JP2838086B2 - 医療用滅菌器具 - Google Patents

医療用滅菌器具

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は医療用滅菌器具に関する。
従来の技術 医療分野で医療用器具の滅菌とその後の保管のために
多様なコンテナーが供給されている。そのような今まで
のコンテナーにおいては以下の点に関する問題点の解決
が求められた。
即ち、耐久性があり漏れのない構造、滅菌用の高温媒
体の効率的な移行、保管と即座の使用のためにコンテナ
ーのふたが閉じられているとき、内容物が滅菌処理直後
と同じ状態であることを保証するため、悪意といたずら
に対する効果的な保護に関する点などである。
発明が解決すべき課題 本発明はケースに対してふたをラッチ機構で錠止めし
た後、ラッチ機構に指示部材を挿入すると、その係合突
片と膨大ストッパ部によって指示部材を破断しない限り
ラッチ機構を解放することができなくなり、ラッチ機構
の解放が容易にわかって悪意やいたずらによるラッチ機
構の解放を簡単に見破ることができ、指示部材に設けた
表示体の色を見るだけで、高温滅菌処理が終了している
かどうかを外部から容易に知ることができる医療用滅菌
器具を提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段 本発明の医療用滅菌器具は、ケース本体にラッチ機構
によって取付け、取外し自在に設けられたふたを有する
ケースと、前記ラッチ機構に一端から挿入されて該ラッ
チ機構の解放を防止する指示部材とからなり、前記指示
部材の一端に、他端に向けて拡がるように傾斜して他端
方向への移動を規制する係合突片を設けると共に、前記
指示部材の他端に膨大ストッパ部を設け、前記指示部材
は温度変化によって変色する表示体を有することを特徴
とする構成を有する。
作用 ケースをふたで覆った後、ふたをラッチ機構でケース
に錠止し、ラッチ機構に指持部材を挿入すると、指示部
材は係止突片と膨大ストッパ部とによってその位置に保
持される。
医療用滅菌器具を滅菌のため加熱すると、ラッチ機構
に接触するよう装着された指示部材の表示体が、ケース
の温度上昇を感知して変色する。
ラッチ機構を解放しようとすると、指示部材が破断さ
れる。
実施例 図、特に第1図,第2図及び第3図を参照すると、本
発明にしたがって作成された滅菌用器具が符号2で図示
されている。図のごとく、本器具には、多面体(例え
ば、直方体や立方体)のコンテナー即ちケース4が含ま
れ、このケース4は底部6とこれに連続した側壁8とを
有している。側壁8は一対の対向する側面10,12、及
び、一対の対向する端面14,16からできている。
また、このケース4は取り外し可能なふたCによって
閉じることができ、このふたCは一対の対面するラッチ
機構20によってケース4のケース本体に取付け、取外し
可能な状態で固定される。各ラッチ機構20にはケース運
搬用のハンドル22がついている。また、ケース4のふた
Cには複数のくぼみ24が設けられていて、そこへケース
4の底部6に形成した対応する形状の突起部26をいれ込
み、ケース4が保管時に多数積み重ねられるのを容易に
している。
第4図、第5図及び第6図に図示されているように、
かごBが取り外し可能な状態でケース4内に収納されて
いて、滅菌する医療用器具をその中にいれるために使用
される。
この実施例では、かごBには一対のハンドル30がつい
ていて、それは、32の位置で回転するようになってお
り、ハンドル30は使用しないときにはかごBの中へ折り
込んでおくことができる。かごBには、ケース4の底部
6上におくため、下部に支持用脚部34が設けられてい
る。本実施例では、かごBはステンレスで作られていて
交差状の編目にされている。この交差状編目は垂直に延
び多数の針金36と水平方向に延びた多数の針金38から構
成されている。本構造により、かごBの強度は増加し医
療用器具が網に引っかかるという可能性も最小になって
いる。かごBの上部には連続した上方リブ材40が設けら
れていて、かごBを補強すると共に形状を完全な状態に
保つ役目をしている。
第4図,第5図及び第6図において、ケース4の底部
6には孔48のあいた区域46があり、その周囲は多角形状
のへこんだ溝47になっている。この孔48のあいた区域46
は、多数の円形の孔48のあいた区域であり、この孔48は
ふたCの孔のあいた区域52にあけられた孔50と軸が一致
するような状態で、一定間隔の行列状に並べられてい
る。ふたCにおいても孔50のあいた区域52は、周囲の溝
54によって区画されていて、底部6及びふたCの孔のあ
いた区域46,52は、ふたCを閉めた状態では、お互いが
垂直方向に一致している。
本実施例では、下部遮蔽板60にも、周囲の溝65によっ
て他の部位と区分されている多数の孔64のあいた区域が
あり、下部遮蔽板60はケース4の底部6に取り外し可能
な状態で保持されている。溝65はケース4の底部6に対
して下部遮蔽板60の位置がきっちりと決まるように、底
部6の孔48の開いた区域の回りを囲んでいる凸の部分47
にはめ込まれる。
また、下部遮蔽板60の孔64はケース4の底部6の孔48
の位置にあうように配列されている。下部遮蔽板60はそ
の両端に、外側上方に傾けたフランジ66を有しており、
一方のフランジ66は、ケース4の側面10に作られた内側
へ突出した肩の部分68にはめ込めるようになっている。
他のフランジ66には69′の位置を支点として、水平方
向に回転するレバーアーム69(第9図)が設けられてい
る。また、このレバーアーム69には、ケース4の側面12
の突出部分76に、支点69′を中心として回転させること
で取り付けるための係合部75が設けられている。
また、突起部78(第9図)が他のフランジ部66から上
向きに突出していて、レバーアーム69を突出部分76に係
合させたとき、レバーアーム69の回動を防止する役目を
している。これによって、ケース4の底部6から下部遮
蔽板60がずれないように、側面12の突出部分76の下に係
合部75をとめておくことができる。
したがって、下部遮蔽板60のフランジ部66は出っ張っ
た肩状の部分68及び突出部分76と係合し、第9図に点線
で示したようにレバーアーム69を回転させて開放位置に
するまでは、突起部78で押さえつける形でブロックし
て、下部遮蔽板60を固定しておくことができるようにな
っている。
第4図及び第5図でわかるように、上部遮蔽板70も下
部遮蔽板60と実質的に同じ構造であり、ふたCに取り外
し可能な状態で取り付けられるようになっている。この
上部遮蔽板70にも、多くの孔74(第5図)のあけられた
孔あき区域72があり、この孔74は、ふたCにあけられた
孔50の位置と整合するような位置にあけられている。
前述のように、この上部遮蔽板70にも、ふたCの溝54
の凸部にはめ込めるような位置において、周囲にへこん
だ溝77が形成されている。また、下部遮蔽板60と同様
に、上部遮蔽板70はレバーアーム80を用いて固定され
る。このレバーアーム80は、上部遮蔽板70の一側に継ぎ
目なく形成されたフランジ82(第6図)に回動可能に取
り付けられ、ふたCの側壁内側に設けられた突出部分84
に係合して上部遮蔽板70を固定する。同様に、上部遮蔽
板70の反対側のフランジ部分86も、ふたCの反対側の側
壁にある突出部分88によって固定される。
さらに、多孔性のフィルター材である遮蔽体85が上部
遮蔽板70とふたCの孔あき区域72との間にはさみ込まれ
る。このような遮蔽体85は、ケース4の底部6と下部遮
蔽板60の間に置くこともできる。この遮蔽体85は有害な
ものをろ過し、滅菌中及び/またはその後の保管中に、
ケース4の内部に有害物が入ることを防止し、したがっ
て、後でケース4を使用する前に医療用器具が汚染して
しまうことを防止する。また、遮蔽体85は吸収性の紙の
素材からできており、PROGUARDの商品名で入手でき、su
rgicotとして現場では知られている。もちろん、これ以
外の適当な素材も使用できる。
第1図,第3図,第5図,第7図及び第8図を参照す
ると、これらの図には、ふたCに用いられるラッチ機構
20が図示されている。ラッチ機構20(2つ使用されてい
る)は二重支点動作により、ケース4の開放部に対して
ふたCを密閉状態でかなり強くロックする。
各ラッチ機構20には、ケース4の端面16(第7図)の
外側に溶接等によってしっかりと取り付けられた支持バ
ー90と、端面16から突き出し、この支持バー90に形成さ
れた開口部に差し込まれている一連のびょう92とが用い
られている。また、この支持バー90を固定するため、露
出したびょう92の端に、一般的なC形のスナップリング
94が取り付けられている。この配置において、支持バー
90(第5図)の両端部には、ハンドル22の連結棒98をは
め込むための一対の軸受部96(第7図)が形成されてい
る。
連結棒98の外周には、プラスチック製軸受け筒104を
介して、長い冷却スリーブ100が回転できるような形で
取り付けられており、冷却スリーブ100には多くの孔102
があいている。この孔102のあいた冷却スリーブ100によ
って滅菌処理後、ただちに熱の発散が促進され、したが
って、好ましいことに、直ちに使用または保管のために
ケース4を運搬できる。
各ラッチ機構20には、さらにヒンジ板106が含まれて
いる。ヒンジ板106は、支持バー90の上部に近接した位
置108でヒンジ止めされている。このヒンジはピアノヒ
ンジの構成で、ラッチの強度特性を最高にしている。
ヒンジ板106の先端部には、指でにぎりやすくするた
め、外側下向きに傾斜するフランジ107が形成され、ヒ
ンジ板106の外面には、管状の通路112(第7図及び第8
図)のついた長い保持部110が設けられている。
また、ヒンジ板106には、支持バー90から外へ伸びて
いる第2の保持部116(第10図及び第11図)をはめ込む
ために、開口部114が設けられている。第2の保持部116
には、第1の保持部110に付けられた管状通路112と同じ
軸上に同様の通路118が設けられている。
この第2の保持部116の中には、1個以上の弾性金属
の保持リング120(第10図及び第11図)が設けられてお
り、保持リング120には、指示部材151上の接触部分に弾
性的にかみ合うように、第1の保持部110から離れる方
向に且つ内側へ放射状に伸びた一連の弾性フィンガー12
2が設けられている。保持リング120はばね鋼で作られて
おり、フィンガー122にはすき間が入れられていて、指
示部材151をその一端から挿入すると、軸方向逆側へ移
動することができなくなるような一方向のスライドロッ
クの機構をしている。
ヒンジ板106にはラッチ板130が取り付けられており、
このラッチ板130はヒンジ板106をはめるように切り取り
部132を有している。ラッチ板130は1対のピポットピン
136によって、ヒンジ板106に隣接して、ピポットピン13
6を中心として回転する形で取り付けられている。そし
て、このピポットピン136は、ヒンジ板106とラッチ板13
0の各々につけられた支持ブロック138,140に取り付けら
れている。
ピボットピン136の各々にコイルばね142が取り付けら
れ、その一端部144がヒンジ板106の回転軸であるヒンジ
ピン135に固定されている。そのため、ヒンジ板106を第
8図の反時計方向に回すと、それはコイルばね142をね
じる方向に動き、ヒンジ板106を自由にすると、それは
第8図の点線に示した位置へコイルばね142の復元力で
戻ってくる。
同様に、ヒンジ板106が反時計方向に回転すると、コ
イルばね142も巻かれてラッチ板130を移動させる。した
がって、ヒンジピン135及びピポットピン138は、それぞ
れヒンジ板106とラッチ板130の二重の支点となってい
る。
第5図及び第8図でわかるように、ラッチ板130には
通常逆J形のクランプ150がついており、直線部分152か
ら外側と内側へ伸びている。クランプ150の端は、フッ
ク状の端部154となっており、ふたCの溝158で形作られ
ている周囲のフランジ156の上へ、締付け機構によって
はまるようになっている。したがって、第8図でわかる
ように、支持バー90はラッチ板130の直線部を支持する
役割をし、その結果、密閉の状態におけるラッチ機構20
の保持力を最大にするため、ケース4の対面する側壁8
に対して、通常、平行の位置になる。
ラッチ機構20において、支持バー90は、ヒンジ板106
をケース4の端面16に対し、通常、平行になるように保
持する働きをしている。ヒンジピン135(第8図)は、
ふたCのフランジ56の外側縁に対し、通常、平行の位置
となるように配置され、フック状の終端154はヒンジピ
ン135の内側にくる。これによってヒンジ板106は外側へ
回転し、同時にラッチ板130は下側へ引っ張られる。こ
のため、ヒンジ板106とラッチ板130はおおむね平行にな
り、指示部材151で止められるようになるまで、クラン
プ部150はS形のフランジ156に対し下方外側へ引っ張ら
れる。この位置で第1の保持部110の通路112と第2の保
持部106の通路118とが露出され(第8図)、お互いの軸
が一致し、ふたCをケース4の上部の開口部を閉じた状
態でロックするために指示部材151をその一端からすべ
らせて入れることができるようになる。この点について
は後に詳しく記載する。
第4図及び第5図には、ふたCの外周の縁を取り囲
み、周囲のシート部170を形成しているS形のフランジ1
56が見られる。このフランジ156によってふたCを閉じ
た状態で密閉を得るため、バスケットの形状をした弾性
のある重合体素材を入れることができるようになってい
る。この構造は、ふたCをケース4に密着するための圧
縮角みぞの役割りを果している。
本実施例では、いたずらされたときにはそのことがわ
かるようなロック状態を得るために破断式の指示部材15
1が使用されている。1例としては、この指示部材151
は、長いボディー部153を有する矢のような形で、一般
に尖った頭部155を一端に有し、他端には長い羽根状の
膨大ストッパ部157を有している。ボディー部153には、
尖った頭部155及びボディー部153と同じ断面の大きさを
持つ長い部分160に隣接した位置に、細いネック状部分1
59が設けられている。この長い部分160の部位には、他
端の膨大ストッパ部157に向けて拡がるよう傾斜する係
合突片162が設けられている。
この係合突片162は最大の断面積を有し、長い部分160
の断面積より大きく、一旦取付け位置に指示部材151を
入れると、軸方向他端側への移動を規制して引き抜くこ
とを防止するストッパーの役目を果たす。
指示部材151は、合成樹脂の重合体素材でできてお
り、ケース4及びその中に入っている器具に対し、高温
滅菌処理が行われたかどうかを自動的に指示するため、
その一部に温度変化によって変色する表示体が設けられ
ている。
表示体としては、例えば、羽根状の膨大ストッパ部15
7に感熱性素材が使われている。これは感熱インク合成
物に浸して被覆しても、あるいは、塗布してもよく、ま
たは、そのような表示体は感熱インクを含んだ紙片の形
でも提供されている。例として、指示部材151を白の重
合素材で作製すると、膨大ストッパ部157に用いられた
科学インク合成物が熱によって変化して茶色に変わり、
ケース4が高温で滅菌されたことを指示する。
表示体はニュージャージーのTempil Incorporatedか
ら商品記号S−FWC−566−D及びG−FYC−369−Cで市
販されている滅菌指示インクに浸すことでコートされ
る。
なお、本発明ではいたずら防止型ロック機構の意図す
る目的が達成される構造上の機能性を有し、ケース4が
高温滅菌されたことを指示するために、温度変化によっ
て目視できる色変化があれば、指示部材はいかなる形状
及び/または大きさのものであってもよい。また、加熱
による滅菌は技術的にすでに知られた方法で自動的に行
われる。
本発明では、ケースの本体とふたは、好ましくは強度
の大きい被覆がされている。1例として陰極処理アルミ
材でできていて、他の材質と充分接合できる強度であり
ながら軽量で、引っかき傷に強くなっている。ケースの
底と上部は、ケースの洗浄を容易にし腐食を最少にする
ため、リベットを使わないのがよい。ふたを閉じるのを
容易にするために、てこの作用を最大に利用した2重支
点式の動作方式がラッチ機構に用いられている。
使用にあたっては、ヒンジ板106が閉の位置にあると
き、指示部材151を、その一端の尖った頭部155を先にし
て、第1の保持部110の通路112と第2の保持部116の通
路118(第8図)に挿入し、指示部材151の断面積が小さ
くなった部分159を、第1の保持部110と第2の保持部11
6の間に位置させる。
そのため、先に述べたように、ラッチ板106がヒンジ
ピン135を中心に上方へ回転させられると、この断面積
の小さくなった部分159は破断され、ヒンジ板106はコイ
ルばね142の弾力に抗して手で上方へ回すことができ
る。そして、破断した指示部材151は、第1の保持部110
及び第2の保持部116から引き抜くことができ、次の使
用のために新しいものをそこへ挿入できる。
第12図〜第16図は、本発明にしたがって、改良された
ラッチ機構を有する医療用滅菌装置の第2の実施例を示
すものである。
この第2の実施例においても、第1の実施例と同じ部
材を表わすために、同じ部材に同じ数字が用いられてい
る。滅菌用器具2にはふたCが付いており、このふたC
は、向かい合って取り付けられた1対の2重動作式ラッ
チ機構200によって取り外し可能、かつ、ロック可能な
状態で取り付けられている。このラッチ機構200は実質
的に第1の実施例と同一構造である。
第12図にみられるように、ラッチ機構200には、ふた
Cに支持体206を介して支点軸210の位置でヒンジ止めさ
れているふた側ラッチ板202が使われている。底部用ラ
ッチ板204は、底部支持体208によって支点軸212の位置
でケース4の側壁8にヒンジ止めされている。このヒン
ジには、ラッチの開放を容易にするためスプリングが取
付けられている。この操作は以下で更に説明される。
第13図と第14図に、示されているように、ふた側のラ
ッチ板202は断面ほぼJ形をしており、支点軸210と反対
側のプレートの下端は、内側にのびて曲っている部分21
4になっている。
底側ラッチ板204には支点軸212の近傍においてフック
部216が形成される。底側ラッチ板204のフック部216
は、このラッチ板204を支点軸212に対して下向きに回転
させ、ラッチ板204でふたCをケース4に対してロック
した位置にするとき、ふたCのラッチ板202の曲がった
部分214と係合するような構造になっている。
これらのラッチ板202,204の構造によって、ラッチ機
構200の使用中、弾性シール材172の圧縮力は増加し、そ
のため、従来使われていたラッチ機構に比べ、より堅固
で空気を通さない密閉が可能になっている。さらに、こ
のラッチ板はケース4の側壁8に対し実質的に平面状態
に置かれているので、例えば、手術室看護婦がバスケッ
トを動かそうとして無菌衣を汚染させるといった危険性
を少なくしている。
指示部材151は、底部支持体208に形成されたガイド孔
に挿入される。この指示部材151の捕捉部224はガイド孔
に隣接した底側ラッチ板204の1つの側面に作られてい
る。指示部材151の一端に形成された頭部と係合突片162
が、通常の閉じた位置にあるラッチ板204を固定するた
め、底部支持体208のガイド孔に捕捉部224に向けて挿入
されると、他端に形成された膨大ストッパ部157と他端
部が拡がるように傾斜する係合突片162とによって支持
部材151の軸方向の移動が規制され、指示部材151はラッ
チ板204の回転運動で破断されない限り取り外すことが
できなくなる。そのため、第1実施例と同様、指示部材
151は滅菌器具の密閉が破られ、内部が汚染しているこ
とを示すインジケーターの役割を果たす。
底側の支持体208は、データカード用ブロック218と、
識別カードブロック220の形にしておくこともできる。
両ブロック218,220には、作業者やその後の使用者が密
閉を破って内容物を汚染させるといったことがなくケー
ス内容物を識別することが可能なように、インフォメー
ションカードをいれておく凹所が設けられている。さら
に、ふたCのラッチ板202には、好ましくは縦長のみぞ2
26が付けられている。このみぞ226は、ラッチの開放時
に、作業者が指を入れて容易に開放するためのスペース
になっている。
使用に際して、ラッチ機構200をロックするために
は、使用者は底側のラッチ板204を下へ回し、ふた側の
ラッチ板202にかみ合わせ、そして、指示部材151を挿入
する。ラッチ機構200を開くには、使用者は指を底側ラ
ッチ板204のうしろ側へすべり込ませ、ラッチ板204を外
側上方へ引っ張り、指示部材151を破断する。底側ラッ
チ板204の動きで、ふた側ラッチ板202の上方への回転が
起こり、2つのラッチ板202,204は離される。ふた側ラ
ッチ板202にはばねが組み込まれており、使用者が握る
ことが容易で、かつ、ケースからふたを持ち上げて取り
外すのに便利な位置まで、自動的に上方に弾ね上げる。
発明の効果 本発明によると、ケース本体に対してふたをラッチ機
構で錠止めした後、ラッチ機構に指示部材を挿入する
と、その係合突片と膨大ストッパ部とによって指示部材
を破断しない限りラッチ機構を解放することができなく
なり、このため、ラッチ機構の解放が容易にわかって悪
意やいたずらによるラッチ機構の解放を容易に見破るこ
とができる。
また、滅菌の際に高温で加熱されたケースの温度上昇
により、そのラッチ機構に接触するよう装着された指示
部材の表示体が変色して、加熱処理が終了しているかど
うかを外部から容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の第1の実施の斜視図、第2図は、第
1図の例面図、第3図は、第1の正面図、第4図は、第
3図の4−4線における断面図、第5図は、第3図の5
−5線における断面図、第6図は、ケースと、取り外し
可能なふたの間の密閉構造を示した部分拡大断面図、第
7図は、ラッチ機構のいたずら防止装置を拡大して示し
た部分正面図、第8図は、ラッチ機構の操作を示す部分
正面図、第9図は、遮蔽板を保持するためのカムロック
の組立状態を示す部分的平面図、第10図は、第7図の10
−10線における部分拡大断面図、第11図は、第10図の11
−11線での断面図、第12図は、本発明の第2の実施例に
おける側面図、第13図は、第12図の13−13の線に沿う部
分断面図、第14図は、第13図と別の状態を示す部分断面
図である。 4……ケース、20……ラッチ機構、151……指示部材、1
57……膨大ストッパ部、162……係合突片、C……ふ
た。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケース本体にラッチ機構によって取付け、
    取外し自在に設けられたふたを有するケースと、前記ラ
    ッチ機構に一端から挿入されて該ラッチ機構の解放を防
    止する指示部材とからなり、前記指示部材の一端に、他
    端に向けて拡がるよう傾斜して他端方向への移動を規制
    する係合突片を設けると共に、前記指示部材の他端に膨
    大ストッパ部を設け、前記指示部材は温度変化によって
    変色する表示体を有することを特徴とする医療用滅菌器
    具。
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