JP2850289B2 - 消防車放水制御装置 - Google Patents

消防車放水制御装置

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JP2850289B2
JP2850289B2 JP11656695A JP11656695A JP2850289B2 JP 2850289 B2 JP2850289 B2 JP 2850289B2 JP 11656695 A JP11656695 A JP 11656695A JP 11656695 A JP11656695 A JP 11656695A JP 2850289 B2 JP2850289 B2 JP 2850289B2
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pump
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幸一 武内
厚行 平井
孝 矢ケ崎
雅一 米田
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Nihon Kikai Kogyo Co Ltd
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TOKYOTO
Nihon Kikai Kogyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は消防車放水制御装置に
関し、特に消防車の放水を圧力制御のもとで行うように
した消防車放水制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、消防車の放水制御は、放口に設
けた流量計を用いてその放口での流量を監視しその流量
が所望の流量となるように、ポンプ側の吐出圧力を制御
することで行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
放水流量を吐出圧力で制御する放水制御では、流量を一
定に保持するためにポンプ圧はその都度変動するので、
安全上の問題が発生することがあった。例えば、ホース
の途中が通行中の車両のタイヤで踏まれたり、ホースが
折れ曲がったりすると、放口での流量低下を補うべくポ
ンプ圧が急激に上昇し、その急激な圧力上昇の反動で筒
先要員に危害が及ぶことがあった。また、2ライン放水
を行っている場合、一方のラインのホースが上記のよう
な状況になりポンプ圧が上昇すると、他方のラインでの
放水流量が過度に多くなり、そのホースの筒先要員に危
害が及ぶこともあった。さらに、このような事態の発生
は筒先要員だけに止まらず、消火作業全体の上にも大き
な障害となっていた。
【0004】この発明は上記に鑑み提案されたもので、
筒先要員に危害が及ぶことのないように、放水流量の制
御を安全に行うことができる消防車放水制御装置を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の消防車放水制御装置は、エンジン回転数
に応じた吐出圧力で水を吐出するポンプと、流量アップ
信号または流量ダウン信号を出力し流量制御を指令する
流量指令手段と、上記流量アップ信号を受ける度に放口
に設けた流量調整弁の弁開度を大きくして放水流量を順
次増加させ、上記流量ダウン信号を受ける度に上記弁開
度を小さくして放水流量を順次減少させる流量制御手段
と、上記ポンプの現在の吐出圧力を検出する圧力検出手
段と、上記現在の吐出圧力が予め設定してある初期設定
吐出圧力に保持されるようにエンジンスロットルの開度
を調整しポンプの吐出圧力制御を行う第1の圧力制御手
段と、上記流量アップ信号を受けたときに弁開度が全開
であればその度に設定吐出圧力をステップ状に増加させ
て新たな設定吐出圧力とし、上記現在の吐出圧力がその
新たな設定吐出圧力に保持されるようにエンジンスロッ
トルの開度を調整しポンプの吐出圧力制御を行う第2の
圧力制御手段と、上記第2の圧力制御手段によりポンプ
の吐出圧力制御を行ったとき、他の放口での放水流量が
変動しないように他の放口に設けた流量調整弁の弁開度
を制御する第3の圧力制御手段と、を備えるようにし
た。
【0006】
【作用】上述したように、この発明によれば、先ずポン
プの吐出圧力を初期設定吐出圧力に保持しておき、特定
の放口での流量制御はその放口に設けた流量調整弁の弁
開度で調整する。その初期設定吐出圧力のもとで流量調
整弁を全開にしてもなお流量が足りないときは初期設定
吐出圧力をステップ状に更新し、その新たな設定吐出圧
力のもとで再度弁開度を調整して流量を制御する。そし
て、他の放口での放水流量は、設定吐出圧力を更新して
もその影響を受けないように当該他の放口での流量調整
弁の弁開度を制御することにより一定に保持する。
【0007】
【実施例】以下にこの発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1はこの発明の消防車放水制御装置の
全体構成を示す図である。図において、消防車の車体1
の中央付近には放水ポンプ3が搭載してあり、この放水
ポンプ3は軸27を介して、車体1前方に配置してある
エンジン2の回転を受け駆動する。
【0008】放水ポンプ3には、吸水管90、放水管5
0および放水管60が接続してあり、また真空ポンプ4
がその回転を断接する電磁クラッチ41を介して接続し
てある。さらに、放水ポンプ3には、その内部の逆流防
止弁3a近傍に吐水時のポンプ圧力を検出する吐出圧セ
ンサ31が、またその吐水側にポンプ圧力が1.5〜2
kg/cm2になると感知して検出信号を出力する圧力
スイッチ32がそれぞれ設けてある。
【0009】吸水管90は、車体1の後方寄り両サイド
に設けてある2つの吸水口92および96に向けて2又
状に分岐し、その2つの吸水口92および96に弁9
1,95を介して接続してある。また、吸水管90は、
吸水口92および96の手前でさらに分岐して、弁9
7,99を介して吸水口98および100にそれぞれ接
続してある。自然吸水時にはこれらの吸水口92,96
に、先端にフィルタ94が取り付けてある自然吸水用の
吸水管93が接続される。また、中継吸水時には吸水口
98,100に例えば隣りの消防車からのホースが接続
される。吸水管90の途中には、吸水時の圧力を検出す
る吸水圧センサ97が設けてある。
【0010】放水管50は、車体1の右サイド中央付近
に設けてある2つの放口54および55に向けて2又状
に分岐し、放口54には流量計(電磁流量検知器)51
および流量調整弁52を介して、また放口55にはここ
では図示されていない流量計および流量調整弁53を介
してそれぞれ接続してある。また、流量調整弁52はそ
の弁開度を電動機57で調整できるようになっており、
同様に流量調整弁53もその弁開度をここでは図示され
ていない電動機で調整できるようになっている。放水時
には、これらの放口54,55に、先端にノズル71a
が取り付けてあるホース70aが接続される。
【0011】ホース70aの筒先側(ノズル71a側)
には、筒先要員がノズル71aからの放水流量を遠隔操
作で制御できるように流量制御スイッチ72aが設けて
ある。この流量制御スイッチ72aは、図2に示すよう
に、流量調整弁52,53の弁開度を段階的に増加させ
る遠隔操作信号(パルス電気信号)を出力する開ボタン
721と、その弁開度を段階的に減少させる遠隔操作信
号を出力する閉ボタン722と、弁の動きを停止させる
遠隔操作信号を出力する停止ボタン723とから成る。
【0012】筒先側のホース70a内部には流量制御ス
イッチ72aからの遠隔操作信号を音波信号に変換して
送信する音波送信部73aが設けてあり、一方ホース7
0aの放口54,55側の内部には、音波受信部74a
が設けてある。音波送信部73aが流量制御スイッチ7
2aからの遠隔操作信号を変換して発信した音波信号
は、ホース70a内部の水を伝達して音波受信部74a
で再度電気信号に逆変換された後、受信機13に出力さ
れる。
【0013】他方の放水管60は、車体1の左サイド中
央付近に設けてある2つの放口64および65に向けて
2又状に分岐し、放口64には流量計(電磁流量検知
器)61および流量調整弁62を介して、また放口65
にはここでは図示されていない流量計および流量調整弁
63を介してそれぞれ接続してある。また、流量調整弁
62はその弁開度を電動機67で調整できるようになっ
ており、同様に流量調整弁63もその弁開度をここでは
図示されていない電動機で調整できるようになってい
る。放水時には、これらの放口64,65に、上記の放
口54,55の場合と同様に、先端にノズル71bを有
するホース70bが接続される。
【0014】ホース70bにも、上記のホース70aと
同様に、流量制御スイッチ72b、音波送信部73bお
よび音波受信部74bが設けてあり、音波送信部73b
が流量制御スイッチ72bからの遠隔操作信号を変換し
て発信した音波信号は、ホース70b内部の水を伝達し
て音波受信部74bで再度電気信号に逆変換された後、
受信機13に出力される。
【0015】このように遠隔操作信号をホース内の水を
伝達する音波信号としたことにより、周囲の環境状況に
影響を受けずに確実に信号を伝達することができる。た
だし、音波信号による伝達に限らず例えば見通しのよい
ところなどでは、無線信号で伝達するようにしてもよ
い。
【0016】放水ポンプ3を回転駆動するエンジン2に
は、エンジンスロットル(図示せず)と一対一に連動す
る操作レバー24が接続してあり、その操作レバー24
には操作レバー24の操作角度をエンジンスロットルの
開度として検出するスロットルセンサ25が設けてあ
る。この操作レバー24には、モータ21、ギヤー部2
2、電磁クラッチ23および軸28で構成したスロット
ル駆動部20が接続してあり、操作レバー24は、ギヤ
ー部22および軸28を介しモータ21の回転に応じて
回転するようになっている。
【0017】軸28の両サイドには手動ハンドル28a
および28bが取り付けてあり、電磁クラッチ23を断
状態にして軸28をモータ21から切り離しておけば、
手動ハンドル28aまたは28bを回転操作すること
で、軸28を介して手動で操作レバー24を回転させる
ことができる。また、エンジン2と放水ポンプ3とを連
結する軸27には、エンジン回転数を検出するための回
転計26が設けてある。
【0018】車体1の後方寄りには放水ポンプ3の吐出
圧力を制御する圧力制御装置10、および各放口54,
55,64,65での放水流量を制御する流量制御装置
11が配設してある。圧力制御装置10および流量制御
装置11は、それぞれプロセッサ(CPU)を中心にし
て構成され、ROMに格納したプログラムに従って各種
処理を行い所定の圧力制御および流量制御を行う。
【0019】車体1の右サイドの放口54と手動ハンド
ル28aとの間には流量制御パネル14および圧力制御
パネル16が設けてあり、また左サイドの放口64と手
動ハンドル28bとの間には圧力制御パネル18および
モニタパネル19が設けてある。流量制御パネル14を
操作したときの各種信号は、流量制御装置11に入力さ
れ、圧力制御パネル16を操作したときの各種信号は、
圧力制御装置10に入力される。
【0020】流量制御パネル14には、図3に示すよう
に、その上段に流量制御を遠隔操作モードに切り換える
遠隔操作ボタン141、手元操作モードに切り換える手
元操作ボタン142、流量制御を行わないためのオフス
イッチ143、およびそれらの使用状態を表示するラン
プ144,145,146が設けてある。
【0021】流量制御パネル14の中段は右サイドの放
口54,55での流量を操作するための部位であり、流
量調整弁52,53の弁開度を段階的に増加させる開ボ
タン148、段階的に減少させる閉ボタン149、弁の
動きを停止させる停止ボタン150、それらの使用状態
をランプ表示する表示部147、および流量調整弁5
2,53を全閉から全開まで6段階に表したときの現在
の弁開度を示す弁開度表示部151が設けてある。開ボ
タン148または閉ボタン149を押す度に、弁開度は
6段階のうちの次の1段階だけ開方向または閉方向に動
作し、それに応じて弁開度表示部151での表示も変化
する。
【0022】また、流量制御パネル14の下段は左サイ
ドの放口64,65での流量を操作するための部位であ
り、流量調整弁62,63の弁開度を段階的に増加させ
る開ボタン153、段階的に減少させる閉ボタン15
4、弁の動きを停止させる停止ボタン155、それらの
使用状態をランプ表示する表示部152、および流量調
整弁62,63を全閉から全開まで6段階に表したとき
の現在の弁開度を示す弁開度表示部156が設けてあ
る。開ボタン153または閉ボタン154を押す度に、
弁開度は6段階のうちの次の1段階だけ開方向または閉
方向に動作し、それに応じて弁開度表示部156での表
示も変化する。
【0023】ところで、上記の右サイド用の開ボタン1
48、閉ボタン149、停止ボタン150は、遠隔操作
用の流量制御スイッチ72aの各ボタン721,72
2,723と同一の機能を持ち、左サイド用の開ボタン
153、閉ボタン154、停止ボタン155は、遠隔操
作用の流量制御スイッチ72bの各ボタンと同一の機能
を持っている。なお、閉ボタン722を押して流量調整
弁52等を閉塞(全閉)したとき、その閉塞は完全な閉
塞とはせず、音波信号の伝達が可能な水量を確保できる
程度の閉塞とする。
【0024】圧力制御パネル16は、図4に示すよう
に、揚水制御部16aと圧力制御部16bとから成り、
揚水制御部16aには、真空ポンプ4を作動させる作動
ボタン161、停止させる停止ボタン162、真空ポン
プ4が作動して揚水が開始したことを示す作動ランプ1
63、揚水制御時のエンジンスロットルの開度を監視す
るためのスロットル位置表示ランプ168、揚水完了を
知らせる揚水完了ランプ164、揚水ができない状態に
あることを示す揚水不能ランプ165、揚水を開始して
からのタイムを監視するタイマ166、および非常時に
手動で揚水を行うための非常作動ボタン167が設けて
ある。
【0025】また、圧力制御部16bには、圧力制御を
自動で行うための自動運転ボタン169、手動で行うた
めの手動運転ボタン170、自動運転状態を表示する自
動運転ランプ171、手動運転状態を表示する手動運転
ランプ172、放水ポンプ3の吐出圧力の設定をダイヤ
ルで変更する圧力設定ダイヤル173、および各種ラン
プの点灯チェックを行うためのランプチェックボタン1
74が設けてある。
【0026】一方、車体1の左サイドにも圧力制御パネ
ル18を設けてあるが、この圧力制御パネル18は、図
5に示すように圧力制御パネル16の揚水部16aと同
一の構成となっており、ここではその説明を省略する。
圧力制御パネル18に圧力制御部を設けなかったのは、
右サイドの圧力制御パネル16をメインの操作部とした
ためであり、また左サイドでの圧力制御は、詳細は後述
するようにホース70の筒先からの遠隔操作で可能であ
るためである。
【0027】モニタパネル19は、図6に示すように、
圧力制御モニタ部19aと流量制御モニタ部19bとに
分かれている。圧力制御モニタ部19aは、圧力制御を
自動で行っているときに点灯する自動運転表示ランプ1
91と、手動で行っているときに点灯する手動運転表示
ランプ192とから成り、流量制御モニタ部19bは、
流量制御を遠隔操作モードで行っているときに点灯する
遠隔操作表示ランプ193と、手元操作モードで行って
いるときに点灯する手元操作表示ランプ194と、右サ
イドの流量調整弁52,53を全閉から全開まで6段階
に表したときの現在の弁開度を示す弁開度表示部195
とから成る。この左サイドのモニタパネル19bは、メ
インの操作部として機能する右サイドの圧力制御パネル
16および流量制御パネル14での操作状況を左サイド
にいる操作員にも正確に知らせるためのものである。
【0028】次に図7を併用してこの発明に係る消防車
放水制御を順に説明する。先ず、運転席付近に設けてあ
る電源スイッチ(図示せず)をオンにしておき、続いて
操作員が圧力制御パネル16の作動ボタン161をオン
すると、揚水制御がスタートする。すなわち、圧力制御
装置10は、その作動ボタン161のオン信号を受ける
とモータ21を駆動してエンジン2の回転を上げるとと
もに、電磁クラッチ41を接にし、エンジン2の回転を
放水ポンプ3を経て真空ポンプ4に伝え、両ポンプを同
時に運転する。
【0029】真空ポンプ4が作動すると、吸水管90,
93およびフィルタ94を介して水を吸い上げて揚水を
開始し、作動ランプ163が点灯する。揚水を受けて放
水ポンプ3が吐出を開始し、吐出圧が1.5〜2kg/
cm2 になると、圧力スイッチ32から検出信号が出力
され、それを受けて電磁クラッチ41を断にして揚水を
完了するとともに、揚水完了ランプを点灯し揚水完了を
知らせる。何らかの原因によって30秒以内に揚水が完
了しないときは、タイマ166の作動に応じて電磁クラ
ッチ41を断にし揚水を中止し、エンジン2の回転もア
イドリングに戻す。
【0030】次に、揚水が完了した状態での放水吐出側
の制御について説明する。先ず流量制御と圧力制御の双
方が作動している場合、すなわち流量制御パネル14の
オフスイッチ143が押されてなくて、かつ圧力制御パ
ネル16の自動運転ボタン169が押されている場合に
ついて述べる。流量制御パネル14には、遠隔操作ボタ
ン141と手元操作ボタン142とがあり、流量制御を
筒先から行う遠隔操作と車体1右サイドの流量制御パネ
ル14で行う手元操作の双方が選択可能であるが、制御
内容は同じなのでここでは遠隔操作の場合で説明する。
【0031】放水ポンプ3の吐出圧が高くなり放水が開
始すると、吐出圧センサ31がそのときの吐出圧力を検
出し、圧力制御装置10に出力する。圧力制御装置10
は、その現在の吐出圧力が予め設定してある初期設定
圧、例えば5kg/cm2 に保持されるようにエンジン
スロットルの開度を調整する。なお、この初期設定圧は
放水に必要な最低吐出圧力以上に予め設定してある。
【0032】そして、吐出圧力を初期設定圧に保持した
状態で、ホース70aのノズル71aから放水を行って
いる筒先要員が流量を調整したいときは、筒先要員は遠
隔操作用の流量制御スイッチ72aを操作し、流量を増
やしたいときは開ボタン721を押し、流量を減らした
いときは閉ボタン722を押し、その押下信号を受信機
13、インターフェース12を介して流量制御装置11
に出力する。流量調整弁57等は、上述したように、全
閉から全開まで段階的に6段階の弁開度を持つように調
整してあり、流量制御装置11は開ボタン721または
閉ボタン722からの押下信号を受ける度に、弁開度を
6段階のうちの次の1段階だけ開方向または閉方向に動
作させる。
【0033】弁開度を全開にしてもなお流量が足りない
とき、筒先要員がさらにもう一回開ボタン721を押す
と、流量制御装置11はその押下信号を受け、押下信号
を受けたときに弁開度が全開であればその度に設定吐出
圧力をステップ状に、例えば1kg/cm2づつ増加さ
せて新たな設定吐出圧力(以下、「更新設定圧」とい
う)とし、その更新設定圧を圧力制御装置10に送る。
圧力制御装置10はそれを受けて現在の吐出圧力がその
更新設定圧に保持されるようにエンジンスロットルの開
度を調整し放水ポンプ3の吐出圧力制御を行う。
【0034】そして、設定吐出圧力を更新し放水ポンプ
3の吐出圧力をその更新設定圧力に制御する度に放口5
4(第1放口)での最大流量も大きくなり、流量調整弁
57の弁開度を調整することで第1放口での流量を0〜
最大流量の範囲の6段階で制御可能となり、適正な流量
を確保できるようになる。更新設定圧の上限は、放水ポ
ンプ3の能力で決まり、例えば15kg/cm2まで上
げることもできる。
【0035】なお、設定吐出圧力の更新は、必ず低い値
から高い値へと行うことにする。これは、その逆方向へ
の更新を行うと制御内容が複雑化して吐出圧力や流量が
不安定になり、確実を期すべき消火作業には不適当だか
らである。
【0036】ところで、上記の更新設定圧に基づく圧力
制御を行い放水ポンプ3の吐出圧力を上げると、左サイ
ドの放口64(第2放口)での放水流量も変動し上昇し
てしまう。このため、流量制御装置11では、第2放口
での放水流量が変化しないようにその第2放口に設けた
流量調整弁62の弁開度を制御する。すなわち更新設定
圧に基づく圧力制御を実行する直前の流量を流量計61
で検出しておき、その流量が変化しないように流量調整
弁62の弁開度を制御する。
【0037】このように、放水ポンプ3の吐出圧力を一
定に制御して第1放口での流量を制御し、流量が不足す
るときはその吐出圧力の設定を順次上げて流量を確保す
るので、第1放口では安定した吐出圧力のもと適正な流
量で放水を行うことができる。また、第2放口での流量
は一定に保持するようにしたので、第1放口での流量制
御の影響を受けずに、第2放口でも安定した吐出圧力の
もと適正な流量で放水を行うことができる。さらに、放
水ポンプ3の吐出圧力は安定し急激に上昇したりしない
ので、筒先要員に危害が及ぶような事態も防止すること
ができ、放水を安全に行うことができ、消火作業も安全
に確実に行えるようになる。
【0038】流量制御がオフで圧力制御がオン、すなわ
ち流量制御パネル14のオフスイッチ143が押してあ
りかつ圧力制御パネル16の自動運転ボタン169が押
されている場合、圧力制御装置10は、放水ポンプ3の
吐出圧力を操作員が圧力制御パネル16の圧力設定ダイ
ヤル173で設定した圧力、例えば7kg/cm2 に制
御する。
【0039】圧力制御パネル16の手動運転ボタン17
0が押されて圧力制御もオフの場合は、操作員は手動で
操作レバー24を操作しエンジンスロットルを調整する
ことにより、放水ポンプ3の吐出圧力を任意に制御する
ことができる。このように、自動運転モードと手動運転
モードとの切り換えをボタン1つで行うことができ、放
水作業時に発生する様々な状況に的確に対応できるよう
になっている。
【0040】このような圧力制御のもとでの自動運転時
に何らかの理由で吐出圧センサ31が検出した吐出圧力
が急激に低下したときは、エンジン回転数がアイドリン
グになるようにエンジンスロットルの開度を制御する。
このようにすることにより、圧力制御のもとでの自動運
転を安全に行うことができる。
【0041】また、自然吸水で水を吸い上げているとき
吸水圧力が所定負圧以下、例えば−58cmHg以下に
なったことを吸水圧センサ97が検出したときは、車体
1の適当な位置、例えば圧力制御パネル16,18の近
傍に設けた警報器で警報を発するとともに、モータ21
を介してエンジンスロットルの開度をその時点での開度
に保持する。これにより、放水中に吸水圧力が異常な負
圧となることでキャビテーションが起きることを防止で
き、放水ポンプ3をキャビテーションから守ることがで
きる。
【0042】さらに、例えば隣の消防車からのホースを
吸水口98または100に接続して中継吸水を行ってい
るときに、吸水圧力が所定正圧以下、例えば1kg/c
2以下になったことを吸水圧センサ97が検出したと
きも、上記の自然吸水のときと同様に、警報器で警報を
発するとともに、モータ21を介してエンジンスロット
ルの開度をその時点での開度に保持する。これにより、
ホース内部の圧力低下でホースがへこみ、中継吸水が不
能となるのを未然に防止することができる。
【0043】上記の自然吸水、中継吸水の双方の場合と
も、エンジンスロットルの開度をその時点での開度に保
持するので、警報が出ても吸水側の状態を改善するか、
あるいは設定圧力を下げることなどにより警報を解除す
れば、吐出側は影響を受けずにそのまま自動運転で放水
を継続することができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の消防車放
水制御装置によれば、ポンプの吐出圧力を一定に制御し
て特定の放口での流量を制御し、流量が不足するときは
その吐出圧力の設定を順次上げて流量を確保するので、
その放口では安定した吐出圧力のもと適正な流量で放水
を行うことができる。また、他の放口での流量は一定に
保持するようにしたので、特定放口での流量制御の影響
を受けずに、他の放口でも安定した吐出圧力のもと適正
な流量で放水を行うことができる。さらに、ポンプの吐
出圧力は安定し急激に上昇したりしないので、筒先要員
に危害が及ぶような事態も防止することができ、放水を
安全に行うことができ、消火作業も安全に確実に行える
ようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の消防車放水制御装置の全体構成を示
す図である。
【図2】遠隔操作用の流量制御スイッチの構成を示す図
である。
【図3】流量制御パネルの構成を示す図である。
【図4】圧力制御パネルの構成を示す図である。
【図5】圧力制御パネル(左サイド)の構成を示す図で
ある。
【図6】モニタパネルの構成を示す図である。
【図7】圧力制御および流量制御に関するブロック図で
ある。
【符号の説明】
1 消防車の車体 2 エンジン 3 放水ポンプ 4 真空ポンプ 10 圧力制御装置 11 流量制御装置 12 インターフェース 13 受信機 14 流量制御パネル 16 圧力制御パネル(右サイド) 18 圧力制御パネル(左サイド) 19 モニタパネル 21 モータ 24 操作レバー 31 吐出圧センサ 32 圧力スイッチ 50,60 放水管 51,61 流量計 52,53,62,63 流量調整弁 54,55,64,65 放口 70a、70b ホース 72a,72b 遠隔操作用の流量制御スイッチ 73a,73b 音波送信部 74a,74b 音波受信部 90 吸水管 93 自然吸水用の吸水管 97 吸水圧センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢ケ崎 孝 東京都渋谷区幡ヶ谷1丁目13番20号 東 京消防庁消防科学研究所内 (72)発明者 米田 雅一 東京都渋谷区幡ヶ谷1丁目13番20号 東 京消防庁消防科学研究所内 (56)参考文献 実開 昭52−130498(JP,U) 実開 昭63−200457(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A62C 27/00 502

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン回転数に応じた吐出圧力で水を
    吐出するポンプと、 流量アップ信号または流量ダウン信号を出力し流量制御
    を指令する流量指令手段と、 上記流量アップ信号を受ける度に放口に設けた流量調整
    弁の弁開度を大きくして放水流量を順次増加させ、上記
    流量ダウン信号を受ける度に上記弁開度を小さくして放
    水流量を順次減少させる流量制御手段と、 上記ポンプの現在の吐出圧力を検出する圧力検出手段
    と、 上記現在の吐出圧力が予め設定してある初期設定吐出圧
    力に保持されるようにエンジンスロットルの開度を調整
    しポンプの吐出圧力制御を行う第1の圧力制御手段と、 上記流量アップ信号を受けたときに弁開度が全開であれ
    ばその度に設定吐出圧力をステップ状に増加させて新た
    な設定吐出圧力とし、上記現在の吐出圧力がその新たな
    設定吐出圧力に保持されるようにエンジンスロットルの
    開度を調整しポンプの吐出圧力制御を行う第2の圧力制
    御手段と、 上記第2の圧力制御手段によりポンプの吐出圧力制御を
    行ったとき、他の放口での放水流量が変動しないように
    他の放口に設けた流量調整弁の弁開度を制御する第3の
    圧力制御手段と、 を有することを特徴とする消防車放水制御装置。
  2. 【請求項2】 上記流量指令手段は、上記ポンプの放口
    に接続したホースの筒先側から遠隔操作で上記流量アッ
    プ信号または流量ダウン信号を出力することを特徴とす
    る請求項1に記載の消防車放水制御装置。
  3. 【請求項3】 上記ホースの筒先側から出力された流量
    アップ信号および流量ダウン信号は、音波信号に変換さ
    れてホース内の水を伝達することを特徴とする請求項2
    に記載の消防車放水制御装置。
  4. 【請求項4】 上記初期設定吐出圧力は放水に必要な最
    低吐出圧力以上であることを特徴とする請求項1に記載
    の消防車放水制御装置。
  5. 【請求項5】 上記ポンプの吐出圧力制御では、自動で
    行う自動運転モードと、操作員がエンジンスロットルの
    開度を手動操作で調整し任意の吐出圧力に制御して行う
    手動運転モードとに切り換え可能であることを特徴とす
    る請求項1に記載の消防車放水制御装置。
  6. 【請求項6】 上記吐出圧力が急激に低下したとき上記
    エンジン回転数がアイドリングになるように上記エンジ
    ンスロットルの開度を制御することを特徴とする請求項
    1に記載の消防車放水制御装置。
  7. 【請求項7】 上記ポンプに自然吸水で水を吸い上げて
    供給しているとき吸水圧力が所定負圧以下になったとき
    警報を発するとともに、上記エンジンスロットルの開度
    をその時点での開度に保持することを特徴とする請求項
    1に記載の消防車放水制御装置。
  8. 【請求項8】 上記ポンプに中継吸水で水を供給してい
    るとき吸水圧力が所定正圧以下になったとき警報を発す
    るとともに、上記エンジンスロットルの開度をその時点
    での開度に保持することを特徴とする請求項1に記載の
    消防車放水制御装置。
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