JP2841658B2 - 磁気抵抗効果合金 - Google Patents
磁気抵抗効果合金Info
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- JP2841658B2 JP2841658B2 JP2069327A JP6932790A JP2841658B2 JP 2841658 B2 JP2841658 B2 JP 2841658B2 JP 2069327 A JP2069327 A JP 2069327A JP 6932790 A JP6932790 A JP 6932790A JP 2841658 B2 JP2841658 B2 JP 2841658B2
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- alloy
- magnetoresistive
- resistance
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Description
本発明は主として磁気センサーの素子として使用す
る、磁気抵抗効果をもった磁性合金の改良に関する。
る、磁気抵抗効果をもった磁性合金の改良に関する。
磁気抵抗素子を用いた磁気センサーは、一般に回路パ
ターンを第1図に示し等価回路を第2図に示すようなブ
リッジに構成してあり、定電圧または定電流動作で使用
する。磁気抵抗素子のうち強磁性体を使用したものは、
一般に温度依存性が小さく高温(100℃以上)で使用で
きること、物理的および化学的に安定であること、低磁
界(2000e以下)でも感度が高いことなどの長所があ
り、用途が広がりつつある。 従来、強磁性体の磁気抵抗合金としてはNi−Fe系(た
とえば82Ni−18Fe)の合金が多く使われて来た。この合
金は磁歪がゼロで、感度が高く、かつヒステリシスも小
さいという利点をもつが、出力が小さく、しかも抵抗の
温度係数および抵抗変化率の温度係数が大きいという欠
点があった。これに対し、Ni−Co系の合金は、大きな出
力が得られるのが長所であるが、他の性能(感度、ヒス
テリシス、特性の温度係数)はNi−Fe系より劣る。
ターンを第1図に示し等価回路を第2図に示すようなブ
リッジに構成してあり、定電圧または定電流動作で使用
する。磁気抵抗素子のうち強磁性体を使用したものは、
一般に温度依存性が小さく高温(100℃以上)で使用で
きること、物理的および化学的に安定であること、低磁
界(2000e以下)でも感度が高いことなどの長所があ
り、用途が広がりつつある。 従来、強磁性体の磁気抵抗合金としてはNi−Fe系(た
とえば82Ni−18Fe)の合金が多く使われて来た。この合
金は磁歪がゼロで、感度が高く、かつヒステリシスも小
さいという利点をもつが、出力が小さく、しかも抵抗の
温度係数および抵抗変化率の温度係数が大きいという欠
点があった。これに対し、Ni−Co系の合金は、大きな出
力が得られるのが長所であるが、他の性能(感度、ヒス
テリシス、特性の温度係数)はNi−Fe系より劣る。
本発明の目的は、Ni−Co系の高い感度と小さなヒステ
リシスに劣らない性能を示し、かつ抵抗の温度係数およ
び抵抗変化率の温度係数が小さく、従って使用温度範囲
がさらに広いというNi−Fe系の長所を保存した磁気抵抗
効果合金を提供すること、ならびにその合金の使用によ
り性能を向上させた磁気センサー素子を抵抗することに
ある。
リシスに劣らない性能を示し、かつ抵抗の温度係数およ
び抵抗変化率の温度係数が小さく、従って使用温度範囲
がさらに広いというNi−Fe系の長所を保存した磁気抵抗
効果合金を提供すること、ならびにその合金の使用によ
り性能を向上させた磁気センサー素子を抵抗することに
ある。
本発明の磁気抵抗効果合金は、Ni−Fe系強磁性体合金
であって、式 Ni1-x-y-zFezXxYy 〔Xは、Ti,V,Cr,Mn,Co,Cu,Ag,Zn,Zr,Nb,Hf,Mo,Taおよ
びWからえらんだ遷移金属元素、Yは、B,C,Al,Si,Ge,G
a,InおよびSnからえらんだ半金属元素であり、x,yおよ
びzは、いずれも原子%で、x:0.005〜10%、y:0.005〜
5%、かつx+y:0.01〜10%、z:5〜60%である。〕 の合金組成を有することを特徴とする。 上記の合金組成において、遷移金属元素Xの量xは0.
05〜5%、半金属元素Yの量yは0.02〜3%が、とくに
好ましい。 本発明の磁気抵抗効果素子は、上記いずれかの組成の
磁気抵抗合金を、薄膜のブリッジ形成回路にしたもので
ある。
であって、式 Ni1-x-y-zFezXxYy 〔Xは、Ti,V,Cr,Mn,Co,Cu,Ag,Zn,Zr,Nb,Hf,Mo,Taおよ
びWからえらんだ遷移金属元素、Yは、B,C,Al,Si,Ge,G
a,InおよびSnからえらんだ半金属元素であり、x,yおよ
びzは、いずれも原子%で、x:0.005〜10%、y:0.005〜
5%、かつx+y:0.01〜10%、z:5〜60%である。〕 の合金組成を有することを特徴とする。 上記の合金組成において、遷移金属元素Xの量xは0.
05〜5%、半金属元素Yの量yは0.02〜3%が、とくに
好ましい。 本発明の磁気抵抗効果素子は、上記いずれかの組成の
磁気抵抗合金を、薄膜のブリッジ形成回路にしたもので
ある。
遷移金属元素Xは、合金の抵抗ρ(無磁場のとき)が
磁場中X−Y方向で異なった値をとるときの差Δρの、
温度による変化を緩和する作用をする。Xの量が0.005
%以上ないとこの効果は得られず、0.05%以上で顕著に
なる。一方、xが大き過ぎるとΔρ自体が低下してしま
う。10%がその限界であり、とくに6%以下が好まし
い。 半金属元素Yは、抵抗ρの温度による変化を改善する
はたらきがある。yが0.005%以上の微量の添加で効果
が認められるが、0.02%以上の添加が好ましい。しか
し、Yを多量に加えるとρが大きくなりすぎて抵抗変化
率Δρ/ρを低下させてしまい、磁気抵抗効果としては
小さくなる。yは上限は5%、好ましくは3%である。 XとYの合計量x+yとしては、0.01〜10%の範囲内
が好ましい。
磁場中X−Y方向で異なった値をとるときの差Δρの、
温度による変化を緩和する作用をする。Xの量が0.005
%以上ないとこの効果は得られず、0.05%以上で顕著に
なる。一方、xが大き過ぎるとΔρ自体が低下してしま
う。10%がその限界であり、とくに6%以下が好まし
い。 半金属元素Yは、抵抗ρの温度による変化を改善する
はたらきがある。yが0.005%以上の微量の添加で効果
が認められるが、0.02%以上の添加が好ましい。しか
し、Yを多量に加えるとρが大きくなりすぎて抵抗変化
率Δρ/ρを低下させてしまい、磁気抵抗効果としては
小さくなる。yは上限は5%、好ましくは3%である。 XとYの合計量x+yとしては、0.01〜10%の範囲内
が好ましい。
表に示す組成の合金を溶製して鋳造し、機械加工によ
りターゲット形状にしたものを使用して、マグネトロン
スパッタ法により無アルカリガラス基板上に薄膜を形成
した。条件はつぎのとおりである。 出 力:400KW 基板温度:300℃ 雰囲気 :Ar,10-2Torr 膜 厚:1000Å この薄膜をエッチング加工して、第3図に示す形状
の、ガラス基板(2)上の測定試料(1)とした。その
両端に電極(3A,3B)をとりつけ、電磁石(4A,4B)を移
動させて印加磁界を変化させながら、常温〜250℃の範
囲で、合金の抵抗ρおよび磁場と平行および直角の方向
の抵抗の差Δρを測定した。 測定結果から、下記の特性を算出した。 抵抗変化率:Δρ/ρ 抵抗の温度係数:∂ρ/∂T 抵抗変化率の温度係数:∂(Δρ/ρ)/∂T 上記の試験において得られた第4図のような出力波形
から、横軸で−Haから+Haに至る間の山形の面積に対す
る斜線部分の面積の割合を計算し、ヒステリシスの値と
した。 以上の結果を、表にあわせて示す。本発明の実施例と
比較例No.1および2(遷移金属および半金属を含まない
合金)ならびに比較例No.3および4(Ni−Co合金)との
対比から、本発明の磁気抵抗合金は相対的に高い出力を
維持しながら、抵抗の温度係数、抵抗変化率の温度係数
およびヒステリシスが改善されていることが確認でき
る。
りターゲット形状にしたものを使用して、マグネトロン
スパッタ法により無アルカリガラス基板上に薄膜を形成
した。条件はつぎのとおりである。 出 力:400KW 基板温度:300℃ 雰囲気 :Ar,10-2Torr 膜 厚:1000Å この薄膜をエッチング加工して、第3図に示す形状
の、ガラス基板(2)上の測定試料(1)とした。その
両端に電極(3A,3B)をとりつけ、電磁石(4A,4B)を移
動させて印加磁界を変化させながら、常温〜250℃の範
囲で、合金の抵抗ρおよび磁場と平行および直角の方向
の抵抗の差Δρを測定した。 測定結果から、下記の特性を算出した。 抵抗変化率:Δρ/ρ 抵抗の温度係数:∂ρ/∂T 抵抗変化率の温度係数:∂(Δρ/ρ)/∂T 上記の試験において得られた第4図のような出力波形
から、横軸で−Haから+Haに至る間の山形の面積に対す
る斜線部分の面積の割合を計算し、ヒステリシスの値と
した。 以上の結果を、表にあわせて示す。本発明の実施例と
比較例No.1および2(遷移金属および半金属を含まない
合金)ならびに比較例No.3および4(Ni−Co合金)との
対比から、本発明の磁気抵抗合金は相対的に高い出力を
維持しながら、抵抗の温度係数、抵抗変化率の温度係数
およびヒステリシスが改善されていることが確認でき
る。
本発明の磁気抵抗合金は、強磁性磁気抵抗合金のひと
つの代表であるNi−Fe二元系合金の欠点とされている抵
抗および抵抗変化率の温度変化を大幅に改善するととも
に、比較的良好なヒステリシス特性をさらに向上させ、
いまひとつの代表であるNi−Co二元係合金の示す高い出
力に近づけた出力を与えられるようにしたものである。
従って、この合金を使用して磁気センサーの素子をつく
れば、従来品を使用できなかった低い温度または高い温
度の環境下でも信頼性の高い、性能の向上した製品が得
られる。
つの代表であるNi−Fe二元系合金の欠点とされている抵
抗および抵抗変化率の温度変化を大幅に改善するととも
に、比較的良好なヒステリシス特性をさらに向上させ、
いまひとつの代表であるNi−Co二元係合金の示す高い出
力に近づけた出力を与えられるようにしたものである。
従って、この合金を使用して磁気センサーの素子をつく
れば、従来品を使用できなかった低い温度または高い温
度の環境下でも信頼性の高い、性能の向上した製品が得
られる。
第1図は、磁気抵抗合金で製作した磁気抵抗素子の回路
パターンを示す拡大図であり、第2図は、このパターン
の等価回路をあらわした図である。 第3図は、磁気抵抗合金の抵抗を測定する方法を示す概
念的な斜視図である。 第4図は、第3図の測定法により得られた磁気抵抗測定
片の、出力波形およびヒステリシスを示すグラフであ
る。 1……磁気抵抗測定試料 2……ガラス基板 3A,3B……電極 4A,4B……電磁石
パターンを示す拡大図であり、第2図は、このパターン
の等価回路をあらわした図である。 第3図は、磁気抵抗合金の抵抗を測定する方法を示す概
念的な斜視図である。 第4図は、第3図の測定法により得られた磁気抵抗測定
片の、出力波形およびヒステリシスを示すグラフであ
る。 1……磁気抵抗測定試料 2……ガラス基板 3A,3B……電極 4A,4B……電磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−19919(JP,A) 特開 昭53−26994(JP,A) 特開 昭64−79342(JP,A) 特開 昭59−182955(JP,A) 特開 昭63−28082(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 19/00 - 19/07 H01F 10/08 - 10/16 G01R 33/06
Claims (3)
- 【請求項1】Ni−Fe系強磁性体合金であって、式Ni
1-x-y-zFezXxYy 〔Xは、Ti,V,Cr,Mn,Co,Cu,Ag,Zn,Zr,Nb,Hf,Mo,Taおよ
びWからえらんだ遷移金属元素、Yは、B,C,Al,Si,Ge,G
a,InおよびSnからえらんだ半金属元素であり、x,yおよ
びzは、いずれも原子%で、x:0.005〜10%、y:0.005〜
5%、かつx+y:0.01〜10%、z:5〜60%である。〕 の合金組成を有することを特徴とする磁気抵抗効果合
金。 - 【請求項2】x:0.05〜5%、y:0.02〜3%である請求項
1の磁気抵抗効果合金。 - 【請求項3】請求項1または2の磁気抵抗合金を、薄膜
のブリッジ形成回路にした磁気センサー用の磁気抵抗効
果素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2069327A JP2841658B2 (ja) | 1990-03-19 | 1990-03-19 | 磁気抵抗効果合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2069327A JP2841658B2 (ja) | 1990-03-19 | 1990-03-19 | 磁気抵抗効果合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03267339A JPH03267339A (ja) | 1991-11-28 |
JP2841658B2 true JP2841658B2 (ja) | 1998-12-24 |
Family
ID=13399345
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2069327A Expired - Lifetime JP2841658B2 (ja) | 1990-03-19 | 1990-03-19 | 磁気抵抗効果合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2841658B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7830143B2 (en) | 2006-03-10 | 2010-11-09 | Nec Corporation | Magnetic sensor, method of manufacturing the same, and electronic device |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1975269A1 (fr) * | 2007-03-30 | 2008-10-01 | Imphy Alloys | Alliage austenitique fer-nickel-chrome-cuivre |
-
1990
- 1990-03-19 JP JP2069327A patent/JP2841658B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7830143B2 (en) | 2006-03-10 | 2010-11-09 | Nec Corporation | Magnetic sensor, method of manufacturing the same, and electronic device |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03267339A (ja) | 1991-11-28 |
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