JP2844136B2 - 穴拡げ性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

穴拡げ性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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JP2844136B2 JP16520991A JP16520991A JP2844136B2 JP 2844136 B2 JP2844136 B2 JP 2844136B2 JP 16520991 A JP16520991 A JP 16520991A JP 16520991 A JP16520991 A JP 16520991A JP 2844136 B2 JP2844136 B2 JP 2844136B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車のメンバーやブラ
ケット類のように穴拡げ加工性と同時に高い防錆性が要
求される利用分野に提供する鋼板の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】自動車のメンバー類に代表されるよう
に、所定形状、寸法の穴を穴拡げ加工によって形成させ
る構造部材の需要が増えてきている。この要求に対し
て、鋼板中のS含有量を低減させ穴拡げ加工時の亀裂発
生点となるMnSを極力減らした熱延鋼板や、熱延後の
冷却パターンを制御し微細ポリゴナルフェライトと微細
パーライトからなるミクロ組織とすることにより穴拡げ
性の改善をはかった熱延鋼板(例えば、特開昭61−4
8520号公報)が提案されている。このような方法を
とることにより、需要家の要望は一応満たされてきた。
しかしながら、最近の高穴拡げ性をもった鋼板に対する
需要家からの要求の度合いは益々高くなりつつある。す
なわち、第1には高強度化に対する要求である。たとえ
ば、従来では引張強さで40kgf/mm2程度の鋼板
で製造していた部品を、板厚のより薄い60kgf/m
2以上の鋼板で製造することにより部品重量を軽減し
軽量化を計りたいという要求である。第2には益々の高
穴拡げ変形を必要とする複雑な形状部品が増えており、
従来以上の穴拡げ性に対する要求である。第3には防錆
性の付与に対する要求である。鋼板に防錆性を付与する
には、電気亜鉛めっきを施すことによって可能である。
しかし、電気亜鉛めっきでは目付量を多くすることは経
済的に困難であり、より高い防錆性を得るためには溶融
亜鉛めっきの方が相応しい。しかし、溶融亜鉛めっきで
は鋼板成分によっては亜鉛のめっき密着性が阻害された
り、また溶融亜鉛めっき時の表面酸化皮膜を除去するた
めの熱処理により鋼板のミクロ組織が変化し、材質特性
が変化するなどの欠点があった。これらの需要家からの
新たな要求を同時に満たし得る鋼板は未だ実用化されて
いないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、引張
強さが45kgf/mm2を超える高強度でありなが
ら、高穴拡げ性と高防錆性を同時に満たす鋼板を経済的
に製造する技術を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述のよ
うな観点から溶融亜鉛めっきで防錆性を付与することを
前提として、従来材にみられる前記課題を解決し得る高
強度溶融亜鉛めっき鋼板を安定して製造すべく研究を行
った結果、(a)鋼板における穴拡げ性は伸びで代表さ
れる延性のみで支配されるのではなく、打抜き加工時の
鋼板バリの大小および穴拡げ加工時の亀裂発生点の多少
のバランスにより支配される。延性は高いほど、鋼板バ
リは小さいほど、亀裂発生点は少ないほど穴拡げ性は向
上すること、(b)打抜き加工時の鋼板バリは鋼板中に
微細析出物が多く存在するほど小さくなること、(c)
ミクロ組織的にみた異相界面も亀裂発生点となりうる。
したがって、金属組織としては従来鋼のようなフェライ
ト相とパーライト相からなる金属組織よりも、均一な単
一組織とりわけフェライト単相組織が望ましいこと、
(d)鋼板中のC含有量を減らしてフェライト単相組織
し、かつ、適正量のCuの添加と巻取り温度制御に加え
て溶融亜鉛めっき時の鋼板加熱温度を適正に制御するこ
とによりフェライト相中に微細なCu析出粒子を形成さ
せて高強度化することにより、十分な強度と優れた穴拡
げ性を有する溶融亜鉛めっき鋼板が得られること(e)
さらに、溶融亜鉛めっき後、所定の条件下で合金化処理
を行った場合のみ、穴拡げ性と強度特性を損なうことな
く良好な加工部のめっき密着性を有する合金化溶融亜鉛
めっき鋼板が得られること、以上(a)から(e)に示
す知見が得られた。この発明は、上記知見に基づいてな
されたものであり、その骨子とするところは、 (1)C0.03%以下、Si0.005〜0.3%、
Mn0.05〜1.0%、sol.Al 0.005〜
0.03%、Cu0.5〜2.0%を必須成分として含
有し、残部不可避的不純物およびFeからなる鋼をAr
3以上の温度で熱間圧延を終了し、460〜650℃の
温度で巻き取って熱延鋼帯となし、次いで酸洗を施した
後、550℃以上675℃以下の温度で0.5分以上5
分以下加熱し鋼帯表面の還元を行った後、溶融亜鉛めっ
きを施すことを特徴とする穴拡げ性に優れた高強度溶融
亜鉛めっき鋼板の製造方法。 (2)C0.03%以下、Si0.005〜0.3%、
Mn0.05〜1.0%、sol.Al 0.005〜
0.03%、Cu0.5〜2.0%を含有し、さらに
0.01〜0.2%のTiと、0.005〜0.2%の
Nbと、0.0002〜0.0030%のBと、0.1
5〜1.0%のNiとのうち1種または複数種を含有
し、残部不可避的不純物およびFeからなる鋼をAr3
以上の温度で熱間圧延を終了し、460〜650℃の温
度で巻き取って熱延鋼帯となし、次いで酸洗を施した
後、550℃以上675℃以下の温度で0.5分以上5
分以下加熱し鋼帯表面の還元を行った後、溶融亜鉛めっ
きを施すことを特徴とする穴拡げ性に優れた高強度溶融
亜鉛めっき鋼板の製造方法。 (3)C0.03%以下、Si0.005〜0.3%、
Mn0.05〜1.0%、sol.Al 0.005〜
0.03%、Cu0.5〜2.0%を必須成分として含
有し、残部不可避的不純物およびFeからなる鋼をAr
3以上の温度で熱間圧延を終了し、460〜650℃の
温度で巻き取って熱延鋼帯となし、次いで酸洗を施した
後、550℃以上675℃以下の温度で0.5分以上5
分以下加熱し鋼帯表面の還元を行った後、溶融亜鉛めっ
きを施し、さらに470〜550℃の温度範囲で3〜3
0秒間加熱する合金化処理を行うことを特徴とする穴拡
げ性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 (4)C0.03%以下、Si0.005〜0.3%、
Mn0.05〜1.0%、sol.Al 0.005〜
0.03%、Cu0.5〜2.0%を含有し、さらに
0.01〜0.2%のTiと、0.005〜0.2%の
Nbと、0.0002〜0.0030%のBと、0.1
5〜1.0%のNiとのうち1種または複数種を含有
し、残部不可避的不純物およびFeからなる鋼をAr3
以上の温度で熱間圧延を終了し、460〜650℃の温
度で巻き取って熱延鋼帯となし、次いで酸洗を施した
後、550℃以上675℃以下の温度で0.5分以上5
分以下加熱し鋼帯表面の還元を行った後、溶融亜鉛めっ
きを施し、さらに470〜550℃の温度範囲で3〜3
0秒間加熱する合金化処理を行うことを特徴とする穴拡
げ性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法、で
ある。
【0005】
【作用】つぎに本発明の個々の構成要件について詳細に
説明する。Cは後述するCuとともに本発明において重
要な元素である。Cは鋼の強度を上げる基本的な元素で
あり、引張強さが50kgf/mm2以上の従来の高強
度鋼板においては0.05%以上の添加が一般的である
が、本発明では穴拡げ加工性の観点から上限を設け、
0.03%以下とする。この量を超えると鋼中にパーラ
イトあるいはさらに硬質なミクロ組織が生じ、穴拡げ性
向上にとって必要な主としてフェライト組織からなるミ
クロ組織とならず、穴拡げ性を損なう。さらに高度な穴
拡げ加工性のためには、C量は0.015%以下とする
ことが好ましい。C量の下限は工業的に溶製しうる限界
の0.0005%とする。穴拡げ加工時のストレッチャ
ーストレイン等鋼中の固溶炭素や固溶窒素が引き起こす
現象が問題となる場合には、これらの元素と親和力の強
いTiあるいはNbの1種または2種をTi:0.01
〜0.2%、Nb:0.005〜0.2%の範囲で添加
する。これらの範囲未満の添加では固溶炭素や固溶窒素
の固着の効果がなく、この範囲を超えての添加は効果が
飽和しむやみに経済性を損なうばかりである。Siはフ
ェライト組織を安定化するとともに強度を上げる元素で
あり、鋼板の必要強度レベルに応じて添加する。しか
し、0.3%を超えると溶融亜鉛めっきの密着性を損な
うためその上限を0.3%とする。Mnは鋼板の強度を
上げる元素としてその必要強度レベルに応じて添加す
る。しかし、1.0%を超えると溶融亜鉛めっきの密着
性を損なうため、その上限を1.0%とする。Mn量が
あまり低くなりすぎると鋼板の表面疵が発生し易くなる
のでその下限を0.05%とする。Alは鋼の脱酸のた
めに添加し、その範囲をsol.Al量で0.005〜
0.03%とする。この量を超えると溶融亜鉛めっきの
密着性を損なう。0.005%未満では脱酸が不十分と
なるため0.005%を下限値とする。また0.03%
を超えると溶融亜鉛めっきの密着性を損なうため、これ
を上限とする。つぎにCuは本発明にあっては極めて重
要な元素である。すなわち穴拡げ性向上にとって必要な
フェライト相組織としたまま、後述のように熱間圧延の
巻取温度条件を制御することによって、Cu粒子を微細
析出させ鋼板を高強度化させるために必須の元素であ
る。Cu添加量は鋼板の必要強度レベルに応じて0.5
〜2.0%の範囲で添加するが、0.5%未満では十分
な強度が得られない。Cu量の増加とともに鋼板の強度
は上昇するが、その効果は2.0%の添加で飽和するた
め上限を2.0%とする。Cu添加鋼ではCuヘゲと呼
ばれる表面疵が発生することがある。Niの添加はCu
ヘゲの防止に有効であり、必要に応じて0.15〜1.
0%の範囲で添加する。0.15%未満ではCuヘゲ防
止効果はなく、一方1.0%を超えると効果が飽和する
うえに、Niが高価なために経済性が著しく損なわれ
る。BはCuとの複合添加により鋼板のフェライト粒径
を著しく小さくさせる元素であり、鋼板の強度を高め
る。0.0002%未満では十分な細粒化効果が得られ
ず、一方0.003%を超えると効果が飽和するととも
に延性を劣化させるためこれを上限とする。この範囲の
Bの添加は鋼板の二次加工割れ防止にも効果があると同
時に鋼のAr3点の低下にも効果がある。以上が本発明
の成分に関する数値限定理由であるが、その他の成分に
ついては以下のようにすることが好ましい。S量は鋼板
の穴拡げ性を高めるためには低いほうが好ましく、0.
03%を超えると鋼中にMnS介在物を生成し、鋼板を
穴拡げ加工した時の亀裂発生点となるためにその上限を
0.03%とすることが好ましい。Pは鋼板のプレス成
形後に二次加工割れと呼ばれる粒界脆性破壊を生じさせ
る元素であり低いほうが好ましい。N量は加工性を高め
るために低いほうが好ましい。
【0006】つぎに本発明鋼板の製造方法における熱間
圧延工程についてであるが、連鋳機から直送された高温
鋳片、あるいは加熱によって得られた高温鋳片をAr3
点以上で熱間圧延を終了し、その後、460〜650℃
の温度範囲で巻取る。圧延終了温度をAr3点未満とす
るとフェライト粒にひずみが加わり延性が劣化するため
にAr3点を下限温度とする。一方、圧延終了温度の上
限については特に規制はないが、工業的に安定して製造
しうる1000℃以下が望ましい。Cuを添加した鋼板
の強度は巻取温度により大きく変化し、適正な温度範囲
で巻き取った場合にのみ鋼板の高強度化が達成できると
同時に、優れた穴拡げ性能が得られうる。460℃未満
の巻取温度ではCu粒子の微細析出量が十分ではなく必
要とする強度と穴拡げ性能が得られないためそれを下限
とする。また650℃を超える温度で巻取ると、鋼板表
面にSiやMn等の拡散による濃縮および酸化物の生成
がおこり、めっき性が劣化する。熱延鋼帯は冷却後酸洗
され、続いて溶融亜鉛めっきが施される。溶融亜鉛めっ
きは通常連続溶融亜鉛めっきラインでなされる。その場
合、通常、溶融亜鉛めっき浴に浸漬される前に鋼板表面
は還元されるが、その方法は通常の無酸化加熱−還元方
式、あるいはバーナ−還元域を利用する直接還元方式等
いずれでも良い。ここでは、溶融亜鉛めっき前の加熱還
元処理と同時にCuの微細析出処理を行う。加熱温度と
時間が550℃未満で0.5分未満では鋼板表面の還元
が充分ではなく、めっき性が劣化するのでこれを下限と
する。また675℃超で5分超では、熱延後の巻取り温
度制御によって微細に析出させたCu粒子の粗大化がお
こり、強度の低下と穴拡げ性の低下を招くためこれを上
限とする。亜鉛浴中にはAlを0.05〜0.25%添
加し、亜鉛の密着性を増してもよい。めっきの目付量は
特に制約は設けないが、防錆性の観点から10g/m2
以上、加工性の観点から150g/m2以下であること
が望ましい。防錆性に加えてスポット溶接性および塗膜
密着性が要求される場合には、溶融めっき後さらに鋼板
を470〜550℃の温度範囲で3〜30秒保持するこ
とにより合金化処理を行う。470℃未満では合金化が
十分ではなく、一方550℃を超えると合金化が進み過
ぎてめっき密着性が劣化する。合金化時間は合金化温度
とのバランスで決まり、3〜30秒の範囲が適当であ
る。めっき層の合金化によりスポット溶接時の溶接電流
が低電流で溶接可能となり、合金化しないものに比べて
スポット溶接性がおおいに改善される。つぎに本発明を
具体的に説明する。
【0007】
【実施例】
実施例1 表1に示したAからSまでの鋼片を1050℃で加熱
後、900℃で圧延を終了し、550℃で巻取り板厚
2.0mmの熱延鋼板を得た。これらの鋼板を酸洗後、
無酸化加熱−還元炉方式の溶融亜鉛めっきラインにて溶
融亜鉛めっきを行った。加熱還元処理温度は600℃で
1分とし、めっき浴温度は460℃であり、4秒でめっ
きを行った。目付量は60g/m2とした。得られた溶
融めっき鋼板の引張試験値、穴拡げ比および溶融亜鉛め
っき性を表2に示す。穴拡げ試験は熱延鋼板に直径20
mmの円形打ち抜き穴を形成した後、該穴に円錐ポンチ
を押し当て加圧することにより押し拡げ、穴内周に発生
した亀裂が板厚を貫通した時点で圧力を下げ試験を終了
した。穴拡げ比は穴拡げ試験後の穴の直径を打ち抜き穴
の直径で除した値である。なお、溶融亜鉛めっき性の評
価は不めっきの度合いとボールインパクト試験によるめ
っき密着性試験を総合して評価した。不めっきがなく、
かつ5段階で評価したボールインパクト評点が1〜2の
ものを合格とした。
【0008】
【表1】
【0009】
【表2】
【0010】表2に示される結果からも、本発明A〜P
の方法によれば、引張強さが45kgf/mm2以上と
高く、かつ極めて優れた穴拡げ性能と溶融亜鉛めっき性
を有する溶融亜鉛めっき鋼板が安定して得られることは
明白である。これに対して、C量が本発明の範囲よりも
高い比較法Qでは穴拡げ比が低く、Cu量が本発明の範
囲よりも低い比較法Rでは引張強さが低く、Si量が本
発明の範囲よりも高い比較法Sでは良好な溶融亜鉛めっ
き性が得られていないことがわかる。
【0011】実施例2 表1に示した化学組成をもつ鋼片Oを1100℃で加熱
後、900℃の温度で圧延を終了し、表3に示す巻取り
温度で巻取り、板厚2.0mmの熱延鋼板を得た。この
鋼板を酸洗後、無酸化加熱−還元炉方式の溶融亜鉛めっ
きラインにて溶融亜鉛めっきを行った。溶融亜鉛めっき
条件を表3に示す。なお、いずれのNo.のサンプルも
460℃の浴温中で4秒のめっきを行った。めっき目付
量は60g/m2とした。No.4〜6およびNo.1
1のサンプルについてはさらに、表3に示す条件で合金
化熱処理を行った。得られためっき鋼板の引張り試験
値、溶融亜鉛めっき性、合金化度および加工部のめっき
密着性を評価した結果を表4に示す。合金化度は、外観
およびめっき層中のFe含有率を総合して評価し、外観
がほぼ均一でかつFe%が8〜12%のものを合格とし
た。加工部のめっき密着性として、25mmカップ絞り
試験を行いテープテストによる黒化度を調べ、黒化度が
30%未満を合格とした。
【0012】
【表3】
【0013】
【表4】
【0014】表4に示される結果からも、本発明No.
1〜6の方法によれば、引張強さが45kgf/mm2
以上と高く、かつ極めて優れた穴拡げ性能を有する溶融
亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板が安定
して得られることは明白である。これに対して、巻取り
温度が本発明の範囲よりも低いNo.7では強度が低
く、巻取温度が本発明の範囲よりも高いNo.8では強
度が低いことに加えめっき性が良くない。また加熱温度
が低いNo.9では溶融めっき性が不合格であり、加熱
温度が高過ぎるNo.10では強度が低く穴拡げ性も良
くない。合金化処理温度が高いNo.11では良好な合
金化度が得られない。
【0015】
【発明の効果】本発明は、極めて良好な穴拡げ性能を有
するとともに、引張強さが45kgf/mm2以上の強
度と良好なめっき性をもつ新規な溶融亜鉛めっき鋼板を
成分規制、熱延時の巻取温度およびめっき条件の制御と
いう簡便な手段により製造しうる新規な方法を提供する
ものであるから、鋼板利用者側からの新たな要求に十分
応えうるものであり、産業上裨益するところが極めて大
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C23C 2/02 C23C 2/02 2/40 2/40 (56)参考文献 特開 平3−107425(JP,A) 特開 平3−72034(JP,A) 特開 平2−190443(JP,A) 特開 平2−22416(JP,A) 特開 平1−127623(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 2/00 - 2/40 C21D 8/02 C21D 9/46 C22C 38/00 - 38/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C0.03%以下、Si0.005〜
    0.3%、Mn0.05〜1.0%、sol.Al
    0.005〜0.03%、Cu0.5〜2.0%を必須
    成分として含有し、残部不可避的不純物およびFeから
    なる鋼をAr3以上の温度で熱間圧延を終了し、460
    〜650℃の温度で巻き取って熱延鋼帯となし、次いで
    酸洗を施した後、550℃以上675℃以下の温度で
    0.5分以上5分以下加熱し鋼帯表面の還元を行った
    後、溶融亜鉛めっきを施すことを特徴とする穴拡げ性に
    優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 C0.03%以下、Si0.005〜
    0.3%、Mn0.05〜1.0%、sol.Al
    0.005〜0.03%、Cu0.5〜2.0%を含有
    し、さらに0.01〜0.2%のTiと、0.005〜
    0.2%のNbと、0.0002〜0.0030%のB
    と、0.15〜1.0%のNiとのうち1種または複数
    種を含有し、残部不可避的不純物およびFeからなる鋼
    をAr3以上の温度で熱間圧延を終了し、460〜65
    0℃の温度で巻き取って熱延鋼帯となし、次いで酸洗を
    施した後、550℃以上675℃以下の温度で0.5分
    以上5分以下加熱し鋼帯表面の還元を行った後、溶融亜
    鉛めっきを施すことを特徴とする穴拡げ性に優れた高強
    度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 C0.03%以下、Si0.005〜
    0.3%、Mn0.05〜1.0%、sol.Al
    0.005〜0.03%、Cu0.5〜2.0%を必須
    成分として含有し、残部不可避的不純物およびFeから
    なる鋼をAr3以上の温度で熱間圧延を終了し、460
    〜650℃の温度で巻き取って熱延鋼帯となし、次いで
    酸洗を施した後、550℃以上675℃以下の温度で
    0.5分以上5分以下加熱し鋼帯表面の還元を行った
    後、溶融亜鉛めっきを施し、さらに470〜550℃の
    温度範囲で3〜30秒間加熱する合金化処理を行うこと
    を特徴とする穴拡げ性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼
    板の製造方法。
  4. 【請求項4】 C0.03%以下、Si0.005〜
    0.3%、Mn0.05〜1.0%、sol.Al
    0.005〜0.03%、Cu0.5〜2.0%を含有
    し、さらに0.01〜0.2%のTiと、0.005〜
    0.2%のNbと、0.0002〜0.0030%のB
    と、0.15〜1.0%のNiとのうち1種または複数
    種を含有し、残部不可避的不純物およびFeからなる鋼
    をAr3以上の温度で熱間圧延を終了し、460〜65
    0℃の温度で巻き取って熱延鋼帯となし、次いで酸洗を
    施した後、550℃以上675℃以下の温度で0.5分
    以上5分以下加熱し鋼帯表面の還元を行った後、溶融亜
    鉛めっきを施し、さらに470〜550℃の温度範囲で
    3〜30秒間加熱する合金化処理を行うことを特徴とす
    る穴拡げ性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方
    法。
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CN112522586A (zh) * 2019-09-19 2021-03-19 宝山钢铁股份有限公司 一种薄带连铸高扩孔钢及其制造方法

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