JP2849154B2 - キャスタブル耐火物 - Google Patents
キャスタブル耐火物Info
- Publication number
- JP2849154B2 JP2849154B2 JP2064627A JP6462790A JP2849154B2 JP 2849154 B2 JP2849154 B2 JP 2849154B2 JP 2064627 A JP2064627 A JP 2064627A JP 6462790 A JP6462790 A JP 6462790A JP 2849154 B2 JP2849154 B2 JP 2849154B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fibers
- fiber
- water
- added
- castable
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、流し込み不定形耐火物、特に、取鍋,DH,R
H,タンディッシュ用として好適なキャスタブル耐火物に
関する。
H,タンディッシュ用として好適なキャスタブル耐火物に
関する。
従来からキャスタブルを初めとする不定形耐火物は、
加熱乾燥時の爆裂という大きな問題を抱えている。
加熱乾燥時の爆裂という大きな問題を抱えている。
爆裂現象は、乾燥中に発生する水蒸気の圧力が耐火物
の引張り強度を越えることによって生じるものであり、
特に近年のキャスタブル耐火物の緻密化指向により、乾
燥時の水蒸気圧力は非常に高くなっており、爆裂の抑制
には細心の注意が払われている。
の引張り強度を越えることによって生じるものであり、
特に近年のキャスタブル耐火物の緻密化指向により、乾
燥時の水蒸気圧力は非常に高くなっており、爆裂の抑制
には細心の注意が払われている。
材料面で爆裂を抑制する手段として、特開昭52−6213
3号公報には、無機繊維を添加して施工体の通気率を上
げ、耐爆裂性を向上させる塩基性耐火物が提案されてい
る。
3号公報には、無機繊維を添加して施工体の通気率を上
げ、耐爆裂性を向上させる塩基性耐火物が提案されてい
る。
また、特公昭63−396号公報には、ポリエステル繊維
及び／又はビニロン繊維を添加して不定形耐火物の耐爆
裂性を改善させる手段が提案されている。
及び／又はビニロン繊維を添加して不定形耐火物の耐爆
裂性を改善させる手段が提案されている。
従来提案されている耐爆裂性の改善のために配合され
る無機繊維、有機繊維共通の問題点として、 材料中への繊維の分散性、 混練水添加時の繊維の凝集、 添加水分の増大 等が挙げられる。
る無機繊維、有機繊維共通の問題点として、 材料中への繊維の分散性、 混練水添加時の繊維の凝集、 添加水分の増大 等が挙げられる。
無機繊維に比較して有機繊維は、の材料中への繊維
の分散性については優れているものの、との繊維の
凝集と添加水分の増大については深刻な問題であり、と
くに低水分での施工を前提とする緻密質キャスタブルに
おいては致命的な欠陥となる。
の分散性については優れているものの、との繊維の
凝集と添加水分の増大については深刻な問題であり、と
くに低水分での施工を前提とする緻密質キャスタブルに
おいては致命的な欠陥となる。
すなわち、添加水分の増大は、緻密質キャスタブルの
強度特性，耐食性の大幅低下を生じせしめ、また水添加
時に繊維が部分的に凝集した場合には、乾燥時に大きな
空隙を生じることから、局部的な異常溶損の原因とな
る。
強度特性，耐食性の大幅低下を生じせしめ、また水添加
時に繊維が部分的に凝集した場合には、乾燥時に大きな
空隙を生じることから、局部的な異常溶損の原因とな
る。
本発明は、かかる不定形耐火物の加熱乾燥時の爆裂防
止のための繊維添加における問題点を解消するもので、
添加水分の増大，耐食性の低下をもたらすことなく、耐
爆裂性が改善されたキャスタブル耐火物、特に緻密質キ
ャスタブルを提供するものである。
止のための繊維添加における問題点を解消するもので、
添加水分の増大，耐食性の低下をもたらすことなく、耐
爆裂性が改善されたキャスタブル耐火物、特に緻密質キ
ャスタブルを提供するものである。
本発明は、水−塩析性を有する塩−PVAからなる含
水，含塩のPVA繊維を耐火材100重量％に対して0.05〜0.
5重量％添加することによって上記課題を解決した。
水，含塩のPVA繊維を耐火材100重量％に対して0.05〜0.
5重量％添加することによって上記課題を解決した。
キャスタブル耐火材に添加して耐火材の耐爆裂性の向
上と添加水分の増大抑制を両立させた有機繊維として
は、親水性に優れたものである必要がある。
上と添加水分の増大抑制を両立させた有機繊維として
は、親水性に優れたものである必要がある。
本発明は、親水性に優れた繊維について種々検出した
結果、水−塩析性を有する塩−PVAからなる含水，含塩
のPVA繊維が優れており、この特性を有するPVA繊維の適
量添加により、優れた耐爆裂性の向上と添加水分の増大
抑制を両立させる特性が得られることを見い出し、完成
したものである。
結果、水−塩析性を有する塩−PVAからなる含水，含塩
のPVA繊維が優れており、この特性を有するPVA繊維の適
量添加により、優れた耐爆裂性の向上と添加水分の増大
抑制を両立させる特性が得られることを見い出し、完成
したものである。
親水性の尺度は、繊維の含水率で判断することができ
るが、ポリエチレン，ポリエステル，ポリ塩化ビニル等
は０〜数％、通常のPVA繊維では数％の含水率であり、
通常のPVA繊維そのものが特に親水性に優れたものとは
言えない。
るが、ポリエチレン，ポリエステル，ポリ塩化ビニル等
は０〜数％、通常のPVA繊維では数％の含水率であり、
通常のPVA繊維そのものが特に親水性に優れたものとは
言えない。
本発明において耐火材に添加されるPVA繊維としては
湿式紡糸法の過程で得られたものが適しており、PVAと
水の比率はほぼ1:1の組成からなり極めて親水性に富む
ものである。
湿式紡糸法の過程で得られたものが適しており、PVAと
水の比率はほぼ1:1の組成からなり極めて親水性に富む
ものである。
このPVA繊維はキャスタブル耐火物に使用した際に、
添加水分の増大を抑制し、特に緻密質キャスタブルに対
し有効である。
添加水分の増大を抑制し、特に緻密質キャスタブルに対
し有効である。
本発明において添加される有機繊維は、さらに繊維間
に塩析効果を有する塩類、すなわち、電解質塩類の存在
が不可欠である。この塩析効果を有する塩類はキャスタ
ブル耐火物に水を添加した際の繊維の凝集抑制に効果的
である。繊維間に電解質塩類が存在した場合、繊維の水
素結合を抑制し、凝集を抑えるものと推察される。この
点から、塩類は繊維表面に均一に存在する必要があり、
PVA繊維紡糸過程で使用するNa2SO4等の塩析効果を有す
るものが適している。
に塩析効果を有する塩類、すなわち、電解質塩類の存在
が不可欠である。この塩析効果を有する塩類はキャスタ
ブル耐火物に水を添加した際の繊維の凝集抑制に効果的
である。繊維間に電解質塩類が存在した場合、繊維の水
素結合を抑制し、凝集を抑えるものと推察される。この
点から、塩類は繊維表面に均一に存在する必要があり、
PVA繊維紡糸過程で使用するNa2SO4等の塩析効果を有す
るものが適している。
Na2SO4等の塩の含有量は、紡糸浴中の塩濃度によって
決定するが、PVA固形分に対して20重量％程度が繊維の
水中での凝集抑制という点で良好である。
決定するが、PVA固形分に対して20重量％程度が繊維の
水中での凝集抑制という点で良好である。
本発明で使用される繊維は含水，含塩のPVA繊維であ
ること以外は、格別限定されるものではないが、キャス
タブル耐火材料への分散性及び耐爆裂性向上効果の点か
らは、繊維径1D（デニール）、繊維長さ３〜5mm程度が
好ましい。
ること以外は、格別限定されるものではないが、キャス
タブル耐火材料への分散性及び耐爆裂性向上効果の点か
らは、繊維径1D（デニール）、繊維長さ３〜5mm程度が
好ましい。
添加量に関しては、耐火材100重量％に対して0.05〜
0.5重量％に限定されるが、これは0.05重量％より少な
い範囲では耐爆裂性の向上効果に乏しく、また0.5重量
％より多い範囲ではいかに含水，含塩PVA繊維といえど
も、キャスタブル耐火物の添加水分が多くなることから
不適である。
0.5重量％に限定されるが、これは0.05重量％より少な
い範囲では耐爆裂性の向上効果に乏しく、また0.5重量
％より多い範囲ではいかに含水，含塩PVA繊維といえど
も、キャスタブル耐火物の添加水分が多くなることから
不適である。
本発明に使用する骨材及びバインダーは、特に限定さ
れるものではなく、アルミナ，ボーキサイト，シャモッ
ト，珪石，ロー石，ジルコン，マグネシア，スピネル，
クロム鉱等の一般耐火物原料として公知のものは使用す
ることが可能であり、バインダー類についても同様であ
る。
れるものではなく、アルミナ，ボーキサイト，シャモッ
ト，珪石，ロー石，ジルコン，マグネシア，スピネル，
クロム鉱等の一般耐火物原料として公知のものは使用す
ることが可能であり、バインダー類についても同様であ
る。
第１表は試験に用いたジルコン質キャスタブルの配合
構成である。
構成である。
第２表は種々の繊維を第１表のキャスタブルに添加
し、耐爆裂性，耐食性を調査した結果である。繊維の径
及び長さはそれぞれ1D（デニール）、3mmで共通であ
る。実施例1,2及び比較例6,7に使用のものは、含水，含
塩のPVA繊維であり、水／Na2SO4/PVAの比率は40/20/40
である。
し、耐爆裂性，耐食性を調査した結果である。繊維の径
及び長さはそれぞれ1D（デニール）、3mmで共通であ
る。実施例1,2及び比較例6,7に使用のものは、含水，含
塩のPVA繊維であり、水／Na2SO4/PVAの比率は40/20/40
である。
実施例1,2は本発明によるキャスタブル耐火物であ
り、比較例１の繊維無添加品に比較して、耐爆裂性は明
らかに改善され、添加水分の増大，耐食性の低下もほと
んど認められない。比較例２〜５は代表的な繊維の試験
結果であるが、いずれも添加水分の増大をもたらし、耐
食性の低下を生じることから不適である。
り、比較例１の繊維無添加品に比較して、耐爆裂性は明
らかに改善され、添加水分の増大，耐食性の低下もほと
んど認められない。比較例２〜５は代表的な繊維の試験
結果であるが、いずれも添加水分の増大をもたらし、耐
食性の低下を生じることから不適である。
また、700℃急加熱という条件では爆裂を生じている
が、これは、水添加時に繊維が部分的に凝集し、繊維の
均一分散という点で劣り、繊維添加の効果が充分でない
ためと考えられる。この点から、本発明の塩析の効果が
認められる。
が、これは、水添加時に繊維が部分的に凝集し、繊維の
均一分散という点で劣り、繊維添加の効果が充分でない
ためと考えられる。この点から、本発明の塩析の効果が
認められる。
比較例6,7は本発明の範囲外の繊維添加量であり、耐
爆裂性向上効果と耐食性低下抑制を両立させることがで
きず不適である。
爆裂性向上効果と耐食性低下抑制を両立させることがで
きず不適である。
以上のように、本発明による効果は絶大であり、各工
業炉の安定稼動を可能にし、また乾燥時間の短縮による
メリットも得られた。
業炉の安定稼動を可能にし、また乾燥時間の短縮による
メリットも得られた。
〔発明の効果〕 本発明によって以下の効果を奏することができる。
（１）急加熱乾燥時の爆裂を防止し、かつ添加繊維の分
散性の向上からキャスタブル耐火物の耐食性，強度等が
向上する。
散性の向上からキャスタブル耐火物の耐食性，強度等が
向上する。
（２）耐火骨材の基本組成に何等影響を与えない。
（３）施工後の乾燥時間を短縮することができ、全体の
施工能率が上がる。
施工能率が上がる。
（４）施工後の工業炉の長期安定操業が可能となる。
フロントページの続き (72)発明者 松尾 三郎 福岡県北九州市八幡東区枝光１丁目１番 １号 新日本製鐵株式會社八幡製鐵所内 (72)発明者 寺川 克宏 福岡県北九州市八幡東区枝光１丁目１番 １号 新日本製鐵株式會社八幡製鐵所内 (72)発明者 榊 澄生 福岡県北九州市八幡東区枝光１丁目１番 １号 新日本製鐵株式會社八幡製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭61−10079（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) C04B 35/66
Claims (1)
- 【請求項１】水−塩析法を有する塩−PVAからなる含
水，含塩のPVA繊維を耐火材100重量％に対して、0.05〜
0.5重量％添加してなるキャスタブル耐火物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2064627A JP2849154B2 (ja) | 1990-03-14 | 1990-03-14 | キャスタブル耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2064627A JP2849154B2 (ja) | 1990-03-14 | 1990-03-14 | キャスタブル耐火物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03265572A JPH03265572A (ja) | 1991-11-26 |
| JP2849154B2 true JP2849154B2 (ja) | 1999-01-20 |
Family
ID=13263684
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2064627A Expired - Fee Related JP2849154B2 (ja) | 1990-03-14 | 1990-03-14 | キャスタブル耐火物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2849154B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5656285B2 (ja) * | 2010-12-15 | 2015-01-21 | 黒崎播磨株式会社 | 不定形耐火物 |
| JP7277773B2 (ja) * | 2019-10-18 | 2023-05-19 | 日本製鉄株式会社 | キャスタブル耐火物の製造方法 |
| CN113248854B (zh) * | 2021-05-21 | 2021-11-26 | 暨南大学 | 一种配合物/pva复合材料及其制备方法和应用 |
-
1990
- 1990-03-14 JP JP2064627A patent/JP2849154B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03265572A (ja) | 1991-11-26 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP4761567B2 (ja) | 無機繊維質成形体 | |
| JP2014228035A (ja) | 耐火断熱材及びその製造方法 | |
| Zhang | Next generation carbon-containing refractory composites | |
| JP2849154B2 (ja) | キャスタブル耐火物 | |
| EP0559741B1 (en) | Insulating material containing pitch based graphite fiber | |
| JP2000219575A (ja) | キャスタブル耐火物 | |
| JP5963704B2 (ja) | 耐火断熱材及びその製造方法 | |
| JP4496090B2 (ja) | 水系炭素含有不定形耐火物の製造方法 | |
| DE19518468A1 (de) | Verwendung einer wasserhaltigen, feuerfesten keramischen Gießmasse | |
| JP2596700B2 (ja) | 特定炭素含有不定形耐火物 | |
| JPH0446065A (ja) | キャスタブル耐火物 | |
| JPH0633179B2 (ja) | 流し込み用不定形耐火物 | |
| JPH06316467A (ja) | 不燃性成形体の製造方法 | |
| KR960011346B1 (ko) | 중립 흑연을 사용한 마그네시아-카본질 내화물 | |
| JPS61146773A (ja) | 高耐用性スライデイングノズルプレ−トれんが | |
| JP2001146464A (ja) | 塊状黒鉛含有耐火物 | |
| JP2954454B2 (ja) | ＭｇＯ−Ｃ質不焼成れんが | |
| JPH10158072A (ja) | マグネシア−炭素質キャスタブル耐火物およびその施工体 | |
| JPH03229785A (ja) | 高温用ガスケットとその製造方法 | |
| JP3232205B2 (ja) | マグネシア−カーボン系不定形耐火物 | |
| JP2872670B2 (ja) | 溶融金属容器ライニング用不定形耐火物 | |
| JP3176836B2 (ja) | 不定形耐火物 | |
| JPS63100076A (ja) | スチ−ル繊維添加耐火物 | |
| JPH03111510A (ja) | 溶融金属処理用ランスパイプ | |
| JPH0559866B2 (ja) |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081106 Year of fee payment: 10 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091106 Year of fee payment: 11 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |