JP2843829B2 - 改良された傾斜磁場コイルシステムを有する磁気共鳴装置 - Google Patents

改良された傾斜磁場コイルシステムを有する磁気共鳴装置

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JP2843829B2 JP63202796A JP20279688A JP2843829B2 JP 2843829 B2 JP2843829 B2 JP 2843829B2 JP 63202796 A JP63202796 A JP 63202796A JP 20279688 A JP20279688 A JP 20279688A JP 2843829 B2 JP2843829 B2 JP 2843829B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、測定スペース内に中心軸と平行な静磁場を
つくるための磁石システムと、前記の静磁場と重畳され
て該静磁場内に傾斜磁場を選択的につくるための傾斜コ
イルシステムとをそなえ、この傾斜コイルシステムはサ
ドル形のX−傾斜磁場コイルとY−傾斜磁場コイルを有
し、各サドル形コイルは、円筒面に沿って延在する有効
弧形導体とやはり円筒面に沿って延在する折返し弧形導
体とを有し、両種類の弧形導体は中心軸を横切る平面内
にあり且つ円筒面に沿って延在し、有効弧形導体は折返
し弧形導体よりも顕著に傾斜磁場の発生に寄与しそして
また漂遊磁場も形成し、傾斜コイルシステムは中心軸を
横切る中央対称面を有し、有効弧形導体は前記の中央対
称面に比較的近く位置され、折返し弧形導体は前記の中
央対称面より比較的離れて位置され、折返し弧形導体
は、有効弧形導体で発生された漂遊磁場を補償するよう
に、有効弧形導体よりも大きな直径の円筒面に沿って延
在した磁気共鳴装置に関するものである。
この種の磁気共鳴装置は欧州特許出願公開明細書第21
6590号公報より知られている。この公開明細書に記載さ
れた傾斜磁場コイルシステムは、静磁場の方向が円筒状
測定スペースの(Z−)軸と一致した磁気共鳴装置のX
−およびY−傾斜磁場用の多数のサドル形コイルを有す
る。この種の傾斜磁場コイルは、1つまたはそれ以上の
導電性円筒例えば壁と超電導磁石の放射線シールドで取
囲まれるのが普通である。傾斜磁場コイルの電流がスイ
ッチされるとこの導電性円筒に渦電流が誘起され、この
渦電流は所望の傾斜磁場を妨げる。有効傾斜磁場の減衰
は、傾斜磁場コイルを通る電流の可調節な “オーバーシュート”によって部分的に補償すること
ができる。電流のこのオーバーシュート(したがって供
給される電力も)はコイルを取囲む最も小さなシールド
の直径とコイル自体の直径との比に大きく左右される。
コイルに対する電力は、導電性円筒の直径が小さくなる
につれて増加する。
渦電流は、所望の傾斜を減衰するだけでなく、更に傾
斜磁場をゆがめる。この場合、場所と有効磁場の強さと
の関係は、傾斜磁場コイルが離隔されるように配設され
た場合の状況とは異なる。その上、この磁場と場所の関
係は、渦電流が所定の時定数で減衰するので、時間に依
存するのが普通である。特にこの時間依存性は磁気共鳴
イメージに望ましくないゆがみをきたす。
仮りに渦電流が時間的に減衰しないものとすれば、こ
の渦電流の影響は、必要な電力の増加と得られたイメー
ジのゆがみに限られるにとどまるでろう。このゆがみ
は、原理的には、有効磁場ができる限り所望の形を有す
るようにコイルの設計時に渦電流を考慮に入れることに
より避けることができるであろう。渦電流の減衰は、原
理的には超電導シールドによって傾斜磁場コイルを取囲
むことによって阻止できるであろう。けれども、さし当
っての実現は困難である。これに匹敵する効果を有する
代りの方法は、超電導シールドで生じるであろう電流パ
ターンをまねるように設計された“シールドコイル”の
システムを取付けることである。このシールドコイルを
電源で付勢することにより、渦電流磁場の時間依存性は
除かれるであろう。
けれどもこのようなコイルのシステムは、電流オーバ
ーシュートのために必要とされる電力を解決するもので
はなく、反対に、コイルの電流がスイッチされると、シ
ールドコイルの影響は、シールドコイルの直径上の導電
性シールドにより及ぼされるであろう影響と実質上同じ
であり、また、この直径はさもなければ渦電流が誘起さ
れるであろう低温保持シールドの直径よりも常に小さい
ため、必要とされる全エネルギは著しく大きいであろ
う。
本発明の目的は、傾斜磁場コイルに必要とされる全エ
ネルギをその渦電流も含んだこれに匹敵する通常の傾斜
磁場コイルに必要とされるエネルギ以上に増すことなし
に、横断する傾斜磁場コイルによって導入される渦電流
により課せられる問題を軽減することにある。この目的
を達成するために、本発明は、冒頭記載の種類の磁気共
鳴装置において、折返し弧形導体は、有効弧形導体で発
生された漂遊磁場を補償するように、有効弧形導体より
も大きな直径の円筒面に沿って延在することを特徴とす
るものである。
通常のX−およびY−傾斜磁場コイルは夫々2つの形
の弧形導体を有する。一方の形の弧形導体は所望の傾斜
磁場の発生に寄与するもので、したがって有効弧形導体
と呼ばれ、また他方の形の弧形導体は、サドル形コイル
を閉回路にするためにだけ必要で、所望の傾斜磁場の発
生に寄与しないもので、したがって折返し弧形(return
arc)導体と呼ばれる。X−およびY−傾斜磁場コイル
が、所望の磁場の発生に寄与しないでこのような傾斜磁
場コイルを形成するサドル形コイルの閉回路をつくる役
だけをする導体を有するという事実を利用することによ
って、コイルシステムに蓄えられるエネルギをこの目的
のために増すことなしに、有効な弧形導体の漂遊磁場を
補償することができる。
本発明の好ましい一実施態様では、軸方向にみてより
外側に位置する電流を戻す折返し弧形は大きな直径にさ
れ、その上、やはり軸方向にみてシステム内でより中心
よりに位置される。このように折返し弧形の一部をより
大きな直径を有する円筒面上に適当に分布することによ
って、全コイルシステムの合成漂遊磁場は、匹敵する傾
斜磁場コイルの漂遊磁場の極く一部に減らすことができ
る。
この折返し弧形は公知のコイルシステムに蓄えられる
エネルギに著しく寄与するので、このエネルギは本発明
の処置によって増すことはない。
X−傾斜磁場を発生する公知の傾斜磁場コイルシステ
ムは特に2つのサドル形コイルを有し、夫々が補償サド
ル形コイルを有する。これ等のコイルは、コイルシステ
ムのZ=0径方向対称面に関して対状に対称的に位置さ
れる。本発明の傾斜コイルアセンブリでは、軸方向にみ
てより外側に位置する弧形導体の少なくとも一部は内側
コイルの弧形によってとって代られるかまたは寧ろ補償
される。この構造の主な利点は、コイルシステムに蓄え
られる全エネルギが著しく小さく、絶縁された傾斜磁場
コイルシステムのレベルに略々近づくということにあ
る。このことは、コイルシステムの大きなエネルギによ
る欠点だけでなく渦電流により生じる磁場妨害による欠
点を除去する。
より外側に位置する弧形導体の位置決めの自由度を利
用することにより、本発明の好ましい実施態様では、そ
の領域にある弧形導体に対して大きな直径が選ばれる。
したがって、装置内に位置される患者が近づき易くな
り、装置が患者に一層親しみ易くなる。他方において、
小さな直径はより中心に位置する弧形導体に与えること
ができ、このためより以上のエネルギ節約が実現され
る。その上特に、所望の磁場形成に実質的に寄与する中
心寄りに位置する弧形導体は、厳密には軸方向に延在し
ない導電接続を経て、より外側に位置し且つ大きな直径
の円筒面に沿って延在する折返し弧形と接続されること
ができる。特に折返し弧形は厳密に円形状に延在する必
要はない、すなわち、若し所望ならば磁場形成、磁場補
償または幾何のために、適当な角度の軸方向および径方
向の角度をこれに与えることができる。
コイルシステムの更に別の実施態様では、このコイル
システムは本願と同時に出願した本願人に係る特許出願
に詳細に説明したように、軸方向または径方向にスタッ
クされた弧形導体のスタックを有する。
以下本発明の好ましい実施態様を添付の図面を参照し
て詳しく説明する。
第1図に示した磁気共鳴装置は、均一な静磁場を発生
する磁石システム2、傾斜磁場を発生する磁石システム
4、および磁石システム2と磁石システム4の電源6と
8を夫々有する。。RF交番磁場を発生する磁石コイル10
はRF電源12に接続される。RF送信機磁場により被検体内
に発生された磁気共鳴信号を検出するために、この実施
態様では表面コイル13を使用する。読取りの目的で、前
記のコイル13は信号増幅器14に接続される。この信号増
幅器14は、中央制御ユニット18に接続された位相判別整
流器16に接続される。前記の中央制御ユニット18は、RF
電源12の変調器20、傾斜磁場コイルの電源8、およびデ
ィスプレイ用のモニタ22も制御する。RF発振器24は、測
定信号を処理する位相判別整流器16だけでなく変調器20
も制御する。冷却ダクト27を有する冷却装置26を設ける
ことができる。この種の冷却装置は、抵抗を有するコイ
ルに対する水冷システムまたは超電導コイルに対するデ
ュワーシステムでもよい。磁石システム2と4内に配設
された送信機コイル10は、医療診断測定用装置の場合に
は患者を入れるのに十分なスペースを供する測定スペー
スを取囲む。このようにして、静磁場、像映されるスラ
イスの位置選択用の傾斜磁場、および空間的に均一なRF
交番磁場を測定スペース28内に発生することができる。
この測定スペースはファラデーケージ(Faraday cage)
29で取囲まれることができる。
傾斜磁場コイルシステム4は通常のように径方向対称
面30に対して対称的に配設され、したがってこの径方向
対称面は、測定スペースを2つの半部に分け、点Z=0
を通って磁石システムのZ軸に垂直に向けられる。静磁
場磁石システムにより発生された静磁場はZ軸に沿って
向けられる。磁気共鳴装置の傾斜磁場システムは通常の
ように各座標方向に対するコイルシステムを有する、す
なわち、このコイルシステムは前記の方向の夫々に傾斜
磁場を発生することができ、物体の点に関するイメージ
ングを可能にする。本発明の傾斜磁場コイルシステムに
おけるコイルシステムはやはりX−およびY−傾斜に対
して同じで、互に90゜回転される。
第2図は、磁気共鳴装置のコイルシステム4における
Z=0対称面の一方の側にあるX−傾斜磁場コイル40と
42を示す。サドル形コイルとして形成されたこれ等コイ
ルの夫々は、分けて示してはいないが対称面30近くに位
置する多数の弧形導体44と、Z=0面より遠いコイルシ
ステム側に位置する多数の弧形導体46とを有する。各コ
イルはまたは前記の弧形導体と互に接続された多数の軸
方向導体48を有する。同様に、この場合にはZ=0面の
反対側に位置するY−傾斜磁場コイル50と52は、Z=0
面30の近くに位置する多数の弧形導体54、Z=0面から
遠い多数の弧形導体56、および多数の軸方向に延在する
連結軸方向導体58を有する。方位角的に見て、Y−傾斜
磁場コイルはX−傾斜磁場コイルに対して90゜回転され
ている。これ等のX−傾斜磁場コイルならびにY−傾斜
磁場コイルはZ=0面の両側に位置することに留意され
度い。X−傾斜磁場およびY−傾斜磁場に対する両コイ
ルの弧形導体は、通常のように少なくとも部分的に互に
転位され、異なる弧角を覆うことができる。
妨害となる渦電流の発生は、大きな直径を有する円筒
面の折返し弧形を配設することによって減少することが
できる。この図には従来の装置における補償コイルシス
テムの弧形導体74と76および弧形導体78と80を夫々有す
るコイル70および72が示されている。最も中心に位置す
る弧形導体44と54が所望の傾斜磁場の形成に最も実質的
に寄与をするのと同様に、補償コイルの主に中心に位置
する弧形導体74と78がシールド60の渦電流の減少に寄与
する。比較的大きな渦電流損を有する欧州特許出願公開
明細書第216590号公報に開示されたコイルシステムのシ
ールドがかくして省略されるので、コイルシステム内に
蓄えられるエネルギに関して著しい節約が実現される。
その結果、コイルの作動に要するエネルギが少なくてす
み、スイッチングがより早くなることができる。傾斜磁
場コイルと補償コイルの対応した弧形導体では電流の方
向は反対で、戻される電流の全体の大きさは両システム
に対して同じオーダーの大きさなので、個別の補償コイ
ルにくらべて広範囲の補償が得られる。最適の磁場形成
または補償のために、本発明のコイルアセンブリにおい
ては、特に傾斜磁場に実質上寄与しない弧形導体を、少
なくとも部分的に、軸方向位置に合わせて大きな直径に
する。
第3a図は公知のコイルシステムを示した第2図のIII
a−III aにおける略断面図、第3b図は第2図のIII b−I
II bにおける略断面図を示す。第2図に関して説明した
傾斜磁場コイルの弧形導体44,46,54,及び56と補償コイ
ルの導体74,76,78及び80が再び示されている。
第4a図及び第4b図は本発明により改良されたコイルシ
ステムを軸方向略断面図で示したもので、第4a図は対称
面30を中心とした半部を、第4b図は他方の半部を示す。
傾斜磁場コイル用の弧形導体が第2図に関して示したと
同じ符号44,46,54及び56で示されているが、本発明で
は、より中心寄りに位置する導体すなち傾斜磁場に顕著
に寄与する導体44と54は、厳密に軸方向ではなくて幾ら
か径方向に延在する導体を経て、折返し弧形導体すなわ
ち大きな直径を有する円筒面に沿って延在する弧形導体
に接続される。外側の方に位置する導体は、所望の傾斜
磁場にほんの僅かしか寄与せず、普通ならば発生する漂
遊磁場を補償する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の磁気共鳴装置の略線図、 第2図は第1図に示した装置の傾斜磁場コイルシステム
の斜視図、 第3a図は第2図のIII a−III aにおける略断面図、 第3b図は第2図のIII b−III bにおける略断面図、 第4a図は本発明のコイルシステムの対称面を中心とした
半部の軸方向略断面図、 第4b図は他方の半部の軸方向略断面図である。 2……静磁場磁石システム 4……傾斜磁場コイルシステム 10……RF交番磁場コイル 13……表面コイル、28……測定スペース 30……対称面 40,42……X−傾斜磁場コイル 44,46,54,56,74,76,78,80……弧形導体 48,58……軸方向導体 50,52……Y−傾斜磁場コイル 70,72……補償コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−40151(JP,A) 特開 昭61−165648(JP,A) 特開 昭63−82638(JP,A) 特開 昭63−272335(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61B 5/055

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定スペース(28)内に中心軸(Z)と平
    行な静磁場をつくるための磁石システム(2)と、前記
    の静磁場と重畳されて該静磁場内に傾斜磁場を選択的に
    つくるための傾斜コイルシステム(4)とをそなえ、こ
    の傾斜コイルシステムはサドル形のX−傾斜磁場コイル
    (40,42)とY−傾斜磁場コイル(50,52)を有し、各サ
    ドル形コイルは、円筒面に沿って延在する有効孤形導体
    (44,54)とやはり円筒面に沿って延在する折返し孤形
    導体(46,56)とを有し、両種類の弧形導体は中心軸
    (Z)を横切る平面内にあり円筒面に沿って延在し、有
    効弧形導体(44,54)は折返し弧形導体(46,56)よりも
    顕著に傾斜磁場の発生に寄与しそしてまた漂遊磁場も形
    成し、傾斜コイルシステムは中心軸(Z)を横切る中央
    対称面(30)を有し、有効弧形導体は前記の中央対称面
    に比較的近く位置され、折返し弧形導体は前記の中央対
    称面より比較的離れて位置され、折返し弧形導体(46,5
    6)は、有効弧形導体(44,54)で発生された漂遊磁場を
    補償するように、有効弧形導体よりも大きな直径の円筒
    面に沿って延在した磁気共鳴装置において、 傾斜コイルシステムは、スタックを形成するように軸方
    向及び、又は径方向に組み合されたほぼ環状の弧形導体
    を有することを特徴とする磁気共鳴装置。
  2. 【請求項2】コイルシステムのX−傾斜磁場コイル(4
    0,42)とY−傾斜磁場コイル(50,52)のサドル形コイ
    ルの有効弧形導体は、より大きな直径の円筒面に沿って
    延在する折返し弧形導体(46,56)と直列に接続された
    請求項1記載の磁気共鳴装置。
  3. 【請求項3】傾斜コイルシステムは中心軸を横切る中央
    対称面(30)を有し、このコイルシステムは、該対称面
    及び中心軸の両方に比較的近く位置された有効弧形導体
    (44,45)と、前記対称面及び中心軸より比較的離れて
    位置された、前記の有効弧形導体と直列に接続された折
    曲し弧形導体(46,56)とを有する請求項1または2項
    記載の磁気共鳴装置。
  4. 【請求項4】折返し弧形は厳密に円形ではない弧形に沿
    って延在する請求項1乃至3の何れか1項記載の磁気共
    鳴装置。
JP63202796A 1987-08-19 1988-08-16 改良された傾斜磁場コイルシステムを有する磁気共鳴装置 Expired - Lifetime JP2843829B2 (ja)

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JPS6470031A JPS6470031A (en) 1989-03-15
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