JP2849419B2 - リングギヤ用ワーク搬送車 - Google Patents

リングギヤ用ワーク搬送車

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JP2849419B2
JP2849419B2 JP31162889A JP31162889A JP2849419B2 JP 2849419 B2 JP2849419 B2 JP 2849419B2 JP 31162889 A JP31162889 A JP 31162889A JP 31162889 A JP31162889 A JP 31162889A JP 2849419 B2 JP2849419 B2 JP 2849419B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、リング状のワークの内周面に歯切を行なう
リングギヤ加工装置において、ワークを歯切機に対して
搬出入する搬送車に関する。
(従来の技術) リングギヤの歯切を行なう場合、従来は各リングギヤ
の歯切機に作業員がワークの搬入、搬出を行ない、搬出
された歯切後のワークはパレットに載せてホークリフト
等により次工程の焼入れ用炉等に運搬していた。
また、ワークの自動搬入、搬出を行なう装置として、
空間の有効利用のために多用されている天井吊り下げ式
搬送車を使用し、該吊り下げ式搬送車に垂下状に取付け
たアームにワーク保持用のハンドを取付け、該ハンドに
よりワークを保持して歯切機へのワークのセットと、歯
切完了後のワークの取り出しを行なうことが考えられ
る。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、従来のように、人手により歯切機へのワーク
のセットと取り出しを行なう場合には、多くの人手と労
力を要するという問題点があった。
また、天井吊り下げ式搬送車を用いる場合は、ワーク
の落下の危険があり、また、搬送車のハンドと作業員と
の干渉の危険があるという問題点があり、歯切機まわり
に作業員のスペースを確保することが困難であり作業性
が悪いという問題点があった。また、ある歯切機のカッ
タの交換等の保守作業を行なっている間は、保守作業員
と搬送車の干渉のおそれがあるため、作業を中断しなけ
ればならず、歯切加工装置の稼動率が悪いという問題点
があった。
そこで、本発明者等は、地上レール走行式の搬送車を
使用したリングギヤ加工装置を開発し、これにより、省
力化、能率の向上および作業安全性の向上を図っている
が、本発明はこのような加工装置において、さらに制御
システムの簡略化が達成されるリングギヤ用ワーク搬送
車を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するため、請求項1のリングギヤ用ワ
ーク搬送車は、地上に敷設されたレールに沿って複数台
のリングギヤ歯切機を配置したリングギヤ加工装置に用
いられ、前記レール上に走行自在に載置されるワーク搬
送車であって、 前記搬送車上に旋回装置を介して主軸を立て、該主軸
に昇降自在にワーク把持用ハンドを取り付け、前記旋回
装置の被旋回体に、周方向に間隔を有して複数個の係合
部を設け、 一方搬送車のフレームに、前記係合部に対して係合、
離脱自在に、駆動装置により作動するロックブロックを
設け、 該ロックブロックが前記係合部に係合することによ
り、前記ハンドが、予め前記旋回装置上に設定されたワ
ークのセット、搬送のための複数の旋回位置にてそれぞ
れ位置決めされる ことを特徴とする。
また、請求項2のリングギヤ用ワーク搬送車は、請求
項1のリングギヤ用ワーク搬送車が、地上に敷設された
レールに沿って複数台のリングギヤ歯切機を配置すると
共に、各歯切機とレールとの間に、各歯切機にそれぞれ
対応した各1対のワーク搬入用移動装置と搬出用移動装
置とを配置したリングギヤ加工装置に用いられ、前記レ
ール上に走行自在に載置されるワーク搬送車であって、 前記ワーク把持用ハンドは、前記搬送車の1停止点で
前記ワーク搬入用移動装置上と搬出用移動装置上に位置
決め可能に前記被旋回体上の係合部の位置が設定されて
いる ことを特徴とする。
また、請求項3のリングギヤ用ワーク搬送車は、請求
項2のリングギヤ用ワーク搬送車に用いられるものであ
って、 前記旋回装置は、レールの両側にリングギヤ加工装置
が配置され、該両側のリングギヤ加工装置のワーク搬入
用移動装置と搬出用移動装置上にハンドの位置設定可能
にハンドの旋回範囲が設定されている ことを特徴とする。
(作用) 請求項1のリングギヤ用ワーク搬送車は、搬送車のハ
ンドにより未加工のワークのストック場所でワークを把
持する場合、搬送する場合、歯切機側にワークをセット
する場合、加工後のワークをハンドにより把持する場
合、それぞれの旋回位置にワークを旋回させた状態で、
被旋回体の係合部とロックブロックとの係合により、精
度よくワークの旋回位置が位置決めされる。これによ
り、位置決めのための制御システムが簡略化される。
請求項2のリングギヤ用ワーク搬送車は、リングギヤ
歯切機とレールとの間に、ワーク搬入用移動装置と搬出
用移動装置とを配置してなり、ワーク把持用ハンドは、
被旋回体上の係合部とロックブロックとの係合により、
ワーク搬入用移動装置上と搬出用移動装置上に位置決め
されてロックされる。
請求項3のリングギヤ用ワーク搬送車は、ハンドをレ
ールの両側のリングギヤ加工装置のワーク搬入用移動装
置と搬出用移動装置に対して位置決め可能となるように
旋回範囲を設定したので、レールの左右に歯切機等を配
置して作業を行なうことができる。
(実施例) 以下本発明の一実施例を図面により説明する。第1図
はリングギヤ加工装置の全体構成を示す平面図であり、
1はワーク(歯切後の完品をワークと称する場合があ
る)の加工装置を設置する工場内に敷設したレール、2
はレール1上に走行自在に設置した無人搬送車、3はレ
ール1に沿って配設した歯切機3であり、本実施例にお
いては8台の歯切機3を設置した例を示している。4は
歯切機8に並べて設置した洗浄機であり、加工前および
加工後のワークを洗浄するものである。
5はパレットステーションであり、これは歯切加工装
置の領域6の外を走行する搬送車(図示せず)からのワ
ーク、あるいは加工後の完品を一時ストックしておくも
のである。
7、8は歯切機3に対応してそれぞれ1組ずつ対をな
して設けられたワークステーションとしてのワーク搬入
用コンベヤおよびワーク搬出用コンベヤであり、ワーク
搬入用コンベア7は、ワークステーション5から作業員
がコンベア7の端部a上に載せたワークを搬送車2のハ
ンド9により把持できるレール側端部bにまで運ぶもの
である。ワーク搬出用コンベア8は、搬送車2のハンド
9により把持されてレール側端部cに載せられたワーク
(完品)をステーション側端部dまで運ぶものである。
ワーク搬入用コンベア7のレール1側端部には、ワーク
を定位置にとめる位置決め装置と、ワークがb位置に搬
入されているか否かを判別する例えばワーク重力により
作動する接点を有するワーク判別装置(いずれも図示せ
ず)が設けられる。
10、11はそれぞれ歯切機3へのワークの搬入用移動装
置を構成する移動テーブルおよび搬出用テーブルであ
り、これらほ各歯切機3に対応して歯切機3とレール1
との間に、一対ずつ設けられる。
12は各歯切機3の加工台上にそれぞれ設置されたワー
ク着脱装置である。13は加工装置全体の動き、状態を監
視して制御するシステムコントローラである。
第2図はシステムコントローラ13と各装置との結線図
であり、システムコントローラ13は、コンピュータ20
と、シーケンサ21と、リモートI/O14とからなる。リモ
ートI/O14は、信号線22およびリモートI/O15〜18を介し
て、移動テーブル10、11の制御盤23と、レール1の端部
に設けられた送受信器26と、洗浄機4の制御盤27と、ワ
ーク着脱装置12の制御盤28に接続されている。前記送受
信器26は、搬送車2に搭載された制御盤24につながる光
信号の送受信器25との間で信号の授受を行なうものであ
る。また、ワーク着脱装置12の制御盤28は、リモートI/
O29を介して歯切機8に接続される。各制御盤23、24、2
7、28にはそれぞれ個別のCPU(シーケンサ)を設け、制
御の高速化を図っている。また、各制御装置間の信号の
受け渡しには、シリアル通信を行なうリモートI/O14〜1
8、29を用い、各装置の状態をシステムコントローラ13
に常時高速で取り込む。
次に各装置の構成について説明する。第3図は搬送車
2を示す斜視図であり、搬送車2のフレーム30にウォー
ム減速機31と一体化した走行モータ32が取り付けられ、
減速機31の出力軸には走行ピニオン33が固定されてお
り、前記レール1にフレーム30に取り付けたホイル34が
転動自在に載置され、前記走行ピニオン33がレール1に
固定されたラック35に噛合しているので、レール1に沿
って設けられた電源ラインから電力の供給を受ける電動
式走行モータ32の作動により搬送車2がレール1に沿っ
て走行する。また、搬送車2の横方向のずれを防止する
ため、フレーム30の4個所にカムフォロア36を取り付け
てこれらによりレール1を挟んでいる。
また、フレーム30上には、電動モータを駆動源とする
油圧ユニット37を搭載し、フレームに搭載したハンド9
の3軸駆動源としている。ハンド9の位置決め機構は次
のように構成されている。すなわち、フレーム30の中央
に油圧式旋回モータ38により円形のインデックスプレー
ト39を旋回させる旋回装置40が設置され、インデックス
プレート39にはその中心にボールスプライン方式の主軸
41が固定され、かつハンド昇降用油圧シリンダ42の一端
が固定されており、該油圧シリンダ42のピストンロッド
42aは、主軸41に摺動自在に嵌合した摺動ブロック43に
ロッド44を介して結合されている。摺動ブロック43には
バランスウェイト45を一端に搭載したアーム46が取り付
けられ、該アーム46の他端にハンド9が取り付けられて
いる。
ハンド9は、円形フレーム47の中心に油圧モータ48に
より回転されるセンターギヤ49を取り付け、その周囲に
センターギヤ49に噛合される3個のグリップ開閉ギヤ50
を取付け、第5図に示すように、各グリップ開閉ギヤ50
の中心軸51に水平アーム52を取付け、各水平アーム52に
第7図に示すようにワーク係止用リング53を取付けた垂
直棒状のグリップ54を取付けてなるもので、第6図に示
すように、下部内周面に全周にわたって段部eを設けた
ワークWの中に3本のグリップ54を入れ、センターギヤ
49を油圧モータ48により回し、これによりグリップ開閉
ギヤ50を回し、3本のグリップ54を開いて第7図に示す
ようにリング53を段部eに掛けてワークWを把持するも
のである。
第4図に示すように、前記インデックスプレート40に
は、外周に5個の切欠きf〜jを形成し、一方、搬送車
2のフレーム30に固定された油圧シリンダ55のピストン
ロッド55aに切欠きf〜jへの係合させるロックブロッ
ク56を固設し、油圧シリンダ55を伸長させると、ロック
ブロック56が切欠きf〜jの1つに嵌合してインデック
スプレート40がロックされ、ハンド9の向きが決められ
るようになっている。
ここで、インデックスプレート39の中心Oと切欠きn
を結ぶ線に対し、中心Oと切欠きi、gを結ぶ線のなす
角度は共にα(63度)で等しく、中心Oと切欠きnを結
ぶ線の延長線と、中心Oと切欠きf、jを結ぶ線のなす
角度も共にα度となっている。また、第4図の2点鎖線
で示すように、ロックブロック56が切欠きnに嵌合され
た状態ではアーム46はレール1の向きに一致するように
構成されている。搬送車2の端部には、レール1の端部
に設置した送受信器26(第2図参照)と光信号の送受信
を行なう送受信器25が取付けてある。また、搬送車2の
前後に制御盤24を設けている。
第8図は前記ワーク搬入、搬出用移動テーブル10、11
の構成例を示す平面図、第9図は側面断面図であり、こ
れらの移動テーブル10、11はレール1とワーク着脱装置
12との間に移動自在に設置される。本例においては、移
動テーブル10、11のアクチュエータとしては、設置スペ
ースを小とするため、非磁性材でなるチューブ57の内部
に永久磁石58を収容し、チューブ57の外部に磁性材60を
チューブ57に沿って移動自在に装着し、磁性材60上に移
動テーブル10、11を固定すると共に、移動テーブル10、
11を左右のローラ列87に載置して移動抵抗を小とし、圧
搾空気をチューブ57の両端の管路61、62のいずれかによ
りチューブ57内に供給して永久磁石58を移動させること
により、磁性材60を磁気吸引力により移動させ、チュー
ブ57の両端には、移動テーブル10、11の両端の位置決め
を行なうストッパ88、89を設け、各移動テーブル10、11
の上面にはワークWを検出するスイッチ59が設けられて
いる。移動テーブル10、11のアクチュエータとしては、
液圧シリンダや電動シリンダ、その他のものを用いるこ
とができる。
次に歯切機3およびワーク着脱装置12について第10図
および第11図により説明する。第10図に示すように、ワ
ーク着脱装置12は、歯切機3のレール1側に設けられる
加工台63上に後述の機構により取り付けられる。加工台
63は、例えば歯切機3のフレームに取り付けられたモー
タ64により回転されるウォーム65を、加工台63に固定し
た雌ねじ66に螺合した進退装置により、レール1に対し
て直角をなす方向に移動自在に設置されている。86は歯
切機3のカッタであり、カッタ86を上下動させると共
に、軸心を中心として微速で回転させ、かつ治具67と共
にワークWを微速で回転させながら、次第に切込み深さ
を大としてワークWの内周面に歯を形成するものであ
る。
加工台63上には、ワークWを内部にセットするリング
状の治具67が、旋回装置68(該旋回装置68は、油圧モー
タ69と、その出力ギヤ70と、治具67の外周に結合されて
前記出力ギヤ70に噛合するリングギヤ71とからなる)に
より回転自在に設置されている。
また、加工台63には、旋回モータ(図示せず)により
旋回されるインデックスプレート77を有する旋回装置が
設けられ、内蔵するセンサ(図示せず)により、インデ
ックスプレート77の回転角度が検出されるようになって
いる。第11図に示すように、インデックスプレート77に
はその中心にボールスプライン方式の主軸78が固定さ
れ、かつハンド昇降用油圧シリンダ78の一端が固定され
ている。主軸78には摺動ブロック80が昇降自在に嵌合さ
れている。摺動ブロック80には、120度の開き角を持っ
て2本のアーム82、83が取り付けられ、各アーム82、83
の先端にそれぞれ搬入ハンド9Aと搬出ハンド9Bとが取り
付けられている。各ハンド9A、9Bの構造は、搬送車2上
のハンド9と同じであるから、各部品に同じ符号を付
し、説明を省略する。
前記ブロック80には、アーム82、83の中間、すなわち
それぞれ60度の開き角を持って、油圧ポンプ(図示せ
ず)からの除塵した清浄な油を治具67に噴出して洗浄す
るノズル84が取り付けてある。また、インデックスプレ
ート77上には、ノズル84の向きと反対側に治具67内にセ
ットするワークWの位置や芯振れを検出するエアーマイ
クロメータのような位置センサ85が取り付けてある。こ
の位置センサ85の他、治具67には、別のエアーマイクロ
メータのような着座センサ(治具67内にワークWが存在
するか否かを判別するセンサ)が設けられるが、図示を
省略している。なおこの着座センサの機能を位置センサ
85で兼ねるようにしても良い。
次にこの加工装置の動作を説明する。第12図はワーク
Wの流れを示すもので、実線矢印は加工前ワークの流れ
を示し、点線は歯切加工後のワークの流れを示す。ま
ず、パレットステーション5に置かれたワークWは、人
手によりワークステーションのワーク搬入用コンベア7
に載せられ、レール1側端部bに送られる。システムコ
ントローラ13は、端部bにワークWが存在するか否かを
判別する装置の状態を監視し、ワークWが存在する場合
には、搬送車2によりワークWを洗浄機4に運び、洗浄
が完了すると、再び搬送車2によって搬入用移動テーブ
ル10にワークWを運び、加工前ワークWが搬入用移動テ
ーブル10の歯切機3側端部に無ければ移動テーブル10の
受部59を移動させる。次にワーク着脱装置12の作動によ
り、ノズル84から油を噴出して治具67を洗浄し、洗浄後
ワークを治具67にセットし、ここで位置センサ85により
着座、芯振れの自動確認が行なわれ、異常が無ければ加
工準備完了となり、加工に入る。加工が完了すると、ワ
ークの流れは前記の流れの反対となり、パレットステー
ション5から次の工程へ搬出される。
次に第13図により搬送車2の走行工程の詳細について
説明する。搬送車2は、システムコントローラ13からの
起動信号を待ち(S1)、起動信号が搬送車2の制御盤24
に与えられると、走行先をシステムコントローラ13に転
送(S2)した後、搬送車2の走行モータ32の走行、停止
を制御する位置決めユニットの状態を調べ(S3)、走行
準備完了であるかを判定し(S4)、準備完了であれば
(なお、搬送車2の1つの走行工程が終了した後、次の
走行に移行するまで5秒の時間間隔を持たせる)位置決
めユニットに走行起動信号を送り(S5)、走行起動前は
走行中であるか否かを判定し(S6)、走行後は位置決め
完了後を判定し(S7)、位置決め完了後はシステムコン
トローラ13への走行中信号を切り、走行完了信号を出し
(S8)、走行完了となる。
次に第14図により、搬送車2の右側にワークWを搬出
入する場合について説明する。この工程は、第8図の実
線で示すように、レール1の方向に対し、α度(63度)
ハンド9を旋回させ、ハンド9に保持しているワークを
搬入用移動テーブル10上に載置する工程である。まず、
搬送車2を第15図で説明した工程により目標点まで移動
させて位置決めした後、システムコントローラ13からの
右搬出入起動信号を持つ(S1)。そしてこの右搬出入信
号が与えられると、ハンド動作中信号をシステムコント
ローラ13に対して出し(S2)、ハンド9を右に63度旋回
する。この旋回工程は、第4図において、油圧シリンダ
55を収縮させてロックブロック56を切欠きnから離脱さ
せ、旋回モータ38を右旋回させ、ロックブロック56が切
欠きgに対応した位置に到達すると、例えばリミットス
イッチの作動により、旋回モータ38を停止させ、油圧シ
リンダ55を伸長させてロックブロック56を切欠きgに嵌
合させてインデックスプレート39をロックすることによ
り行なう。この旋回、位置決め制御は、システムコント
ローラ13が制御盤24に右旋回信号を与え、制御盤24がそ
の信号に応じて前記旋回、停止動作を制御することに行
なわれ、ロックブロック56の切欠きへの強制的な嵌合に
より、正確な位置決めが、ラフな制御により容易に行な
える。
このように、ハンド9を所定角度旋回させた後、油圧
シリンダ42を収縮させることにより、ハンド9を下げ
る。このハンド9を下げる動作の位置制御は次のように
行なわれる。すなわち、ピストンロッド42a等の昇降体
側(あるいは油圧シリンダ42のチューブに)磁気あるい
は光学等の目盛り板を付しておき、油圧シリンダ42のチ
ューブ側(あるいは昇降体)にその目盛りを計数して数
値化するエンコーダを取り付けておき、エンコーダの出
力値hを制御盤中のメモリに設定されている設定値(移
動テーブル10の高さHに停止までの余裕をとるための設
定値ΔHを加えた値)と比較し(S5)、H+ΔH≧hに
なると、油圧シリンダ42の下げ動作の減速を、油量制御
によって行ない(S6)、ハンド9が目標高さに達してい
るか否かを判定し(S7)、目標高さに達したらハンド下
げ動作を停止させ、ハンド9を閉じてワークWを移動テ
ーブル10上に置く(S8)。そしてハンド9を上限まで上
げ(S9)、第8図の2点鎖線に示すように、β度(54
度)右に旋回させてハンド9を搬出用移動テーブル11上
に位置させ、前記S4〜S7と同じハンド9下げ動作(S11
〜S14)を行なった後、ハンド9が目標の高さに到達す
ると、ハンド9を開いてワーク完品を把み(S15)、ハ
ンド9を上限まで上げ(S16)、ハンド9を左に117度
(=α+β)旋回して原点に戻り、ハンド動作完了信号
をコントローラ13に出し(S17)、終了する。
このように、ハンド9により移動テーブル10へのワー
クWの搬入と、完品の移動テーブル11からの搬出は、ハ
ンド9を回動させることにより、搬送車2を移動させる
ことなく行なえる。
本実施例においては、旋回モータ38により、搬送車2
の左右にハンド9を位置させることができるため、レー
ル1の左右に配置した歯切機3に対してサービスを行な
うことができ、レール1の片側に歯切機3等を配置して
サービスを行なう場合に比較し、加工装置全体の設置面
積を狭くし、搬送車2の走行距離を短かくして能率を上
げることができる。
次に搬入、搬出用移動テーブル10、11上のワーク着脱
装置12によるワークWの治具67への搬入搬出動作の概略
について説明すると、第15図(A)に示すように、前記
加工台63を、治具67が前記カッタ86による旋回位置Sか
らレール1側にずらせた位置として、加工済のワークが
治具67に納まっているか否かを、第15図(A)の姿勢に
おいて、位置センサ85の出力により判定し、治具67上に
完品が存在し、かつシステムコントローラ13から動作許
可信号がワーク着脱装置12の制御盤28に与えられると、
第18図(B)の位置までハンド9A、9Bを120度右旋回さ
せる。そして、ハンド9A、9Bを下げ、移動テーブル10上
のワークWをハンド9Aにより把持すると同時に、治具67
上の完品をハンド9Bにより把み、ワーク着脱装置12のハ
ンド9A、9Bを上げ、第15図(C)に示す位置まで、すな
わち60度右旋回する。
次に歯切機3に治具67の回転指令を出し、治具67にノ
ズル8から洗浄液(油)を出し、さらにワーク着脱装置
12を60度右旋回して第15図(D)に示す位置とし、完品
を搬出用移動テーブル11の歯切機3側端部に載置し、加
工前ワークを治具67に搬入する。
(発明の効果) 請求項1によれば、ハンドを旋回させる旋回装置の被
旋回体に設けた係合部に、駆動装置によりロックブロッ
クを係合させてハンドを固定し、位置決めするようにし
たので、旋回位置精度を必要とせず、位置決め用の制御
システムを簡略化し、安価に提供でき、しかも確実なハ
ンドの位置固定が可能となる。
請求項2によれば、搬送車の1停止点でワーク搬入用
移動装置上と搬出用移動装置上に対しては搬送車上のハ
ンドによりワークのサービスが可能となるので、搬送車
の走行工程が減少し、動作時間が短縮され、かつシステ
ムコントローラの負担が軽減され、制御用システムが簡
略化される。
請求項3によれば、レベルの両側にリングギヤ加工装
置を配置し、ハンドを走行車の左右に位置決め可能とし
たので、ワーク加工装置の設置面積を狭くし、搬送車の
走行距離を短縮し、能率向上に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明によるリングギヤ加工装置の一実施例を示
すもので、第1図は装置全体の配置を示す平面図、第2
図は全体の信号の授受を行なう制御システム構成を示す
ブロック図、第3図は搬送車を示す斜視図、第4図は該
搬送車に搭載したハンドの位置決め機構を示す平面図、
第5図は搬送車上のハンドの構成を示す平面図、第6図
は加工前ワークの一例を示す斜視図、第7図はワークを
ハンドにより把持した状態を示す断面図、第8図は移動
装置と搬送車およびワーク着脱装置との関係を示す平面
図、第9図は移動装置の構成を示す側面断面図、第10図
は歯切機およびワーク着脱装置を示す側面図、第11図は
ワーク着脱装置を示す斜視図、第12図はワークの流れを
説明する流れ図、第13図は搬送車の動作を説明する流れ
図、第14図は搬送車と移動装置との間のワークの授受動
作を説明する流れ図、第15図はワーク着脱装置の各作業
体勢を説明する平面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B65G 47/90 B65G 47/90 B (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23Q 41/02 B23Q 7/04 B65G 47/52 B61B 13/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地上に敷設されたレールに沿って複数台の
    リングギヤ歯切機を配置したリングギヤ加工装置に用い
    られ、前記レール上に走行自在に載置されるワーク搬送
    車であって、 前記搬送車上に旋回装置を介して主軸を立て、該主軸に
    昇降自在にワーク把持用ハンドを取り付け、前記旋回装
    置の被旋回体に、周方向に間隔を有して複数個の係合部
    を設け、 一方搬送車のフレームに、前記係合部に対して係合、離
    脱自在に、駆動装置により作動するロックブロックを設
    け、 該ロックブロックが前記係合部に係合することにより、
    前記ハンドが、予め前記旋回装置上に設定されたワーク
    のセット、搬送のための複数の旋回位置にてそれぞれ位
    置決めされる。 ことを特徴とするリングギヤ用ワーク搬送車。
  2. 【請求項2】前記リングギヤ用ワーク搬送車は、 地上に敷設されたレールに沿って複数台のリングギヤ歯
    切機を配置すると共に、各歯切機とレールとの間に、各
    歯切機にそれぞれ対応した各1対のワーク搬入用移動装
    置と搬出用移動装置とを配置したリングギヤ加工装置に
    用いられ、前記レール上に走行自在に載置されるワーク
    搬送車であって、 前記ワーク把持用ハンドは、前記搬送車の1停止点で前
    記ワーク搬入用移動装置上と搬出用移動装置上に位置決
    め可能に前記被旋回体上の係合部の位置が設定されてい
    る ことを特徴とする請求項1記載のリングギヤ用ワーク搬
    送車。
  3. 【請求項3】前記旋回装置は、レールの両側にリングギ
    ヤ加工装置が配置され、該両側のリングギヤ加工装置の
    ワーク搬入用移動装置と搬出用移動装置上にハンドの位
    置設定可能にハンドの旋回範囲が設定されている ことを特徴とする請求項2記載のリングギヤ用ワーク搬
    送車。
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