JP2847335B2 - ラジアル軸受装置及び該ラジアル軸受装置を備えたキャンドモータ - Google Patents

ラジアル軸受装置及び該ラジアル軸受装置を備えたキャンドモータ

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JP2847335B2 JP17169192A JP17169192A JP2847335B2 JP 2847335 B2 JP2847335 B2 JP 2847335B2 JP 17169192 A JP17169192 A JP 17169192A JP 17169192 A JP17169192 A JP 17169192A JP 2847335 B2 JP2847335 B2 JP 2847335B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はラジアル軸受装置及び該
ラジアル軸受装置を備えたキャンドモータに係り、特に
キャンドモータにおける回転子を回転支承するためのラ
ジアル軸受装置及び該ラジアル軸受装置を備えたキャン
ドモータに関する。
【0002】
【従来の技術】キャンドモータポンプは、取扱液を自己
循環させ、取扱液によって軸受の潤滑とモータの冷却を
行うようにしている。キャンドモータは、一般に、回転
子を両側で支える2ヵ所のラジアル軸受と、負荷側及び
反負荷側の両軸方向のスラスト荷重を支える2ヵ所のス
ラスト軸受とを備えている。一般的に、セラミックスは
硬度が高く、複雑な加工は困難である。また素材成形時
にも、均質さを必要とするため、可能なかぎり単純な形
状が望ましい。したがって、セラミックスをラジアル軸
受に使用する場合には、廻り止め構造を極力単純にする
必要がある。 $ しかして、従来のセラミックス製ラジアル軸受は接着剤
によって軸受ハウジングに固定するか、または軸受ハウ
ジングに圧入によって固定していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述したようにセラミ
ックスからなるラジアル軸受を軸受ハウジングに固定す
るに際して、接着剤を使用した場合には、接着剤の剥離
等によってラジアル軸受が軸受ハウジングに対して回転
してしまう場合があるという問題点があった。
【0004】一方、ラジアル軸受を軸受ハウジングに圧
入した場合には、温度変化等によって嵌合が緩くなり、
同様にラジアル軸受が軸受ハウジングに対して回転して
しまうという問題点があった。
【0005】本発明は上述の事情に鑑みなされたもの
で、その目的とする処は、簡易にラジアル軸受の廻り止
めが行えるとともに、始動時等にラジアル軸受に衝撃荷
重が加わることがないラジアル軸受装置を提供するとと
もに、該ラジアル軸受装置を備えたキャンドモータを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため本発明のセラミックス製ラジアル軸受装置は、セラ
ミックスからなる略円筒状のラジアル軸受と、このラジ
アル軸受を保持する軸受ハウジングとを備えたラジアル
軸受装置において、前記軸受ハウジングに貫通孔を設
け、前記ラジアル軸受に前記貫通孔に対応した位置に
を設け、前記貫通孔及び凹部に一体に樹脂材を注入し
固化させたことを特徴とするものである。
【0007】また、本発明のキャンドモータは、モータ
フレームとキャンとにより形成された密閉室内に設けら
れた固定子と、前記固定子と同心状に配設された回転子
と、該回転子を回転支承する請求項1記載のラジアル軸
受装置とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
【作用】前述した構成からなる本発明によれば、軸受ハ
ウジングの貫通孔とラジアル軸受の未貫通孔に一体に注
入固化された樹脂材は、ラジアル軸受の廻り止めを行う
とともに、始動時に加わる衝撃力を吸収し衝撃に弱いセ
ラミックスからなるラジアル軸受を保護することができ
る。また樹脂注入によりラジアル軸受を軸受ハウジング
に固定するので、ラジアル軸受の孔の寸法精度は素材成
形時のまま、あるいは、素材成形後の加工で良く、ラジ
アル軸受を硬度の高い焼成後に加工する必要がない。し
たがって、硬く加工しにくいセラミックス製ラジアル軸
受に有効な廻り止め手段となる。更に軸受ハウジングと
ラジアル軸受の穴径の差が、樹脂材の脱落を防止する。
【0009】
【実施例】以下、本発明に係るラジアル軸受装置及び該
ラジアル軸受装置を備えたキャンドモータの一実施例を
図1乃至図3を参照して説明する。図1は全周流型イン
ラインポンプを示す断面図である。本実施例に示すイン
ラインポンプは、吸込側ケーシング1と、吐出側ケーシ
ング5と、この吸込側ケーシング1と吐出側ケーシング
5間を接続する外筒9とを備えている。吸込側ケーシン
グ1、外筒9及び吐出側ケーシング5は、それぞれ開口
部側の端部外周部に、それぞれ外方に延設された鍔部1
a,9a,9b,5aを備えている。そして、吸込側ケ
ーシング1と外筒9とは、相隣接する鍔部1a,9aが
鋳鉄等の鋳物製のフランジ20,20により挟持される
とともにボルト45により締め付けられることにより、
一体に接続されている。また、吐出側ケーシング5と外
筒9とは、同様に相隣接する鍔部5a,9bが鋳鉄等の
鋳物製のフランジ21,21により挟持されるとともに
ボルト45により締め付けられることにより、一体に接
続されている。そして、これら吸込側ケーシング1、吐
出側ケーシング5及び外筒9とでポンプケーシングが構
成され、このポンプケーシング内にはキャンドモータ2
2が配設されている。
【0010】吸込側ケーシング1は切頭円錐台上の本体
部2と、この本体部2より吸込側に延設された吸込ノズ
ル3とを備えている。また、吐出側ケーシング5も、吸
込側ケーシング1と同様に、切頭円錐台状の本体部6
と、この本体部6より吸込側に延設された吐出ノズル7
とを備えている。
【0011】一方、吸込側ケーシング1の内側には内ケ
ーシング10が設けられており、この内ケーシング10
は容器状の本体部11と、この本体部11より吸込側に
延設された円筒状の吸込側部12とから構成されてお
り、本体部11と吸込側部12との間にはOリング等の
弾性材からなるシール部材18が介装されている。そし
て、内ケーシング10の本体部11の内側にはガイドベ
ーンまたはボリュートを構成する案内装置13が設置さ
れている。案内装置13はインロー嵌合部を有し、この
インロー嵌合部がキャンドモータ22のモータフレーム
23と嵌合されている。このキャンドモータ22のモー
タフレーム23は高い剛性を有しており、このモータフ
レーム23に案内装置13が支持されるため、結果とし
て、内ケーシング10は高い剛性を有したキャンドモー
タ22のモータフレーム23に支持されることになる。
内ケーシング10の吸込側部12の一端は、吸込ノズル
3の近傍まで延びている。そして、内ケーシング10の
吸込側部12の端部と吸込側ケーシング1の吸込ノズル
3との間隙にはシール部材14が介装されており、この
シール部材14によって吸込側(低圧側)と吐出側(高
圧側)とがシールされている。
【0012】内ケーシング10の内側には羽根車15が
収容されており、この羽根車15はキャンドモータ22
の主軸16に固定され支持されている。また、吸込ノズ
ル3及び吐出ノズル7には、それぞれ中間リング46,
46を介して吸込フランジ48及び吐出フランジ49が
それぞれ固定されている。
【0013】前記キャンドモータ22のモータフレーム
23は略円筒状のフレーム外胴24と、このフレーム外
胴24の両側開口部に設けられたフレーム側板25、2
6とから構成されている。フレーム外胴24は、その外
周部に軸方向に沿って放射状に複数のリブ24aが形成
されている。この複数のリブ24aは、プレス成形によ
ってモータフレーム外胴24に一体に形成され、そし
て、これらリブ24aの外側面がポンプケーシングの外
筒9の内周面に嵌合されるとともに、この嵌合部で両者
はスポット溶接等で接合され一体化されている。
【0014】前記モータフレーム23内には、ステータ
27及びロータ28が配設されている。ロータ28は主
軸16によって支持されており、また、ステータ27の
内側には円筒状のキャン29が嵌着されている。また、
前記フレーム側板25には、ラジアル軸受装置30が設
けられ、ラジアル軸受装置30は主軸16に嵌合された
軸スリーブ31を回転支承するようになっている。
【0015】前記ラジアル軸受装置30は、図2に示さ
れるように、セラミックスからなる略円筒状のラジアル
軸受51と、このラジアル軸受51を保持する軸受ハウ
ジング52とを備えている。軸受ハウジング52には、
軸方向に略直交する方向に貫通孔52aが形成されてい
る。一方、ラジアル軸受51には、前記貫通孔52aに
対応した位置に軸方向に略直交する方向に未貫通孔51
aが形成されており、この貫通孔52a及び未貫通孔5
1aに一体に樹脂材53が注入され固化されている。こ
れによって、ラジアル軸受51は軸受ハウジング52に
対して廻り止めがなされている。軸受ハウジング52に
形成された貫通孔52aの孔径d1 はラジアル軸受51
に形成された未貫通孔51aの孔径d2 より小さく、即
ち、d1<d2 になっており、これによって樹脂材53
が脱落しないようになっている。
【0016】また、前記フレーム側板26には、弾性体
44を介して軸受ハウジング32が着脱可能に設けられ
ており、この軸受ハウジング32はラジアル軸受33と
固定側スラストメタル34とをそれぞれ保持しており、
ラジアル軸受33は主軸16に嵌合された軸スリーブ3
5を回転支承するようになっている。なお、軸受ハウジ
ング32とラジアル軸受33とでラジアル軸受装置を構
成しており、その構造は、図2に示すラジアル軸受装置
30と同様である。一方、主軸16の吐出側端部には、
スラストディスク36が固定されており、スラストディ
スク36は前記固定側スラストメタル34と対向する回
転側スラストメタル37を備えている。
【0017】また、フレーム側板26にはフィルタを構
成する端板40が固定されている。端板40は、略半球
形に突出した整流部41を有し、この整流部41に半径
方向内方から外方に放射状に伸びる複数のスリット42
が形成されている。端板40の整流部41は、吐出側ケ
ーシング5内の流れの流線に沿うように略半球形状に形
成されており、羽根車15から吐出された流体は、外筒
9とモータフレーム外胴24間に形成された流路50を
通って吐出側ケーシング5内に流入した後、整流部41
の整流作用によって整流されて吐出口に導かれる。ま
た、整流部41に放射状にスリット42を形成したた
め、このスリット42がフィルタとして機能し、流体が
このスリット42を通ってキャンドモータ22内に流入
する際に、流体内の異物がスリット42に捕捉され除去
される。このスリット42は流れの方向に沿うように形
成されているため、一旦、スリット42に捕捉された異
物は、流速により流れ方向に押されて移動し、スリット
42から除去され、スリット42の目詰まりが防止され
る。即ち、スリット42は、その形状によって自浄作用
を有するようになっている。なお、端板40は、軸受ハ
ウジング32をフレーム側板26に固定するための押え
板の役割をも果している。
【0018】前記インラインポンプの作用を簡単に説明
すると、吸込ノズル3より吸い込まれた流体は、内ケー
シング10の吸込側部12を通って羽根車15内に導か
れる。回転する羽根車15から吐出された流体は、案内
装置13を経て遠心方向から軸方向に流れ方向が転換さ
れた後、外筒9とキャンドモータ22のモータフレーム
外胴24との間に形成された流路50に流入し、この流
路50を通って吐出側ケーシング5内に流入する。その
後、流体は端板40の整流部41によって整流された
後、吐出側ケーシング5に一体に形成された吐出ノズル
7より吐出される。
【0019】一方、羽根車15の主板15aとモータフ
レーム側板25との間には間隙が形成されているため、
羽根車15の回転によってこの間隙内に円板摩擦が生
じ、この間隙に減圧効果が生ずる。そのため、端板40
のスリット42よりキャンドモータ22内に流入した流
体は、矢印で示されるように軸受ハウジング32の開口
32aを通り、更にロータ28とステータ27のキャン
29との間隙を通ってフレーム側板25の開口25aよ
り羽根車15の主板15aの裏側に流出する循環路が形
成される。そして、この取扱液のキャンドモータ22内
の循環の間に軸受が潤滑されるとともにモータが冷却さ
れる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、軸
受ハウジングの貫通孔とラジアル軸受の未貫通孔との間
に一体に注入固化された樹脂材は、ラジアル軸受の廻り
止めを行うとともに、始動時に加わる衝撃力を吸収し衝
撃に弱いセラミックスからなるラジアル軸受を保護する
ことができる。
【0021】また、本発明によれば、樹脂注入によりラ
ジアル軸受を軸受ハウジングに固定するので、ラジアル
軸受の孔の寸法精度は素材成形時のまま、あるいは、素
材成形後の加工で良く、ラジアル軸受を硬度の高い焼成
後に加工する必要がない。したがって、硬く加工しにく
いセラミックス製ラジアル軸受に有効な廻り止め手段と
なる。また軸受ハウジングとラジアル軸受の穴径の差
が、樹脂材の脱落を防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るラジアル軸受装置及び該ラジアル
軸受装置を備えたキャンドモータの一実施例を示す断面
図である。
【図2】本発明に係るラジアル軸受装置を示す図であ
り、図2(a)はその断面図、図2(b)はその側面図
である。
【符号の説明】
1 吸込側ケーシング 3 吸込ノズル 5 吐出側ケーシング 7 吐出ノズル 9 外筒 10 内ケーシング 13 案内装置 14 シール部材 15 羽根車 16 主軸 22 キャンドモータ 23 モータフレーム 24 モータフレーム外胴 25,26 フレーム側板 27 ステータ 28 ロータ 30 ラジアル軸受装置 32 軸受ハウジング 33 ラジアル軸受 40 端板 51 ラジアル軸受 52 軸受ハウジング 53 樹脂材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16C 17/02 F16C 33/24 F16C 35/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックスからなる略円筒状のラジア
    ル軸受と、このラジアル軸受を保持する軸受ハウジング
    とを備えたラジアル軸受装置において、前記軸受ハウジ
    ングに貫通孔を設け、前記ラジアル軸受に前記貫通孔に
    対応した位置に凹部を設け、前記貫通孔及び凹部に一体
    に樹脂材を注入し固化させたことを特徴とするラジアル
    軸受装置。
  2. 【請求項2】 モータフレームとキャンとにより形成さ
    れた密閉室内に設けられた固定子と、前記固定子と同心
    状に配設された回転子と、該回転子を回転支承する請求
    項1記載のラジアル軸受装置とを備えたことを特徴とす
    るキャンドモータ。
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