JP2840650B2 - 椅 子 - Google Patents

椅 子

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JP2840650B2
JP2840650B2 JP7294595A JP29459595A JP2840650B2 JP 2840650 B2 JP2840650 B2 JP 2840650B2 JP 7294595 A JP7294595 A JP 7294595A JP 29459595 A JP29459595 A JP 29459595A JP 2840650 B2 JP2840650 B2 JP 2840650B2
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圭祐 長町
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、劇場やコンサート
ホール等に適用されて、音響効果を高める上で有用とな
る椅子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】劇場やコンサートホール等は、周知のよ
うに、音響効果を高めるために室内空間を閉成する床、
壁、天井等に特殊な形状を付与したり、それらの素材を
厳選するなど、吸音力を高めるための様々な工夫が凝ら
されている。その一環として、近時ではこのように建築
物側にだけではなく、音響効果に大きな影響を及ぼす椅
子側にもかかる吸音力を高めるための工夫が試みられて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、現在考えら
れている椅子は、背もたれに吸音力の高い素材を用いた
り、座の底壁に一定の開口を有する穴を形成している程
度である。このため、観覧者の着席状況によって吸音力
が一定しないという不都合がある。すなわち、人間の体
は吸音体として機能するため、椅子が空席の場合と人が
着座している場合とでは前者の方が後者に比べて人を含
めた椅子全体の吸音力が遥かに高くなる。しかるに、従
来のように椅子自体の吸音力が不変であると、いかにそ
れ自体の吸音力を高めても、全体としての均質な吸音作
用にはつながらないという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明は、座に吸音空間を形成し、この吸音空
間と外部との連通度合を、座のライジング動作に連動し
てシャッターにより変化させ得るように構成して、人が
着座しているときは座の吸音機能を抑制又は停止させ、
人が着座していないときは座の吸音機能を十分に発揮さ
せるようにしたものである。そして、このようなシャッ
ターの採用により、人が着座したときに主としてその人
の営みによってもたらされる吸音力と、人が着座せず座
がライジングしているときの主として座の吸音空間の営
みによってもたらされる吸音力とを略一定に保ち、着座
状況の如何によらず全体として吸音力の変化の少ない均
質なものとすることができる。また、座に底壁の開口部
の開度を調整可能とする開口部調整機構を設けることに
より、椅子自体の吸音力を有効に所要レベルに調整する
ことができるようにしている。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、略水平となる使用位置
と略鉛直となるライジング位置との間で回動可能な座の
内部に吸音空間を形成し、その吸音空間を座の底壁に形
成した開口部を介して外部に連通させるとともに、その
開口部を開閉する位置にシャッターを配設して、このシ
ャッターをシャッター連動機構により座の回動動作に応
じて駆動し、座が使用位置にあるときにシャッターを座
の底壁の開口部を閉成する方向に移行させ、座がライジ
ング位置にあるときにシャッターを座の底壁の開口部を
開成する方向に移行させるようにしたものである。しか
してこの前記開口部調整機構を、座に設けられシャッタ
ーを、開口部を開成または閉成する方向のいずれかに付
勢する弾性体と、座に設けられ該シャッターを外部操作
により弾性体に抗して付勢する調整手段とを具備してな
るものとしている。
【0006】簡単な構成でシャッターによる座の底壁の
開口部に対する開閉状態を実現するためには、シャッタ
ーに座の底壁の開口部に重合し得る開口部を形成してお
き、このシャッターを座の底壁に対してスライド動作さ
せることにより、開口部同士の位相を変化させて、重合
位置で開口部を開成し、非重合位置で開口部を閉成する
ように構成しておくことが有効となる。勿論、シャッタ
ーの開閉動作はこのようなスライド動作によるものに限
定されるものではなく、座の底壁の開口部に対して直角
に接離動作を行うようなものや、ブラインドのルーバー
のような回動動作を行うものを適宜採用することができ
る。
【0007】シャッター連動機構の具体的な実施の形態
としては、一端を座の回動中心から偏位した位置に設定
した固定点に水平軸心回りに枢結され他端をシャッター
の一部に水平軸を介して連結されたリンクメンバを備
え、このリンクメンバの他端が固定点回りに使用位置か
らライジング位置に向かって回動する際、その他端と座
の回動中心との相対距離が次第に縮まるように設定して
おくことにより、その他端に連結されたシャッターが、
常に回動中心との相対距離を不変とする座の底壁に対し
てスライド動作を惹起するように構成してなるものが挙
げられる。
【0008】座がライジング位置にあるときの座の底壁
の開口部の開度を簡単に調整できるようにするために
は、リンクメンバの他端とシャッターの一部とを連結す
る水平軸をそのシャッターのスライド方向に伸びる長孔
内において遊動可能なものとしておき、この長孔内にお
ける水平軸の遊動位置を、前記開口部調整機構を介して
変化させ得るように構成しておくことが好ましい。
【0009】開口部の具体例としては、座の底壁の開口
部が、所定ピッチで配列された複数のスリットから成
り、シャッターの開口部が、同一ピッチで配列された略
同数のスリットからなるものが挙げられる。この他に、
両開口部を、離散位置に開口する複数の丸孔等から成る
ものにしておくこともできる。さらに、シャッター側の
開口部は単に盲蓋としておいてもよい。
【0010】上記のように構成された椅子は、座が使用
位置にあるときには、シャッターが座の底壁の開口部の
開度を減少させる方向に移行するため、これにより吸音
空間への音の入射量が低減されて、吸音空間が機能し難
い状態になる。一方、座がライジング位置にあるときに
は、シャッターが前記開口部の開度を増大させる方向に
移行するため、その際に開口部が形成されている座の底
壁が前方に向かって広く表出するように設定しておくこ
とで、吸音空間に効率よく音が入射し、吸音空間の機能
が有効に働く状態になる。したがって、本発明の椅子を
使用すれば、人が着座しているときは主としてその人が
吸音作用を営み、人が着座していないときは主として吸
音空間が吸音作用を営んで、人の着座状況の如何によら
ず全体としての吸音力が変化の極めて少ない均質なもの
となる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して
説明する。
【0012】この実施例の椅子は、図1〜図3に示すよ
うに、複数の支持体1を所要の間隔をあけて配設し、そ
れら支持体1間に座2を回動可能に架設してなるもので
ある。
【0013】支持体1は、下端部11を床面Fにボルト
等を用いて固定されたもので、その上端に肘掛け12を
形成している。各支持体1の後縁間には、背もたれ3が
図示しないブラケットを介して取着してある。
【0014】座2は、支持体1間に回動可能に架設され
る座受部4と、この座受部4の上部に配設される座本体
5と、前記座受部4の下部に配設される底壁部材6とか
ら構成される。詳述すると、座受部4は、横断面円形状
の剛性線条体を無端矩形状に連設したフレーム41と、
このフレーム41の左右両辺における対応位置をその上
縁部間において剛に支持する上向コ字形の取付金具42
と、これらの取付金具42を貫通して両端を外側方に延
出させた固定支軸43とからなり、固定支軸43の延出
端部43aを異形状に成形してある。そして、この異形
な延出端部43aを、支持体1の内面より内方に向けて
突設した上向コ字形の軸支持部13に回動不能に係合さ
せ、その位置で図示しない止着具により固定している。
なお、前記取付金具42は、固定支軸43との間に配設
した軸受42aを介して該固定支軸43の回りで円滑に
回動可能としてあり、且つ、固定支軸43との間に座受
部4を後上方に向かって回動付勢するバネ44を設けて
いる。また、取付金具42の後端部には、座2を図2に
示す使用位置または図5に示すライジング位置に固定す
るためのゴム製のストッパ45が後方に向けて突設して
ある。
【0015】座本体5は、前記フレーム41の四辺の上
面に添設される鉄板などの鋼板51と、この鋼板51の
上に貼着されるウレタン等の素材からなるクッション材
52と、このクッション材52の表面を前記鋼板41及
び前記フレーム41とともに被包する位置に張設される
表面材53とを具備してなる。
【0016】底壁部材6は、前記座受部4を前記座本体
5との間に挟み込んで目隠しするためのもので、底壁6
1と、左右の側壁62と、後壁63とを備えた偏平な枠
体状をなしている。この底壁部材6は、その側壁62の
上縁の一部に切欠き62aが設けてあり、この切欠き6
2a内に前記座受部4の固定支軸43の延出端43a及
びストッパ45を干渉しないように位置づけ、その左右
の側壁62を座本体5の左右両側面の外側に添設し、後
壁63を座本体5の背面の外側に添設して、前記取付金
具42に止着してある。
【0017】なお、前記支持体1には、座受部4が略水
平な状態にあるときにストッパ45に当接する当接面1
4と、座受部4が略鉛直な状態にあるときにストッパ4
5に当接する当接面15とがそれぞれ内方に向けて突設
してある。したがって、座2は、人が着座した際には略
水平な使用位置に回動してストッパ45及び当接面14
を介して支持体1に安定保持され、人が退席した際には
バネ44により略鉛直なライジング位置にまで回動して
ストッパ45及び当接面15を介して支持体1に安定保
持される。また、前記底壁部材6の底壁61は、座2が
ライジング位置にあるときに鉛直姿勢をとるように設定
されている。
【0018】このような構成からなる椅子において、本
実施例は、座2の内部に吸音空間Sを形成するととも
に、この吸音空間Sを、座2の底壁61に形成した開口
部64と、その開口部64を閉成し得る位置に配設した
シャッター7と、このシャッター7を座2の回動動作に
関連づけて移動させるシャッター連動機構8とによって
開閉するようにしている。
【0019】吸音空間Sは、主として底壁部材6の底壁
61、側壁62及び後壁63、座受部4のフレーム41
の前辺、並びに、座本体5の鋼板51によって包囲され
る位置に形成されるもので、吸音効果を高めるためにウ
レタン等の吸音材54が充填してある。具体的には、こ
の吸音材54は、鋼板51の下面に貼着されたもので、
装着位置で前記吸音空間S内のほぼ全域に亘って密実に
充填されるようになっている。なお、この吸音材54に
は、装着位置で前記固定支軸43及び後述するリンクメ
ンバ81との干渉を避けるための凹部54a、54bが
設けてある。かかる吸音空間Sの吸音力は、一般的体格
の人が吸音体として機能するときの吸音力に略等しい
か、若しくは若干大きくなるように設定してある。
【0020】開口部64は、前記底壁部材6の底壁61
に2列に所定ピッチで前後方向に配列した複数のスリッ
ト64aからなるもので、これらのスリット64aを介
して前記吸音空間Sを外部に連通させている。
【0021】シャッター7は、前記底壁部材6と前記吸
音空間Sとの間に配設された板状のもので、具体的に
は、底壁部材6の底壁61の上面に左右一対に突設した
断面逆L字形の係合片にその左右両側縁を係合させて、
底壁61に対して前後方向へスライド可能に係合保持さ
れている。このシャッター7には、前記底壁61の開口
部64のスリット64aと同一ピッチで2列に配列され
た略同数のスリット71aからなる開口部71が設けて
あり、前記スリット64aに対してこれらのスリット7
1aの位相が変化すると、それらの重合位置でスリット
64aがスリット71aを介して開成し、非重合位置で
スリット64aがシャッター7の肉厚部によって閉成さ
れるようになっている。
【0022】シャッター連動機構8は、前記固定支軸4
3と前記シャッター7との間に配設したリンクメンバ8
1を主体として構成される。具体的に説明すると、固定
支軸43の幅方向中央位置には、前下方に向けて固定ブ
ラケット82が一体突設してあり、この固定ブラケット
82の先端を、座2の回動中心mから偏位した位置にあ
って移動し得ない固定点82aとしている。また、前記
シャッター7の上面における幅方向中央位置には、上方
に向けて可動ブラケット83が一体突設してある。そし
て、所要長さを有した前記リンクメンバ81の一端81
aを前記固定点82aに水平軸心O回りに枢結し、他端
81bを前記シャッター7の可動ブラケット83に設け
た長孔83aに水平軸pを介して連結している。つま
り、座2全体を固定支軸43の回動中心m回りに図2に
示す使用位置から図5に示すライジング位置に向かって
回動させ、リンクメンバ81の他端81bを座2の底壁
61からの反力によりシャッター7を介して回動方向に
付勢した場合に、このリンクメンバ81の回動動作は前
述したように前記固定支軸43に対して前下方へ偏位し
た位置に設定した前記固定点82aの水平軸心Oを回動
中心として惹起されるため、回動に伴ってその他端81
bと座2の回動中心mとの相対距離が次第に縮まってい
く。このため、かかる回動動作につれて、その他端81
bに水平軸pを介して連結されたシャッター7が、常に
回動中心mとの相対距離を不変とする座2の底壁61に
対して、図5に矢印で示すように次第に座2の後方に向
かってスライド動作を惹起することとなる。
【0023】さらに、本実施例は、座2がライジング位
置にあるときのその底壁61の開口部64の開度を調整
可能とするために、弾性体たる引っ張りバネ91と、調
整手段たる調整つまみ92とからなる開口部調整機構9
を設けている。詳述すると、この開口部調整機構9を構
成するにあたり、前記リンクメンバ81の他端81bと
シャッター7の可動ブラケット83とを連結する水平軸
pが前述した長孔83a内で遊動可能なものとしてあ
る。そして、この長孔83a内における水平軸pの遊動
位置を、図4に示すようにシャッター7の後端部と底壁
部材6の後壁63との間に介設した引っ張りバネ91に
よって座2の後方に付勢し、前記底壁部材6の底壁61
に外部から螺入し先端にテーパ面92aを形成した調整
つまみ92のその螺入位置に応じて当該テーパ面92a
によって前記シャッター7の後端部を引っ張りバネ91
に抗して座2の前方に付勢し得るようにしている。つま
り、調整つまみ92の螺入位置が浅い場合は、シャッタ
ー7は常に可動ブラケット83の長孔83aの前端にお
いて水平軸pと係合し、その状態で座2の使用位置から
ライジング位置に向かってリンクメンバ81により後方
へのスライド動作が惹起されるが、調整つまみ92の螺
入位置が深いと、座2が完全なライジング位置に達する
手前でシャッター7の後部が調整つまみ92に当接し、
それ以降はシャッター7をリンクメンバ81の回動に連
動させず、水平軸pを可動ブラケット83の長孔83a
内において単に遊動させながらその時の底壁61に対す
る相対位置を維持するようにしている。換言すれば、座
2がライジング位置に達した状態で、調整つまみ92の
螺入位置を調整した場合に、長孔83a内において水平
軸pが遊動し得る範囲内で、シャッター7を底壁61に
対して座2の前後方向にスライド移動させ、これにより
底壁61の開口部64を構成するスリット64aに対し
て該シャッター7の開口部71を構成するスリット71
aの位相を変化させ得るようにしている。
【0024】このような構成からなる椅子は、座2が図
2に示す使用位置にあるときには、シャッター7がその
スリット71aと座2の底壁61に開口するスリット6
4aとが非重合となる方向へ移行し、スリット64aの
集合からなる開口部64の開度を減少させるため、吸音
空間Sへの音の入射量が低減されて、吸音空間Sが機能
し難い状態になる。また、座2が図5に示すライジング
位置にあるときには、シャッター7がそのスリット71
aと座2の底壁61のスリット64aとが重合する方向
へ移行し、前記開口部64の開度を増大させるととも
に、このライジング位置において開口部64が形成され
ている座2の底壁61が前方に向かって最も広く表出す
るように設定しているため、吸音空間Sに効率よく音が
入射して、吸音空間Sの機能が有効に働く状態となる。
したがって、本実施例の椅子を使用すれば、人が着座し
ているときに主としてその人の営みによってもたらされ
る椅子全体の吸音作用と、人が着座していないときに主
として吸音空間Sの営みによってもたらされる吸音作用
とが、全体としての吸音力を人の着座状況の如何によら
ず変化の極めて少ない均質なものとすることになる。し
たがって、この椅子を劇場やコンサートホール等に適用
した場合に、室内空間の音響効果を飛躍的に高める上で
極めて有用なものとなり得る。
【0025】以上のような基本的な作用効果に加えて、
本実施例では、シャッター7によって座2の底壁61の
開口部64の開閉状態を実現するにあたり、シャッター
7にも同様の開口部71を形成して、このシャッター7
を座2の底壁61に対してスライド動作させ、開口部6
4、71同士の位相を変化させることにより行うように
しているので、シャッター7の挙動を滑らかで安定した
摺動動作とすることができ、構造も簡略なものとするこ
とができる。
【0026】また、シャッター連動機構8を、一端81
aを座2の回動中心から偏位した固定点82aに枢結し
たリンクメンバ81を主体として構成し、このリンクメ
ンバ81の他端81bをシャッター7に連結するだけで
構成しているため、部品点数が少なく構造が簡略なもの
となり、且つ安定した作動と高い耐久性を確保すること
ができる。
【0027】さらに、座2がライジング位置にあるとき
に前記シャッター7の位置を外部操作可能な調整つまみ
92を通じて調整可能とする開口部調整機構9を設けて
いるため、劇場やコンサートホール等に施工する際や、
施工後において、開口部調整機構9の調整つまみ92を
回転操作するだけで吸音空間Sへの音の入射量、したが
って椅子自体の吸音力を簡単かつ有効に所要レベルに微
調整することが可能となる。
【0028】さらにまた、座2の底壁61の開口部64
を、所定ピッチで配列した複数のスリット64aの集合
体とし、シャッター7の開口部71を、同一ピッチで配
列した略同数のスリット71aの集合体としたため、設
計段階でスリット64a、71aの開口位置や数、大き
さ等を通じて吸音力の設定、修正をすることが容易とな
る。
【0029】なお、各部の具体的な構成は、上述した実
施形態のみに限定されるものではない。例えば、開口部
はスリットを配列して構成されるものに限らず、離散箇
所に開口する複数の丸孔等から成るものにしてもよい。
この場合には、シャッターは盲蓋とし、その開閉動作は
スライド動作よりもむしろ座の底壁の開口部に対して直
角に接離動作を行うようにすることが有効となる。ま
た、他の開口部として、ブラインドのルーバーのように
回動動作によって開閉動作を実現するようなものも採用
可能である。さらに、吸音空間は所定の吸音力が発揮さ
れるものであれば具体的な構造は問わず、例えば前記実
施例に即して言えば座本体の下面に凹所を設けて内容積
を拡張するような構造のものも有効である。また、吸音
空間は、吸音力が十分であれば前記実施例のように内部
に吸音材を充填せず、中空としておいてもよい。このよ
うな具体的な構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で
種々変形が可能である。
【0030】
【発明の効果】本発明は、以上説明した形態で実施さ
れ、以下に記載されるような効果を奏する。
【0031】先ず、略水平となる使用位置と略鉛直とな
ライジング位置との間で回動可能な座の内部に吸音空
間を形成し、その吸音空間を座の底壁に形成した開口部
を介して外部に連通させるとともに、その開口部を開閉
する位置にシャッターを配設して、このシャッターをシ
ャッター連動機構により座の回動動作に応じて駆動し、
座が使用位置にあるときにシャッターを座の開口部を閉
成する方向に移行させ、座がライジング位置にあるとき
にシャッターを座の開口部を開成する方向に移行させる
ようにしたので、人が着座しているときは主としてその
人が吸音作用を営み、人が着座していないときは主とし
て吸音空間が吸音作用を営んで、人の着座状況の如何に
よらず全体としての吸音力が変化の極めて少ない均質な
ものとすることができる。そのため、劇場やコンサート
ホール等に適用して、室内空間の音響効果を飛躍的に高
める上で極めて有用なものとなる。また、座に底壁の開
口部の開度を調整可能とする開口部調整機構を設けてい
るので、椅子自体の吸音力を有効に所要レベルに調整す
ることができる。
【0032】また、シャッターによって座の底壁の開口
部の開閉状態を実現するにあたり、シャッターにも同様
の開口部を形成して、このシャッターを座の底壁に対し
てスライド動作させ、開口部同士の位相を変化させるこ
とにより行うようにした場合には、シャッターの挙動を
滑らかで安定した信頼性の高いものとすることができ、
構造も簡略なものとすることができる。
【0033】さらに、シャッター連動機構を、一端を座
の回動中心から偏位した固定点に枢結したリンクメンバ
を主体として構成し、このリンクメンバの他端をシャッ
ターに連結するだけで構成した場合には、部品点数の少
ない構造簡略なものとすることができ、且つ安定した作
動と高い耐久性を確保することができる。
【0034】また、座がライジング位置にあるときにシ
ャッターの位置を外部操作可能な調整つまみを通じて調
整可能とする開口部調整機構を設けた場合には、劇場や
コンサートホール等に施工する際や、施工後において、
開口部調整機構の調整つまみを回転操作するだけで吸音
空間への音の入射量、したがって椅子自体の吸音力を簡
単かつ有効に微調整することが可能となる。
【0035】さらにまた、座の底壁の開口部を、所定ピ
ッチで配列した複数のスリットの集合体とし、シャッタ
ーの開口部を、同一ピッチで配列した略同数のスリット
の集合体とした場合には、設計段階でスリットの開口位
置や数、大きさ等を通じて吸音力の設定、修正をするこ
とが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る椅子を示す正面図。
【図2】図1におけるII-II 線断面図。
【図3】同実施例の椅子の要部分解斜視図。
【図4】同実施例の開口部調整機構を示す要部拡大断面
図。
【図5】同実施例の椅子をライジング位置において示す
図2に対応した断面図。
【符号の説明】
m…回動中心 O…水平軸心 p…水平軸 S…吸音空間 2…座 7…シャッター 8…シャッター連動機構 61…底壁 64…開口部 64a…スリット 71…開口部 71a…スリット 81…リンクメンバ 81a…一端 81b…他端 82a…固定点 83a…長孔 91…弾性体(引っ張りバネ) 92…調整手段(調整つまみ)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に吸音空間を有し略水平となる使用位
    置と略鉛直となるライジング位置との間で回動可能な座
    と、この座の底壁に形成され前記吸音空間を外部に連通
    させる開口部と、その開口部を開閉する位置に配設され
    るシャッターと、このシャッターの開閉動作を前記座の
    回動動作に関連づけるシャッター連動機構と、座がライ
    ジング位置にあるときの前記底壁の開口部の開度を調整
    可能とする開口部調整機構とを具備してなり、このシャ
    ッター連動機構が、座が使用位置にあるときにシャッタ
    ーが座の開口部を閉成する方向に移行し、座がライジン
    グ位置にあるときにシャッターが座の開口部を開成する
    方向に移行し得るように構成されたものであるととも
    に、前記開口部調整機構が、座に設けられシャッター
    を、開口部を開成または閉成する方向のいずれかに付勢
    する弾性体と、座に設けられ該シャッターを外部操作に
    より弾性体に抗して付勢する調整手段とを具備してなる
    ものであることを特徴とする椅子。
  2. 【請求項2】シャッターが座の底壁の開口部に重合し得
    る開口部を有したものであり、このシャッターが座の底
    壁に対してスライド動作を行うことにより、開口部同士
    の位相を変化させて、重合位置で座の底壁の開口部を開
    成し、非重合位置でその開口部を閉成するように構成し
    てなることを特徴とする請求項1記載の椅子。
  3. 【請求項3】シャッター連動機構が、一端を座の回動中
    心から偏位した位置に設定した固定点に水平軸心回りに
    枢結され他端をシャッターの一部に水平軸を介して連結
    されたリンクメンバを具備してなるものであり、このリ
    ンクメンバの他端が固定点回りに使用位置からライジン
    グ位置に向かって回動する際、その他端と座の回動中心
    との相対距離が次第に縮まるように設定しておくことに
    より、その他端に連結されたシャッターが、常に回動中
    心との相対距離を不変とする座の底壁に対してスライド
    動作を惹起するように構成してなることを特徴とする請
    求項2記載の椅子。
  4. 【請求項4】リンクメンバの他端とシャッターの一部と
    を連結する水平軸が該シャッターのスライド方向に伸び
    る長孔内で遊動可能なものであり、この長孔内における
    水平軸の遊動位置を、前記開口部調整機構を介して変化
    させ得るように構成してなることを特徴とする請求項3
    記載の椅子。
  5. 【請求項5】座の底壁の開口部が、所定ピッチで配列さ
    れた複数のスリットから成り、シャッターの開口部が、
    同一ピッチで配列された略同数のスリットからなること
    を特徴とする請求項1、2、3又は4記載の椅子。
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