JP2844924B2 - 継目無鋼管の製造方法およびその製造設備 - Google Patents

継目無鋼管の製造方法およびその製造設備

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JP2844924B2 JP51377395A JP51377395A JP2844924B2 JP 2844924 B2 JP2844924 B2 JP 2844924B2 JP 51377395 A JP51377395 A JP 51377395A JP 51377395 A JP51377395 A JP 51377395A JP 2844924 B2 JP2844924 B2 JP 2844924B2
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【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、継目無鋼管の製造方法およびその方法を実
施するための製造設備に関する。さらに詳しくは、簡素
化され、かつ連続化された製造工程および製造設備によ
って、強度、靭性および耐食性等の性能に優れた継目無
鋼管を、生産性よく、安価に製造する方法およびその方
法を実施するための製造設備に関する。
背景技術 油井管、ラインパイプ、熱交換器用管、配管、軸受用
管などの用途には、継目無鋼管が用いられている。その
材質としては、おもに炭素鋼、Cr、Moなどの合金成分を
含む低合金鋼、高Crステンレス鋼などが対象となる。こ
れらの継目無鋼管の製造には、マンネスマン−マンドレ
ルミル方式がよく用いられる。マンネスマン−マンドレ
ルミル方式による継目無鋼管の製造においては、穿孔圧
延工程で厳しい加工が施されること、製品に高度な性能
が求められることなどの理由から、一般に、製造工程が
極めて複雑である。
図1は、マンネスマン−マンドレルミル方式の製造工
程の1例を示す。鋼塊から製品に至るまでの間に多くの
工程があり、被加工材に対しては、様々な加工と加熱、
冷却が繰り返される。また、図1中に点線で示すのは、
工程間における搬送、一時ストック等の処理を伴うライ
ン変更であり、マンネスマン−マンドレルミル方式の製
造工程では、ライン変更が何度も行われる。したがっ
て、継目無鋼管の製造には、高度な機能を備えた多くの
設備と多量のエネルギーを必要とする。そのために、製
造コストが高くなるという宿命的な問題がある。
製造コストを安くするためには、生産性を高くするこ
と、設備費を下げること、ランニングコストを安くする
ことが必要である。さらに具体的には、製造工程および
製造設備の簡素化を図ると同時に、従来の製品の品質を
超える性能を備えた製品を製造することが、継目無鋼管
の製造に課せられた課題である。
これらの課題を解決することを目的として、継目無鋼
管の製造に対して、様々な技術開発が行われてきた。特
に、図1に示した工程の内、鋼塊からビレットを製造す
る段階、熱間での穿孔圧延、延伸圧延および仕上げ圧延
の段階、仕上げ圧延後製品の鋼管に所定の性能を付与す
る熱処理段階に多くの提案がなされている。
鋼塊から横断面形状が丸形のビレットを製造する工程
については、連続鋳造法によって丸形のビレットを製造
し、分塊圧延または鍛造工程を省略する提案がある。例
えば、特開昭63−157705号公報には、連続鋳造法によっ
て、横断面の形状が丸形のビレットを製造し、このビレ
ットを穿孔後、延伸圧延する継目無鋼管の製造方法が示
されている。しかし、ここに提案されている方法は、穿
孔圧延するためのビレットの加熱条件および傾斜ロール
穿孔圧延機であるピアサーでの穿孔圧延条件に十分な技
術改善が加えられていない。そのために、穿孔の際に被
穿孔材に割れが発生しやすい。
また、工程の連続化の観点から、「鉄と鋼、第71年
(1985)第8号、965〜971頁」には、連続延伸圧延機で
あるマンドレルミルと仕上げ圧延機であるエキストラク
ティングサイザーとを直結した製造設備が開示されてい
る。しかし、この設備は、焼入れ温度を確保することを
目的として、連続延伸圧延機と仕上げ圧延機とを直結し
たにすぎない。そのため、仕上げ圧延後高温のまま焼入
れされるので、結晶粒の粗大化が起こり、製品である鋼
管の靭性が低下するという問題がある。
仕上げ圧延後の鋼管に、製品として要求される所定の
性能を付与する熱処理工程についても、多くの提案があ
る。継目無鋼管には、高い信頼性および高い性能を備え
ていることが要求される。そのため、図1に示したよう
に、通常、製品の品質を決定付ける焼入れ、焼戻し処理
からなる熱処理は、厳密な管理が可能なオフライン方式
で行われている。したがって、製管ラインとは別に焼入
れ装置と焼戻し炉が設置されている。このようなオフラ
インでの処理を含む製造方法は、製造設備の簡素化およ
びエネルギーの節減の上で大きな障害となっている。
このため、近年継目無鋼管の製造において、仕上げ圧
延後の被加工材が保有する熱を利用して、オンラインで
焼入れを行う、いわゆる直接焼入れ法を採用する試みが
なされている。直接焼入れ法を採用すると、オフライン
での焼入れ装置が不要になり、また製造工程が簡素化さ
れるので、大幅なコストダウンを図ることができるとい
う利点がある。
例えば、特開昭56−166324号公報、同58−120720号公
報、同58−224116号公報、同59−020423号公報、同60−
033312号公報、同60−075523号公報、同62−151523号公
報等には、継目無鋼管の製造工程において、仕上げ圧延
後、直ちに鋼管を強制的に冷却する直接焼入れ法が開示
されている。しかし、この直接焼入れ法によって製造さ
れた製品については、従来のオフラインで焼入れされた
製品並みの品質が得られていないのが実状である。すな
わち、従来の方法で製造された製品に比べ、鋼の結晶粒
が粗大なため、靭性や耐食性に劣るという問題がある。
鋼の結晶粒を微細化することを目的として、オンライ
ンで被加工材に加工熱処理を施す技術が提案されてい
る。例えば、特開昭56−003626号公報には、粗圧延(延
伸圧延)と仕上げ圧延の中間に冷却と再加熱の工程を組
み込む方法、特開昭58−091123号公報、同58−104120号
公報、同63−011621号公報および特開平04−358023号公
報には、仕上げ圧延後に冷却と再加熱を組み合わせた処
理を行う方法、特開昭58−117832号公報には、圧延途中
(延伸圧延と仕上げ圧延の間)および圧延後(仕上げ圧
延)の2回、冷却と再加熱を施す方法が開示されてい
る。上記のこれらの処理方法は、オンラインで冷却と再
加熱を組み合わせたものであり、オーステナイトからフ
ェライトへの変態およびフェライトからオーステナイト
への逆変態を合計2回以上繰り返すことを特徴としてい
る。
上記の方法は、いずれも、被処理材の鋼管に対して、
変態が開始もしくは完了する温度域まで強制的な冷却処
理を必要とし、また、引き続き逆変態が完了する温度域
までの再加熱を必要とする。したがって、上記の方法で
は、多くのエネルギーを消費するのでエネルギーコスト
が高いことおよび複雑な製造設備となるため製造設備の
建設費が高いことといった問題点がある。また、直接焼
入れ法によって製造された継目無鋼管の機械的性質に
は、強度等についてバラツキが大きい。その理由は、鋼
管の長さ方向あるいは製造ロット間で、焼入れ温度が不
均一になるためである。したがって、品質の均一な継目
無鋼管を、生産性よく、大量に製造することは困難とい
う問題がある。このように、上記の方法は、従来のオフ
ラインで焼入れする方法に比較して、設備費およびラン
ニングコストに優位性を見い出すことができないばかり
か、製品の性能にも劣るものであった。
一方、継目無鋼管の製造方法において、各工程をオフ
ラインにして独立して配置すると、工程間での処理スピ
ードが相違するために、ビレット等の被加工材をストッ
クするスペースを必要とするという問題がある。例え
ば、穿孔圧延用素材であるビレットを保管するビレット
ヤードや、熱処理前の鋼管を一時保管しておく場所等が
必要なため、広いスペースを確保しなければならない。
また、各々の工程間では素材を搬送する手段が必要であ
り、クレーン、トラック等の補助搬送設備等、多くの搬
送手段を必要とするという問題もある。
以上述べたように、従来提案されている方法では、簡
素化された製造工程と製造設備によって、高い生産性
で、かつ安価な製造コストで、性能に優れた継目無鋼管
を製造するという要求には応えることができない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもの
で、簡素化された製造工程および製造設備によって、安
い製造コストで、生産性よく、かつ従来の製品より優れ
た性能を備えた継目無鋼管を製造する方法とその製造方
法を実施するための製造設備を提供することを目的とし
ている。
発明の開示 本発明は、簡素化された製造工程および製造設備によ
って、安い製造コストで、生産性よく、かつ従来の製品
より優れた性能を備えた継目無鋼管を製造する方法とそ
の製造方法を実施するための製造設備を提供することを
目的としている。
本発明の製造方法は、順次連続した下記の〜を含
む工程で構成されており、ビレットの製造から製品に至
るまでの工程が、オンラインで結ばれている。
連続鋳造法によって、横断面の形状が丸形のビレッ
トを製造する工程、 前記ビレットをAr1変態点以下の温度に冷却する工
程、 Ar1変態点以下の温度に冷却された前記ビレットを
穿孔可能な温度に加熱する工程、 穿孔可能な温度に加熱されたビレットを200/秒以下
の歪速度で穿孔圧延し、中空素管を製造する工程、 連続延伸圧延機と仕上げ圧延機とが直結して配置さ
れた圧延機によって、前記中空素管に対して、平均歪速
度0.01/秒以下、加工度10%以上、仕上がり温度800〜10
50℃の条件で、延伸圧延および仕上げ圧延を施すことに
より、鋼管を製造する工程、 前記鋼管に対して、Ar3変態点以上の温度で再結晶
処理を施す工程、 Ar3変態点以上の温度から、前記鋼管を焼入れ処理
を施す工程、 焼入れされた前記鋼管に、焼戻し処理を施す工程。
また、本発明の方法を実施するための製造設備は、上
記の工程にしたがって、各装置が連続的に連結されて配
置されている。
本発明の継目無鋼管の製造方法および製造設備によれ
ば、安い製造コストで、生産性よく、かつ従来の製品よ
り優れた性能を備えた継目無鋼管を製造することができ
るので、工業的な継目無鋼管の製造に対する本発明の寄
与は、極めて大きい。
図面の簡単な説明 図1は、従来の継目無鋼管の製造工程の1例を示す図
である。
図2は、本発明の継目無鋼管の製造工程を示す図であ
る。
図3は、本発明の継目無鋼管の製造設備の配置を模式
的に示す図である。
図4は、本発明の実施例に用いた試験用ビレットの化
学組成および変態点を示す図である。
図5は、実施例における試験1で得られた中空素管に
ついて、最大割れ発生深さを測定した結果を示す図であ
る。
図6は、実施例の試験2における穿孔圧延、延伸圧延
および仕上げ圧延条件を示す図である。
図7は、実施例の試験2における再結晶処理条件、焼
入れ条件および焼戻し条件を示す図である。
図8は、実施例の試験2で得られた試験材について、
材料の強度、結晶粒度および耐食性を調査した結果を示
す図である。
発明を実施するための最良の形態 本発明者らは、前述の課題を解決するために、継目無
鋼管の製造工程の簡素化および各工程における最適な処
理条件について、実験研究を重ねた。その結果、本発明
者らが得た新たな知見を基に、課題をすべて解決するこ
とができる、次の製造方法および製造設備を完成した。
図2は、本発明の製造工程を示す。本発明の基本的な
技術思想は、次のとおりである。
ビレットは、横断面の形状が丸形のビレットを連続
鋳造法によって製造する。この方法によって、鋼塊ある
いは角形の連続鋳造ビレットを素材とする場合に必要な
分塊、圧延あるいは鋳造工程を省略できる。
鋳造されたビレットは、穿孔圧延のための加熱の前
に、一旦Ar1変態点以下の温度まで冷却する。この冷却
によって、次の加熱の際に、効果的に結晶粒の微細化を
行わせる。結晶粒の微細化によって、過酷な穿孔圧延に
対しても被穿孔材に割れが発生することを防止できる。
ビレットAr1変態点以下に冷却した後に、穿孔圧延
可能な温度に加熱する。Ar1変態点以下のできるだけ高
い温度で、ビレットの加熱を開始することにより、鋳造
時の保有熱を十分に活用する。この処理によって、加熱
炉での加熱に必要なエネルギーを大幅に節約できる。ま
た、鋼塊または角形の連続鋳造材を素材とする方法に比
べて、保管場所を大幅に縮小できる。
穿孔圧延には、傾斜ロール穿孔圧延法を採用する。
この穿孔圧延の際には、適正な歪速度を選択することに
よって、被穿孔材に割れが発生することを防止する。
穿孔圧延後の連続延伸圧延および仕上げ圧延は、両
者の圧延機を同一ライン上に直列に近接させて配置す
る。この配置によって、被圧延材の温度低下を抑制する
とともに、効果的に加工歪みを蓄積させる。この対策に
よって、次の工程における再結晶処理で、結晶粒の著し
い微細化を達成できる。
仕上げ圧延後、焼入れに至るまでの間に、被処理材
である鋼管に再結晶処理を施す。すなわち、この搬送の
間の徐冷、あるいは保温、加熱によって再結晶処理を行
わせる。前の工程における被加工材への加工歪の蓄積と
本工程での処理によって、結晶粒の微細化を効果的に達
成できる。また、必要に応じて、この工程に加熱炉を設
けて、鋼管の温度を調整できるようにする。鋼管の温度
調整によって、鋼管の長さ方向および製造ロット間の焼
入れ温度のバラツキを小さくできるばかりでなく、昇温
または降温してその温度をコントロールし、炭窒化物等
の析出をコントロールできる。そのため、同一材質でも
その強度をコントロールすることが可能で、また、再結
晶粒の粗大化の抑制も可能である。
結晶粒の粒径および析出物量を適正に調整した鋼管
を、Ar3変態点以下に冷却することなく、直ちにAr3変態
点以上の温度から焼入れする。
引き続き同じライン上に設けた焼戻し炉によって焼
戻しを行う。
からまでの一連の処理によって、従来の製品に比
べて、靭性、耐食性等の性能を向上させることができ
る。
本発明は、上記の基本的な技術思想を実現したもので
ある。
図3は、本発明の方法を実施するための製造設備の配
置を示す模式図である。先に示した図2および図3を参
照しながら、本発明の内容を、各工程別に詳細に説明す
る。
工程 ビレットの製造 横断面が丸形の形状をしたビレットは、溶鋼の注入部
の横断面の形状が丸形の鋳型を備えた連続鋳造機によっ
て製造する。鋳型の内径は、製造する鋼管の外径に応じ
て定まるビレットの外径に合わせて選択する。この条件
で所定の外径と長さを備えたビレットを連続的に鋳造す
る。
図3中の符号1が、溶鋼注入部の横断面の形状が丸形
の鋳型を備えた連続鋳造機であり、鋳造するビレットの
外径に応じて鋳型を交換できる構造を持っている。この
連続鋳造機によって、製管段取りに応じた外径の丸形の
ビレットを連続的に鋳造する。なお、ビレット鋳造部の
後には、ビレットの中心部の凝固がほぼ完了するか、ま
たは完全に完了した後、ビレットを所定の長さに切断す
るための、切断機が備えられている。また、連続鋳造機
は、ビレットの鋳造組織等の改質を図ることを目的とし
て、ビレットに軽度の圧下加工を加えるロールスタンド
を備えるものであってもよい。この場合には、ロールス
タンドは、ビレットの切断手段の前または後に設けられ
る。
工程 ビレットの細粒化処理(冷却) 鋳造されたビレットを、Ar1変態点以下で室温以上の
温度に一旦冷却する。その理由は、後の工程の傾斜ロー
ル穿孔圧延機(以下、ピアサーと記す)による穿孔工程
で受ける過酷な加工に耐える熱間加工性を与えるためで
ある。ビレットの熱間加工性を高めるためには、ビレッ
トの金属組織を細粒化する必要がある。本発明では、オ
ーステナイト相からフェライト相への変態終了温度であ
るAr1変態点以下の温度にビレットを一旦冷却し、その
後ビレットの穿孔を行うための加熱によって、金属組織
を細粒化することにした。この際の冷却温度は、次の工
程におけるビレットの加熱に要するエネルギーをできる
だけ少なくするために、Ar1変態点以下で、Ar1変態点に
近い温度の方が好ましい。ただし、冷却温度の下限は、
室温以上でも差し支えない。ビレットを冷却するため
に、連続鋳造機と後の工程のビレット加熱炉との間に
は、ビレットの温度がAr1変態点以下まで降下するのに
必要な距離を設けるか、または、ビレットに対する強制
的な冷却手段を設けるのがよい。
図3に示す本工程を構成する装置は、横送り形式の搬
送路2と、ビレット加熱炉3で構成された例が示されて
いる。搬送路2の長さは、上記のように、鋳造後のビレ
ットの温度がAr1変態点以下に下がるのに必要な距離と
するのがよい。工場レイアウト等の制約があり、前記の
ような距離を設けることができない場合には、搬送路2
の途中に強制的な冷却手段を設け、ビレットを冷却する
方法で解決する。
工程 ビレットの加熱 この工程では、次の工程の穿孔圧延機であるピアサー
5による穿孔圧延が可能な温度に、加熱炉3でビレット
を十分に加熱、均熱する。最適な加熱温度は、材質によ
って異なり、穿孔圧延する材料の高温延性、高温強度な
どの特性を考慮して決められる。加熱温度は、通常、11
00〜1300℃の範囲である。
なお、ビレット加熱炉3としては、ビレット横送り型
の炉を用いるのがよい。また、加熱炉へのビレット装入
充填率を高めることによって、ビレットの加熱効率を高
めることができるので、可能な限りビレットの長さを長
くするのがよい。そのため、穿孔圧延する際のビレット
長さの複数倍の長さとする。この場合には、ビレット加
熱炉3とピアーサ5との間に、ガス切断機、ホットソー
等の切断機4aを設け、ビレットを所定の長さに切断した
後に、ビレットをピアサー5に供給する。また、切断の
際に、ビレットの温度が低下しすぎる場合には、切断手
段の後に、例えばトンネル型誘導加熱炉等、短時間でビ
レットを加熱、昇温できる補助的な加熱装置4bを設け
て、ビレットの昇温加熱を行うようにしてもよい。
工程 穿孔圧延 本発明では、熱間圧延が施されていない鋳造状態のビ
レットを、ピアサー5で穿孔圧延し、中空素管を製造す
る。穿孔圧延は極めて過酷な加工であるため、穿孔の過
程で被穿孔材に疵が発生しやすい。この対策として、本
発明の場合では、ビレットの金属組織を細粒化すること
に加えて、歪速度200/秒以下に制限した条件で穿孔する
ことによって疵の発生を抑えることとしている。したが
って、本発明では、穿孔圧延時の歪速度を200/秒以下と
することを要件としている。
ここで、歪速度とは、次式で定義される速度をいう。
(被加工材の加工前の断面積/被加工材の加工後の断面
積)/加工に要する時間 時間の単位:秒 なお、熱間加工性に劣る材質については、できるだけ
高い温度で穿孔するのがよい。そのために、ピアサー5
の直前に、前述のトンネル型の誘導加熱装置等の補助的
な加熱装置4bを設けて、ビレットの昇温を行うのが好ま
しい。
また、歪速度は、200/秒以下であればよく、特にその
下限を定めない。しかし、歪速度0.1/秒未満の場合に
は、ピアサー5のプラグ、ガイドシュー等の工具寿命が
著しく短くなるので、0.1/秒以上とするのが好ましい。
穿孔圧延機としてのピアサー5は、傾斜ロール穿孔圧
延機であれば、どのようなタイプのでもよい。その中で
も、本発明には、薄肉の穿孔および高拡管率の穿孔が可
能な交叉型の傾斜ロール穿孔圧延機が、特に適してい
る。その理由は、1種類の外径の丸形のビレットから、
径の大きい種々のサイズのホローシェルを穿孔すること
が可能なため、必要なビレットのサイズの統合集約が容
易なためである。
なお、穿孔圧延工程を終えた際の中空素管の温度は、
材質、穿孔条件等によって相違するが、通常、1050〜12
50℃程度になる。
工程 延伸圧延、仕上げ圧延 中空素管は、横送り形式の搬送路6によって、その終
端部に設けられた連続延伸圧延機(マンドレルミル)7
の入側テーブルに搬送される。ここで、まず、その管内
に、後端がバーリテーナーで拘束されて保持されるマン
ドレルバーを挿入する。次に、連続延伸圧延機7と仕上
げ圧延機8によって、平均歪速度0.01/秒以上、加工度1
0%以上、仕上げ温度800〜1050℃の条件で、延伸圧延お
よび仕上げ圧延を行い、所定の寸法の鋼管に仕上げる。
延伸圧延機としては、複数ロールスタンドからなる連
続延伸圧延機であるマンドレルミル7が適している。ま
た、仕上げ圧延には、マンドレルミルと同様に複数ロー
ルスタンドからなるサイザーまたはストレッチレデュー
サーを用いる。これらの加工は、前の穿孔圧延工程に比
べると、素材の温度が低下しているので、比較的低い温
度での加工となる。本発明は、この比較的低い温度での
加工を利用して、加工熱処理を施すことを特徴としてお
り、本工程は、本発明にとって重要な工程である。本発
明の場合には、連続延伸圧延機であるマンドレルミル7
と仕上げ圧延機であるサイザー8(またはストレッチレ
デューサー)とは、距離を隔てて配置させずに、直結型
の配置とする。具体的には、この2つの圧延機は、連続
延伸圧延機で延伸圧延された鋼管の長さ未満の間隔で、
かつ同一のライン上に直列に配置する。この配置によっ
て、連続延伸圧延機で付与された加工歪が回復する前
に、直ちに仕上げ圧延機でさらに加工を加えることがで
きる。この条件を満たす加工によって、その後に起こる
鋼管の再結晶粒の微細化を効果的に達成することができ
る。
すなわち、同じパススケジュールで製管する場合で
も、連続延伸圧延機と仕上げ圧延機とが距離を隔てて独
立して配置されている場合には、再結晶後の結晶粒の粒
径が大きく成長する。本発明が目標としている従来の製
品よりも優れた品質の鋼管を得るためには、上記のよう
に連続延伸圧延機と仕上げ圧延機を近接させて、直列に
配置することが不可欠である。
この工程においては、下記(a)式で定義される平均
歪速度(Vε)は、0.01/秒以上としなければならな
い。平均歪速度が0.01/秒未満の場合には、各々のパス
間で再結晶が起こるため、歪が蓄積がされない。そのよ
うな条件では、後の工程において、再結晶による結晶粒
の十分な微細化効果が得られない。また、この工程での
加工度は、10%以上とする必要がある。歪量が加工度
(断面減少率)に換算して10%未満の場合には、再結晶
が容易に進行しないので、目標とする結晶粒の微細化効
果が得られないためである。
さらに、仕上げ圧延後の素材の仕上がり温度は、800
〜1050℃の範囲とする。この温度範囲の場合には、その
後の再結晶による結晶粒の微細化効果が著しく大きいた
めである。
したがって、本工程においては、平均歪速度0.01/
秒、加工度10%以上および仕上げ圧延機での仕上がり温
度800〜1050℃と定めた。
なお、平均歪速度および加工度の上限は、特に定める
必要がない。ただし、平均歪速度については、10/秒を
超えると連続延伸圧延機であるマンドレルミルのマンド
レルバー等の工具寿命が著しく低下するので、10/秒以
下とするのが好ましい。また、加工度については95%を
超えると疵の発生が著しくなるので、95%以下とするの
が好ましい。
Vε=(Mε+Sε)/Mt (a) ただし、Mε:連続延伸圧延機での加工歪 Sε:仕上げ圧延機での加工歪 Mt:中空素管先端が連続延伸圧延機に噛み込
んでから仕上げ圧延機を出るまでの所要時間(秒) 本発明に用いる連続延伸圧延機であるマンドレルミル
としては、内面規制工具であるマンドレルバーの後端を
拘束するとともに、延伸圧延終了後にマンドレルバー
を、ミル入側に孔型ロール列中を通して引き戻して循環
使用できるマンドレルバー拘束手段(バーリテーナー)
を有するタイプであればどのようなものでも使用でき
る。その中でも、前記マンドレルバー拘束手段が、中空
素管の延伸圧延中に管の圧延移動速度とは独立した速度
で、マンドレルバーの移動速度を制御可能な機能を備え
るマンドレルミルを用いるのが好ましい。また、仕上げ
圧延機であるサイザーまたはストレッチレデューサーと
しては、内面規制工具を用いないものであればどのよう
なタイプのものでもよい。その中でも、連続延伸圧延機
で圧延された管内のマンドレルバーから管を引き出して
分離する機能を備えた、エクストラクティング型のサイ
ザーまたはストレッチレデューサーを用いるのが好まし
い。
なお、前記搬送路6は、横送り形式ではなく、ローラ
ーコンベアー等の縦送り形式でもよい。
工程 再結晶処理 本発明では、延伸圧延および仕上げ圧延に引き続き、
焼入れ前にAr3変態点以上の温度で、鋼管に対して再結
晶処理を施す。本工程では、前の工程における連続延伸
圧延と仕上げ圧延で付与された加工歪と本工程の徐冷、
保熱あるいは加熱する方法のいずれかとの組み合わせに
よって、効果的に再結晶を起こさせ、結晶粒の微細化を
図る。この2つの工程の組み合わせは、本発明に特有の
処理であり、製品の品質の向上に極めて有効な加工熱処
理法である。
再結晶処理は、仕上げ圧延機であるサイザー8の出側
に設けられた鋼管を徐冷をすることができる搬送装置
9、あるいは搬送路中に設けられた保温炉または加熱炉
あるいは保温と加熱兼用炉10によって実施する。
(徐冷法) 仕上げ圧延終了後、Ar3変態点以上の所定
の焼入れ温度まで鋼管を徐冷する方法である。本工程で
は、焼入れ開始までの再結晶を完了させて、結晶粒を微
細化する必要があるので、冷却速度は遅い方が好まし
い。冷却速度が空冷以上になると粗大な結晶粒あるいは
混粒組織となり、鋼の靭性が低下する。したがって、冷
却速度は、空冷を含まない空冷より遅い冷却速度とし
た。冷却速度は、好ましくは0.5℃/秒以下である。
本工程で鋼管を徐冷するためには、例えば、急冷を避
けるため、仕上げ圧延機の出口から焼入れ装置の入り口
までの管の搬送路9を、ガラスウール等の断熱材料を内
張りしたカバーで覆う方法、輻射熱を反射する鏡面を備
えた板を内張りしたカバーで覆う方法等を適用すればよ
い。
(保温法) この方法は、仕上げ圧延終了後の鋼管を、
その仕上げ温度に保持する方法である。その保持時間が
30秒未満の場合には、再結晶が起こらない。また、30分
を超えて保持しても再結晶に対する効果は変わらない。
長時間の保持は、エネルギーコストが嵩み、生産能率も
低下させる。したがって、保温法の場合の保持時間は、
30秒〜30分と定めた。
(昇温加熱、均熱法) この方法は、仕上げ圧延終了後
の鋼管を、850〜980℃で、10秒〜30分間保持する方法で
ある。温度が850℃未満、保持時間が10秒未満では再結
晶が起こらない。また、温度が980℃を超える場合およ
び保持時間が30分を超える場合には、結晶粒が粗粒化す
る。したがって、上記のように、鋼管を850〜980℃で、
10秒〜30分間保持することにした。なお、ここで、均熱
には、前の工程における鋼管の仕上がり温度よりも低い
上記の温度範囲に設定された加熱炉内で、鋼管を均熱す
る操作も含まれる。
上記の保温、昇温加熱または均熱は、それぞれ一般に
用いられているタイプの保温炉または加熱炉、あるいは
保温と加熱の兼用炉を利用することによって実施するこ
とができる。このような炉を利用する方法は、焼入れの
際の素材の温度を確保することが容易であるので、好ま
しい方法である。また、炉を用いる方法は、鋼管の長さ
方向および製造ロット間の温度の均一化が容易であるの
で、製品の品質のバラツキを大幅に小さくすることがで
きるという利点がある。この他、保温する温度あるいは
昇温、加熱する温度を高めに設定し、延伸圧延、仕上げ
圧延中に析出した炭化物等を、再固溶させて焼戻し軟化
抵抗を向上させること、逆に低めに設定し、析出物を積
極的に析出させて粒界ピンニング作用によって結晶粒の
粗大化を防止することもできる。
工程 焼入れ 再結晶処理の後、搬送路9により鋼管を焼入れ装置11
へ送る。この間、鋼管の温度がAr3変態点以下に下がら
ないようにする。すなわち、仕上げ圧延機8と焼入れ装
置11は、搬送路9等を介して、インラインで結ばれてい
る。焼入れ装置11では、Ar3変態点以上の温度の鋼管に
対して、焼入れ処理を施す。
焼入れは、鋼管に十分な強度と靭性を与えるために、
Ar3変態点以上の温度から急冷することが必要である。
また、肉厚の厚い鋼管であっても、十分に速い速度での
冷却が必要である。このような場合には、焼入れ装置11
として、鋼管の内外面を同時に冷却することができる構
造の装置を用いるのが好ましい。
工程 焼戻し 焼入れ処理された鋼管は、焼入れ装置11の後のライン
上に、近接して配置された焼戻し炉12に移される。すな
わち、焼入れ装置と焼戻し炉12は、搬送炉を介してイン
ラインで結ばれている。焼戻し炉で、鋼管を所定の温度
に加熱、均熱することにより、焼戻し処理を施す。
焼戻しは、最終製品の性能を決定する重要なプロセス
であるため、目標の性能に応じて最適な焼戻し温度を定
め、その温度で十分に均熱することが必要である。焼戻
し温度のバラツキは大きくても±10℃とし、好ましくは
±5℃とする。このような処理によって、耐力(YS)、
引張強さ(TS)のバラツキを、目標の強度の±5kgf/mm2
の範囲内に抑えることができる。
焼戻し処理の後、矯正機13によって曲がり矯正を行う
ことによって、製品としての鋼管に仕上げる。
実施例 本発明の製造方法を、以下に述べる2つの試験によっ
て確認した。
(試験1) ビレットを穿孔圧延する際の歪速度と、穿孔後の中空
素管に発生する割れとの関係を調査した。試験用のビレ
ットは、図4に示すAISI 1524に相当する化学組成Aお
よびAISI 4130に相当する化学組成Bの溶鋼を、内径90
mmの鋳型に注入することによって製造した。溶鋼の凝固
が完了した後、直ちにビレットを鋳型から取り出した。
各ビレットは、いずれも図4に示したAr1変態点以下の
温度である、鋼Aは600℃、鋼Bは500℃まで冷却した。
その後、加熱炉によって、1250℃の温度に1時間保持し
た。次に、実験用の穿孔圧延機(ピアサー)によって穿
孔試験を行い、中空素管を作製した。得られた中空素管
について、割れの発生を調査し、最大割れ深さを測定し
た。
図5に、中空素管の最大割れ発生深さの測定結果を示
した。
図5から明らかなように、鋼Aおよび鋼Bの両者と
も、穿孔圧延の歪速度が200/秒以下の条件では、中空素
管に割れが発生しなかった。これに対して、歪速度が20
0/秒を超える場合には、割れが発生した。
したがって、鋳造後のビレットをAr1変態点以下の温
度に一旦冷却し、さらに穿孔圧延可能な温度に加熱して
穿孔圧延する場合には、穿孔圧延の際の歪速度を200/秒
以下にしなければならないことを確認した。
(試験2) 試験に用いたビレットの外径および化学組成は、試験
1に用いたビレットのそれと同じである。凝固完了後、
直ちにビレットを鋳型から取り出し、Ar3変態点以下の
温度まで冷却した。さらに、加熱炉で1250℃に、1時間
保持した。その後、図6および図7に示す条件で、穿孔
圧延(ピアサー加工)、延伸圧延(マンドレルミル加
工)および仕上げ圧延(サイザー加工)をシミュレート
した熱間プレス加工試験を行った。
図6および図7に示したように、試験No.1〜18は本発
明例、試験No.19〜24は、製造条件の一部が本発明の範
囲外である比較例である。試験No.25および26は、図1
に示した従来の工程に従って鋼管を製造した場合の従来
例である。従来例については、ビレットのピアサー加工
の際の歪速度が本発明の範囲より少し大きく、かつ延伸
圧延と仕上げ圧延の加工シミュレーションが連続的には
実施されていない。また、仕上げ圧延から焼入れの間で
試験材は、常温まで冷却されている。本発明例、比較例
および従来例いずれについても、鋼Aおよび鋼Bの2つ
に試験材を対象に試験した。なお、図7に示した冷却速
度は、図6の条件で穿孔圧延および仕上げ圧延を行った
後、仕上げ温度からAr3変態温度以上の温度まで試験材
を徐冷した場合の冷却速度である。また、鋼Aと鋼Bに
同一の熱処理を施した場合、鋼Aと鋼Bで試験材の強度
が相違し、耐力、靭性等の比較ができないので、試験材
の強度がほぼ同じ条件で比較できるように、2条件の焼
戻し温度を設定した。
加工後の試験材について、材料の強度、旧オーステナ
イト相の結晶粒径、靭性(vTrs)および耐食性(Sc値)
を調査した。
また、耐食性を評価するSc値は、NACE(米国腐食協
会)−TM01−77−92、METHOD−Bの規定に従って求め
た。旧オーステナイト結晶粒度は、長さ1mmの間の平均
結晶粒切断切片長さを求め、測定値は結晶粒度として表
示した。
図8は試験結果を示した。
まず、従来例の試験No.25、26を基準にして、本発明
例との比較を行う。焼戻し温度600℃の鋼Aについて
は、本発明例の試験No.1〜6は、従来例の試験No.25に
比べて、結晶粒の粒径が小さく、靭性、耐食性ともに従
来例と同等またはそれ以上の性能が得られた。また、焼
戻し温度720℃の鋼Bについても、本発明例の試験No.7
〜18と従来例の試験No.26を比較すると、鋼Aの場合と
同様な結果が得られた。
また、本発明の範囲外の条件で製造された試験No.10
〜24の比較例は、本発明例に比べて、結晶粒の粒径が大
きく、靭性および耐食性が劣っていた。その原因は、本
発明例に比べて、加工と再結晶による結晶粒の微細化効
果が小さいためである。
以上の試験結果から明かなように、本発明の方法によ
って製造された継目無鋼管は、機械的性質、耐食性など
の性能が、従来によって製造された継目無鋼管と同等ま
たはそれ以上で、極めて優れていることが確認された。
産業上の利用の可能性 本発明によれば、簡素化された製造工程および製造設
備によって、ビレットから製品まで連続した1連のライ
ンで、かつ安定した製造条件で継目無鋼管を製造するこ
とができる。したがって、本発明の製造方法および本発
明の製造設備によって製造された継目無鋼管は、従来品
と同等またはそれ以上の優れた性能を備えることができ
る。また、製造設備の建設費およびランニングコストを
低減することができるため、継目無鋼管の製造コストを
低くすることができる。さらに、優れた生産性で、大量
に継目無鋼管を製造することができる。このように、本
発明の継目無鋼管の製造方法および製造設備は、工業的
な継目無鋼管の製造に極めて好適である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21B 23/00 B21B 19/04 C21D 8/10 B21B 19/02 B21B 19/00 C21D 8/06 C21D 8/08 C21D 9/08

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】順次連続した下記の〜を含む工程から
    なることを特徴とする継目無鋼管の製造方法。 連続鋳造法によって、横断面の形状が丸形のビレッ
    トを製造する工程、 前記ビレットをAr1変態点以下の温度に冷却する工
    程、 Ar1変態点以下の温度に冷却された前記ビレットを
    穿孔可能な温度に加熱する工程、 穿孔可能な温度に加熱されたビレットを200/秒以下
    の歪速度で穿孔圧延し、中空素管を製造する工程、 連続延伸圧延機と仕上げ圧延機とが直結して配置さ
    れた圧延機によって、前記中空素管に対して、平均歪速
    度0.01/秒以上、加工度10%以上、仕上がり温度800〜10
    50℃の条件で、延伸圧延および仕上げ圧延を施すことに
    より、鋼管を製造する工程、 前記鋼管に対して、Ar3変態点以上の温度で再結晶
    処理を施す工程、 Ar3変態点以上の温度から、前記鋼管に焼入れ処理
    を施す工程、 焼入れされた前記鋼管に、焼戻し処理を施す工程。
  2. 【請求項2】再結晶処理を施す工程が、工程で製造
    された鋼管を、Ar3変態点以上の温度まで、空冷を含ま
    ない空冷より遅い冷却速度で冷却する処理であることを
    特徴とする請求の範囲1に記載の継目無鋼管の製造方
    法。
  3. 【請求項3】再結晶処理を施す工程が、工程で製造
    された鋼管を、工程の仕上がり温度に、30秒〜30分
    間、保持する処理であることを特徴とする請求の範囲1
    に記載の継目無鋼管の製造方法。
  4. 【請求項4】再結晶処理を施す工程が、工程で製造
    された鋼管を、温度850〜980℃に、10秒〜30分間、保持
    または再加熱保持する処理であることを特徴とする請求
    の範囲1に記載の継目無鋼管の製造方法。
  5. 【請求項5】再結晶処理を施す工程の後、再結晶処理
    を施した鋼管をAr3変態点以上の温度まで冷却する処理
    を含むことを特徴とする請求の範囲3または4に記載の
    継目無鋼管の製造方法。
  6. 【請求項6】下記のa)〜g)の装置が順次連続して配
    置され、かつ下記(1)〜(3)の条件を満足すること
    を特徴とする請求の範囲1または2に記載の方法を実施
    するための継目無鋼管の製造設備。 a)横断面の形状が丸形のビレットを製造する連続鋳造
    機、 b)鋳造されたビレットを加熱するビレット加熱炉、 c)加熱されたビレットを中空素管に穿孔圧延する傾斜
    ロール穿孔圧延機、 d)中空素管を延伸圧延する連続延伸圧延機、 e)延伸圧延された中空素管を、所定の寸法の鋼管に仕
    上げる仕上げ圧延機、 f)仕上げ圧延された鋼管をインライン中で焼入れ処理
    する焼入れ装置および、 g)焼入れ処理された鋼管をインライン中で焼戻し処理
    する焼戻し炉。 (1)連続鋳造機とビレット加熱炉の間には、ビレット
    の温度がAr1変態点以下で室温以上の温度域にある間
    に、ビレット加熱炉へビレットを装入することができる
    距離を有すること、またはビレットの温度をAr1変態点
    以下、室温以上の温度域に強制的に冷却することができ
    る冷却手段を備えていること、 (2)連続延伸圧延機と仕上げ圧延機は、その間隔が連
    続延伸圧延機で延伸圧延された鋼管の長さ未満であり、
    かつ同一ライン上に直列に配置されていること、 (3)仕上げ圧延機と焼入れ装置の間は、仕上げ圧延さ
    れた鋼管を空冷を含まない空冷より遅い冷却速度で徐冷
    することができる手段を備えた搬送路で結ばれているこ
    と。
  7. 【請求項7】下記のa)〜h)の装置が順次連続して配
    置され、かつ下記(1)〜(3)の条件を満足すること
    を特徴とする請求の範囲3、4または5に記載の方法を
    実施するための継目無鋼管の製造設備。 a)横断面の形状が丸形のビレットを製造する連続鋳造
    機、 b)鋳造されたビレットを加熱するビレット加熱炉、 c)加熱されたビレットを中空素管に穿孔圧延する傾斜
    ロール穿孔圧延機、 d)中空素管を延伸圧延する連続延伸圧延機、 e)延伸圧延された中空素管を、所定の寸法の鋼管に仕
    上げる仕上げ圧延機、 f)仕上げ圧延された鋼管を、仕上がり温度に保持する
    保熱炉、または所定の温度に保持または加熱後保持する
    加熱炉、 g)仕上げ圧延された鋼管をインライン中で焼入れ処理
    する焼入れ装置および h)焼入れ処理された鋼管をインライン中で焼戻し処理
    する焼戻し炉。 (1)連続鋳造機とビレット加熱炉の間には、ビレット
    の温度がAr1変態点以下で室温以上の温度域にある間
    に、ビレット加熱炉へビレットを装入することができる
    距離を有すること、またはビレットの温度をAr1変態点
    以下、室温以上の温度域に強制的に冷却することができ
    る冷却手段を備えていること、 (2)連続延伸圧延機と仕上げ圧延機は、その間隔が連
    続延伸圧延機で延伸圧延された鋼管の長さ未満であり、
    かつ同一ライン上に直列に配置されていること、 (3)仕上げ圧延機と焼入れ装置の間は、仕上げ圧延さ
    れた鋼管をその温度に保持する保熱炉または所定の温度
    に加熱保持する加熱炉を備えた搬送路で結ばれているこ
    と。
  8. 【請求項8】請求の範囲6または7に記載の継目無鋼管
    の製造設備であって、傾斜ロール穿孔圧延機とビレット
    加熱炉の間は、穿孔可能な温度に加熱されたビレットを
    所定の長さに切断することができるビレット切断手段を
    備えた搬送路で結ばれていることを特徴とする製造設
    備。
  9. 【請求項9】請求の範囲6、7または8のいずれかに記
    載の継目無鋼管の製造設備であって、ビレット切断手段
    と傾斜ロール穿孔圧延機との間に、ビレット再加熱手段
    を備えていることを特徴とする製造設備。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102363862A (zh) * 2011-10-10 2012-02-29 刘群联 一种无缝钢管的制造方法
CN102363862B (zh) * 2011-10-10 2016-12-14 上海爱登堡电梯江苏有限公司 一种无缝钢管的制造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102363862A (zh) * 2011-10-10 2012-02-29 刘群联 一种无缝钢管的制造方法
CN102363862B (zh) * 2011-10-10 2016-12-14 上海爱登堡电梯江苏有限公司 一种无缝钢管的制造方法

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