JP2835172B2 - 光スイッチ及びその作製方法 - Google Patents

光スイッチ及びその作製方法

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JP2835172B2 JP28842790A JP28842790A JP2835172B2 JP 2835172 B2 JP2835172 B2 JP 2835172B2 JP 28842790 A JP28842790 A JP 28842790A JP 28842790 A JP28842790 A JP 28842790A JP 2835172 B2 JP2835172 B2 JP 2835172B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、低損失で高信頼性を有し低電力駆動が可能
で、かつ、製造性に優れたファイバ可動型メカニカル光
スイッチ及びその作製方法に関するものである。
(従来の技術) 光ファイバを直接駆動して光路を切り替える構造のメ
カニカル光スイッチは、本来的に構造が簡単であり、低
挿入損失、小形替、低駆動電力を実現できるという特徴
を有しており、これまでに多くのタイプのスイッチ構造
が提案されている。
第2図は、出願人が提案した簡易な構造を有するファ
イバ可動型光スイッチを示す図である(文献:特願平1
−212387号、S.NAGAOKA:Electronics Letters Vol.26,N
o.11,pp744−745参照)。
なお、第2図の(a)は一部切欠断面図、同図の
(b)は(a)におけるA−A線矢視方向の断面図、同
図の(c)は(a)におけるB−B線矢視方向の断面図
である。
図中、1は円筒状の割りスリーブ、2は割りスリーブ
1の一端側に挿入固定されたフェルール、3は後端がフ
ェルール2に固定され割れスリーブ1内に片持ち梁状に
保持された単一モード裸光ファイバからなる可動ファイ
バ、4は可動ファイバ3の先端近傍を所定長に亘って被
覆するように配設された微小磁性膜パイプ、5は微小磁
性膜パイプ4の配設領域近傍の割りスリーブ1の内壁に
配設されたソレノイドコイル、6a,6bは微小磁性膜パイ
プ4の配設領域近傍の割りスリーブ1の外側面に対し、
互いに軸対称になるように、ホルダ6cに保持されて配設
された永久磁石、7a,7bはそれぞれ光軸整合用のV溝8a,
8bが形成され、これらV溝8a,8bが対向するように割り
スリーブ1の他端側に挿入固定された半割りV溝付きフ
ェルール、9a,9bはV溝8a,8bに固定された単一モード光
ファイバからなる静止ファイバである。
このような構成において、先端近傍に微小磁性膜パイ
プ4が装着された片持ち梁状の可動ファイバ3が、磁性
膜パイプ4両端の磁極に応じていずれか一方の永久磁石
6aまたは6bへ吸引され、その先端はV溝8aまたは8b上で
静止ファイバ9aまたは9bの一方と光学的に結合される。
ここで、ソレノイドコイル5へ通電して、磁性膜パイ
プ4両端の磁極を反転させることにより、可動ファイバ
3の接続状態が一方の静止ファイバ9aまたは9bから他方
の静止ファイバ9bまたは9a側へ切り替えられる。
このソレノイドコイル5への通電後も、永久磁石6aま
たは6bによる吸引力によって対向ファイバ間の安定した
結合状態が自己保持される。
本原理に基づいて作製した1×2型単一モード光ファ
イバスイッチは、1dB以下の低い挿入損失を有すると共
に、10mw以下の低い電力で駆動でき、寸法も従来品に比
べて格段に小形化されている(S.NAGAOKA:Electronics
Letters Vol.26,No.11,pp744−745)。
(発明が解決しようとする課題) これらの特徴と共に、さらに本原理の光スイッチの実
用性に高めるためには、光スイッチの低価格化と高信頼
化を推進する必要がある。
特に、近年その普及が目覚しい単一モード光ファイバ
伝送システムへ適用可能な光スイッチを構成する際に
は、低損失化を図るために、スイッチ構成部材やスイッ
チ組立作業に1〜2μm程度の高い寸法精度の管理が必
要となり、このことが光スイッチの経済化や温度安定性
等の信頼性向上を妨げる要因となっている。
この要因についてさらに考察する。
V溝8a,8b上での単一モード光ファイバ同士の接続に
際して、接続損失増加の主な要因はファイバ間隙並びに
光軸に対して垂直方向の軸ずれである。これら要因と共
にファイバ固有のビームスポットサイズの大小が接続損
失増減に影響を与える。
第3図は、単一モード光ファイバ同士の接続損失特性
を、同ファイバのスポットサイズωをパラメータとして
算出した結果を示すグラフで、同図の(a)はファイバ
の光軸方向の軸ずれ量、即ち、ファイバ間隔Zgと接続損
失LSとの関係を、同図の(b)はファイバの光軸に対し
て垂直方向の軸ずれ量xと接続損失LSとの関係(ファイ
バ間隔Zg=30μm)をそれぞれ示している。なお、この
場合、光の波長λは1.3μm、ファイバの中心屈折率nC0
は1.47、ファイバ間の屈折率ngは1.0である。
第3図から分かるように、ファイバ間隙Zg並びに光軸
と垂直方向の軸ずれ量xの増加に対する接続損失の増加
する傾向は、、ビームスポットサイズωが大きくなるに
伴って減少する。従って、ファイバのスポットサイズを
拡大することにより、光軸整合部材や組立作業に対する
寸法精度を大幅に緩和でき、かつ、温度変動等の外乱に
伴う損失変動も低く抑えられる。
例えば、第3図の(a)から明らかなように、通常の
単一モード光ファイバのスポットサイズは10μm前後で
あり、ファイバ間隙Zgが40μmの場合に±10μm変動す
ると約±0.2dBの損失変動を生ずるが、スポットサイズ
を2倍の20μmに拡大することによって±0.02dBの変動
に低減できる。
このことは、第2図に示した1×2型光スイッチを作
製する際に、1本の可動ファイバ3と2本の静止ファイ
バ9a,9bとのそれぞれの間隔が不揃いであっても、各ポ
ートP1,P2,P3の挿入損失の均一化を図ることが可能とな
り、光スイッチ作製の歩留り向上にもつながる。
このスポットサイズ拡大の方法としては、例えば第4
図に示すように、単一モード光ファイバSMFの先端近傍
に、球レンズSPLを配置する方法が簡易であるが、この
ようなレンズ結合系をファイバ可動型光スイッチへ適用
することは困難である。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、
その目的は、スイッチ構成部材やスイッチ組立作業に対
する寸法精度を大幅に緩和できる光学的結合系を備え、
低損失で高安定、安価なスイッチ及びその作製方法を提
供することにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、請求項(1)では、先端
近傍に磁性体を装着した片持ち梁状の可動ファイバを、
外部からの磁界の作用によって駆動し、前記可動ファイ
バ先端において光軸整合用のV状溝内に固定された複数
の静止ファイバとの間で接続切替えを行う光スイッチに
おいて、前記可動ファイバ及び静止ファイバを、単一モ
ード光ファイバ並びにこれら単一モード光ファイバの対
向する側の端面に接続した当該単一モード光ファイバの
コア径より大きいコア径を有する所定長さのGI型多モー
ド光ファイバにより構成した。
また、請求項(2)では、前記GI型多モード光ファイ
バの長さを、当該ファイバコア部分の屈折率分布を決定
する収束定数gから決まる当該ファイバ内伝播光の周期
の1/4の奇数倍(l=(2・n+1)・0.5・π/g、n=
0,1,2,3…)に設定した。
また、請求項(3)では、前記可動ファイバ及び静止
ファイバの対向端面に反対防止膜を形成した。
また、請求項(4)では、前記GI型多モード光ファイ
バのクラッド径を前記単一モード光ファイバのクラッド
径と略同一に設定すると共に、前記磁性体を前記可動フ
ァイバのクラッド外径より若干太い内径を有する所定長
さの薄肉磁性膜パイプにより構成し、当該薄肉磁性膜パ
イプにより前記単一モード光ファイバと多モード光ファ
イバとの接続部分を被覆し、両ファイバを接続固定し
た。
また、請求項(5)では、請求項(1),(2),
(3)または(4)記載の光スイッチの作製方法におい
て、前記磁性体を装着した片持ち梁状の可動ファイバを
構成するに際して、当該可動ファイバのクラッド外径よ
り若干太い内径を有する所定長さの薄肉磁性膜パイプ内
に、前記単一モード光ファイバと多モード光ファイバと
の接続部分を挿入し、接続固定するようにした。
また、請求項(6)では、前記薄肉磁性膜パイプを作
製するに際して、可動ファイバより若干太い外径を有す
るガラスファイバまたは金属円柱棒の外周へ、所定の長
さに亘ってガラスファイバまたは金属棒を溶解可能なる
溶液に対して溶解不可能な薄肉金属層を形成し、続い
て、この金属層の上に磁性材料を鍍金法により形成し、
しかる後、この磁性膜金属を形成したガラスファイバま
たは金属棒を所定の長さに切断し、これらをガラスファ
イバまたは金属棒のみを溶解可能な溶液に浸して心棒で
あるガラスファイバまたは金属棒を溶解除去するように
した。
(作 用) 請求項(1)によれば、外部からの磁界が可動ファイ
バに装着した磁性体に及ぼされ、可動ファイバが所定方
向に駆動される。これにより、所定位置の静止ファイバ
のGI型多モード光ファイバの端面と可動ファイバのGI型
多モード光ファイバの端面とが対向する。
この状態で、例えば当該光スイッチの可動ファイバの
単一モード光ファイバに入射した光は、単一モード光フ
ァバを伝搬後、GI型多モード光ファイバに導波され、こ
れを伝搬中にスポットサイズが拡大される。
スポットサイズが拡大された光は、可動ファイバのGI
型多モード光ファイバの端面から出射し、静止ファイバ
のGI型多モード光ファイバの端面に入射する。静止ファ
イバのGI型多モード光ファイバに入射した光は、当該GI
型多モード光ファイバを伝搬中に徐々にスポットサイズ
が縮小され、単一モード光ファイバに導波される。
単一モード光ファイバに導波された光は、これを伝搬
後、当該光スイッチの出力光として出力される。
また、請求項(2)によれば、スポットサイズが拡大
された光は、GI型多モード光ファイバの端面から平行光
として出射される。
また、請求項(3)によれば、GI型多モード光ファイ
バの端面における伝搬光の反射が防止される。
また、請求項(4)によれば、薄肉磁性膜パイプによ
り可動ファイバの単一モード光ファイバとGI型多モード
光ファイバが接続固定され、また、この磁性膜パイプに
対して外部からの磁界が及ぼされる。
また、請求項(5)によれば、磁性体を装着した片持
ち梁状の可動ファイバを構成するに際して、可動ファイ
バのクラッド外径より若干太い内径を有する所定長さの
薄肉磁性膜パイプ内に、単一モード光ファイバとGI型多
モード光ファイバとの接続部分が挿入され、この状態で
磁性膜パイプと単一モード光ファイバ及びGI型多モード
光ファイバ、並びに単一モード光ファイバとGI型多モー
ド光ファイバ同士が接着剤で接続され固定される。
また、請求項(6)によれば、薄肉磁性膜パイプを作
製する場合、まず、可動ファイバより若干太い外径を有
するガラスファイバまたは金属円柱棒の外周へ、所定の
長さに亘ってガラスファイバまたは金属棒を溶解可能な
る溶液に対して溶解不可能な薄肉金属層が形成される。
続いて、この金属層の上に磁性材料が鍍金法により形
成され、しかる後、この磁性膜金属が形成されたガラス
ファイバまたは金属棒が所定の長さに切断される。
次いで、これらがガラスファイバまたは金属棒のみを
溶解可能な溶液に浸されて心棒であるガラスファイバま
たは金属棒がを溶解除去される。
(実施例) 第1図は、本発明に係るファイバ可動型光スイッチの
一実施例を示す要部断面図である。
第1図において、10は円筒状をなす割りスリーブ、20
はフェルールで、割りスリーブ10の一端側に挿入固定さ
れている。
30は可動ファイバで、後端がフェルール20に固定され
割りスリーブ10内に片持ち梁状に保持された単一モード
光ファイバ31と、単一モード光ファイバ31の先端部へ後
記する方法により接続された単一モード光ファイバ31と
同じクラッド外径と数倍大きいコア径を有し、かつ、コ
ア部分の屈折率がコア中心からクラッドとの境界へ向け
てその距離に応じて略2乗分布で減少する所定の長さl
に設定されたGI型多モード光ファイバ32とから構成され
ている。このGI型多モード光ファイバ32の端面には反射
防止膜33が形成されている。
GI型多モード光ファイバ32の長さlは、具体的には、
そのコア部分の屈折率分布を決定する集束定数gから決
まるファイバ内伝播光の周期の1/4の奇数倍(l=(2
・n+1)・0.5・π/g、n=0,1,2,3…)に設定され
る。
40は微小磁性膜パイプで、可動ファイバ30のクラッド
外径より若干大きい内径を有し、単一モード光ファイバ
31と多モード光ファイバ32との接続部を被覆するように
配設され、後記するように例えば紫外線硬化樹脂等によ
り両ファイバ31、32とを接続し、その接続部を強固に固
定している。
50はソレノイドコイルで、磁性膜パイプ40の配設領域
近傍の割りスリーブ10の内壁に配設されている。
60a,60bは永久磁石で、微小磁性膜パイプ40の配設領
域近傍の割りスリーブ10の外側面に対し互いに軸対称と
なるように、ホルダー60cに保持されて配設されてい
る。
70a,70bは半割りV溝付きフェルールで、それぞれ光
軸整合用のV溝80a,80bが形成され、これらV溝80a,80b
が対向するように割りスリーブ10の他端側に挿入固定さ
れている。
90a,90bは静止ファイバで、それぞれV溝80a,80bに固
定された単一モード光ファイバ91a,91bと、単一モード
光ファイバ91a,91bの先端、即ち、可動ファイバ30との
対向側端面に接続された所定長さlのGI型多モード光フ
ァイバ92a,92bとから構成されている。これらのGI型多
モード光ファイバ92a,92bの長さlは、可動ファイバ30
のGI型多モード光ファイバ32と同様の条件に基づいて設
定され、GI型多モード光ファイバ92a,92bの端面とGI型
多モード光ファイバ32の端面とがV溝80a,80b内で所定
間隔をおいて対向するようになっている。また、GI型多
モード光ファイバ92a,92bの端面には、反射防止膜93a,9
3bがそれぞれ形成されている。
このような構成において、可動ファイバ30のGI型多モ
ード光ファイバ32と静止ファイバ90a(90b)のGI型多モ
ード光ファイバ92a,92bとは、第5図に示すように、可
動ファイバ30と静止ファイバ90a(90b)との間で行われ
る光の授受の際の、スポットサイズ拡大領域として機能
する。
次に、単一モード光ファイバ31,91a,91bとGI型多モー
ド光ファイバ32、92a,92bとの接続方法について、第6
図に基づき二つの方法を例に説明する。
まず、第1の方法は、第6図の(a)に示すように、
アーク放電により両ファイバを融着接続するものであ
る。第6図の(a)において、100a,100bはアーク放電
電極、101はアークである。なお、この例では、両ファ
イバを接続後に、切断ブレード102を用いて多モード光
ファイバを所定の長さlに切断するようにしている。
第2の方法としては、第6図の(b)に示すように、
ファイバ接続固定用微小磁性膜パイプ40を用い、これに
単一モード光ファイバと多モード光ファイバの両接続部
を挿入して突き当て、紫外線硬化樹脂UVB等により接着
固定するものである。なお、この場合、所定の寸法に予
め切り出した多モード光ファイバを長尺の単一モード光
ファイバと接着固定するようにしている。
この第2の方法では第1の方法に比べて、多モード光
ファイバ片の長さを正確に設定でき、かつ、磁性膜パイ
プ40付きの可動ファイバ30を同時に作製できるという利
点も有している。
また、多モード光ファイバ32、92a,92bの各々の先端
に反射防止膜33、93a,93bを形成するに際しても、第2
の方法は量産性に優れるものである。
なお、静止ファイバ90a,90b側においても、可動ファ
イバ30と同様に所定の長さlの多モード光ファイバ92a,
92bを単一モード光ファイバ91a,91bへそれぞれ接着固定
されるが、この場合には可動ファイバ30で用いた磁性膜
パイプ40を必ずしも用いる必要はなく、非磁性体からな
る微小パイプを用いても良い。
また、可動ファイバ30と静止ファイバ90a,90bとの光
軸整合用V溝80a,80bを用いて静止ファイバ90a,90b側に
おける多モード光ファイバ92a,92bと単一モード光ファ
イバ91a,91bとの接続固定を行うこともできる。
次に、上記ファイバ接続固定用パイプの作製方法につ
いて説明する。
この場合には、金属パイプの延伸法も考えられるが、
単一モードと多モード両光ファイバ間の接続を1μm程
度の高い寸法精度で行う必要があり、同法ではこのよう
な高精度の微小パイプの作製は困難である。
このような高精度微小パイプの作製には、第7図に示
すような、単一モード、多モード両光ファイバのクラッ
ド外径よりも若干太い外径を有する石英ファイバ又は金
属棒への鍍金とエッチングの組合せによる作製法が歩留
り向上の観点からも有効である。
即ち、第7図の(a)に示すような接続される上記フ
ァイバのクラッド外径よりも約1μm程度太い外径を有
する金属円柱棒またはガラスファイバ301の外周表面
へ、同図の(b)に示すように、所定の長さに亘って心
棒となる金属円柱棒やガラスファイバ301を溶解可能な
る溶液では溶解不可能なる磁性または非磁性金属膜302
を所定の厚みに鍍金法により形成する。
しかる後に、金属円柱棒やガラスファイバ301を、第
7図の(c)に示すように、所定のエッチング溶液にて
溶解除去し、第7図の(d)に示すように薄肉金属膜パ
イプ300を作製する。
なお、ガラスファイバ外周表面へ電気鍍金法により数
十μm厚みの金属膜を形成する際には、磁性または非磁
性金属膜302を形成する工程に先立ち、ガラスファイバ
表面へ真空蒸着法によって下地金属となる薄膜金属層を
形成しておくか、または、ファイバ線引き工程におい
て、CVD法と鍍金法の組合せによってNi等の薄膜金属層
を形成しておけば良い(特願平1−303162号 参照)。
実際に行った実験では、心棒となるガラスファイバと
して、接続される単一モード、多モード両光ファイバ
(クラッド径125μmφ)よりも1μm程度太いファイ
バの外周表面へ真空蒸着法により、まずTi、NiCr等を数
千Å蒸着した後にAuを数千Å蒸着し、しかる後に電気鍍
金法によってAuまたはFeNi磁性合金膜を20μm程度に形
成し、このようにして作製された金属コート光ファイバ
を数mmの長さに切断し、これを弗酸溶液中に浸してAuま
たはFeNi磁性合金薄肉金属パイプを作製した。
完成した薄肉金属層の断面観察の結果、ガラスファイ
バの弗酸溶液によるエッチング時において下地蒸着金属
であるTiまたはNiCrの薄膜層も同時にエッチング除去さ
れており、同パイプの内径と、同パイプに挿入される単
一モード、多モード両光ファイバのクラッド外径とのク
リアランスは略1μm以内であり、パイプへのスムーズ
なファイバの挿入が確認された。
次に、上記構成による動作を説明する。
まず、可動ファイバ30に装着された磁性膜パイプ40
が、磁性膜パイプ40両端の磁極に応じていずれか一方の
永久磁石60aまたは60bへ吸引され可動ファイバ30のGI型
多モード光ファイバ32の先端面が、V溝80aまたは80b上
で静止ファイバ90aまたは90bの一方、例えば静止ファイ
バ90aのGI型多モード光ファイバ92aの先端面と対向し、
光学的に結合される。
この状態で、例えば図示しないポートを介して可動フ
ァイバ30の単一モード光ファイバ31に入射した光は、単
一モード光ファイバ31を伝搬後、GI型多モード光ウァイ
バ32に導波され、これを伝搬中にスポットサイズが拡大
される。
スポットサイズが拡大された光は、GI型多モード光フ
ァイバ32の端面から平平光となって出射し、静止ファイ
バ90aのGI型多モード光ファイバ92aの端面に入射する。
このGI型多モード光ファイバ92aに入射した光は、GI型
多モード光ファイバ92aを伝搬中に徐々にスポットサイ
ズが縮小され、単一モード光ファイバ91aのコア径とほ
ぼ同一に縮小された後、単一モード光ファイバ91aに導
波される。
単一モード光ファイバ91aに導波された光は、単一モ
ード光ファイバ91aを伝搬後、ポートP2を介して当該光
スイッチの出力光として出力される。
ここで、ソレノイドコイル50へ通電して、磁性膜パイ
プ40両端の磁極を反転させることにより、可動ファイバ
30の接続状態が静止ファイバ90aから静止ファイバ90b側
へ切り替えられる。
このソレノイドコイル50への通電後も、永久磁石60a
または60bによる吸引力によって対向ファイバ間の安定
した結合状態が自己保持される。
以上説明したように、本実施例によれば、可動ファイ
バ30の単一モード光ファイバ31及び静止ファイバ90a,90
bの単一モード光ファイバ91a,91bの先端にスポットサイ
ズ拡大領域としてのGI型多モード光ファイバ32,92a,92b
をそれぞれ接続したので、対向するファイバ間の接続損
失の光軸ずれ依存性を緩和できる。このため、単一モー
ド光ファイバ可動型光スイッチの構成部材並びに組立作
業時の寸法精度が大幅に緩和され、高性能な光スイッチ
の高歩留量産化が可能となり、かつ、温度変動等に対す
る安定性も格段に向上できる。
また、これらGI型多モード光ファイバ32,92a,92bの長
さlを、同ファイバコア部分の屈折率分布を決定する集
束定数gから決まる同ファイバ内伝播光の周期の1/4の
奇数倍(l=(2・n+1)・0.5・π/g、n=0,1,2,
3,…)に設定したので、拡大出射ビームの出射角度広が
りを最小に抑えることができ、これによって対向ファイ
バ間の光軸ずれに対する挿入損失増加を最も効率良く抑
制できる。
コア部分の屈折率分布が、 n(r)=n0(1−g2r21/2 [n0はコア中心屈折率] で表されるGI型多モード光ファイバの集束定数gが例え
ば5.8mm-1であれば、上記の1/4ピッチ長さはl=2π/
(4・g)より0.27mmとなり、これの奇数倍の長さの多
モードファイバ片を接続すればよい。この時の拡大ビー
ムのスポットサイズ(半径)ωexは、単一モード光ファ
イバのスポットサイズωが5μm、波長λが1.3μ
m、多モードファイバ中心屈折率n0が1.47の場合には、 ωex=λ/(n0・ω・g・π) より9.7μmと2倍に拡大される。
さらに、各GI型多モード光ファイバ32,92a,92bの先端
面に反射防止膜33、93a,93bを設けたので、各端面にお
ける伝搬光の反射が防止され、より高精度な光結合を実
現できる。
(発明の効果) 以上説明したように、請求項(1)によれば、可動フ
ァイバと静止ファイバ間の接続損失の光軸ずれ依存性を
緩和できる。このため、単一モード光ファイバ可動型光
スイッチの構成部材並びに組立作業時の寸法精度が大幅
に緩和されて高性能光スイッチの高歩留量産化が可能と
なり、かつ、温度変動等に対する安定性も格段に向上で
きる。
また、請求項(2)によれば、ビームスポット径が拡
大されたGI型多モード光ファイバの出射ビームの出射角
度広がりを最小に抑えることができ、これによって対向
ファイバ間の光軸ずれに対する挿入損失増加を最も効率
良く抑制できる。
また、請求項(3)によれば、GI型多モード光ファイ
バの各端面における伝搬光の反射を防止でき、より高精
度な光結合を実現できる。
また、請求項(4)によれば、単一モード光ファイバ
とGI型多モード光ファイバの接続状態を確実強固に保持
できる。
また、請求項(5)によれば、単一モード光ファイバ
とGI型多モード光ファイバの接続状態を確実強固に保持
できると共に、接続作業と並行して磁性膜パイプ付き可
動ファイバを作製でき、作業効率の向上を図れる。
また、請求項(6)によれば、磁性膜パイプを歩留ま
り良く作製できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るファイバ可動型光スイッチの一実
施例を示す要部断面図、第2図は従来のファイバ可動型
光スイッチの構造図、第3図は単一モード光ファイバ同
士の接続損失特性を同ファイバのスポットサイズωをパ
ラメータとして算出した結果を示すグラフ、第4図はス
ポットサイズを拡大するための従来方法の説明図、第5
図は本発明に係るファイバ可動型光スイッチの光結合状
態を示す図、第6図は単一モード光ファイバと多モード
光ファイバとの接続方法の説明図、第7図は本発明に係
るファイバ接続固定用の微小の磁性、非磁性膜パイプの
作製工程の説明図である。 図中、30……可動ファイバ、31,91a,91b……単一モード
光ファイバ、32,92a,92b……GI型多モード光ファイバ、
33、93a,93b……反射防止膜、40……磁性膜パイプ、50
……ソレノイドコイル、60a,60b……永久磁石、80a,80b
……V溝、90a,90b……静止ファイバ。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端近傍に磁性体を装着した片持ち梁状の
    可動ファイバを、外部からの磁界の作用によって駆動
    し、前記可動ファイバ先端において光軸整合用のV状構
    内に固定された複数の静止ファイバとの間で接続切替え
    を行う光スイッチにおいて、 前記可動ファイバ及び静止ファイバを、単一モード光フ
    ァイバ並びにこれら単一モード光ファイバの対向する側
    の端面に接続した当該単一モード光ファイバのコア径よ
    り大きいコア径を有する所定長さのGI型多モード光ファ
    イバにより構成した ことを特徴とする光スイッチ。
  2. 【請求項2】前記GI型多モード光ファイバの長さを、当
    該ファイバコア部分の屈折率分布を決定する集束定数g
    から決まる当該ファイバ内伝播光の周期の1/4の奇数倍
    (l=(2・n+1)・0.5・π/g、n=0,1,2,3…)に
    設定した 請求項(1)記載の光スイッチ。
  3. 【請求項3】前記可動ファイバ及び静止ファイバの対向
    端面に反射防止膜を形成した 請求項(1)記載の光スイッチ。
  4. 【請求項4】前記GI型多モード光ファイバのクラッド径
    を前記単一モード光ファイバのクラッド径と略同一に設
    定すると共に、 前記磁性体を前記可動ファイバのクラッド外径より若干
    太い内径を有する所定長さの薄肉磁性膜パイプにより構
    成し、 当該薄肉磁性膜パイプにより前記単一モード光ファイバ
    と多モード光ファイバとの接続部分を被覆し、両ファイ
    バを接続固定した 請求項(1),(2)または(3)記載の光スイッチ。
  5. 【請求項5】請求項(1),(2),(3)または
    (4)記載の光スイッチの作製方法において、 前記磁性体を装着した片持ち梁状の可動ファイバを構成
    するに際して、当該可動ファイバのクラッド外径より若
    干太い内径を有する所定長さの薄肉磁性膜パイプ内に、
    前記単一モード光ファイバと多モード光ファイバとの接
    続部分を挿入し、接続固定する ことを特徴とする光スイッチの作製方法。
  6. 【請求項6】前記薄肉磁性膜パイプを作製するに際し
    て、可動ファイバよりい若干太い外径を有するガラスフ
    ァイバまたは金属円柱棒の外周へ、所定の長さに亘って
    ガラスファイバまたは金属棒を溶解可能な溶液に対して
    溶解不可能な薄肉金属層を形成し、 続いて、この金属層の上に磁性材料を鍍金法により形成
    し、 しかる後、この磁性膜金属を形成したガラスファイバま
    たは金属棒を所定の長さに切断し、 これらをガラスファイバまたは金属棒のみを溶解可能な
    溶液に浸して心棒であるガラスファイバまたは金属棒を
    溶解除去する 請求項(5)記載の光スイッチの作製方法。
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