JP2839647B2 - エンジンのカムシャフト支持装置 - Google Patents

エンジンのカムシャフト支持装置

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JP2839647B2 JP2136685A JP13668590A JP2839647B2 JP 2839647 B2 JP2839647 B2 JP 2839647B2 JP 2136685 A JP2136685 A JP 2136685A JP 13668590 A JP13668590 A JP 13668590A JP 2839647 B2 JP2839647 B2 JP 2839647B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、エンジンのカムシャフト支持装置に関する
ものである。
[従来の技術] 吸気弁用カムシャフトと排気弁用カムシャフトとがシ
リンダヘッド上に並列配置されるDOHCエンジンは一般に
知られている(例えば、実開昭61−171807号公報参
照)。
例えば、第7図に示すように、従来の吸気2弁・排気
2弁式DOHCエンジンのスイングアームタイプのカムシャ
フト支持構造においては、シリンダヘッド101の長手方
向(第7図では左右方向)にみて、吸気弁側の軸受部10
2が、2つの吸気弁用HLAボス103の間、すなわち2つの
吸気弁用バルブガイド104の間に配置され、この軸受部1
02と、該軸受部102の上面にボルト締結されるキャップ
(図示せず)とによって吸気弁用カムシャフト(図示せ
ず)が回転自在に支持されるようになっている。同様
に、排気弁側の軸受部105が、2つの排気弁用HLAボス部
106の間、すなわち2つの排気弁用バルブガイド107の間
に配置されている。
また、第8図に示すように、従来の吸気2弁・排気2
弁式エンジンのダイレクトタイプのカムシャフト支持構
造においても、シリンダヘッド108の長手方向(第8図
では左右方向)にみて、吸気弁用軸受部109が、2つの
吸気弁用HLAボス部110の間に配置され、排気弁用軸受部
111が2つの排気弁用HLAボス部112の間に配置されてい
る。
そして、上記従来のカムシャフト支持構造において
は、一般に、カムシャフトと軸受部との間の摺動抵抗を
低減するために、軸受部の軸線方向の厚みが下部で絞ら
れている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来の軸受部においては、軸受部
に供給されるオイルが、軸受部の摺接面の一部にしか行
き渡らず、十分なオイルフィルムが形成されないので、
摺動抵抗がそれほど低減されないといった問題がある。
かつ、軸受部の軸線方向の厚みを絞っているため、カム
シャフト高回転時にはPV値が高くなり、軸受部の信頼性
が低下するといった問題がある。
また、極低温下でのエンジン始動運転時にはオイルの
潤滑性能が大幅に低下するため、これを見越してカムシ
ャフトと軸受部との間のクリアランスを大きく設定する
必要がある。このため、高回転時にはカムシャフト支持
剛性が低下し、動弁系に異常挙動が発生する場合がある
といった問題がある。
さらに、カムシャフトに曲げ方向の荷重がかかった場
合、カムシャフトには軸受部のほぼ中央部で半径方向に
出っ張るような曲げ変形が生じ、この出っ張り部分が軸
受部の中央部に強く当接するといった、いわゆる片当た
りが発生し、片当たりが発生する部分では軸受部に焼き
付きが生じる場合があるといった問題がある。
これらの問題に対して、軸受部へのオイル供給量を多
くして摺動抵抗の低減を図るといった対応が考えられる
が、このようにするとオイル供給系統が大型化し、エン
ジンのサイズアップを招くといった問題がある。
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであ
って、DOHCエンジンにおいて、軸受部のカムシャフト支
持剛性を高めつつ、カムシャフトと軸受部との間の摺動
抵抗を低減することができ、かつカムシャフトの軸受部
への片当たりの発生を防止することができるエンジンの
カムシャフト支持装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達するため、請求項1の発明は、2つの
カムシャフトを回転自在に支持する複数の軸受部が一体
形成されたカムキャリアをシリンダヘッドに取付けたエ
ンジンのカムシャフト支持装置であって、各軸受部の下
部に軸受部軸線方向と直交する方向に伸びるスリットを
設けたことを特徴とするエンジンのカムシャフト支持装
置を提供する。
また、請求項2の発明は、上記エンジンのカムシャフ
ト支持装置において、駆動する動弁の数が多い方のカム
シャフトを支持する軸受部に対してスリットの溝幅を狭
く設定する一方、駆動する動弁の数が少ない方のカムシ
ャフトを支持する軸受部に対してスリットの溝幅を広く
設定したことを特徴とするエンジンのカムシャフト支持
装置を提供する。
[発明の作用・効果] 請求項1の発明によれば、カムキャリアと一体形成さ
れた各軸受部にスリットが形成されるので、軸受部の軸
線方向の幅が比較的小さくなり、かつ上記幅が軸受部円
周方向ほぼ均一となるので、軸受部にオイルが行き渡り
やすくなり、軸受部の摺動面のほぼ全域にオイルフィル
ムを形成することができる。したがって、軸受部の潤滑
性能が高められる。また、軸受部のカムシャフトとの摺
接面積が小さくなるので、カムキャリアの全体剛性を確
保しつつ、摺動抵抗を低減することができる。このた
め、カムシャフトと軸受部とのクリアランスを小さく設
定することができ、軸受部のカムシャフト支持剛性を高
めることができる。
また、前記したように、カムシャフトにかかる曲げ方
向の荷重によって、カムシャフトに軸受部のほぼ中央部
で出っ張るような曲げ変形が生じても、上記出っ張り部
がスリットにはまるため、出っ張り部が軸受部に当接し
ない。このため、カムキャリアの全体剛性を確保しつ
つ、カムシャフトの片当たりを防止することができ、片
当たりに起因する軸受部の焼き付きを防止することがで
きる。
さらに、軸受部のオイルの剪断応力が小さくなるの
で、オイルの温度上昇を抑制することができる。
請求項2の発明によれば、まずもって請求項1の発明
と同様の作用・効果が得られる。
さらに、駆動する動弁の数が多く、したがって荷重が
大きい方のカムシャフトを支持する軸受部では、スリッ
トの溝幅を狭くしているので、摺動抵抗を低減しつつカ
ムシャフト支持剛性を十分に高めることができる。一
方、駆動する動弁の数が少なく、したがって荷重が小さ
い方のカムシャフトを支持する軸受部では、スリットの
溝幅を広くしているので、必要なカムシャフト支持剛性
を確保しつつ、摺動抵抗を大幅に低減することができ
る。
[実施例] 以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
第4図に示すように、吸気3弁・排気2弁式DOHCエン
ジンENは、第1〜第3吸気弁1〜3が開かれたときに、
夫々第1〜第3吸気ポート4〜6から燃焼室7内に混合
気を吸入し、この混合気をピストン(図示せず)で圧縮
して点火プラグ8で着火・燃焼させ、第1,第2排気弁9,
10が開かれたときに燃焼ガスを第1,第2排気ポート11,1
2に排出するようになっている。
上記第1吸気弁1には、第1吸気ポート4を開閉する
弁体13と、該弁体13を支持するバルブステム14と、該バ
ルブステム14を軸線方向に摺動自在に支持するバルブガ
イド15と、バルブステム14とバルブガイド15とのクリア
ランス部をシールするバルブステムシール16と、コッタ
17を介してバルブステム14の上端部に連結されるアッパ
シート18と、アッパシート18を介してバルブステム14を
常時閉弁方向(上向き)に付勢するバルブスプリング19
とが設けられている。そして、バルブステム14の上端部
は、スイングアーム21を介して吸気弁用カム22と係合
し、第1吸気弁1は吸気弁用カム22によって所定のタイ
ミングで開閉されるようになっている。ここで、スイン
グアーム21は吸気弁用HLA23(ハイドロ・ラッシュ・ア
ジャスタ)に連結されている。この吸気弁用HLA23は、
シリンダヘッドH内に形成された吸気弁側第1HLAオイル
供給通路24を通して供給されるオイルの圧力によって、
プランジャ25を介してスイングアーム21と係合し、バル
ブステム14とスイングアーム21との間にクリアランスが
生じるのを防止するようになっている。なお、図示して
いないが、第2,第3吸気弁2,3も、実質的に第1吸気弁
1と同一の構成となっている。
第1吸気弁1と同様に、第1排気弁9にも、弁体26
と、バルブステム27と、バルブガイド28と、バルブステ
ムシール29と、コッタ30と、アッパシート31と、バルブ
スプリング32とが設けられている。また、バルブステム
27の上端部は、スイングアーム24を介して排気弁用カム
35と係合し、第1排気弁9は排気弁用カム35によって所
定のタイミングで開閉されるようになっている。なお、
スイングアーム34はプランジャ38を備えた排気弁用HLA3
6に連結され、この排気弁用HLA36に、排気弁側HLAオイ
ル供給通路37を通してオイルが供給されるようになって
いる。図示していないが、第2排気弁10も実質的に第1
排気弁9と同一の構成となっている。
複数の吸気弁用カム22(1つのみ図示)は吸気弁用カ
ムシャフト41に取り付けられ、吸気弁用カムシャフト41
は、シリンダヘッドHの上面に取り付けられた、後で説
明するカムキャリア43とカバー部材44(第5図参照)と
によって回転自在に支持されている。また、複数の排気
弁用カム35(1つのみ図示)は排気弁用カムシャフト45
に取り付けられ、排気弁用カムシャフト45は、カムキャ
リア43とカバー部材44(第5図参照)とによって回転自
在に支持されている。
以下、両カムシャフト41,45の駆動機構について説明
する。
第5図に示すように、吸気弁用カムシャフト41は、シ
リンダヘッドHの長手方向(第5図では左右方向)に伸
長して配置され、カムキャリア43に形成された複数の吸
気弁側軸受部46(1つのみ図示)と、カバー部材44に形
成された吸気弁側端部軸受部47とによって回転自在に支
持されている。一方、排気弁用カムシャフト45は、シリ
ンダヘッドH上で吸気弁用カムシャフト41と平行に配置
され、カムキャリア43に形成された複数の排気弁側軸受
部48(1つのみ図示)と、カバー部材44に形成された排
気弁側端部軸受部49とによって回転自在に支持されてい
る。
そして、吸気弁用カムシャフト41のフロント端部(第
5図では左側端部)には、取付ボルト51を用いてタイミ
ングプーリ52が取り付けられ、このタイミングプーリ52
とクランクプーリ(図示せず)との間にはタイミングベ
ルト(図示せず)が巻きかけられ、吸気弁用カムシャフ
ト41がクランク軸(図示せず)によって直接的に、エン
ジン回転数の1/2の回転数で同期回転駆動されるように
なっている。なお、タイミングプーリ52をカバーするた
めにプーリカバー53が設けられている。
タイミングプーリ52よりややリヤ側(第5図では右
側)において、吸気弁用カムシャフト41には吸気弁側カ
ム間ギヤ54が設けられている。一方、排気弁用カムシャ
フト45には、吸気弁側カム間ギヤ54と噛み合う排気弁側
カム間ギヤ55が設けられている。ここにおいて、両カム
間ギヤ54,55は、後で説明するように、カバー部材44
と、カムキャリア43のフロント端部にこれと一体形成さ
れたギヤカバー部57と、シリンダヘッドHの上部に形成
された溝部58(第6図参照)とによって画成されるカム
間ギヤ収容部59内に配置されている。そして、排気弁用
カムシャフト45は、両カム間ギヤ54,55を介して吸気弁
用カムシャフト41によって回転駆動されるようになって
いる。なお、バックラッシュを防止するために、排気弁
用カムシャフト45にはフリクションギヤ61が設けられて
いる。
吸気弁用カムシャフト41は、カム間ギヤ収容部59内の
ギヤ支持部62では、これよりフロント側の部分よりも径
が大きく設定されている。このため、ギヤ支持部62のフ
ロント端面が、カバー部材44のリヤ側広がり面に摺接
し、これによって吸気弁用カムシャフト41のフロント方
向への変位が規制されるようになっている。つまり、カ
バー部材44のリヤ側広がり面のギヤ支持部62との摺接部
が、吸気弁側フロントスラスト受部63を形成している。
また、ギヤ支持部62のすぐリヤ側には、ギヤ支持部62よ
りやや大径の吸気弁側スラストプレート64が設けられ、
この吸気弁側スラストプレート64のリヤ端面は、ギヤカ
バー部47(カムキャリア43)のフロント側広がり面に摺
接し、これによって吸気弁用カムシャフト41のリヤ方向
への変位が規制されるようになっている。つまり、ギヤ
カバー部57のフロント側広がり面の吸気弁側スラストプ
レート64との摺接部が、吸気弁側リヤスラスト受部65を
形成している。そして、この吸気弁側リヤスラスト受部
65のすぐリヤ側にこれと隣接して吸気弁側軸受部46が設
けられている。換言すれば、上記吸気弁側軸受部46のフ
ロント端面が吸気弁側リヤスラスト受部65を形成してい
る。
排気弁側カム間ギヤ55のすぐフロント側において、排
気弁用カムシャフト45にロックナット66が取り付けら
れ、このロックナット66のフロント端面は、カバー部材
44に取り付けられたスラストワッシャ67のリヤ端面と摺
接し、これによって排気弁用カムシャフト45のフロント
方向への変位が規制されるようになっている。つまり、
スラストワッシャ67は排気弁用カムシャフト45のフロン
ト方向へのスラスト受部として機能している。また、吸
気弁用カムシャフト41と同様に、排気弁用カムシャフト
45も排気弁側スラストプレート68が設けられ、排気弁用
カムシャフト45のリヤ方向への変位が規制されるように
なっており、ギヤカバー部57のフロント側広がり面の排
気弁側スラストプレート68との摺接部が、排気弁側リヤ
スラスト受部69を形成している。
なお、排気弁用カムシャフト45の前方においてカバー
部材44に、めねじが切られた中空部70が形成されたブラ
インドプラグボス部71が設けられ、中空部70にはブライ
ンドプラグ72がねじ込まれている。
以下、上記カムシャフト駆動機構を支持するカムキャ
リア43とカバー部材44の構造について説明する。
第6図に示すように、シリンダヘッドHの上面には、
カム間ギヤ54,55(第5図参照)の下部を収容する溝部5
8が設けられている。また、各気筒毎に、第1,第2吸気
弁用HLAボス部74,75、第3吸気弁用HLAボス部76、第1,
第2排気弁用HLAボス部77,78、プラグホール79、第1〜
第3吸気弁用バルムステムホール80〜82、第1,第2排気
弁用バルブステムホール83,84、カムキャリア43をシリ
ンダヘッドHに取り付けるためのカムキャリア用ボルト
穴85、カバー部材44をシリンダヘッドHに取り付けるた
めのカバー部材用ボルト穴86、シリンダヘッドHをシリ
ンダブロック(図示せず)に取り付けるためのヘッドボ
ルト穴87等が形成されている。
前記したとおり、シリンダヘッドHの上面には、カム
キャリア43とカバー部材44とが取り付けられている。そ
して、カムキャリア43には、複数の吸気弁側軸受部46と
排気弁側軸受部48とが一体形成されている。ここで、吸
気弁側軸受部46と排気弁側軸受部48とは、夫々、シリン
ダヘッド長手方向にみて、第1気筒#1よりややフロン
ト側となる位置と、第1気筒#1と第2気筒#2の中間
位置と、第2気筒#2と第3気筒#3の中間位置と、第
3気筒#3よりややリヤ側となる位置とに配置されてい
る。
第1図〜第3図に示すように、カムキャリア43の前端
部には、両カム間ギヤ54,55(第5図参照)をカバーす
るためのギヤケース部57が形成されている。そして、ギ
ヤケース部57のフロント側にはこれと隣接して、カム間
ギヤ54,55(第5図参照)をカバーするとともに、両カ
ムシャフト41,45(第5図参照)のフロント端部を支持
するカバー部材44が配置されている。このカバー部材44
のリヤ端部は、ギヤケース部57と対応する形状に形成さ
れ、カバー部材44とギヤケース部57(カムキャリア43)
とは、周縁部近傍でシリンダヘッド長手方向にボルト締
結されている。ここにおいて、カバー部材44とギヤケー
ス部57と溝部58(第6図参照)とによってカム間ギヤ収
容部59が形成され、このカム間ギヤ収容部59内にカム間
ギヤ54,55(第5図参照)が収容されるようになってい
る。
ところで、カムキャリア43の長手方向(第1図〜第3
図では左右方向)にみて、各吸気弁側軸受部46の中央部
において、吸気弁側軸受部46の下部には溝幅が比較的狭
く設定された吸気弁側スリット90が形成されている。こ
のように、吸気弁側スリット90が形成されているので、
吸気弁側軸受部46の摺接面積を低減することができ、摺
動抵抗を低減することができる。また、前記したよう
に、吸気弁側軸受部46の摺動面のほぼ全域にオイルフィ
ルムを形成することができるので、潤滑性能を高めるこ
とができる。なお、潤滑性能が高められるので、吸気弁
用カムシャフト41(第5図参照)と吸気弁側軸受部46と
の間のクリアランスが比較的小さく設定されている。
前記したとおり、吸気弁用カムシャフト41(第5図参
照)は、吸気弁側軸受部46の中央部でカムシャフト半径
方向に最も出っ張るような曲げ変形が生じるが、この出
っ張り部は吸気弁側スリット90にはまるので、出っ張り
部と吸気弁側軸受部46とが当接しない。このため、吸気
弁用カムシャフト41と吸気弁側軸受部46との片当たりが
発生せず、片当たりに起因する焼き付きの発生を防止す
ることができる。
また、前記したように、シリンダヘッド長手方向にみ
て、吸気弁側軸受部46が、第1気筒#1(第6図参照)
のフロント側、各気筒間(ボア間)、あるいは第3気筒
#3(第6図参照)のリヤ側に配置されているので、吸
気弁側軸受部46から流出するオイルが動弁機構に当たら
ずにシリンダヘッドH(第6図参照)上に流下する。こ
のため、オイルミストの発生を防止することができる。
なお、このようにシリンダヘッドH(第6図参照)上に
流下するオイルを、さらに動弁機構の潤滑に利用するよ
うにすれば、動弁機構の潤滑性を高めることができるの
で、動弁機構に、高い潤滑性能が要求される新素材(ア
ルミ、チタン、セラミック等)を容易に利用することが
できるようになり、またナトリウム封入バルブの採用も
容易となる。
ここで、吸気弁側カムシャフト41は、排気弁側カムシ
ャフト45より多くの動弁を駆動するので、吸気弁側カム
シャフト41には大きな荷重がかかる。このため、吸気用
カムシャフト41の支持剛性を高める必要があるので、吸
気弁側スリット90の溝幅を比較的狭く設定し、吸気弁用
カムシャフト41の支持剛性を高めつつ摺動抵抗の低減を
図るようにしている。
一方、カムキャリア43の長手方向にみて、各排気弁側
軸受部48の中央部において、排気弁側軸受部48の下部に
は溝幅が比較的広く設定された排気弁側スリット91が形
成されている。このように、排気弁側スリット91の溝幅
が広く設定されているので、排気弁用カムシャフト45と
排気弁側軸受部48との摺動抵抗を大幅に低減することが
できる。なお、排気弁用カムシャフト45は、駆動する動
弁の数が少ないので、排気弁側スリット91の溝幅を広く
しても、排気弁用カムシャフト45の支持剛性は十分に確
保される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明にかかるカムシャフト支持装置に設け
られる、カムキャリアとカバー部材の吸気弁側の縦断面
説明図であり、第2図のA−A断面を示している。 第2図は、第1図に示すカムキャリアとカバー部材の平
面説明図である。 第3図は、第2図に示すカムキャリアとカバー部材のC
−C線断面説明図である。 第4図は、本発明にかかるカムシャフト支持装置を備え
たDOHCエンジンの縦断面説明図である。 第5図は、第4図に示すエンジンのB−B線断面説明図
である。 第6図は、第4図に示すエンジンのシリンダヘッドの平
面説明図である。 第7図は、スイングアームタイプのカムシャフト支持装
置を備えた、従来のDOHCエンジンのシリンダヘッドの平
面説明図である。 第8図は、ダイレクトタイプのカムシャフト支持装置を
備えた、従来のDOHCエンジンのシリンダヘッドの平面説
明図である。 EN……エンジン、H……シリンダヘッド、1〜3……第
1〜第3吸気弁、9,10……第1,第2排気弁、41……吸気
弁用カムシャフト、43……カムキャリア、44……カバー
部材、45……排気弁用カムシャフト、46……吸気弁側軸
受部、47……吸気弁側端部軸受部、48……排気弁側軸受
部、49……排気弁側端部軸受部、57……ギヤカバー部、
90……吸気弁側スリット、91……排気弁側スリット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01L 1/04 F01M 9/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つのカムシャフトを回転自在に支持する
    複数の軸受部が一体形成されたカムキャリアをシリンダ
    ヘッド上に取付けたエンジンのカムシャフト支持装置で
    あって、 各軸受部の下部に軸受部軸線方向と直交する方向に伸び
    るスリットを設けたことを特徴とするエンジンのカムシ
    ャフト支持装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載されたエンジンのカムシャ
    フト支持装置において、 駆動する動弁の数が多い方のカムシャフトを支持する軸
    受部に対してスリットの溝幅を狭く設定する一方、駆動
    する動弁の数が少ない方のカムシャフトを支持する軸受
    部に対してスリットの溝幅を広く設定したことを特徴と
    するエンジンのカムシャフト支持装置。
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