JP2847085B2 - 歯科用材料およびその製造方法 - Google Patents

歯科用材料およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は歯科用の歯冠、インレー、ブリッジ、義歯、
あるいはインプラント等(以下歯冠等という)の歯科材
料およびその製造方法に関し、詳しくは歯科用接着剤に
よる接着性がよく、しかも平滑性、耐摩耗性、耐水性に
優れ、高強度である歯冠等の歯科材料およびその製造方
法に関するものである。
〔従来の技術〕
リン酸カルシウム系結晶化ガラスは生体の骨や歯と組
成が類似しており、生体とのなじみのよさから注目され
ている歯科用材料である。しかし、このリン酸カルシウ
ム系結晶化ガラスよりなる歯冠の歯科用材料を天然歯や
他の金属、陶材あるいはレジン等の支台歯と歯科用接着
剤を用いて接着する際の接着性が悪く、リン酸カルシウ
ム系結晶化ガラス製歯科材料を口腔内で長期にわたり機
能させる上で支障があった。すなわち、口腔内で接着し
ても数カ月から数年経過後に支台歯との接着力が低下し
て剥がれたり、破折したりするトラブルが少なからずあ
った。
この接着性を改善するために同材料の表面をシランカ
ップリングする手法が試みられている(特開昭63−8307
号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、シランカップリングする手法もリン酸
カルシウム系材料はSiO2等シランカップリング剤に有効
な成分をほとんど含んでいないため接着性が十分に改良
されたとは言えないのである。そこでリン酸カルシウム
系材料に有効なカップリング手法の開発が望まれてい
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、リン酸カルシウム系結晶化ガラスの表
面に特殊な方法でSiO2などの薄膜からなるコーティング
層を形成させると、基材とコーティング層との付着力は
200kg/cm2以上と極めて強いことを見出した。このコー
ティング層には基材のリン酸カルシウム系材料と異な
り、容易にカップリング処理を施すことができるのであ
る。
この知見を基に本発明者らは歯科用接着剤により容易
に強力な接着のできる歯科用材料を開発したものであ
る。すなわち本発明はリン酸カルシウム系結晶化ガラス
の表面にSi,Al,Ti,Zr,Mg,Ceからなる群より選ばれた1
種または2種以上の金属の酸化物を主体とするコーティ
ング膜を有しており、さらにその上にカップリング剤膜
を有する歯科用材料およびその製造方法である。また、
該コーティング膜中には上記金属の酸化物を主体とする
微粒子が一様に分散されている場合にはさらに接着性が
改善される。
〔発明の構成〕
本発明の酸化物を主体とするコーティング膜の形成に
使用される化合物としては、ケイ酸アルカリ(アルカリ
としてはLi,Na,Kで以下同じ)、アルミン酸アルカリ、
チタン酸アルカリ、ジルコン酸アルカリ等のアルカリ金
属塩、およびその水和物、シリカ、アルミナ、ケイ酸ア
ルミニウム、チタニア、ジルコニア、セリア、マグネシ
ア等の酸化物、水酸化チタン、水酸化アルミニウム、水
酸化ジルコニウム、水酸化マグネシウム、水酸化セリウ
ム等の水酸化物あるいは上記酸化物、水酸化物の各種の
ゾルやゲル、Si,Al,Ti,Zr,Mg,Ceの金属のメトキシド、
エトキシド、プロポキシド類、ブトキシド類等の各種金
属アルコキシドである。これらの化合物の中でケイ酸ア
ルカリや金属アルコキシドが特に好適である。
これらの1種または2種以上を選び、その適当な溶
媒、例えば水、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、エーテル、エチレングリコール等の溶液あるいは懸
濁液とする。その濃度は後の塗布等ができればよく、特
に規定しない。また、2種以上の上記溶液あるいは懸濁
液等の混合液であってもよい。
さらに、上記溶液あるいは懸濁液中に該溶媒に不溶の
上記金属の群より選ばれた1種または2種以上の金属の
塩、酸化物、水酸化物等の粒子を分散させると、一層接
着強度、耐摩耗性、耐久性等が向上して好都合である。
分散させる粒子は0.1〜10μmが好ましい。この粒径が
0.1μm以下では添加効果が発揮されず、また、10μm
以上では接着面に隙間が生じたり、接着剤層が厚くなり
逆に接着強度が低下する。分散粒子の添加量は特に限定
しないが、溶液あるいは懸濁液の1/100〜1/2好ましくは
1/20〜1/3とするのが取扱いの面から適当である。
この溶液あるいは懸濁液をリン酸カルシウム系結晶化
ガラス製の歯冠等の接着しようとする面にハケ塗りやス
プレー等の方法により塗布する。もちろん全面に塗布し
ても表面の平滑性、耐摩耗性や耐久性が増すので好都合
である。
塗布した後歯冠等は電気炉等の適当な加熱装置で100
〜1000℃、好ましくは150〜600℃の温度で熱処理する。
この熱処理により基材表面に出発原料の酸化物を主体と
する強固な被膜が形成される。熱処理温度が100℃以下
では酸化物への変化と被膜の接着が十分でなく、1000℃
以上では基材の変形、変色、被膜の変色等が起こる。
次に、カップリングは通常のカップリング方法であ
り、接着面に対して市販の一般のシラン系あるいはチタ
ン系等のカップリング剤を塗布し、自然乾燥あるいは送
風乾燥させる。場合によっては加熱乾燥がよいこともあ
る。特にコーティング層がSiO2の場合のシラン系カップ
リング、コーティング層がTiO2の場合はチタン系カップ
リングが最適である。
こうして歯科材料が完成するが、接着に際しては通常
使用される歯科用接着剤を本発明の材料の内面に塗布
し、これを支台歯側に被ぶせて圧着することによって行
われる。歯科用接着剤はリン酸エステル系歯科用接着剤
や4−META系歯科用接着剤等が好適である。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、リン酸カルシウム系結晶化ガ
ラス製の歯冠等が支台歯と強固に接着し、長期にわたっ
て、リン酸カルシウム系素材の特徴が発揮できるもので
あり、従来の歯科用接着剤がそのまゝ使用できることに
特徴がある。さらに、コーティング膜中に粒子を分散さ
せると特に接着強度等の点で好結果が得られる。しか
し、リン酸カルシウム系結晶化ガラスに直接歯科用接着
剤を適用したのでは、接着性不足から歯冠等が破折した
りして、リン酸カルシウム系材料の特性が発揮されな
い。
〔実施例〕
寸法が10x10x3mmのリン酸カルシウム系結晶化ガラス
に第1表に示すようなコーティング層およびカップリン
グ処理を施した。
実施例1および比較例3においてはケイ酸ソーダ(Na
2O・1〜10SiO2・5〜50H2O)の15%水溶液を、実施例
5および比較例5においてはチタニアゾル(TiO215%)
をそれぞれハケ塗りして電気炉中200℃で熱処理してコ
ーティング被膜を形成した。実施例2ではテトラメトキ
シシラン〔Si(0CH3〕の20%メタノール溶液を300
℃で熱処理した。
また、実施例3はコーティング膜中に同種の微粒子
を、実施例4は異種の微粒子を分散させたものであり、
粒子はいずれも3〜5μmのものを溶液の10重量%分散
させたものである。
カップリング処理はシラン系カップリング剤ではγ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの20%アル
コール水混合溶液を、チタン系カップリング剤ではビス
(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチ
タネートの20%イソプロパノール溶液を塗布して室温で
送風乾燥した。
こうして調製した材料は市販のリン酸エステル系歯科
用接着剤あるいは4−meta系歯科用接着剤を用いて8mm
φのレジン棒に接着し、水中に2000時間浸漬後の接着強
度を突き合わせ引張り試験法 で測定した。結果は第1表に示す。
一般にレジン系歯科用接着剤はリン酸カルシウム系材
料に用いた場合、長時間水中に浸漬しておくと、その接
着強度は極端に低くなる(比較例6〜7)。これはリン
酸カルシウム系材料の表面をカップリング処理しても向
上しない(比較例1〜2)が、リン酸カルシウム系材料
の表面にコート層を形成しただけでもかなりの向上が見
られる(比較例3〜5)。しかし、リン酸カルシウム系
材料の表面にコート層を形成し、さらにカップリング処
理した実施例1〜5では、大幅な接着強度の向上が見ら
れ、本発明の優秀さが示された。特に、コーテイング膜
中に微粒子を分散させると接着強度は一層向上する(実
施例3〜4)。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リン酸カルシウム系結晶化ガラスの表面に
    Si,Al,Ti,Zr,Mg,Ceからなる群より選ばれた1種または
    2種以上の金属の酸化物を主体とするコーティング膜を
    有し、さらにその上にカップリング剤膜を有する歯科用
    材料。
  2. 【請求項2】リン酸カルシウム系結晶化ガラスの表面に
    Si,Al,Ti,Zr,Mg,Ceからなる群より選ばれた1種または
    2種以上の金属のアルカリ金属塩、酸化物、水酸化物、
    金属アルコキシドから選ばれた1種以上の化合物の適当
    な溶媒の溶液、懸濁液、ゾルあるいはゲルを塗布した
    後、100〜1000℃の温度で熱処理し、さらにカップリン
    グ剤を塗布、乾燥して表面処理することを特徴とする歯
    科用材料の製造方法。
  3. 【請求項3】リン酸カルシウム系結晶化ガラスの表面に
    Si,Al,Ti,Zr,Mg,Ceからなる群より選ばれた1種または
    2種以上の金属のアルカリ金属塩、酸化物、水酸化物、
    金属アルコキシドから選ばれた1種以上の化合物の適当
    な溶媒の溶液、懸濁液、ゾルあるいはゲルに、該溶媒に
    不溶の上記金属の群より選ばれた1種または2種以上の
    金属の塩、酸化物、水酸化物等の粒子を分散させたもの
    を塗布した後、100〜1000℃の温度で熱処理し、さらに
    カップリング剤を塗布、乾燥して表面処理することを特
    徴とする歯科用材料の製造方法。
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