JP2847029B2 - 表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents
表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板及びその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面を被覆したアルミ
ニウム−亜鉛合金めっき鋼板及びその製造方法に関する
ものである。
ニウム−亜鉛合金めっき鋼板及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板は、
アルミニウムが4〜75重量%、残りの大半が亜鉛、さ
らにSi,Mg,Ce−Laなど第三成分が微量含有さ
れる合金によってめっきされた鋼板である。現在製品化
されているものにおいては、アルミニウムを4〜10重
量%、残りの大半を亜鉛、及び微量のMg又はCe−L
aを配合した合金をめっきした低アルミニウム−亜鉛合
金めっき鋼板と、アルミニウムを55重量%、亜鉛を4
3.4重量%、Siを1.6重量%配合した合金をめっ
きした高アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板との2種類
がある。
アルミニウムが4〜75重量%、残りの大半が亜鉛、さ
らにSi,Mg,Ce−Laなど第三成分が微量含有さ
れる合金によってめっきされた鋼板である。現在製品化
されているものにおいては、アルミニウムを4〜10重
量%、残りの大半を亜鉛、及び微量のMg又はCe−L
aを配合した合金をめっきした低アルミニウム−亜鉛合
金めっき鋼板と、アルミニウムを55重量%、亜鉛を4
3.4重量%、Siを1.6重量%配合した合金をめっ
きした高アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板との2種類
がある。
【0003】そして通常一般に使用されている溶融亜鉛
めっき鋼板に比べて、めっき層が同じ厚みの場合、耐食
性おいて低アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板は1.5
〜2倍、高アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板は3〜6
倍の優れた性質を有している。しかもアルミニウム−亜
鉛合金めっき鋼板、特に高アルミニウム−亜鉛合金めっ
き鋼板の場合には耐熱性や熱反射性においても優れてい
る。
めっき鋼板に比べて、めっき層が同じ厚みの場合、耐食
性おいて低アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板は1.5
〜2倍、高アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板は3〜6
倍の優れた性質を有している。しかもアルミニウム−亜
鉛合金めっき鋼板、特に高アルミニウム−亜鉛合金めっ
き鋼板の場合には耐熱性や熱反射性においても優れてい
る。
【0004】このようにアルミニウム−亜鉛合金めっき
鋼板は優れた性質を有するために、最近特に注目されて
されており、屋根材や壁材などの建材製品、ガードレー
ル、防音壁、防雪柵、排水溝など土木製品の材料、自動
車、家電製品、産業機器などの材料、さらに塗装鋼板の
基板などとして急速に普及しつつある。また冷暖房機
器、厨房機器、農産業機器、燃焼機器等の耐食性や耐熱
性が要求される用途にもアルミニウム−亜鉛合金めっき
鋼板が普及しつつあり、このものには基板としてクロメ
ート処理など化成処理を施した鋼板も使用されている。
鋼板は優れた性質を有するために、最近特に注目されて
されており、屋根材や壁材などの建材製品、ガードレー
ル、防音壁、防雪柵、排水溝など土木製品の材料、自動
車、家電製品、産業機器などの材料、さらに塗装鋼板の
基板などとして急速に普及しつつある。また冷暖房機
器、厨房機器、農産業機器、燃焼機器等の耐食性や耐熱
性が要求される用途にもアルミニウム−亜鉛合金めっき
鋼板が普及しつつあり、このものには基板としてクロメ
ート処理など化成処理を施した鋼板も使用されている。
【0005】しかしながら、アルミニウム−亜鉛合金め
っき鋼板においては、そのめっき層にはアルミニウムが
配合されているために溶融亜鉛めっき鋼板に比べて硬度
が高くなる。そしてこのようにアルミニウム−亜鉛合金
めっき鋼板はそのめっき層が硬いために、これをロール
成形やプレス成形をおこなって加工する際にアルミニウ
ム−亜鉛合金めっき鋼板と成形ロールやプレス金型との
間の潤滑性が悪くて、めっき層が破壊されたり、両者間
の摩擦熱によってめっき層が成形ロールやプレス金型に
融着する現象が生じたりし、この結果アルミニウム−亜
鉛合金めっき鋼板から出る金属粉末が成形ロールやプレ
ス金型に付着することになり、成形品のコーナー部分に
この金属粉末がたまって焼付現象を生じたり、傷やアブ
レージョンなどの欠陥を生じたりして外観変化が発生す
るおそれがある。
っき鋼板においては、そのめっき層にはアルミニウムが
配合されているために溶融亜鉛めっき鋼板に比べて硬度
が高くなる。そしてこのようにアルミニウム−亜鉛合金
めっき鋼板はそのめっき層が硬いために、これをロール
成形やプレス成形をおこなって加工する際にアルミニウ
ム−亜鉛合金めっき鋼板と成形ロールやプレス金型との
間の潤滑性が悪くて、めっき層が破壊されたり、両者間
の摩擦熱によってめっき層が成形ロールやプレス金型に
融着する現象が生じたりし、この結果アルミニウム−亜
鉛合金めっき鋼板から出る金属粉末が成形ロールやプレ
ス金型に付着することになり、成形品のコーナー部分に
この金属粉末がたまって焼付現象を生じたり、傷やアブ
レージョンなどの欠陥を生じたりして外観変化が発生す
るおそれがある。
【0006】そこで従来はこのような問題を避けるため
に、成形加工時にアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の
表面に油やワックスなどの潤滑油をスプレーやロールコ
ートによって塗布し、さらに成形ロールやプレス金型に
潤滑油を塗布し、アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板と
成形ロールやプレス金型との間の滑りを良くするようア
ルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の表面に潤滑性を与え
るようにしていた。
に、成形加工時にアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の
表面に油やワックスなどの潤滑油をスプレーやロールコ
ートによって塗布し、さらに成形ロールやプレス金型に
潤滑油を塗布し、アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板と
成形ロールやプレス金型との間の滑りを良くするようア
ルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の表面に潤滑性を与え
るようにしていた。
【0007】しかしながらこのように潤滑油を使用する
と、加工後にアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板から潤
滑油を除去する脱脂という手間が必要になる場合が多
く、脱脂工程においてトリクロロエチレンなどの塩素系
有機溶剤を使用するときには環境汚染を発生させるおそ
れがある。また上記のように潤滑油を用いてアルミニウ
ム−亜鉛合金めっき鋼板の成形加工をおこなった場合、
成形ロールやプレス金型には潤滑油が付着しているため
に、この後に表面塗装した鋼板をこの成形ロールやプレ
ス金型に通して成形加工をおこなうと、表面塗装した鋼
板の塗装面に潤滑油が付着して汚染されたり成形時に若
干生じる金属粉末が潤滑油によって塗装面に付着したり
することになり、従ってこのような汚染を防止するため
に成形ロールやプレス金型を洗浄する手入れが必要にな
るという問題もある。さらに、アルミニウム−亜鉛合金
めっき鋼板は、錆発生に対する抵抗力は溶融亜鉛めっき
鋼板よりも相当高いが、錆が発生した場合には溶融亜鉛
めっき鋼板の白錆状変化と異なって、アルミニウム−亜
鉛合金めっき鋼板は灰色から黒色の発色を呈することに
なって、外観を著しく損ねるという問題がある。
と、加工後にアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板から潤
滑油を除去する脱脂という手間が必要になる場合が多
く、脱脂工程においてトリクロロエチレンなどの塩素系
有機溶剤を使用するときには環境汚染を発生させるおそ
れがある。また上記のように潤滑油を用いてアルミニウ
ム−亜鉛合金めっき鋼板の成形加工をおこなった場合、
成形ロールやプレス金型には潤滑油が付着しているため
に、この後に表面塗装した鋼板をこの成形ロールやプレ
ス金型に通して成形加工をおこなうと、表面塗装した鋼
板の塗装面に潤滑油が付着して汚染されたり成形時に若
干生じる金属粉末が潤滑油によって塗装面に付着したり
することになり、従ってこのような汚染を防止するため
に成形ロールやプレス金型を洗浄する手入れが必要にな
るという問題もある。さらに、アルミニウム−亜鉛合金
めっき鋼板は、錆発生に対する抵抗力は溶融亜鉛めっき
鋼板よりも相当高いが、錆が発生した場合には溶融亜鉛
めっき鋼板の白錆状変化と異なって、アルミニウム−亜
鉛合金めっき鋼板は灰色から黒色の発色を呈することに
なって、外観を著しく損ねるという問題がある。
【0008】そこでこれらの問題を解決するために、ア
ルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の表面に、潤滑性があ
り且つ耐食性に優れた被膜を形成することが検討されて
いる。このための方法として、特開昭60−14538
3号公報や、特開昭60−197881号公報には、ア
ルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板に、水分散性あるいは
水溶性の樹脂に特定量のクロム化合物を配合した樹脂組
成物を塗布して乾燥することによって、樹脂被膜を形成
することが開示されている。
ルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の表面に、潤滑性があ
り且つ耐食性に優れた被膜を形成することが検討されて
いる。このための方法として、特開昭60−14538
3号公報や、特開昭60−197881号公報には、ア
ルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板に、水分散性あるいは
水溶性の樹脂に特定量のクロム化合物を配合した樹脂組
成物を塗布して乾燥することによって、樹脂被膜を形成
することが開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭60−145383号公報や特開昭60−1978
81号公報の方法で得られた鋼板は、表面に処理した被
膜によって耐食性や潤滑性は良好であるが、この被膜は
熱による着色が大きくて耐熱黄変色が悪く、耐熱性を要
求される用途においては新たな問題が発生するものであ
った。
開昭60−145383号公報や特開昭60−1978
81号公報の方法で得られた鋼板は、表面に処理した被
膜によって耐食性や潤滑性は良好であるが、この被膜は
熱による着色が大きくて耐熱黄変色が悪く、耐熱性を要
求される用途においては新たな問題が発生するものであ
った。
【0010】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、耐食性や、成形加工時の潤滑性に優れ、且つ耐熱
黄変性にも優れた表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっ
き鋼板及びその製造方法を提供することを目的とするも
のである。
あり、耐食性や、成形加工時の潤滑性に優れ、且つ耐熱
黄変性にも優れた表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっ
き鋼板及びその製造方法を提供することを目的とするも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る表面被覆ア
ルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板は、アルミニウム−亜
鉛合金めっき鋼板の表面に、水分散性シリコーン変性ア
クリル樹脂と水溶性シリコーン変性アクリル樹脂のうち
少なくとも一方と、このシリコーン変性アクリル樹脂の
固形分に対して金属クロム換算量が重量比で1/100
000〜1/1000となる量のクロム酸とクロム酸塩
のうち少なくとも一方を含有する水性樹脂組成物の水分
散液あるいは水溶液による被膜が、0.5〜5g/m2
の乾燥被膜重量で形成されて成ることを特徴とするもの
である。
ルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板は、アルミニウム−亜
鉛合金めっき鋼板の表面に、水分散性シリコーン変性ア
クリル樹脂と水溶性シリコーン変性アクリル樹脂のうち
少なくとも一方と、このシリコーン変性アクリル樹脂の
固形分に対して金属クロム換算量が重量比で1/100
000〜1/1000となる量のクロム酸とクロム酸塩
のうち少なくとも一方を含有する水性樹脂組成物の水分
散液あるいは水溶液による被膜が、0.5〜5g/m2
の乾燥被膜重量で形成されて成ることを特徴とするもの
である。
【0012】本発明にあって、上記シリコーン変性アク
リル樹脂は、樹脂固形分中におけるシリコーン変性量が
3〜50重量%のものであることが好ましい。また本発
明にあって、上記水性樹脂組成物の水分散液あるいは水
溶液が、水分散性コロイダルシリカを含有するものであ
ることが好ましい。さらに本発明にあって、上記水性樹
脂組成物の水分散液あるいは水溶液が、潤滑剤を含有す
ることが好ましい。
リル樹脂は、樹脂固形分中におけるシリコーン変性量が
3〜50重量%のものであることが好ましい。また本発
明にあって、上記水性樹脂組成物の水分散液あるいは水
溶液が、水分散性コロイダルシリカを含有するものであ
ることが好ましい。さらに本発明にあって、上記水性樹
脂組成物の水分散液あるいは水溶液が、潤滑剤を含有す
ることが好ましい。
【0013】本発明に係る表面被覆アルミニウム−亜鉛
合金めっき鋼板の製造方法は、水分散性シリコンー変性
アクリル樹脂あるいは水溶性シリコーン変性アクリル樹
脂のうち少なくとも一方と、このシリコーン変性アクリ
ル樹脂の固形分に対して金属クロム換算量が重量比で1
/100000〜1/1000となる量のクロム酸ある
いはクロム酸塩の少なくとも一方を含有する水性樹脂組
成物の水分散液あるいは水溶液を調製し、アルミニウム
−亜鉛合金めっき鋼板の表面にこの水性樹脂組成物の水
分散液あるいは水溶液を、乾燥被膜重量が0.5〜5g
/m2 となるように塗布して乾燥することを特徴とする
ものである。
合金めっき鋼板の製造方法は、水分散性シリコンー変性
アクリル樹脂あるいは水溶性シリコーン変性アクリル樹
脂のうち少なくとも一方と、このシリコーン変性アクリ
ル樹脂の固形分に対して金属クロム換算量が重量比で1
/100000〜1/1000となる量のクロム酸ある
いはクロム酸塩の少なくとも一方を含有する水性樹脂組
成物の水分散液あるいは水溶液を調製し、アルミニウム
−亜鉛合金めっき鋼板の表面にこの水性樹脂組成物の水
分散液あるいは水溶液を、乾燥被膜重量が0.5〜5g
/m2 となるように塗布して乾燥することを特徴とする
ものである。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明は
被膜形成用の基体樹脂として水分散性あるいは水溶性の
シリコーン変性アクリル樹脂を用いる。シリコーン変性
アクリル樹脂はこのように水分散性あるいは水溶性であ
ることが必要であり、水分散性のシリコーン変性アクリ
ル樹脂と水溶性のシリコーン変性アクリル樹脂を混合し
て使用することもできる。このシリコーン変性アクリル
樹脂としては、水分散性あるいは水溶性であって水性塗
料用樹脂として用いられるものであれば特に制限される
ことなく使用することができる。
被膜形成用の基体樹脂として水分散性あるいは水溶性の
シリコーン変性アクリル樹脂を用いる。シリコーン変性
アクリル樹脂はこのように水分散性あるいは水溶性であ
ることが必要であり、水分散性のシリコーン変性アクリ
ル樹脂と水溶性のシリコーン変性アクリル樹脂を混合し
て使用することもできる。このシリコーン変性アクリル
樹脂としては、水分散性あるいは水溶性であって水性塗
料用樹脂として用いられるものであれば特に制限される
ことなく使用することができる。
【0015】このような水分散性あるいは水溶性のシリ
コーン変性アクリル樹脂は次に例示するような公知の方
法で製造することができる。 それ自体が水に可溶であるか又は水に乳状に分散し
得るか、あるいはアンモニアもしくはアミン化合物等で
末端カルボキシル基が中和された状態で水に可溶である
か又は水に乳状に分散し得る、カルボキシル基と水酸基
の少なくとも一方を有するアクリル樹脂に、分子中に少
なくとも1個のシラノール基又はケイ素原子に直結する
加水分解性基を有するシリコーン化合物(以下、加水分
解性基含有シリコーンと略称)を反応させる方法。
コーン変性アクリル樹脂は次に例示するような公知の方
法で製造することができる。 それ自体が水に可溶であるか又は水に乳状に分散し
得るか、あるいはアンモニアもしくはアミン化合物等で
末端カルボキシル基が中和された状態で水に可溶である
か又は水に乳状に分散し得る、カルボキシル基と水酸基
の少なくとも一方を有するアクリル樹脂に、分子中に少
なくとも1個のシラノール基又はケイ素原子に直結する
加水分解性基を有するシリコーン化合物(以下、加水分
解性基含有シリコーンと略称)を反応させる方法。
【0016】 上記カルボキシル基と水酸基の少なく
とも一方を有するアクリル樹脂に、分子中に少なくとも
1個の重合性不飽和基と少なくとも1個のケイ素原子に
直結する加水分解性基を有するシリコーン化合物(以
下、重合性シリコーンと略称)、及び必要に応じてその
他の重合性不飽和モノマーを、ラジカル重合開始剤の存
在下で重合反応させる方法。
とも一方を有するアクリル樹脂に、分子中に少なくとも
1個の重合性不飽和基と少なくとも1個のケイ素原子に
直結する加水分解性基を有するシリコーン化合物(以
下、重合性シリコーンと略称)、及び必要に応じてその
他の重合性不飽和モノマーを、ラジカル重合開始剤の存
在下で重合反応させる方法。
【0017】 アクリル酸エステル及びメタクリル酸
エステルのうち少なくとも1種のアクリル系エステルモ
ノマー、カルボキシル基含有重合性モノマー、重合性シ
リコーン、及び必要に応じてその他の重合性不飽和モノ
マーを、ラジカル重合させる方法。 上記、の方法における重合性シリコーンの具体例と
しては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニル
トリス(β−メトキシエトキシシラン)、アリルトリエ
トキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−ア
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アク
リロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリ
ロキシプロピルトリス(β−メトキシエトキシ)シラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリス(β−メトキシ
エトキシ)シラン、2−スチリルエチルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリアセトキシシラン、及び次の化学構造
式で表される化合物を挙げることができる。
エステルのうち少なくとも1種のアクリル系エステルモ
ノマー、カルボキシル基含有重合性モノマー、重合性シ
リコーン、及び必要に応じてその他の重合性不飽和モノ
マーを、ラジカル重合させる方法。 上記、の方法における重合性シリコーンの具体例と
しては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニル
トリス(β−メトキシエトキシシラン)、アリルトリエ
トキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−ア
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アク
リロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリ
ロキシプロピルトリス(β−メトキシエトキシ)シラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリス(β−メトキシ
エトキシ)シラン、2−スチリルエチルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリアセトキシシラン、及び次の化学構造
式で表される化合物を挙げることができる。
【0018】
【化1】
【0019】また、前記の方法における加水分解性基
含有シリコーンとしては、上記重合性シリコーンに加え
て、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラプロポキシシラン、トリメトキシメチルシ
ラン、トリメトキシエチルシラン、トリメトキシフェニ
ルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリブトキシフ
ェニルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシ
ジフェニルシラン、ジブトキシジメチルシラン、ジメチ
ルジヒドロキシシラン、ジブチルジヒドロキシシラン、
メチルトリヒドロキシシラン、フェニルトリヒドロキシ
シラン、γ−N−(2−アミノエチル)アミノプロピル
トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、これらのシランの
部分縮合物、メトキシトリメチルシラン、メトキシトリ
エチルシラン、及び次の化学構造式で表される化合物を
挙げることができる。
含有シリコーンとしては、上記重合性シリコーンに加え
て、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラプロポキシシラン、トリメトキシメチルシ
ラン、トリメトキシエチルシラン、トリメトキシフェニ
ルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリブトキシフ
ェニルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシ
ジフェニルシラン、ジブトキシジメチルシラン、ジメチ
ルジヒドロキシシラン、ジブチルジヒドロキシシラン、
メチルトリヒドロキシシラン、フェニルトリヒドロキシ
シラン、γ−N−(2−アミノエチル)アミノプロピル
トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、これらのシランの
部分縮合物、メトキシトリメチルシラン、メトキシトリ
エチルシラン、及び次の化学構造式で表される化合物を
挙げることができる。
【0020】
【化2】
【0021】前記の方法において使用されるアクリル
酸エステル及びメタクリル酸エステルの具体例として
は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブ
チル(n−,i−,t−)、アクリル酸ヘキシル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、
アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ス
テアリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピ
ル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル
(n−,i−,t−)、メタクリル酸ヘキシル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メ
タクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル
酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル等のアクリ
ル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエス
テル又はシクロアルキルエステル;アクリル酸メトキシ
ブチル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メト
キシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸
エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチル等のアク
リル酸又はメタクリル酸の炭素数3〜18のアルコキシ
アルキルエステル;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、メタクリル酸ヒドロキシブチル等のアクリ
ル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル;
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどを挙
げることができる。
酸エステル及びメタクリル酸エステルの具体例として
は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブ
チル(n−,i−,t−)、アクリル酸ヘキシル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、
アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ス
テアリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピ
ル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル
(n−,i−,t−)、メタクリル酸ヘキシル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メ
タクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル
酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル等のアクリ
ル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエス
テル又はシクロアルキルエステル;アクリル酸メトキシ
ブチル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メト
キシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸
エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチル等のアク
リル酸又はメタクリル酸の炭素数3〜18のアルコキシ
アルキルエステル;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、メタクリル酸ヒドロキシブチル等のアクリ
ル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル;
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどを挙
げることができる。
【0022】またの方法における、カルボキシル基含
有重合性不飽和モノマーとしては、アクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル
酸などを挙げることができる。さらにの方法におい
て、必要に応じて使用されるその他の重合性不飽和モノ
マーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、ブチル
ビニルエーテル、ブタジエン、アリルグリシジルエーテ
ルなどを挙げることができる。
有重合性不飽和モノマーとしては、アクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル
酸などを挙げることができる。さらにの方法におい
て、必要に応じて使用されるその他の重合性不飽和モノ
マーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、ブチル
ビニルエーテル、ブタジエン、アリルグリシジルエーテ
ルなどを挙げることができる。
【0023】の方法において、必要に応じて使用され
るその他の重合性不飽和モノマーとしては、上記のの
方法で使用されるようなアクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマ
ーなどを挙げることができる。そして本発明において、
シリコーン変性アクリル樹脂は、樹脂固形分中における
シリコーン変性量が3〜50重量%の範囲の樹脂である
ことが、耐熱黄変性や密着性の点から好ましい。ここ
で、シリコーン変性量は、シリコーン変性アクリル樹脂
中のアクリル樹脂成分とシリコーン化合物との合計量に
対する使用したシリコーン化合物の重量%として定義さ
れるものであり、つまりシリコーン変性アクリル樹脂の
製造に使用されるシリコーン化合物を除く重合性不飽和
モノマーとアクリル樹脂との和であるアクリル樹脂成分
量とシリコーン化合物との合計量に対するシリコーン化
合物の重量%を意味するものである。
るその他の重合性不飽和モノマーとしては、上記のの
方法で使用されるようなアクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマ
ーなどを挙げることができる。そして本発明において、
シリコーン変性アクリル樹脂は、樹脂固形分中における
シリコーン変性量が3〜50重量%の範囲の樹脂である
ことが、耐熱黄変性や密着性の点から好ましい。ここ
で、シリコーン変性量は、シリコーン変性アクリル樹脂
中のアクリル樹脂成分とシリコーン化合物との合計量に
対する使用したシリコーン化合物の重量%として定義さ
れるものであり、つまりシリコーン変性アクリル樹脂の
製造に使用されるシリコーン化合物を除く重合性不飽和
モノマーとアクリル樹脂との和であるアクリル樹脂成分
量とシリコーン化合物との合計量に対するシリコーン化
合物の重量%を意味するものである。
【0024】シリコーン変性アクリル樹脂を調製するに
あたって、前記、の方法においては、水及びアクリ
ル樹脂、必要に応じてアンモニアもしくはアミン化合物
を仕込んで水分散液又は水溶液とし、この中にシリコー
ン化合物や必要に応じてその他の重合性不飽和モノマ
ー、ラジカル重合開始剤を加えて反応させるようにする
のが好ましい。また前記の方法においては、水性媒体
中、有機溶剤中のいずれでも適宜選択して重合をおこな
わせることができるが、有機溶剤中で重合させた場合に
は、その後に中和、水分散化(水溶化)をおこなう。
あたって、前記、の方法においては、水及びアクリ
ル樹脂、必要に応じてアンモニアもしくはアミン化合物
を仕込んで水分散液又は水溶液とし、この中にシリコー
ン化合物や必要に応じてその他の重合性不飽和モノマ
ー、ラジカル重合開始剤を加えて反応させるようにする
のが好ましい。また前記の方法においては、水性媒体
中、有機溶剤中のいずれでも適宜選択して重合をおこな
わせることができるが、有機溶剤中で重合させた場合に
は、その後に中和、水分散化(水溶化)をおこなう。
【0025】前記、の方法で使用されるアクリル樹
脂、及びの方法で得られるシリコーン変性アクリル樹
脂は、いずれも数平均分子量が1000〜100000
のものが好ましく、酸価が15〜300、水酸基価が1
0〜300の範囲にあることが好ましい。上記のように
して調製される水分散性あるいは水溶性のシリコーン変
性アクリル樹脂にクロム酸あるいはクロム酸塩、もしく
はクロム酸とクロム酸塩を併用して配合することによっ
て、水性樹脂組成物の水分散液あるいは水溶液を得るこ
とができる。このクロム酸あるいはクロム酸塩は、6価
クロムを主成分とする化合物であり、次に例示する6価
クロム化合物やクロム酸クロム化合物などを用いること
ができる。
脂、及びの方法で得られるシリコーン変性アクリル樹
脂は、いずれも数平均分子量が1000〜100000
のものが好ましく、酸価が15〜300、水酸基価が1
0〜300の範囲にあることが好ましい。上記のように
して調製される水分散性あるいは水溶性のシリコーン変
性アクリル樹脂にクロム酸あるいはクロム酸塩、もしく
はクロム酸とクロム酸塩を併用して配合することによっ
て、水性樹脂組成物の水分散液あるいは水溶液を得るこ
とができる。このクロム酸あるいはクロム酸塩は、6価
クロムを主成分とする化合物であり、次に例示する6価
クロム化合物やクロム酸クロム化合物などを用いること
ができる。
【0026】6価クロム化合物としては、無水クロム酸
(CrO3 )、クロム酸リチウム(Li2 CrO4 ・2
H2 O)、クロム酸ナトリウム(Na2 CrO4 ・10
H2O)、クロム酸カリウム(K2 CrO4 )、クロム
酸アンモニウム((NH4 ) 2 CrO4 )、重クロム酸
ナトリウム(Na2 Cr2 O7 ・2H2 O)、重クロム
酸カリウム(K2 Cr2 O7 )、重クロム酸アンモニウ
ム((NH4 )2 Cr 2 O7 )、クロム酸ストロンチウ
ム(SrCrO4 )、クロム酸バリウム(BaCr
O4 )、クロム酸鉛(PbCrO4 )、クロム酸カルシ
ウム(CaCrO4)、塩基性クロム酸亜鉛(ZnCr
O4 ・4Zn(OH)2 )、塩基性クロム酸亜鉛カリウ
ム(K2 O・4ZnO・4CrO3 ・3H2 O)、レッ
ド・シリコクロメート(SiO2 ・PbCrO4 )など
を挙げることができる。
(CrO3 )、クロム酸リチウム(Li2 CrO4 ・2
H2 O)、クロム酸ナトリウム(Na2 CrO4 ・10
H2O)、クロム酸カリウム(K2 CrO4 )、クロム
酸アンモニウム((NH4 ) 2 CrO4 )、重クロム酸
ナトリウム(Na2 Cr2 O7 ・2H2 O)、重クロム
酸カリウム(K2 Cr2 O7 )、重クロム酸アンモニウ
ム((NH4 )2 Cr 2 O7 )、クロム酸ストロンチウ
ム(SrCrO4 )、クロム酸バリウム(BaCr
O4 )、クロム酸鉛(PbCrO4 )、クロム酸カルシ
ウム(CaCrO4)、塩基性クロム酸亜鉛(ZnCr
O4 ・4Zn(OH)2 )、塩基性クロム酸亜鉛カリウ
ム(K2 O・4ZnO・4CrO3 ・3H2 O)、レッ
ド・シリコクロメート(SiO2 ・PbCrO4 )など
を挙げることができる。
【0027】またクロム酸クロム化合物は6価クロムと
3価クロムよりなる複合化合物であり、この化合物を調
製する方法は特に限定されるものではないが、上記の6
価クロム化合物をメタノール、エタノールなどの1価ア
ルコール類;でん粉、ソルビトール、エチレングリコー
ル、グリセリンなどの多価アルコール類;ハイドロキノ
ン、カテコールなどの芳香族多価アルコール;しょ糖、
グルコースなどの多糖類;ホルマリンなどのアルデヒド
類;過酸化水素、ヒドラジンなどの無機化合物など酸化
分解生成物が残存しない化合物で還元することによって
得られる。これらの還元剤の使用量はクロム酸クロム化
合物中の6価クロムの所望量に応じて化学量論的に定め
られ、加熱することによって還元反応をおこなうことが
できるものであり、6価と3価のクロムイオンのモル比
(Cr6+/Cr3+)が0.5〜5.0の範囲のものが通
常好ましい。
3価クロムよりなる複合化合物であり、この化合物を調
製する方法は特に限定されるものではないが、上記の6
価クロム化合物をメタノール、エタノールなどの1価ア
ルコール類;でん粉、ソルビトール、エチレングリコー
ル、グリセリンなどの多価アルコール類;ハイドロキノ
ン、カテコールなどの芳香族多価アルコール;しょ糖、
グルコースなどの多糖類;ホルマリンなどのアルデヒド
類;過酸化水素、ヒドラジンなどの無機化合物など酸化
分解生成物が残存しない化合物で還元することによって
得られる。これらの還元剤の使用量はクロム酸クロム化
合物中の6価クロムの所望量に応じて化学量論的に定め
られ、加熱することによって還元反応をおこなうことが
できるものであり、6価と3価のクロムイオンのモル比
(Cr6+/Cr3+)が0.5〜5.0の範囲のものが通
常好ましい。
【0028】本発明においてクロム酸あるいはクロム酸
塩の配合量は、前記シリコーン変性アクリル樹脂の固形
分に対して、金属クロム換算量が重量比で1/1000
00〜1/1000となる範囲、好ましくは3/100
000〜3/10000の範囲である。ここで金属クロ
ム換算量とは、使用されたクロム化合物中のクロム元素
の量を意味する。金属クロム換算量が重量比で1/10
0000未満であると、耐食性が十分でなくなり、逆に
1/1000を超えると耐熱黄変性が悪くなるものであ
る。
塩の配合量は、前記シリコーン変性アクリル樹脂の固形
分に対して、金属クロム換算量が重量比で1/1000
00〜1/1000となる範囲、好ましくは3/100
000〜3/10000の範囲である。ここで金属クロ
ム換算量とは、使用されたクロム化合物中のクロム元素
の量を意味する。金属クロム換算量が重量比で1/10
0000未満であると、耐食性が十分でなくなり、逆に
1/1000を超えると耐熱黄変性が悪くなるものであ
る。
【0029】上記のようにして調製される本発明におけ
る水性樹脂組成物の水分散液あるいは水溶液は、シリコ
ーン変性アクリル樹脂とクロム酸あるいはクロム酸塩を
膜形成成分として含有し、水性媒体中に分散あるいは溶
解したものであるが、これらの成分の他に、水分散性コ
ロイダルシリカや、潤滑剤や、タルク、マイカ、クレ
ー、バリタ、シリカなどの体質顔料や、シアニンブル
ー、シアニングレーなどの着色顔料や、艶消剤や、増粘
剤や、流動性調整剤や、消泡剤などの塗料用添加剤等を
適宜配合することができる。
る水性樹脂組成物の水分散液あるいは水溶液は、シリコ
ーン変性アクリル樹脂とクロム酸あるいはクロム酸塩を
膜形成成分として含有し、水性媒体中に分散あるいは溶
解したものであるが、これらの成分の他に、水分散性コ
ロイダルシリカや、潤滑剤や、タルク、マイカ、クレ
ー、バリタ、シリカなどの体質顔料や、シアニンブル
ー、シアニングレーなどの着色顔料や、艶消剤や、増粘
剤や、流動性調整剤や、消泡剤などの塗料用添加剤等を
適宜配合することができる。
【0030】上記の水分散性コロイダルシリカは、水分
散液として提供されており、微量のアルカリ金属イオ
ン、アルミニウムイオン、アンモニウムイオン又はアミ
ンの添加によって安定した、一次粒子径が5〜50μm
のシリカの水分散液(pH8〜10程度)である。市販
されているものとしては、日産化学工業株式会社製の
「スノーテックス20」、「スノーテックスC」、「ス
ノーテックスN」、触媒化成工業株式会社製の「キャタ
ロイドS−20L」などを挙げることができる。水分散
性コロイダルシリカの配合量は、シリコーン変性アクリ
ル樹脂100重量部に対して固形分量で70重量部以下
の範囲に調整するのが好ましい。このように水分散性コ
ロイダルシリカを配合することによって耐食性、乾燥
性、耐指紋性などを向上させることができるが、配合量
が多くなり過ぎると加工性が低下するおそれがある。
散液として提供されており、微量のアルカリ金属イオ
ン、アルミニウムイオン、アンモニウムイオン又はアミ
ンの添加によって安定した、一次粒子径が5〜50μm
のシリカの水分散液(pH8〜10程度)である。市販
されているものとしては、日産化学工業株式会社製の
「スノーテックス20」、「スノーテックスC」、「ス
ノーテックスN」、触媒化成工業株式会社製の「キャタ
ロイドS−20L」などを挙げることができる。水分散
性コロイダルシリカの配合量は、シリコーン変性アクリ
ル樹脂100重量部に対して固形分量で70重量部以下
の範囲に調整するのが好ましい。このように水分散性コ
ロイダルシリカを配合することによって耐食性、乾燥
性、耐指紋性などを向上させることができるが、配合量
が多くなり過ぎると加工性が低下するおそれがある。
【0031】また上記の潤滑剤としては、ポリエチレン
系ワックス、テフロン、グラファイト、二硫化モリブデ
ンなどを挙げることができる。潤滑剤の配合量はシリコ
ーン変性アクリル樹脂100重量部に対して固形分量で
20重量部以下の範囲に調整するのが好ましい。上記の
ように調製される本発明における水性樹脂組成物の水分
散液あるいは水溶液を、アルミニウム−亜鉛合金めっき
鋼板の表面に塗布して乾燥することによって、アルミニ
ウム−亜鉛合金めっき鋼板の表面に被膜形成する処理を
おこなうことができるものである。
系ワックス、テフロン、グラファイト、二硫化モリブデ
ンなどを挙げることができる。潤滑剤の配合量はシリコ
ーン変性アクリル樹脂100重量部に対して固形分量で
20重量部以下の範囲に調整するのが好ましい。上記の
ように調製される本発明における水性樹脂組成物の水分
散液あるいは水溶液を、アルミニウム−亜鉛合金めっき
鋼板の表面に塗布して乾燥することによって、アルミニ
ウム−亜鉛合金めっき鋼板の表面に被膜形成する処理を
おこなうことができるものである。
【0032】アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板は既述
のように、アルミニウムが4〜75重量%、残りの大半
が亜鉛、さらにSi,Mg,Ce−Laなど第三成分が
微量含有される合金によってめっきされた鋼板であり、
低アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板と、高アルミニウ
ム−亜鉛合金めっき鋼板との2種類があるが、耐熱性の
点から高アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板のほうがよ
り好ましい。また本発明は、化成処理をしていない鋼板
や、クロメート処理やリン酸塩処理などの化成処理を施
した鋼板のいずれのアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板
にも適用することができるものである。
のように、アルミニウムが4〜75重量%、残りの大半
が亜鉛、さらにSi,Mg,Ce−Laなど第三成分が
微量含有される合金によってめっきされた鋼板であり、
低アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板と、高アルミニウ
ム−亜鉛合金めっき鋼板との2種類があるが、耐熱性の
点から高アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板のほうがよ
り好ましい。また本発明は、化成処理をしていない鋼板
や、クロメート処理やリン酸塩処理などの化成処理を施
した鋼板のいずれのアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板
にも適用することができるものである。
【0033】アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の表面
への水性樹脂組成物の水分散液あるいは水溶液の塗布方
法は特に限定されるものではなく、スプレー塗装、ロー
ルコーター塗装、バーコーター塗装、浸漬塗装、浸漬−
しごき塗装など公知の塗装方法から適宜選択しておこな
うことができる。また水性樹脂組成物の水分散液あるい
は水溶液の塗布量は、この組成物の乾燥被膜重量が0.
5〜5g/m2 の範囲になるよう、好ましくは0.8〜
3g/m2 の範囲になるように調整するものである。乾
燥被膜重量が0.5g/m2 未満では、潤滑性や耐食性
が不充分になり、逆に乾燥被膜重量が5g/m2 を超え
ると耐黄変性や加工性、溶接性が十分でなくなり、且つ
コストアップにもなるものである。
への水性樹脂組成物の水分散液あるいは水溶液の塗布方
法は特に限定されるものではなく、スプレー塗装、ロー
ルコーター塗装、バーコーター塗装、浸漬塗装、浸漬−
しごき塗装など公知の塗装方法から適宜選択しておこな
うことができる。また水性樹脂組成物の水分散液あるい
は水溶液の塗布量は、この組成物の乾燥被膜重量が0.
5〜5g/m2 の範囲になるよう、好ましくは0.8〜
3g/m2 の範囲になるように調整するものである。乾
燥被膜重量が0.5g/m2 未満では、潤滑性や耐食性
が不充分になり、逆に乾燥被膜重量が5g/m2 を超え
ると耐黄変性や加工性、溶接性が十分でなくなり、且つ
コストアップにもなるものである。
【0034】
【実施例】次に、本発明を実施例によってより具体的に
説明する。尚、以下「部」及び「%」はいずれも重量基
準による。 (樹脂組成物の製造例1)固形分35%のシリコーン変
性アクリル樹脂エマルジョンA(樹脂固形分中における
シリコーン変性量20%、最低造膜温度(MFT)65
℃)286部に、濃度2%のクロム酸クロム(Cr6+/
Cr3+=60/40)水溶液を樹脂固形分の重量に対し
て金属クロム換算量が1/10000となるように攪拌
しつつ徐々に添加し、さらにこれにコロイダルシリカ水
溶液(日産化学工業株式会社製「スノーテックスC」、
固形分20%)を100部、潤滑剤としてポリエチレン
(分子量約4000、軟化点116℃、粒径1.1μm
の中密度タイプのポリエチレンワックス)を固形分量で
5部添加し、さらに攪拌することによって被覆処理用の
水性樹脂組成物を得た。
説明する。尚、以下「部」及び「%」はいずれも重量基
準による。 (樹脂組成物の製造例1)固形分35%のシリコーン変
性アクリル樹脂エマルジョンA(樹脂固形分中における
シリコーン変性量20%、最低造膜温度(MFT)65
℃)286部に、濃度2%のクロム酸クロム(Cr6+/
Cr3+=60/40)水溶液を樹脂固形分の重量に対し
て金属クロム換算量が1/10000となるように攪拌
しつつ徐々に添加し、さらにこれにコロイダルシリカ水
溶液(日産化学工業株式会社製「スノーテックスC」、
固形分20%)を100部、潤滑剤としてポリエチレン
(分子量約4000、軟化点116℃、粒径1.1μm
の中密度タイプのポリエチレンワックス)を固形分量で
5部添加し、さらに攪拌することによって被覆処理用の
水性樹脂組成物を得た。
【0035】(樹脂組成物の製造例2〜16)表1及び
表2の配合組成で、製造例1と同様にして各種の被覆処
理用の水性樹脂組成物を得た。表1で使用したシリコー
ン変性アクリルエマルジョン樹脂A,B,Cはそれぞ
れ、予め目標とするシリコーン変性量(20%、5%、
35%)になるように調整して前記の方法で調製され
たものである。また、製造例5及び製造例6において、
クロム酸バリウムやクロム酸スロトンチウムは水溶性ア
クリル樹脂(ロームアンドハース社製50%アクリソー
ルI−62)でペースト化して用いた。尚、製造例12
〜16は本発明と比較するための組成物である。
表2の配合組成で、製造例1と同様にして各種の被覆処
理用の水性樹脂組成物を得た。表1で使用したシリコー
ン変性アクリルエマルジョン樹脂A,B,Cはそれぞ
れ、予め目標とするシリコーン変性量(20%、5%、
35%)になるように調整して前記の方法で調製され
たものである。また、製造例5及び製造例6において、
クロム酸バリウムやクロム酸スロトンチウムは水溶性ア
クリル樹脂(ロームアンドハース社製50%アクリソー
ルI−62)でペースト化して用いた。尚、製造例12
〜16は本発明と比較するための組成物である。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】(実施例1)厚さ0.5mmの高アルミニ
ウム−亜鉛合金めっき鋼板に製造例1で得た水性樹脂組
成物をバーコーターにて乾燥被膜重量が1.5g/m2
になるように塗布し、熱風乾燥炉にて素材到達最高温度
(PMT)が120℃になるように20秒間焼き付け
て、被覆処理アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板を得
た。
ウム−亜鉛合金めっき鋼板に製造例1で得た水性樹脂組
成物をバーコーターにて乾燥被膜重量が1.5g/m2
になるように塗布し、熱風乾燥炉にて素材到達最高温度
(PMT)が120℃になるように20秒間焼き付け
て、被覆処理アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板を得
た。
【0039】(実施例2〜15、比較例1〜7)表3に
示す製造例の水性樹脂組成物を用い、表3に示す乾燥被
膜重量で塗布をおこなう他は、実施例1と同様にして被
覆処理アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板を得た。
示す製造例の水性樹脂組成物を用い、表3に示す乾燥被
膜重量で塗布をおこなう他は、実施例1と同様にして被
覆処理アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板を得た。
【0040】
【表3】
【0041】各実施例及び各比較例について表4に示す
項目の試験をおこなった。表4に示す試験項目は次の通
りである。 ・造膜性:被覆処理アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板
の被膜の粘着性、ハジキ、ヘコミ、クラックなどの塗膜
欠陥の有無について評価した。被膜に粘着性がなく且つ
塗膜欠陥がなく良好なものを「○」、いずれかの点で不
良のものを「×」とした。 ・塗膜外観:被覆処理アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼
板の被膜の色や透明性を目視で観察して評価した。 ・絞り加工性:試験片をエリクセン社製の金属薄板深絞
り試験器142型を使用し、図1に示すように試験片1
を上ダイス2と下ダイス3の間に挟み、ポンチ4で試験
片1にカップ深絞りをおこなった。試験条件は、シート
ホルダー圧力1200kg、ポンチ径33mm、ブラン
ク径73mm、絞り速度10mm/秒、成形温度約50
℃であった。評価は、加工試験によってダイスに付着す
る被膜組成物の有無及び被加工物の表面状態によりおこ
ない、ダイスに付着がなく被加工物の表面にすり傷が全
く認められないものを「◎」、ダイスに微量の付着があ
り被加工物の表面に微小のすり傷がみとめられるものを
「○」、被加工物表面に多くのすり傷が認められるもの
を「×」とした。 ・耐食性:JIS Z 2371に準じて、塩水噴霧試
験を平板の試験片及び上記絞り加工試験後のカップにつ
いておこなった。試験時間は、平板試験片を144時
間、カップを24時間とした。錆の発生面積の割合によ
って評価し、錆の発生面積0%を「◎」、錆の発生面積
0%以上10%未満を「○」、錆の発生面積10%以上
50%未満を「△」、錆の発生面積50%以上を「×」
とした。 ・耐熱黄変性:試験片を250±5℃に保持した乾燥機
内に24時間及び144時間放置し、試験前の試験片と
の色差(ΔE)を測定した。ΔEが2.0未満を
「◎」、ΔEが2.0以上4.0未満を「○」、ΔEが
4.0以上6.0未満を「△」、ΔEが6.0以上を
「×」とした。
項目の試験をおこなった。表4に示す試験項目は次の通
りである。 ・造膜性:被覆処理アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板
の被膜の粘着性、ハジキ、ヘコミ、クラックなどの塗膜
欠陥の有無について評価した。被膜に粘着性がなく且つ
塗膜欠陥がなく良好なものを「○」、いずれかの点で不
良のものを「×」とした。 ・塗膜外観:被覆処理アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼
板の被膜の色や透明性を目視で観察して評価した。 ・絞り加工性:試験片をエリクセン社製の金属薄板深絞
り試験器142型を使用し、図1に示すように試験片1
を上ダイス2と下ダイス3の間に挟み、ポンチ4で試験
片1にカップ深絞りをおこなった。試験条件は、シート
ホルダー圧力1200kg、ポンチ径33mm、ブラン
ク径73mm、絞り速度10mm/秒、成形温度約50
℃であった。評価は、加工試験によってダイスに付着す
る被膜組成物の有無及び被加工物の表面状態によりおこ
ない、ダイスに付着がなく被加工物の表面にすり傷が全
く認められないものを「◎」、ダイスに微量の付着があ
り被加工物の表面に微小のすり傷がみとめられるものを
「○」、被加工物表面に多くのすり傷が認められるもの
を「×」とした。 ・耐食性:JIS Z 2371に準じて、塩水噴霧試
験を平板の試験片及び上記絞り加工試験後のカップにつ
いておこなった。試験時間は、平板試験片を144時
間、カップを24時間とした。錆の発生面積の割合によ
って評価し、錆の発生面積0%を「◎」、錆の発生面積
0%以上10%未満を「○」、錆の発生面積10%以上
50%未満を「△」、錆の発生面積50%以上を「×」
とした。 ・耐熱黄変性:試験片を250±5℃に保持した乾燥機
内に24時間及び144時間放置し、試験前の試験片と
の色差(ΔE)を測定した。ΔEが2.0未満を
「◎」、ΔEが2.0以上4.0未満を「○」、ΔEが
4.0以上6.0未満を「△」、ΔEが6.0以上を
「×」とした。
【0042】
【表4】
【0043】表4にみられるように、各実施例のもの
は、潤滑性に優れていて絞り加工性が良好であると共に
耐食性が良好であり、さらに耐熱黄変性に優れることが
確認される。一方、水性樹脂組成物としてシリコーン変
性アクリル樹脂を基体樹脂として用いない比較例1〜3
のものは耐熱黄変性が劣るものであった。またシリコー
ン変性アクリル樹脂を基体樹脂とした水性樹脂組成物を
使用しても、クロムの含有量が少な過ぎる比較例4では
耐食性に問題が生じ、クロムの含有量が多過ぎる比較例
5では耐熱黄変性に問題が生じ、乾燥被膜重量が少な過
ぎる比較例6では耐食性や絞り加工性に問題が生じ、乾
燥被膜重量が多過ぎる比較例7では耐熱黄変性が不充分
になることが確認される。
は、潤滑性に優れていて絞り加工性が良好であると共に
耐食性が良好であり、さらに耐熱黄変性に優れることが
確認される。一方、水性樹脂組成物としてシリコーン変
性アクリル樹脂を基体樹脂として用いない比較例1〜3
のものは耐熱黄変性が劣るものであった。またシリコー
ン変性アクリル樹脂を基体樹脂とした水性樹脂組成物を
使用しても、クロムの含有量が少な過ぎる比較例4では
耐食性に問題が生じ、クロムの含有量が多過ぎる比較例
5では耐熱黄変性に問題が生じ、乾燥被膜重量が少な過
ぎる比較例6では耐食性や絞り加工性に問題が生じ、乾
燥被膜重量が多過ぎる比較例7では耐熱黄変性が不充分
になることが確認される。
【0044】
【発明の効果】上記のように本発明は、アルミニウム−
亜鉛合金めっき鋼板の表面に、水分散性シリコーン変性
アクリル樹脂と水溶性シリコーン変性アクリル樹脂のう
ち少なくとも一方と、このシリコーン変性アクリル樹脂
の固形分に対して金属クロム換算量が重量比で1/10
0000〜1/1000となる量のクロム酸とクロム酸
塩のうち少なくとも一方を含有する水性樹脂組成物の水
分散液あるいは水溶液による被膜を、0.5〜5g/m
2 の乾燥被膜重量で形成するようにしたので、成形加工
時の潤滑性や耐食性に優れ且つ耐熱黄変性に優れた被膜
をアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の表面に形成する
ことができ、耐熱性や耐食性を要求される用途に使用す
ることができると共に、成形加工時に潤滑油を塗布する
必要がなくなって、成形加工後の脱脂や金型の洗浄が不
要になり、また環境保護の面からも有利になるものであ
る。
亜鉛合金めっき鋼板の表面に、水分散性シリコーン変性
アクリル樹脂と水溶性シリコーン変性アクリル樹脂のう
ち少なくとも一方と、このシリコーン変性アクリル樹脂
の固形分に対して金属クロム換算量が重量比で1/10
0000〜1/1000となる量のクロム酸とクロム酸
塩のうち少なくとも一方を含有する水性樹脂組成物の水
分散液あるいは水溶液による被膜を、0.5〜5g/m
2 の乾燥被膜重量で形成するようにしたので、成形加工
時の潤滑性や耐食性に優れ且つ耐熱黄変性に優れた被膜
をアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の表面に形成する
ことができ、耐熱性や耐食性を要求される用途に使用す
ることができると共に、成形加工時に潤滑油を塗布する
必要がなくなって、成形加工後の脱脂や金型の洗浄が不
要になり、また環境保護の面からも有利になるものであ
る。
【0045】また、上記シリコーン変性アクリル樹脂の
シリコーン変性量を3〜50重量%にすることによっ
て、被膜の耐熱黄変性や密着性を高く得ることができる
ものである。さらに、上記水性樹脂組成物の水分散液あ
るいは水溶液に水分散性コロイダルシリカを含有させる
ことによって、被膜の耐食性、乾燥性、耐指紋性などを
向上させることができるものである。
シリコーン変性量を3〜50重量%にすることによっ
て、被膜の耐熱黄変性や密着性を高く得ることができる
ものである。さらに、上記水性樹脂組成物の水分散液あ
るいは水溶液に水分散性コロイダルシリカを含有させる
ことによって、被膜の耐食性、乾燥性、耐指紋性などを
向上させることができるものである。
【0046】さらに、上記水性樹脂組成物の水分散液あ
るいは水溶液に潤滑剤を含有させることによって、被膜
の潤滑性を一層高めることができるものである。
るいは水溶液に潤滑剤を含有させることによって、被膜
の潤滑性を一層高めることができるものである。
【図1】絞り加工性の試験を示す概略図である。
1 試験片 2 上ダイス 3 下ダイス 4 ポンチ
Claims (5)
- 【請求項1】 アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の表
面に、水分散性シリコーン変性アクリル樹脂と水溶性シ
リコーン変性アクリル樹脂のうち少なくとも一方と、こ
のシリコーン変性アクリル樹脂の固形分に対して金属ク
ロム換算量が重量比で1/100000〜1/1000
となる量のクロム酸とクロム酸塩のうち少なくとも一方
を含有する水性樹脂組成物の水分散液あるいは水溶液に
よる被膜が、0.5〜5g/m2 の乾燥被膜重量で形成
されて成ることを特徴とする表面被覆アルミニウム−亜
鉛合金めっき鋼板。 - 【請求項2】 上記シリコーン変性アクリル樹脂が、樹
脂固形分中におけるシリコーン変性量が3〜50重量%
のものであることを特徴とする請求項1に記載の表面被
覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板。 - 【請求項3】 上記水性樹脂組成物の水分散液あるいは
水溶液が、水分散性コロイダルシリカを含有するもので
あることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面被覆
アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板。 - 【請求項4】 上記水性樹脂組成物の水分散液あるいは
水溶液が、潤滑剤を含有するものであることを特徴とす
る請求項1乃至3のいずれかに記載の表面被覆アルミニ
ウム−亜鉛合金めっき鋼板。 - 【請求項5】 水分散性及び・又は水溶性のシリコーン
変性アクリル樹脂及び、このシリコーン変性アクリル樹
脂の固形分に対して金属クロム換算量が重量比で1/1
00000〜1/1000となる量のクロム酸及び/又
はクロム酸塩を含有する水性樹脂組成物の水分散液ある
いは水溶液を調製し、アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼
板の表面にこの水性樹脂組成物の水分散液あるいは水溶
液を、乾燥被膜重量が0.5〜5g/m2 となるように
塗布して乾燥することを特徴とする表面被覆アルミニウ
ム−亜鉛合金めっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4351094A JP2847029B2 (ja) | 1994-03-15 | 1994-03-15 | 表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4351094A JP2847029B2 (ja) | 1994-03-15 | 1994-03-15 | 表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07251128A JPH07251128A (ja) | 1995-10-03 |
JP2847029B2 true JP2847029B2 (ja) | 1999-01-13 |
Family
ID=12665741
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4351094A Expired - Fee Related JP2847029B2 (ja) | 1994-03-15 | 1994-03-15 | 表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2847029B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3389502B2 (ja) | 1998-06-26 | 2003-03-24 | 日鉄鋼板株式会社 | 表面被覆アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板 |
-
1994
- 1994-03-15 JP JP4351094A patent/JP2847029B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07251128A (ja) | 1995-10-03 |
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