平均値Vrを定める基準値設
    定回路と、前記平均値演算回路の出力Vmと前記基準値設
    定回路の出力Vrとを入力とし両入力信号の大小関係に対
    応して2値の論理信号を出力する比較器と、前記電圧検
    出器の出力を入力とし入力電圧の瞬時値が前記両電極間
    が短絡または短絡に近い電圧に低下したときに出力を発
    生する短絡検出回路と、前記比較器の出力と前記短絡検
    出回路の出力とを入力とし前記主電極とチップ電極との
    間の電圧の平均値Vmが基準値Vrより高くかつ前記短絡検
    出回路が前記両電極間の短絡を検出したときに異常信号
    を出力するAND回路と、前記AND回路の出力によってプラ
    ズマアーク加工用電力の供給を遮断する保護回路とを具
    備したプラズマアーク加工装置。
  2. 【請求項2】主電極とチップ電極とを有するトーチを使
    用するプラズマアーク加工装置において、前記主電極と
    前記チップ電極との間の電圧を検出する第1の電圧検出
    器と、前記チップ電極と被加工物との間の電圧Vwを検出
    する第2の電圧検出器と、前記第1の電圧検出器の出力
    を入力とし入力電圧の平均値Vmを得る平均値演算回路
    と、正常加工時における前記主電極と前記チップ電極と
    の間の電圧の平均値Vrを定める第1の基準値設定回路
    と、正常加工時における前記チップ電極と被加工物との
    間の電圧に対応した電圧V0に定めた第2の基準値設定回
    路と、前記平均値演算回路の出力Vmと前記第1の基準値
    設定回路の出力Vrとを入力とし両入力信号の大小関係に
    応じて2値の論理信号を出力する第1の比較回路と、前
    記第2の電圧検出器の出力と前記第2の基準値設定回路
    の出力とを入力とし両入力信号の大小関係に応じて2値
    の論理信号を出力する第2の比較回路と、前記第1の電
    圧検出器の出力を入力とし入力電圧の瞬時値が零または
    零に近い所定の電圧に低下したときに信号を出力する短
    絡検出回路と、前記第1の比較回路の出力と前記第2の
    比較回路の出力と前記短絡検出回路の出力とを入力と
    し、Vm>VrとVm>V0とが同時に成立し、かつ前記短絡検
    出回路が前記主電極とチップ電極との間の短絡を検出し
    たときに異常信号を出力するAND回路と、前記AND回路の
    出力によってプラズマアーク加工用電力の供給を遮断す
    る保護回路とを具備したプラズマアーク加工装置。
  3. 【請求項3】前記AND回路の出力により起動し電源遮断
    または手動によりリセットするまでの間継続した警報を
    出力する警報回路を具備した請求項第1項または第2項
    に記載のプラズマアーク加工装置。
  4. 【請求項4】前記保護回路の手動によるリセットは電極
    取替作業に応動する接点によって有効となる請求項第3
    項に記載のプラズマアーク加工装置。
  5. 【請求項5】前記主電極は棒状の導電性基材からなる電
    極本体の先端中央部に難消耗性材料からなる陰極部材を
    埋設してなるプラズマアーク加工用電極であって、前記
    陰極部材の埋設位置よりも基部側の電極本体に断面積の
    小なる部分を設けた電極を使用する請求項第1項ないし
    第4項のいずれかに記載のプラズマアーク加工装置。
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