JP2848603B2 - 音声録音再生装置 - Google Patents

音声録音再生装置

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JP2848603B2 JP63025940A JP2594088A JP2848603B2 JP 2848603 B2 JP2848603 B2 JP 2848603B2 JP 63025940 A JP63025940 A JP 63025940A JP 2594088 A JP2594088 A JP 2594088A JP 2848603 B2 JP2848603 B2 JP 2848603B2
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【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、音声信号を分析し、循環してメモリに記
憶する音声録音再生装置に関する。
〈従来の技術〉 従来より、音声信号を分析し、循環して音声符号メモ
リに記憶することによって、再生時において録音した内
容を再生指定時から溯って再生することができる音声録
音再生装置がある。この音声録音再生装置は録音内容を
溯って再生できるため英会話の練習等に広く使用されて
いる。以後、このような装置のことをリピート録音再生
装置と呼ぶことにする。
まず、一般的なリピート録音再生装置の再生時の動作
を簡単に説明する。
第9図はリピート録音されている音声符号メモリの模
式図を示す。第9図(a)はリピート録音が始まって、
まだ音声符号メモリが一杯になるまで録音が進行してい
ない場合を示す。ここで、音声符号メモリの最上位番地
Cの次の番地Aが最下位番地になっている。この場合、
実際に録音されているのは、A点からB点までの波形で
模式的に表わされている区間であり、この場合、B点で
再生が指定されるとA点まで溯ってA点からB点までの
内容が再生される(この再生が繰り返し行なわれるもの
もある)。このように、直接A点まで溯って再生をする
ことによって不要部分は再生されない。
また、第9図(b)は、リピート録音で音声符号メモ
リが一杯になるまで録音が進行した場合を示す。この場
合、B点で再生が指定されたとすると、再生はB点の次
のアドレスDから再生が開始される。つまり、再生指定
時より音声符号メモリに記憶した時間長だけ溯って再生
が実行されるのである。再生の順序としてはD点からC
点,A点を介してB点まで連続して再生される。
以上のように、録音された音声符号が、常時循環して
音声符号メモリに記憶されているので、再生時には録音
された時間長だけ溯った時点より再生が行なわれる。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、上記リピート録音再生装置において再
生を指定すると録音された時間長だけ溯った時点から再
生が開始されるので、この再生の開始点は音声の発声の
途中であったり、例えば溯り過ぎたりして、常時使用者
が所望する再生開始場所から再生されるとは限らない。
それで、再生の最初が聞きづらかったり、不要な部分の
再生が実行されたりするという問題があった。
そこで、この発明の目的は、リピート録音時には無音
検出を行なって記録し、再生時にはこの無音部の情報に
基づいて頭出しを行なうことにより、再生の開始点が音
声の発声の途中になることがなく、使用者の所望する位
置からの再生が可能となる音声録音再生装置を提供する
ことにある。
〈課題を解決するための手段〉 上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、符
号化器,録音部アドレスカウンタ,音声符号メモリ,有
音無音判定器,レジスタ,無音入力記憶手段,アドレス
一致回路,再生部アドレスカウンタ,復号化器からなる
音声録音再生装置であって、符号化器は,入力される音
声信号を音声符号に符号化し、録音部アドレスカウンタ
は,録音時,音声符号メモリのアドレスを循環して指定
する書込アドレスを出力し、音声符号メモリは、録音
時,録音部アドレスカウンタの書込アドレスにしたがっ
て音声符号を記憶し、再生時,再生部アドレスカウンタ
の読出アドレスにしたがって音声符号を出力し、有音無
音判定器は,入力される音声信号が無音から有音に変化
した際に制御信号を出力し、レジスタは,制御信号の入
力時に録音部アドレスカウンタの書込アドレスを無音指
定アドレスとして格納し、無音入力記憶手段は,制御信
号によりセットされ,リセット信号によりリセットさ
れ、アドレス一致回路は,書込アドレスと無音指定アド
レスの一致を検出した際にリセット信号を出力し、再生
部アドレスカウンタは,再生時,音声符号メモリのアド
レスを循環して指定する読出アドレスを出力するととも
に,無音入力記憶手段がセットされているときは,無音
指定アドレスを開始の読出アドレスとし、復号化器は,
音声符号メモリから出力される音声符号を音声信号に復
号し出力することを特徴としている。
また、請求項2に係る発明は、録音部,音声符号メモ
リ,再生部からなる音声録音再生装置であって、録音部
は,録音部アドレスカウンタ,符号化手段,有音無音判
定手段,録音部レジスタ,無音時間長計測手段,無音符
号書出器からなり、録音部アドレスカウンタは,録音
時,音声符号メモリのアドレスを循環して指定する書込
アドレスを出力し、符号化手段は,入力される音声信号
を音声符号に符号化するとともに,停止信号が入力され
た際にその動作を停止し、有音無音判定手段は,入力さ
れる音声信号が有音か無音かを判定するとともに,無音
の場合,符号化手段に停止信号を出力し、録音部レジス
タは,録音時,有音から無音に変化したときの録音部ア
ドレスカウンタの書込アドレスを前無音符号アドレスと
して保持し、無音時間長計測手段は,録音時,有音無音
判定手段の出力に基づいて無音時間長を計測し、無音符
号書出器は,録音時,無音から有音に変化したとき、無
音であることを示す符号,録音部レジスタの前無音符号
アドレス,無音時間長計測手段の無音時間長を無音符号
として音声符号メモリに書込み、音声符号メモリは、録
音時,録音部アドレスカウンタの書込アドレスにしたが
って音声符号,無音符号を記憶するとともに、再生時,
再生部アドレスカウンタの読出アドレスにしたがって音
声符号、無音符号を出力し、再生部は,再生部レジス
タ,再生部アドレスカウンタ,符号判定器,スタック,
カウンタ,復号化手段からなり、再生部レジスタは、録
音時,録音部レジスタと同じ内容を前無音符号アドレス
として保持し、再生時,音声符号メモリの出力する現無
音符号アドレスとその無音時間長,及び,前無音符号ア
ドレスを保持し、逆戻し頭出し再生時,再生部レジスタ
の前無音符号アドレスを再生部アドレスカウンタに出力
するとともに,現無音符号アドレスをスタックにプッシ
ュし、再生部アドレスカウンタは,再生時,音声符号メ
モリのアドレスを循環して指定する読出アドレスを出力
するとともに,再生部レジスタ,スタックから入力され
るアドレスを読出アドレスとして出力し、符号判定器
は,音声符号メモリの出力が無音符号の場合には再生部
レジスタの内容を更新し、スタックは,再生部レジスタ
からプッシュされる現無音符号アドレスを複数記憶する
とともに,早送り頭出し再生時,記憶する現無音符号ア
ドレスを再生部アドレスカウンタにポップし、カウンタ
は,再生部レジスタに無音時間長に基づいて無音信号を
生成し出力し、復号化手段は,音声符号メモリから出力
される音声符号を音声信号に復号し出力することを特徴
としている。
〈作用〉 請求項1に係る発明においては、録音時に、入力され
た音声信号が符号化器によって音声符号に符号化され、
録音部アドレスカウンタによって指定される書込アドレ
スに従って音声符号メモリに循環して記憶される。その
際に、有音無音判定器によって、入力音声信号が無音か
ら有音に変化したと判定されると制御信号が出力され
る。そして、この制御信号に基づいて、上記録音部アド
レスカウンタの書込アドレスが無音指定アドレスとして
レジスタに格納されると共に、無音入力記憶手段がセッ
トされる。さらに、アドレス一致回路によって、上記書
込アドレスと無音指定アドレスが一致する場合にはリセ
ット信号が出力され、このリセット信号に基づいて上記
無音入力記憶手段がリセットされる。
そして、再生が指定されると、上記無音入力記憶手段
がセットされている場合には、再生アドレスカウンタに
よって、上記レジスタに格納されている無音指定アドレ
スが開始の読出アドレスとして出力される。そして、以
後、上記再生アドレスカウンタによって指定される読出
アドレスに従って音声符号メモリから循環して出力され
る音声符号が復号化器によって音声信号に復号されて出
力される。
したがって、過去の一定時間内に無音期間がある場合
は、その無音期間が有音信号に変わる位置に溯って音声
再生が実行できるので、再生の開始が発声内容の途中か
ら始まって聞きづらいということがなくなる。
また、請求項2に係る発明においては、録音時に、入
力された音声信号が符号化手段によって音声符号に符号
化され、録音部アドレスカウンタによって指定される書
込アドレスに従って音声符号メモリに循環して記憶され
る。その際に、有音無音判定手段によって、入力音声信
号が無音と判定されると上記符号化手段に停止信号が出
力される。そうすると、上記符号化手段の動作が停止さ
れ、無音時間長が無音時間長計測手段によって計測さ
れ、上記録音部アドレスカウンタの書込アドレスが前無
音符号アドレスとして録音部レジスタおよび再生部レジ
スタに保持される。さらに、上記有音無音判定手段によ
って入力信号が無音から有音に変化したと判定される
と、無音であることを示す符号と、録音部レジスタの前
無音符号アドレスと、上記無音時間長計測手段からの無
音時間長とから成る無音符号が、無音符号書出器によっ
て上記音声符号メモリに書込まれる。
そして、再生の際には、再生部アドレスカウンタから
上記再生部レジスタの内容に基づいて読出アドレスが出
力され、この読出アドレスに従って音声符号メモリから
出力される音声符号が復号化手段によって音声信号に復
号化される。そして、符号判定器によって、上記音声符
号メモリからの音声信号が無音符号であると判定された
場合には、再生部レジスタに現音無音符号アドレスとそ
の無音時間長および前無音符号アドレスが書込み更新さ
れる。そして、カウンタによって上記再生部レジスタの
無音時間長に基づいて無音信号が生成される。
さらに、逆戻し頭出し再生時には、上記再生部レジス
タの前無音符号アドレスが再生部アドレスカウンタに出
力されて頭出し再生が行われると共に、現無音符号アド
レスがスタックにプッシュされる。そして、早送り頭出
し再生時には、スタックに記憶された現無音符号アドレ
スが上記再生部アドレスカウンタにポップされて、早送
り頭出し再生が行われる。
こうして、再生時、逆戻し頭出し再生時および早送り
頭出し再生時において、再生の開始が発声の途中になる
ことがなく、非常に簡単に所望の再生位置から再生が行
われる。
〈実施例〉 以下、この発明の音声録音再生装置を図示の実施例に
より詳細に説明する。
第1図は第1の発明の音声録音再生装置の一実施例の
録音部を示す。この音声録音再生装置の録音部は、 符
号化器101,アドレスカウンタ102,音声符号メモリ103,有
音無音判定器104,レジスタ105,フリップフロップ106お
よび一致回路107で構成されている。
上記アドレスカウンタ102は音声符号メモリ103のアド
レスを循環して指定するカウンタである。このアドレス
カウンタ102は符号化器101から出力される音声符号を音
声符号メモリ103に書込む毎に、上記音声符号のビット
長分だけアドレスのカウント数が進むカウンタである。
上記レジスタ105は、上記アドレスカウンタ102のアドレ
ス値を格納するレジスタである。
上記有音無音判定器104は音声信号をある一定時間長
のフレーム単位で有音無音判定するものであって、判定
結果が無音から有音に変化した際に、上記フリップフロ
ップ106をセットしたり、レジスタ105にアドレスカウン
タ102の値を取込むように制御信号を出力する。
上記構成の音声録音再生装置は、次のように動作す
る。
まず、録音時には、入力端子に入った音声信号は符号
化器101で符号化されると共に、有音無音判定器104にも
入力される。符号化器101からの出力信号(音声符号)
は、アドレスカウンタ102の制御にしたがって、音声符
号メモリ103の所定のアドレスに書き込まれる。但し、
このアドレスカウンタ102は音声符号メモリ103を循環的
にアクセスする。録音中にある程度の時間長を有する無
音信号が入力されると、有音無音判定器104は無音信号
を検出する。そして、次に有音信号を検出するとアドレ
スカウンタ102の値をレジスタ105に転送し、フリップフ
ロップ106をセットして無音信号を検出したことを記憶
しておく。
その後、無音信号が全く入力されずに録音が進むと、
アドレスカウンタ102内の音声符号メモリの書込みアド
レスが一巡し、先に無音信号を検出したときにレジスタ
105に記憶したアドレス値に一致してしまう。この場
合、レジスタ105に記憶された先の無音信号の位置を示
すアドレス値は無効にしなければならない。したがっ
て、一致回路107によってアドレスカウンタ102とレジス
タ105の値の一致が検出されるとフリップフロップ106が
リセットされる。
次に、再生が指定された時の動作を説明する。
再生が指定されると、まず、フリップフロップ106が
セットされているか否かが調べられる。その結果、セッ
トされている場合、過去の一定時間長(音声符号メモリ
103に記憶されている時間長)内に無音が検出されてい
る。したがって、レジスタ105に蓄えられている無音信
号の位置を示すアドレス値を、図示しない再生部のアド
レスカウンタに転送し、そのアドレス値から音声符号メ
モリをアクセスして音声を再生することで、逆戻りの頭
出し再生が実行される。一方、フリップフロップ106が
リセットされている場合は、過去の一定時間長内には無
音が検出されなかったので、再生は第9図(b)に示し
たリピート録音再生装置と同様に、録音終了時のアドレ
スカウンタの値の次のアドレスから音声符号が読み出さ
れて、再生が実行される。
第2図は第2の発明の音声録音再生装置の録音部を示
す。この録音部は、符号化器201,マルチプレクサ202,ア
ドレスカウンタ203,音声符号メモリ204,有音無音判定器
205,カウンタ206,無音符号書出器207およびレジスタ208
で構成されている。そして、この録音部は、上述の第1
の発明の頭出し機能に加えて、カセットテープレコーダ
ーの頭出し機構と同様の、無音符号に基づく、逆戻し,
早送りの頭出し機能が実現できる。
以下、この逆戻し,早送りの頭出し機能について説明
する。
ここで、音声信号に含まれる無音部は、第4図に示す
ようなデータ構造で符号化されて音声符号メモリ204に
記憶される。第4図の音声符号メモリは、エンド点の次
のアドレスがビギン点になっている循環形のメモリであ
る。内部に示された斜線部は通常の音声符号であり、他
の空白部分が無音符号を表わしている。上記無音符号は
以下の3種の情報を組合わせた構造をしている。その3
種の情報は、第1に無音であることを示す特殊符号SM、
第2に無音時間長を表わす符号ST、および、第3に直前
の無音符号を書込んだ音声符号メモリ204上のアドレス
値から構成されている。
まず、上記構成の音声録音再生装置の録音時の動作を
説明する。入力端子から入力された音声信号は、符号化
器201と有音無音判定器205に入力される。有音無音判定
器205で入力音声が有音信号と判定されると、符号化器2
01によって符号化され、上記第1の発明と同様にして音
声符号メモリ204に音声符号が書込まれる。
一方、入力音声が無音符号と判定されると、無音時間
長をカウントするカウンタ206がリセットされてカウン
トアップを開始すると共に、符号化器201に符号化処理
のストップを指示する。その後、入力音声が有音と判定
されたときに、無音符号書出器207によって、上記無音
信号であること表わす特殊符号(第4図中のSM)と、カ
ウンタ206によって計測された無音時間長(第4図中のS
T)と、レジスタ208から取込まれた1符号前の無音符号
を書込んだ音声符号メモリ204上のアドレス値(但し、
初めて無音符号を書込む時は、現在のアドレスが設定さ
れる)が音声符号メモリ204に書込まれる。その後、レ
ジスタ208には今回無音符号を書込んだ音声符号メモリ2
04のアドレス値がアドレスカウンタ203から取込まれて
代入されて、次に無音が入力されるまで待機する。
次に、この音声録音再生装置の再生時の動作を、再生
指定時の逆戻し頭出し、再生中の逆戻し頭出し、再生中
の早送り頭出しの順に説明する。
第3図は第2の発明の音声録音再生装置の再生部を示
す。この再生部は、音声符号メモリ301,アドレスカウン
タ302,符号判定器303,復号化器304,無音時間長レジスタ
305,前無音符号アドレス・レジスタ306,現無音符号アド
レス・レジスタ313,スタック308,一致回路309およびオ
ア回路310で構成される。
まず、再生指定時の頭出しは、上記第1の発明の場合
と同様にして実施される。要約して記すと、録音中は常
時直前に無音符号を書込んだアドレスが上記録音部のレ
ジスタ208(これは再生部の前無音符号アドレス・レジ
スタ306と同じもの)に記憶されており、再生が指定さ
れたとき、前無音符号アドレス・レジスタ306の内容が
アドレスカウンタ302に入られて再生が開始されて、再
生指定時の逆戻し頭出しが実行される。
次に、再生中の逆戻し頭出しについて説明する。例え
ば、第4図において、エンド点まで録音されて、その時
点で再生が指定されたとすると、上記再生時の逆戻し頭
出しで、C点に溯って再生が開始される。この場合、第
3図のアドレスカウンタ302には、C点のアドレスが代
入されて再生が開始される。ここで、音声符号メモリ30
1から受け取った符号は、無音符号(SM)であり、符号
化判定器303によって無音符号であると判定され、現ア
ドレスカウンタ302のアドレス値(C)が現無音符号ア
ドレス・レジスタ313に代入され、無音時間長(ST)が
無音時間長レジスタ305に代入され、そして、前無音符
号アドレス(B)が前無音符号アドレス・レジスタ306
に代入される。
そして、再生が行なわれている間に、逆戻しスイッチ
312が押されると、上記現無音符号アドレス・レジスタ3
13に記憶されている現無音符号のアドレス値(C)がス
タック308にプッシュされると共に、前無音符号アドレ
ス・レジスタ306に記憶されている前無音符号のアドレ
ス値(B)がアドレスカウンタ302に代入され、B点か
ら再生が開始される。この後の逆戻しスイッチ312の操
作時についても同様である。つまり、再生中の逆戻し頭
出しは、音声符号メモリ301に蓄積されている無音符号
が連結リストの構造を持っているので、実現される訳で
ある。
但し、逆戻し頭出しで溯れる個数には制限がある。例
えば第4図において、A点まで溯って再生している間に
もう一度逆戻しスイッチ312を押して逆戻し頭出しを指
定すると、A点の無音符号に記憶されている前無音符号
アドレス値(X)に戻ろうとする。しかし、音声符号メ
モリ301には循環して音声符号が書込まれているので、
既にX点には新しい音声符号データが書込まれており、
逆戻しはできない。このチェックは、次のようにして行
なわれる。音声符号が音声符号メモリ301の低番地から
高番地へと書込まれているとすると、再生を指定したア
ドレスを“STOP",現在の無音符号のアドレスを“CURREN
T",逆戻りしようとしている無音符号のアドレスを“PRE
VIOUS"と表わすと、上記チェックは次式で表わされる。
(イ)“STOP"≦“CURRENT"の時 (a)“STOP"<“PREVIOUS"<“CURRENT"なら逆戻し可
能。
(b)その他に時は逆戻し不可能。
(ロ)“CURRENT"<“STOP"の時 (a)“CURRENT"<“PREVIOUS"<“STOP"なら逆戻し不
可能。
(b)その他の時は逆戻し可能。
次に、再生中の早送り頭出しについて説明する。
第4図において、エンド点まで録音されて、その時点
で再生が指定され、その後、2度逆戻しスイッチ312が
操作されることにより逆戻し頭出しを2度実行したとす
ると、スタック308の内容は第5図(a)のようにな
る。ここで、再生はA点から実行される。ここで1度早
送りスイッチ311が押されると、スタック308からトップ
の要素(この場合B)がポップされ、アドレスカウンタ
302に代入され、B点から再生が開始されて早送りの頭
出しが実行される。この後の早送りスイッチ311の操作
時についても同様である。
但し、ここで再生中の早送り頭出しは、スタック308
を用いて実現されているので、スタックが空、つまり、
再生中の逆戻し頭出しが実行されていないと実行できな
い。早送り頭出しと逆戻し頭出しは相対の関係にある。
さらに、このスタック操作は、早送り頭出し時にポッ
プするのみでなく、再生中に、無音符号を検出した時も
ポップするようにしている。すなわち、第4図におい
て、上記操作後B点から再生が実行された時のスタック
の内容は、第5図(b)のようになっている。この後再
生が継続して実行されると、C点で無音符号とが検出さ
れる。そうすると、この後、もはや早送り操作でC点に
よる頭出が実行されることはないので、アドレスカウン
タ302とスタック308のトップの値(現在はC)が一致回
路309によって一致したと判定されたときにスタック308
のポップが行われる。その後のスタックの内容は第5図
(c)のようになる。ここで、符号化判定器303によっ
て特殊符号SMが検出されると、無音時間長レジスタ305
に格納された無音時間長がカウンタ307に読出され、こ
の無音時間長に対応した零のカウンタ307より出力され
て、無音符号が再生される。
以上のような動作で、再生指定時の逆戻し頭出し,再
生中の逆戻し頭出しおよび再生中の早送り頭出しが実現
される。
この発明の録音再生装置をカッセトテープレコーダに
組込んで、リピート録音再生機能を実現した場合の操作
方法を次に例示する。第6図は上記カセットテープレコ
ーダに組込まれた本録音再生装置の制御を行うスイッチ
であり、カッセトテープレコーダのスイッチと共用でき
る。
以下、このカセットテープレコーダの動作の概略を説
明する。
まず、通常のテープの再生時は、本録音再生装置は常
時録音を行っている。ここで、第6図のスイッチPAUSE
が押されると、テープは一時停止し、本録音再生装置は
再生指定時の逆戻し頭出しの再生を開始する。このスイ
ッチPAUSEが押されている間は、第6図のスイッチFF,RW
はテープの操作スイッチとして動作せず、代わりに、本
録音再生装置に対する早送り頭出しスイッチまたは逆戻
し頭出しスイッチとして働く。但し、スイッチFF,RW
は、モーメンタリスイッチのようなものが望ましい。
次に、具体的に第7図のように音声符号メモリに録音
された場合について説明する(但し、図中SMは、上記一
連の無音符号を表わす)。ここで、使用者はB点からの
再生を希望しているとする。以下、リピート再生指定時
点からの動作を第7図を用いて順に示す。
(1)D点においてスイッチPAUSEが押され、リピート
再生が指定される。
(2)再生指定時の逆戻し頭出し処理により、C点に溯
り再生が開始される。
(3)C点は使用者の希望する再生開始位置でないの
で、スイッチRWによって逆戻し頭出しを指定する。
(4)時点B点から再生が開始される。ここで誤っても
う一度スイッチRWを押してしまうと、A点に溯って再生
が実行される。
(5)ここで使用者は、溯り過ぎに気づきスイッチFFを
押しB点から再生が開始される。
(6)その後、時点DまでスイッチRW,FFの指定が一度
もなく再生が行われた場合、このB点が使用者の希望し
た再生開始位置と見なし、このB点からD点までの区間
をスイッチPAUSEが解除されるまで、繰り返し再生され
る。
(7)スイッチPAUSEが解除されると、リピート再生は
停止しテープの再生が再開され、本録音再生装置はこの
テープからの信号の録音を再開する。
上記第2の発明は、早送り頭出しにスタック308を使
用している。そこで、もしスタック領域が充分に与えら
れない場合はオーバーフローしてしまうので問題とな
る。この解決策としては、第8図に示すように、録音時
の上記無音符号を以下のような構成にすることで解決で
きる。すなわち、無音符号の構成として、第1に無音を
示すための特殊符号SM、第2に無音時間長を表わす符号
ST、第3に直前の無音符号を出力するアドレス値、第4
に次に無音符号を出力するアドレス値で構成される。こ
こで、この4番目の要素(次に無音符号を出力するアド
レス値)は、その時点では決定できず、次の無音符号が
入力された時点で決定されるので録音時の処理が少々複
雑になるが、無音符号の構成が、前後の無音符号のアド
レスを持つ双方向連結リストの構成になっているので、
再生時においてはスタック等が一切不要となる。
〈発明の効果〉 以上より明らかなように、請求項1に係る発明の音声
録音再生装置は、音声信号を符号化して、録音部アドレ
スカウンタによって指定される書込アドレスに従って音
声符号メモリに循環して記憶する場合に、入力音声信号
が無音から有音に変化した際に有音無音判定器から制御
信号が出力され、この制御信号に基づいて、レジスタに
上記録音部アドレスカウンタの書込アドレスを無音指定
アドレスとして格納すると共に、無音入力記憶手段をセ
ットし、更にアドレス一致回路によって、上記書込アド
レスと無音指定アドレスとが一致する場合にはリセット
信号が出力され、このリセット信号に基づいて上記無音
入力記憶手段をリセットするので、再生が指定される
と、上記無音入力記憶手段がセットされている場合に
は、上記レジスタに格納されている無音信号から有音信
号に変わる位置のアドレス値まで溯って音声再生を実行
できる。したがって、再生の開始が発声の途中になるこ
とがない。
また、請求項2に係る発明の音声録音再生装置は、音
声信号を符号化して、録音部アドレスカウンタによって
指定される書込アドレスに従って音声符号メモリに循環
して記憶する際に、有音無音判定手段の判定結果が無音
であるときに符号化手段の動作を停止させて無音時間長
の計測を開始すると共に、上記録音部アドレスカウンタ
のアドレスを録音部レジスタおよび再生部レジスタに格
納する一方、上記有音無音判定手段の判定結果が無音か
ら有音に変化したときに、無音であることを示す符号と
前無音符号アドレスと無音時間長とから成る無音符号
を、無音符号書出器によって音声符号メモリに書込む。
そして、上記再生部レジスタの内容に基づく再生に際し
て、符号判定器によって、上記音声符号メモリから出力
された音声信号が上記無音符号であると判定された場合
には、上記再生部レジスタに現無音符号アドレスとその
無音時間長および前無音符号アドレスを書込み更新する
ようにしたので、上記再生部レジスタの内容に基づいて
音声の逆戻し頭出し再生および早送り頭出し再生を行う
ことができる。したがって、再生の開始が発声の途中に
なることがなく、非常に簡単な操作で所望の再生位置か
ら音声再生ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1の発明の音声録音再生装置の一実施例のブ
ロック図、第2図は第2の発明の音声録音再生装置の録
音部の一実施例のブロック図、第3図は上記第2の発明
の音声録音再生装置の再生部の一実施例のブロック図、
第4図は第2図に示す録音部によって録音された音声符
号メモリの内容の一例を示す図、第5図は第3図に示す
再生部のスタックの内容の一例を示す図、第6図はこの
発明の音声録音再生装置をカセットテープレコーダに接
続した場合の説明図、第7図は第6図に示したカセット
テープレコーダによって録音された音声符号メモリの内
容の一例を示す図、第8図は第2の発明の上記実施例と
は異なる実施例によって録音された音声符号メモリの内
容の一例を示す図、第9図は従来のリピート録音再生装
置の動作の説明図である。 101,201……符号化器、102,203,302……アドレスカウン
タ、103,204,301……音声符号メモリ、105,208……レジ
スタ、106……フリップフロップ、107,309……一致回
路、202……マルチプレクサ、206,307……カウンタ、20
7……無音符号書出器、303……符号判定器、304……復
号化器、305……無音時間長レジスタ、306……前無音符
号アドレス・レジスタ、308……スタック、310……オア
回路、311……早送りスイッチ、312……逆戻しスイッ
チ、313……現無音符号アドレス・レジスタ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−179500(JP,A) 特開 昭61−182699(JP,A) 特開 昭57−102692(JP,A) 特開 昭61−121100(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G10L 9/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】符号化器(101)、録音部アドレスカウン
    タ(102)、音声符号メモリ(103)、有音無音判定器
    (104)、レジスタ(105)、無音入力記憶手段(10
    6)、アドレス一致回路(107)、再生部アドレスカウン
    タ(302)、復号化器(304)からなる音声録音再生装置
    であって、 符号化器(101)は、入力される音声信号を音声符号に
    符号化し、 録音部アドレスカウンタ(102)は、録音時、音声符号
    メモリ(103)のアドレスを循環して指定する書込アド
    レスを出力し、 音声符号メモリ(103)は、 録音時、録音部アドレスカウンタ(102)の書込アドレ
    スにしたがって音声符号を記憶し、 再生時、再生部アドレスカウンタ(302)の読出アドレ
    スにしたがって音声符号を出力し、 有音無音判定器(104)は、入力される音声信号が無音
    から有音に変化した際に制御信号を出力し、 レジスタ(105)は、制御信号の入力時に録音部アドレ
    スカウンタ(102)の書込アドレスを無音指定アドレス
    として格納し、 無音入力記憶手段(106)は、制御信号によりセットさ
    れ、リセット信号によりリセットされ、 アドレス一致回路(107)は、書込アドレスと無音指定
    アドレスの一致を検出した際にリセット信号を出力し、 再生部アドレスカウンタ(302)は、再生時、音声符号
    メモリ(103)のアドレスを循環して指定する読出アド
    レスを出力するとともに、無音入力記憶手段(106)が
    セットされているときは、無音指定アドレスを開始の読
    出アドレスとし、 復号化器(304)は、音声符号メモリ(103)から出力さ
    れる音声符号を音声信号に復号し出力する 音声録音再生装置。
  2. 【請求項2】録音部、音声符号メモリ(204)、再生部
    からなる音声録音再生装置であって、 録音部は、録音部アドレスカウンタ(203)、符号化手
    段(201)、有音無音判定手段(205)、録音部レジスタ
    (208)、無音時間長計測手段(206)、無音符号書出器
    (207)からなり、 録音部アドレスカウンタ(203)は、録音時、音声符号
    メモリ(204)のアドレスを循環して指定する書込アド
    レスを出力し、 符号化手段(201)は、入力される音声信号を音声符号
    に符号化するとともに、停止信号が入力された際にその
    動作を停止し、 有音無音判定手段(205)は、入力される音声信号が有
    音か無音かを判定するとともに、無音の場合、符号化手
    段(201)に停止信号を出力し、 録音部レジスタ(208)は、録音時、有音から無音に変
    化したときの録音部アドレスカウンタ(203)の書込ア
    ドレスを前無音符号アドレスとして保持し、 無音時間長計測手段(206)は、録音時、有音無音判定
    手段(205)の出力に基づいて無音時間長を計測し、 無音符号書出器(207)は、録音時、無音から有音に変
    化したとき、無音であることを示す符号、録音部レジス
    タ(208)の前無音符号アドレス、無音時間長計測手段
    (206)の無音時間長を無音符号として音声符号メモリ
    (204)に書込み、 音声符号メモリ(204)は、 録音時、録音部アドレスカウンタ(203)に書込アドレ
    スにしたがって音声符号、無音符号を記憶するととも
    に、 再生時、再生部アドレスカウンタ(302)の読出アドレ
    スにしたがって音声符号、無音符号を出力し、 再生部は、再生部レジスタ(305、306、313)、再生部
    アドレスカウンタ(302)、符号判定器(303)、スタッ
    ク(308)、カウンタ(307)、復号化手段(304)から
    なり、 再生部レジスタ(305、306、313)は、 録音時、録音部レジスタ(208)と同じ内容を前無音符
    号アドレスとして保持し、 再生時、音声符号メモリ(204)の出力する現無音符号
    アドレスとその無音時間長、及び、前無音符号アドレス
    を保持し、 逆戻し頭出し再生時、再生部レジスタ(306)の前無音
    符号アドレスを再生部アドレスカウンタ(302)に出力
    するとともに、現無音符号アドレスをスタック(308)
    にプッシュし、 再生部アドレスカウンタ(302)は、再生時、音声符号
    メモリ(204)のアドレスを循環して指定する読出アド
    レスを出力するとともに、再生部レジスタ(306)、ス
    タック(308)から入力されるアドレスを読出アドレス
    として出力し、 符号判定器(303)は、音声符号メモリ(204)の出力が
    無音符号の場合には再生部レジスタ(305、306、313)
    の内容を更新し、 スタック(308)は、再生部レジスタ(313)からプッシ
    ュされる現無音符号アドレスを複数記憶するとともに、
    早送り頭出し再生時、記憶する現無音符号アドレスを再
    生部アドレスカウンタ(302)にポップし、 カウンタ(307)は、再生部レジスタ(305)に無音時間
    長に基づいて無音信号を生成し出力し、 復号化手段(304)は、音声符号メモリ(204)から出力
    される音声符号を音声信号に復号し出力する 音声録音再生装置。
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