JP2839532B2 - 表面着色フォトクロミックガラスの製造方法 - Google Patents

表面着色フォトクロミックガラスの製造方法

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JP2839532B2 JP1046378A JP4637889A JP2839532B2 JP 2839532 B2 JP2839532 B2 JP 2839532B2 JP 1046378 A JP1046378 A JP 1046378A JP 4637889 A JP4637889 A JP 4637889A JP 2839532 B2 JP2839532 B2 JP 2839532B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は着色フォトクロミック(光互変性又は光発消
色性)ガラスの製法に関し、更に詳しくは、還元性の環
境下において加熱処理することにより、そのようなガラ
スの表面を着色するための方法に関する。
(従来の技術) フォトクロミックガラスは、紫外線等の化学線に露光
した場合に黒くなり、励起光を除去することにより色が
褪せるガラスとして一般に特徴づけられる。そのような
ガラスは明るい戸外の条件下では黒くなり日陰又は屋内
では色が褪せる、眼鏡レンズ生地の製造に商業的に広く
使用されている。サングラスのレンズもまたこの種のフ
ォトクロミックガラスから製造されている。
全ての商業的に重要なフォトクロミックガラスは、ガ
ラスの黒色化を引き起し可逆的に黒くなる相として、析
出微結晶(ミクロクリスタリン)ハロゲン化銀相を含有
するガラスである。米国特許第3,208,860号には、この
類のガラスの基本的な記載がなされている。これに続く
研究においては、黒色化及び/又は褐色化のより早い応
答を示す多くの新しいフォトクロミックガラスの一群が
開発されている。米国特許4,190,451号には、例えば、
この種の非常に改良されたフォトクロミックガラスが記
載されている。
暗くない状態で所望の決った色合いを示すハロゲン化
銀を含有するフォトクロミックガラスもまた商業的に成
功を収めている。これらには通常のガラス着色剤を含有
するガラスのみならず、ガラス着色剤を含有せしめるこ
とにより着色性を付与したのではなく、製造後に着色表
面処理によってガラスを処理することにより付与したガ
ラスが含まれる。米国特許第3,892,582号及び同第3,92
0,463号にはフォトクロミックガラスに黄色の表面色を
付与するための有用な加熱還元処理が開示されている。
一方、米国特許第4,240,836号にはこの種のガラスにお
ける広い範囲の色を発現させることができる変形加熱還
元処理が記載されている。
赤及び黄色を、所謂、「ステーニング(staining)」
工程によりある種のアルカリ硼珪酸ガラスの表面に形成
できることが知られている。米国特許第2,075,446号に
は、例えば、そのようなガラスのアルカリ金属イオンを
銀又は銅イオンと交換し、次いで、所望の色を発現させ
るために加熱還元の前処理をすることによりそのような
色が得られることを教示している。しかしながら、その
ようなガラスに対して、加熱還元前処理は銀でイオン交
換されたガラスに黄色乃至黄褐色以外の色を達成するに
は有効ではない。
フォトクロミックガラスの加熱還元の場合に要求され
る着色化機構は、ガラス中のハロゲン化銀結晶子の上又
は近傍の光吸収性金属銀粒子の成長を必要とする。それ
らの粒子の大きさ及び/又は形の変化は、観察される着
色化の変動に重要であろう。これに対し、銀及び/又は
銅の「ステーニング(staining)」着色化は析出した金
属粒子のみに起因する。
米国特許第4,537,612号には、加熱還元処理によりハ
ロゲン化銀を含有するフォトクロミックガラスに生じさ
せた着色の制御を助ける方法が記載されている。この特
許においては、着色されるべきハロゲン化銀を含有する
フォトクロミックガラスは、ガラス中のカリウム及び/
又はリチウムイオンをナトリウム塩のような適当なイオ
ン源からのナトリウムイオンで置換する、アルカリ金属
イオン交換処理が行なわれている。このアルカリ金属イ
オン交換は、着色加熱還元処理に先立って又はそれに続
いて行なわれようと、該処理によってガラス中に生じた
吸収帯をどういうわけか変化させる。その結果はしばし
ば吸収帯が幾分長波長側にシフトするという好ましいも
のであり、加熱還元処理のみによっては容易に生じさせ
ることができない色をある種のガラスに発現させること
ができる。
上記特許に記載されたようなイオン交換工程は、不幸
にも、幾つかの公知の市販されているフォトクロミック
ガラスの色合いを有用な程度にまで変化させるのに効果
的なものは、未だ見出されていない。特に、フォトグレ
イ(PHOTOGRAY)の商品名のもとに市販されているガラ
スである、コーニングコード8097ガラスは、それらのイ
オン交換処理には殆ど影響されない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の第一の目的は、加熱還元着色化に対して耐性
があるフォトクロミックガラスの処理に改良された有効
性を示す、フォトクロミックガラスの表面着色を発現さ
せるための改良された方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、フォトクロミックガラスの表面
着色のための方法を提供することであって、そのような
物質の加熱還元によって達成される色の色相及び深みを
付加的に制御する方法を提供するものである。
本発明の他の目的及び利点は以下の記載から明らかに
なるであろう。
(課題を解決するための手段) 本発明は、表面着色の領域を修正する方法を提供する
ものであって、その方法は加熱還元処理によってハロゲ
ン化銀含有フォトクロミックガラスに生じさせることが
できるものである。広く特徴付けすると、改良は着色加
熱還元処理に先立って、ハロゲン化銀含有フォトクロミ
ックガラスを、少なくともガラス体の表面部分に銀イオ
ンを導入しながら銀イン交換処理を行なうことにより達
成される。
銀イオンの導入は、フォトクロミックガラスを、銀イ
オンがガラス表面に移動するに少なくとも充分な温度に
おいて銀イオン源にフォトクロミックガラスを曝すこと
により達成され、これは通常、ガラス中に存在するアル
カリ金属イオンと銀イオンとのイオン交換によって起る
ものである。銀は、適当な濃度の銀イオンを含む溶融塩
混合物から成る好ましい銀イオン源と共に、無機銀化合
物から得られる。
フォトクロミックガラスの表面部分に銀イオンを導入
する処理に引き続いて、物品は表面を着色させるために
加熱還元処理に付される。加熱還元処理のための如何な
る公知の方法をも使用することができる。しかしなが
ら、好ましい先行技術によれば、本工程において使用さ
れる加熱還元処理は、過剰に還元され、ガラスに黄色が
過度に付与されるのを防ぐために、一般に、約450℃を
超えない温度で行なわれる。
本発明方法の製品は、先行技術の着色化ガラスと同様
の性質の着色化された表面を有するガラス製品である。
しかしながら、この場合において、発現された表面着色
化は、先行する銀イオン交換処理の性質と期間に強く影
響されることが見出されている。従って、最終的な色は
銀イオン交換工程に制御される。
更に、本発明の方法は、加熱還元処理によって以前は
狭い範囲の着色しか示さないガラスにおいても、新しい
色を発現せしめるのに有効であることが見出された。従
って、例えば、還元処理のみにより着色した場合に限ら
れた色しか示さないコーニングコード8097ガラスのよう
なフォトクロミックガラスにおいても、黄色以外の色を
容易に発現せしめることが可能である。
本発明の方法は、ガラスの基本組成を考慮する必要な
く、ハロゲン化銀含有フォトクロミックガラスに一般的
に適用可能と考えられる。従って、加熱還元処理のみに
よっても容易に着色化するガラスにおいてさえも、得ら
れるガラスの色を変更するのに有用であり、それ故、型
押し或は表面色の発現を制御するための便利な方法を提
供するものである。
本発明を実施する上で使用し得るフォトクロミックガ
ラスとしては、例えば、米国特許第4,190,451号に記載
されているものが挙げられる。これらのガラスは、重量
%で、Li2O約0−2.5%,Na2O 0−9%,K2O0−17%,Cs
2O 0−6%,Li2O+Na2O+K2O+Cs2O 8−20%,B2O31
4−23%,Al2O35−25%,P2O50−25%,SiO220−65%,CuO
0.004−0.02%,Ag0.15−0.3%,Cl 0.1−0.25%,及
びBr 0.1−0.2%から実質的に成るものである。ここ
で、アルカリ金属酸化物:B2O3のモル比は約0.55−0.85
であり、且つ、Ag:(cl+Br)の重量比は約0.65−0.95
の範囲内である。ZrO2,TiO2,PbO,BaO,CaO,MgO,Nb2O5,La
2O3,及びFから成る群より選ばれた光学的構成成分を含
有していても良く、同時に少量の遷移金属酸化物及び/
又は稀土類金属酸化物を不活性のガラス着色剤として含
有していても良い。
本発明に有用な他のガラスは、米国特許第4,018,965
号に開示されている。これらは、加熱処理後において優
れたフォトクロミック性能を示し、イオン交換工程にお
いて化学的に強化され得るハロゲン化銀含有リチウム硼
アルミノ珪酸ガラスである。開示されたガラスは、重量
%で、下記第1表から選択されるようなものから実質的
に成る組成を一般に有するものである。
本発明によって取り扱われてもよい他のガラス組成物
としては、米国特許第4,358,542号に報告されているも
のが挙げられる。これらは従来技術に記載されているも
のよりも、より深い暗色透光率及びより早い褐色速度を
示すという点で改良された性質を示すフォトクロミック
ガラスである。これらのガラスは、酸化物基準の重量%
で、以下の第2表に示したものから実質的に成る組成を
有するものである。
第2表 SiO2 55−60 PbO 0.1−0.25 Al2O3 9−10 Ag 0.1−0.15 B2O3 19−20.5 Cl 0.3−0.5 Li2O 2−2.5 Br 0.55−0.15 Na2O 2−3 CuO 0.0065−0.01 K2O 6−7 本発明は、従来の加熱還元処理がピンクから黄色のみ
をガラス表面に発現させることが可能な、ハロゲン化銀
含有珪酸ガラスの処理に特別の適用性を有している。コ
ーニングコード8097フォトクロミックガラスによって代
表されるこの種のガラスは、採用した加熱還元処理を考
慮することなくそのような色を発現する傾向にある。本
発明の方法によれば、しかしながら、これらのガラスは
しばしばピンク及び黄色以外の色を発現させ、眼鏡及び
サングラス製品として、より大きな商品価値があるもの
である。
ハロゲン化銀含有フォトクロミックガラスの選ばれた
表面部分に銀を導入する方法は特に限定されず、従っ
て、望ましい結果を達成するための如何なる公知の技術
によっても達成される。しかしながら、好ましい技術
は、アルカリ金属イオン交換処理をするための銀による
ものであり、以後、これを単に、銀イオン交換処理とい
う。
具体的には、本発明のイオン交換による銀の導入は、
実用的な速度でガラス中に銀が移動するのを促進するに
充分な温度で、ガラスを銀イオン源と接触させることが
必要である。銀源は、通常は銀塩であり、ハロゲン化銀
含有フォトクロミックガラスの表面に銀を導入するため
の特に便利な方法は、ガラスを浸漬するか或は他の方法
により、銀イオンから成る溶融塩浴又は他の調製物に接
触させるものである。
理論的には銀塩のみでも使用可能であるが、溶融塩浴
の形で、或はガラス製品の表面に溶融塩の塗膜とした方
が、より経済的であり、実際の好ましい方法は、溶融硝
酸ナトリウム塩浴等の溶融アルカリ金属塩浴に銀イオン
を添加剤として供給するものである。この方法における
銀の濃度は、多い必要はなく、ガラス中のアルカリ金属
イオンの銀イオンへの交換を効果的に達成するために
は、溶融NaNO3中に0.1モルAgNO3単位での銀イオンで充
分である。
銀とアルカリ金属塩の混合物は、溶融し、温度270℃
及びそれ以上の温度で溶融塩混合物として維持すること
が可能であり、且つ、それらの温度は、ガラス中への速
やかな銀イオンの交換を促進するのに充分高いものであ
る。従って、銀イオンから成る溶融塩浴にハロゲン化銀
含有フォトクロミックガラスを、上記範囲の温度で0.1
〜10時間程度の時間曝すことは、通常、次の加熱還元処
理で、所望の色変性を達成するに有効な濃度の銀イオン
をガラスの表面に導入するのに充分なものである。
最も好ましくは、この工程から得られるガラス中の銀
の濃度が、銀の析出によってガラスに大幅な着色を引き
起こす程多くはなく、最終のガラスの色がより良く制御
できるものであれば良い。この工程の着色は、塩浴中の
銀濃度が低いものを使用し、イオン交換処理の時間及び
/又は温度を限定することにより避けることができる。
ハロゲン化銀含有フォトクロミックガラスにおける表
面着色の発現のための加熱還元処理は、当業界に良く知
られているものであり、具体的には、ガラスの表面層を
化学的に還元するための高い温度でガラスを還元性条件
に曝すものが含まれる。そのような処理によって発現し
た色は、処理の温度及び時間に依存し、それらは、化学
的還元方法によって発現され及び/又は改良された相の
大きさ及び/又は形に明らかに影響されて、変わるもの
である。
ハロゲン化銀含有フォトクロミックガラスに広い範囲
の色を発現させるための処理には、この種の加熱還元処
理が、先に注記したように、450℃未満の温度で行なわ
れる。還元性雰囲気は、最も好ましくは、ガラスの表面
上又は近辺に還元剤の連続的な供給を確実にする流動性
雰囲気が通常使用される。水素又はフォーミングガス
(水素及び窒素の混合物)等の水素含有雰囲気が特に好
ましいが、分解アンモニア、メタン、一酸化炭素等の他
の還元性雰囲気もそれらの替わりに使用可能である。
(作用) 本発明の方法によれば、加熱還元によってフォトクロ
ミックガラスの表面に最終的に形成された吸収特性は、
最初の銀イオン交換処理の性質及び度合いに直接依存す
ることが見出された。従って、フォトクロミックガラス
に発現された最終的な色は、銀イオン交換工程を変える
ことにより、或は加熱還元処理を変性することにより制
御することができる。これは有利である。何故ならば、
通常の加熱還元処理によって、製造物の色の範囲が利用
できるからである。又、先に注記したように、色の変種
が、局在化した又は定形化した銀イオン交換処理の使用
によって、色の勾配又は制限された色の変種として、個
々のガラス製品に生じさせることができる。このこと
は、定形化した又は勾配のあるフォトクロミックガラス
製品の経済的な製造を可能にする。
(実 施 例) 本発明は更に、以下の実施例を参照することによって
理解されるであろうが、これらは本発明を限定するもの
ではない。
実施例1 コーニングコード8111ガラスから成るフォトクロミッ
ク眼鏡用レンズ生地、このレンズは「フォトグレイエク
ストラ」の商品名で市販されているものである、を処理
用として選択した。これらのレンズは、重量%で以下に
記載したおおよその組成を有するものである。
SiO2 55.8 ZrO2 0.4 Al2O3 6.5 TiO2 2.2 B2O3 18.8 Ag 0.24 Li2O 1.9 Cl 0.20 Na2O 4.0 Br 0.13 K2O 5.8 CuO 0.011 このように選択した眼鏡用レンズ生地は研磨し艶出し
して約2mmの厚さの試料とし、これら試料は処理のため
に三つのグループに分割した。
次いで、銀イオンから成る溶融塩浴をフォトクロミッ
クガラス試料処理用に調製した。塩浴は、有用AgNO3
び溶融NaNO3の混合物から成り、AgNO3は約1モルの濃度
(即ち、塩浴1リッター当たり銀塩0.1モル)であり、
且つ、浴は約325℃の温度に加熱した。
レンズ生地の第一のグループからのガラス試料は、如
何なるイオン交換処理もせず、これに対し、第二及び第
三のグループは、それぞれ、ハロゲン化銀含有溶融塩浴
への浸漬処理イオン交換に続いて、そのように処理され
た。イオン交換処理に引き続いて、そのように処理した
ガラスは塩浴から除去し、水洗し、次いで、乾燥した。
三つのグループのそれぞれの試料を、次いで、320℃
の温度で約1時間、通流する水素雰囲気と接触させるこ
とにより、加熱還元処理を行なった。この処理は、処理
を行なった全てのガラス試料において表面の着色と共に
強い吸収ピークを生じさせた。しかしながら、吸収の波
長及び強度は先のイオン交換処理工程に依存することが
見出された。
上記の如く処理した代表的なフォトクロミックガラス
試料のスペクトル透過特性を図面の第1図に示す。第1
図は、約380〜700nmの波長領域で処理した三つのガラス
試料の、それぞれの波長の関数としての透過率をプロッ
トしたものである。曲線Aは先に銀イオン交換処理をし
なかった試料の透過率であり、曲線B及びCは、それぞ
れ、1時間及び4時間銀イオン交換処理を行なった試料
の透過率を示すものである。
図に示されているように、全ての試料は波長が500nm
を超えるところに吸収ピークを示している。しかしなが
ら、銀イオン交換処理を行なった試料の場合には、共に
最初に吸収帯が、そのような処理をしなかったガラス試
料が示す吸収帯よりもより鋭く深いものであった。
加熱還元処理の下で銀イオン交換したガラスの着色態
様は、アルカリ金属イオンのみでイオン交換処理を行な
った同一組成のガラスのそれとは実質的に異なってい
る。米国特許第4,537,612号に記載されているような後
者のガラスは、加熱還元処理に先立って純粋な硝酸ナト
リウム又は硝酸ナトリウム/カリウム塩浴によるイオン
交換によって得ることができる。
前記特許に記載されているように、加熱還元処理に先
立って、NaNO3中で400℃で1時間のイオン交換処理を行
なったコーニングコード8111ガラスは、還元処理のみを
行なったガラスの表面着色に比べて若干濃い色を示すの
みでスペクトル的には非常に近い表面着色を示した。こ
のことから、上記実施例1のように、少量の銀イオンの
添加によってさえも、ガラスの得られる色は実質的に変
わる。
実施例2 実施例1に記載したコーニングコード8111ガラスから
成るフォトクロミック眼鏡用レンズ未処理試料を再び処
理用に選択した。これら試料は処理のために三つのグル
ープに分割し、第二及び第三のグループの試料を実施例
1に記載した塩浴の組成を有する溶融塩浴中において銀
イオン交換処理を行なった。第二のグループからの試料
は325℃において1時間処理し、第三のグループからの
試料は325℃において4時間処理した。
この処理に続いて、全ての試料は通流する水素雰囲気
に対して400℃で0.75時間曝すことから成る加熱還元処
理を行なった。再び、全ての試料は処理の終結時に、明
確な吸収ピークを示した。
図面の第2図は、約380〜700nmの波長領域における三
つのそれぞれのグループからの代表的試料の、波長の関
数としての透過率をプロットしたものである。第2図の
曲線Dは先に銀イオン交換処理をしなかった試料の透過
率スペクトルであり、曲線E及びFは、それぞれ、1時
間及び4時間処理を行なったガラス試料の相当する曲線
を示すものである。
再び、加熱還元処理により付与された吸収帯の波長と
明瞭度のかなりの変化が、先に銀イオン交換処理を行な
った試料において観察された。銀交換をした試料は、45
0〜500nmにより深く且つより鮮鋭ではっきりした吸収を
示した。しかし、これらの吸収帯は親ガラスのものより
も、幾分低波長域にシフトしていた。
実施例3 コーニングコード8097ガラスから成る眼鏡用フォトク
ロミックレンズ生地、このレンズは「フォトグレイ」の
商品名で市販されているものである、を処理用として選
択した。これらのレンズは、重量%で以下に記載した概
よその組成を有するものである。
SiO2 55.6 PbO 5.0 B2O3 16.4 ZrO2 2.2 Al2O3 8.9 Ag 0.16 Li2O 2.65 CuO 0.035 Na2O 1.85 Cl 0.24 K2O 0.01 Br 0.145 BaO 6.7 F 0.19 CaO 0.2 これらのレンズ生地は再度三つのグループに分割し、
異なる銀イオン交換処理を行なった。第一のグループか
らのガラス試料は、如何なる銀イオン交換のための処理
もせず、これに対し、第二及び第三のグループは、それ
ぞれ、実施例1に記載した銀含有溶融塩浴中で1時間及
び4時間のイオン交換処理を行なった。このイオン交換
処理に引き続いて、処理した試料は塩浴から除去し、水
洗し、次いで、乾燥した。
上記のようにして製造した試料に、表面着色を発現さ
せるために、次いで、加熱還元処理を行なった。加熱還
元処理は、通流水素雰囲気下において、試料を320℃で
1時間維持することから成るものである。この処理によ
り、それぞれの試料は、いくつかの吸収着色を示すこと
が見出されたが、吸収は先に処理したイオン交換の種類
に強く依存していた。
第3図は、上記処理を施した三つのガラスについて、
約380〜700nmの波長に対して透過率をプロットした図で
ある。第3図の曲線Gは銀イオン交換処理をしなかった
代表的なガラス試料の透過率である。この曲線は、約50
0nmに中心を有する幅広いが相対的に浅いピークを示し
ている。この態様は、この組成のガラスに典型的であ
り、ピンクから黄色は、450℃未満の温度においてさえ
も、加熱還元処理に利用してもよい時間と温度の変動を
考慮せずに、通常、加熱還元処理から得られる。
曲線H及びIは、加熱還元処理に先立って、銀イオン
交換処理を、それぞれ、1時間及び4時間行なった同一
組成の試料の透過率を示すものである。二つのうちの後
者のガラスにおいては、ガラスの透過率特性をかなり変
える、約535nmに中心を有する、ガラス中に発現した新
しい吸収帯が見られる。かくして、これらのイオン交換
処理を施した試料は、無処理の試料に比較してかなり異
なる表面着色を示し、主色は銅色として特徴付けられ、
且つ、市販のサングラスとして特に望ましい色合いであ
る。
実施例4 コーニングコード8097ガラスから成るガラス試料を選
択し、処理のために三つのグループに分けた。試料の第
一のグループは、銀イオン交換のための処理をしないも
のであり、これに対し、第二及び第三のグループは、そ
れぞれ、実施例1に記載した銀イオン交換塩浴中で、32
5℃において1時間及び4時間の処理を行なった。この
イオン交換処理に引き続いて、全ての試料は、ガラスを
水素に400℃で0.75時間曝すことから成る加熱還元処理
を行なった。
第4図は、上記処理を施した三つのガラス試料につい
ての透過率曲線の図であり、透過率は約380〜700nmの波
長領域において波長の関数として報告されている。実施
例3と同様に、1時間及び4時間(それぞれ、曲線K及
びL)の銀イオン交換処理を施した試料は、そのような
処理を施さなかった試料(曲線J)によって示される透
過率特性からはかなり異なる透過率特性を示している。
観察された吸収帯のシフトは、実施例3で観察されたそ
れと特性的に同様であり、強制的には幾分少ないが、か
なり赤に偏った吸収が発現された。得られた色は、同一
組成のガラスにおいて、加熱還元処理のみによって得ら
れないものである。
かくして、本発明はフォトクロミックガラス製品の表
面色を変性するための、新規で許容性の広い方法を提供
するものであり、この方法は、加熱還元処理によって得
られる色を拡張すると共に、従来達成できなかった方法
で色の限定された変種をも提供することが可能なもので
ある。勿論、先に述べた実施例は、単に、付加した請求
の範囲内において、当業者によって実行され、且つ、提
供されるであろう方法及び製造物を記載したのみであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に従って、異なるイオン交換処理及び
温和な加熱還元を行なった、選択された速褐色性フォト
クロミックガラス試料の光学的透過率を波長に対してプ
ロットしたグラフであり、第2図は、本発明に従って、
異なるイオン交換処理及び強烈な加熱還元を行なった、
選択された速褐色性フォトクロミックガラス試料の光学
的透過率を波長に対してプロットしたグラフであり、第
3図は、本発明に従って、異なるイオン交換処理及び温
和な加熱還元を行なった、選択された色限定フォトクロ
ミックガラス試料の光学的透過率を波長に対してプロッ
トしたグラフであり、並びに第4図は、本発明に従っ
て、異なるイオン交換処理及び強烈な加熱還元を行なっ
た、選択された色限定フォトクロミックガラス試料の光
学的透過率を波長に対してプロットしたグラフである。 第1図:透過率(%)、波長(nm) 第2図:透過率(%)、波長(nm) 第3図:透過率(%)、波長(nm) 第4図:透過率(%)、波長(nm)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ブレント マーレ ウェディング アメリカ合衆国 ニューヨーク州 コー ニング イースト サード ストリート 3 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C03C 15/00 - 23/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ハロゲン化銀含有フォトクロミック
    ガラス品を銀イオンの供給源で処理して、該ガラス品の
    少なくとも表面部分に銀を導入し、 (b)銀を含む前記ガラス品を、450℃以下の温度で還
    元性の環境下において、前記ガラス品の少なくとも前記
    銀を導入した表面部分の光吸収特性を変性するに少なく
    とも十分な時間、加熱処理する 各工程から成ることを特徴とする表面着色フォトクロミ
    ックガラス品の製造方法。
  2. 【請求項2】フォトクロミックガラス品を450℃以下の
    温度で還元性の環境下において、前記ガラス品の表面の
    少なくとも一部の光吸収特性を変性するに少なくとも十
    分な時間、加熱処理する工程からなる表面着色フォトク
    ロミックガラス品の製造方法において、 加熱処理工程に先立ち、前記ガラス品の前記一部を、銀
    イオンの供給源で処理して、ガラスの表面の少なくとも
    前記一部に銀を導入することを特徴とする表面着色フォ
    トクロミックガラス品の製造方法。
  3. 【請求項3】前記還元性の環境が還元性雰囲気から成る
    ことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】前記還元性雰囲気が水素であることを特徴
    とする請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】銀の供給源が銀塩であることを特徴とする
    請求項1記載の製造方法。
  6. 【請求項6】銀塩が銀イオンを含む溶融塩浴として供給
    されることを特徴とする請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】溶融塩浴が溶融アルカリ金属塩及び溶融銀
    塩の混合物から実質的に成るものであることを特徴とす
    る請求項6記載の製造方法。
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