JP2846450B2 - アルコールの製造方法 - Google Patents

アルコールの製造方法

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、トリグリセライドあるいは脂肪酸エステル
を原料とし、エステル還元触媒の存在下、水素で接触還
元するに際し、予め銅を含有する触媒で処理して硫黄化
合物濃度を低減した原料を使用することにより、エステ
ル還元触媒の活性寿命を高めることを可能とするアルコ
ールの製造方法に関するものである。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕 トリグリセライドおよびそれから誘導される脂肪酸エ
ステル(本発明において、脂肪酸エステルとは、トリグ
リセライド以外の、脂肪酸と低級又は高級アルコールと
のエステルをいう。)は、通常少なくとも数ないし数10
ppmの硫黄分を含有している。これらの原料油をエステ
ル還元触媒の存在下、水素で触媒還元し、アルコールを
製造する場合、原料油中に含まれる微量の硫黄化合物は
触媒毒として作用し、エステル還元触媒の活性寿命を著
しく低下させる。
そこで、本発明者らはアルコール製造原料となるトリ
グリセライドあるいは脂肪酸エステル(原料油)中に含
まれる硫黄化合物濃度を低減すべく、前述の精製処理方
法について検討を加えたところ、以下のような問題点が
明らかとなった。
(1)蒸留精製処理の問題点 天然油脂から常法によって誘導した脂肪酸メチルエス
テルを蒸留した場合、90%収率で硫黄化合物は初期含有
濃度の10%に、また98%収率で20%に低減可能である。
しかし、通常入手あるいは製造し得る脂肪酸メチルエス
テルで合目的レベルに硫黄化合物濃度を低減しようとす
る場合、5%以上の蒸留ロスは不可避であり、また原料
アルキル分布も大きく変化するという問題が生じる。
また、油脂又は脂肪酸と高級アルコールとのエステル
の蒸留の場合、これれは沸点が高いので、蒸留方法によ
ってこれらに含有される硫黄化合物を除去することは、
実質的に困難であった。
(2)脱硫触媒による精製処理の問題点 モリブデン又はタングステン系触媒は、石油精製の分
野において、軽油あるいは重油中の硫黄化合物の除去に
使用されている(触媒プロスセ化学、東京化学同人)。
しかし、これらの触媒は、脱硫活性を得るためには、
300℃以上の高温を必要とする。このような高温でトリ
グリセライドや脂肪酸エステルを水素化処理した場合、
エステル基の水素化分解に伴い、酸価(AV)の上昇や原
料分解物が著しく増加するという問題が生じるととも
に、生成脂肪酸により脱硫触媒成分の溶出が起き、エス
テル還元反応時に選択性の面で悪影響を与えるという問
題を生ずる。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明者等は、トリグリセライドおよびそれ
から誘導される脂肪酸エステルを原料とし、アルコール
を製造する工程において、原料油中の硫黄化合物濃度を
合目的レベルに低減するための精製技術を確立すべく、
鋭意研究を重ねた結果、トリグリセライドもしくは脂肪
酸エステルを水素または水素および不活性ガス混合雰囲
気下、特定の触媒を用いて処理することにより、目的に
適ったアルコール製造原料油を歩留り良く製造できるこ
とを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、トリグリセライドあるいは脂肪酸エ
ステルを、エステル還元触媒の存在下、水素で接触還元
するに際し、予め銅を含有する特定の触媒で処理して得
られる低硫黄化合物濃度の原料を用いることにより、エ
ステル還元触媒の活性寿命を高めることを特徴とするア
ルコールの製造方法を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
トリグリセライドおよびそれから誘導される脂肪酸エ
ステルを、エステル還元触媒の存在下、水素で接触還元
し、対応する脂肪族アルコールを製造する場合、原料油
の品質により触媒寿命が大きく影響を受けることは、当
業界において周知の事実である。そこで本発明者等は、
これら原料油中の不純物について、エステル還元触媒の
寿命に大きく影響を与える物質を詳細に検討したとこ
ろ、硫黄化合物、ハロゲン化物、および遊離の脂肪酸が
最も触媒毒性の強いことがわかった。硫黄化合物および
ハロゲン化物は一般に水素化反応用触媒の触媒毒として
良く知られており、反応に際してはこれらの触媒毒を極
力低減することが望ましい。しかし、通常入手し得る原
料油は、ハロゲン化物を極めて微量しか含有しておら
ず、このことから硫黄化合物濃度の低減が最も重要な問
題となる。
また、工業的に用いられているエステル還元触媒は、
銅−クロム系、あるいは銅−亜鉛系であり、これらは遊
離の脂肪酸による腐食を受け易いため、原料油中の脂肪
酸濃度も極力低減することが望ましい。
本発明は、トリグリセライドおよびそれから誘導され
る脂肪酸エステル中に含まれる硫黄化合物を低減するに
際し、蒸留精製に代わる安価で且つ脱硫率に優れた精製
処理方法を、更に、ニッケル系触媒で処理する場合に問
題となる脂肪酸の生成を伴なわない精製処理方法を提供
するものである。
本発明において使用される銅を含有する脱硫精製処理
触媒は、次式〔I〕の組成を有する。
式〔I〕:Cu・Xx・Yy・Oz 式〔I〕で表わされる脱硫触媒の組成は、脱硫活性の
点において非常に重要であり、好ましくはx=0.02〜2.
4、y=0〜2.0の範囲である。式〔I〕で表われる脱硫
触媒の製法は特に限定されず、共沈殿法、含浸法あるい
は均一混練法等により得られる混合物を焼成して調製さ
れる。
これらの触媒は、処理反応方式に応じて、粉末触媒あ
るいは球状もしくは円柱状等に成形された触媒から適宜
選ばれ、使用に供される。更にこれらの触媒は、水素で
還元活性化し使用する。また、場合によっては、公知の
方法で予め還元活性化および安定化処理を施した触媒を
そのまま、あるいは再度還元活性化した後に使用しても
良い。
該処理反応方式については、連続、半回分あるいは回
分のいずれの方法も採用可能であるが、大量に処理を行
なう場合は、特に連続方式が適する。連続方式の場合、
固定床、流動床、移動床方式等、例えば、石油精製にお
ける接触脱硫、接触分解もしくは接触改質等、広く実用
化されている反応方式が適用できる。一般に、原料油中
の硫黄化合物濃度が比較的低い場合、高濃度の触媒が利
用できる固定床方式が適し、また、原料油中の硫黄化合
物濃度が高い場合、性能の低下した触媒を連続的に交換
できる移動床および流動床方式が適する。
トリグリセライドあるいはそれから誘導される脂肪酸
エステルは、式〔I〕で表わされる脱硫触媒の存在下、
次の様な条件のもとで処理される。
例えば、連続反応方式においては、処理流通ガスは水
素あるいは水素を1容量パーセント以上含む不活性ガス
混合物であり、不活性ガスには窒素、アルゴン、ヘリウ
ム、メタン等が挙げられる。水素あるいは水素混合ガス
の流量は、処理原料油のケン化価(SV)から計算された
エステル基のモル数に対する水素のモル比で0.1〜300倍
になるような範囲で任意に決定される。また、圧力は、
水素の分圧として20kg/cm2〜500kg/cm2、より好ましく
は30kg/cm2〜300kg/cm2とする。エステル基に対する水
素のモル比および圧力が小さくなると、脱硫活性の低下
が起こる。処理温度は100〜350℃の範囲内において決定
されるが、温度が低い場合、脱硫活性の低下が認めら
れ、また高温になると原料油の分解に伴なう副生成物量
が多くなるため、150℃〜300℃の範囲で処理を行うこと
が望ましい。
処理原料油であるトリグリセライドあるいは脂肪酸エ
ステルの供給速度は1時間当りの反応塔容積比,つまり
液空間速度(以下、LHSVという)で0.1〜5.0Hr-1とする
が、小さくなると生産性の点で不利となる。また、液相
懸濁床方式にて処理を行なう場合、触媒濃度は0.05〜20
重量%の範囲で任意に決定される。
以上のような条件のもと、トリグリセライドあるいは
それから誘導される脂肪酸エステルを処理するに際し、
硫黄化合物濃度は、極力低減されなければならない。本
発明者等の検討によれば、銅系エステル還元触媒の寿命
に及ぼす硫黄化合物濃度の影響は、硫黄分で0.6ppm以下
になると、触媒寿命の低下がほぼ問題のないレベルまで
軽減できることがわかった。
従って、本発明で開示された精製処理により得られる
処理油中の硫黄分は、0.6ppm以下に低減することが望ま
れている。ここで、硫黄分濃度が0.6ppm以下の処理油を
長期に、かつ安定に製造するためには、上記処理条件の
もと、得られる処理油のケン化価(SV)を180KOHmg/g以
下に維持することが重要となる。即ち、処理油のSVを低
く設定した場合、短期的には良好な脱硫率が得られるも
のの、長期にわたって処理油中の硫黄分濃度を0.6ppm以
下に維持することは困難となる。また、処理油のSVを高
く設定した場合、脱硫性能が不十分となるため、適当で
はない。
従って、連続反応方式で該処理を行う場合、処理油の
SVを180KOHmg/g以下、好ましくは50〜150KOHmg/gの範囲
に維持するように条件設定を行なうことが望ましい。
本発明において開示された精製処理に従い得られた低
硫黄分含量の処理油は、次に本発明で特定する銅系のエ
ステル還元触媒を用いて水素で接触還元することにより
対応する脂肪族アルコールへ誘導される。本発明に使用
される銅系のエステル還元触媒には、例えば銅−クロ
ム、銅−亜鉛、銅−鉄−アルミ、銅−シリカ等の公知の
触媒が含まれる。
さらに本発明において開示したトリグリセライドある
いはそれから誘導される脂肪酸エステルの精製処理によ
り、原料油中のエステルの一部あるいは相当部が対応す
るアルコールへ変換されることにより、エステル還元反
応時におけるエステル還元触媒への負荷を軽減すること
が可能となる。すなわち、反応時間を短縮するか、ある
いは反応温度を低下させるか、あるいはまた、反応圧力
を低減することができるなどの効果を有する。
なお、前述したエステル還元反応は、液相懸濁床方式
あるいは固定床連続方式のいずれの反応方式でも行なう
ことができる。
かくして、本発明により得られる効果は、アルコール
製造原料であるトリグリセライドあるいはそれから誘導
される脂肪酸エステル中に含まれる触媒毒成分、すなわ
ち硫黄化合物を合目的レベルに迄低減するに際し、 従来行われている蒸留精製法に比べ、精製収率100
%でかつ硫黄化合物の除去率で数倍上まわる極めて安価
な効率の良い精製方法 従来のモリブデン又はタングステン系触媒による精
製処理に比べ、エステル還元触媒を腐食する遊離脂肪酸
の生成を併発することのない精製方法であり、かつエス
テル還元反応時におけるエステル還元触媒への反応条件
上の負荷が低減される処理方法 を提供し、これによりエステル還元触媒の活性寿命を高
め、かつエステル還元反応条件を緩和することを可能と
するアルコール製造法を提案するものである。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説
明し、その特徴とするところを一層明らかにする。な
お、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
〔原料油の精製処理〕
実施例1 撹拌機、温度計を付した24ツ口フラスコに純水27
3gを入れて90℃に加熱し、Cu(NO3・3H2O 66.4gとZ
n(NO3・6H2O 53.3gを純水190gに溶解した金属塩水
溶液、および17重量%の炭酸ナトリウム水溶液を、pH=
5.7〜6.3に維持しつつ、同時に滴下した。その後、10重
量%の水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH=9.5とし、
生成した沈殿物を濾過、水洗、乾燥した後、450℃で2
時間焼成することにより、Cu:Zn=1:0.65(原子比)の
組成を有する酸化物を得た。
次に銅−亜鉛酸化物を、ベントナイトを用いて押し出
し成形し、長さ5mm×直径2mmのヌードル状成形体とし
た。この成形体270ccを内径28mmの高圧反応管に充填
し、185℃において、5ないし60容量%の水素を含有す
る窒素ガスを常圧下、ガス流速約140/時で7.5時間流
通し、触媒の前処理を行った。この後、パーム核脂肪酸
メチルエステルと水素含有ガスを下向き並流に流通させ
ながら、原料エステル中に含まれる硫黄化合物の除去を
種々の条件下で行った。
ここで用いたパーム核脂肪酸メチルエステルは、以下
の分析値を有する。以下SV(ケン化価)、AV(酸価)、
OHV(水酸基価)の単位はKOHmg/gである。
SV(ケン化価)=242.9,AV(酸価)=0.07 OHV(水酸基価)=8.1,IV(ヨウ素価)=18.5 水分=0.02%,硫黄分=3.3ppm 処理温度の効果 水素圧力が100kg/cm2、原料エステルのLHSVが2、原
料エステルに対する水素流通モル比が15の条件下、処
理温度の効果を調べた。得られた結果を以下の表に示
す。
処理圧力の効果 原料エステルのLHSV(Hr-1)が2.0、原料エステルに
対する水素流通モル比が15の条件下、処理温度が230℃
での、処理圧力の効果を調べた。得られた結果を以下の
表に示す。
水素流通モル比の効果 水素圧力が100kg/cm2、原料エステルのLHSVが2、処
理温度が200℃の条件下、原料エステルに対する水素流
通モル比の効果を調べた。得られた結果を以下の表に示
す。
実施例2 撹拌機、温度計を付した2 4ツ口フラスコに、純水
762g、アルミン酸ナトリウム44.6g、CuSO4・5H2O 113.2
g、FeSO4・7H2O 151.2gを入れて98℃に加熱し、そこに2
2重量%の炭酸ナトリウム水溶液528.3gを120分で滴下し
た。つづいて、10重量%の水酸化ナトリウム水溶液をpH
=10.5になるまで加え、生成した沈殿物を濾過・水洗・
乾燥した後、600℃で1時間焼成することにより、Cu:F
e:Al=1:1.1:1.2(原子比)の組成を有する酸化物を得
た。
次に、この銅−鉄−アルミ酸化物を用いる以外は、全
て実施例1に記した成形法、触媒充填量および反応器、
前処理法、原料エステルを同一とし、種々の条件下にお
いて硫黄化合物の除去を行った。
処理温度の効果 水素圧力が100kg/cm2、原料エステルのLHSV(Hr-1
が2、原料エステルに対する水素流通モル比が15の条件
下、処理温度の効果を調べた。得られた結果を以下の表
に示す。
処理圧力の効果 原料エステルのLHSV(Hr-1)が2、原料エステルに対
する水素流通モル比が15、処理温度が230℃の条件下、
処理圧力の効果を調べた。得られた結果を以下の表に示
す。
水素流通モル比の効果 水素圧力が30kg/cm2、原料エステルのLHSV(Hr-1)が
2、処理温度が230℃の条件下、原料エステルに対する
水素流通モル比の効果を調べた。得られた結果を以下の
表に示す。
LHSV(液空間速度)の効果 水素圧力が100kg/cm2、原料エステルに対する水素流
通モル比が15、処理温度が230℃の条件下、LHSVの効果
を調べた。得られた結果を以下の表に示す。
実施例3 撹拌機、温度計を付した2 4ツ口フラスコに、純水
及び酸化チタンを入れ、98℃に加熱し、そこにCu(N
O3・3H2OとZn(NO3・6H2Oの混合水溶液と、10
重量%の炭酸ナトリウム水溶液とをpH=5〜6の範囲で
維持しつつ、同時滴下し、その後、溶液のpHが9になる
まで10重量%の炭酸ナトリウム水溶液を加えた。生成し
た沈殿物を濾過・水洗・乾燥した後、450℃で2時間焼
成することにより、Cu:Zn:Ti=1:0.05:0.8(原子比)の
組成を有する酸化物を得た。
次に、この銅−亜鉛/チタニア酸化物を打錠成形し、
高さ2.8mm×直径3mmの成形体とした。
この触媒を用いて実施例1に記したものと同一の反応
器、充填量で前処理し、実施例1で用いた原料エステル
中の硫黄化合物の除去を行った。処理条件を、温度が20
0℃、圧力が230Kg/cm2、原料エステルのLHSV(Hr-1)が
2、原料エステルに対する水素流通モル比が15とした時
に得られた結果を表1に示す。
実施例4 得られる酸化物が、それぞれの原子比として、 (i) Cu:Fe:Al=1:1.2:0 (ii) Cu:Fe:Al=1:1.2:2.0 で表わされる組成を有する触媒を用いる以外は、全て実
施例2に記した方法と同一とし、処理条件を温度が200
℃、圧力が230kg/cm2、原料エステルのLHSV(Hr-1)が
2、原料エステルに対する水素流通モル比が15とした時
に得られた結果を表1に示す。
実施例5 市販の銅−クロム触媒(Cu:Cr=1:1)について、実施
例1と同様な方法を用いて原料エステル中の硫黄化合物
の除去を行った。処理条件を、温度が200℃、圧力が230
kg/cm2、原料エステルのLHSV(Hr-1)が2、原料エステ
ルに対する水素流通モル比が15とした時に得られた結果
を表1に示す。
実施例6 原料エステルにヤシ樹脂酸メチルエステルを用いる以
外は、全て実施例2に記した方法により、硫黄化合物の
除去を行った。ここで用いたヤシ樹脂酸メチルエステル
は以下の様な分析値を有する。
SV=255.7 AV=0.04 OHV=5.8 IV=8.4 水分=0.05% 硫黄分=3.3ppm 水素圧力が50kg/cm2、原料エステルのLHSV(Hr-1)が
2、原料エステルに対する水素流通モル比が15の条件
下、処理温度の効果を調べた。得られた結果を以下の表
に示す。
実施例7 原料エステルに、脱酸精製パーム核油を用いる以外
は、全て実施例2に記した方法により、硫黄化合物の除
去を行った。ここで用いたパーム核油は以下の様な分析
値を有する。
SV=243.9 AV=0.02 OHV=4.9 IV=17.7 水分=0.05% 硫黄分=4.0ppm 水素圧力が100kg/cm2、原料油脂のLHSVが2、原料油
脂のエステル基のモル数に対する水素流通モル比が15の
条件下、処理温度の効果を調べた。得られた結果を以下
の表に示す。
実施例8 回転撹拌式0.5オートクレーブに、カゴ型リアクタ
ーに入れた還元活性化触媒15gと原料油200gを仕込み、2
50℃に昇温した後、水素圧を30kg/cm2に昇圧し、撹拌速
度800rpm、水素流速5/分で処理を開始し、3時間脱
硫処理を行った。なお、ここで用いた触媒は実施例1、
2、5で用いた成形触媒であり、また、原料油は実施例
1で用いたパーム核脂肪酸メチルエステルである。得ら
れた結果を以下に示す。
実施例9 粉末触媒3.75gとドデシルアルコール150gを回転撹拌
式0.5オートクレーブに仕込み、200℃に昇温し、水素
圧10kg/cm2、撹拌速度800rpm、水素流速8〜10/分で
2時間還元活性化を行った。その後、粉末触媒を遠心分
離し、その全量と、原料油150gを前述のオートクレーブ
に再び仕込み、250℃に昇圧した後、水素圧230kg/cm2
撹拌速度800rpm、水素流速5/分で脱硫処理を行っ
た。2時間後に、サンプリングを行ない、サンプリング
液を濾過して触媒を濾別することにより得られた脱硫処
理油について、分析を行った。なお、ここで用いた触媒
は、実施例1、2に記した組成を有する焼成粉末であ
り、また原料油は、実施例1で用いたパーム核脂肪酸メ
チルエステルである。
得られた結果を以下に示す。
以上、実施例1から9に示された処理条件において得
られた原料エステルの精製収率は実質的に100%であ
り、精製ロスは全くなかった。
比較例 パーム核脂肪酸メチルエステル中の硫黄化合物を除去
するに際し、比較例として通常の蒸留精製を試みた。
ここで用いたパーム核脂肪酸メチルエステルは以下の
ような分析値を有する。
SV=242.6 AV=0.02 OHV=4.9 IV=17.8 水分=0.03% S=3.6ppm 6kgの原料メチルエステルを10の蒸留器に仕込んだ
後、減圧度1〜2mmHgの条件で蒸留を行う。3kg程度の原
料が留出した後、再度原料メチルエステルを加え、引き
続き蒸留を行うことにより、合計8.02kgのメチルエステ
ルの精製を行った。この際、留出したメチルエステル中
に含まれる硫黄分を測定することにより、留出率に対す
る硫黄分濃度を調べた。得られた結果を以下の表に示
す。
尚、原料留出率が95%の場合、蒸留ボトムとして残っ
た原料エステルのアルキル組成はC18メチルエステルが8
0%以上であった。従って蒸留精製法ではC16ないしC18
の長鎖長メチルエステルのロスが多くなるという不利益
性を避けることが困難となる。
〔エステル還元触媒の活性寿命の検討〕
(反応例1) エステル還元触媒の活性寿命に対する還元原料油中の
硫黄分濃度の影響を調べるために、実施例に示した処理
により得られた油を還元原料に用い、検討を行った。ま
た比較のために、蒸留精製法により得られた原料、およ
び未処理のパーム核脂肪酸メチルエステルについても検
討した。ここで使用した還元原料油を以下にまとめた。
評価に用いたエステル還元触媒は、特開平1−305042
に開示されたチタニア担持銅−亜鉛触媒であり、CuO:Zn
O:TiO2=47.5%:2.5%:50.0%の組成を有す。
〔エステル還元触媒の活性寿命評価の方法〕
上記還元原料油150gと触媒3.75gを回転撹拌式0.5オ
ートクレーブに仕込み、水素圧10kg/cm2、温度200℃、
水素流通下において、2時間触媒の還元活性化を行っ
た。その後、230℃に昇温し、水素圧を120kg/cm2に昇圧
し、撹拌速度を800rpm、水素流速5/分で反応を開始
した。反応途中で適宜サンプリングを行ない、エステル
の転化率を求めることにより活性をもとめた。反応はエ
ステル濃度に対し1次反応で整理され、活性化前の触媒
1g当りの速度定数を活性の尺度とした。
反応終了後、触媒と生成アルコールを濾過分離し、回
収された触媒を再度反応に用い、この操作を同一条件で
計10回繰り返すことによりそれぞれの速度定数を求め、
次の計算式に従い反応1回当りの活性低下率を算出し
た。触媒回収回数に対する速度定数の変化は、一連の実
験において、いずれも良い直線性を示した。
得られた結果を以下の表に示す。
以上の結果から、本発明で開示した原料エステルの脱
硫処理により、硫黄分濃度を0.6ppm以下としたA,B,C,D,
E,F原料を用いた場合、蒸留メチルエステル(G)の活
性低下率より小さい値が得られ、蒸留精製処理(蒸留収
率=90.1%)と同等以上の活性寿命が得られることが明
確となった。
〔アルコールの生成反応の所用時間の検討〕
(反応例2) エステル還元反応時におけるアルコールの生成反応の
所要時間について、実施例に示した処理により得られた
還元原料油を用い、検討を行った。ここで用いた還元原
料油は(反応例1)で示したC,Eおよび比較のためのG,H
であり、以下に示すSV値を有する。
反応は(反応例1)と同一触媒を用い、反応条件につ
いても同じとした。アルコールの生成反応の所要時間
は、SV=10となるに要する反応時間を採用した。結果を
以下の表に示す。
以上の結果から、実施例に示した処理により得られた
還元原料油を用いてアルコールを製造することにより、
蒸留精製処理あるいは未処理原料を用いた場合にくらべ
て、反応時間を短縮することが可能となった。
〔発明の効果〕
本発明のアルコールの製造方法を用いることにより、
トリグリセライドあるいは脂肪酸エステルよりアルコー
ルを製造する場合、エステル還元触媒の活性寿命を高め
ることができ、又蒸留精製処理あるいは未処理原料を用
いた場合に比べて、反応時間を短縮することが可能とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 29/149 C07C 31/22 31/22 33/02 33/02 C07B 61/00 300 // C07B 61/00 300 B01J 23/74 301X (72)発明者 塚田 清 和歌山県和歌山市坂田733―17 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 31/125 - 31/22 C07C 33/02 C07C 29/149

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリグリセライドあるいは脂肪酸エステル
    を原料とし、エステル還元触媒の存在下、水素で接触還
    元するに際し、水素または水素および不活性ガス混合雰
    囲気下、予め下記の式(I)に示される銅を含有する触
    媒の存在下で処理して処理油中の硫黄分濃度を0.6ppm以
    下とした低硫黄分濃度の原料を使用することを特徴とす
    るアルコールの製造方法。 式(I):Cu・Xx・Yy・Oz
  2. 【請求項2】トリグリセライドあるいは脂肪酸エステル
    を、式(I)で示される触媒で処理するに際し、処理圧
    力が20〜500kg/cm2の範囲であることを特徴とする請求
    項1記載のアルコールの製造方法。
  3. 【請求項3】トリグリセライドあるいは脂肪酸エステル
    を、式(I)で示される触媒で処理するに際し、得られ
    る処理油のケン化価(SV)を、180KOHmg/g以下に維持し
    た低硫黄分濃度の原料を使用することを特徴とする請求
    項1及び2記載のアルコールの製造方法。
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