JP2845426B2 - フランジレス注射器用バックストップ装置 - Google Patents

フランジレス注射器用バックストップ装置

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JP2845426B2
JP2845426B2 JP8250531A JP25053196A JP2845426B2 JP 2845426 B2 JP2845426 B2 JP 2845426B2 JP 8250531 A JP8250531 A JP 8250531A JP 25053196 A JP25053196 A JP 25053196A JP 2845426 B2 JP2845426 B2 JP 2845426B2
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syringe barrel
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barrel
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、注射器用バックス
トップ(抜け防止ストッパ)装置に関し、更に詳細に
は、注射器と関連したストッパー構成要素が不意に外れ
ないようにするフランジレス注射器用バックストップ装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】当該技術分野で周知のように、注射器
は、医薬品の患者への投与に使用できる医療用送出装置
である。注射器は、通常は、所定の用量の医薬品が既に
装填してある充填済の形態、又は空であり、医薬品の投
与が所望である場合に末端使用者がバイアル又は他の医
薬品供給源から満たすようになった形態のいずれかの形
態で販売されている。
【0003】注射器は、代表的には、医薬品を保持する
ようになったバレル部分を有する。バレルの先端は、通
常は、バレル内に収容された医薬品を送出するための鋼
等でできた先の尖った針カニューレ又は先端が尖ってい
ないプラスチック製のカニューレのような従来の穿刺要
素を装着するように形成されている。注射器バレルの開
口した基端を通してプランジャーロッドを挿入し、バレ
ル内に液密をなして装着されたエラストマー製の又はゴ
ム製のストッパー要素と係合させ、使用者がプランジャ
ーに手で力を加え、穿刺要素を通して医薬品を送出す
る。フランジは、多くの場合、使用者が装置を操作し易
くするため、注射器バレルの開口した基端の周りに指当
ての形態で設けられている。しかしながら、「フランジ
レス」注射器と呼ばれることが多い種類の注射器にはフ
ランジは設けられていない。
【0004】当業者には理解されるであろうが、予充填
型注射器又は空の注射器のいずれにもある一つの問題点
は、ストッパー要素が注射器バレルから不意に外れ、注
射器自体を使用不能にしたり及び/又は注射器内の医薬
品を殺菌されていない状態にすることがあるということ
である。例えば、予充填型注射器の場合、最終殺菌工程
中にストッパーに及ぼされる力によってストッパーが注
射器の開口した基端から飛び出し、製品が使用不能にな
ることがある。更に、医薬品を穿刺要素を通して注射器
バレル内に吸い込もうとする末端使用者が、大き過ぎる
力を不意にプランジャーに及ぼし、これによって、スト
ッパー及び/又はストッパーに取り付けられたプランジ
ャーロッドをバレルから外してしまうことがある。更
に、細胞毒性の薬剤のような特定の医薬品については、
ストッパーがバレルから外れないようにする安全性につ
いての懸念がある。
【0005】当該技術分野において、上述の懸念を解消
しようとする多くの試みがなされた。例えば、レイ等に
賦与された米国特許第4,711,637号には、金属
シートのような可鍛材料から作られたクリップとして形
成された注射器係止装置が記載されている。注射器の基
端に取り付けられたクリップは、バレルの内側部分に向
かって突出した突起を有し、この突起は、ひとたび所望
のプランジャー位置が達成された後、プランジャーに
「食い込み」、プランジャーの移動を拘束するのに役立
つ。この種の装置では、プランジャーが不意に回転する
ことによって望ましからぬ係止が起こり、注射器を使用
不能にすることがある。別のクリップ型の解決策は、ブ
ランジネッツ等に賦与された米国特許第4,883,4
71号に記載されており、この解決策では、バレルクリ
ップが注射器バレルの外部の周りに配置されている。ク
リップは、注射器バレルに形成された開口部を通って突
出するフィンガ要素を含む。フィンガ要素は、所望のプ
ランジャー延長部にひとたび到達すると、ストッパー要
素を物理的に拘束する。
【0006】別の例では、注射器のストッパーが不意に
抜けることがないように物理的に拘束する構造を注射器
バレル自体の部分として組み込む。このような解決策の
例は、とりわけ、ラデルートに賦与された米国特許第
4,946,441号及びエスクデロに賦与された欧州
特許出願第0 409 134号に記載されている。こ
れらの解決策は、多くの場合、所望の構造を得るために
器具を形成するのに、費用のかかる変形を必要とすると
いう点で経済的でない。更に、特定の一体の注射器バレ
ル構造を使用すると、使用者は、ストッパー係止構造を
不能にすることによってストッパーを故意に容易に取り
外そうとしても、ストッパーを取り外すことができなく
なってしまう。
【0007】とりわけ、PCT出願第WO94/263
34号には、注射器用のプランジャー係止装置の二つの
実施例が開示されている。第1の実施例は、ばねクリッ
プ型であり、注射器バレルの内部に突出したフィンガ部
分61を有する。フィンガ部分61は、ストッパーを不
意に抜けることがないように物理的に拘束する。第2の
実施例は、注射器のフランジ領域に取り付けられるディ
スク状の追加物を必要とする。ディスクの上部分には、
注射器バレルと整合する開口部が設けられている。この
開口部は、バレルの内径よりも小さい。ディスクの開口
部が小径であるため、ストッパーが不意に抜けることが
阻止されるが、この実施例は、先ず最初にディスクを注
射器フランジに取り付け、その後、ストッパーに取り付
けるためにプランジャーをディスクの開口部に挿入する
場合にしか作用しない。従って、ここに教示されたディ
スク装置は、主に、完全に組み立てた注射器とともにデ
ィスクを手を加えていない状態で輸送する場合に使用す
るようになっており、最も適当には、プランジャー係止
装置の取り付けが注射器の充填プロセス、組み立てプロ
セス、及び/又は殺菌プロセスの一部である場合に使用
するようになっている。しかしながら、多くの注射器加
工機械は、係止装置の操作に適合するように設定されて
おらず、製造ラインの改造は、困難ではないにしろ費用
がかかる。
【0008】経済上の理由のため、及び特に特殊な充填
機又は殺菌機が既に設置されている場合には、ストッパ
ー係止装置を、後に取り付けるため、予充填済みの注射
器又は予め組み立て済みの注射器とは別に輸送するのが
有利である。更に、プランジャーをストッパーから分離
したり又は現存の製造ラインを改造したりする必要なし
に、装置を取り付け式構成要素として取り付けることが
できるのが有利である。更に、ストッパーが不意に抜け
ることがないようにするため、及び使用者に注射器を操
作するための指掛けを提供するため、このような装置を
フランジレス注射器に適合させるのが有利である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、これ
らの問題点及び関連した問題点を、本発明による注射器
バックストップ装置によって解決することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】プラスチック又はガラス
のいずれかでできた注射器に容易に適用できる装置は、
プレート状構造として形成でき、使用者が装置を把持し
易くする方法でフランジレス注射器の寸法に適合させる
ことができる。この装置は、バックストップ機能を果た
すことに加え、フランジレス注射器にフランジを設ける
のに使用できる。
【0011】一実施例では、バックストップは、注射器
バレルの外周の周りに取り付けることができる保持壁を
有する。例えば、保持壁は、注射器バレルの周囲の少な
くとも一部と係合し且つ注射器バレルの長手方向軸線を
横切る方向から注射器バレル上に配置できるように形成
された周壁として形成できる。注射器バレル上へのバッ
クストップの配置を容易にするため、周壁には、注射器
バレルの外径とほぼ同じ幅を持つ開口が設けられてい
る。この開口は、所望であれば、保持壁の注射器バレル
へのスナップ嵌合形式の係止保持を容易にするため、注
射器バレルよりも僅かに狭幅につくることができる。保
持壁には、種々の突起又は凹所が設けられ、これらは、
注射器バレルに設けられた対応する溝又は肩部と噛み合
うようになっている。
【0012】バックストップは、更に、保持壁の基端に
取り付けられた指掛けを有する。指掛けは、使用者が注
射器を更に容易に操作できるようにすると同時に、スト
ッパーが注射器バレルから不意に抜けることがないよう
にするための構造を提供するため、指形状を持つように
形成できる。指掛けには、注射器バレルの開口した基端
と整合した開口部が設けられており、この開口部は、ス
トッパー及び/又はプランジャーロッドが注射器バレル
から不意に抜けるのを阻止するようになっている。一つ
の形体では、指掛けには、截頭円錐形状の傾斜壁を持つ
上開口部が形成されている。傾斜壁の端部での開口部の
直径は、注射器バレルの内径よりも小さい。これらの直
径の差により、ストッパー又はプランジャーロッドが注
射器バレルから不意に抜けないようにするオーバーハン
グが開口部に形成される。
【0013】開口部のオーバーハング又はこれに対する
追加物のいずれかの代わりに、押縁要素を開口部の周囲
に配置し、ストッパーが注射器バレルから不意に抜けな
いようにすることができる。この開口部は、バックスト
ップを配置した後でもストッパー又はプランジャーロッ
ドを挿入でき、この際、押縁は、ストッパー又はプラン
ジャーロッドが注射器バレルから不意に抜けないように
する。
【0014】更に、指掛けは、プランジャーロッドを開
口部に入れるのに十分な広幅の開口を、指掛けの開口部
と周囲との間に有する。指掛けは、保持壁の開口部と整
合しているのが好ましい。従って、バックストップは、
プランジャーロッドの有無に拘わらず横方向から注射器
バレルに取り付けることができる。
【0015】保持壁の基端に開口部が設けられた指掛け
を提供する代わりに、一対のフランジを保持壁に取り付
けることによって、フランジレス注射器用取り付け式フ
ランジを形成するのがよい。更に、開口部のない指掛け
を形成すること、又は種々のシール手段を使用すること
のいずれかによってバックストップの開口部をなくし、
注射器バレル用のハンディな閉鎖装置を提供することが
できる。
【0016】次に、本発明を添付図面を参照して詳細に
説明する。
【0017】
【発明の実施の形態】本明細書において、「先端」とい
う用語は、医師から遠ざかる方向であり、これに対し、
「基端」という用語は、医師に近付く方向である。
【0018】次に、同じ構成要素に同じ参照番号を附し
た添付図面を参照する。図2乃至図4は、本発明による
バックストップ10の一実施例を示す。図1は、バック
ストップ10を注射器12のような医療用送出装置に取
り付けた状態で示す斜視図である。図示のように、注射
器12は、薬品を内部に収容するようになった注射器バ
レル14を含む。注射器バレル14は、外径が「N」で
内径が「M」であり、長手方向軸線「Z」を有する。注
射器バレル14は、上文中に説明したように、穿刺要素
17に従来の方法で取り付けられるようになった先端1
5を有する。例えば、先端15は、雄型ルアーコネクタ
として形成できる。比較的開口した基端19が注射器バ
レル14の反対端に形成されており、これを通してプラ
ンジャーロッド16を挿入できる。ここでは、注射器1
2はフランジレス型であり、代表的には、リム要素22
が注射器バレルの開口した基端19と隣接して形成され
ている。リム要素22は、例えば、注射器バレルの形成
中に形成してもよい。
【0019】図1の1bでわかるように、プランジャー
ロッド16は、通常は、複数のベーン(羽根)16aか
ら形成される。これらのベーンは、最小幅が「x」であ
り、最大幅が「φ」である。プランジャーロッド16
は、注射器バレル14の内部に液密係合状態で配置され
たストッパー要素20と噛み合う、即ち、ストッパー2
0の幅は、少なくとも注射器バレル14の内径「M」と
等しい。一般的にストッパー20とは別に形成されるプ
ランジャーロッド16は、ねじ型の構造16b(図1c
参照)又は当業者に公知のあらゆるその他の構造を介し
てストッパー20と噛み合うことができる。プランジャ
ーロッド16の基端には、代表的には、使用者が操作す
るための指当て18が設けられている。また、幾つかの
プランジャーロッドは、同プランジャーロッドの長手方
向に沿って設けられた1個以上の補強板16cを備えて
もよい。図示するように、補強板16cは、ねじ形式の
構造16bにほぼ隣接してプランジャーロッドの末端に
設けられている。補強板16cは、注射器バレル14の
内径「M」よりは小さいが、プランジャーロッドの最大
径「φ」よりも大きい直径「B」を有する。
【0020】次に、図2乃至図4を更に詳細に説明す
る。本発明によるバックストップ10は、注射器バレル
14の外周の周りに取り付けることができる保持壁4
0、及び保持壁40の基端に配置された指掛け30を有
する。指掛け30は、バックストップ10を注射器に装
着したときに指掛けが注射器バレル14の開口した基端
19と隣接して置かれるように保持壁40に取り付けら
れている。バックストップ10は、医用等級のプラスチ
ック、金属、ガラス、等の任意の適当な材料から形成で
きる。
【0021】指掛け30は、医師が容易に掴むことがで
きるようにする任意の適当な方法で形成できる。ここで
は、指掛けは、従来の注射器のフランジを真似て形成し
てある。指掛け30は、挿入されるプランジャーロッド
を受け入れるため、少なくともプランジャーロッド16
の最大幅「φ」と等しい幅を持つ開口部32を有する。
以下に更に詳細に説明するように、開口部32自体及び
/又はこれと関連した構造が指掛け30を通る通路を形
成する。この通路は、注射器バレル14が構成する内径
「M」よりも幾分小さく、ストッパー20又はプランジ
ャーロッド16が注射器バレルの開口した基端19から
不意に抜けないような構造となっている。
【0022】更に、指掛け30には、リード(導入)開
口34が成形又は他の方法で指掛けに切り込んである。
リード開口34は、移行点36のところで開口部32と
連通している。移行点36は、開口部32を開口34か
ら分けるパラメータを構成する。移行点36は、プラン
ジャーロッド16を開口部32に挿入されたままにする
ように、プランジャーロッド16の最小幅「x」よりも
僅かに小さいか或いは、少なくともこれと等しい所定の
幅「L」を構成する。かくして、プランジャーロッド1
6の有無に関わらず、バックストップ10を注射器バレ
ル14に取り付けることができる。
【0023】保持壁40は、注射器バレル14の外径
「N」にぴったりと嵌まるような形体に形成されてい
る。ここでは、保持壁40は、基端47と先端48との
間の外周部分42及び内径が「P」の開口部49を含
む。更に、保持壁40は、幅「O」の開口44を含む。
開口44の目的は、バックストップ10を注射器バレル
14に滑り込ませることができるようにすることであ
る。開口44の幅「O」は、注射器バレル14の外径
「N」が開口部49の内径「P」に進入できるのに十分
な幅でなければならない。所望であれば、開口部44の
幅「O」は、バックストップ10を注射器バレル上に配
置したとき、保持壁40、特定的には開口44及び開口
部49が注射器バレル14の外径「N」の周りで弾性的
に拡張できるように、注射器バレル14の外径「N」よ
りも僅かに小さくつくることができる。更に、ここで
は、開口部49の内径「P」は、少なくとも注射器バレ
ル14の外径「N」と等しいか或いはそれよりも僅かに
小さくなければならない。かくして、注射器バレルを保
持壁の開口部49内に完全に配置したとき、保持壁40
は、確実な保持作用を注射器バレル14に及ぼし、それ
によって、保持壁と注射器バレルとの間のスナップ嵌合
が提供される。
【0024】上文中に説明したように、フランジレス注
射器は、注射器バレルの開口した基端19と隣接して形
成されたリム要素22を有するのがよい。ここでは、保
持壁40には、リム要素22と噛み合うように形成され
た溝46が設けられている。かくして、溝46は、ひと
たび保持壁40を注射器バレル上に配置すると、リム要
素22の周りにクランプでき、バックストップ10と注
射器バレル14との間に確実な保持力を及ぼす。
【0025】本発明のバックストップは、プランジャー
ロッド16の有無に拘わらず、注射器バレルの長手方向
軸線「Z」を横切る方向から注射器バレル14上に配置
することができる。図1乃至図3の3aを参照すると、
指掛けのリード開口34と保持壁の開口部44とは、互
いにほぼ整合しているのが好ましいということがわかる
であろう。このようにして、注射器バレルの長手方向軸
線「Z」を横切る方向にバックストップ10が押し込ま
れると、指掛けのリード開口34がプランジャーロッド
16(注射器バレル内に既に挿入されている場合)が開
口32内へ入り込むのを許容すると同時に、保持壁40
の開口部44が、注射器バレルが開口49内に入り込む
のを容易にする。従って、例えば、注射器バレル上で長
手方向にバックストップを付勢することに対して必要と
されるかもしれない、コストがかる変形、付加構造等の
必要なく、横方向からの組み立てを可能にする種々の注
射器加工処理を行うことができる。
【0026】次に、図3の3a及び図3bを参照する。
バックストップ10が注射器バレル14上に既に存在し
た状態で注射器バレル14へのストッパー20の挿入を
容易にするため、開口部32の周囲に亘って延びる截頭
円錐形の導入壁52を構成するように、指掛け30の幅
を通して開口部32を形成するのがよい。截頭円錐形の
導入壁52は、指掛け30の上面31と同一平面内にあ
る基端外周50と注射器バレルの開口した基端19と隣
接して指掛け30の底面33上に配置された先端外周5
4との間に延びている。截頭円錐形の導入壁52の末端
の外周54は、注射器バレル14の内径「M」よりも小
さいがプランジャーロッド16の最大幅「φ」を収容す
るのに十分な大きさの径「Q」を有している。注射器バ
レルの開口した基端19を覆って延びているオーバーハ
ング部分(張り出し部分)すなわち図3の3bに示すよ
うに注射器バレル14の内周より内側に張り出した部分
55が形成されている。截頭円錐形の導入壁52によ
り、注射器バレル上にバックストップ10が取り付けら
れているかいないかに拘わらず、ストッパ20は、注射
器バレル14内に導入することができる。同時に、オー
バーハング部分55は、ストッパー20がひとたび導入
されると、同ストッパー20が注射器バレル14から不
意に抜け出ることを実質的に防止するバリアーを提供す
る。また、補強板16cのような構造がプランジャーロ
ッド16に設けられている場合には、オーバーハング部
分55は、補強板16cの通路を塞ぐような大きさとし
て、プランジャーロッド16が不意に抜け出るのを防止
する(バックストップ10が既に定位置に設けられてい
る場合には、截頭円錐形の導入壁52が、補強板16c
が注射器バレル内へ入り込むのを容易にする)。
【0027】所望であれば、開口部32の近くに突起
6を形成するのがよい。ここでは、突起56は截頭円錐
形の導入壁52の先端外周54に配置されている。しか
しながら、開口部32の近くに截頭円錐形の導入壁が有
る無しに拘わらず突起56を設けてもよいことは、当業
者に理解されるであろう。図示のように、突起56は比
較的に連続しているが、必要であれば、又は所望であれ
ば、複数の個々の突起から不連続の区分として形成でき
る。突起56は、任意の形体をとることができるが、図
3cに示すように、注射器バレルの開口した基端19を
通ってその内部に向かって延びている。
【0028】所望であれば、図3の3dに示すように、
突起56は、例えば、開口した基端19と注射器バレル
のリム要素22との間の共通区分21のところで注射器
バレル14の一部と接触するように形成できる。変形例
では、図3の3cについて上文中に説明したように、
56は、開口した基端19と隣接して注射器バレル1
4の内面の一部と接触できる。従って、バックストップ
10を注射器バレル14にひとたび一杯に装着したと
き、突起56が注射器バレル14の内面(又は上述のよ
うに、開口した基端19とリム要素22との間の共通区
分21)と接触し、バックストップ10の注射器バレル
14への係止保持を高める。更に、小径の開口部32及
びこれと向き合った注射器バレル14の内径「M」のた
め、ストッパー20(又は、上記したように、プランジ
ャーロッド16の補強板16c)は注射器バレル14か
ら不意に抜けることがなく、これは、この場合には、抜
こうと試みた場合に突起56の内向きの縁部との係合に
よって補助される。開口部32の周囲に截頭円錐形の壁
52を設けることによって、使用者は、バックストップ
10が注射器バレル14の周りに取り付けられている場
合でもストッパー20又はプランジャーロッド16を注
射器バレル14内に挿入しようと思えば挿入できる。し
かしながら、突起56は、ストッパー20又は補強板1
6cと接触し、ストッパー又はプランジャーロッドを注
射器から引き抜こうとする全ての試みを妨げる。
【0029】本明細書中に説明したように、バックスト
ップ10が突起56を備えて形成されている場合には、
リム22及び/又は開口した基端19の外周にバックス
トップ10を容易に挿入できるようにするため、開口部
32を開口34と接続させる移行点36の各々と隣接し
て移行領域56bが設けられるように、突起56の高さ
を形成するのがよいということに(図3の3eを参照し
て)着目されたい。かくして、突起56の高さ「H」
(図3の3f参照)は、移行点36での実際上ゼロの値
から開口34の真向かいの最大の一定の高さ56aの部
分まで増大する。従って、突起56の最大部分56aが
注射器バレル14の開口した基端19と接触したとき、
使用者がバックストップ10を注射器バレル14上に配
置することによって加えられる追加の力により、最大点
56aを押して開口した基端19と隣接した注射器バレ
ル14の内面と接触させ、これによって、バックストッ
プ10を上文中に説明したように、注射器14に対して
更にしっかりと保持する。
【0030】図6及び図7は、本発明による変形例のバ
ックストップ70を示す。ここでは、保持壁80は、上
文中に説明したように、周方向に延びる複数の不連続の
区分84から形成される。上述の実施例と同様に、指掛
け90が不連続部分84の各々の基端86と隣接して配
置されている。不連続部分84は、チャンネル82を形
成する。この形体により、保持壁80には大きな弾性が
与えられ、これによって、開口88を注射器バレル14
の外径の周りに拡張することができる。変形例では、注
射器バレル14に設けられた種々の突起等(図示せず)
を収容する開口部をチャンネル82に形成するのがよ
い。これらの開口部は、恐らくは、バックストップ装置
70を注射器バレル14に固定するために接着剤等を導
入できるようにする開口部として役立つ。
【0031】本発明によるバックストップは、種々のフ
ランジレス注射器に適用できる。例えば、図8の8aに
示すように、開口した基端119と隣接して溝123が
形成されたフランジレス注射器114に対し、バックス
トップ100、特に、注射器バレル114の溝123と
噛み合うようになった延長部132を備えた指掛け13
0を提供できる。図8の8bでは、注射器バレル214
の開口した基端219から離して溝223が形成されて
いる。従って、突起232には、溝と噛み合うように下
方に角度が付けてある。変形例では、図8の8cでわか
るように、注射器バレル314にリム要素322が設け
られている場合には、バックストップ300、更に詳細
には指掛け330にL字形状可撓性延長部340が設け
られている。この延長部は突起342を有し、この突起
は、指掛け330の下面344とともにリム要素322
を間に「把持」する。最後に、図8の8dを参照する
と、注射器バレル414のリム要素422が開口した基
端419から大きく離れている場合には、指掛け430
には、保持壁440の先端448と実質的に隣接して溝
422が形成されている。
【0032】図9の9a乃至図11の11bは、本発明
によるバックストップ装置を注射器バレル、特に注射器
バレルと保持壁との間にスナップ嵌合保持がなされない
注射器バレルに取り付けるための種々の方法を示す。上
文中に言及したように、本発明による装置は、フランジ
レス注射器用のハンディな取り付け式フランジを提供す
る。図9の9a乃至図11の11bに説明したように、
バックストップ装置500は、使用者が操作する指掛け
501として役立つ上プレートがないフランジレス注射
器用の取り付け式フランジ構成要素として形成されてい
る。本明細書中で言及した方法は、上文中に説明したよ
うに、注射器バレルからストッパー又はプランジャーが
不意に抜けないようにするため、指掛け及び関連した開
口部を持つバックストップに使用できるということは当
業者には容易に明らかになるであろう。
【0033】図9の9a及び9bを参照すると、注射器
バレル514の長手方向軸線「Z」に対して横方向に移
動するように形成されたバックストップ500につい
て、一つ又はそれ以上の穴550が保持壁540を通し
て形成できる。バックストップ500を注射器バレル5
14に対して配置した後、接着剤の液滴560をこれら
の穴550に流し込んでバックストップを注射器に固着
することができる。変形例では、図10の10a及び1
0bでわかるように、面取りを施した縁部570を保持
壁540に先端548と隣接して設けることができる。
かくして、バックストップ500を注射器514に対し
て配置したとき、面取りを施した縁部570に接着剤5
60を注入し、バックストップを注射器に接着できる。
注射器514aがプラスチック材料で形成されている図
11の11a及び11bに示す別の変形例では、バック
ストップ500は、同様に、プラスチック材料から形成
でき、保持壁540の周囲に溶接領域580が配置され
ている。溶接領域580には、例えば、窪みを付けるこ
とができ、バックストップ500を注射器514aに取
り付けた後、ヒートシール装置、超音波装置、レーザー
装置、等の適当な取り付け手段をこれらのシール領域5
80に作用させてプラスチック製のバックストップ50
0をプラスチック製の注射器バレル514にシール及び
/又は溶接することができる。
【0034】添付の特許請求の範囲の精神及び範囲から
逸脱することなく、本発明の別の形態及び追加の形態を
考案でき、本発明は図示の特定の実質的に限定されない
ということは当業者には理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】1aは、注射器に取り付けられた本発明のバッ
クストップ装置の斜視図である。 1bは、図1の1a−1a線に沿った、プランジャーロ
ッドの断面図である。 1cは、注射器と共に採用可能なプランジャーロッドの
末端の側面図である。
【図2】本発明によるバックストップ装置の一実施例を
下方から見た斜視図である。
【図3】3aは、図2に示すバックストップの頂面図で
ある。 3bは、指掛けの開口部の、注射器バレルの開口した基
端に対する配置を示す断面図である。 3c及び3dは、指掛けの開口部の周りに形成した突起
の実施例を示す概略断面図である。 3eは、可変高さの突起の形成を示す平面図である。 3fは、可変高さの突起の形成を示す側面図である。
【図4】図2のバックストップ装置の図3の3aにおけ
る線4−4に沿った断面図である。
【図5】図2に示すバックストップ装置の図3の3aの
線5−5に沿った断面図である。
【図6】図2に示すバックストップ装置の変形例の斜視
図である。
【図7】図6に示した実施例の注射器に取り付けられた
状態の断面図である。
【図8】8a乃至8dは、本発明のバックストップ装置
を種々のフランジレス注射器に取り付けるための種々の
手段を示す断面図である。
【図9】9a乃至9dは、本発明によるバックストップ
装置を注射器バレルに取り付けるための方法を示す断面
図である。
【図10】10a及び10bは、本発明によるバックス
トップ装置を注射器バレルに取り付けるための方法を示
す断面図である。
【図11】11a及び11bは、本発明によるバックス
トップ装置を注射器バレルに取り付けるための方法を示
す断面図である。
【符号の説明】
10 バックストップ 12 注射器 14 注射器バレル 16 プランジャーロッド 20 ストッパー要素 22 リム要素 30 指掛け 32 開口部 34 リード開口 36 移行点 40 保持壁 42 周囲部分 44 開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 595117091 1 BECTON DRIVE, FR ANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNI TED STATES OF AMER ICA (56)参考文献 特開 平8−98732(JP,A) 特開 昭51−103691(JP,A) 登録実用新案3021855(JP,U) 登録実用新案3006419(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61M 5/31

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の最小幅を持つプランジャーロッド
    を保持するようになった、外周、外径、内径、及び開口
    した基端を有するバレルを有するフランジレス注射器か
    らストッパーが不意に抜けないようにするための装置に
    おいて、 基端及び先端を持ち、前記注射器バレルの外径以下の所
    定の幅を持つ開口を構成する保持壁を有する、前記フラ
    ンジレス注射器の開口した基端と隣接して取り付けるこ
    とができるバックストップと、 保持壁の基端に取り付けられた指掛けであって、フラン
    ジレス注射器の開口した基端と連通した貫通開口部が形
    成され、該開口部の幅は、注射器バレルの内径以下であ
    り、更に、前記開口部と連通した、少なくともプランジ
    ャーの最小直径と等しい所定の幅を持つリード開口を有
    する、指掛けと、前記指掛けの前記開口部の一部の周りに設けられ、スト
    ッパーがフランジレス注射器から不意に抜けないように
    するため、注射器バレルと隣接した前記フランジレス注
    射器の一部と係合する突起と、 を有する装置。
  2. 【請求項2】 前記突起は、注射器の開口した基端と係
    合できる、請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記突起は、開口した基端と隣接した注
    射器バレルの内側部分と係合できる、請求項2に記載の
    装置。
  4. 【請求項4】 前記指掛けの開口部の幅は、注射器バレ
    ルの内径よりも小さく、前記穴は、ストッパーが注射器
    バレルから不意に抜けないようにするため、前記開口し
    た基端上に配置されるオーバーハングを形成する、請求
    項1に記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記指掛けの開口部は、注射器バレルの
    開口した基端に向かって配向された実質的に截頭円錐形
    形状の導入壁を構成し、前記導入壁は、前記指掛けの上
    面から始まり、前記オーバーハングで終わっている、請
    求項4に記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記注射器バレルの外周にはリム要素が
    設けられ、前記保持壁には、前記リム要素が内側に係合
    するようになった溝が設けられている、請求項1に記載
    の装置。
  7. 【請求項7】 前記注射器バレルの外周には溝が設けら
    れ、前記保持壁は前記注射器バレルの溝内に保持される
    ようになった突起を有する、請求項1に記載の装置。
  8. 【請求項8】 前記保持壁を通して形成された一つ又は
    それ以上の穴を更に有し、前記保持壁は、前記一つ又は
    それ以上の穴に配置された接着剤によって前記注射器バ
    レルに固定できる、請求項1に記載の装置。
  9. 【請求項9】 前記保持壁は、先端と隣接して面取り部
    分を有し、前記保持壁は、前記面取り部分に配置された
    接着剤で前記注射器バレルに固定できる、請求項1に記
    載の装置。
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