JP2841919B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置

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JP2841919B2
JP2841919B2 JP3120342A JP12034291A JP2841919B2 JP 2841919 B2 JP2841919 B2 JP 2841919B2 JP 3120342 A JP3120342 A JP 3120342A JP 12034291 A JP12034291 A JP 12034291A JP 2841919 B2 JP2841919 B2 JP 2841919B2
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雄彦 広瀬
憲一 野村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の燃料噴射制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】吐出作用が順次間隔を隔てて行われる複
数のポンプから構成される燃料噴射ポンプを具備すると
共に、これら各ポンプの燃料吐出通路を各ポンプに共通
のコモンレールを介して、機関本体の各気筒毎に備えら
れた燃料噴射弁に連結し、コモンレール内の燃料圧を予
め定められた目標燃料圧に制御するようにした内燃機関
の燃料噴射制御装置が公知である(特開平1−267355号
公報参照)。この内燃機関では具体的には、各ポンプの
加圧室から燃料逃し通路を夫々分岐すると共にこの燃料
逃し通路を介して排出される燃料量を制御する制御弁を
各燃料逃し通路内に配置し、コモンレール内に圧力セン
サを配置し、圧力センサにより検出されたコモンレール
内の燃料圧が予め定められた燃料圧となるように各制御
弁の閉弁期間をフィードバック制御するようにしてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の内
燃機関において、燃料噴射ポンプを構成する複数のポン
プの内の或るポンプが何らかの原因で故障してそのポン
プからの吐出作用が全く或いはほとんど行われない場合
がある。その場合には、コモンレール内の燃料圧が上述
の予め定められた目標燃料圧に制御されるべく、残りの
正常に作動しているポンプからの燃料吐出量が増大せし
められることになる。しかしながら、燃料噴射弁から噴
射される燃料噴射量が多い機関中高負荷運転時には、正
常なポンプからの燃料吐出量がたとえ最大限に増大せし
められても、燃料噴射弁から噴射された燃料量を補充す
るのに必要な燃料量を正常なポンプからだけでは吐出す
ることができない。その結果、コモンレール内の燃料圧
が目標燃料圧から低下していってしまう。一方、燃料噴
射弁からの燃料噴射時間はコモンレール内の燃料圧が目
標燃料圧になっていると仮定して計算されるので、この
ように燃料圧が目標燃料圧から低下してしまうと燃料噴
射量が正規の燃料噴射量よりも減少し、その結果燃焼が
不調になってしまうという問題が生ずる。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明によれば、吐出作用が順次間隔を隔てて行わ
れる複数のポンプから構成される燃料噴射ポンプを具備
すると共に、各ポンプの燃料吐出通路を各ポンプに共通
のコモンレールを介して燃料噴射弁に連結し、コモンレ
ール内の燃料圧を予め定められた第1の目標燃料圧に制
御するようにした内燃機関の燃料噴射制御装置におい
て、ポンプの異常を検出する手段を具備し、ポンプの異
常が検出されたときにはコモンレール内の燃料圧を上記
第1の目標燃料圧よりも低い予め定められた第2の目標
燃料圧に制御するようにし、コモンレール内の燃料圧が
第2の目標燃料圧に制御されたときに正常な各ポンプか
ら吐出可能な全燃料量がコモンレール内の燃料圧が第1
の目標燃料圧に制御されたときよりも多くなるように第
2の目標燃料圧を定めている。
【0005】
【作用】燃料噴射ポンプを構成する複数のポンプからの
吐出作用が順次間隔を隔てて行われ、すべてのポンプが
正常に作動しているときにはコモンレール内の燃料圧が
予め定められた第1の目標燃料圧に制御される。一方、
複数のポンプの内の或るポンプの吐出を開始すべき時期
の前後のコモンレール内の圧力差が予め定められた圧力
差以下のときにはコモンレール内の燃料圧が第1目標燃
料圧よりも低い予め定められた第2の目標燃料圧に制御
される。このようにコモンレール内の燃料圧が低下せし
められると正常に作動しているポンプ内における燃料の
漏洩が低減され、斯くして正常に作動しているポンプの
吐出効率が上昇せしめられる。従ってコモンレール内の
燃料圧が上述の第2目標燃料圧に維持される。
【0006】
【実施例】図3に2気筒2サイクル内燃機関の全体図を
示す。図3を参照すると、1は機関本体、2は機関本体
1の各気筒、3は各気筒2毎に備えられた燃料噴射弁、
4は各気筒2の点火栓、5は燃料噴射ポンプ、6は燃料
供給ポンプ、7は燃料タンクを夫々示す。
【0007】燃料噴射ポンプ5は並列に配置された第1
のポンプ8aと第2のポンプ8bとから構成される。図
3に示されるように第1ポンプ8aと第2ポンプ8bは
同一の構造を有する。即ち各ポンプ8a,8bはシリン
ダ10と、シリンダ10内に往復動可能に挿入されたプラン
ジャ11とを具備し、シリンダ10の内壁面とプランジャ11
の頂面とにより加圧室12が形成される。プランジャ11は
圧縮ばね14によってカム軸15上に形成されたカム16aま
たは16bに押圧されており、このカム軸15は機関により
駆動される。図3に示される実施例では機関の1回転に
対してカム軸15が1回転し、カム軸15の1回転に対して
プランジャ11が1往復動するようになっている。また、
一対のカム16aと16bは互いに位相が 180°異なった同
一形状をなす。従って、機関の一サイクルに対して一対
のポンプ8a,8bから1回ずつ交互に燃料が吐出され
るようになっている。
【0008】第1ポンプ8aのシリンダ10および第2ポ
ンプ8bのシリンダ10は燃料供給通路18を介して燃料供
給ポンプ6の吐出側に連結され、燃料供給ポンプ6の吸
込側は燃料タンク7に連結される。一方、第1ポンプ8
aの加圧室12および第2ポンプ8bの加圧室12は燃料吐
出通路20を介して、各ポンプ8a,8bに共通のコモン
レール22に連結される。加圧室12と燃料吐出通路20との
連結部には、加圧室12から燃料吐出通路20に向けてのみ
燃料の流通を可能ならしめる逆止弁24が配置される。コ
モンレール22は燃料分配通路26を介して、機関本体1の
各気筒2毎に備えられた燃料噴射弁3に連結される。ま
た、コモンレール22にはコモンレール22内の燃料圧Pを
検出するための圧力センサ28が取り付けられる。
【0009】燃料タンク7から燃料供給ポンプ6内に供
給された燃料は燃料供給ポンプ6によって予め定められ
た低圧Pf に昇圧される。この低圧Pf に昇圧された燃
料が、各ポンプ8a,8bのプランジャ11の往復動によ
り加圧されてコモンレール22内に圧送される。なお、上
述のように第1ポンプ8aと第2ポンプ8bの位相が18
0°異なるので、第1ポンプ8aおよび第2ポンプ8b
から交互に燃料がコモンレール22内に圧送される。ま
た、第1ポンプ8aの加圧室12と燃料供給通路18とを連
結する第1の燃料逃し通路30aが設けられ、この第1燃
料逃し通路30a内には第1ポンプ8aの加圧室12から第
1燃料逃し通路30aを介して排出される燃料量を制御す
るための第1の制御弁32aが配置される。この第1制御
弁32aは例えばソレノイドを具備するアクチュエータ33
aによって開閉作動され、このアクチュエータ33aは電
子制御ユニット40の出力信号により制御される。同様に
第2ポンプ8bの加圧室12と燃料供給通路18とを連結す
る第2の燃料逃し通路30bが設けられ、この第2燃料逃
し通路30b内には第2ポンプ8bの加圧室12から第2燃
料逃し通路30bを介して排出される燃料量を制御するた
めの第2の制御弁32bが配置される。この第2制御弁32
bは例えばソレノイドを具備するアクチュエータ33bに
よって開閉作動され、このアクチュエータ33bは電子制
御ユニット40の出力信号により制御される。
【0010】電子制御ユニット40はディジタルコンピュ
ータからなり、双方向性バス41によって相互に接続され
たROM(リードオンリメモリ)42、RAM(ランダムアクセス
メモリ)43、CPU(マイクロプロセッサ)44、バックアッ
プRAM 45、入力ポート46および出力ポート47を具備す
る。圧力センサ28はコモンレール22内の燃料圧Pに比例
した出力電圧を発生し、この出力電圧がAD変換器48を
介して入力ポート46に入力される。また、図示しない機
関給気通路内に配置されたエアフローメータ35は吸入空
気量Qに比例した出力電圧を発生し、この出力電圧がA
D変換器49を介して入力ポート46に入力される。また入
力ポート46には上死点検出センサ36の出力信号およびク
ランク角センサ37の出力信号が入力される。上死点検出
センサ36は例えば #1気筒が上死点にあることを示す出
力パルスを発生し、クランク角センサ37はクランクシャ
フトが例えば10度回転する毎に出力パルスを発生する。
従ってこれらの上死点検出センサ36とクランク角センサ
37の出力信号から #1気筒の上死点を基準とした現在の
クランク角を計算することができる。なお電子制御ユニ
ット40内では、クランク角センサ37の出力信号に基づい
て機関回転数Nが算出される。一方、出力ポート47は対
応する駆動回路51,52を介して第1制御弁32aのアクチ
ュエータ33aおよび第2制御弁32bのアクチュエータ33
bに接続される。また、出力ポート47は夫々対応する駆
動回路53,54,55,56を介して各気筒2の燃料噴射弁3
および点火栓4に接続される。更に出力ポート47は対応
する駆動回路57,58を介して一対の警告ランプ60a,60
bに接続される。なお、警告ランプ60aは第1ポンプ8
aに異常が発生したときに点灯せしめられ、警告ランプ
60bは第2ポンプ8bに異常が発生したときに点灯せし
められる。
【0011】次に、図3および図4を参照して第1制御
弁32aおよび第2制御弁32bの開閉制御について説明す
る。なお、第1制御弁32aと第2制御弁32bとは同様に
開閉制御されるので、ここでは第1制御弁32aを例にと
って説明する。図4に示されるようにプランジャ11の下
降行程中には第1制御弁32aが開弁されている。プラン
ジャ11が下降して燃料供給通路18が加圧室12に連通する
と、燃料供給ポンプ6によって低圧Pf に昇圧された燃
料が燃料供給通路18を介して加圧室12内に吸入される。
プランジャ11が下死点を過ぎて上昇すると燃料供給通路
18がプランジャ11の外周壁面により加圧室12に対して再
び閉鎖される。次いでプランジャ11が更に上昇するとき
において第1制御弁32aが開弁している場合には加圧室
12内の燃料が第1燃料逃し通路30aを介して燃料供給通
路18内に返戻せしめられる。一方、第1制御弁32aが閉
弁すると加圧室12内の燃料が圧縮され、その結果加圧室
12内の燃料圧が燃料吐出通路20内の燃料圧よりも高くな
ると逆止弁24が開弁して、加圧室12内の燃料が燃料吐出
通路20を介してコモンレール22内に押し込まれ、斯くし
てコモンレール22内の燃料圧Pがただちに上昇せしめら
れる。従って、プランジャ11の上昇行程中において第1
制御弁32aの閉弁期間RCPを制御することにより第1
ポンプ8aから燃料吐出通路20内に吐出される燃料量Q
p が制御され、斯くしてコモンレール22内の燃料圧Pを
応答性良く制御することができる。図3および図4に示
される実施例では、圧力センサ28により検出されたコモ
ンレール22内の燃料圧Pが予め定められた第1の目標燃
料圧Pn 、例えば10MPa になるように第1制御弁32aの
閉弁期間RCPがフィードバック制御される。なお図4
に示されるように第1制御弁32aの閉弁終了時期ROは
プランジャ11が上死点に位置する時期に固定されてお
り、一方、第1制御弁37aの閉弁開始時期RCは閉弁期
間RCPに応じて変化せしめられる。第2制御弁32bも
第1制御弁32aと同様に開閉制御される。なお、上述の
ように第1ポンプ8aと第2ポンプ8bとは位相が 180
°異なっているので、第1ポンプ8aと第2ポンプ8b
から交互に間隔を隔てて燃料が吐出される。また、各ポ
ンプ8a,8bのプランジャ11が機関一サイクルに1往
復動するので、各ポンプ8a,8bから機関一サイクル
に夫々1回ずつ燃料が吐出される。
【0012】次に図2を参照して、燃料噴射弁3からの
燃料噴射作用および燃料噴射ポンプ5からの燃料吐出作
用と、コモンレール22内の燃料圧Pの変動との関係につ
いて説明する。図2(a)および(b)に示されるよう
に機関本体1の1番気筒と2番気筒とは 180°位相が異
なっている。従って各気筒に備えられた燃料噴射弁3か
ら、ほぼ 180°クランク角間隔で交互に燃料噴射が行わ
れる。この燃料噴射時間 TAUn は、例えば機関負荷Q/
N(吸入空気量Q/機関回転数N)と機関回転数Nに関
するマップの形で予めROM 42内に記憶されている燃料噴
射時間 TAUn のデータに基づいて計算される。また燃料
噴射完了時期EJ1,EJ2は、同様にQ/NとNに関する
マップの形で予めROM 42内に記憶されている燃料噴射完
了時期EJ1,EJ2のデータに基づいて計算される。一
方、燃料噴射開始時期SJ1,SJ2は、燃料噴射時間 TAU
n と燃料噴射完了時期EJ1,EJ2とから計算される。燃
料噴射弁3から燃料噴射が行われると、図2(e)に示
されるようにコモンレール22内の燃料圧Pが低下する。
【0013】図2(c)および(d)は、第1ポンプ8
aの第1制御弁32aの閉弁時期と第2ポンプ8bの第2
制御弁32bの閉弁時期を示している。上述のように第1
制御弁32aが閉弁しているときに第1ポンプ8aからコ
モンレール22内に燃料が圧送され、第2制御弁32bが閉
弁しているときに第2ポンプ8bからコモンレール22内
に燃料が圧送される。図2からわかるように、第1ポン
プ8aおよび第2ポンプ8bから交互に間隔を隔てて燃
料が圧送され、この燃料圧送期間が隣り合う燃料噴射期
間の間にくるようにカム軸15の位相が機関クランク軸
(図示しない)の位相に対して調節されている。
【0014】上述のように各制御弁32a,32bの閉弁終
了時期RO1,RO2は対応するプランジャ11が上死点に位
置する時期に設定されている。また、第1制御弁32aの
閉弁期間RCPの計算は第2ポンプ8bのプランジャ11
が上死点に位置するとき、即ち第2制御弁32bの閉弁終
了時期RO2において次のようにして行われる。即ち、圧
力センサ28により検出されたコモンレール22内の燃料圧
Pと第1目標燃料圧P n との差圧ΔPと、1番気筒の燃
料噴射弁3から次に噴射されるべく求められた燃料噴射
量Qi とに基づいてこれらΔPおよびQi を補償すべ
く、第1ポンプ8aからコモンレール22内に圧送される
燃料吐出量Qp が次式に基づいて計算される。 Qp =K・Qi +Kp (P−Pn )…(1) ここでKp はコモンレール22内の燃料圧Pと機関回転数
Nとに依存する補正係数であり、この補正係数Kp は、
コモンレール22内の燃料圧Pと機関回転数Nに関するマ
ップの形で予めROM 42内に記憶されている補正係数Kp
のデータに基づいて計算される。また、Kは補正係数で
あり、この補正係数Kの中には燃料噴射ポンプ5内にお
ける燃料の漏洩分を補正するためのパラメータが含まれ
る。更に、燃料噴射量Qi ぎりぎりを吐出させるのでは
なく、ある程度の余裕を持たせた燃料量を吐出させるよ
うにするためのパラメータが補正係数Kの中に含まれて
いる。即ち、例えば燃料噴射量Qi が50mm3 のときには
70mm3 の燃料量を吐出させるようにする。このようにし
て求められた第1ポンプ8aからの燃料吐出量Qp に基
づいて第1制御弁32aの閉弁期間 RCP1が算出される。
一方、第1制御弁32aの閉弁開始時期RC1は閉弁期間R
CPと閉弁終了時期RO1とから算出される。
【0015】斯くして第1ポンプ8aから燃料がコモン
レール22内に圧送されると、図2(e)に示されるよう
にコモンレール22内の燃料圧Pが上昇せしめられ、コモ
ンレール22内の燃料圧Pが第1目標燃料圧Pn 、例えば
10MPa に制御される。なお、上述のように燃料噴射弁3
から噴射される燃料噴射量Qi よりも若干多めの燃料量
が第1ポンプ8aから吐出されるので、コモンレール22
内の燃料圧Pは第1目標燃料圧Pn よりも少し高い圧力
まで上昇せしめられる。一方、第2制御弁32bの閉弁時
期の計算は、第1ポンプ8aのプランジャ11が上死点に
位置するとき、即ち第1制御弁32aの閉弁終了時期RO1
において同様にして行われる。
【0016】しかしながら、このように吐出作用が交互
に間隔を隔てて行われる一対のポンプ8a,8bを具備
する内燃機関において、一方のポンプ8aまたは8bの
制御弁32aまたは32bが何らかの原因で開弁しっぱなし
になってしまった場合にはそのポンプからの吐出作用が
全く行われなくなってしまう。また、一方のポンプ8a
または8bのプランジャ11が作動しなくなってしまった
場合にもそのポンプからの吐出作用が全く行われなくな
ってしまう。また、一方のポンプ8aまたは8bのプラ
ンジャ11が著しく摩耗して燃料の漏洩が著しく多くなっ
た場合にはそのポンプからの吐出作用が著しく低下して
しまう。
【0017】第1ポンプ8aにこのような異常が発生し
た場合のコモンレール22内の燃料圧Pの変動が図2
(e)に実線で示されている。図2(e)に実線で示さ
れるように、第1ポンプ8aに異常が発生して第1制御
弁32aの閉弁指令信号が出力されているにも拘らずに第
1ポンプ8aからコモンレール22内に燃料が全く或いは
ほとんど圧送されない場合にはコモンレール22内の燃料
圧Pが当然上昇しない。従って、第1ポンプ8aから吐
出されるはずであった燃料量も併せた燃料量が第2ポン
プ8bから吐出されるように第2制御弁32bの閉弁期間
RCPが増大せしめられることになる。即ち、第2制御
弁32bの閉弁開始時期RC2が早められる。しかしなが
ら、燃料噴射弁3から噴射される燃料噴射量が少い機関
低負荷運転時には正常に作動している第2ポンプ8bか
らの燃料吐出のみによってコモンレール22内の燃料圧P
を第1目標燃料圧Pn まで上昇させることができたとし
ても、燃料噴射弁3から噴射される燃料噴射量が多い機
関中高負荷運転時には第2制御弁32bの閉弁期間RCP
が最大限に増大せしめられてもコモンレール22内の燃料
圧Pを第1目標燃料圧Pn まで上昇させることはできな
い。即ち、機関中高負荷運転時には、正常に作動してい
る一方のポンプ8aまたは8bだけから1番気筒の燃料
噴射量と2番気筒の燃料噴射量とを併せた燃料量を吐出
させることはできない。その結果、コモンレール22内の
燃料圧Pが第1目標燃料圧Pn から急速に低下していっ
てしまう。一方、燃料噴射弁3からの燃料噴射時間 TAU
n は、上述のようにコモンレール22内の燃料圧Pが第1
目標燃料圧Pn であるときのマップに基づいて算出され
る。従って、このようにコモンレール22内の燃料圧Pが
第1目標燃料圧Pn から低下していってしまうと、燃料
噴射量Qi が正規の燃料噴射量よりも減少してしまう。
その結果、燃焼が不調になってしまうという問題が生ず
る。
【0018】この問題を解決するために本発明では、一
方のポンプ8aまたは8bに異常が発生した場合には図
1に示されるようにコモンレール22内の燃料圧Pを第1
目標燃料圧Pn よりも低い予め定められた第2の目標燃
料圧Pl 、例えば5MPa に制御するようにしている。
【0019】まず初めに、ポンプ8aまたは8bに異常
が発生したか否かを判定する方法について説明する。ポ
ンプ8aまたは8bの異常判定は、ポンプの吐出を開始
すべき時期の前後のコモンレール22内の圧力差Dが予め
定められた圧力差Do 以上であるか否かが判別される。
図2に示される実施例では、1番気筒の燃料噴射完了時
期EJ1から第1制御弁32aの閉弁開始時期RC1までの期
間内のコモンレール22内の平均圧力 PMA1と、第1制御
弁32aの閉弁開始時期RC1から閉弁終了時期RO1までの
期間内のコモンレール22内の平均圧力 PMB1との圧力差
Dが予め定められた圧力差Do 以下のときには、第1ポ
ンプ8aに異常が発生したと判定される。同様にして、
2番気筒の燃料噴射完了時期EJ2から第2制御弁32bの
閉弁開始時期RC2までの期間内のコモンレール22内の平
均圧力 PMA2と、第2制御弁32bの閉弁開始時期RC2か
ら閉弁終了時期RO2までの期間内のコモンレール22内の
平均圧力 PMB2との圧力差Dが予め定められた圧力差D
o 以下のときには、第2ポンプ8bに異常が発生したと
判定される。
【0020】いずれかのポンプ8aまたは8bに異常が
発生したと判定されたときには、図1に示されるように
コモンレール22内の燃料圧Pが第1目標燃料圧Pn より
も低い第2目標燃料圧Pl に制御されると共に、対応す
る警告ランプ60aまたは60bが点灯せしめられる。この
ようにいずれかのポンプ8aまたは8bに異常が発生し
たときにコモンレール22内の目標燃料圧が低下せしめら
れると正常に作動しているポンプ内における燃料の漏洩
が低減され、その結果ポンプの燃料吐出量が増大せしめ
られる。斯くして、燃料噴射量が多い機関中高負荷運転
時においても、図1に示されるように正常に作動してい
る一方のポンプ8bから1番気筒の燃料噴射量と2番気
筒の燃料噴射量とを併せた燃料量を吐出させることがで
きる。従って、コモンレール22内の燃料圧Pが第2目標
燃料圧Pl に維持される。
【0021】例えば、1番気筒の燃料噴射と2番気筒の
燃料噴射に必要な合計の燃料量が100mm3である場合を考
える。第1ポンプ8aと第2ポンプ8bが共に正常に作
動しているときには、上述のようにある程度の余裕をみ
た例えば140mm3の燃料量が二つのポンプから吐出される
ように各ポンプ8a, 8bから夫々70mm3 の燃料が吐出
される。ここで一方のポンプ8aまたは8bに異常が発
生すると、上述のように他方の正常に作動しているポン
プからの燃料吐出量が増大せしめられる。しかしながら
コモンレール22内の目標燃料圧を第1目標燃料圧Pn
ままにしておくと、制御弁32aまたは32bの閉弁期間R
CPが最大限に増大せしめられても正常な一つのポンプ
から80mm3 の燃料しか吐出できないとする。この場合、
吐出される燃料量80mm3 は燃料噴射される燃料量100mm3
に対して20mm3 不足してしまう。一方、コモンレール22
内の目標燃料圧を第1目標燃料圧Pn よりも低い第2目
標燃料圧Pl に切り換えると、上述のようにポンプ内の
燃料の漏洩が低減されるので、正常に作動しているポン
プの燃料吐出効率が上昇せしめられる。ポンプの燃料吐
出効率が約20%上昇すれば、正常な一つのポンプから10
0mm3の燃料を吐出することができ、斯くして燃料噴射に
必要な燃料量が確保される。従って、図1に示されるよ
うにコモンレール22内の燃料圧Pを第2目標燃料圧Pl
に制御することができる。
【0022】なお、いずれかのポンプ8aまたは8bに
異常が発生してコモンレール22内の燃料圧Pが第2目標
燃料圧Pl に制御されるときには、各気筒の燃料噴射弁
3からの燃料噴射時間 TAUl および燃料噴射時期が、コ
モンレール22内の燃料圧Pが第2目標燃料圧Plである
ときのマップに基づいて計算される。即ち、燃料圧Pが
第2目標燃料圧Pl のときの燃料噴射時間 TAUl のデー
タが、機関負荷Q/Nと機関回転数Nに関するマップの
形で予めROM 42内に記憶されており、このマップに基づ
いて燃料噴射時間 TAUl が計算される。同様に、燃料圧
Pが第2目標燃料圧Pl のときの燃料噴射完了時期EJ
1,EJ2のデータがQ/NとNに関するマップの形で予
めROM 42内に記憶されており、このマップに基づいて燃
料噴射完了時期EJ1,EJ2が計算される。上述のように
コモンレール22内の燃料圧Pが第2目標燃料圧に維持さ
れているので、各気筒の燃料噴射弁3から適正な燃料噴
射量Qi を噴射することができ、斯くして安定した燃焼
を確保することができる。一方、警告ランプ60aまたは
60bが点灯されるので、運転者はポンプ8aまたは8b
の異常に気付くことになる。
【0023】次に図5を参照して、本実施例におけるポ
ンプの異常判定領域について説明する。まず、燃料噴射
弁3からの燃料噴射量Qi が非常に少い機関極低負荷運
転領域では、ポンプ8a,8bの吐出を開始すべき時期
の前後のコモンレール22内の圧力差Dが、正常に作動し
ているポンプにおいても非常に小さい。従って機関極低
負荷運転領域はポンプの異常判定領域から除外する。ま
た、機関極高回転運転領域では、ポンプ8a,8bから
吐出される燃料の動圧特性の影響が大きくなり、ポンプ
8a,8bから燃料が吐出される時期とコモンレール22
内の燃料圧Pが上昇する時期との関係が図2に示される
関係からずれてくる。従って機関極高回転運転領域はポ
ンプの異常判定領域から除外する。また、機関極低回転
運転領域では、ポンプ8a,8b内における燃料の漏洩
が多くなるので、ポンプ8a,8bの燃料吐出期間内に
おけるコモンレール22内の燃料圧Pの上昇過程が理論値
と異なる。従って、この場合にはポンプの異常判定を行
うのには無理がある。更に、燃料タンク7内に燃料を入
れた後の最初の機関始動時には燃料タンク7内に空気が
入っている場合があり、この場合にポンプの異常判定を
行うと一時的にポンプ8aまたは8bに異常が発生した
と判定されてしまう。従って機関始動時にはポンプの異
常判定をしないこととする。即ち、機関極低回転運転領
域はポンプの異常判定領域から除外する。
【0024】次に図6から図10を参照して、ポンプの異
常判定処理ルーチンについて説明する。このルーチンは
例えば10°クランク角間隔毎の割込みによって実行され
る。なお図6から図10において、第1ポンプの異常判定
フラグPF1は機関始動時に値0にリセットされ、第1ポ
ンプ8aが異常であると判定されたときに値1がセット
される。同様に第2ポンプの異常判定フラグPF2は機関
始動時に値0にリセットされ、第2ポンプ8bが異常で
あると判定されたときに値1がセットされる。また、ク
ランク角Cは1番気筒の上死点を0°としたときの現在
のクランク角であり、上死点検出センサ36とクランク角
センサ37の出力信号から計算される。
【0025】図6から図10を参照するとまず初めにステ
ップ69において、第1ポンプの異常判定フラグPF1の値
が0であるか否かが判別される。フラグPF1が0である
場合にはステップ70に進んで、第2ポンプの異常判定フ
ラグPF2の値が0であるか否かが判別される。フラグPF
2が0である場合にはステップ71に進む。一方、ステッ
プ69においてフラグPF1が0でないと判別されたとき、
またはステップ70においてフラグPF2が0でないと判別
されたとき、即ち第1ポンプ8aまたは第2ポンプ8b
が異常であると既に判定されているときにはそのまま本
ルーチンを終了する。
【0026】ステップ71ではエアフローメータ35の出力
信号から求まる吸入空気量Q、およびクランク角センサ
37の出力信号から求まる機関回転数Nに基づいて機関負
荷Q/Nが計算される。次いでステップ72では現在の機
関運転状態が図5に示されるポンプの異常判定領域内に
あるか否かが、機関回転数Nおよび機関負荷Q/Nに基
づいて判別される。現在の機関運転状態がポンプの異常
判定領域外であるときにはそのまま本ルーチンを終了す
る。一方、現在の機関運転状態がポンプの異常判定領域
内であるときにはステップ73に進む。
【0027】ステップ73ではクランク角Cが2番気筒の
燃料噴射完了時期EJ2以上でかつ第2制御弁32bの閉弁
開始時期RC2以下であるか否かが判別される。肯定判定
された場合にはステップ74に進んで、圧力センサ28によ
り検出されたコモンレール22内の燃料圧Pが変数PA2に
加算される。次いでステップ75ではカウンタNA2の値が
1だけ加算される。次いでステップ76では平均圧力算出
フラグMA2に値0がセットされて、本ルーチンを終了す
る。
【0028】一方、ステップ73において否定判定された
場合にはステップ77に進んで、クランク角Cが次式の範
囲内にあるか否かが判別される。 RC2≦C≦(RO2+ε) …(2) ここでRC2は上述のように第2制御弁32bの閉弁開始時
期であり、RO2は第2制御弁32bの閉弁終了時期であ
り、εは予め定められた微小クランク角である。
【0029】ステップ77において肯定判定された場合に
はステップ78に進んで、平均圧力算出フラグMA2が0で
あるか否かが判別される。平均圧力算出フラグMA2が0
である場合にはステップ79に進んで、2番気筒の燃料噴
射完了時期EJ2から第2制御弁32bの閉弁開始時期RC2
までの期間におけるコモンレール22内の平均圧力 PMA2
が次式に基づいて計算される。 PMA2=PA2/NA2 …(3) 次いでステップ80では変数PA2に値0.0がセットされ、
次いでステップ81ではカウンタNA2に値0がセットさ
れ、次いでステップ82では平均圧力算出フラグMA2に値
1がセットされ、次いでステップ83に進む。一方、ステ
ップ78において平均圧力算出フラグMA2が0でない場合
にはそのままステップ83に進む。
【0030】ステップ83では、圧力センサ28により検出
されたコモンレール22内の燃料圧Pが変数PB2に加算さ
れる。次いでステップ84ではカウンタNB2の値が1だけ
加算される。次いでステップ85ではクランク角Cが(RO
2−ε)以上でかつ(RO2+ε)以下であるか否かが判
別される。否定判定された場合にはそのまま本ルーチン
を終了する。一方、肯定判定された場合にはステップ86
に進んで、第2制御弁32bの閉弁開始時期RC2から閉弁
終了時期RO2までの期間におけるコモンレール22内の平
均圧力 PMB2が次式に基づいて計算される。 PMB2=PB2/NB2 …(4) 次いでステップ87では変数PB2に値0.0がセットされ、
次いでステップ88ではカウンタNB2に値0がセットされ
る。
【0031】次いでステップ89では、平均圧力 PMB2と
PMA2との圧力差D(D= PMB2−PMA2)が予め定め
られた圧力差Do 以上であるか否かが判別される。肯定
判定された場合にはそのまま本ルーチンを終了する。一
方、否定判定された場合にはステップ90に進んで第2ポ
ンプの異常判定フラグPF2に値1がセットされる。次い
でステップ91では第2ポンプ8bの警告ランプ60bが点
灯されて、本ルーチンを終了する。
【0032】一方、ステップ77において否定判定された
場合にはステップ92に進んで、クランク角Cが1番気筒
の燃料噴射完了時期EJ1以上でかつ第1制御弁32aの閉
弁開始時期RC1以下であるか否かが判別される。肯定判
定された場合にはステップ93に進んで、圧力センサ28に
より検出されたコモンレール22内の燃料圧Pが変数PA1
に加算される。次いでステップ94ではカウンタNA1の値
が1だけ加算される。次いでステップ95では平均圧力算
出フラグMA1に値0がセットされて、本ルーチンを終了
する。
【0033】一方、ステップ92において否定判定された
場合にはステップ96に進んで、クランク角Cが次式の範
囲内にあるか否かが判別される。 RC1≦C≦ 360°または0°≦C≦(RO1+ε) …
(5) ここでRC1は上述のように第1制御弁32aの閉弁開始時
期であり、RO1は第1制御弁32aの閉弁終了時期であ
り、εは予め定められた微小クランク角である。
【0034】ステップ96において肯定判定された場合に
はステップ97に進んで、平均圧力算出フラグMA1が0で
あるか否かが判別される。平均圧力算出フラグMA1が0
である場合にはステップ98に進んで、1番気筒の燃料噴
射完了時期EJ1から第1制御弁32aの閉弁開始時期RC1
までの期間におけるコモンレール22内の平均圧力 PMA1
が次式に基づいて計算される。 PMA1=PA1/NA1 …(6) 次いでステップ99では変数PA1に値0.0がセットされ、
次いでステップ100 ではカウンタNA1に値0がセットさ
れ、次いでステップ101 では平均圧力算出フラグMA1に
値1がセットされ、次いでステップ102 に進む。一方、
ステップ97において平均圧力算出フラグMA1が0でない
場合にはそのままステップ102 に進む。
【0035】ステップ102 では、圧力センサ28により検
出されたコモンレール22内の燃料圧Pが変数PB1に加算
される。次いでステップ103 ではカウンタNB1の値が1
だけ加算される。次いでステップ104 ではクランク角C
が(RO1−ε)以上でかつ(RO1+ε)以下であるか否
かが判別される。否定判定された場合にはそのまま本ル
ーチンを終了する。一方、肯定判定された場合にはステ
ップ105 に進んで、第1制御弁32aの閉弁開始時期RC1
から閉弁終了時期RO1までの期間におけるコモンレール
22内の平均圧力 PMB1が次式に基づいて計算される。 PMB1=PB1/NB1 …(7) 次いでステップ106 では変数PB1に値0.0がセットさ
れ、次いでステップ107 ではカウンタNB1に値0がセッ
トされる。
【0036】次いでステップ108 では、平均圧力 PMB1
と PMA1との圧力差D(D= PMB1− PMA1)が予め定
められた圧力差Do 以上であるか否かが判別される。肯
定判定された場合にはそのまま本ルーチンを終了する。
一方、否定判定された場合にはステップ109 に進んで第
1ポンプの異常判定フラグPF1に値1がセットされる。
次いでステップ110 では第1ポンプ8aの警告ランプ60
aが点灯されて、本ルーチンを終了する。
【0037】次に図11を参照して、第1制御弁の閉弁処
理ルーチンについて説明する。このルーチンは、第2ポ
ンプ8bのプランジャ11が上死点にあるときに相当する
機関クランク角、即ち第2制御弁32bの閉弁終了時期RO
2において、図6から図10に示されるポンプの異常判定
処理ルーチンが実行された後に割込み処理される。
【0038】図11を参照するとまず初めにステップ120
において第1ポンプの異常判定フラグPF1の値が0であ
るか否かが判別される。フラグPF1が0である場合には
ステップ121 に進んで、第2ポンプの異常判定フラグPF
2の値が0であるか否かが判別される。フラグPF2が0
である場合にはステップ122 に進んで、圧力センサ28に
より検出されたコモンレール22内の燃料圧Pと、第1目
標燃料圧Pnとから差圧ΔPが次式に基づいて計算され
る。 ΔP=P−Pn …(8) 次いでステップ123 では上述のように予めROM 42内に記
憶されているデータに基づいて補正係数Kp が計算され
る。次いでステップ124 では上述のように第1ポンプ8
aからコモンレール22内に圧送すべき燃料吐出量Qp
次式に基づいて計算される。 Qp =K・Qi +Kp ・ΔP …(9) ここでQi は図13に示される噴射処理ルーチンにおいて
計算された1番気筒からの燃料噴射量であり、Kは上述
の補正係数である。次いでステップ128 に進む。
【0039】一方、ステップ120 において第1ポンプの
異常判定フラグPF1が0でないと判別された場合、また
はステップ121 において第2ポンプの異常判定フラグPF
2が0でないと判別された場合にはステップ125 に進ん
で、圧力センサ28により検出されたコモンレール22内の
燃料圧Pと第2目標燃料圧Pl とから差圧ΔPが次式に
基づいて計算される。 ΔP=P−Pl …(10) 次いでステップ126 ではステップ123 と同様にして補正
係数Kp が計算される。次いでステップ127 ではステッ
プ124と同様にして第1ポンプ8aからコモンレール22
内に圧送すべき燃料吐出量Qp が上述の式(9)に基づ
いて計算され、次いでステップ128 に進む。
【0040】ステップ128 では燃料吐出量Qp から第1
制御弁32aの閉弁期間 RCP1が算出される。次いでステ
ップ129では第1制御弁32aの閉弁開始時期RC1が閉弁
期間RCP1と閉弁終了時期RO1とから計算される。な
お、上述のように第1制御弁32aの閉弁終了時期RO1は
第1ポンプ8aのプランジャ11が上死点に位置する時期
に固定されている。次いでステップ130 では第1制御弁
32aが閉弁開始時期RC1に閉弁を開始すると共に閉弁終
了時期RO1に閉弁を終了するように第1制御弁32aのア
クチュエータ33aが駆動せしめられる。
【0041】次に図12を参照して第2制御弁の閉弁処理
ルーチンについて説明する。このルーチンは、第1ポン
プ8aのプランジャ11が上死点にあるときに相当するク
ランク角、即ち第1制御弁32aの閉弁終了時期RO1にお
いて、図6から図10に示されるポンプの異常判定処理ル
ーチンが実行された後に割込み処理される。なお、図12
に示されるステップ140 からステップ150 の各処理内容
は、第1制御弁32aが第2制御弁32bに置き換わる点
と、第1ポンプ8aが第2ポンプ8bに置き換わる点
と、1番気筒が2番気筒に置き換わる点とを除いて、図
11に示される第1制御弁の閉弁処理ルーチンにおけるス
テップ120 からステップ130 の各処理内容と同様であ
る。
【0042】次に図13を参照して燃料噴射処理ルーチン
について説明する。この燃料噴射処理ルーチンは一定ク
ランク角間隔毎の割込みによって実行される。図13を参
照するとまず初めにステップ160 において、上死点検出
センサ36およびクランク角センサ37の出力信号から現在
のクランク角を計算して、これにより次に燃料噴射すべ
き気筒の気筒番号Mを判別する。次いでステップ161 で
はエアフローメータ35の出力信号から求まる吸入空気量
Q、およびクランク角センサ37の出力信号から求まる機
関回転数Nに基づいて機関負荷Q/Nが計算される。
【0043】次いでステップ162 では第1ポンプの異常
判定フラグPF1の値が0であるか否かが判別される。フ
ラグPF1が0である場合にはステップ163 に進んで、第
2ポンプの異常判定フラグPF2の値が0であるか否かが
判別される。フラグPF2が0である場合にはステップ16
4 に進む。ステップ164 では、燃料噴射時間 TAUn が、
コモンレール22内の燃料圧Pが第1目標燃料圧Pn であ
るときのマップに基づいて計算される。次いでステップ
165 では燃料噴射時期が、コモンレール22内の燃料圧P
が第1目標燃料圧Pn であるときのマップに基づいて計
算される。次いでステップ166 では気筒Mの燃料噴射弁
3から燃料噴射を行うべく、燃料噴射時間 TAUn が出力
される。
【0044】一方、ステップ162 において第1ポンプの
異常判定フラグPF1が0でないと判別された場合、また
はステップ163 において第2ポンプの異常判定フラグPF
2が0でないと判別された場合にはステップ167 に進
む。ステップ167 では燃料噴射時間 TAUl が、コモンレ
ール22内の燃料圧Pが第2目標燃料圧Pl であるときの
マップに基づいて計算される。次いでステップ168 では
燃料噴射時期が、コモンレール22内の燃料圧Pが第2目
標燃料圧Pl であるときのマップに基づいて計算され
る。次いでステップ169 では気筒Mの燃料噴射弁3から
燃料噴射を行うべく、燃料噴射時間 TAUl が出力され
る。
【0045】なお、本実施例では機関クランク角から各
ポンプ8a,8bの位相を決定するようにしているが、
カム軸15に角度検出センサを取り付けてこの角度検出セ
ンサの出力信号から各ポンプ8a,8bの位相を検出す
るようにすることもできる。また、図3に示される実施
例では燃料噴射ポンプ5が一対のポンプ8a,8bから
構成される場合について説明したが、燃料噴射ポンプ5
を構成するポンプの個数は二つに限定されない。
【0046】
【発明の効果】燃料噴射ポンプを構成する複数のポンプ
の内の或るポンプの吐出を開始すべき時期の前後のコモ
ンレール内の圧力差が予め定められた圧力差以下のとき
にコモンレール内の燃料圧が第2目標燃料圧に制御され
るので、正常に作動しているポンプ内の燃料の漏洩が低
減されて、正常に作動しているポンプからの燃料吐出量
が増大せしめられる。斯くしてコモンレール内の燃料圧
を第2目標燃料圧に維持することができ、その結果安定
した燃焼を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コモンレール内の燃料圧が第2目標燃料圧に制
御される場合の燃料噴射時期、第1および第2の制御弁
の開閉制御時期、およびコモンレール内の燃料圧の変動
を示すタイムチャートである。
【図2】コモンレール内の燃料圧が第1目標燃料圧に制
御される場合の燃料噴射時期、第1および第2の制御弁
の開閉制御時期、およびコモンレール内の燃料圧の変動
を示すタイムチャートである。
【図3】2気筒2サイクル内燃機関の全体図である。
【図4】ポンプのプランジャのストローク量と制御弁の
閉弁時期との関係を示す線図である。
【図5】ポンプの異常判定領域を示す線図である。
【図6】ポンプの異常判定処理ルーチンを示すフローチ
ャートの第1部分である。
【図7】ポンプの異常判定処理ルーチンを示すフローチ
ャートの第2部分である。
【図8】ポンプの異常判定処理ルーチンを示すフローチ
ャートの第3部分である。
【図9】ポンプの異常判定処理ルーチンを示すフローチ
ャートの第4部分である。
【図10】ポンプの異常判定処理ルーチンを示すフローチ
ャートの第5部分である。
【図11】第1の制御弁の閉弁処理ルーチンを示すフロー
チャートである。
【図12】第2の制御弁の閉弁処理ルーチンを示すフロー
チャートである。
【図13】燃料噴射処理ルーチンを示すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
3…燃料噴射弁 5…燃料噴射ポンプ 8a…第1のポンプ 8b…第2のポンプ 20…燃料吐出通路 22…コモンレール 32a…第1の制御弁 32b…第2の制御弁
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−272472(JP,A) 特開 昭62−645(JP,A) 特開 平1−267355(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02M 55/02 F02M 63/00 F02M 51/00 F02M 69/00 F02D 1/02 F02D 41/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出作用が順次間隔を隔てて行われる複
    数のポンプから構成される燃料噴射ポンプを具備すると
    共に、該各ポンプの燃料吐出通路を各ポンプに共通のコ
    モンレールを介して燃料噴射弁に連結し、該コモンレー
    ル内の燃料圧を予め定められた第1の目標燃料圧に制御
    するようにした内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    ポンプの異常を検出する手段を具備し、ポンプの異常が
    検出されたときにはコモンレール内の燃料圧を上記第1
    の目標燃料圧よりも低い予め定められた第2の目標燃料
    圧に制御するようにし、コモンレール内の燃料圧が第2
    の目標燃料圧に制御されたときに正常な各ポンプから吐
    出可能な燃料量がコモンレール内の燃料圧が第1の目標
    燃料圧に制御されたときよりも多くなるように第2の目
    標燃料圧を定めた内燃機関の燃料噴射制御装置。
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