JP2838963B2 - ゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール

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JP2838963B2
JP2838963B2 JP5254934A JP25493493A JP2838963B2 JP 2838963 B2 JP2838963 B2 JP 2838963B2 JP 5254934 A JP5254934 A JP 5254934A JP 25493493 A JP25493493 A JP 25493493A JP 2838963 B2 JP2838963 B2 JP 2838963B2
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憲吾 岡
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はゴルフボールに関し、特
に改良されたディンプルを有するゴルフボールに関す
る。 【0002】 【従来の技術】従来からゴルフボールディンプルのパタ
ーン、形状については主としてゴルフボールの飛行性能
の向上を目的として、いろいろの技術が提案され、ある
いは実施されてきた。 【0003】従来の技術を大別すれば、一様なディンプ
ルの個々の形状(ディンプルの直径、深さ、断面形状
等)を最適化しようと試みるもの(特開昭60−962
72号、特開昭60−163674号、特開昭58−2
5180号、特開昭49−52029号等)、ディンプ
ル間ピッチをある範囲に規定しているもの(特公昭58
−50744号、特開昭53−115330号)、全デ
ィンプルを等ピッチに配列する態様を呈示しているもの
(特開昭57−107170号)、ディンプルのない部
分をボール球面上に均等に配列しているもの(特公昭5
7−22595号)等が存在する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかして、上述の従来
の技術に共通している点は、「個々のディンプル形状は
全く同じであること」を前提としている点である。そも
そもゴルフボールというものがゴルフ競技に於て、20
〜80m/秒という高速で、かつ2000〜10000
rpmという高速回転にて飛行する球体であるから、ボ
ール球面上の凹凸が、平均的ディメンジョンとして空気
力に影響を及ぼすと、従来は考えられてきたためであ
る。 【0005】一方、ゴルフボールに於けるディンプルの
役割は、境界層の乱流遷移を促進し、乱流剥離を起こす
ことで、ディンプルのないゴルフボールの層流剥離に比
べて、剥離点が後方に下がり、剥離域が小さくなること
で圧力抵抗を小さくする点と、剥離点の上下差の助長等
により揚力を向上する点の2点にある。しかもこれが低
速から高速までオールラウンドに効果的でなければなら
ない。 【0006】しかしながら、従来技術のように、ボール
球面上に同じ形状のディンプルを配していた場合、その
形状のディンプルが最も有効に作用する飛行速度では効
果が最大化されるが、その他の飛行速度領域では、有効
に作用せず総合性能に於て問題点があった。 【0007】一方、球の表面粗さと、抗力の関係につい
ては、古くから研究されており、平滑球の抗力と比べ表
面粗さが粗くなれば、臨界レイノルズ数での抗力及びそ
れ以上の領域での抗力が増す傾向にあると共に、該臨界
レイノルズ数が小さくなる傾向にある。そして、ゴルフ
ボールディンプルの場合は、臨界レイノルズ数を越えた
領域に於て、表面傷的粗さと異なり、抗力の上昇はマイ
ルドであるが、上記傾向については同様な事が言える。 【0008】また、平滑球の臨界レイノルズ数は、ゴル
フボール実使用範囲よりもはるかに大きく、表面粗さを
粗くする程、低速域へシフトし、ゴルフボール実使用範
囲に入る。 【0009】しかして、ゴルフボールでは、例えば、デ
ィンプル直径を大きくすれば、臨界レイノルズ数は下が
り、低速域での抗力が小さくなると共に高速域での抗力
が大きくなる傾向にあり、また、この傾向はディンプル
数を増した場合又はディンプル深さをある程度まで、増
した場合も同様である。逆にディンプル直径を小さく、
ディンプル数を少なく又はディンプル深さをある程度浅
くすると、臨界レイノルズ数は上がり、低速域での抗力
が大きくなると共に高速域での抗力が小さくなる傾向に
ある。 【0010】従って、従来技術では、飛行直後の高速時
から飛行ピークまでと飛行ピークから落下に至る低速時
までの全領域で、最大効果を発揮できるディンプルはな
く、ディンプル配列等に種々検討を加えても限界があっ
た。つまり、ディンプル数が少なかったり、ディンプル
直径が小さい場合、飛出直後は伸びのある良好な球筋と
なるが、飛行ピーク付近で、いわゆるホップ現象が生
じ、浮き上がり鈍角に落下し、飛行後半の飛距離のロス
が生じる。また、逆の場合、飛行ピーク付近のホップが
なく伸びのある球筋であり比較的鋭角に落下するが、飛
行直後の伸びにとぼしく飛行前半の飛距離ロスが生じ
る。 【0011】また、これら抗力の状況と共に揚力の問題
があるが、遷移領域以上の高速領域では、ディンプル数
が多い場合、ディンプル直径が大きい場合又はディンプ
ル深さがある程度深い場合には、全般的に揚力が少な
く、飛距離の点で不利であるが、風に影響されない点で
有利である等の長短相反する効用をもっている。 【0012】一方ディンプル配列パターンそのもののみ
を抽出してみれば、できるだけ無方向化する必要性があ
り、これまでに種々提案されてきている。 【0013】すなわち、第1として正8面体配列された
約336個のディンプルを有するもの、特開昭60−1
11665号に見られる416個のディンプルを有する
もの。第2として特公昭57−22595号に見られる
正12面体配列された360個のディンプルを有するも
の。第3として特開昭49−52029号や特開昭60
−234674号にみられる20面体配列された252
個のディンプルを有するものや、432個のディンプル
を有するものや、492個のディンプルを有するもの。
第4として特公昭58−50744号に見られる20面
体配列から金型作成の事情によりシーム部の一列を抜い
て約332個とするかあるいは一列増やして約392個
としたディンプルを有するもの。第5として特開昭53
−115330号に見られる同心円状配列された約28
0〜350個のディンプルを有するもの。第6として特
開昭57−107170号に見られる正20面体配列で
等ピッチ配列された320個のディンプルを有するもの
等々である。 【0014】この中で第4及び第5の配列パターンは、
配列の方向性がきつく、ゴルフボールをショットした時
の回転軸によって弾道に差異が見られるので、無方向化
という意味で論外である。そして、他の配列は、無方向
化という意味で良好な配列と考えられる。 【0015】そこで、本発明は、従来のこのような問題
点を解決して、高速領域から低速領域に至るまでのゴル
フボールの実使用範囲に於て、抗力を極小化できると共
に、揚力を最適化できるゴルフボールを提供することを
目的とする。 【0016】 【課題を解決するための手段】第1の発明のゴルフボー
ルは、ボール球面上に複数種類のディンプルが配設され
ると共に、各ディンプルの一部をも含まない大円帯が
0、又は、1個形成され、かつ、上記ボール球面からデ
ィンプルの部分を除いた残留面に相当するところの全陸
地部に於て3個以上の順次隣り合ったディンプルによっ
て包囲された各陸地部が、該ディンプルの平均面積以上
の面積を有する新たなディンプルが形成できない大きさ
に形成され、さらに、上記ボール球面を正多角形に多面
体割りして見た各区画内に於て、該区画の中心から各区
画の頂点に第一直線を引いたとき、該第一直線上に並ぶ
ディンプルは少なくとも2種類が配設されている。 【0017】第2の発明のゴルフボールは、ボール球面
上に複数種類のディンプルが配設されると共に、各ディ
ンプルの一部をも含まない大円帯が0、又は、1個形成
され、かつ、上記ボール球面からディンプルの部分を除
いた残留面に相当するところの全陸地部に於て3個以上
の順次隣り合ったディンプルによって包囲された各陸地
部が、該ディンプルの平均面積以上の面積を有する新た
なディンプルが形成できない大きさに形成され、さら
に、上記ボール球面を正多角形に多面体割りして見た各
区画内に於て、該区画の中心から各区画の辺の中点に第
二直線を引いたとき、該第二直線上に並ぶディンプルは
少なくとも2種類が配設されている。 【0018】第3の発明のゴルフボールは、ボール球面
上に複数種類のディンプルが配設されると共に、各ディ
ンプルの一部をも含まない大円帯が0、又は、1個形成
され、かつ、上記ボール球面からディンプルの部分を除
いた残留面に相当するところの全陸地部に於て3個以上
の順次隣り合ったディンプルによって包囲された各陸地
部が、該ディンプルの平均面積以上の面積を有する新た
なディンプルが形成できない大きさに形成され、さら
に、上記ボール球面を正多角形に多面体割りして見た各
区画内に於て、該区画の中心から各区画の頂点に第一直
線を引くと共に辺の中点に第二直線を引いたとき、該第
一直線及び第二直線上に並ぶディンプルは夫々少なくと
も2種類が配設されている。 【0019】 【作用】上述の如く構成すれば、ボール全球面に渡って
均一一様なディンプルを配するのではなく、複数種類の
ディンプルが配設されるので、ボール球面上でのいずれ
の回転軸のまわりにおいてもディンプルが整然と整列し
ている状態と異なり、空気流がより乱され、剥離点が後
方に下がると共に、ボール飛行中の各速度領域に於て、
夫々のディンプル形状のディンプルが有効に作用する。
つまり、高速領域に於ては、ディンプル効果の小さいデ
ィンプルが効用を発揮し、低速領域に於ては、ディンプ
ル効果の大きいディンプルが効用を発揮する。なお、こ
こでディンプル効果が大きいとは、ディンプル1個当た
りの容積が大きい事を意味し、ディンプル直径を大きく
する、ディンプル深さを深くする、ディンプル壁面傾斜
を鋭くする又はそれらの組合せにより大きくすることが
できる。また、ディンプル効果が小さいとは、ディンプ
ル1個当たりの容積が小さいことを意味する。 【0020】また、3個以上の順次隣り合ったディンプ
ルによって包囲された陸地部が、該ディンプルの平均
面積以上の面積を有する新たなディンプルが形成できな
い大きさに形成されたことにより、ディンプルのゴルフ
ボール球面に占める面積の割合(表面積占有率)を大き
くすることができ、陸地部の割合が大きいゴルフボール
に比べ、空気流がより乱され、剥離点を後方に下げるこ
とができる。 【0021】 【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳説する。 【0022】図1乃至図6は、本発明の夫々別の実施例
を具体的に図示したものである。 【0023】いずれの実施例においても、ボール球面上
に4種類の大小のディンプル1,2,3,4が配列され
る。さらに、ボール球面からディンプルの部分を除いた
残留面に相当するところの全陸地部に於て該ディンプル
1,2,3,4の適宜配置によって3個以上の順次隣り
合ったディンプルによって包囲された各陸地部5…が、
該ディンプル1,2,3,4の平均面積以上の面積を有
する新たなディンプルが形成できない大きさに形成され
ている。つまり、この各陸地部5…には、各ディンプル
1,2,3,4に外接する平均ディンプル面積以上の円
を描くことができないということである。上述の各陸地
部5についてさらに具体的に説明すれば、図3の中央の
一の陸地部5は、順次隣り合った5個のディンプル2,
2,2,2,2によって包囲されており、また、図4に
於て符号5にて示した各陸地部は、順次隣り合ったディ
ンプル1,3,2,2によって包囲されている。 【0024】また、ディンプル種類の増減は勿論自由で
あるが、ゴルフボール弾道を考えた場合、ボールの飛行
曲線を4分割し、それぞれの領域に対応させてディンプ
ル効果の異なる4種類のディンプルを組み合わせるのが
最も望ましい。 【0025】例えば、ゴルフボールがボール飛行速度6
5m/秒でかつバックスピン3500rpmの条件で打
出される場合、ボール速度が65m/秒から約50m/
秒程度である初期弾道、ボール速度が約50m/秒から
約35m/秒である第2弾道、ボール速度が約35m/
秒から約25m/秒であり弾道の最高点を含む第3弾
道、ボール速度が約25m/秒内外である着地までの第
4弾道に分割する。この場合、初期弾道及び第2弾道領
域の飛行時間は夫々約1秒であり、第3弾道及び第4弾
道は夫々約2秒であり、合計6秒内外の滞空時間であ
る。また、分割の方法は種々考えられるが、それに合っ
たようにディンプル効果を最高に発揮させるためには次
のように設計する。 【0026】上記の例の場合、4領域での飛行速度V
1,V2,V3,V4を夫々65m/秒、50m/秒、
35m/秒、25m/秒とし、夫々の領域で効用を引出
したい4種類のディンプルの容積v1,v2,v3,v
4としたときに、V1:V2:V3:V4=v4:v
:v2:v1=65:50:35:25と設計
するのが好ましい。また、この場合v4/v1は約1.
6となるが1.5〜2.0の範囲において良好な結果が
得られる。つまり、ディンプル効果については、効用を
引き出したい飛行速度と、ディンプルの容積の2乗と、
をバランスさせれば最良の結果が得られる。 【0027】ディンプル効果の異なるディンプルの配列
比率については、分割された領域のどの領域に重点を置
くかによって、その重点領域で効用を発揮したいディン
プルの比率を上げるのが望ましく、かつ、最小個数のデ
ィンプルの数を全ディンプル総数の10%以上とするの
が望ましい。 【0028】例えば、4種類のディンプル数を夫々N
1,N2,N3,N4としたときに、第3弾道を最も重
視し、次いで第4弾道を重視する場合、N1:N2:N
3:N4≒1:1:3:2とするのが良く、第4弾道を
最も重視する場合N1:N2:N3:N4≒1:1:
1:2とするのが良い。 【0029】また、この配列比率の決定には、ディンプ
ル総数との兼ねあいを考慮すべきであり、ディンプル総
数が少ない程第4、第3弾道に重視すべきである。例え
ば、N1:N2:N3:N4を、ディンプル総数が30
0〜350個では、約1:1:1:2とし、ディンプル
総数が351〜400個では、約1:1:2:2とし、
ディンプル総数が401〜450個では、約1:1:
3:2とし、ディンプル総数が451〜500個では、
約1:2:4:1とするのが好ましい。 【0030】しかして、容積と、直径と、深さとの関係
は球形相違ディンプルである場合、直径の2乗と深さの
積に容積が比例するが、ディンプル効果をより高める為
には、図10に示すように、ディンプルエッジ6から深
さ方向に30ミクロン下がった部位と90ミクロン下が
った部位との間の範囲Aにおけるディンプル球面7の見
掛けの半径Raが、該ディンプルの直径E及び深さn
(ここでディンプルの直径とは、図11に示すように、
ディンプルエッジ6,6間寸法であり、深さとはボール
仮想球面8からディンプル最低部9までの寸法であ
る。)から導かれるディンプル球面半径Roの70%〜
90%とし、ディンプル壁面10の傾斜を鋭くして、デ
ィンプル容積を直径Eと深さnの積に比例する様に設定
すれば、より安定した結果が得られる。 【0031】また、この時、直径E×深さnをCとすれ
ば(各ディンプル1,2,3,4においてはC1,C
2,C3,C4)とすれば、上述のv4/v1はC4/
C1に近似される。すなわち、C4/C1(直径Eと深
さnの積の比)の好ましい範囲が1.5〜2.0とな
る。さらにディンプルの直径Eが大きくなるにしたがっ
て、ディンプルの深さnが深くされ、かつ、各ディンプ
ルの直径Eの比及び深さnの比が夫々1.2〜1.5で
あるようにするのが望ましい。 【0032】最後に、ディンプル配列については、無方
向化に加えて、球面全体に渡って各ディンプルの一部を
も含まない大円帯11(つまり、球を、その球の中心を
含むように切断した場合、その切断面の外周面)を極力
少なくすることが剥離点の安定化を計ることになる。従
って、原則としては大円帯は0であるが、図1〜図6で
は大円帯11が一本形成されている。これは、ゴルフボ
ールを形成するときの型割を容易とするためである。な
お、本発明においてディンプル数は240個〜560個
の範囲が望ましく、特に300〜450個が望ましい。 【0033】また、図1〜図6のいずれの実施例でもデ
ィンプルが整然と配列しないように、配設されている
が、これを、図1〜図6の各図面に基づいて一層具体的
に以下説明する。 【0034】まず、図12に於て、ボール球面を正多角
形に多面体割りして見た一つの区画10を示す。正多角
形(図12では正5角形)のこの区画10の頂点をAと
し、各辺の点をMとした場合に、区画の中心Oから各
頂点に引いた直線OAを第一直線と呼び、区画の中心O
から辺の中点Mに引いた直線OMを第二直線と呼ぶこと
とする。 【0035】この図12の正多角形を図1の上述の実施
例の一区画に重ねて見れば明らかな如く、第一直線OA
上には2種類のディンプル1とディンプル4が配設さ
れ、かつ、第二直線OM上には2種類のディンプル1と
ディンプル3が配設されている。また、図2についても
同様に図12と重ね合わせて見ると、第一直線OA上に
は4種類のディンプル4,3,1,2が配設され、か
つ、第二直線OM上には2種類のディンプル4とディン
プル1が配設されている。 【0036】また、図3からは、第一直線OA上に2種
類のディンプル2とディンプル3が配置されていること
が明らかである。図4からは、第一直線OA上に2種類
のディンプル1とディンプル3が配置され、かつ、第二
直線OM上には3種類のディンプル1,4,2が配設さ
れている。 【0037】また、図5からは、第二直線OM上に3種
類のディンプル4,2,3が配設され、図6からは、第
一直線OA上に2種類のディンプル4とディンプル2が
配設され、第二直線OM上には2種類のディンプル4と
ディンプル3が配設されていることが、各々明らかとな
る。 【0038】図1〜図6の上述の各実施例の図面から明
らかな如く、第一直線、及び/又は、第二直線に並ぶデ
ィンプルは夫々少なくとも2種類が配設されていること
で、整然と配列することを防いで、ディンプル配置の無
方向化を図っていることが、理解できる。 【0039】また、図1〜図6のいずれの場合に於て
も、数1で定義されるα値が、500〜1000の範囲
にあるように設定する。このα値は、「ボール単位表面
積当りのディンプル有効容積指標」である。 【0040】 【数1】 【0041】次に、本発明の実施例についてその効果を
確認するための実験を行った。 【0042】True Temper社製(アメリカ)
のスウィングマシンを使用し、USGA(United
States Golf Association)
のODS(Overall Distance sta
ndard)のテストプロセジャーに準じ、ウッド1番
クラブにて、ヘッド速度45m/秒にてフライトテスト
を実施し、フライトキャリー及びトータルディスタンス
の差で評価した。(この条件がほぼボール初速65m/
秒にミートする条件である。)なお、測定は各種類20
個づつの平均値で評価する。 【0043】表1及び表2に各実験に用いたボールの種
類、及び実験結果を一覧表として示す。 【0044】 【表1】【0045】 【表2】【0046】なお、表1及び表2に於て、**印で示し
た表面積占有率の計算は次のようにして行なう。 【0047】 〔計算方法〕 実施例1の場合の式 {π(4.3/2)×132+π(3.9/2)×60+π(3.6/2) ×60+π(3.3/2)×60}/{4π(42.67/2)} (なお、ゴルフボール(ラージサイズ)の直径は規定値
の1.68inch=42.67mmとする。) 【0048】ここで同表中の実施例1〜6の詳細を以下
に示す。 【0049】実施例1〜6 ラージサイズ2ピースボールで、構造は特開昭59−5
7657号の実施例1に準じた。表1及び表2に示す諸
元を有す。 実施例1:図1のディンプル配列パターン 実施例2:図2のディンプル配列パターン 実施例3:図3のディンプル配列パターン 実施例4:図4のディンプル配列パターン 実施例5:図5のディンプル配列パターン 実施例6:図6のディンプル配列パターン 【0050】なお、実施例1〜6の全てに於て、大円帯
が一本の場合を示している。また、ディンプル深さの下
の括弧内の間口深さBとは、図11に示すように、ディ
ンプル最低部9からディンプルエッジ6までの高さ寸法
である。 【0051】さらに、壁面曲率比とは、直径Eと深さn
から導き出されるディンプル球面半径Roと、ディンプ
ルエッジ6から深さ方向に30ミクロン下がった部位と
90ミクロン下がった部位との間の範囲Aの壁面10を
ディンプルセンターとボールセンターを結ぶ直線上に中
心を持つ真球換算最小2乗法で求めた見掛け球面半径R
aの比(Ra/Ro)×100%で示したものであり、
この数値が小さい程、ディンプル傾斜角が鋭いことにな
る。また、実施例1〜6は、いずれも多面体割りで、1
2面体配列したものである。 【0052】次に、表3に比較例1〜3のボールの種
類、及び実験結果を一覧表として示す。 【0053】 【表3】 【0054】ここで、同表中の比較例1〜3の詳細を以
下に示す。 【0055】比較例1 コンベンショナルな8面体の配列で336個のディンプ
ルを有すると共に、構造は実施例1〜6と同一であり、
かつ、表3に示す諸元を有す。そして、図7に示すディ
ンプル配列パターンである。 【0056】比較例2 特公昭58−50744号の実験例に見られる20面体
配列の392個のディンプルを有すると共に、構造は実
施例1〜6と同一であり、かつ、表3に示す諸元を有
す。そして、図8に示すディンプル配列パターンであ
る。 【0057】比較例3 特開昭60−234674号に見られる20面体配列の
432個のディンプルを有すると共に、構造は実施例1
〜6と同一であり、かつ、表3に示す諸元を有す。そし
て図9に示すディンプル配列パターンである。 【0058】しかして、実施例1〜6と比較例1〜3を
比べれは、実施例1〜6はキャリーで2〜9m、トータ
ルで3〜15m比較例より優れており、本発明の飛距離
アップへの効果が確認された。 【0059】このように、形状の異なる複数ディンプル
の組合せ(特に、大きく深いディンプルから小さくて浅
いディンプルまで4種類組合せ)により従来技術にない
飛行性能を実現し得た。 【0060】なお、本発明は上述の実施例に限定され
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更自由であ
り、例えば、2ピースボールに限らず、糸巻ボール、多
層及び単層ソリッドボールにも適用できると共に、スモ
ールサイズにも適用できる。また、12面体を基本パタ
ーンとしたが、8面体、20面体等にも適用可能であ
る。なお、ディンプルの数の上限を560個とし、下限
を240個とするのがよい。 【0061】 【発明の効果】本発明は上述の如く構成されているの
で、次に記載する効果を奏する。 【0062】本発明のゴルフボールは、ボール球面上で
のいずれの回転軸のまわりにおいても、ディンプルが整
然と整列している状態と異なり、空気流がより乱され、
剥離点が後方に下がると共に、ボール飛行中の各速度領
域に於て、夫々のディンプル形状のディンプルが有効に
作用する。つまり、高速領域に於ては、ディンプル効果
の小さいディンプルが効果を発揮し、低速領域に於て
は、ディンプル効果の大きいディンプルが効果を発揮す
る。 【0063】従って、ボール飛行中の高速から低速領域
までの揚力、効力を最適化し、もって、飛距離の増大効
果を生み出す事ができたのであり、弾道形状について
は、従来のディンプルボールに於てキャリーを伸ばそう
と試みるときに生じる「ホップ」を発生せず、伸びのあ
るストレート球で風に強い球筋が容易に得られる。 【0064】また、単種ディンプルを有するゴルフボー
ルでは、ディンプル数は約330個〜390個が通常で
あり、このディンプル数を少なく設計した場合、飛行後
半の浮き上がり等による飛距離ダウンが生じ、このディ
ンプル数を多く設計した場合、飛行前半の効力大及び揚
力少による飛距離ダウンが生じる。しかしながら本発明
のゴルフボールは、ディンプル数を少なくしても、単種
ディンプルに於ける低速領域で生じる下部剥離点の前進
による後流域増大による効力増加に因を発する飛距離ダ
ウンがなく、反対にディンプル数を多くしても単種ディ
ンプルに於ける高速領域で生じる上部剥離点の前進によ
る後流域増大による効力増加に因を発する飛距離ダウン
がなく安定した飛距離を得ることができる
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1の実施例を説明するためのディン
プル配列パターン図である。 【図2】本発明の第2の実施例を説明するためのディン
プル配列パターン図である。 【図3】本発明の第3の実施例を説明するためのディン
プル配列パターン図である。 【図4】本発明の第4の実施例を説明するためのディン
プル配列パターン図である。 【図5】本発明の第5の実施例を説明するためのディン
プル配列パターン図である。 【図6】本発明の第6の実施例を説明するためのディン
プル配列パターン図である。 【図7】比較例を示すディンプル配列パターン図であ
る。 【図8】他の比較例を示すディンプル配列パターン図で
ある。 【図9】別の比較例を示すディンプル配列パターン図で
ある。 【図10】要部拡大断面図である。 【図11】ディンプルの直径及び深さの関係を示す説明
図である。【図12】 第一直線と第二直線の説明図である。 【符号の説明】 1 ディンプル 2 ディンプル 3 ディンプル 4 ディンプル 11 大円帯OA 第一直線 OM 第二直線 O 中心 A 頂点 M 辺の中点

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.ボール球面上に複数種類のディンプルが配設される
    と共に、各ディンプルの一部をも含まない大円帯が0、
    又は、1個形成され、かつ、上記ボール球面からディン
    プルの部分を除いた残留面に相当するところの全陸地部
    に於て3個以上の順次隣り合ったディンプルによって包
    囲された各陸地部が、該ディンプルの平均面積以上の面
    積を有する新たなディンプルが形成できない大きさに形
    成され、さらに、上記ボール球面を正多角形に多面体割
    りして見た各区画内に於て、該区画の中心から各区画の
    頂点に第一直線を引いたとき、該第一直線上に並ぶディ
    ンプルは少なくとも2種類が配設されたことを特徴とす
    るゴルフボール。 2.ボール球面上に複数種類のディンプルが配設される
    と共に、各ディンプルの一部をも含まない大円帯が0、
    又は、1個形成され、かつ、上記ボール球面からディン
    プルの部分を除いた残留面に相当するところの全陸地部
    に於て3個以上の順次隣り合ったディンプルによって包
    囲された各陸地部が、該ディンプルの平均面積以上の面
    積を有する新たなディンプルが形成できない大きさに形
    成され、さらに、上記ボール球面を正多角形に多面体割
    りして見た各区画内に於て、該区画の中心から各区画の
    辺の中点に第二直線を引いたとき、該第二直線上に並ぶ
    ディンプルは少なくとも2種類が配設されたことを特徴
    とするゴルフボール。 3.ボール球面上に複数種類のディンプルが配設される
    と共に、各ディンプルの一部をも含まない大円帯が0、
    又は、1個形成され、かつ、上記ボール球面からディン
    プルの部分を除いた残留面に相当するところの全陸地部
    に於て3個以上の順次隣り合ったディンプルによって包
    囲された各陸地部が、該ディンプルの平均面積以上の面
    積を有する新たなディンプルが形成できない大きさに形
    成され、さらに、上記ボール球面を正多角形に多面体割
    りして見た各区画内に於て、該区画の中心から各区画の
    頂点に第一直線を引くと共に辺の中点に第二直線を引い
    たとき、該第一直線及び第二直線上に並ぷディンプルは
    夫々少な くとも2種類が配設されたことを特徴とするゴ
    ルフボール。
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