JP2850280B2 - 二液性グラウト組成物 - Google Patents

二液性グラウト組成物

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JP2850280B2 JP6251494A JP6251494A JP2850280B2 JP 2850280 B2 JP2850280 B2 JP 2850280B2 JP 6251494 A JP6251494 A JP 6251494A JP 6251494 A JP6251494 A JP 6251494A JP 2850280 B2 JP2850280 B2 JP 2850280B2
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    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/24Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing alkyl, ammonium or metal silicates; containing silica sols
    • C04B28/26Silicates of the alkali metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2201/00Mortars, concrete or artificial stone characterised by specific physical values
    • C04B2201/50Mortars, concrete or artificial stone characterised by specific physical values for the mechanical strength
    • C04B2201/52High compression strength concretes, i.e. with a compression strength higher than about 55 N/mm2, e.g. reactive powder concrete [RPC]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建設構造物と地盤土と
の間に生じる空隙に注入される二液性グラウト組成物に
関するものである。特に、シールドトンネル工事におい
て地盤沈下や漏水防止などを目的とする地山とセグメン
ト間の空洞に注入充填される裏込め材、あるいは軟弱層
に構造物が建設され、軟弱層の沈下によって構造物と地
盤土との間に空洞が発生した際に、構造物の安定性を確
保する目的で充填される注入材、又は臨海部の地盤改良
に用いる地盤注入材として用いられる二液性グラウト組
成物に関するものである。
【0002】
【発明の背景】従来から、シールド工法によるトンネル
工事においては、シールド機の掘削面、すなわち地山と
覆工材料であるセグメントとの間にテールボイドと呼ば
れる空洞が発生する。この為、周辺地盤の変状防止、ト
ンネルの止水性の向上、覆工の安定性の確保などを目的
として裏込め注入が行われて来た。
【0003】現在、裏込め注入においては、裏込めグラ
ウトの要求性能である充填性、限定注入性(外部への逸
走防止)、早期強度発現性に優れるものとして二液性の
可塑状グラウトが主流となっている。二液性グラウト
は、セメントに代表される固化材成分を含む注入主材と
してのA液と、水ガラスに代表されるゲル化剤および可
塑剤としてのB液とを混合することによって得られる。
【0004】尚、これら二液性グラウトの技術は、特公
昭62−24474号公報、特公平2−4634号公
報、特公平2−43790号公報などに開示されてい
る。ところで、二液性グラウトの硬化体は、海水の侵食
を受ける環境にあると、水ガラス成分が溶脱したり、海
水成分と固化材成分との反応によって水酸化マグネシウ
ムやフリーデル氏塩が生成し、亀裂が発生・拡大する
為、長期耐久性に難点があるとされている。尚、本発明
者が行った実験においても、すなわち裏込め材用固化材
に数多く使用されているスラグ混合系セメントとして高
炉セメントB種を用いた二液性グラウトの人工海水中養
生による海水抵抗性試験を行った処、海水抵抗性に著し
く劣る結果が確かめられた。
【0005】しかるに、近年、臨海部で大規模な土木・
建築プロジェクトが数多く計画、着工される傾向が有
り、海水の環境下にあるシールドトンネル工事用として
耐海水性に優れるグラウト組成物が望まれている。
【0006】
【発明の開示】本発明の目的は、耐海水性に優れたグラ
ウト組成物を提供することである。この本発明の目的
は、セメントを含む懸濁液と水ガラスとの混合物よりな
る二液性グラウト組成物であって、前記セメントの成分
として3CaO・SiO2 ,2CaO・SiO2 ,3C
aO・Al2 3 ,4CaO・Al2 3 ・Fe2 3
及び石膏を含み、しかもこのセメントにおけるSiO2
/Al2 3 (重量比)が8〜15であることを特徴と
する二液性グラウト組成物によって達成される。
【0007】尚、この本発明になる二液性グラウト組成
物においては、(Fe2 3 )/(3CaO・SiO2
+2CaO・SiO2 +3CaO・Al2 3 +4Ca
O・Al2 3 ・Fe2 3 +石膏)が2〜4重量%の
セメントが用いられてなることが好ましい。又、(3C
aO・SiO2 )/(3CaO・SiO2 +2CaO・
SiO2 +3CaO・Al2 3 +4CaO・Al2
3 ・Fe2 3 +石膏)が20〜40重量%、(2Ca
O・SiO2 )/(3CaO・SiO2 +2CaO・S
iO 2 +3CaO・Al2 3 +4CaO・Al2 3
・Fe2 3 +石膏)が40〜65重量%のセメントが
用いられてなることが好ましい。
【0008】又、(高炉スラグ)/(3CaO・SiO
2 +2CaO・SiO2 +3CaO・Al2 3 +4C
aO・Al2 3 ・Fe2 3 +石膏+高炉スラグ)が
5〜50重量%となるよう高炉スラグの添加されたセメ
ントが用いられてなることが好ましい。又、石膏がセメ
ント中のSO3 換算で0.5〜4.5重量%となるよう
添加されたセメントが用いられてなることが好ましい。
【0009】又、用いられる水ガラスとしてはSiO2
/Na2 O(モル比)が3. 3〜4. 0の水ガラスであ
ることが好ましい。以下、本発明について詳細に説明す
る。本発明者は、耐海水性を有する二液性グラウトの開
発指針を得ることを目的として、普通ポルトランドセメ
ント(以下、Nセメント)及びNセメントに高炉スラグ
を約45重量%混合した高炉セメントB種(以下、BB
セメント)を固化材として用いた二液性グラウトの硬化
体について、海水に対する抵抗性を調べた。
【0010】その結果、BBセメントの場合には、人工
海水による養生を開始してから僅か材齢7日と言う短期
間で硬化体に亀裂が発生し、材齢3ケ月で崩壊に至っ
た。尚、硬化体の劣化は、亀裂の発生と拡大、及び海水
に接する部分の軟化と脱落によって進行した。これに対
して、Nセメントの場合には、材齢2ケ月で亀裂が発生
し、材齢1年で崩壊に至り、BBセメントよりも耐海水
性にやや優れていた。尚、硬化体の劣化は、主に、亀裂
の発生と拡大によって進行し、BBセメントの場合に見
られた硬化体の軟化現象はそれほど生じないという相違
点が認められた。
【0011】ところで、海水による二液性グラウト硬化
体の侵食は、海水中に含まれる塩素イオン(Cl- )や
硫酸イオン(SO4 2- )が硬化体に侵入し、フリーデル
氏塩(C3 A・CaCl2 ・10H2 O)やエトリンガ
イト(C3 A・3CaSO4・32H2 O)等の水和物
が新たに生成する為、硬化体組織が変質および膨張する
ことによると考えられる。前記のNセメントおよびBB
セメントを用いた硬化体に生じた亀裂の発生と拡大はこ
れに相当すると理解される。
【0012】この海水による侵食機構は、一般のセメン
ト・コンクリートにおいて周知であり、フリーデル氏塩
やエトリンガイトの構成成分であるセメント中のAl2
3成分を少なくすれば、耐海水性が向上することにな
る。しかしながら、二液性グラウトはNa2 O・nSi
2 からなる水ガラスをゲル化剤として用いる為、強ア
ルカリであるNa2 O成分の作用によって、海水との間
に一般のセメント・コンクリートとは異なる反応を生じ
ることが想定される。前記のBBセメントを用いた硬化
体に生じた海水に接する部分の軟化現象もこれに該当す
ると考えられた。
【0013】従って、耐海水性を有する二液性グラウト
硬化体を得る為には、水ガラスを使用するという特殊な
条件における検討を十分に行う必要が有る。この目的の
為に、化学組成を種々に変化させたポルトランドセメン
トを固化材成分に用いた二液性グラウト硬化体について
海水抵抗性試験を行った処、セメントの化学組成におい
てSiO2 とAl2 3 との重量比(SiO2 /Al2
3)を高くすれば、より耐海水性に優れる二液性グラ
ウトが得られる傾向を見出した。
【0014】すなわち、セメントの成分として3CaO
・SiO2 (以下、C3 S),2CaO・SiO2 (以
下、C2 S),3CaO・Al2 3 (以下、C
3 A),4CaO・Al2 3 ・Fe2 3 (以下、C
4 AF)及び石膏を含み、しかもこのセメントにおける
SiO2 /Al2 3 (重量比)が8〜15であるもの
を固化材として用い、これを含む懸濁液と水ガラスとの
混合物よりなる二液性グラウト硬化体は耐海水性に優れ
た特長を奏することが見出されたのである。
【0015】つまり、SiO2 /Al2 3 が8未満の
小さな値のセメントを用いた二液性グラウト硬化体は、
耐海水性に劣るものであった。尚、SiO2 /Al2
3 が15を越える大きな値のセメントは、セメント製造
に際して、セメントクリンカーの焼成時に液相を形成す
るAl2 3 成分が過少となる為、クリンカーが塊状に
ならず、粒細や粉状となってしまい、ロータリーキルン
やクリンカークーラの連続安定運転が出来ず、セメント
の製造に支障を来たし、現実的ではなかった。
【0016】尚、SiO2 /Al2 3 はセメント製造
の分野で活動係数と呼ばれている。そして、この活動係
数の実際的な限界値は経験的に2. 5〜6. 0とされて
おり、現在実用化されているセメントの活動係数も〔表
1〕に示す程度のものである。
【0017】
【表1】
【0018】ここで、耐海水性に優れた特長が奏される
理由は次のように考えられた。先ず、SiO2 /Al2
3 の値を従来のセメントよりも高くすることによっ
て、セメント中のカルシウムシリケート(C3 SとC3
Sの総称)に対するAl 2 3 成分の比率が小さくなる
為、海水成分との反応によってフリーデル氏塩やエトリ
ンガイトが生成しても、その量はグラウト硬化体を健全
に保つカルシウムシリケート水和物(C−S−H)に対
して少ないものであり、硬化体の変質あるいは膨張亀裂
の発生による劣化を防ぐことが出来ると理解された。
【0019】又、カルシウムシリケートの水和生成物で
ある水酸化カルシウムCa(OH) 2 は、塩素イオンと
の反応によって溶解度の高い塩化カルシウムCaCl2
となり、その溶解によってグラウト硬化体が多孔化し、
劣化することが考えられる。しかしながら、本発明にお
いては、用いるセメントのSiO2 /Al2 3 は高
く、C3 Sに対するC2 Sの量が多くなっており、C2
SはC3 Sよりも水酸化カルシウムの生成量が少ない
為、劣化現象が生じ難いと理解された。
【0020】更には、C2 Sはセメント化合物の中で最
も化学抵抗性が大きい化合物であり、水ガラスの使用に
よって強アルカリであるNa2 Oの作用を受ける二液性
グラウト硬化体においても、安定した硬化体を形成でき
るように水和が進行するものと理解された。尚、セメン
トのSiO2 /Al2 3 (重量比)が好ましくは8〜
13、より好ましくは9〜12、もっと好ましくは9.
5〜11.5のものである。
【0021】又、さらなる研究の結果、SiO2 /Al
2 3 が8〜15と言うのみではなく、(Fe2 3
/(C3 S+C2 S+C3 A+C4 AF+石膏)が2〜
4重量%(より好ましくは2〜3重量%)のセメントが
用いられた場合に、二液性グラウト硬化体の海水抵抗性
が一層向上することも判って来た。すなわち、上記の比
が4重量%を越えた大きな値のセメントが用いられる
と、二液性グラウト硬化体の海水抵抗性が劣る傾向が認
められた。逆に、2重量%未満の小さな値のセメント
は、Al2 3 成分が少ない中でAl2 3 と共にクリ
ンカー焼成時に液相形成の役割をもつFe2 3 成分も
過少となる為、セメント化合物、特にC3 Sの生成反応
が悪化し、クリンカー中の未反応CaO量が多くなり、
良質なセメントを製造することが出来難かった。
【0022】又、(C3 S)/(C3 S+C2 S+C3
A+C4 AF+石膏)(以下、C3S割合)が20〜4
0重量%(望ましくは、23〜33重量%)、(C
2 S)/(C3 S+C2 S+C3 A+C4 AF+石膏)
(以下、C2 S割合)が40〜65重量%(望ましく
は、50〜65重量%)のセメントがシールドトンネル
工事の裏込め材(二液性グラウト硬化体)を構成する固
化材として好ましいのは、次のような理由に基づく。
【0023】シールドトンネル工事における裏込め注入
においては、グラウトのテールボイド外への流動、すな
わち切羽への漏洩や不必要な周辺地山への逸走がないこ
とが望まれ、この為に5〜20秒程度のゲル化時間が目
安とされている。又、テールボイドにグラウトが充填さ
れた後、次のシールド掘削までにグラウトが一定以上の
早期強度を発現し、出来るだけ速く地山相当以上の強度
となることが好ましい。この為に、1時間強度で0. 2
〜1kgf/cm2 程度の早期強度発現性が目安となっ
ている。尚、ゲル化時間とは、A液とB液を混合してか
らグラウトが流動性を失うまでの時間を言う。
【0024】ここで、前記のような条件下で、固化材成
分として用いるセメント中のC3 SとC2 Sの量を変化
させて検討した結果、C3 S割合が20〜40重量%、
2S割合が40〜65重量%となるセメントを用いた
場合には、ゲル化時間が5〜20秒程度の要件や1時間
強度の要件を満足していた。尚、C3 S割合が40重量
%を越え、C2 S割合が40重量%未満であると、クリ
ンカー焼成時に液相成分が少ない中で反応速度の遅いC
3 Sの割合が過多となる為、未反応CaO量が多くな
り、良質なセメントを製造することが難しかった。又、
3 S割合が20重量%未満であり、C2 S割合が65
重量%を越えると、グラウトのゲル化時間が20秒を超
え、1時間強度が0. 2kgf/cm2を下回る場合が
多かった。
【0025】そして、セメントと水ガラスとのゲル化反
応にはセメントからグラウト中に供給されるCa2+イオ
ンが寄与しているが、C2 SはC3 SよりもCa2+イオ
ンの供給量が少ない化合物である為、C3 S割合が20
重量%未満であり、C2 S割合が65重量%を越えるセ
メントを用いると、Ca2+イオンが不足し、ゲル化反応
の速度や量が小さくなる為、シールド工事に適合するゲ
ル化時間と早期強度が得られず、これに適合するにはセ
メント中のC3 S割合を20重量%以上にする必要があ
るものと理解された。
【0026】次に、上記のセメントに高炉スラグを添加
した高炉セメントを固化材として用いた二液性グラウト
硬化体について海水抵抗性試験を行った処、高炉スラグ
の混合割合を内割表示で5〜50重量%にすると、海水
中養生によって更に高い強度発現性を示すと共に、耐海
水性も良好になった。尚、高炉スラグの混合割合が特に
好ましくは15〜45重量%の場合である。
【0027】このような高強度発現性の二液性グラウト
は、例えば高強度コンクリート構造物と地盤土との空洞
に充填される注入材や、改良した後の地盤により高い強
度が要求される場合等に活用される。尚、高炉スラグの
混合割合が50重量%を越えると、海水中養生において
硬化体に亀裂が発生し、硬化体の強度も低下し、耐海水
性に劣るものとなった。混合割合が5重量%未満では、
添加効果が大きくは認められなかった。
【0028】一方、比較例として、Nセメントに高炉ス
ラグを混合した高炉セメントを固化材として用いた二液
性グラウト硬化体は、海水中養生において短期間で亀裂
が発生して崩壊に至り、Nセメントを単独で用いた場合
よりも耐海水性が却って悪化した。そして、前者の劣化
は、亀裂の発生と拡大だけでなく、海水に接する部分の
軟化と脱落によって進行した。これは次のように理解さ
れた。高炉スラグにはNセメントよりも多くのAl2
3 成分が含まれている。水ガラスを用いる二液性グラウ
ト硬化体は強アルカリであるNa2 Oの作用を受ける
為、セメントや高炉スラグの水和反応が促進され、元来
NセメントのAl2 3 成分含有量が多いこともあり、
硬化体液相中のAl3+イオン濃度が非常に高くなると考
えられる。そして、海水成分の侵入によって硬化体組織
が変化しつつある中で、多量のAl 3+イオンは硬化体中
に安定な水和物として固定されることなく、例えば結合
力の弱い水酸化アルミニウムゲルとなり、軟化現象を起
すことが想定される。
【0029】これに対して、本発明の基材に用いるセメ
ントはAl2 3 成分含有量が少ない為、高炉スラグを
混合しても液相中のAl3+イオン濃度はそれほど高くな
らず、Al3+イオンは硬化体中に水和物として固定され
るものと考えられた。そして、高炉スラグの水和によっ
てカルシウムシリケートの水和物である水酸化カルシウ
ムが消費され、硬化体の耐海水性が優れたものになると
理解された。
【0030】尚、本発明の二液性グラウト組成物に用い
るセメントは、クリンカー、高炉スラグおよび適量の石
膏を別々に、または適宜に組み合わせて粉砕した後、そ
れらを混合して製造しても良く、あるいはクリンカーと
高炉スラグに適量の石膏を加え、混合粉砕して製造して
も良い。本発明において、石膏の添加量をセメント中の
SO3 換算で0. 5〜4. 5重量%としたのは次の理由
による。
【0031】石膏は、セメントの凝結、硬化を正常なも
のとする為に不可欠なものであり、通常、セメント中の
SO3 換算で0. 5〜2. 5重量%となる量が添加され
ている。そして、クリンカーに元来0. 5〜1. 0重量
%のSO3 分が含まれている為、セメント中のSO3
は1. 5〜3. 5重量%程度となっている。従って、本
発明においても、石膏添加量の下限値をセメント中のS
3 換算で0. 5重量%とした。
【0032】これに対して、一般的なセメント硬化体の
耐海水性は、セメント中のSO3 量、すなわち石膏添加
量がある程度多い方が良いことが知られている。本発明
においては、セメント中のSO3 量が2重量%程度であ
っても、それを用いた二液性グラウトは十分良好な耐海
水性を示すが、セメント中のSO3 量が増加すれば、二
液性グラウトの耐海水性が更に向上することが予想され
る。しかしながら、日本工業規格におけるセメント中の
SO3 量の上限値は多いものでも4. 5重量%であるこ
とから、上限値として4. 5重量%を選定した。
【0033】又、さらに検討を行った結果、二液性グラ
ウトに用いる水ガラスに、SiO2とNa2 Oとのモル
比(SiO2 /Na2 Oモル比)が3. 3〜4. 0のも
のを用いると、SiO2 /Na2 Oモル比が3. 0のも
のを用いた場合よりもゲル化時間が短くなり、早期強度
が向上すると共に、耐海水性も良好であることが明らか
になった。
【0034】尚、SiO2 /Na2 Oモル比が3. 3未
満であると、上記の性能改善効果が小さい。以下、本発
明について具体的な実施例を挙げて説明する。
【0035】
【実施例】セメント工場の製造設備によって得られた
〔表2〕に示す化学成分と化合物組成(ボーグ式によ
る)をもつ粉末度3250〜3450cm2 /gのポル
トランドセメントを固化材成分に用いた二液性グラウト
硬化体について、海水抵抗性試験を行った。
【0036】
【表2】
【0037】二液性グラウトは、〔表3〕の配合に基づ
いて調製した。
【0038】
【表3】
【0039】A液の懸濁液は、仕上り量が5Lとなるよ
うに、先ず、水の中に助材を分散させ、その後に遅延剤
を溶解し、最後にセメントを投入混合して作製した。助
材には200メッシュ篩分残渣6. 5%の群馬県産ベン
トナイトを、遅延剤にはポリヒドロキシカプロン酸ナト
リウム33W/V%水溶液を、水には水道水を用いた。
【0040】又、B液にはSiO2 量が22. 4%、N
2 O量が7. 7%で、SiO2 /Na2 Oモル比が
3. 0の水ガラスを用いた。試験用のグラウト硬化体
は、A液とB液とを両者の合量が1400mLとなるよ
うに別の容器に計量し、両者の混合を素早く繰り返し、
あらかじめ測定したゲル化時間の2〜3秒前にJIS
R 5201「セメントの物理試験方法」の強さ試験用
の型枠(供試体寸法;4×4×16cm)に流し込んで
作製した。型枠に入れたグラウトは、直ちにポリ塩化ビ
ニリデンフィルムで密封し、1時間後の上削りを経て、
材齢1日で脱型して供試体とし、人工海水中養生および
比較としての水中養生を開始した。供試体の作製と養生
は20℃の恒温室で実施した。
【0041】養生用の人工海水には〔表4〕に示すKa
lleの処方で調製したものを、水には水道水を用い
た。尚、各々の養生水は、材齢3ケ月までは2週間ごと
に、その後は1ケ月ごとに新しいものと交換した。所定
材齢における供試体の一軸圧縮強度試験結果を〔表5〕
に示す。表中には、供試体の亀裂発生の状況を△あるい
は×印で示し、供試体の自形が無くなり、抜水すると崩
れてしまったものを「崩壊」と表示している。
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】これによれば、実施例1および実施例2の
セメントを固化材に用いた二液性グラウト硬化体は、人
工海水中養生によって水中養生の場合よりも圧縮強度値
そのものはやや低目となるが、材齢1年まで強度増進が
続き、優れた耐海水性を示した。尚、二液性グラウトの
長期材齢における必要圧縮強度は、例えばシールドトン
ネル工事用の裏込め材で一般的に約30kgf/cm2
以上とされており、実施例1および実施例2の強度は、
海水中養生においてもこの値を十分に上回っている。
【0045】これに対し、比較例1のNセメントを固化
材に用いた硬化体は、人工海水中養生材齢2ケ月で亀裂
が発生し、その後亀裂の拡大と強度低下が続き、材齢1
年で崩壊に至り、耐海水性に劣るものであった。又、比
較例2の耐硫酸塩ポルトランドセメント(SRCセメン
ト)の場合も材齢3ケ月で亀裂が発生し、それ以降強度
低下を示し、耐海水性に劣るものであった。
【0046】次に、セメント工場の製造設備によって得
られた化合物組成(ボーグ式による)の異なる4種類の
セメントの内訳を〔表6〕に、それらを固化材として用
いた二液性グラウトのゲル化時間と早期一軸圧縮強度を
〔表7〕に実施例3〜実施例6として示す。尚、セメン
トの粉末度は3250〜3450cm2 /gであり、二
液性グラウトに用いるセメントを除く材料、グラウトの
配合と調製方法、及び硬化体の作製方法は実施例1と同
様にした。
【0047】
【表6】
【0048】
【表7】
【0049】これによれば、セメント中のC3 S量が多
いほど、すなわちC2 S量が少ないほどゲル化時間が短
くなり、1時間および3時間の早期強度が増加する。シ
ールドトンネル工事用の裏込め材に適合するグラウトの
性能は、前記のようにゲル化時間が5〜20秒程度、1
時間強度が0. 2〜1kgf/cm2 程度とされてお
り、セメント中のC3 S量が20〜40重量%、C2
量が40〜65重量%であればこれを満足することが判
る。
【0050】又、実施例1のポルトランドセメントに市
販の粉末度4520cm2 /g、SO3 量2. 0%の高
炉スラグ粉末を内割で20重量%および40重量%混合
して作製した高炉セメントを固化材に用いた二液性グラ
ウト硬化体の海水抵抗性試験結果を〔表8〕に実施例
7、実施例8として示す。比較の為、秩父セメント
(株)製のNセメントに同上のスラグを混合して作製し
た高炉セメントの場合の試験結果を比較例3、比較例4
として示す。二液性グラウトに用いるセメントを除く材
料、グラウトの配合と調製方法、硬化体の作製方法、及
び人工海水による養生方法は実施例1と同様にした。
【0051】
【表8】
【0052】これによれば、Nセメントに高炉スラグを
混合した場合には、スラグの混合割合が20重量%であ
っても、40重量%であっても、人工海水中養生の供試
体は、材齢1ケ月で既に亀裂が発生し、材齢3ケ月で崩
壊に至り、耐海水性に劣るものであった。これに対し
て、実施例7および実施例8に示す本発明品は、海水中
養生によっても強度増進が続き、又、強度値そのものも
高炉スラグ無添加の実施例1の結果も併せれば、高炉ス
ラグの添加量の増加に従って増大することが明確であ
る。すなわち、耐海水性に優れ、かつ、高強度発現が可
能な二液性グラウトを製造することができる。
【0053】次に、実施例1と同一の配合で、SiO2
/Na2 Oモル比が3. 7の水ガラスを用いた場合の二
液性グラウトのゲル化時間と早期一軸圧縮強度を調べた
処、実施例2のセメントを用いた場合には、ゲル化時間
が11秒、一軸圧縮強度(1時間)が0.5kgf/c
2 、一軸圧縮強度(3時間)が2.8kgf/cm 2
であり、又、実施例8のセメントを用いた場合には、ゲ
ル化時間が13秒、一軸圧縮強度(1時間)が0.4k
gf/cm2 、一軸圧縮強度(3時間)が3.2kgf
/cm2 であるのに対して、SiO2 /Na2 Oモル比
が3. 0の水ガラスを用いた場合の二液性グラウトのゲ
ル化時間は実施例2のセメントを用いた場合には、ゲル
化時間が26秒となり、SiO2 /Na2 Oモル比が
3. 3〜4. 0の水ガラスを用いた場合には、ゲル化時
間が短く、早期強度が高まることが判る。
【0054】
【効果】本発明の二液性グラウト組成物を用いれば、海
水の侵食に対して優れた抵抗性を有する裏込め材や注入
材などを得ることが出来、海底シールドトンネル工事用
裏込め材への利用を始めとし、海水の影響を受ける地域
の開発に大きく貢献できる。
【0055】尚、耐海水性に優れると言うことは、硫酸
イオンや塩素イオンの侵食に対する抵抗性を有すること
であり、本発明の二液性グラウト組成物は耐硫酸塩グラ
ウトや耐塩化物グラウトとしての適用も出来る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 111:70 C09K 103:00 (72)発明者 鎌田 隆清 東京都文京区本郷一丁目28番10号 秩父 セメント株式会社 関連製品本部内 (72)発明者 田中 光男 埼玉県熊谷市月見町二丁目1番1号 秩 父セメント株式会社 中央研究所内 (72)発明者 石井 三郎 東京都足立区保木間一丁目6番15号 株 式会社立花マテリアル 東京支店内 (56)参考文献 特開 平6−80456(JP,A) 特開 平3−26784(JP,A) 特開 平3−9987(JP,A) 特開 昭50−2308(JP,A) 特開 昭57−17455(JP,A) 特公 昭62−24474(JP,B2) 特公 平2−43790(JP,B2) 特公 平2−4634(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 28/00 - 28/36 C09K 17/10 C09K 17/12 C04B 111:70 C09K 103:00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメントを含む懸濁液と水ガラスとの混
    合物よりなる二液性グラウト組成物であって、前記セメ
    ントの成分として3CaO・SiO2 ,2CaO・Si
    2 ,3CaO・Al2 3 ,4CaO・Al2 3
    Fe2 3 及び石膏を含み、しかもこのセメントにおけ
    るSiO2 /Al2 3 (重量比)が8〜15であるこ
    とを特徴とする二液性グラウト組成物。
  2. 【請求項2】 (Fe2 3 )/(3CaO・SiO2
    +2CaO・SiO 2 +3CaO・Al2 3 +4Ca
    O・Al2 3 ・Fe2 3 +石膏)が2〜4重量%の
    セメントが用いられてなることを特徴とする請求項1の
    二液性グラウト組成物。
  3. 【請求項3】 (3CaO・SiO2 )/(3CaO・
    SiO2 +2CaO・SiO2 +3CaO・Al2 3
    +4CaO・Al2 3 ・Fe2 3 +石膏)が20〜
    40重量%、(2CaO・SiO2 )/(3CaO・S
    iO2 +2CaO・SiO2 +3CaO・Al2 3
    4CaO・Al2 3 ・Fe2 3 +石膏)が40〜6
    5重量%のセメントが用いられてなることを特徴とする
    請求項1または請求項2の二液性グラウト組成物。
  4. 【請求項4】 (高炉スラグ)/(3CaO・SiO2
    +2CaO・SiO 2 +3CaO・Al2 3 +4Ca
    O・Al2 3 ・Fe2 3 +石膏+高炉スラグ)が5
    〜50重量%となるよう高炉スラグの添加されたセメン
    トが用いられてなることを特徴とする請求項1、請求項
    2または請求項3の二液性グラウト組成物。
  5. 【請求項5】 石膏がセメント中のSO3 換算で0.5
    〜4.5重量%となるよう添加されたセメントが用いら
    れてなることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項
    3または請求項4の二液性グラウト組成物。
  6. 【請求項6】 SiO2 /Na2 O(モル比)が3. 3
    〜4. 0の水ガラスが用いられてなることを特徴とする
    請求項1の二液性グラウト組成物。
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