JP2841626B2 - 精密鋳造システム - Google Patents
精密鋳造システムInfo
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Description
「産業上の利用分野」 この発明は、ロストワックス鋳造等の精密鋳造を行う
精密鋳造システムに関する。 「従来の技術」 精密機械部品の鋳造方法としてロストワックス鋳造が
従来から知られている。以下、第9図(a)〜(h)を
参照し、その作業フローを説明する。 まず、第9図(a)に示すように、製品の外形に対応
した凹部を有する金型1に、溶融したワックス2が流し
込まれる(ワックス成形工程)。そして、ワックス2が
凝固した後、金型1が開放され、製品に対応したワック
ス模型2aが得られる。ここで、ワックス模型2aは製品に
対応した形状のワックス凝固体から細長い棒状部2bが突
き出した形状をなしている。そして、棒状部2b部の先端
部が過熱溶融され、ワックス模型2aは、第9図(b)に
示すように、表面に分厚いワックス層の形成された模型
支持棒3に所定個数接着される。このようにして、模型
支持棒3およびワックス持性2a,2a,…が一体に組み立て
られ、ツリー4が完成する(組立工程)。 そして、第9図(c)に示すように、ツリー4はジル
コン等のシリカ系のスラリー液を貯えた槽5に浸され
る。そして、ツリー4は槽5から取り出され、第9図
(d)に示すように、上方から砂が満遍無く散布され
る。この結果、スラリー液で濡れたツリーの表面に砂が
付着する。そして、所定時間放置して乾燥することによ
りスラリー液が凝固し、ツリー4の表面にモールド層が
積層される。一般に、1回の積層では、鋳造に耐える厚
さのモールド層は得られないので、上述したスラリー液
の塗布処理、砂の散布処理および乾燥処理は、数回に亙
って繰り返される(コーティング工程)。 このようにしてツリー4に十分な厚さのモールド層が
積層されると、少なくとも12日以上の間、モールド層の
乾燥が行われる(乾燥工程)。そして、第9図(e)に
示すように、モールド層に覆われたツリー4の過熱が行
われ、モールド層内のワックスが溶融して外部に流出
し、鋳型6が得られる(脱ろう工程)。そして、鋳造の
前に、さらにモールド鋳型6の過熱が行われる(焼成工
程)。この結果、鋳型6のモールド層の化学的組成が変
化して硬質化する。そして、その熱が冷めないうちに、
第9図(f)に示すように、鋳型6に溶融した金属7が
流し込まれる(鋳造工程)。このように、鋳型6が予め
高温に熱された状態で溶融した金属7が流し込まれるの
で、ヒートショックが少なくなり、鋳型6の損傷が防止
される。 そして、鋳型6内の金属7が凝固すると、第9図
(g)に示すように、鋳型6全体に機械的振動が与えら
れる(型ばらし工程)。前述の焼成工程によってモール
ドが硬質化しているので、振動が加えられることによっ
てモールドが容易に粉砕され、凝固した金属のみが残
る。また、残った金属の内、前述のワックスの棒状部2B
に対応した金属棒は振動によって切断され、個々の製品
8が得られる。そして、製品8の出来上がり状態が検査
され、表面に不要な凸部がある場合は第9図(h)に示
すようにグラインダー等によって取り除かれ、製品が完
成する(仕上げ工程)。 「発明が解決しようとする課題」 さて、仕様の異なった多くの品種を自動的に生産する
精密鋳造システムが従来から望まれていた。この種の精
密鋳造システムを実現する場合、ツリーに対し、一旦、
コーティング処理が施されてしまうと、ワーク形状等か
ら製品識別を行うことが不可能になるので、ワークを搬
送するハンガ等の保持具に識別符号を付し、コーティン
グ工程以後の各拠点では、保持具の識別符号を読みとっ
て、ワークの製品識別およびワークの最終処理状態の識
別を行い、識別結果に従ってワークに各種処理を施すと
いう方法が考えられる。しかしながら、コーティング工
程では、ツリーに対するスラリー液の塗布、砂の散布が
行われるので、保持具の識別番号を読み取るセンサ類に
汚れが付着し、識別番号が正常に読み取られなくなる恐
れがある。そして、識別番号が正しく読み取られない
と、ワークに対して誤った処理が施されてしまい、正常
な製品が製造されないという問題がある。 この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、上
記問題点を解決し、仕様の異なった多くの製品を自動的
に鋳造生産することができる精密鋳造システムを提供す
ることを目的としている。 「課題を解決するための手段」 この発明は、ワークとして投入される製品のワックス
模型に対してモールド層を積層形成し、前記モールド層
を乾燥し、前記モールド層内のワックスを溶融して鋳型
を作製し、前記鋳型にに溶融した原材料を流し込んで凝
固させ、前記製品を製造する精密鋳造システムにおい
て、 稼動時、投入されるワークを光学的に読取可能な識別
符号の付された保持具によって保持して搬送し、各拠点
では読取手段によって保持具の識別符号を読み取って該
保持具に保持されたワークの製品識別および最終処理状
態の識別を行い、ワークに対して該識別結果に対応した
処理を行うことにより前記製品の製造を行うと共に、 稼動開始時あるいは稼動中定期時に、前記保持具を読
取位置からずらした状態で、前記読取手段における識別
符号読取動作を行うようにしたこと を具備することを特徴としている。 「作用」 上記構成によれば、各拠点において、読取位置から保
持具をずらした状態で、保持具の識別符号の読み取りが
行われる。ここで、各読取手段が正常である場合は、特
定の識別符号が読み取られ、異常である場合は前記特定
の識別符号と異なった識別符号が検出される。このよう
にして、各読取手段の保守試験が行われる。 「実施例」 以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明
する。 《システム構成》 第1図はこの発明の一実施例による鋳造システムのシ
ステム構成図である。 第1図において、CP01はネットワーク管理コンピュー
タであり、このシステム内における情報伝送を媒介す
る。また、このネットワーク管理コンピュータCP01は公
衆回線Nを介して、本社のホストコンピュータ等の上位
システムと接続されている。M01はネットワーク管理コ
ンピュータCP01に接続された記憶装置である。CP02は作
業進捗管理コンピュータであり、このシステム内の各ワ
ークの処理仕掛かり状況を収集し、記憶装置M02に記憶
する。また、このシステムに対する製品製造指示は作業
進捗管理コンピュータCP02を操作することにより入力さ
れる。CP03はこのシステムの製品製造計画を策定する場
合に使用される作業計画入力コンピュータである。 ネットワーク管理コンピュータCP01には、前処理工程
トラッキング制御コンピュータCP11、乾燥工程トラッキ
ング制御コンピュータCP12および鋳造・後処理工程トラ
ッキング制御コンピュータCP13が各々接続される。 まず、前処理工程トラッキング制御コンピュータCP11
について説明する。この精密鋳造システムでは、乾燥工
程の前に行うワックス成形工程、組立工程およびコーテ
ィング工程を総称して前処理工程と呼んでいる。そし
て、前処理工程トラッキング制御コンピュータCP11は、
前処理工程におけるワークの搬送の制御を行う第1ハン
ガ搬送制御装置CTL1、第2ハンガ搬送制御装置CTL2、第
3ハンガ搬送制御装置CTL3およびターンテーブル制御装
置CTL4と、リング型光ファイバ伝送路LINK1を介して結
合される。また、前処理工程トラッキング制御コンピュ
ータCP11には、投入指示端末CP21が、リング型光ファイ
バ伝送路LINK1を介して結合される。さらに、前処理工
程トラッキング制御コンピュータCP11は、後述するコー
ティングロボット#1〜#3の制御を行う第1〜第3の
ロボット制御装置CTL5〜CTL7と、リング型光ファイバ伝
送路LINK2を介して結合されている。そして、前処理工
程トラッキング制御コンピュータCP11によって、これら
各制御装置CIL1〜CTL7の統括的な制御が行われる。 また、前処理工程において、各ワークはハンガに保持
されて搬送される。しかも、各ワークは複数のハンガに
引き継がれて搬送される。ここで、前処理工程内の各拠
点にハンガが到来するとその識別番号が読み取られて前
処理工程トラッキング制御コンピュータCP11に報告され
るようになっており、各拠点においてワークに処理が施
される場合には前処理工程トラッキング御コンピュータ
CP11にその報告が行われるようになっている。そして、
これらの報告に従って、前処理工程トラッキング制御コ
ンピュータCP11では、各ハンガに保持されたワークおよ
び各拠点で処理が施されているワークの製品識別情報
(本実施例の場合は製品の製作図の図番)、それらのワ
ークの現時点における最終処理状態等の情報の管理が行
われる。この精密鋳造システムでは、これらの情報のこ
とをトラッキング情報と呼んでいる。記憶装置M11に
は、前処理工程におけるトラッキング情報が記憶され
る。なお、このトラッキング情報の管理の詳細について
は、後述する。 乾燥工程トラッキング制御コンピュータには、コンベ
アCVを制御するコンベア制御装置CTL8、および立体倉庫
中継装置CIL9aが接続されている。また、立体倉庫中継
装置CTL9bは、光学的通信手段を介してスタッカクレー
ン制御装置CIL9bと結合されている。乾燥工程トラッキ
ング制御コンピュータCP12は、これら各装置CIL9aおよ
びCTL9bに制御情報を送ってコンベアCVおよびスタッカ
クレーンを駆動し、コーティング工程から送られてくる
ワークの立体倉庫への入庫、および立体倉庫に収納され
たワークの後工程への出庫を行う。また、乾燥工程トラ
ッキング制御コンピュータCP12は、立体倉庫に入庫され
るワークの製品識別情報、製造指示番号、入庫時刻等の
トラッキング情報を管理する。このトラッキング情報は
記憶装置M12に記憶される。 次に鋳造・後処理工程トラッキング制御コンピュータ
CP13について説明する。この精密鋳造システムでは、脱
ろう工程以降最終工程までを鋳造・後処理工程と総称し
ている。鋳造・後処理工程トラッキング制御コンピュー
タCP13には、鋳造の実施を報告するための鋳造作業端末
CP31、ショットブラストの実施を報告するためのショッ
トブラスト端末CP32、および原材料の溶解炉への投入を
報告するための原材料投入端末CP33が接続されている。
記憶装置M13には、鋳造・後処理工程内の各ワークの最
終処理状態等の情報がトラッキング情報として記憶され
る。鋳造・後処理工程トラッキングコンピュータCP13
は、各端末CP31〜CP33からの報告に基づいて、記憶装置
M13に記憶される各ワークのトラッキング情報を更新す
る。 《生産工場レイアウト》 第2図はこの精密鋳造システムによる生産工場の一例
を示すレイアウト図である。同図に示すように、この生
産工場の内部は、壁によって、F1〜F5の5つのフロアに
区切られており、フロアF1はワックス成形工程および組
立工程に割り当てられ、フロアF2はコーティング工程に
割り当てられ、フロアF3は乾燥工程に割り当てられ、フ
ロアF4は脱ろう工程〜仕上げ工程に至るまでの鋳造・後
処理工程に割り当てられている。また、フロアF5は管理
室として使用される。 以下、各フロアF1〜F5に設置された各設備について説
明する。
精密鋳造システムに関する。 「従来の技術」 精密機械部品の鋳造方法としてロストワックス鋳造が
従来から知られている。以下、第9図(a)〜(h)を
参照し、その作業フローを説明する。 まず、第9図(a)に示すように、製品の外形に対応
した凹部を有する金型1に、溶融したワックス2が流し
込まれる(ワックス成形工程)。そして、ワックス2が
凝固した後、金型1が開放され、製品に対応したワック
ス模型2aが得られる。ここで、ワックス模型2aは製品に
対応した形状のワックス凝固体から細長い棒状部2bが突
き出した形状をなしている。そして、棒状部2b部の先端
部が過熱溶融され、ワックス模型2aは、第9図(b)に
示すように、表面に分厚いワックス層の形成された模型
支持棒3に所定個数接着される。このようにして、模型
支持棒3およびワックス持性2a,2a,…が一体に組み立て
られ、ツリー4が完成する(組立工程)。 そして、第9図(c)に示すように、ツリー4はジル
コン等のシリカ系のスラリー液を貯えた槽5に浸され
る。そして、ツリー4は槽5から取り出され、第9図
(d)に示すように、上方から砂が満遍無く散布され
る。この結果、スラリー液で濡れたツリーの表面に砂が
付着する。そして、所定時間放置して乾燥することによ
りスラリー液が凝固し、ツリー4の表面にモールド層が
積層される。一般に、1回の積層では、鋳造に耐える厚
さのモールド層は得られないので、上述したスラリー液
の塗布処理、砂の散布処理および乾燥処理は、数回に亙
って繰り返される(コーティング工程)。 このようにしてツリー4に十分な厚さのモールド層が
積層されると、少なくとも12日以上の間、モールド層の
乾燥が行われる(乾燥工程)。そして、第9図(e)に
示すように、モールド層に覆われたツリー4の過熱が行
われ、モールド層内のワックスが溶融して外部に流出
し、鋳型6が得られる(脱ろう工程)。そして、鋳造の
前に、さらにモールド鋳型6の過熱が行われる(焼成工
程)。この結果、鋳型6のモールド層の化学的組成が変
化して硬質化する。そして、その熱が冷めないうちに、
第9図(f)に示すように、鋳型6に溶融した金属7が
流し込まれる(鋳造工程)。このように、鋳型6が予め
高温に熱された状態で溶融した金属7が流し込まれるの
で、ヒートショックが少なくなり、鋳型6の損傷が防止
される。 そして、鋳型6内の金属7が凝固すると、第9図
(g)に示すように、鋳型6全体に機械的振動が与えら
れる(型ばらし工程)。前述の焼成工程によってモール
ドが硬質化しているので、振動が加えられることによっ
てモールドが容易に粉砕され、凝固した金属のみが残
る。また、残った金属の内、前述のワックスの棒状部2B
に対応した金属棒は振動によって切断され、個々の製品
8が得られる。そして、製品8の出来上がり状態が検査
され、表面に不要な凸部がある場合は第9図(h)に示
すようにグラインダー等によって取り除かれ、製品が完
成する(仕上げ工程)。 「発明が解決しようとする課題」 さて、仕様の異なった多くの品種を自動的に生産する
精密鋳造システムが従来から望まれていた。この種の精
密鋳造システムを実現する場合、ツリーに対し、一旦、
コーティング処理が施されてしまうと、ワーク形状等か
ら製品識別を行うことが不可能になるので、ワークを搬
送するハンガ等の保持具に識別符号を付し、コーティン
グ工程以後の各拠点では、保持具の識別符号を読みとっ
て、ワークの製品識別およびワークの最終処理状態の識
別を行い、識別結果に従ってワークに各種処理を施すと
いう方法が考えられる。しかしながら、コーティング工
程では、ツリーに対するスラリー液の塗布、砂の散布が
行われるので、保持具の識別番号を読み取るセンサ類に
汚れが付着し、識別番号が正常に読み取られなくなる恐
れがある。そして、識別番号が正しく読み取られない
と、ワークに対して誤った処理が施されてしまい、正常
な製品が製造されないという問題がある。 この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、上
記問題点を解決し、仕様の異なった多くの製品を自動的
に鋳造生産することができる精密鋳造システムを提供す
ることを目的としている。 「課題を解決するための手段」 この発明は、ワークとして投入される製品のワックス
模型に対してモールド層を積層形成し、前記モールド層
を乾燥し、前記モールド層内のワックスを溶融して鋳型
を作製し、前記鋳型にに溶融した原材料を流し込んで凝
固させ、前記製品を製造する精密鋳造システムにおい
て、 稼動時、投入されるワークを光学的に読取可能な識別
符号の付された保持具によって保持して搬送し、各拠点
では読取手段によって保持具の識別符号を読み取って該
保持具に保持されたワークの製品識別および最終処理状
態の識別を行い、ワークに対して該識別結果に対応した
処理を行うことにより前記製品の製造を行うと共に、 稼動開始時あるいは稼動中定期時に、前記保持具を読
取位置からずらした状態で、前記読取手段における識別
符号読取動作を行うようにしたこと を具備することを特徴としている。 「作用」 上記構成によれば、各拠点において、読取位置から保
持具をずらした状態で、保持具の識別符号の読み取りが
行われる。ここで、各読取手段が正常である場合は、特
定の識別符号が読み取られ、異常である場合は前記特定
の識別符号と異なった識別符号が検出される。このよう
にして、各読取手段の保守試験が行われる。 「実施例」 以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明
する。 《システム構成》 第1図はこの発明の一実施例による鋳造システムのシ
ステム構成図である。 第1図において、CP01はネットワーク管理コンピュー
タであり、このシステム内における情報伝送を媒介す
る。また、このネットワーク管理コンピュータCP01は公
衆回線Nを介して、本社のホストコンピュータ等の上位
システムと接続されている。M01はネットワーク管理コ
ンピュータCP01に接続された記憶装置である。CP02は作
業進捗管理コンピュータであり、このシステム内の各ワ
ークの処理仕掛かり状況を収集し、記憶装置M02に記憶
する。また、このシステムに対する製品製造指示は作業
進捗管理コンピュータCP02を操作することにより入力さ
れる。CP03はこのシステムの製品製造計画を策定する場
合に使用される作業計画入力コンピュータである。 ネットワーク管理コンピュータCP01には、前処理工程
トラッキング制御コンピュータCP11、乾燥工程トラッキ
ング制御コンピュータCP12および鋳造・後処理工程トラ
ッキング制御コンピュータCP13が各々接続される。 まず、前処理工程トラッキング制御コンピュータCP11
について説明する。この精密鋳造システムでは、乾燥工
程の前に行うワックス成形工程、組立工程およびコーテ
ィング工程を総称して前処理工程と呼んでいる。そし
て、前処理工程トラッキング制御コンピュータCP11は、
前処理工程におけるワークの搬送の制御を行う第1ハン
ガ搬送制御装置CTL1、第2ハンガ搬送制御装置CTL2、第
3ハンガ搬送制御装置CTL3およびターンテーブル制御装
置CTL4と、リング型光ファイバ伝送路LINK1を介して結
合される。また、前処理工程トラッキング制御コンピュ
ータCP11には、投入指示端末CP21が、リング型光ファイ
バ伝送路LINK1を介して結合される。さらに、前処理工
程トラッキング制御コンピュータCP11は、後述するコー
ティングロボット#1〜#3の制御を行う第1〜第3の
ロボット制御装置CTL5〜CTL7と、リング型光ファイバ伝
送路LINK2を介して結合されている。そして、前処理工
程トラッキング制御コンピュータCP11によって、これら
各制御装置CIL1〜CTL7の統括的な制御が行われる。 また、前処理工程において、各ワークはハンガに保持
されて搬送される。しかも、各ワークは複数のハンガに
引き継がれて搬送される。ここで、前処理工程内の各拠
点にハンガが到来するとその識別番号が読み取られて前
処理工程トラッキング制御コンピュータCP11に報告され
るようになっており、各拠点においてワークに処理が施
される場合には前処理工程トラッキング御コンピュータ
CP11にその報告が行われるようになっている。そして、
これらの報告に従って、前処理工程トラッキング制御コ
ンピュータCP11では、各ハンガに保持されたワークおよ
び各拠点で処理が施されているワークの製品識別情報
(本実施例の場合は製品の製作図の図番)、それらのワ
ークの現時点における最終処理状態等の情報の管理が行
われる。この精密鋳造システムでは、これらの情報のこ
とをトラッキング情報と呼んでいる。記憶装置M11に
は、前処理工程におけるトラッキング情報が記憶され
る。なお、このトラッキング情報の管理の詳細について
は、後述する。 乾燥工程トラッキング制御コンピュータには、コンベ
アCVを制御するコンベア制御装置CTL8、および立体倉庫
中継装置CIL9aが接続されている。また、立体倉庫中継
装置CTL9bは、光学的通信手段を介してスタッカクレー
ン制御装置CIL9bと結合されている。乾燥工程トラッキ
ング制御コンピュータCP12は、これら各装置CIL9aおよ
びCTL9bに制御情報を送ってコンベアCVおよびスタッカ
クレーンを駆動し、コーティング工程から送られてくる
ワークの立体倉庫への入庫、および立体倉庫に収納され
たワークの後工程への出庫を行う。また、乾燥工程トラ
ッキング制御コンピュータCP12は、立体倉庫に入庫され
るワークの製品識別情報、製造指示番号、入庫時刻等の
トラッキング情報を管理する。このトラッキング情報は
記憶装置M12に記憶される。 次に鋳造・後処理工程トラッキング制御コンピュータ
CP13について説明する。この精密鋳造システムでは、脱
ろう工程以降最終工程までを鋳造・後処理工程と総称し
ている。鋳造・後処理工程トラッキング制御コンピュー
タCP13には、鋳造の実施を報告するための鋳造作業端末
CP31、ショットブラストの実施を報告するためのショッ
トブラスト端末CP32、および原材料の溶解炉への投入を
報告するための原材料投入端末CP33が接続されている。
記憶装置M13には、鋳造・後処理工程内の各ワークの最
終処理状態等の情報がトラッキング情報として記憶され
る。鋳造・後処理工程トラッキングコンピュータCP13
は、各端末CP31〜CP33からの報告に基づいて、記憶装置
M13に記憶される各ワークのトラッキング情報を更新す
る。 《生産工場レイアウト》 第2図はこの精密鋳造システムによる生産工場の一例
を示すレイアウト図である。同図に示すように、この生
産工場の内部は、壁によって、F1〜F5の5つのフロアに
区切られており、フロアF1はワックス成形工程および組
立工程に割り当てられ、フロアF2はコーティング工程に
割り当てられ、フロアF3は乾燥工程に割り当てられ、フ
ロアF4は脱ろう工程〜仕上げ工程に至るまでの鋳造・後
処理工程に割り当てられている。また、フロアF5は管理
室として使用される。 以下、各フロアF1〜F5に設置された各設備について説
明する。
【フロア1(ワックス成形工程、組立工程)】 まず、フロアF1には、製品のワックス模型を製造する
ワックス成形機WX、ワックス模型を組み立ててツリーを
組み立てるための組立用作業台TBL、および前述の投入
指示端末CP21が設置されている。製品の製造指示は、作
業進捗管理コンピュータCP02から、ネットワーク管理コ
ンピュータCP01、前処理工程トラッキング制御コンピュ
ータCP11および光ファイバ伝送路LINK1を介して投入指
示端末CP21に送られる。そして、このようにして送られ
てきた製造指示が投入指示端末CP21の表示装置に表示さ
れる。そして、作業者が表示された製造指示に従って製
品のツリーを製作し、コーティング工程に投入する場
合、作業者が投入指示端末CP21を操作することにより、
投入指示の報告が行われる。 また、このフロアF1には、ハンガ搬送レールL1が敷設
されている。第3図(a),(b)に示すように、ハン
ガ搬送レールL1にはハンガH,H,…が多数移動自在に取り
付けられており、各ハンガH,H,…には、作業者がハンガ
番号を目視識別するための番号札(図示せず)が取り付
けられている。また、各ハンガH,H,…のハンガHのワー
ク保持部HLDの底面には、第3図(a)における正面か
ら背面に向けて溝HLa,HLbが形成されており、これらの
溝HLaおよびHLbに作業者によって製作されたツリーHRが
各1個装着される。 ワーク保持部HLDの上部はロードバーLDBに接続されて
おり、ロードバーLDBの上部にはキャスタCAS1,CAS2が接
続されている。このキャスタCAS1,CAS2の先端部は、搬
送レールL1内に収納されており、先端部に回動自在に取
り付けられたローラRがハンガ搬送レールL1の下側内壁
に当接している。ハンガH,H,…は、各々、図示してない
チェーンに係合しており、前述の第1搬送制御装置CTL1
の制御により、チェーンを介して各ハンガH,H,…が駆動
される。そして、ローラRが回転することにより、ハン
ガH,H,…のハンガ搬送レールL1に沿った移動が行われ
る。 また、各ハンガH,H,…は、ワーク保持部HLDの上部に
符号板HCを有している。この符号板HCにおける8個のポ
イントP1〜P8には、ハンガ番号に対応する8ビットの識
別コードの各ビット値に対応し、穴HHが空けられてい
る。 第2図におけるポイントS1には、第4図に示すよう
に、ハンガ番号リーダPH1、ワーク検出センサPH2aおよ
びPH2b、読取タイミングセンサSEN1、および到着センサ
SEN2が設けられている。ハンガ番号リーダPH1は、発光
部から8本のビーム光が出力され、受光部において各ビ
ーム光の検出が行われるようになっている。さらに詳述
すると、発光部から出力される8本のビーム光は、ハン
ガHの識別硬度の読み取り時、符号板HCのポイントP1〜
P8に到達するようになっており、受光部において各ビー
ム光が検出されるか否かを判定することにより、ポイン
トP1〜P8における穴HHの有無、すなわち、識別コードが
読み取られ、第1ハンガ搬送制御装置CTL1に送られる。
この識別コードの読取は、ハンガHが読取タイミングセ
ンサSEN1によって検出された場合に発生される読取タイ
ミングパルスに同期して行われる。識別コードの読み取
られたハンガHは、その後、到着センサSEN2によって、
その通過が検出され、この結果、第1ハンガ搬送制御装
置CTL1によってハンガHの停止制御が行われ、ハンガH
は停止点STに停止する。そして、ハンガHの番号が、第
1ハンガ搬送制御装置CTL1から前処理工程トラッキング
制御コンピュータCP11に送られる。なお、ハンガ搬送レ
ールL1におけるポイントS2および後述するフロアF2内の
ポイントS3〜S11にも、同様なハンガ番号リーダ、ワー
ク検出センサ等が設置されている。また、ポイントS1に
は、上記センサ類の他、バーコードリーダが設置されて
いる。 ツリーHRはハンガ搬送レールL1に沿って投入ポイント
ENTまで搬送され、フロアF2内のコーティング工程へ投
入される。なお、CLはコーティング工程に投入するツリ
ーHRを洗浄するための洗浄装置である。
ワックス成形機WX、ワックス模型を組み立ててツリーを
組み立てるための組立用作業台TBL、および前述の投入
指示端末CP21が設置されている。製品の製造指示は、作
業進捗管理コンピュータCP02から、ネットワーク管理コ
ンピュータCP01、前処理工程トラッキング制御コンピュ
ータCP11および光ファイバ伝送路LINK1を介して投入指
示端末CP21に送られる。そして、このようにして送られ
てきた製造指示が投入指示端末CP21の表示装置に表示さ
れる。そして、作業者が表示された製造指示に従って製
品のツリーを製作し、コーティング工程に投入する場
合、作業者が投入指示端末CP21を操作することにより、
投入指示の報告が行われる。 また、このフロアF1には、ハンガ搬送レールL1が敷設
されている。第3図(a),(b)に示すように、ハン
ガ搬送レールL1にはハンガH,H,…が多数移動自在に取り
付けられており、各ハンガH,H,…には、作業者がハンガ
番号を目視識別するための番号札(図示せず)が取り付
けられている。また、各ハンガH,H,…のハンガHのワー
ク保持部HLDの底面には、第3図(a)における正面か
ら背面に向けて溝HLa,HLbが形成されており、これらの
溝HLaおよびHLbに作業者によって製作されたツリーHRが
各1個装着される。 ワーク保持部HLDの上部はロードバーLDBに接続されて
おり、ロードバーLDBの上部にはキャスタCAS1,CAS2が接
続されている。このキャスタCAS1,CAS2の先端部は、搬
送レールL1内に収納されており、先端部に回動自在に取
り付けられたローラRがハンガ搬送レールL1の下側内壁
に当接している。ハンガH,H,…は、各々、図示してない
チェーンに係合しており、前述の第1搬送制御装置CTL1
の制御により、チェーンを介して各ハンガH,H,…が駆動
される。そして、ローラRが回転することにより、ハン
ガH,H,…のハンガ搬送レールL1に沿った移動が行われ
る。 また、各ハンガH,H,…は、ワーク保持部HLDの上部に
符号板HCを有している。この符号板HCにおける8個のポ
イントP1〜P8には、ハンガ番号に対応する8ビットの識
別コードの各ビット値に対応し、穴HHが空けられてい
る。 第2図におけるポイントS1には、第4図に示すよう
に、ハンガ番号リーダPH1、ワーク検出センサPH2aおよ
びPH2b、読取タイミングセンサSEN1、および到着センサ
SEN2が設けられている。ハンガ番号リーダPH1は、発光
部から8本のビーム光が出力され、受光部において各ビ
ーム光の検出が行われるようになっている。さらに詳述
すると、発光部から出力される8本のビーム光は、ハン
ガHの識別硬度の読み取り時、符号板HCのポイントP1〜
P8に到達するようになっており、受光部において各ビー
ム光が検出されるか否かを判定することにより、ポイン
トP1〜P8における穴HHの有無、すなわち、識別コードが
読み取られ、第1ハンガ搬送制御装置CTL1に送られる。
この識別コードの読取は、ハンガHが読取タイミングセ
ンサSEN1によって検出された場合に発生される読取タイ
ミングパルスに同期して行われる。識別コードの読み取
られたハンガHは、その後、到着センサSEN2によって、
その通過が検出され、この結果、第1ハンガ搬送制御装
置CTL1によってハンガHの停止制御が行われ、ハンガH
は停止点STに停止する。そして、ハンガHの番号が、第
1ハンガ搬送制御装置CTL1から前処理工程トラッキング
制御コンピュータCP11に送られる。なお、ハンガ搬送レ
ールL1におけるポイントS2および後述するフロアF2内の
ポイントS3〜S11にも、同様なハンガ番号リーダ、ワー
ク検出センサ等が設置されている。また、ポイントS1に
は、上記センサ類の他、バーコードリーダが設置されて
いる。 ツリーHRはハンガ搬送レールL1に沿って投入ポイント
ENTまで搬送され、フロアF2内のコーティング工程へ投
入される。なお、CLはコーティング工程に投入するツリ
ーHRを洗浄するための洗浄装置である。
【フロアF2(コーティング工程)】 フロアF2には、ワークを搬送するための閉ループ状の
ハンガ搬送レールL2およびL3が敷設されている。ここ
で、ハンガ搬送レールL2に取り付けられた各ハンガは、
前述の第2ハンガ搬送制御装置CTL2によって、その移動
が制御される。また、ハンガ搬送レールL3に取り付けら
れた各ハンガは、前述の第3ハンガ搬送制御装置CTL3に
よって、その移動が制御される。そして、各ハンガ搬送
レールL2,L3に沿ったポイントS3〜S11には、ポイントS1
の場合と同様なハンガ番号リーダ、ワーク検出センサ等
のセンサ類が設置されており、各ポイントをハンガが通
過する毎に、そのハンガの番号およびハンガに吊された
ワーク数が検出され、第2ハンガ搬送制御装置あるいは
第3ハンガ搬送制御装置を介し、フロアF2内に配置され
た前処理工程トラッキング制御コンピュータCP11に送ら
れる。なお、ハンガ搬送レールL2,L3および各レールに
取り付けられるハンガは、各々、前述のハンガ搬送レー
ルL1およびハンガHと同様な構造であるので、説明を省
略する。 また、フロアF2には、ワークに対してコーティング処
理を施すコーティングロボット#1〜#3が配置されて
いる。コーティングロボット#1は、第1層および第2
層のコーティング処理を行う他、投入ポイントENTに待
機中のツリーHRをハンガ搬送レールL1のハンガから取り
外し、フロアF2内に取り込む処理、およびハンガ搬送レ
ールL2のハンガからコーティングワークを取り外してハ
ンガ搬送レールL3のハンガに装着する処理を行う。自動
ドアDRは、フロアF1からツリーHRを取り込み期間中のみ
開扉するように制御される。また、コーティングロボッ
ト#2は、第3層以降最終層までのコーティング処理を
行う他、最終層のコーティングが終了したワークをター
ンテーブルTNTに装着する処理、およびターンテーブルT
NTからワークを取り外してフロアF3内のコンベアCVに載
置する処理を行う。コーティングロボット#3は、コー
ティングロボット#2が過負荷状態の場合に使用される
予備のロボットである。ここで、コーティング処理をロ
ボット#2によって行うかあるいはロボット#3によっ
て行うかの切り換えは、分岐点BRK1およびBRK2におい
て、ハンガの搬送先を切り換えることによって行われ
る。
ハンガ搬送レールL2およびL3が敷設されている。ここ
で、ハンガ搬送レールL2に取り付けられた各ハンガは、
前述の第2ハンガ搬送制御装置CTL2によって、その移動
が制御される。また、ハンガ搬送レールL3に取り付けら
れた各ハンガは、前述の第3ハンガ搬送制御装置CTL3に
よって、その移動が制御される。そして、各ハンガ搬送
レールL2,L3に沿ったポイントS3〜S11には、ポイントS1
の場合と同様なハンガ番号リーダ、ワーク検出センサ等
のセンサ類が設置されており、各ポイントをハンガが通
過する毎に、そのハンガの番号およびハンガに吊された
ワーク数が検出され、第2ハンガ搬送制御装置あるいは
第3ハンガ搬送制御装置を介し、フロアF2内に配置され
た前処理工程トラッキング制御コンピュータCP11に送ら
れる。なお、ハンガ搬送レールL2,L3および各レールに
取り付けられるハンガは、各々、前述のハンガ搬送レー
ルL1およびハンガHと同様な構造であるので、説明を省
略する。 また、フロアF2には、ワークに対してコーティング処
理を施すコーティングロボット#1〜#3が配置されて
いる。コーティングロボット#1は、第1層および第2
層のコーティング処理を行う他、投入ポイントENTに待
機中のツリーHRをハンガ搬送レールL1のハンガから取り
外し、フロアF2内に取り込む処理、およびハンガ搬送レ
ールL2のハンガからコーティングワークを取り外してハ
ンガ搬送レールL3のハンガに装着する処理を行う。自動
ドアDRは、フロアF1からツリーHRを取り込み期間中のみ
開扉するように制御される。また、コーティングロボッ
ト#2は、第3層以降最終層までのコーティング処理を
行う他、最終層のコーティングが終了したワークをター
ンテーブルTNTに装着する処理、およびターンテーブルT
NTからワークを取り外してフロアF3内のコンベアCVに載
置する処理を行う。コーティングロボット#3は、コー
ティングロボット#2が過負荷状態の場合に使用される
予備のロボットである。ここで、コーティング処理をロ
ボット#2によって行うかあるいはロボット#3によっ
て行うかの切り換えは、分岐点BRK1およびBRK2におい
て、ハンガの搬送先を切り換えることによって行われ
る。
【フロアF3(乾燥工程)】 フロアF3にはフロアF2から搬送されてくるコーティン
グ済みワークを乾燥しストックするための立体倉庫STK
が設置されている。また、立体倉庫STKへワークを入庫
する場合、および立体倉庫STKからワークを出庫する場
合に駆動されるコンベアCVおよび図示してないスタッカ
クレーンが設けられている。また、フロアF3には、前述
の乾燥工程トラッキング制御コンピュータCP12および記
憶装置M12が設置されている。
グ済みワークを乾燥しストックするための立体倉庫STK
が設置されている。また、立体倉庫STKへワークを入庫
する場合、および立体倉庫STKからワークを出庫する場
合に駆動されるコンベアCVおよび図示してないスタッカ
クレーンが設けられている。また、フロアF3には、前述
の乾燥工程トラッキング制御コンピュータCP12および記
憶装置M12が設置されている。
【フロアF4(脱ろう工程〜仕上げ工程)】 フロアF4には、脱ろう炉1、焼成炉R2、鋳造工程R3、
溶解炉R4、還元コンベアR5、ショットブラスト工程R6が
各々配置されるう。また、フロア6には、前述の鋳造・
後処理工程トラッキング制御コンピュータCP13、鋳造作
業端末CP13、ショットブラスト端末CP32および原材料投
入端末CP33が各々設置されている。
溶解炉R4、還元コンベアR5、ショットブラスト工程R6が
各々配置されるう。また、フロア6には、前述の鋳造・
後処理工程トラッキング制御コンピュータCP13、鋳造作
業端末CP13、ショットブラスト端末CP32および原材料投
入端末CP33が各々設置されている。
【フロアF5(管理室)】 フロアF5には、前述のネットワーク管理コンピュータ
CP01、作業進捗管理コンピュータCP02および作業計画入
力コンピュータCP03が設置されている。 《動作》 以下、この精密鋳造システムの動作を説明する。この
生産工場における生産管理者が、作業進捗管理コンピュ
ータCP02の操作盤を操作し、所望の製品の製造指示を入
力すると、この入力された製造指示は、ネットワーク管
理コンピュータCP01、前処理工程トラッキング制御コン
ピュータCP11を経て投入指示端末CP21に送られる。そし
て、投入指示端末CP21の表示装置に、例えば第5図
(a)に示すように、現時点までに入力された製造指示
の内容が表示される。具体的には、同図に示すように、
指示された製品の製作図面の図番(“図番”)、作業進
捗管理コンピュータCP02によって割り当てられたその製
造指示の指示番号(“指示No.")、製品の品名あるいは
その略称(“品名略称”)、ワックス成形機の号機番号
の指定(“機械”)、製造すべき個数(“指示数”)、
現時点で既にコーティング工程へ投入済みの個数(“投
入数”)、現時点でまだコーティング工程に投入されて
いない個数(“指示残”)等が表示される。また、これ
らの表示エリアの下部の機能表示エリアAR1には、ファ
ンクションキーFC1,FC2,…の並びに対応し、各ファンク
ションキーの機能の表示(“投入",“新ラベル",…等)
が行われる。 そして、作業者によって、上記表示が確認され、以
下、説明するようにして、製品に対応したワックス模型
の製造およびツリーの組み立てが行われる。 まず、第3図に示すように、作業者によって、ワック
ス成形機WXに製品に対応した金型KNが取り付けられる。
そして、ワックス成形機WXが始動され、ワックス成形機
WXにおいて、溶融したワックスを閉じた金型KNに注入す
る動作と、金型を開放して凝固したワックス模型WMを排
出する動作とが繰り返し行われる。そして、ワックス模
型WM,WM,…がワックス成形機WKの下部に配置された水槽
WAT内に排出され、水槽WATからコンベアCVWによって搬
出され、トレーTRに集積される。 組立テーブルTBLには、金属製の芯棒SKを分厚いワッ
クス層SWで覆ってなる模型支持棒HWが予め準備されてお
り、その傍らには、電熱器(図示せず)およびこの電熱
器によって灼熱された数本のコテ(図示せず)が準備さ
れている。作業者は、トレイTR内のワックス模型WM,WM,
…を順次取り出し、接続用の棒状部WMaの端部をコテに
よって溶融し、模型支持棒HWのワックス面に接着する。
このようにして、所定数のワックス模型WM,WM,…と模型
支持棒HWとが一体化され、ツリーHRが完成する。 投入指示端末CP21の傍らには、製品の個数と、それを
得るのに必要なツリーの数との関係を示す情報が製品毎
にまとめられた一覧表が置かれており、作業者はこの一
覧表を見て必要な数のツリーHRを製作する。 そして、作業者は、ファンクションキーFC1を押し、
投入処理プログラムを起動する。この結果、表示画面の
メッセージ表示エリアAR2に、第5図(b)に示すメッ
セージが表示される。そして、作業者は、コーティング
工程に投入する製品の製造指示を選択し、その製造指示
の表示位置にカーソルを移動し、実行キーを押す。この
結果、表示画面のメッセージ表示エリアAR2に第5図
(c)に示す表示が行われる。この表示において、吊数
とは、ハンガに吊すツリーの本数を意味する。また、
“先端ハンガNO 13"とあるのは、「今回投入するツリ
ーは、ハンガ番号13から始まる一連のハンガに吊せ」と
いう指示である。そして、例えば作業者が第5図(a)
において図番が“0001"、製造指示番号が“9C001"と表
示された製造指示を選択し、投入吊数として「10」を入
力したとすると、先頭ハンガ番号「13」から始まる5個
のハンガに製造指示番号“9C001",図番“0001"なる製品
のツリーが2本ずつ吊されることを示す情報が前処理工
程トラッキング制御コンピュータCP11に送られる。そし
て、前処理工程トラッキング制御コンピュータCP11によ
って、ハンガ番号「13」〜17」の各ハンガについて、吊
されるワークの製品識別情報(この場合、図番“000
1")、製品製造指示(この場合、“9C001")および吊さ
れるワーク数(この場合、「2」)からなるトラッキン
グ情報が作成され、記憶装置M11に書き込まれる。 次に、作業者はファンクションキーFC2を押し、新ラ
ベル発行処理プログラムを起動する。そして、作業者
は、表示された製造指示の中から今回ワークの投入を行
うものに対応する製造指示を選択し、その表示箇所にカ
ーソルを移動し、実行キーを押す。この結果、表示装置
のネッセージエリアAR2にラベルの必要枚数を問うメッ
セージが表示されるので、作業者はその枚数をテンキー
にて入力し、実行キーを押す。この結果、上記製造指示
の選択に対応し、図示してないバーコード印刷装置によ
って、その製品の識別コードのバーコード印刷が行わ
れ、バーコード印刷のなされたラベルが指定された枚数
だけ発行される。 そして、作業者は、投入指示端末CP21の指示に従っ
て、ツリーHRを、順次、ハンガHに装着し、ツリーHRに
製品識別用のバーコードの印刷されたラベルを貼付す
る。 ハンガHがツリーHR,HRを保持し、ハンガ搬送レールL
1に沿って移動してポイントS1に到達すると、ハンガH
のハンガ番号が進み読み取られると共に、ツリーHRの数
が検出される。この読み取られたハンガ番号およびワー
ク数は、第1ハンガ搬送制御装置CTL1を介して前処理工
程トラッキング制御コンピュータCP11に送られる。そし
て、前処理工程トラッキング制御コンピュータCP11によ
って、記憶装置M11内に記憶されたトラッキング情報の
中から上記ハンガ番号に対応するものが選択される。そ
して、そのトラッキング情報に記載された図番、製造指
示番号、ワーク数に基づいて、洗浄装置CLに対応したト
ラッキング情報が作成され、記憶装置M11に書き込まれ
る。また、ポイントS1において、検出されたツリーHRの
数が、トラッキング情報として記憶されたワーク数と一
致するか否かが判断され、不一致の場合は前処理工程ト
ラッキング制御コンピュータCP11の表示装置にワーク数
が不一致であること告げるエラーメッセージが該当する
ハンガ番号と共に表示され、ハンガの走行が停止され
る。さらに、ポイントS1においては、バーコードリーダ
によってツリーHRに貼付されたラベルのバーコードが読
み取られ、前処理工程トラッキング制御コンピュータCP
11に送られる。そして、前処理工程トラッキング制御コ
ンピュータCP11において、トラッキング情報と照合さ
れ、製品識別情報に矛盾がないか否かが判断され、矛盾
があった場合はその表示が行われる。この場合もハンガ
の走行が停止される。 ツリーHRは、ポイントS1において洗浄されると、その
後、ポイントS2を通過し、ハンガ番号およびワーク数が
検出され、フロアF2への投入ポイントENTにおいて停止
し、待機する。そして、ポイントS2において検出された
ハンガ番号およびワーク数が前処理工程トラッキング制
御コンピュータCP21に送られる。そして、前処理工程ト
ラッキング制御コンピュータCP11によって、送られてき
たハンガ番号に対応するトラッキング情報が選択され
る。そして、そのトラッキング情報におけるワーク数
と、ポイントS2において検出されたワーク数とが矛盾し
ないか否かが判断され、矛盾する場合は上述と同様にエ
ラーメッセージの表示、およびハンガ移動の停止が行わ
れる。また、上記選択されたトラッキング情報に記載さ
れた図番、製造指示番号、ワーク数に基づいて、投入ポ
イントENTに対応したトラッキング情報が作成され、記
憶装置M11に書き込まれる。なお、他のポイントS3〜S11
においても、ポイントS1,S2の場合と同様、ハンガ番号
およびワーク数の検出が行われると共にトラッキング情
報との照合が行われ、不一致が検出された場合にハンガ
移送の停止およびエラーメッセージの表示が行われる。 フロアF2のハンガ搬送レールL2のポイントS1におい
て、ワークを吊していないハンガが検出され、かつ、コ
ーティングロボット#1が空き状態になると、自動ドア
DRが開扉され、フロアF1の投入ポイントENTに待機中の
ツリーHRがコーティングロボット#1によってフロアF2
内に取り込まれる。そして、この取り込みが終了する
と、自動ドアDRが閉扉されると共に、ハンガ搬送レール
L1に取り付けられた各ハンガH,H,…が駆動され、1ハン
ガ分の距離を移動する。 また、上記動作に伴って、第1ロボット制御装置CTL5
から前処理工程トラッキング制御コンピュータCPL11に
対し、フロアF1からワークを取り込んだことを示す情報
が送られる。そして、前処理工程トラッキング制御コン
ピュータCP11は、投入ポイントENTのワークのトラッキ
ング情報を記憶装置M11から読み出し、そのトラッキン
グ情報に記載された図番、製造指示番号、ワーク数に基
づいて、コーティングロボット#1に対応するトラッキ
ング情報を作成し、記憶装置M11に書き込む。また、上
述の投入ポイントENTに対応するトラッキング情報およ
び投入ポイントENTで停止中のハンガに対応するトラッ
キング情報は抹消される。そして、前処理工程トラッキ
ング制御コンピュータCP11からコーティングロボット#
1を制御する第1ロボット制御装置CTL5に対し、上記ト
ラッキング情報に記録された図番に対応したロボット操
縦情報(以下、ロボットパターンという)が送られる。 フロアF1からワークを取り込んだコーティングロボッ
ト#1は、第1ロボット制御装置CTL5によって制御さ
れ、以下説明する第1層目のコーティング処理を行う。
まず、第7図(a)に示すように、ワークHRを、スラリ
ー液槽SLに所定時間浸す。その後、ワークHR,HRを、ス
ラリー液槽SLから取り出し、所定回数回転する。次に第
7図(b)に示すように、ワークHR,HRを砂の排出口SAN
Dの下に運んで砂を振り掛け、所定回数回転する。そし
て、ワークHR,HRは、前述のポイントS3においてハンガ
番号の読み取られた検出された空きハンガに装着され
る。 そして、コーティングロボット#1からポイントS3に
停止中のハンガにワークが移動したことが第1ロボット
制御装置CTL5から前処理工程トラッキング制御コンピュ
ータCP11に送られる。そして、前処理工程トラッキング
制御コンピュータCP11は、コーティングロボット#1に
対応したトラッキング情報に記載された図番、製造指示
番号、ワーク数に基づいて、ポイントS3で停止中の版画
に対応したトラッキング情報を作成し、記憶装置M11に
書き込む。ただし、この場合、当該ワークに対し第1層
目のコーティング処理が施されたことを示す最終処理状
態情報が図番号、製造指示番号、ワーク数に付け加えら
れたものがトラッキング情報として書き込まれる。そし
て、コーティングロボット#1がワークを手放したのに
対応し、コーティングロボット#1に対応するトラッキ
ング情報が抹消される。 以後、同様にワークが移動する毎に、前処理工程トラ
ッキング制御コンピュータCP11に対してワークの移動の
報告が行われ、移動前の拠点あるいはハンガに対応した
トラッキング情報に基づいて移動先に対応したトラッキ
ング情報が作成される。そして、前処理工程コンピュー
タCP11では、記憶装置M11に記憶されたトラッキング情
報に基づいて、第8図に示すように、前処理工程の各拠
点(“制御場所”)に現在滞在するハンガの番号(“ハ
ンガ”)、そのハンガに吊されたワークの図番(“図
番”)、そのワークに対応する製造指示番号(“指示
N")、そのワークの処理状態(正常に処理された場合は
“処理済み”と表示)等の表示が行われる。 そして、第1層コーティングを完了したワークは、以
後、ハンガ搬送レールL2に沿って搬送される。そして、
このワークは所定時間経過後に再びポイントS2に到達
し、このワークを保持するハンガのハンガ番号およびワ
ーク数が前処理工程トラッキング制御コンピュータCP11
に送られる。そして、前処理工程トラッキング制御コン
ピュータCP11によって、当該ハンガに対応するトラッキ
ング情報が参照され、第2層のコーティング処理を行う
ためのロボットパターンが第1ロボット制御装置CTL5に
送られる。そして、第1層目の場合と同様に第1ロボッ
ト制御装置によって当該ワークに対して第2層目のコー
ティング処理が行われる。 一方、ハンガ搬送レールL3は、ポイントS10において
ワークの吊されていない空きハンガが検出され、かつ、
ポイントS11に空きハンガが滞在していない場合に、分
岐点BRK3におけるハンガ搬送先がポイントS11側に切り
換えられる。このようにすることで、常にポイントS11
空きハンガが充填されるようになっている。 そして、コーティングロボット#1によって第2層目
のコーティング処理を施されたワークがポイントS11に
滞在するハンガに装着される。また、これに伴ってポイ
ントS11に停止していたハンガに対応するトラッキング
情報が作成される。このトラッキング情報には、当該ワ
ークに対して第2層目のコーティング処理が施されたこ
とを示す最終処理状態情報が記載されている。そして、
第2層目のコーティング処理を終えたワークはハンガ搬
送レールL3に沿って移動し、所定時間経過後にポイント
S4に到達する。 通常、分岐点BRK1におけるハンガ搬送先はポイント5
側になっており、ポインタS4を通過したワークはポイン
トS5に到達する。そして、ポイントS5においてハンガ番
号が読み取られている前処理工程トラッキング制御コン
ピュータCP11に送られ、前処理工程トラッキング制御コ
ンピュータCP11によって、読み取られたハンガ番号に対
応するトラッキング情報が求められる。そして、そのト
ラッキング情報および製品識別情報および最終処理状態
が参照される。そして、この場合、当該製品の第3層目
のコーティング処理を行うのに必要なロボットパターン
が第2ロボット制御装置CTL6に送られ、コーティングロ
ボット#2によってコーティング処理が行われる。そし
て、第3層目のコーティング処理を終えたワークはポイ
ントS5に滞在する元のハンガに装着され、ポイントS7に
進む。通常、分岐点BRK2の分岐先はポイントS9側になっ
ており、このワークはポイントS9を通ってポイントS10
に進む。そして、ハンガ搬送レールL3を移動し、再びポ
イントS4を介してポイントS5に到達する。そして、上述
と同様の動作により、ワークに対して第4層目のコーテ
ィング処理が行われる。以下、同様にして最終層までの
コーティング処理が行われる。 なお、コーティングロボット#2が過負荷状態であ
り、コーティングロボット#3が使用可能な場合、分岐
点BRK1のハンガ搬送先がポイントS6側に切り換えられる
ことにより、ワークを保持したハンガがポイントS6経由
でポイントS7に搬送される。そして、分岐点BRK2のハン
ガ搬送先はポイントS8側に切り換えられ、ワークがポイ
ントS8に導かれ、コーティングロボット#3によってコ
ーティング処理が行われる。 最終層のコーティング処理の完了したワークがポイン
トS5に到達すると、コーティングロボット#2は、その
ワークに対してスラリー液のみを塗布し、ターンテーブ
ルTNTに装着する。この場合、ワークが装着されるター
ンテーブルTNTにおける装着位置は、ポイントS12に設け
られたタインテーブル位置検出器によって検知され、前
処理工程トラッキング制御コンピュータCP11に送られ、
これまでと同様に、トラッキング情報が更新される。 そして、ターンテーブルTNTに装着されたワークは、
所定時間放置されてスラリー液の乾燥が行われ、その
後、コーティングロボット#2によってターンテーブル
TNTから取り外されてコンベアCVに載置され、フロアF3
へ導かれる。この時、ターンテーブルTNTから取り外し
たワークのトラッキング情報が前処理工程トラッキング
制御コンピュータCP11からネットワーク制御コンピュー
タCP01を介し、乾燥工程トラッキング制御コンピュータ
CP12に送られる。 乾燥工程トラッキング制御コンピュータCP12は、記憶
装置M12に記憶されたトラッキング情報から立体倉庫STK
における空き状態の収納エリアのアドレスを求め、該エ
リアにフロアF2から送られてきたワークを収納すべく、
コンベア制御装置CTL8および立体倉庫中継装置CTL9bに
制御情報を送る。これにより、フロアF2から送られてき
たワークが該収納エリアに入庫される。また、上述のネ
ットワーク管理コンピュータCP01から送られてきたトラ
ッキング情報から、入庫ワークの図番および製造指示番
号が求められ、これらの情報に収納エリアのアドレスお
よび入庫時刻等の情報が付加され、入庫ワークのトラッ
キング情報として記憶装置M12に記憶される。 作業進捗管理コンピュータCP02が操作されて鋳造指示
が入力されると、その鋳造指示はネットワーク制御コン
ピュータCP01を介し、鋳造・後処理工程トラッキングコ
ンピュータCD13に送られ、表示される。作業者はその鋳
造指示を確認すると、鋳造・後処理工程トラッキング制
御コンピュータCP13を操作して該当する製品の図番を入
力し、該当するワークをフロアF3の立体倉庫から出庫す
るための出庫要求を行う。この出庫要求は、ネットワー
ク管理コンピュータCP01を介して乾燥工程トラッキング
制御コンピュータCP12に送られる。 この結果、乾燥工程トラッキング制御コンピュータCP
12によって記憶装置M12に記憶された各トラッキング情
報が検索され、出庫要求と図番が一致すると共に入庫時
刻から計算して所定時間以上立体倉庫STK内で乾燥が行
われたと判断される一連のワークのトラッキング情報が
求められる。そして、それらの情報はネットワーク管理
コンピュータCP01を介して鋳造・後処理制御トラッキン
グコンピュータCP13に送られ、その表示装置に表示され
る。作業者は表示された情報の中から所望のワークの情
報を選択し、鋳造・後処理工程のトラッキング制御コン
ピュータCP13を操作して、ワークの出庫指示を行う。こ
の出庫指示が乾燥工程トラッキング制御コンピュータCP
12に送られると、立体倉庫中継装置CTL9bおよびコンベ
ア制御装置CTL8に制御情報が送られ、そのワークがスタ
ッカクレーンおよびコンベアCVによって搬送され、フロ
アF4に導かれる。ここで、出庫したワークのトラッキン
グ情報は、乾燥工程トラッキング制御コンピュータCP12
によって抹消される。 そして、ワークは作業者によって脱ろう炉R1に投入さ
れ、ワークのモールド層内のワックスが溶融する。そし
て、脱ろう炉R1からワックスの取り除かれたワークが取
り出され、焼成炉R2に投入され、焼成炉R2から鋳型が取
り出されて鋳造工程R3に送られる。そして、溶解炉R4か
ら溶融した現材料が供給され、鋳造が行われる。そし
て、作業者は鋳造作業端末CP31を操作し、指示された製
品の鋳造を実施したことを報告する。鋳造工程R3を終え
たワークは、還元コンベアR5によって搬送されてショッ
トブラスト工程R6に送られ、鋳型の粉砕・分離が行われ
る。そして、作業者はショットブラスト端末CP32を操作
し、ショットブラスト処理の実施報告を行う。ショット
ブラスト工程R6によって得られた製品は、仕上げ工程に
送られて不要な凸部等の削除が行われ、製品倉庫に入庫
される。 また、鋳造・後処理工程トラッキング制御コンピュー
タCP13では、鋳造作業端末CP31、ショットブラスト端末
PC32からの各工程の実施報告に基づいて対応するトラッ
キング情報の更新を行う。 この精密鋳造システムでは、作業進捗管理コンピュー
タCP02から、前処理トラッキング制御コンピュータCP1
1、乾燥工程トラッキング制御コンピュータCP12および
鋳造・後処理工程トラッキング制御コンピュータCP13に
対し、定期的にポーリングが行われ、作業進捗管理コン
ピュータCP02によって各工程のトラッキング情報が収集
され、記憶装置M02に記憶される。そして、例えば収集
されたトラッキング情報が同一製造指示番号毎に集計さ
れ、生産管理者によって、製造指示した製品の各工程毎
の仕掛かり状況等の確認が行われる。また、本店からこ
の生産工場に対して、製造の進捗状況の報告の要求があ
った場合、記憶装置M02に記憶されたトラッキング情報
に基づいて、上記報告する情報が作成され、ネットワー
ク管理コンピュータCP01および公衆回線Nを介し、本店
のホストコンピュータに転送される。 《保守試験》 上述したように、この精密鋳造システムでは、ワーク
の移動が行われる各拠点においてハンガ番号を読み取る
ことにより、各ワークの製品識別情報および最終処理状
態の保存が行われる。従って、ハンガ番号の読み取りが
常に正常に行われるようにする必要がある。そこで、こ
の精密鋳造システムでは、以下説明するようにしてポイ
ントS1〜S11におけるハンガ番号リーダの保守試験を行
っている。 この精密鋳造システムの場合、稼動開始時、各ハンガ
は、ポイントS1〜S11からずれた位置に停止するように
なっている。そこで、この状態において各ポイントにお
けるハンガ番号リーダの読取試験を行う。この場合、ハ
ンガ番号リーダPH1が正常であるならば、発光部から出
力される8本のビーム光がすべて受光部に到達し、8ビ
ットオール“1"の識別コードが得られる。しかし、いず
れかのビーム光の光軸が異常な向きに曲がっていたり、
あるいは受光部の表面に汚れが付着していたりすると、
8ビットオール“1"でない識別コードが得られる。従っ
て、識別コードを判定することにより、ハンガ番号リー
ダが正常であるか否かを判定することができる。 また、稼動中においても、定期的にハンガ番号リーダ
の読取試験を行う。この場合、第4図において、ハンガ
Hが到着センサSEN2によって検出されるタイミングでハ
ンガ番号の読み取りを行う。 以上の保守試験の結果、エラーがあった場合は、前処
理工程トラッキング制御コンピュータCP11の表示装置に
エラーの検出されたポイントと共にエラーメッセージが
表示される。そして、保守員は、その表示を確認し、エ
ラー箇所に赴き、ハンガ番号リーダの清掃、交換等を行
う。 「発明の効果」 以上説明したように、この発明によれば、稼動時、投
入されるワークを光学的に読取可能な識別符号の付され
た保持具によって保持して搬送し、各拠点では読取手段
によって保持具の識別符号を読み取って該保持具に保持
されたワークの製品識別および最終処理状態の識別を行
い、ワークに対して該識別結果に対応した処理を行うこ
とにより前記製品の製造を行うと共に、稼動開始時ある
いは稼動中定期的に、前記保持具を読取位置からずらし
た状態で、前記読取手段における識別符号読取動作を行
うようにしたので、読取手段の保守が行われ、仕様の異
なった多くの製品を自動的に、かつ、処理を誤ることな
く確実に生産することができるという効果が得られる。
CP01、作業進捗管理コンピュータCP02および作業計画入
力コンピュータCP03が設置されている。 《動作》 以下、この精密鋳造システムの動作を説明する。この
生産工場における生産管理者が、作業進捗管理コンピュ
ータCP02の操作盤を操作し、所望の製品の製造指示を入
力すると、この入力された製造指示は、ネットワーク管
理コンピュータCP01、前処理工程トラッキング制御コン
ピュータCP11を経て投入指示端末CP21に送られる。そし
て、投入指示端末CP21の表示装置に、例えば第5図
(a)に示すように、現時点までに入力された製造指示
の内容が表示される。具体的には、同図に示すように、
指示された製品の製作図面の図番(“図番”)、作業進
捗管理コンピュータCP02によって割り当てられたその製
造指示の指示番号(“指示No.")、製品の品名あるいは
その略称(“品名略称”)、ワックス成形機の号機番号
の指定(“機械”)、製造すべき個数(“指示数”)、
現時点で既にコーティング工程へ投入済みの個数(“投
入数”)、現時点でまだコーティング工程に投入されて
いない個数(“指示残”)等が表示される。また、これ
らの表示エリアの下部の機能表示エリアAR1には、ファ
ンクションキーFC1,FC2,…の並びに対応し、各ファンク
ションキーの機能の表示(“投入",“新ラベル",…等)
が行われる。 そして、作業者によって、上記表示が確認され、以
下、説明するようにして、製品に対応したワックス模型
の製造およびツリーの組み立てが行われる。 まず、第3図に示すように、作業者によって、ワック
ス成形機WXに製品に対応した金型KNが取り付けられる。
そして、ワックス成形機WXが始動され、ワックス成形機
WXにおいて、溶融したワックスを閉じた金型KNに注入す
る動作と、金型を開放して凝固したワックス模型WMを排
出する動作とが繰り返し行われる。そして、ワックス模
型WM,WM,…がワックス成形機WKの下部に配置された水槽
WAT内に排出され、水槽WATからコンベアCVWによって搬
出され、トレーTRに集積される。 組立テーブルTBLには、金属製の芯棒SKを分厚いワッ
クス層SWで覆ってなる模型支持棒HWが予め準備されてお
り、その傍らには、電熱器(図示せず)およびこの電熱
器によって灼熱された数本のコテ(図示せず)が準備さ
れている。作業者は、トレイTR内のワックス模型WM,WM,
…を順次取り出し、接続用の棒状部WMaの端部をコテに
よって溶融し、模型支持棒HWのワックス面に接着する。
このようにして、所定数のワックス模型WM,WM,…と模型
支持棒HWとが一体化され、ツリーHRが完成する。 投入指示端末CP21の傍らには、製品の個数と、それを
得るのに必要なツリーの数との関係を示す情報が製品毎
にまとめられた一覧表が置かれており、作業者はこの一
覧表を見て必要な数のツリーHRを製作する。 そして、作業者は、ファンクションキーFC1を押し、
投入処理プログラムを起動する。この結果、表示画面の
メッセージ表示エリアAR2に、第5図(b)に示すメッ
セージが表示される。そして、作業者は、コーティング
工程に投入する製品の製造指示を選択し、その製造指示
の表示位置にカーソルを移動し、実行キーを押す。この
結果、表示画面のメッセージ表示エリアAR2に第5図
(c)に示す表示が行われる。この表示において、吊数
とは、ハンガに吊すツリーの本数を意味する。また、
“先端ハンガNO 13"とあるのは、「今回投入するツリ
ーは、ハンガ番号13から始まる一連のハンガに吊せ」と
いう指示である。そして、例えば作業者が第5図(a)
において図番が“0001"、製造指示番号が“9C001"と表
示された製造指示を選択し、投入吊数として「10」を入
力したとすると、先頭ハンガ番号「13」から始まる5個
のハンガに製造指示番号“9C001",図番“0001"なる製品
のツリーが2本ずつ吊されることを示す情報が前処理工
程トラッキング制御コンピュータCP11に送られる。そし
て、前処理工程トラッキング制御コンピュータCP11によ
って、ハンガ番号「13」〜17」の各ハンガについて、吊
されるワークの製品識別情報(この場合、図番“000
1")、製品製造指示(この場合、“9C001")および吊さ
れるワーク数(この場合、「2」)からなるトラッキン
グ情報が作成され、記憶装置M11に書き込まれる。 次に、作業者はファンクションキーFC2を押し、新ラ
ベル発行処理プログラムを起動する。そして、作業者
は、表示された製造指示の中から今回ワークの投入を行
うものに対応する製造指示を選択し、その表示箇所にカ
ーソルを移動し、実行キーを押す。この結果、表示装置
のネッセージエリアAR2にラベルの必要枚数を問うメッ
セージが表示されるので、作業者はその枚数をテンキー
にて入力し、実行キーを押す。この結果、上記製造指示
の選択に対応し、図示してないバーコード印刷装置によ
って、その製品の識別コードのバーコード印刷が行わ
れ、バーコード印刷のなされたラベルが指定された枚数
だけ発行される。 そして、作業者は、投入指示端末CP21の指示に従っ
て、ツリーHRを、順次、ハンガHに装着し、ツリーHRに
製品識別用のバーコードの印刷されたラベルを貼付す
る。 ハンガHがツリーHR,HRを保持し、ハンガ搬送レールL
1に沿って移動してポイントS1に到達すると、ハンガH
のハンガ番号が進み読み取られると共に、ツリーHRの数
が検出される。この読み取られたハンガ番号およびワー
ク数は、第1ハンガ搬送制御装置CTL1を介して前処理工
程トラッキング制御コンピュータCP11に送られる。そし
て、前処理工程トラッキング制御コンピュータCP11によ
って、記憶装置M11内に記憶されたトラッキング情報の
中から上記ハンガ番号に対応するものが選択される。そ
して、そのトラッキング情報に記載された図番、製造指
示番号、ワーク数に基づいて、洗浄装置CLに対応したト
ラッキング情報が作成され、記憶装置M11に書き込まれ
る。また、ポイントS1において、検出されたツリーHRの
数が、トラッキング情報として記憶されたワーク数と一
致するか否かが判断され、不一致の場合は前処理工程ト
ラッキング制御コンピュータCP11の表示装置にワーク数
が不一致であること告げるエラーメッセージが該当する
ハンガ番号と共に表示され、ハンガの走行が停止され
る。さらに、ポイントS1においては、バーコードリーダ
によってツリーHRに貼付されたラベルのバーコードが読
み取られ、前処理工程トラッキング制御コンピュータCP
11に送られる。そして、前処理工程トラッキング制御コ
ンピュータCP11において、トラッキング情報と照合さ
れ、製品識別情報に矛盾がないか否かが判断され、矛盾
があった場合はその表示が行われる。この場合もハンガ
の走行が停止される。 ツリーHRは、ポイントS1において洗浄されると、その
後、ポイントS2を通過し、ハンガ番号およびワーク数が
検出され、フロアF2への投入ポイントENTにおいて停止
し、待機する。そして、ポイントS2において検出された
ハンガ番号およびワーク数が前処理工程トラッキング制
御コンピュータCP21に送られる。そして、前処理工程ト
ラッキング制御コンピュータCP11によって、送られてき
たハンガ番号に対応するトラッキング情報が選択され
る。そして、そのトラッキング情報におけるワーク数
と、ポイントS2において検出されたワーク数とが矛盾し
ないか否かが判断され、矛盾する場合は上述と同様にエ
ラーメッセージの表示、およびハンガ移動の停止が行わ
れる。また、上記選択されたトラッキング情報に記載さ
れた図番、製造指示番号、ワーク数に基づいて、投入ポ
イントENTに対応したトラッキング情報が作成され、記
憶装置M11に書き込まれる。なお、他のポイントS3〜S11
においても、ポイントS1,S2の場合と同様、ハンガ番号
およびワーク数の検出が行われると共にトラッキング情
報との照合が行われ、不一致が検出された場合にハンガ
移送の停止およびエラーメッセージの表示が行われる。 フロアF2のハンガ搬送レールL2のポイントS1におい
て、ワークを吊していないハンガが検出され、かつ、コ
ーティングロボット#1が空き状態になると、自動ドア
DRが開扉され、フロアF1の投入ポイントENTに待機中の
ツリーHRがコーティングロボット#1によってフロアF2
内に取り込まれる。そして、この取り込みが終了する
と、自動ドアDRが閉扉されると共に、ハンガ搬送レール
L1に取り付けられた各ハンガH,H,…が駆動され、1ハン
ガ分の距離を移動する。 また、上記動作に伴って、第1ロボット制御装置CTL5
から前処理工程トラッキング制御コンピュータCPL11に
対し、フロアF1からワークを取り込んだことを示す情報
が送られる。そして、前処理工程トラッキング制御コン
ピュータCP11は、投入ポイントENTのワークのトラッキ
ング情報を記憶装置M11から読み出し、そのトラッキン
グ情報に記載された図番、製造指示番号、ワーク数に基
づいて、コーティングロボット#1に対応するトラッキ
ング情報を作成し、記憶装置M11に書き込む。また、上
述の投入ポイントENTに対応するトラッキング情報およ
び投入ポイントENTで停止中のハンガに対応するトラッ
キング情報は抹消される。そして、前処理工程トラッキ
ング制御コンピュータCP11からコーティングロボット#
1を制御する第1ロボット制御装置CTL5に対し、上記ト
ラッキング情報に記録された図番に対応したロボット操
縦情報(以下、ロボットパターンという)が送られる。 フロアF1からワークを取り込んだコーティングロボッ
ト#1は、第1ロボット制御装置CTL5によって制御さ
れ、以下説明する第1層目のコーティング処理を行う。
まず、第7図(a)に示すように、ワークHRを、スラリ
ー液槽SLに所定時間浸す。その後、ワークHR,HRを、ス
ラリー液槽SLから取り出し、所定回数回転する。次に第
7図(b)に示すように、ワークHR,HRを砂の排出口SAN
Dの下に運んで砂を振り掛け、所定回数回転する。そし
て、ワークHR,HRは、前述のポイントS3においてハンガ
番号の読み取られた検出された空きハンガに装着され
る。 そして、コーティングロボット#1からポイントS3に
停止中のハンガにワークが移動したことが第1ロボット
制御装置CTL5から前処理工程トラッキング制御コンピュ
ータCP11に送られる。そして、前処理工程トラッキング
制御コンピュータCP11は、コーティングロボット#1に
対応したトラッキング情報に記載された図番、製造指示
番号、ワーク数に基づいて、ポイントS3で停止中の版画
に対応したトラッキング情報を作成し、記憶装置M11に
書き込む。ただし、この場合、当該ワークに対し第1層
目のコーティング処理が施されたことを示す最終処理状
態情報が図番号、製造指示番号、ワーク数に付け加えら
れたものがトラッキング情報として書き込まれる。そし
て、コーティングロボット#1がワークを手放したのに
対応し、コーティングロボット#1に対応するトラッキ
ング情報が抹消される。 以後、同様にワークが移動する毎に、前処理工程トラ
ッキング制御コンピュータCP11に対してワークの移動の
報告が行われ、移動前の拠点あるいはハンガに対応した
トラッキング情報に基づいて移動先に対応したトラッキ
ング情報が作成される。そして、前処理工程コンピュー
タCP11では、記憶装置M11に記憶されたトラッキング情
報に基づいて、第8図に示すように、前処理工程の各拠
点(“制御場所”)に現在滞在するハンガの番号(“ハ
ンガ”)、そのハンガに吊されたワークの図番(“図
番”)、そのワークに対応する製造指示番号(“指示
N")、そのワークの処理状態(正常に処理された場合は
“処理済み”と表示)等の表示が行われる。 そして、第1層コーティングを完了したワークは、以
後、ハンガ搬送レールL2に沿って搬送される。そして、
このワークは所定時間経過後に再びポイントS2に到達
し、このワークを保持するハンガのハンガ番号およびワ
ーク数が前処理工程トラッキング制御コンピュータCP11
に送られる。そして、前処理工程トラッキング制御コン
ピュータCP11によって、当該ハンガに対応するトラッキ
ング情報が参照され、第2層のコーティング処理を行う
ためのロボットパターンが第1ロボット制御装置CTL5に
送られる。そして、第1層目の場合と同様に第1ロボッ
ト制御装置によって当該ワークに対して第2層目のコー
ティング処理が行われる。 一方、ハンガ搬送レールL3は、ポイントS10において
ワークの吊されていない空きハンガが検出され、かつ、
ポイントS11に空きハンガが滞在していない場合に、分
岐点BRK3におけるハンガ搬送先がポイントS11側に切り
換えられる。このようにすることで、常にポイントS11
空きハンガが充填されるようになっている。 そして、コーティングロボット#1によって第2層目
のコーティング処理を施されたワークがポイントS11に
滞在するハンガに装着される。また、これに伴ってポイ
ントS11に停止していたハンガに対応するトラッキング
情報が作成される。このトラッキング情報には、当該ワ
ークに対して第2層目のコーティング処理が施されたこ
とを示す最終処理状態情報が記載されている。そして、
第2層目のコーティング処理を終えたワークはハンガ搬
送レールL3に沿って移動し、所定時間経過後にポイント
S4に到達する。 通常、分岐点BRK1におけるハンガ搬送先はポイント5
側になっており、ポインタS4を通過したワークはポイン
トS5に到達する。そして、ポイントS5においてハンガ番
号が読み取られている前処理工程トラッキング制御コン
ピュータCP11に送られ、前処理工程トラッキング制御コ
ンピュータCP11によって、読み取られたハンガ番号に対
応するトラッキング情報が求められる。そして、そのト
ラッキング情報および製品識別情報および最終処理状態
が参照される。そして、この場合、当該製品の第3層目
のコーティング処理を行うのに必要なロボットパターン
が第2ロボット制御装置CTL6に送られ、コーティングロ
ボット#2によってコーティング処理が行われる。そし
て、第3層目のコーティング処理を終えたワークはポイ
ントS5に滞在する元のハンガに装着され、ポイントS7に
進む。通常、分岐点BRK2の分岐先はポイントS9側になっ
ており、このワークはポイントS9を通ってポイントS10
に進む。そして、ハンガ搬送レールL3を移動し、再びポ
イントS4を介してポイントS5に到達する。そして、上述
と同様の動作により、ワークに対して第4層目のコーテ
ィング処理が行われる。以下、同様にして最終層までの
コーティング処理が行われる。 なお、コーティングロボット#2が過負荷状態であ
り、コーティングロボット#3が使用可能な場合、分岐
点BRK1のハンガ搬送先がポイントS6側に切り換えられる
ことにより、ワークを保持したハンガがポイントS6経由
でポイントS7に搬送される。そして、分岐点BRK2のハン
ガ搬送先はポイントS8側に切り換えられ、ワークがポイ
ントS8に導かれ、コーティングロボット#3によってコ
ーティング処理が行われる。 最終層のコーティング処理の完了したワークがポイン
トS5に到達すると、コーティングロボット#2は、その
ワークに対してスラリー液のみを塗布し、ターンテーブ
ルTNTに装着する。この場合、ワークが装着されるター
ンテーブルTNTにおける装着位置は、ポイントS12に設け
られたタインテーブル位置検出器によって検知され、前
処理工程トラッキング制御コンピュータCP11に送られ、
これまでと同様に、トラッキング情報が更新される。 そして、ターンテーブルTNTに装着されたワークは、
所定時間放置されてスラリー液の乾燥が行われ、その
後、コーティングロボット#2によってターンテーブル
TNTから取り外されてコンベアCVに載置され、フロアF3
へ導かれる。この時、ターンテーブルTNTから取り外し
たワークのトラッキング情報が前処理工程トラッキング
制御コンピュータCP11からネットワーク制御コンピュー
タCP01を介し、乾燥工程トラッキング制御コンピュータ
CP12に送られる。 乾燥工程トラッキング制御コンピュータCP12は、記憶
装置M12に記憶されたトラッキング情報から立体倉庫STK
における空き状態の収納エリアのアドレスを求め、該エ
リアにフロアF2から送られてきたワークを収納すべく、
コンベア制御装置CTL8および立体倉庫中継装置CTL9bに
制御情報を送る。これにより、フロアF2から送られてき
たワークが該収納エリアに入庫される。また、上述のネ
ットワーク管理コンピュータCP01から送られてきたトラ
ッキング情報から、入庫ワークの図番および製造指示番
号が求められ、これらの情報に収納エリアのアドレスお
よび入庫時刻等の情報が付加され、入庫ワークのトラッ
キング情報として記憶装置M12に記憶される。 作業進捗管理コンピュータCP02が操作されて鋳造指示
が入力されると、その鋳造指示はネットワーク制御コン
ピュータCP01を介し、鋳造・後処理工程トラッキングコ
ンピュータCD13に送られ、表示される。作業者はその鋳
造指示を確認すると、鋳造・後処理工程トラッキング制
御コンピュータCP13を操作して該当する製品の図番を入
力し、該当するワークをフロアF3の立体倉庫から出庫す
るための出庫要求を行う。この出庫要求は、ネットワー
ク管理コンピュータCP01を介して乾燥工程トラッキング
制御コンピュータCP12に送られる。 この結果、乾燥工程トラッキング制御コンピュータCP
12によって記憶装置M12に記憶された各トラッキング情
報が検索され、出庫要求と図番が一致すると共に入庫時
刻から計算して所定時間以上立体倉庫STK内で乾燥が行
われたと判断される一連のワークのトラッキング情報が
求められる。そして、それらの情報はネットワーク管理
コンピュータCP01を介して鋳造・後処理制御トラッキン
グコンピュータCP13に送られ、その表示装置に表示され
る。作業者は表示された情報の中から所望のワークの情
報を選択し、鋳造・後処理工程のトラッキング制御コン
ピュータCP13を操作して、ワークの出庫指示を行う。こ
の出庫指示が乾燥工程トラッキング制御コンピュータCP
12に送られると、立体倉庫中継装置CTL9bおよびコンベ
ア制御装置CTL8に制御情報が送られ、そのワークがスタ
ッカクレーンおよびコンベアCVによって搬送され、フロ
アF4に導かれる。ここで、出庫したワークのトラッキン
グ情報は、乾燥工程トラッキング制御コンピュータCP12
によって抹消される。 そして、ワークは作業者によって脱ろう炉R1に投入さ
れ、ワークのモールド層内のワックスが溶融する。そし
て、脱ろう炉R1からワックスの取り除かれたワークが取
り出され、焼成炉R2に投入され、焼成炉R2から鋳型が取
り出されて鋳造工程R3に送られる。そして、溶解炉R4か
ら溶融した現材料が供給され、鋳造が行われる。そし
て、作業者は鋳造作業端末CP31を操作し、指示された製
品の鋳造を実施したことを報告する。鋳造工程R3を終え
たワークは、還元コンベアR5によって搬送されてショッ
トブラスト工程R6に送られ、鋳型の粉砕・分離が行われ
る。そして、作業者はショットブラスト端末CP32を操作
し、ショットブラスト処理の実施報告を行う。ショット
ブラスト工程R6によって得られた製品は、仕上げ工程に
送られて不要な凸部等の削除が行われ、製品倉庫に入庫
される。 また、鋳造・後処理工程トラッキング制御コンピュー
タCP13では、鋳造作業端末CP31、ショットブラスト端末
PC32からの各工程の実施報告に基づいて対応するトラッ
キング情報の更新を行う。 この精密鋳造システムでは、作業進捗管理コンピュー
タCP02から、前処理トラッキング制御コンピュータCP1
1、乾燥工程トラッキング制御コンピュータCP12および
鋳造・後処理工程トラッキング制御コンピュータCP13に
対し、定期的にポーリングが行われ、作業進捗管理コン
ピュータCP02によって各工程のトラッキング情報が収集
され、記憶装置M02に記憶される。そして、例えば収集
されたトラッキング情報が同一製造指示番号毎に集計さ
れ、生産管理者によって、製造指示した製品の各工程毎
の仕掛かり状況等の確認が行われる。また、本店からこ
の生産工場に対して、製造の進捗状況の報告の要求があ
った場合、記憶装置M02に記憶されたトラッキング情報
に基づいて、上記報告する情報が作成され、ネットワー
ク管理コンピュータCP01および公衆回線Nを介し、本店
のホストコンピュータに転送される。 《保守試験》 上述したように、この精密鋳造システムでは、ワーク
の移動が行われる各拠点においてハンガ番号を読み取る
ことにより、各ワークの製品識別情報および最終処理状
態の保存が行われる。従って、ハンガ番号の読み取りが
常に正常に行われるようにする必要がある。そこで、こ
の精密鋳造システムでは、以下説明するようにしてポイ
ントS1〜S11におけるハンガ番号リーダの保守試験を行
っている。 この精密鋳造システムの場合、稼動開始時、各ハンガ
は、ポイントS1〜S11からずれた位置に停止するように
なっている。そこで、この状態において各ポイントにお
けるハンガ番号リーダの読取試験を行う。この場合、ハ
ンガ番号リーダPH1が正常であるならば、発光部から出
力される8本のビーム光がすべて受光部に到達し、8ビ
ットオール“1"の識別コードが得られる。しかし、いず
れかのビーム光の光軸が異常な向きに曲がっていたり、
あるいは受光部の表面に汚れが付着していたりすると、
8ビットオール“1"でない識別コードが得られる。従っ
て、識別コードを判定することにより、ハンガ番号リー
ダが正常であるか否かを判定することができる。 また、稼動中においても、定期的にハンガ番号リーダ
の読取試験を行う。この場合、第4図において、ハンガ
Hが到着センサSEN2によって検出されるタイミングでハ
ンガ番号の読み取りを行う。 以上の保守試験の結果、エラーがあった場合は、前処
理工程トラッキング制御コンピュータCP11の表示装置に
エラーの検出されたポイントと共にエラーメッセージが
表示される。そして、保守員は、その表示を確認し、エ
ラー箇所に赴き、ハンガ番号リーダの清掃、交換等を行
う。 「発明の効果」 以上説明したように、この発明によれば、稼動時、投
入されるワークを光学的に読取可能な識別符号の付され
た保持具によって保持して搬送し、各拠点では読取手段
によって保持具の識別符号を読み取って該保持具に保持
されたワークの製品識別および最終処理状態の識別を行
い、ワークに対して該識別結果に対応した処理を行うこ
とにより前記製品の製造を行うと共に、稼動開始時ある
いは稼動中定期的に、前記保持具を読取位置からずらし
た状態で、前記読取手段における識別符号読取動作を行
うようにしたので、読取手段の保守が行われ、仕様の異
なった多くの製品を自動的に、かつ、処理を誤ることな
く確実に生産することができるという効果が得られる。
第1図はこの発明の一実施例による精密鋳造システムの
システム構成図、第2図は同実施例による生産工場のレ
イアウト図、第3図は同実施例におけるハンガ搬送レー
ルL1およびハンガHを示す図、第4図は同実施例におけ
るハンガ番号リーダPH1,ワーク検出センサPH2a,PH2b,読
取タイミングセンサSEN1および到着センサSEN2を示す
図、第5図は同実施例における投入指示端末CP21の表示
装置の表示例を示す図、第6図は同実施例におけるワッ
クス成形工程および組立工程を説明する図、第7図は同
実施例においてコーティングロボット#1によって行わ
れる処理を説明する図、第8図は同実施例における前処
理工程トラッキング制御コンピュータCP11の表示装置の
表示例を示す図、第9図は一般的なロストワックス鋳造
の手順を説明する図である。 CP11……前処理工程トラッキング制御コンピュータ、CP
12……乾燥工程トラッキング制御コンピュータ、CP13…
…鋳造・後処理工程トラッキング制御コンピュータ、CP
21……投入指示端末、CTL1……第1ハンガ搬送制御装
置、CTL2……第2ハンガ搬送制御装置、CTL3……第3ハ
ンガ搬送制御装置、CTL4……ターンテーブル制御装置、
CTL5……第1ロボット制御装置、CTL6……第2ロボット
制御装置、CTL7……第3ロボット制御装置、CTL8……コ
ンベア制御装置、CTL9a……立体倉庫中継装置、CTL9b…
…スタッカクレーン制御装置、#1〜#3……コーティ
ングロボット。
システム構成図、第2図は同実施例による生産工場のレ
イアウト図、第3図は同実施例におけるハンガ搬送レー
ルL1およびハンガHを示す図、第4図は同実施例におけ
るハンガ番号リーダPH1,ワーク検出センサPH2a,PH2b,読
取タイミングセンサSEN1および到着センサSEN2を示す
図、第5図は同実施例における投入指示端末CP21の表示
装置の表示例を示す図、第6図は同実施例におけるワッ
クス成形工程および組立工程を説明する図、第7図は同
実施例においてコーティングロボット#1によって行わ
れる処理を説明する図、第8図は同実施例における前処
理工程トラッキング制御コンピュータCP11の表示装置の
表示例を示す図、第9図は一般的なロストワックス鋳造
の手順を説明する図である。 CP11……前処理工程トラッキング制御コンピュータ、CP
12……乾燥工程トラッキング制御コンピュータ、CP13…
…鋳造・後処理工程トラッキング制御コンピュータ、CP
21……投入指示端末、CTL1……第1ハンガ搬送制御装
置、CTL2……第2ハンガ搬送制御装置、CTL3……第3ハ
ンガ搬送制御装置、CTL4……ターンテーブル制御装置、
CTL5……第1ロボット制御装置、CTL6……第2ロボット
制御装置、CTL7……第3ロボット制御装置、CTL8……コ
ンベア制御装置、CTL9a……立体倉庫中継装置、CTL9b…
…スタッカクレーン制御装置、#1〜#3……コーティ
ングロボット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 工藤 英行 静岡県駿東郡小山町菅沼1440番地 三菱 金属株式会社静岡工場内 (72)発明者 粟屋 都雄 静岡県駿東郡小山町菅沼1440番地 三菱 金属株式会社静岡工場内 (56)参考文献 特開 平1−113165(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 47/02 B22D 47/00 B22D 46/00 B22C 25/00
Claims (1)
- 【請求項1】ワークとして投入される製品のワックス模
型に対してモールド層を積層形成し、前記モールド層を
乾燥し、前記モールド層内のワックスを溶融して鋳型を
作製し、前記鋳型に溶融した原材料を流し込んで凝固さ
せ、前記製品を製造する精密鋳造システムにおいて、 稼動時、投入されるワークを光学的に読取可能な識別符
号の付された保持具によって保持して搬送し、各拠点で
は読取手段によって保持具の識別符号を読み取って該保
持具に保持されたワークの製品識別および最終処理状態
の識別を行い、ワークに対して該識別結果に対応した処
理を行うことにより前記製品の製造を行うと共に、 稼動開始時あるいは稼動中定期的に、前記保持具を読取
位置からずらした状態で、前記読取手段における識別符
号読取動作を行うようにしたことを特徴とする精密鋳造
システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2163190A JP2841626B2 (ja) | 1990-01-31 | 1990-01-31 | 精密鋳造システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2163190A JP2841626B2 (ja) | 1990-01-31 | 1990-01-31 | 精密鋳造システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03226352A JPH03226352A (ja) | 1991-10-07 |
JP2841626B2 true JP2841626B2 (ja) | 1998-12-24 |
Family
ID=12060416
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2163190A Expired - Fee Related JP2841626B2 (ja) | 1990-01-31 | 1990-01-31 | 精密鋳造システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2841626B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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---|---|---|---|---|
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ES2654247T3 (es) * | 2001-08-06 | 2018-02-12 | Sintokogio, Ltd. | Método y sistema para monitorizar una máquina de moldeo |
CN113953505B (zh) * | 2021-09-27 | 2023-12-26 | 东风精密铸造有限公司 | 一种多钢包快速出钢双边浇注的田字型浇注线 |
CN117383129B (zh) * | 2023-10-18 | 2024-03-05 | 广东猎人谷精铸科技股份有限公司 | 一种基于物联网的自动组树设备管理系统及方法 |
-
1990
- 1990-01-31 JP JP2163190A patent/JP2841626B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03226352A (ja) | 1991-10-07 |
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