JP2834992B2 - 衝撃動工具用チゼルおよびその製造方法 - Google Patents
衝撃動工具用チゼルおよびその製造方法Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、衝撃動工具用チゼル
およびその製造方法に関するものである。
およびその製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】シリンダ内に組込まれたピストンの往復
動によりシリンダ先端のチゼルを打撃して岩盤やコンク
リート基礎等の被破砕物を破砕する衝撃動工具において
は、被破砕物との接触によってチゼルの先端部が摩耗し
易い。
動によりシリンダ先端のチゼルを打撃して岩盤やコンク
リート基礎等の被破砕物を破砕する衝撃動工具において
は、被破砕物との接触によってチゼルの先端部が摩耗し
易い。
【０００３】そのチゼルの耐久性の向上を図るため、チ
ゼル本体の先端面で開口する軸方向の孔に、チゼル本体
より硬質の芯材を圧入したものが既に提案されている
（実開昭５９−９０５８１号公報）。
ゼル本体の先端面で開口する軸方向の孔に、チゼル本体
より硬質の芯材を圧入したものが既に提案されている
（実開昭５９−９０５８１号公報）。
【０００４】上記チゼルにおいては、芯材に作用する衝
撃力がチゼル本体に伝達されるため、芯材の端面を孔の
閉塞端面に完全密着させる必要があり、その密着が不完
全であると、部分的な接触部に破砕時の応力が集中して
表面硬化し、金属疲労により疲労破損する問題が生じ
る。
撃力がチゼル本体に伝達されるため、芯材の端面を孔の
閉塞端面に完全密着させる必要があり、その密着が不完
全であると、部分的な接触部に破砕時の応力が集中して
表面硬化し、金属疲労により疲労破損する問題が生じ
る。
【０００５】そのような問題点を解決するため、特公平
３−７３４３０号公報に開示されたチゼルにおいては、
チゼル本体の孔の閉塞端と、その孔に挿入された芯材の
挿入側先端面間に鉛等の軟質金属パッキンを設けてい
る。
３−７３４３０号公報に開示されたチゼルにおいては、
チゼル本体の孔の閉塞端と、その孔に挿入された芯材の
挿入側先端面間に鉛等の軟質金属パッキンを設けてい
る。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】ところで、軟質金属パ
ッキンを用いたチゼルにおいては、孔の閉塞端面、芯材
の後端の加工精度や軟質金属パッキンの成形誤差等によ
り、チゼルの組立て初期では芯材の後端面が孔の閉塞端
面に完全密着していることが少なく、チゼル本体と芯材
の部分的な接触により、チゼルの使用初期に芯材やチゼ
ル本体が損傷するおそれがある。
ッキンを用いたチゼルにおいては、孔の閉塞端面、芯材
の後端の加工精度や軟質金属パッキンの成形誤差等によ
り、チゼルの組立て初期では芯材の後端面が孔の閉塞端
面に完全密着していることが少なく、チゼル本体と芯材
の部分的な接触により、チゼルの使用初期に芯材やチゼ
ル本体が損傷するおそれがある。
【０００７】また、チゼル本体の孔に軟質金属パッキン
を入れて芯材を圧入する組立て時に、孔に対して軟質金
属パッキンが位置ずれを生じることが多く、その位置ず
れによって、孔の閉塞端面と芯材の後端面とが部分的な
接触となり、その接触部において衝撃力が受けられるた
め、芯材に無理な力が作用し、芯材が損傷し易い問題が
ある。
を入れて芯材を圧入する組立て時に、孔に対して軟質金
属パッキンが位置ずれを生じることが多く、その位置ず
れによって、孔の閉塞端面と芯材の後端面とが部分的な
接触となり、その接触部において衝撃力が受けられるた
め、芯材に無理な力が作用し、芯材が損傷し易い問題が
ある。
【０００８】さらに、軟質金属パッキンをチゼル本体に
形成された孔の閉塞端面と芯材の後端面とに良好に密着
させるため、上記閉塞端面および芯材の後端面を半球面
に形成する必要があり、これらの加工は困難であって、
加工コストが高くつくという問題がある。
形成された孔の閉塞端面と芯材の後端面とに良好に密着
させるため、上記閉塞端面および芯材の後端面を半球面
に形成する必要があり、これらの加工は困難であって、
加工コストが高くつくという問題がある。
【０００９】この発明の課題は、組立て初期から芯材の
後端面を孔の閉塞端面に完全密着させることができる耐
久性に優れたチゼルおよびその製造方法を提供すること
である。
後端面を孔の閉塞端面に完全密着させることができる耐
久性に優れたチゼルおよびその製造方法を提供すること
である。
【００１０】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明に係るチゼルにおいては、チゼル本体の先
端面で開口する軸方向の孔に、そのチゼル本体より硬質
の材料から成る芯材を圧入し、その芯材の圧入側先端と
上記孔の閉塞端間に耐熱性を有する非金属粉末を高密度
に充填した構成を採用している。
め、この発明に係るチゼルにおいては、チゼル本体の先
端面で開口する軸方向の孔に、そのチゼル本体より硬質
の材料から成る芯材を圧入し、その芯材の圧入側先端と
上記孔の閉塞端間に耐熱性を有する非金属粉末を高密度
に充填した構成を採用している。
【００１１】また、この発明に係るチゼルの製造方法に
おいては、チゼル本体の先端面で開口する軸方向の孔の
閉塞端部に耐熱性を有する非金属粉末を充填したのち、
上記孔にチゼル本体より硬質の芯材を圧入する構成とし
ている。
おいては、チゼル本体の先端面で開口する軸方向の孔の
閉塞端部に耐熱性を有する非金属粉末を充填したのち、
上記孔にチゼル本体より硬質の芯材を圧入する構成とし
ている。
【００１２】ここで、非金属粉末として、黒鉛やタルク
を挙げることができる。このような非金属粉末はそれぞ
れ単独に用い、あるいは、その非金属粉末に添加物を加
えた混練品として使用してもよい。
を挙げることができる。このような非金属粉末はそれぞ
れ単独に用い、あるいは、その非金属粉末に添加物を加
えた混練品として使用してもよい。
【００１３】
【作用】上記のように、非金属粉末を用いることによ
り、孔に対する芯材の圧入によって、非金属粉末が流動
して芯材の後端面と孔の閉塞端面に沿うと共に、上記後
端面と閉塞端面間の隙間に均一密度で充填され、芯材の
後端面を孔の閉塞端に完全密着させることができる。
り、孔に対する芯材の圧入によって、非金属粉末が流動
して芯材の後端面と孔の閉塞端面に沿うと共に、上記後
端面と閉塞端面間の隙間に均一密度で充填され、芯材の
後端面を孔の閉塞端に完全密着させることができる。
【００１４】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。
て説明する。
【００１５】図１に示すように、チゼル本体１は、先端
面で開口する軸方向の孔２を有し、その孔２に、黒鉛や
タルクから成る耐熱性に優れた非金属粉末３が高密度に
充填されている。また、孔２には超硬合金等の硬質の材
料から成る芯材４が圧入されている。
面で開口する軸方向の孔２を有し、その孔２に、黒鉛や
タルクから成る耐熱性に優れた非金属粉末３が高密度に
充填されている。また、孔２には超硬合金等の硬質の材
料から成る芯材４が圧入されている。
【００１６】ここで、孔２の閉塞端は、角部における応
力の集中を防止するため、角部に丸みがつけられ、一
方、芯材４の後端面にも角部に丸みがつけられている。
力の集中を防止するため、角部に丸みがつけられ、一
方、芯材４の後端面にも角部に丸みがつけられている。
【００１７】上記の構成から成るチゼルの組立ては、図
２に示すように、チゼル本体１の孔２に非金属粉末３を
入れたのち、孔２に芯材４を圧入する。
２に示すように、チゼル本体１の孔２に非金属粉末３を
入れたのち、孔２に芯材４を圧入する。
【００１８】このとき、芯材４の圧入を容易とするた
め、孔２の内径面に二硫化モリブデン等の滑り性の良好
な潤滑剤を塗布しておくのが好ましい。
め、孔２の内径面に二硫化モリブデン等の滑り性の良好
な潤滑剤を塗布しておくのが好ましい。
【００１９】また、芯材４の表面に軸方向の溝５を形成
して孔２内の空気が外部に逃げ易くしておく。
して孔２内の空気が外部に逃げ易くしておく。
【００２０】上記のようなチゼルの組立てにより、非金
属粉末３は、芯材４の後端面の押圧を受けて流動し、芯
材４の後端面と孔２の閉塞端面の形状に沿うと共に、そ
の後端面と閉塞端面間の隙間に高密度で充填され、芯材
４の後端面が孔２の閉塞端面に完全密着する。また、非
金属粉末は、芯材４の外径面と孔２の内径面の加工誤差
等によってその対向面間に隙間が形成される場合には、
その隙間内にも充填される。
属粉末３は、芯材４の後端面の押圧を受けて流動し、芯
材４の後端面と孔２の閉塞端面の形状に沿うと共に、そ
の後端面と閉塞端面間の隙間に高密度で充填され、芯材
４の後端面が孔２の閉塞端面に完全密着する。また、非
金属粉末は、芯材４の外径面と孔２の内径面の加工誤差
等によってその対向面間に隙間が形成される場合には、
その隙間内にも充填される。
【００２１】このため、芯材４に加わる衝撃を孔２の閉
塞端面の全体で受けることができ、芯材４およびチゼル
本体１への局部的な応力集中を防止することができる。
塞端面の全体で受けることができ、芯材４およびチゼル
本体１への局部的な応力集中を防止することができる。
【００２２】
【発明の効果】以上のように、この発明においては、チ
ゼル本体に設けた孔内に非金属粉末を充填したのち、そ
の芯材を圧入したことにより、チゼルの組立て初期から
その芯材の後端面を孔の閉塞端面に完全密着させること
ができる。このため、芯材に加わる衝撃を孔の閉塞端面
全体で受けることができ、芯材およびチゼル本体が早期
に損傷せず、耐久性に優れたチゼルを提供することがで
きる。
ゼル本体に設けた孔内に非金属粉末を充填したのち、そ
の芯材を圧入したことにより、チゼルの組立て初期から
その芯材の後端面を孔の閉塞端面に完全密着させること
ができる。このため、芯材に加わる衝撃を孔の閉塞端面
全体で受けることができ、芯材およびチゼル本体が早期
に損傷せず、耐久性に優れたチゼルを提供することがで
きる。
【００２３】また、非金属粉末は、芯材の後端面および
孔の閉塞端面の形状に沿うよう変形するため、上記後端
面および閉塞端面は特殊な形状を採る必要がなく、しか
も芯材とチゼル本体の孔との間に隙間がある場合、その
隙間内に充填して隙間を埋めて芯材のガタつきを防止す
るため、芯材の外径面および孔の内径面の加工に精度が
要求されず、その結果、加工が容易であり、加工コスト
の低減を図ることができる。
孔の閉塞端面の形状に沿うよう変形するため、上記後端
面および閉塞端面は特殊な形状を採る必要がなく、しか
も芯材とチゼル本体の孔との間に隙間がある場合、その
隙間内に充填して隙間を埋めて芯材のガタつきを防止す
るため、芯材の外径面および孔の内径面の加工に精度が
要求されず、その結果、加工が容易であり、加工コスト
の低減を図ることができる。
【図１】この発明に係る製造方法により製造されたチゼ
ルの断面図
ルの断面図
【図２】同上チゼルの組立て状態を示す断面図
１ チゼル本体 ２ 孔 ３ 非金属粉末 ４ 芯材
Claims (4)
- 【請求項１】 チゼル本体の先端面で開口する軸方向の
孔に、そのチゼル本体より硬質の材料から成る芯材を圧
入し、その芯材の圧入側先端と上記孔の閉塞端間に耐熱
性を有する非金属粉末を高密度に充填した衝撃動工具用
チゼル。 - 【請求項２】 前記非金属粉末が、黒鉛、タルクの一種
又はその一種に添加物を加えた混練品から成る請求項１
に記載の衝撃動工具用チゼル。 - 【請求項３】 チゼル本体の先端面で開口する軸方向の
孔の閉塞端部に耐熱性を有する非金属粉末を充填したの
ち、上記孔にチゼル本体より硬質の芯材を圧入する衝撃
動工具用チゼルの製造方法。 - 【請求項４】 前記非金属粉末が、黒鉛、タルクの一種
又はその一種に添加物を加えた混練品から成る請求項３
に記載の衝撃動工具用チゼルの製造方法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5295243A JP2834992B2 (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 衝撃動工具用チゼルおよびその製造方法 |
| US08/419,395 US5621962A (en) | 1993-11-25 | 1995-04-10 | Method of manufacturing chisel for impact tool |
| TW084213714U TW317799U (en) | 1993-11-25 | 1995-04-19 | Method of manufacturing chisel for impact tool |
| EP95106998A EP0743136B1 (en) | 1993-11-25 | 1995-05-09 | Method of manufacturing chisel for impact tool |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5295243A JP2834992B2 (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 衝撃動工具用チゼルおよびその製造方法 |
| US08/419,395 US5621962A (en) | 1993-11-25 | 1995-04-10 | Method of manufacturing chisel for impact tool |
| EP95106998A EP0743136B1 (en) | 1993-11-25 | 1995-05-09 | Method of manufacturing chisel for impact tool |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07148675A JPH07148675A (ja) | 1995-06-13 |
| JP2834992B2 true JP2834992B2 (ja) | 1998-12-14 |
Family
ID=27236528
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5295243A Expired - Fee Related JP2834992B2 (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 衝撃動工具用チゼルおよびその製造方法 |
Country Status (3)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5621962A (ja) |
| EP (1) | EP0743136B1 (ja) |
| JP (1) | JP2834992B2 (ja) |
Families Citing this family (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| US20110083870A1 (en) * | 2005-09-23 | 2011-04-14 | Mccarty Ii H Downman | Combination of Impact Tool And Shaped Relatively Lower Modulus Material |
| KR100768775B1 (ko) | 2006-05-18 | 2007-11-05 | 주식회사 티엠시 | 유압 브레이커용 치즐과 그 제조방법 |
| CA2666732A1 (en) * | 2006-10-16 | 2008-04-24 | Tokuyama Corporation | Silicon lump crushing tool |
| IT1406770B1 (it) * | 2010-12-20 | 2014-03-07 | Andrina | Utensile di percussione per un martello demolitore o simile |
| EP2502709B1 (en) | 2011-03-22 | 2017-02-01 | Black & Decker Inc. | Chisels |
| US20130117997A1 (en) * | 2011-11-11 | 2013-05-16 | Bell Helicopter Textron Inc. | System and Method for Installing a Fastener Rod |
| USD737875S1 (en) | 2013-03-15 | 2015-09-01 | Black & Decker Inc. | Drill bit |
| USD734792S1 (en) | 2013-03-15 | 2015-07-21 | Black & Decker Inc. | Drill bit |
| US10507568B2 (en) * | 2016-12-15 | 2019-12-17 | Caterpillar Inc. | Hammer work tool having multi-position retention collar |
| USD1016590S1 (en) * | 2022-08-29 | 2024-03-05 | Yan Feng | Micro air chipping tool scraper |
Family Cites Families (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| BE535742A (ja) * | ||||
| US3970158A (en) * | 1975-04-28 | 1976-07-20 | Hughes Tool Company | Tooth loading for earth boring bits |
| US4492278A (en) * | 1983-05-09 | 1985-01-08 | Hughes Tool Company | Roof bit |
| JPS63109920A (ja) * | 1986-10-25 | 1988-05-14 | Kazuma Tanaka | 芯材入りチゼルの製造方法 |
| DE4032066C2 (de) * | 1990-10-05 | 1999-04-15 | Siegfried Treitz | Anordnung und Befestigung von stiftförmigen Schneideinsätzen in Gesteinsbohrkronen |
| JPH05185379A (ja) * | 1992-01-11 | 1993-07-27 | Toho Kinzoku Kk | 衝撃工具の製造方法 |
-
1993
- 1993-11-25 JP JP5295243A patent/JP2834992B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1995
- 1995-04-10 US US08/419,395 patent/US5621962A/en not_active Expired - Lifetime
- 1995-05-09 EP EP95106998A patent/EP0743136B1/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US5621962A (en) | 1997-04-22 |
| EP0743136B1 (en) | 1999-03-24 |
| JPH07148675A (ja) | 1995-06-13 |
| EP0743136A1 (en) | 1996-11-20 |
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