JP2836248B2 - 植物栽培装置 - Google Patents

植物栽培装置

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JP2836248B2 JP2338797A JP33879790A JP2836248B2 JP 2836248 B2 JP2836248 B2 JP 2836248B2 JP 2338797 A JP2338797 A JP 2338797A JP 33879790 A JP33879790 A JP 33879790A JP 2836248 B2 JP2836248 B2 JP 2836248B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、椎茸、マッシュルーム、エノキ、シメジ、
カワラタケ、マンネンタケ等の茸類やサラダ菜、リーフ
レタス、ラデッシュ、セルリー、ホウレン草、ハーブ類
等の野菜類を人工栽培する植物栽培装置に関する。
(従来の技術) 従来、椎茸等の茸類の人工栽培に、オガクズやモミガ
ラ等の植物繊維質材料に個糠等の栄養物質を混合した固
体培養基から成る人工ホダ木が用いられ、この人工ホダ
木に種菌を接種して培養を行い、栽培室内で育成管理す
ることにより子実体を得てこれを生育させるようにして
いる。そして、前記人工ホダ木を栽培室内で多量に育成
管理するための栽培装置としては、特開昭58−198225号
公報等に開示され且つ第12図に概略示すように多数の人
工ホダ木(H)を平棚(A)上に配置する平棚式のもの
と、実公昭61−38441号公報等に開示され且つ第13図に
概略示すように多数の人工ホダ木(H)をハの字形に組
んだ傾斜状の支持体(B)(B)に積み重ねる斜面式の
ものとが知られている。
又、サラダ菜等の野菜類をハウス等の栽培室内で多量
に育成栽培する装置としては、例えば実開平2−96352
号公報に開示され且つ第14図に概略示すように、前記し
た茸の場合の斜面式と同様、ウレタン(W)等に保持し
た野菜類を傾斜状の支持体(F)(F)に多数配列した
斜面式の立体栽培装置が知られている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、上記第2図に示す平棚式では、各平棚(A)
に平面配置される個々の人工ホダ木(H)に均等に給水
や採光を確保するには、各人工ホダ木間に間隔を空けた
り、棚間隔を広くせざるを得ず、空間的にデッドスペー
スが大きくなり、又、斜面式でも、第13図や第14図に示
すように、支持体間(B,B)(F,F)に挟まれた空間
(D)(E)に大きなデッドスペースができ、何れも立
体空間を有効利用にできていない問題がある。
このため、標準的な人工ホダ木でその収容個数を評価
すると、平棚式のものでは坪当たり300個程度、斜面式
のものでは同500〜900個程度が限界とされ、収穫を上げ
るには、栽培装置を台数を大幅に増やさざるを得ず、こ
のため、栽培室が大型化すると共に該栽培室内を空調や
照明等する設備も大型化し、電気代等がかさんでコスト
高になると共に、労働集約性が悪化する問題が起こる。
本発明の主目的は、人工ホダ木や栽培床等を支持する
支持体の構造を工夫することにより、空間利用率を向上
し、単位面積あたりの人工ホダ木の収容個数や苗の本数
等を増大することができる植物栽培装置を提供する点に
ある。
(課題を解決するための手段) そこで、上記主目的を達成するために、第1に、前後
に移動を可能とした架台(1)に、人工ホダ木や栽培床
等の栽培植物基体の支持体(2)を上下方向に多段ジグ
ザグ状に積層支持して、前方及び後方に傾斜する前方支
持部(2a)と後方支持部(2b)とを形成すると共に、前
記支持体(2)の前後方向の投影間隔(L)を、前記架
台(1)における前後幅(S)よりも大きくした。
第2に、上記主目的に加えて栽培植物基体に良好な採
光を確保するために、前記第1の構成に加えて、支持体
(2)における支持部の裏側に、光源(3)を設置し
た。
第3に、加えて栽培植物基体に良好かつ簡易な給液を
確保するために、前記第1又は第2の構成に加えて、支
持体(2)の上部に給液管(4)を配管すると共に、上
段と下段との支持体間に、上段の支持体に給液された液
を下段の支持体に受け渡す受け渡し手段(5)を設け
た。
第4に、主にマッシュルームやマンネンタケ、カワラ
タケ等の栽培を対象とする場合に良好な水分状態を確保
するために、前記第1又は第2の構成に加えて、支持体
(2)における支持部の裏側に、前後方向外方に向かっ
て散液する散液ノズル(6)を設置した。
(作用) 上記第1の構成により、栽培装置を前後方向に複数台
重ね置きした場合、架台(1)の前後幅(S)以上に出
っ張る支持体(2)の張出し部分が隣合う架台(1)の
上部空間内に位置されて、この部分に栽培植物基体の支
持部を拡大でき、架台(1)の上部立体空間の利用率を
向上できて、栽培室内における単位床面積あたりの栽培
植物基体の収容個数等を増大することができる。
又、上記第2の構成により、隣合う栽培装置の支持体
に支持した栽培植物基体に良好に光を当てることがで
き、採光を良好に確保することもできる。
更に、上記第3の構成により、受け渡し手段(5)を
介して多段構成とされる各支持体(2)への給液が簡易
に行え、給液管(4)から供給する給液量を節約するこ
ともできる。
更に又、上記第4の構成により、隣合う栽培装置に支
持したマッシュルームやマンネンタケ、カワラタケ等の
栽培植物基体に良好に散液することができ、これらマッ
シュルームやマンネンタケ、カワラタケ等を良好に生育
させることができる。
(実施例) 第1図に示すものは、椎茸やエノキやシメジらやナメ
コ等の茸類の栽培装置であって、下部の転動体(7)を
介して前後に移動を可能とした架台(1)に、一対の側
フレーム(8)(8)を立設し、該フレーム(8)
(8)に、人工ホダ木(H)を支持するパネル状の支持
体(2)を上下方向4段にわたり多段ジグザグ状に積層
支持して、前方及び後方にそれぞれ傾斜する傾斜面状の
前方支持面(2a)(2a)と後方支持部(2b)(2b)とを
各2段づつ形成したものである。
各段の支持体(2)には、各支持体平面を取り囲む側
枠(21)(21)及び下部枠(22)を備え、各支持部に載
置した人工ホダ木(H)の脱落等を防止できるようにし
ている。
そして、第2図に明示するように、前記支持体(2)
の前後方向の投影間隔(L)を、前記架台(1)におけ
る前後幅(S)よりも大きくし、この栽培装置を前後方
向に複数台重ね置きした場合に、各支持体(2)の前後
の張り出し部分が、隣合う架台(1)の上部空間内に入
り込むようにしている。
これにより、架台(1)の上部立体空間におけるデッ
ドスペースを殆ど無くすることができ、空間の利用率を
向上できて、栽培室内の単位床面積あたりの収容個数を
増大できるのである。具体的には、標準的な人工ホダ木
で坪当たり1200個程度の収容が可能となった。又、この
ように収容個数を増大できながらも、隣合う支持体間に
は茸類の生育空間を十分に確保することができると共
に、図中矢印で示す架台(1)の前後方向の移動によ
り、栽培装置一台毎に、その傾斜する前方支持部(2a)
及び後方支持部(2b)を前後にむき出し状態にできるた
め、人工ホダ木の積み降ろしや収穫作業、生育状態の観
察等が簡便に行えるのである。
又、各支持体(2)における支持部の裏側には、1000
lux程度以下とした蛍光燈から成る光源(3)を設けて
おり、これにより、隣合う栽培装置の支持体に載置した
人工ホダ木に、平行状にほぼ均一に光を当てて、ある程
度の光が欠かせない主にプナシメジやナメコ等の生育に
良好に対応できるようにしている。
更に、第1図に示すように、最上段の支持体(2)の
上部には、水を溜めた給液タンク(9)から上方に延
び、ポンプ(10)及び弁(11)を介装した縦管(41)
と、これにフレキシブルパイプ(42)を介して連結され
る横管(43)とから成る給液管(4)を配管すると共
に、最下段の支持体(2)の下部に排液管(44)を配管
し、該排液管(44)を前記タンク(9)に連通する側溝
等から成る排液路(45)に開放するようにしている。
そして、第3図に明示するように、最上段の支持体
(2)の上部に、前記給液管(4)から開放する給液の
液溜部(23)を設けて、この液溜部(23)に、親水性ウ
レタンや不織布等から成る底面給水材(20)の端部を浸
すと共に、この給水材(20)を支持部全面に敷設して、
該給水材(20)の上に前記人工ホダ木(H)を載せ、底
面側から給水するのであり、又、上段と下段との支持体
間に、上段に敷設した底面給水材(20)を下段側に受け
渡すスリット状の連通穴(51)から成る給液の受け渡し
手段(5)を設けて、給液を順次下段側に受け渡すよう
にしている。こうして、底面側からの給液により水分が
多く品質の悪い水茸になるのを防止し、品質を向上でき
ると共に、前記受け渡し手段(5)により、多段構成と
される各支持体(2)への給液が簡易に行え、又、給液
管(4)から供給する給液量を節約できるのである。
ところで、受け渡し手段(5)は、前記連通穴(51)
を設けて底面給水材(20)を連続的に敷設する他、第4
図に示すように、下段側の支持体(2)の上部に上段側
から流出する液を溜める液溜部(52)を設けて、底面給
水材(20)を上下の液溜部にまたがって一段毎に敷設
し、上段から下段に向けて順次液を受け渡す構造として
もよい。尚、第4図に示すものでは、最上段の液溜部
(23)に給液管(4)を配管する他、下段側の液溜部
(52)にも配管(40)を施設しているが、これは、給液
管(4)及び配管(40)に、生育期間中に与える常温の
給液の他に、1収穫サイクル毎に人工ホダ木の菌子体に
低温ショックを与えて磁界の子実体の発生を促す冷水を
切換えて流通させ、低温ショック処理に供する冷水を低
温状態のままで各段の人工ホダ木に供給できるようにし
ているためである。
又、上段から下段に順次液を受け渡す構造とする他、
第5図に示すように、各段の支持体(2)の上部に独立
した液溜部(23)を設けて、各液溜部(23)に給液管
(4)をそれぞれ配管すると共に、各段の支持体(2)
の下部に排液管(44)をそれぞれ配管して、各段独立に
給液を行ってもよく、この場合には、特に温度や養液の
PH.成分等を厳密に管理することができる。
更に、以上のものでは、底面給水材(20)により人工
ホダ木(H)に給液を行ったが、第6図に示すように、
各支持体(2)の支持部に波形等の溝(24)を設けて、
最上段の液溜部(23)並びに、給液の受け渡し手段
(5)を構成する下段側の液溜部(52)からオーバーフ
ローする液を各段の人工ホダ木(H)の底面に給液する
ようにしてもよい。
その上更に、給液の構造としては、底面側から給液す
る他に、主マッシュルームやマンネンタケ、カワラタケ
等が対象となるが、第7図に示すように、支持体(2)
における支持面の裏側に、前後方向外方に向かって散液
する多数の散液ノズル(6)をもつ散液パイプ(60)を
配管し、茸の発生側から散液するようにしてもよい。こ
のマッシュルーム等の栽培には、栽培基体として、馬厩
肥と稲ワラに若干の化学肥料を添加調整したコンポスト
(12)を用いている。この場合、第8図に示すように、
隣合う栽培装置に支持したコンポストにほぼ均一に散液
でき、マッシュルームを良好に生育させることができ
る。尚、壁(13)に対面する端部の栽培装置には、固定
式の散液パイプ(61)から散液している。
又、以上のものでは、パネル状とした支持体(2)を
用いて面状の支持部を形成したが、その他、第9図に示
すように、パイプ材等による骨組み材(25)を用いて、
支持体(2)を構成してもよい。この場合には、人工ホ
ダ木(H)の下面や側面等からも子実体を発生させるこ
とができる。又、エノキ、シメジ、ナメコ等のビンや袋
を用いる容器栽培に向いている。
次に、サラダ菜、リーフレタス、セルリー、ラディッ
シュ、ホウレン草、ハーブ類等の野菜類の栽培装置につ
いて説明する。
この場合、第10図に示すように、ウレタン材(14)に
保持した苗を発泡パネル(15)に設ける開口穴(16)に
差し込んで栽培床(17)を形成し、該栽培床(17)をリ
ブ(26)を介して支持体(2)の底面から若干浮き上が
らせて支持し、下方に延びる根に、同図に示すように底
面給水材(20)を介して給液したり、又、第11図に示す
ように各段の支持体に配管する散液パイプ(18)を介し
て給液したり、あるいは、改めて図示しないが第6図と
同様の溝構造や前記開口穴(16)の開口列に対応させた
溝構造をもつオーバーフロー方式により給液したり、更
には又、これらと第7図に示したように野菜類の上方か
ら葉面散布する方式とを併用して給液するのである。
又、この野菜の場合には、第11図に明示するように、
十分な採光を必要とするため、茸類よりも照度の高い概
ね5000〜1000lux程度の蛍光燈から成る光源(3)を設
置しており、又、給液タンク(9)には、水の他養分を
混合した養分液を溜めている。
以上の野菜の場合にも、作物の栽培面積を拡大でき
て、収穫量を増加できると共に、栽培床の管理等が簡便
に行えるのである。
尚、以上の各実施例において、架台(1)を前後に移
動させる転動体(7)は、レール上に転がせるようにし
ている。
(発明の効果) 以上、本発明によれば、栽培装置を前後方向に複数台
重ね置きした場合、架台(1)の上部立体空間の利用率
を向上できて、栽培室内における単位床面積あたりの人
工ホダ木の収容個数や栽培床の面積等を増大することが
できる。又、このように収容個数を増大できながらも、
架台(1)の前後方向に移動により、栽培装置一台毎
に、その傾斜する前方支持部(2a)及び後方支持部(2
b)を前後にむき出し状態にできるため、人工ホダ木や
苗床等の積み降ろしや苗の定植及び収穫作業あるいはそ
の生育状態の観察等が簡便に行える。
又、支持体(2)における支持部の裏側に、光源
(3)を設置する場合には、隣合う栽培装置の支持体に
支持した栽培植物基体に良好に採光を確保することもで
きる。
更に、支持体(2)の上部に給液管(4)を配管する
と共に、上段と下段との支持体間に、上段の支持体に給
液された液を下段の支持体に受け渡す受け渡し手段
(5)を設ける場合には、各段の支持体(2)への給液
が簡易に行えると共に、給液管(4)から供給する給液
量を節約することもできる。
更に又、支持体(2)における支持部の裏側に、前後
方向外方に向かって散液する散液ノズル(6)を設置す
る場合には、マッシュルームやマンネンタケ、カワラタ
ケ等の栽培に際して、その栽培植物基体に良好な水分状
態を確保することもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る茸類を対象とした植物栽培装置の
第1実施例を示す斜視図、第2図は同装置を複数台並設
した状態を示す側面図、第3図は同要部断面図、第4図
は同第2実施例を示す要部断面図、第5図は第3実施例
を示す要部断面図、第6図は同第4実施例を示す要部斜
視図、第7図及び第8図は同第5実施例を示す斜視図及
び側面図、第9図は同第6実施例を示す要部断面図、第
10図は野菜類を対象とした第7実施例を示す要部断面
図、第11図は同第8実施例を示す斜視図、第12図と第13
図及び第14図は従来例の概略図である。 (1)……架台 (2)……支持体 (3)……光源 (4)……給液管 (5)……受け渡し手段 (6)……散液ノズル (2a)……前方支持部 (2b)……後方支持部 (L)……投影間隔 (S)……前後幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01G 1/04 A01G 9/14 A01G 9/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前後に移動を可能とした架台(1)に、人
    工ホダ木や栽培床等の栽培植物基体の支持体(2)を上
    下方向に多段ジグザグ状に積層支持して、前方及び後方
    に傾斜する前方支持部(2a)と後方支持部(2b)とを形
    成すると共に、前記支持体(2)の前後方向の投影間隔
    (L)を、前記架台(1)における前後幅(S)よりも
    大きくしていることを特徴とする植物栽培装置。
  2. 【請求項2】支持体(2)における支持部の裏側に、光
    源(3)を設置している請求項1記載の植物栽培装置。
  3. 【請求項3】支持体(2)の上部に給液管(4)を配管
    すると共に、上段と下段との支持体間に、上段の支持体
    に給液された液を下段の支持体に受け渡す受け渡し手段
    (5)を設けている請求項1又は請求項2記載の植物栽
    培装置。
  4. 【請求項4】支持体(2)における支持部の裏側に、前
    後方向外方に向かって散液する散液ノズル(6)を設置
    している請求項1又は請求項2記載の植物栽培装置。
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