JP2848626B2 - 多層予備成形品 - Google Patents

多層予備成形品

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は耐熱性に優れたポリエステル製多層ボトル用
の予備成形品に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
近年、ポリエステル製ボトルに80〜95℃の液体を充填
するいわゆるホットフィルや、ホットシャワーによるパ
ステライジングが行われるようになり、そのためボトル
の口部付近に優れた耐熱性が要求されるようになった。
というのは、ホットフィルでは口部が熱い液体に最初に
さらされ、またホットシャワーによるパステライジング
でも、ホットシャワーをボトル上方から注ぐのが一般的
であるからである。
このような事情により、ポリエステル製ボトルに耐熱
性を賦与するために種々の試みがなされている。
ポリエステル製ボトルに耐熱性を付与するために広く
用いられている方法は、ポリエステルと耐熱性樹脂とを
共射出することにより多層化した予備成形品とし、それ
を延伸ブロー成形する方法であり、その典型的な例が特
開昭63-19208号に開示されている。しかしながら、この
例では、ポリエステル層の間に1層の耐熱性樹脂層が共
射出されており、予備成形品の口部の開口端においてわ
ずかに3層化した耐熱性樹脂層を有するだけである。従
って、口部全体における耐熱性が十分であるとは言えな
い。
このため、特に口部において耐熱性樹脂層を多層化し
たポリエステルボトル用予備成形品について鋭意研究を
行い、ほぼ口部全体に三重又は四重の耐熱性樹脂層を有
する多層容器について、先に出願をした(特願昭63-125
586号)。
しかしながら、ホットフィルやホットシャワーによる
パステライジングを適用する場合、さらに優れた耐熱性
を有する口部とすることが望ましく、そのために口部付
近に耐熱性樹脂をさらに多く含むようなボトルの開発が
望まれている。
したがって本発明の目的は、耐熱性に優れた多層ボト
ルを成形することができる予備成形品を提供することで
あり、特に口部に優れた耐熱性を有するボトルの多層予
備成形品を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するために鋭意研究の結果、本発明者
は、口部に5層の耐熱性樹脂層を有する多層予備成形品
を形成し、それを延伸ブロー成形すれば、ホットフィル
やホットシャワーによるパステライジングに十分に耐え
られる耐熱性ボトルを製造することができることを発見
し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のボトル用多層予備成形品は、ポリ
エステル層と耐熱性樹脂層とからなり、口部と、前記口
部の下端に設けられたサポートリングと、前記サポート
リングに続く肩部と、胴部及び底部とを有し、前記口部
は少なくとも下部において外側から耐熱性樹脂層/ポリ
エステル層/耐熱性樹脂層/ポリエステル層/耐熱性樹
脂層/ポリエステル層/耐熱性樹脂層/ポリエステル層
/耐熱性樹脂層の9層構造を有し、最外層の耐熱性樹脂
層は実質的に前記口部の開口端から前記サポートリング
まで連続して形成されていることを特徴とする。
また、本発明の多層予備成形品の好ましい態様におい
ては、多層予備成形品の肩部はポリエステル層/耐熱性
樹脂層/ポリエステル層/耐熱性樹脂層/ポリエステル
層/耐熱性樹脂層/ポリエステル層の7層構造を有す
る。
以下本発明を詳細に説明する。
まず本発明の多層予備成形品を構成する樹脂について
説明する。
ポリエステル樹脂としては、飽和ジカルボン酸と飽和
二価アルコールとからなる熱可塑性樹脂が使用できる。
飽和ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、ナフタレン−1,4−又は2,6−ジカルボン
酸、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフ
ェニルジカルボン酸類、ジフェノキシエタンジエタンジ
カルボン酸類等の芳香族ジカルボン酸類、アジピン酸、
セバチン酸、アゼライン酸、デカン−1,10−ジカルボン
酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン
酸等の脂環族ジカルボン酸等を使用することができる。
また飽和二価アルコールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、
テトラメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、ドデカメチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル等の脂肪族グリコール類、シクロヘキサンジメタノー
ル等の脂環族グリコール、2,2−ビス(4′−β−ヒド
ロキシエトキシフェニル)プロパン、その他の芳香族ジ
オール類等を使用することができる。好ましいポリエス
テルは、テレフタル酸とエチレングリコールとからなる
ポリエチレンテレフタレートである。
本発明に用いるポリエスル樹脂は、固有粘度が0.5〜
1.5、好ましくは0.55〜0.8の範囲の値を有する。またこ
のようなポリエステルは、溶融重合で製造され、180〜2
50℃の温度下で減圧処理または不活性ガス雰囲気で熱処
理されたもの、または固相重合して低分子量重合物であ
るオリゴマーやアセトアルデヒドの含有量を低減させた
ものが好適である。
また耐熱性樹脂としては、ポリアリレート、ポリカー
ボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセター
ル、ポリサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリフェ
ニレンサルファイド及びこれらの樹脂とポリエチレンテ
レフタレートとのブレンドポリマー、及び上記耐熱性樹
脂間のブレンドポリマー、さらには上記耐熱性樹脂の2
種以上の樹脂とポリエチレンテレフタレートとのブレン
ドポリマー、Uポリマー(ユニチカ製、ポリアリレート
とポリエチレンテレフタレートのブレンドポリマー)等
を使用し得る。
なお本発明で使用するポリエステル樹脂ないし耐熱性
樹脂中には、本発明の目的を損なわない範囲で安定剤、
顔料、酸化防止剤、熱劣化防止剤、紫外線劣化防止剤、
帯電防止剤、抗菌剤等の添加剤やその他の樹脂を適量加
えることができる。
次に本発明の多層予備成形品の構造について説明す
る。
第1図は本発明の一実施例による多層予備成形品を示
す概略断面図である(ただし、層構造は省略してあ
る)。多層予備成形品は口部1と、肩部2と、その間に
設けられたサポートリング5と、胴部3と、底部4とか
らなり、口部1とサポートリング5と、肩部2の部分に
おいて耐熱性樹脂層とポリエステル層とからなる多層構
造を有する。
第2図は、この多層構造の一例を詳細に示す部分拡大
断面図である。口部1はねじ締め部11とサポートリング
部12の一部とからなり、ねじ締め部11は開口端16と最初
のねじ山17との間の口端シール部13と、最初のねじ山17
とロッキングリング18との間のねじ・ロッキングリング
部14とからなる。またねじ締め部11とサポートリング部
12とを合わせた部分(口部1+サポートリング5)は、
ヘッド圧付加部15と呼ばれ、キャッピング時に大きなヘ
ッド圧が付加される。なおヘッド圧付加部15は延伸ブロ
ー成形によっても延伸されない部分である。
このような形状の口部1は、耐熱性樹脂層6とポリエ
ステル層7とが交互に形成された多層構造を有し、耐熱
性樹脂層6は、少なくとも口部1の下部において外側か
ら順に5層(6a〜6e)となっている。一方ポリエステル
層7は各耐熱性樹脂層の間に存在し、7a〜7dの4層とな
っている。
開口端16は全面的に耐熱性樹脂層6によって覆われて
いる。また最外層の耐熱性樹脂層6aは、サポートリング
5の上面5a及び外端面5bまでほぼ連続している。
一方肩部2は、外側から順にポリエステル層7a、耐熱
性樹脂層6b、ポリエステル層7b、耐熱性樹脂層6c、ポリ
エステル層7c、耐熱性樹脂層6d、及びポリエステル層7d
からなっており、ここでは耐熱性樹脂層が3層となって
いる。
なお、サポートリング5の下面5cで、リングの根本の
部分はほぼポリエステル層からなっている。このように
応力がかかるサポートリング5の根本に比較的脆い耐熱
性樹脂層がないので、サポートリング5のかけを防止す
ることができる。
耐熱性樹脂層6a〜6eの厚さには特に制限はないが、開
口端16に近づくにつれて耐熱性樹脂層6の占める割合が
多くなるようになっている。耐熱性樹脂層6の割合は、
重量比にして以下の通りであるのが好ましい。
口端シール部13(開口端16から最初のネジ山17まで)
・・・70%以上 ネジ締め部11(開口端16からロッキング部18の下端ま
で)・・・40%以上 ヘッド圧付加部15(開口端16からサポートリング5の
下端まで)・・・30%以上 肩部2・・・3%以上 このように耐熱性樹脂層6の割合を規定することで、
80〜95℃の液体を充填するホットフィルや、70〜80℃の
ホットシャワーを30分ほどボトル上方より施すパステラ
イジングに充分に耐え得るボトルとすることができる。
なお、より好ましい耐熱性樹脂層6の割合は、上記の四
つの部分でそれぞれ80〜90%、50〜60%、40〜50%、及
び5〜10%である。
以上説明したように、口部1と肩部2とに多層の耐熱
性樹脂層を設けることにより耐熱性に優れたボトルとす
ることができる。これはホットフィル又はパステライジ
ングの工程で最も熱くなる部分はボトルの口部及び肩部
であるからである。一方、ボトルの胴部及び底部につい
ては、耐熱性樹脂層を実質的に形成しないが、上記処理
においても60℃で20分程度の温度条件に耐え得るので、
十分である。また耐熱性樹脂は比較的高価であるので、
胴部及び底部に耐熱性樹脂層を形成しないことにより、
ボトル全体のコストを低減することができる。
上記の多層予備成形品の成形は共射出成形法により行
うことができるが、この共射出成形法は、第3図に概略
的に示すホットランナーノズルを用い、ポリエステル樹
脂及び耐熱性樹脂の共射出のタイミングを第4図に例示
するように設定することにより行うことができる。
まず第3図に示すホットランナーノズル30は、二つの
流路A、Bを有し、流路Aはさらに中央の直線状流路A1
と、その外側に設けられた円筒状流路A2とに等しく分か
れている。また流路Bは上記の二つの流路A1、A2間に円
筒状に設けられている。中央流路A1の上端部にはチャッ
キ弁31が設けられており、チャッキ弁31は流路A1と流路
Bとの樹脂圧の差により上下に移動自在であり、流路B
の樹脂圧が高い場合に流路Bが開放し得るようになって
いる。流路Bは流路A1に開口し、流路A1と流路A2は上方
で合流してホットランナーノズル30を出、射出成形型40
のキャビティ41に連絡している。
このようなホットランナーノズル30を用いた多層予備
成形品の製造工程を、第4図に示す共射出のプログラム
及び第5図(a)〜(d)に掲げる共射出の状態を示す
模式図に沿って説明する。なお、この例では流路Aにポ
リエステル樹脂を流し、流路Bに耐熱性樹脂を流す。
まずステップ1で流路Aよりポリエステル樹脂を射出
する。このときホットランナーノズル30のチャッキ弁31
は、第5図の(a)に示すように、ポリエステル樹脂の
射出圧により閉じられており、流路A1及びA2からポリエ
ステル樹脂のみが射出される。
次にステップ2で、ポリエステル樹脂の射出率を下げ
る。さらにステップ3として、ポリエステル樹脂の射出
をステップ2と同様に続けながら耐熱性樹脂を流路Bよ
り射出する。このとき、耐熱性樹脂の射出圧がポリエス
テル樹脂の射出圧より大きくなっているので、チャック
弁31はその差に応じて開き、その分だけ耐熱性樹脂が射
出されることになる。
ステップ3で射出された耐熱性樹脂は、第5図の
(b)に示すように、流路A1とA2とから射出される2つ
のポリエステル樹脂層70a、70b間を進む。このとき耐熱
性樹脂層60は成形型内壁に接触することなく2つのポリ
エステル樹脂層70a及び70b間を進むので、樹脂温度の低
下が少なく流動性が大きい。従って、ポリエステル樹脂
層70a及び70bよりも速いスピードで移動する。
さらに、ステップ4として耐熱性樹脂の射出を止めず
にポリエステル樹脂の射出率を上げる。すると第5図の
(c)に示すように、ステップ3で射出されたポリエス
テル樹脂層70a、70bに加えて、新たにポリエステル樹脂
層70c、70dが樹脂内を進行することになる。このときチ
ャッキ弁31はポリエステル樹脂の射出圧により幾分閉じ
られた状態となるので、耐熱性樹脂は薄く射出される。
またポリエステル樹脂層70c及び70dは樹脂層間を進行す
るので、ポリエステル樹脂70a及び70bよりも速いスピー
ドで移動する。
次にステップ5として、耐熱性樹脂の射出を止め、成
形型を充填するだけの量のポリエステル樹脂を射出し
(第5図の(d))、最後に成形型40内の圧力の調整
(保圧)をし(ステップ6)、射出を終了する。
以上に説明した共射出のプログラムにより多層予備成
形品を成形すれば、口部1の少なくとも下部には9層構
造(耐熱性樹脂層が5層)、肩部2には7層構造(耐熱
性樹脂層が3層)の樹脂層が形成されることになる。以
下にその理由を、共射出された樹脂層の先端部を示す模
式図(第6図(a)〜(e))を参照して説明する。
ステップ3において、第5図の(b)に示すように、
二つのポリエステル樹脂70a及び70b間に耐熱性樹脂が射
出されると、耐熱性樹脂層60は二つのポリエステル樹脂
層70a、70bの間を進むが、中央を流れる耐熱性樹脂層60
の方がスピードが速いので、耐熱性樹脂層60は第6図
(a)に示すように、ポリエステル樹脂の先端50に近づ
く。そして第6図(b)に示すように耐熱性樹脂層60が
ポリエステル樹脂層70a、70bを追い抜き、樹脂層の先端
部50を占めるようになる。この時点では樹脂層はポリエ
ステル樹脂層70a/耐熱性樹脂層60/ポリエステル樹脂層7
0bの3層構造であるが、さらに第6図(c)に示すよう
に、耐熱性樹脂層60は先端50から湧き出してポリエステ
ル樹脂層70a、70bの先端部を覆うようになる。すなわ
ち、二つのポリエステル樹脂層70a及び70bは、耐熱性樹
脂60の内部を進行し、このために耐熱性樹脂60の一部が
成形型内壁面付近に残る。この時点で樹脂層は耐熱性樹
脂層60a/ポリエステル樹脂層70a/耐熱性樹脂層60b/ポリ
エステル樹脂層70b/耐熱性樹脂層60cの5層構造とな
る。
次に、ステップ4では、第5図(c)のように耐熱性
樹脂とポリエステル樹脂が共射出される。新たなポリエ
ステル樹脂層70cと70dは、樹脂層間を進行するので、第
6図(d)に示すように、先行した二つのポリエステル
樹脂層70a、70bより早く進行する。またポリエステル樹
脂層70a、70bに接触している耐熱性樹脂層部分も幾分温
度低下により流動性が低下しているので、ポリエステル
樹脂層70c、70dはそれよりも早く進行することになる。
従って、耐熱性樹脂層60の外側は、ポリエステル樹脂層
70aと70c間に、またポリエステル樹脂層70bと70d間にそ
れぞれ取り残されることになり、最終的に第6図(e)
に示すように、それぞれ新たな耐熱性樹脂層60d及び60e
が形成されることになる。よって樹脂層は5層の耐熱性
樹脂60a〜60eを含む9層構造となる。
このように、成形型内の容積を考慮して、射出する樹
脂の量及びタイミングを適切に設定することで、口部1
の少なくとも下部に5層の耐熱性樹脂層を含む9層構造
の多層予備成形品を製造することができる。なお多層予
備成形品の肩部に設けられる3つの耐熱性樹脂層は、第
6図(e)における耐熱性樹脂層60d、60b及び60eであ
る。
以上の説明から明らかなように、口部の少なくとも下
部に5層の耐熱性樹脂層が成形される条件は、第4図の
ステップ4の工程を行うことであり、詳述すれば、耐熱
性樹脂の射出を停止することなく、ポリエステル樹脂の
射出率を上昇させることにより、第6図(d)〜(e)
に示すような現象を引き起こすことである。これに対し
て、耐熱性樹脂の射出を停止して、ポリエステル樹脂の
射出率を上昇させると、中央の耐熱性樹脂層60bが十分
に長く維持されず、キャビティ内を進行するうちに短く
なるので(耐熱性樹脂層60bが最も中央に位置すること
による)、口部に達したときには消減し、耐熱性樹脂層
は全部で4層となる。
なお、このような多層予備成形品の製造には射出時の
シリンダ温度、シリンダ圧力、ポリエステル樹脂と耐熱
性樹脂との粘度差等をしっかりと規定しておく必要があ
る。特に樹脂の粘度は温度により大きく左右されるの
で、樹脂の温度を一定に保つことは重要であり、たとえ
ば耐熱性樹脂としてUポリマーを用い、ポリエステル樹
脂としてポリエチレンテレフタレートを用いるときは、
Uポリマーの樹脂温度は270〜310℃とし、ポリエチレン
テレフタレートの温度を260〜300℃とするのが好まし
い。より好ましい樹脂温度はUポリマーで280〜295℃で
あり、ポリエチレンテレフタレートでは270〜285℃であ
る。
以上に詳述したように、耐熱性樹脂層が5層となって
いる部分は口部の少なくとも下部であるが、口部の他の
部分では、射出条件により隣接する耐熱性樹脂層が融合
していることもある。しかしその場合でも耐熱性樹脂層
の割合は大きいので、口部は十分な耐熱性を有している
のは明らかである。従って、口部全体が5層の耐熱性樹
脂層を有することが必要であるのでなく、口部の少なく
とも下部において5層の耐熱性樹脂層を有していれば十
分である。
〔実施例〕
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1 ポリエチレンテレフタレート樹脂として三井PETJ125
(三井石油化学(株)製)を用い、耐熱性樹脂としてポ
リエチレンテレフタレートとポリアリレートのブレンド
ポリマー(Uポリマー8400、ユニチカ製)(以下Uポリ
マーと呼ぶ)を用いて、共射出成形法により多層予備成
形品を成形した。
射出成形装置としては第3図に示すホットランナーノ
ズルを用いて、第4図に示す共射出プログラムにより多
層予備成形品の成形を行った。
なおこのときのポリエチレンテレフタレート側の射出
バレル温度を272℃、Uポリマー側の射出バレル温度を2
84℃とした。またポリエチレンテレフタレートの射出率
はステップ1では7.74g/秒、ステップ2及び3では1.8g
/秒、ステップ4では1.8g/秒から2.8g/秒まで増加さ
せ、ステップ5では2.8g/秒を保持した。Uポリマーは
ステップ3及び4において、最大2.8g/秒となるように
した。
得られた多層予備成形品を軸線方向に切断してその断
面を観察した。その結果、口部の下部及び肩部は、第2
図に示すように、それぞれ9層(5層の耐熱性樹脂層)
及び7層(3層の耐熱性樹脂層)となっていることが認
められた。また多層予備成形品の各部でのUポリマーの
占める割合は、口端シール部13で85%、ネジ締め部11で
55%、ヘッド圧付加部15で44%、肩部2では4%であっ
た。
このようにして、得られた多層予備成形品を用い、延
伸ブロー法により多層ボトルを製造し、83〜87℃のホッ
トフィル及び65〜70℃のパステライジングを施したが、
口部及び肩部において良好な耐熱性を有していることが
認められた。
〔発明の効果〕
以上詳述した通り、本発明の多層予備成形品は、口部
の少なくとも下部が5層の耐熱性樹脂層を含む9層より
なり、かつ開口端からサポートリングにかけてほぼ耐熱
性樹脂層に覆われているので、口部の耐熱性が特に優れ
たボトルを提供することができる。このためにホットフ
ィル等による口部の熱収縮は小さく、シール性が良好な
ボトルを得ることができる。
また本発明の多層予備成形品は、肩部を3層の耐熱性
樹脂層を含む7層の多層構造とすることができるので、
これから得られる延伸ブローボトルは、ホットシャワー
によるパステライジング等を適用するのに充分な耐熱性
を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例による多層予備成形品の概略
断面図であり、 第2図は第1図の多層予備成形品の口部及び肩部の部分
拡大断面図であり、 第3図は本発明の多層予備成形品を製造するのに使用す
るホットランナーを示す断面図であり、 第4図は本発明の多層予備成形品を製造する工程を概略
的に示すグラフであり、 第5図(a)〜(d)は耐熱性樹脂とポリエステル樹脂
とを共射出した状態を示す部分概略断面図であり、 第6図(a)〜(e)は耐熱性樹脂とポリエステル樹脂
により多層構造が形成される状態を示す模式図である。 1……口部 2……肩部 3……胴部 4……底部 5……サポートリング 11……ねじ締め部 12……サポートリング部 13……口端シール部 14……ねじ・ロッキングリング部 15……ヘッド圧付加部 6,6a〜6e……耐熱性樹脂層 7,7a〜7d……ポリエステル層 30……ホットランナーノズル 31……チャッキ弁 40……射出成形型 41……キャビティ A1,A2,B……ホットランナーの流路

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル層と耐熱性樹脂層とからなる
    ボトル用多層予備成形品であって、口部と前記口部の下
    端に設けられたサポートリングと、前記サポートリング
    に続く肩部と、胴部及び底部とを有し、前記口部は少な
    くとも下部において外側から耐熱性樹脂層/ポリエステ
    ル層/耐熱性樹脂層/ポリエステル層/耐熱性樹脂層/
    ポリエステル層/耐熱性樹脂層/ポリエステル層/耐熱
    性樹脂層の9層構造を有し、最外層の耐熱性樹脂層は実
    質的に前記口部の開口端から前記サポートリングまで連
    続して形成されていることを特徴とする多層予備成形
    品。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の多層予備成形品におい
    て、前記肩部はポリエステル層/耐熱性樹脂層/ポリエ
    ステル層/耐熱性樹脂層/ポリエステル層/耐熱性樹脂
    層/ポリエステル層の七層構造を有することを特徴とす
    る多層予備成形品。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の多層予備成形品に
    おいて、耐熱性樹脂層の占める割合が前記開口端に近づ
    くにつれて多くなっており、前記耐熱性樹脂層の割合
    (重量比)は口端シール部では70%以上であり、ネジ締
    め部では40%以上であり、ヘッド圧付加部では30%以上
    であることを特徴とする多層予備成形品。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の多層予
    備成形品において、前記胴部及び前記底部には前記耐熱
    性樹脂層が実質的に形成されていないことを特徴とする
    多層予備成形品。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかに記載の多層予
    備成形品において、前記ポリエステル樹脂がポリエチレ
    ンテレフタレートであることを特徴とする多層予備成形
    品。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかに記載の多層予
    備成形品において、前記耐熱性樹脂がポリアリレートと
    ポリエチレンテレフタレートの混合物であることを特徴
    とする多層予備成形品。
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