JP2835954B2 - 画像処理方法及びその装置 - Google Patents

画像処理方法及びその装置

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JP2835954B2 JP63116920A JP11692088A JP2835954B2 JP 2835954 B2 JP2835954 B2 JP 2835954B2 JP 63116920 A JP63116920 A JP 63116920A JP 11692088 A JP11692088 A JP 11692088A JP 2835954 B2 JP2835954 B2 JP 2835954B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、原画像に記録されている画像情報を読み取
って電気信号に変換しこの電気信号を画像として再生す
る際に、画像情報の局所的な変動成分を強調または抑制
する画像処理方法及びその装置に関し、特にディジタル
化X線画像のような医用ディジタル画像の鮮鋭化処理に
好適な画像処理方法及びその装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、画像に含まれる高い空間周波数成分を強調して
画像を鮮鋭化する画像処理方法には、ローゼンフェル
ト、カーク共著、長尾真他訳「ディジタル画像処理」
(近代科学社、昭和53年発行)の第185頁から第196頁で
論じられているように、実空間におけるラプラシアンフ
ィルタ法や非鮮鋭マスク法、周波数空間における高域強
調フィルタ法が用いられてきた。これらのフィルタで処
理した画像上の濃度や輝度が変化する辺縁部では、濃度
や輝度の変化のオーバーシュートやアンダーシュートが
生じ、これらが上記辺縁部のコントラストを増加させて
画像を鮮鋭化する一要素となっている。しかし、これら
のフィルタで、元来大きなコントラストを有する画像を
処理すると、オーバーシュートとアンダーシュートが過
大となり、輪郭が二重になるような現象(以下「偽輪
郭」と称する」が生じるものであった。また、こうした
オーバーシュートやアンダーシュートにより、処理後画
像の濃度や輝度の変動範囲が原画像の変動範囲を大きく
逸脱してしまう。そして、処理後画像を表示する銀塩フ
ィルムやCRTの濃度や輝度の変動範囲は有限なので、大
きなオーバーシュートやアンダーシュートの上に乗った
画像情報などが、表示媒体の濃度や輝度の変動範囲を超
えたために失われてしまう現象(以下「ツブレ」と称す
る)も生じるものであった。
このような偽輪郭とツブレの現象について第8図及び
第9図を参照して説明する。ここでは簡単のために、一
次元の画像を例にとって説明する。まず、第8図中の実
線の折線は、例とした原一次元画像の濃度変化Aを表わ
す。これに第8図中に示したマスクサイズCの非鮮鋭マ
スク法による鮮鋭化処理を行うと、第9図中の実線のカ
ーブで示す濃度変化Dとなる。この場合、図に示されて
いるように、大きなオーバーシュートやアンダーシュー
トによる偽輪郭E,Fがそれぞれ発生する。また、第9図
において一点鎖線で示す表示媒体の濃度上限G及び下限
Hを超えた部分(斜線を付した部分)は、ツブレにより
画像情報が失われる。このような偽輪郭E,Fやツブレの
発生は、表われ方や程度は異なるが、前記ラプラシアン
フィルタ法や、高域強調フィルタ法のような他の方法を
用いた鮮鋭化処理でも免れることはできない。
これに対して、上記のような欠点を緩和する画像処理
方法として、特開昭56−91735号公報に掲載されている
ように、上記のような過大な強調を抑制する方法が提案
されている。即ち、第9図の実線のカーブで示したよう
な単純な鮮鋭化処理を行った画像と第8図の実線の折線
で示した原画像との差として与えられる単純な強調成分
の値に対して、抑制された強調成分の値を、第10図の関
係Jに示すように過大な強調が抑制されるように関係づ
ける。そして、上記の単純な強調成分から、第10図の関
係を用いて、抑制された強調成分を求めて原画像に加え
る。第8図に示す原一次元画像をこの方法で処理する
と、第9図において破線の直線及び破線のカーブで示す
濃度変化Kとなる。この場合、図に示されているよう
に、単純な鮮鋭化処理における偽輪郭E,Fは緩和されて
いる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上記特開昭56−91735号公報に記載されてい
る画像処理方法においては、偽輪郭の発生は抑えられる
ものの、第9図に示されているように画像情報が失われ
るツブレ現象(斜線部参照)はまだ残っているものであ
った。すなわち、ツブレの問題は本質的には解決されて
いないものであった。むしろ、副次的に発生する問題点
として、一般に画像情報が多く含まれツブレに無関係な
中間濃度上の信号Lまたは中間輝度上の信号までその強
調が抑制されてしまうものであった。従って、例えば医
用ディジタル画像の鮮鋭化処理において十分に高画質化
を達成できないものであった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、画像
の偽輪郭の発生を抑えると共にツブレを除去し、かつそ
れらの問題と無関係な中間濃度上または中間輝度上の信
号の強調は抑制しない画像処理方法及びその装置を提供
することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的は、各種物理量の計測値を二次元分布とし
て記録した原画像を走査し、この原画像に記録されてい
る画像情報を読み取って電気信号に変換し、この電気信
号を画像として再生するに際し、上記原画像の各種物理
量の計測値分布Oから、その計測値分布O自身もしくは
該計測値分布Oを平滑化して得られる計測値分布Bと、
上記計測値分布Oの局所的な変動成分Vとを求め、画像
再生時の計測値分布をPとしたときに演算式 P=B+f(B;V) (だだし、f(B;V)は、BをパラメータとするVの関
数であり、Bが一定であるとき、V1<V2なるVの組に対
して常にf(B;V1)≦f(B;V2)となるVに関する広義
の単調増加関数である。また、f(B;0)=0であり、
Vを一定の正の値としたとき、B1<B2なるBの組に対し
て常に f(B1;V)/|f(B1;−V)| ≧f(B2;V)/|f(B2;−V)| となる性質を有する。) で表される演算を行って、上記計測値の局所的な変動成
分を強調または抑制する画像処理方法によって達成され
る。
また、上記の画像処理方法の実施に使用する画像処理
装置としては、各種物理量の計測値を二次元分布として
記録した原画像を走査しこの原画像に記録されている画
像情報を読み取って電気信号に変換する画像読取機と、
この画像読取機からの電気信号を処理する信号処理機
と、この信号処理機からの出力信号を画像として再生す
る画像再生機とから成る画像処理装置において、上記信
号処理機が、上記原画像の各種物理量の計測値分布Oか
ら、その計測値分布O自身もしくは該計測値分布Oを平
滑化して得られる計測値分布Bと、上記計測値分布Oの
局所的な変動成分Vとを求め、画像再生時の計測値分布
をPとしたときに演算式 P=B+f(B;V) (ただし、f(B;V)は、BをパラメータとするVの関
数であり、Bが一定であるとき、V1<V2なるVの組に対
して常にf(B;V1)≦f(B;V2)となるVに関する広義
の単調増加関数である。また、f(B;0)=0であり、
Vを一定の正の値としたとき、B1<B2なるBの組に対し
て常に f(B1;V)/|f(B1;−V)| ≧f(B2;V)/|f(B2−V)| となる性質を有する。) で表される演算を行うように構成した装置がある。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して詳細に説
明する。
本発明による画像処理方法は、光学濃度、輝度、X線
吸収係数、水素原子濃度、放射性同位元素濃度、超音波
反射量、温度等の各種物理量の計測値を二次元分布とし
て記録した広義の画像を原画像とし、この原画像を走査
し記録されている画像情報を読み取って電気信号に変換
し、この電気信号を画像として再生するに際し、上記計
測値の局所的な変動成分を強調または抑制するものであ
る。
このような画像処理を行うために、本発明では、視知
覚における地と図の考え方を援用する。即ち、前掲書第
59頁に述べられているように、視知覚の対象画像である
視野が明るさの異なる二つの領域で構成されていたとす
ると、視知覚はその二つの一方を意味のない地として、
他方を意味のある図として認知する事が多い。この場
合、言葉を換えて言えば、図と判断された領域の方が視
知覚の中で強調されて扱われるとも言える。本発明の基
本的な考え方は、画像の局所的な変動成分を増減させる
場合、局所的な地の濃度もしくは輝度を求めて、地が白
い部分では、図とみなされる黒い方向への変動を大きく
すると共に白い方向への変動を小さくさせ、地が黒い部
分では、図とみなされる白い方向への変動を大きくする
と共に黒い方向への変動を小さくすることにある。
より具体的には、二次元画像上の位置座標をx,yと
し、原画像の各種物理量の計測値分布、例えば光学濃度
についての濃度分布O(x,y)から、その濃度分布O
(x,y)を平滑化して得られる地の濃度分布B(x,y)
と、上記濃度分布O(x,y)の局所的な変動成分V(x,
y)とを求め、画像再生時すなわち画像処理後の画像の
濃度分布P(x,y)と次の第(1)式のように関係づけ
る。
P(x,y)=B(x,y)+f(B(x,y);V(x,y)) …(1) ここで、f(B;V)は地の濃度分布B(x,y)をパラメ
ータとする変動成分V(x,y)の関数である。なお、上
記の地の濃度分布B(x,y)は、原画像の濃度分布O
(x,y)自身としてもよい。また、f(B;V)はBが一定
であるとき、 V1<V2 …(2) なる値の組に対して f(B;V1)≦f(B;V2) …(3) なる関係を満たす広義の単調増加関数である。Vは変動
成分であるので正負の値をとるが、Bの値によらず f(B;0)=0 …(4) である。そして、Vを一定の正の値としたとき、 B1<B2 …(5) なる値の組に対して、 f(B1;V)/|f(B1;−V)| ≧f(B2;V)/|f(B2;−V)| …(6) なるようにする。第(6)式は地の濃度がB1からB2へ高
くなると、濃度を高める変化f(B;V)は濃度を低める
変化f(B;−V)と比較したとき、相対的に抑制される
方向に向かうことを意味する。この結果、地の濃度Bが
高い(黒い)所では、より黒く変化f(B;V)は相対的
に抑制され、白くする変化f(B;−V)は相対的に強調
される。逆に地の濃度Bが低い(白い)所では、黒くす
る変化f(B;V)は相対的に強調され、より白くする変
化f(B;−V)は相対的に抑制される。こうすると、白
から黒にわたる大きなコントラストを有する辺縁部にお
いて、白い部分をより白くする変化と黒い部分をより黒
くする変化の双方が抑えられることとなり、過大なオー
バーシュートとアンダーシュートが抑えられ、偽輪郭が
緩和される。また、ツブレ現象も緩和できる。
更に、本発明では上記のツブレ現象を完全に除去する
為に、関数f(B;V)に次の性質を付与する。即ち、f
(B;V)はVの正の領域でVについて上に凸、Vの負の
領域でVについて下に凸とする。換言すれば、f(B;
V)のVに関する傾きが、Vの正の領域では広義の単調
減少関数に、Vの負の領域では広義の単調増加関数にす
る。そして、Bを一定にしたとき、Vのとり得る最大値
Vmaxに対して f(B;Vmax)≦Omax−B …(7) を満たし、Vのとり得る最小値Vminに対して f(B;Vmin)≧Omin−B …(8) を満たすようにする。ここで、第(7)式のOmaxは原画
像がとり得る濃度の最大値であり、第(8)式のOminは
原画像がとり得る濃度の最小値である。こうすれば、第
(1),(7),(8)式とf(B;V)の単調増加性よ
り Omin≦P(x,y)≦Omax …(9) となり、画像として再生する際の処理後画像の濃度分布
P(x,y)は原画像がとり得る濃度範囲〔Omin,Omax〕を
超えることがないのでツブレ現象は完全に除去できる。
上記の性質を満たす関数f(B;V)として、例えば、
次のようなものが考えられる。即ち、 f(B;V)=(2γ/π)arctan〔(π/2)βV/γ〕
…(10) とし、γをVが正もしくは0の場合は、 γ=Omax−B …(11) とし、Vが負の場合は、 γ=B−Omin …(12) とする。第(10)式において、βは小信号に対する強調
の程度を決定するパラメータであり、arctanはラジアン
単位の逆正接関数であり、πは円周率である。
次に、このように構成された画像処理方法の動作につ
いて、第1図〜第4図を参照して説明する。ここでは、
原画像として第8図に実線の折線で示す一次元画像を例
にとる。まず、第8図に示す濃度変化Aの原画像I1につ
いてマスクサイズCの非鮮鋭マスクで平滑化して第1図
の地の濃度変化Mを得る。第1図には表示媒体の濃度上
限Gと下限Hも一点鎖線で書き込んである。表示媒体の
濃度変動範囲は、通常原画像I1の濃度変動範囲をカバー
するようにとられるので、この上限Gの値を第(11)式
のOmaxに、下限Hの値を第(12)式のOminにする。第8
図の原画像I1から第1図の平滑化画像I2を引いて、第2
図の破線で示す局所的な変動成分Nを得る。第1図の地
の画像の濃度変化M(第(11),(12)式のBに対応)
と、第2図の破線で示す変動成分N(第(10)式のVに
対応)より、上に定めたOmax,Ominを用い第(10),(1
1),(12)式からf(B;V)を求めると、第2図の実線
に示す処理後の局所的変動成分Qとなる。なお、この計
算では第(10)式におけるパラメータβは2.0とした。
また、Bを固定したときのf(B;V)のV依存性を、B
の値が第1図に示すレベルB1,レベルB2,レベルB3につい
て求めると、第3図のf(B1;V),f(B2;V),f(B3;V)
のようになる。第3図から、第(10),(11),(12)
式で規定される関数が、先に述べたf(B;V)の条件を
満たしていることがわかる。次に、第(1)式に従って
第1図に示す地の濃度変化Mに第2図の実線で示す処理
後の局所的変動成分Qを加えると、第4図の実線で示す
本発明の処理後画像の濃度変化Rとなる。第4図の破線
は第9図に示す従来の単純な非鮮鋭マスク法による処理
後画像の濃度変化Dである。また、一点鎖線は表示媒体
の濃度上限G及び下限Hである。第4図からわかるよう
に、実線の濃度変化Rでは、破線の濃度変化Dにおける
過大なオーバーシュートやアンダーシュートが効果的に
抑制されている。また、一点鎖線で示す濃度上限G及び
濃度下限Hを越えることがないので、ツブレ現象は完全
に排除されている。更に、中間濃度上の信号Lに対する
強調はほんとど抑制されていない。
次に、上記の画像処理方法の実施に使用する画像処理
装置について第5図を参照して説明する。図において、
画像読取機1は、各種物理量の計測値を二次元分布とし
て記録した原画像を走査しこの原画像に記録されている
画像情報を読み取って電気信号に変換するもので、例え
ばレーザ光を走査して透過型フィルム画像の濃度を読み
取りディジタル信号に変換するフィルムディジタイザか
ら成る。信号処理機2は、上記画像読取機1から出力さ
れたディジタル信号を入力して所要の処理を行うもの
で、例えば空間フィルタから成る。画像再生機は、上記
信号処理機2からの出力信号を画像として再生するもの
で、信号処理機のディジタル信号をアナログの映像信号
に変換してモニタ画面に表示する画像表示装置3や、処
理後の信号に従って輝度変調したレーザ光をフィルムも
しくは印画紙上に走査して画像のハードコピーを作成す
るレーザプリンタ4などから成る。
このような画像処理装置を用いて、光学濃度、輝度、
X線吸収係数、水素原子濃度、放射線同位元素濃度、超
音波反射量、温度等の各種物理量の計測値を二次元分布
として記録した広義の画像を原画像として画像処理する
には、まず、画像読取機1で原画像を走査し、この原画
像に記録されている画像情報を読み取りディジタル信号
に変換する。次に、この画像読取機1から出力されたデ
ィジタル信号は、信号処理機2へ入力し、その内部に設
けられた第一の画像記憶装置5aに蓄積される。この画像
記憶装置5a内で画像情報は画素(i,j)ごとの濃度値に
対応したディジタル値O(i,j)として蓄えられる。こ
こで、(i,j)は画素の番号をマトリックス形式で表わ
したものであり、例えば原画像の左上隅から右にi番
目、下にj番目の画素を表わす。
次に、上記画像記憶装置5aの出力信号O(i,j)を平
滑化演算器6に入力し、矩形マスクによる平滑化を行
い、出力信号S(i,j)を第二の画像記憶装置5bに蓄え
る。即ち、平滑化演算器6では で表わされる演算を行なう。ただし、上式でnはマスク
サイズであり、除算n/2の小数点以下は切り捨てられ
る。マスクサイズnはn値群7の中から第一の切換器8a
によって選択する。なお、第三の画像記憶装置5cにはマ
スクサイズnを変えた出力信号S(i,j)を蓄えるが、
これは場合によっては省略できる。
以上の準備を行った後、実際の画像処理を実行する。
即ち、まず第一の画像記憶装置5aから読み出された原画
像の濃度O(i,j)と、第二の画像記憶装置5bから読み
出された平滑化した画像濃度S(i,j)を第一の減算器9
aに入力し減算 V(i,j)=O(i,j)−S(i,j) …(14) を行なう。この減算器9aの出力V(i,j)は局所的変動
成分に相当する。
同時に、第一〜第三の画像記憶装置5a,5b,5cから読み
出された原画像濃度と二種類の平滑化画像濃度から、第
二の切換器8bによって、地の画像濃度に対応する信号B
(i,j)を選択する。この信号B(i,j)は第二の減算器
9bと第三の減算器9cにそれぞれ入力し、二種類の減算 Omax−B(i,j) …(15) B(i,j)−Omin …(16) を行なう。ここで、Omaxは画像濃度の変動範囲の上限、
Ominは下限である。
上記第一の減算器9aから出力された信号V(i,j)は
比較器10で“0"と比較される。そして、この比較器10の
出力は選択器11に入力し、第二または第三の減算器9b,9
cの出力のいずれかを選択して出力させる。即ち、比較
器10と選択器11により、V(i,j)が正もしくは0の場
合は、選択器11の出力が第(15)式の結果となるよう
に、負の場合は第(16)式の結果となるようにしてい
る。
ここで、選択器11の出力は前出の第(11),(12)式
で規定されるγと同じものである。このγは、処理後の
変動成分の上限、下限を与えるものであるが、第3図に
示すように、γを1.2倍程度まで大きくしても、実際上
は要請される変動範囲を越えることはない。そこで、本
実施例では、第(11),(12)式のγの代わりに信号V
(i,j)が正もしくは0の場合は γ(i,j)=α〔Omax−B(i,j)〕 …(17) となり、負の場合は γ(i,j)=α〔B(i,j)−Omin〕 …(18) となる信号γ(i,J)を用いる。そして、αをパラメー
タとし、画像に応じて選択できるようにする。即ち、第
三の切換器8cによりα値群12の中からパラメータαを選
択し、第一の乗算器13aにおいて、このαと選択器11の
出力とを乗ずることにより信号γ(i,j)を得る。
一方、第(10)式において強調の程度に関与するパラ
メータであるβに対応する信号β(i,j)は、第四の切
換器8dによって、βテーブル群14の出力と固定β値群15
の中から選ばれる。上記βテーブル群14は濃度に従って
強調の程度を変える場合に用いる。即ち、画像中の有用
な画像情報が特定の濃度領域に局在している場合は、そ
の領域でβの値を大きくし、強調の程度を増すようにす
る。βテーブル群14にはICメモリで構成されたルックア
ップテーブルであるβテーブルが複数個含まれている。
第6図はβテーブルの入出力関係の一例である。即ち、
ICメモリのアドレス入力に対応する入力濃度に応じて、
ICメモリのデータ出力に対応する出力β値が関係ずけら
れている。第6図の例では、入力濃度がβ増加濃度領域
Sに含まれるとき、基準β値Tからβ増加分Uによって
定まる増加分だけ増加した出力β値が得られるようにな
っている。そして、βテーブル群14には、β増加濃度領
域S,基準β値T,β増加分Uの値を変えた各種のβテーブ
ルが含まれており、画像に応じて使い分けるようになっ
ている。また、βテーブルの入力濃度は、第五の切換器
8eにより、第一〜第三の画像記憶装置5a,5b,5cから読み
出された原画像濃度と二種類の平滑化画像濃度の中から
選ぶことができるようになっている。
逆数テーブル16は、前述のβテーブルと同様にICメモ
リで構成されたルックアップテーブルであり、入力値の
逆数に対応した信号が得られるようになっている。強調
の程度を決定するパラメータβに対応する信号β(i,
j)と局所的変動成分に対応する信号V(i,j)及び逆数
テーブル16の出力は、第二の乗算器13b及び第三の乗算
器13cにより互いに乗ぜられ、その結果 β(i,j)V(i,j)/γ(i,j) …(19) に対応した信号となり、逆正接テーブル17に出力する。
上記逆正接テーブル17は、前述のβテーブルと同様に
ICメモリで構成されたルックアップテーブルであり、入
力をaとしたとき、 b=(2/π)arctan(πa/2) …(20) で規定される出力bが得られるようになっている。ここ
で、arctanはラジアン単位の逆正接関数であり、πは円
周率である。
上記逆正接テーブル17の出力は、第四の乗算器13dに
より信号γ(i,j)と乗ぜられ、その結果は、加算器18
により信号B(i,j)に加えられる。そして、この加算
器18の出力が本発明の信号処理機2の出力となる。
以上の説明から明らかなように、加算器18の出力は、 B(i,j)+(2/π)γ(i,j)arctan〔(π/2) ×β(i,j)V(i,j)/γ(i,j)〕 …(21) となるが、これは、第(1)式の右辺に第(10)式の右
辺を代入したものに対応している。従って、本実施例の
信号処理機2は、先に第1図から第4図を用いて説明し
たような特性と効果を有する。
更に、本実施例の信号処理機2においては、前述のよ
うに地の濃度に対応する信号B(i,j)を、第一〜第三
の画像記憶装置5a,5b,5cの出力の中から選択できる。い
ま、B(i,j)として、第一の画像記憶装置5aの出力で
ある原画像の濃度に対応したO(i,j)を用いると、変
動成分の強調に抑制がかかる場合も、大きなコントラス
トを持つ辺縁部を除いては、原画像の変動以下に抑制さ
れることはない。また、B(i,j)として、第二の画像
記憶装置5bの出力であり、第一の減算器9aに入力して変
動成分V(i,j)の算出に用いる平滑化画像の濃度を用
いると、信号β(i,j)の値に従って変動成分を原画像
より強調することも抑制することも可能となる。特にβ
テーブルを用い、第6図の基準β値Tを1以下とし、基
準β値Tとβ増加分Uの和を1以上にすると、特定の濃
度領域を鮮鋭化し、他の濃度領域を平滑化することが可
能となる。さらに、B(i,j)として、第三の画像記憶
装置5cの出力であり、変動成分V(i,j)の算出に用い
るものとは別の平滑化画像の濃度を用いると、バンドパ
スフィルタのような特殊な周波数特性を備えた信号処理
機が構成できる。
なお、本実施例の信号処理機2には各種のβテーブル
が備えられているので、画像に適した鮮鋭化、平滑化を
選ぶことができる。
また、本実施例の信号処理機2は汎用の電子計算機に
よっても実現できる。しかし、電子計算機では乗算、除
算、逆正接関係計算などに時間がかかる。それに対し
て、本実施例では乗算器13a〜13d、逆数テーブル16、逆
正接テーブル17を用いているので、高速の処理が可能で
ある。
第7図は本発明に係る信号処理機2の第二の実施例を
示す要部ブロック図である。この実施例による信号処理
機2が第5図に示す信号処理機2と異なるのは、第5図
において一点鎖線で囲んで示す信号V(i,j)と信号B
(i,j)から信号γ(i,j)を作成する信号作成部19のみ
であり、その他は同一の構成である。本実施例の信号作
成部19′は、第7図に示すように、ステップテーブル20
と、減算機9dと、乗算器13eと、加算器18bと、切換器8c
と、乗算器13aとから成る。
まず、第5図に示す第一の減算器9aからの信号V(i,
j)はステップテーブル20に入力する。このステップテ
ーブル20は前述のβテーブルと同様にICメモリで構成さ
れたルックアップテーブルであり、入力信号値が正もし
くは0の場合“1"が、負の場合“−1"が出力させるよう
になっている。
一方、第5図に示す第二の切換器8bによって選択され
た信号B(i,j)は減算器9dにおいて、値(Omax+Omi
n)/2から減ぜられる。ここで、Omaxは画像濃度の変動
範囲の上限、Ominは下限である。上記ステップテーブル
20の出力と減算器9dの出力は、乗算器13eにおいて互い
に乗じられ、この乗算器13eの出力は、加算器18bで値
(Omax−Omin)/2に加えられる。そして、第5図の実施
例と同様に、切換器8cによりα値群12の中から選ばれた
パラメータαと、加算器18bの出力とを、乗算器13aで乗
じることにより、信号γ(i,j)を得る。
以上のように、本実施例でγ(i,j)は、V(i,j)と
B(i,j)とから、 γ(i,j)=α{(Omax−Omin)/2+〔B(i,j) +(Omax+Omin)/2〕st〔V(i,j)〕} …(22) に従って求められる。ここで、関数st(a)は、aが正
もしくは0のとき“1"、aが負のとき“−1"の値を持つ
ステップ関数である。このようにして求められるγ(i,
j)が、第(17),(18)式で求められる第5図の実施
例におけるγ(i,j)と全く同じになることは明らかで
ある。更に、本実施例では、第5図における比較器10や
選択器11が不要であり、部品の種類を少なくすることが
できる。
以上、本発明の画像処理方法及びその装置の実施例に
ついて説明してきたが、本発明は上記の実施例に限定さ
れることなく各種の変形が可能である。例えば、上記の
実施例で局所的変動成分に対応した信号V(i,j)は非
鮮鋭マスク法で求めているが、他の方法、例えばラプラ
シアンフィルタ法や、周波数空間における高域強調フィ
ルタ法を用いて求めてもよい。また、上記の実施例で平
滑化画像は第(13)式にしたがった計算で求めている
が、原画像を光学的にぼかした画像をディジタル化して
求めることも可能である。さらに、上記の実施例はディ
ジタルメモリやディジタル回路によって構成されている
が、アナログフレームメモリや演算増幅器等のアナログ
回路で構成することも可能である。また、上記の実施例
で用いられた逆正接関数を用いた関数(2/π)arctan
〔(π/2)a〕は、次の性質を備えた関数g(a)もし
くはそれを折線で近似した関数に置き換えることができ
る。即ち、 の諸性質である。これらの性質を満たす逆正接関数以外
の関数としては、例えば滴定曲線に類似した g(a)={2/〔1+exp(−2a)〕}+1 …(29) などが挙げられる。上式でexpは指数関数を表わす。ま
た、上記の実施例では画像情報は光学濃度として与えら
れているが、これを輝度、X線吸収係数、水素原子濃
度、放射性同位元素濃度、超音波反射量、温度等で置き
換えることも可能である。
〔発明の効果〕
本発明は以上のように構成されたので、原画像の画像
情報の局所的な変動成分を所定の演算式で強調または抑
制することにより、画像の偽輪郭の発生を抑えると共に
ツブレを除去し、かつそれらとは無関係な中間濃度上ま
たは中間輝度上の信号の強調は抑制しない画像処理を行
なうことができる。従って、例えば医用ディジタル画像
の鮮鋭化処理において処理画像の高画質化を達成でき、
よい診断情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は一次元画像からなる原画像を平滑化した状態を
示す説明図、第2図は原画像の局所的な変動成分とそれ
を処理した後の変動成分との変化の状態を示す説明図、
第3図は本発明に係る画像処理で用いる関数を示すグラ
フ、第4図は本発明による画像処理の効果を示す説明
図、第5図は本発明による画像処理装置の実施例を示す
ブロック図、第6図はβテーブルの入出力関係の一例を
示す説明図、第7図は信号処理機の第二の実施例を示す
要部ブロック図、第8図は一次元画像からなる原画像の
濃度変化を示す説明図、第9図は第8図の原画像につい
て従来の画像処理方法で処理した例を示す説明図、第10
図は従来の画像処理方法による強調の抑制を説明するた
めのグラフである。 1……画像読取機、2……信号処理機、3……画像表示
装置、4……レーザプリンタ、I1……原画像、I2……平
滑化画像。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各種物理量の計測値を二次元分布として記
    録した原画像を走査し、この原画像に記録されている画
    像情報を読み取って電気信号に変換し、この電気信号を
    画像として再生するに際し、上記原画像の各種物理量の
    計測値分布Oから、その計測値分布O自身もしくは該計
    測値分布Oを平滑化して得られる計測値分布Bと、上記
    計測値分布Oの局所的な変動成分Vとを求め、画像再生
    時の計測値分布をPとしたときに演算式 P=B+f(B;V) (だだし、f(B;V)はBをパラメータとするVの関数
    であり、Bが一定であるとき、V1<V2なるVの組に対し
    て常にf(B;V1)≦f(B;V2)となるVに関する広義の
    単調増加関数である。また、f(B;0)=0であり、V
    を一定の正の値としたとき、B1<B2なるBの組に対して
    常に f(B1;V)/|f(B1;−V)| ≧f(B2;V)/|f(B2;−V)| となる性質を有する。) で表される演算を行って、上記計測値の局所的な変動成
    分を強調または抑制することを特徴とする画像処理方
    法。
  2. 【請求項2】関数f(B;V)が、変動成分Vに関する傾
    きがVの正の領域ではVに関する広義の単調減少関数
    に、Vが負の領域ではVに関する広義の単調増加関数と
    なる性質を持つ関数もしくはその折線近似である請求項
    1記載の画像処理方法。
  3. 【請求項3】関数f(B;V)が、計測値分布Bを一定と
    したとき、Vのとり得る最大値VmaxとOのとり得る最大
    値Omaxに対して f(B;Vmax)≦Omax−B となり、Vのとり得る最小値VminとOのとり得る最小値
    Ominに対して f(B;Vmin)≧Omin−B となる性質を満たすものである請求項1記載の画像処理
    方法。
  4. 【請求項4】関数f(B;V)が、 なる性質を持つ関数g(a)とVが正もしくは0である
    とき、Oのとり得る最大値Omaxと定数αにより γ=α(Omax−B) で与えられ、Vが負であるとき、Oのとり得る最小値Om
    inと上式と同じ定数αにより γ=α(B−Omin) で与えられるパラメータγと原画像の計測値分布Oの関
    数もしくはOを平滑化して得られる計測値分布Bの関数
    もしくは定数であるパラメータβとにより、演算式 f(B;V)=γg(βV/γ) によって規定されるものである請求項1記載の画像処理
    方法。
  5. 【請求項5】各種物理量の計測値を二次元分布として記
    録した原画像を走査しこの原画像に記録されている画像
    情報を読み取って電気信号に変換する画像読取機と、こ
    の画像読取機からの電気信号を処理する信号処理機と、
    この信号処理機からの出力信号を画像として再生する画
    像再生機とから成る画像処理装置において、上記信号処
    理機が、上記原画像の各種物理量の計測値分布Oから、
    その計測値分布O自身もしくは該計測値分布Oを平滑化
    して得られる計測値分布Bと、上記計測値分布Oの局所
    的な変動成分Vとを求め、画像再生時の計測値分布をP
    としたときに演算式 P=B+f(B;V) (ただし、f(B;V)はBをパラメータとするVの関数
    であり、Bが一定であるとき、V1<V2なるVの組に対し
    て常にf(B;V1)≦f(B;V2)となるVに関する広義の
    単調増加関数である。また、f(B;0)=0であり、V
    を一定の正の値としたとき、B1<B2なるBの組に対して
    常に f(B1;V)/|f(B1;−V)| ≧f(B2;V)/|f(B2;−V)| となる性質を有する。) で表される演算を行うように構成したことを特徴とする
    画像処理装置。
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