JP2834390B2 - 制振性クッション材 - Google Patents
制振性クッション材Info
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Description
ション材に関する。
は、ウレタンフォームやスプリングシートを用いたもの
が一般的であるが、これらはヘタリが大きい、重いとい
う欠点がある。これに対し近年、クッション材の素材と
して、ポリエステル等の繊維材料を用いたものが開発さ
れており、例えば、本出願人の提案になる特開昭62−
223357号公報等では、熱融着複合繊維を用いた繊
維製クッション材が記載されている。該公報に開示され
たクッション材は、厚さが10〜100mm程度の繊維
集合体でその横断面の任意の部分での密度のばらつきが
極めて低い均一性に優れたものであるため、マットレス
等として極めて有効で、ポリエステル繊維の特性を生か
してヘタリの無いベッドを製造できるものであった。
ン材について鋭意研究を重ねるうち、このような繊維製
クッション材は特定の密度等に設定することによって、
低周波領域の制振効果並びに難燃効果を発揮するという
特異な性質に気付いた。したがって、かかる繊維製クッ
ション材を車や船舶等の交通機関のシートやベッド用ク
ッション材として用いると、ヘタリが少ない、軽いとい
った特性と合わせて極めて有効なものとなり得るのであ
る。
としてヘタリが無く寝心地の良いクッション材の密度
と、制振効果を有効に発揮する密度は異なるため、例え
ば特開昭62−223357号公報等に開示された繊維
製クッション材を単に用いるだけでは前記目的に適合し
た高品位のクッション材を得ることは出来なかった。
って、その目的は、繊維製クッション材に特有のヘタリ
が少なく軽いといった特性に加えて、制振効果並びに難
燃効果を有する、車や船舶等のシートやベッド用として
有効なクッション材を提供することにある。
短繊維(A)と、鞘に芯より融点が30℃以上低い低融
点成分を使用した芯鞘型複合短繊維(B)とを混綿して
なり、立体的に連続した繊維の交絡部が該芯鞘型複合短
繊維の鞘部の溶融によって融着されている厚さ50mm
以上の短繊維集合体において、該短繊維集合体は、その
平均密度が0.04g/cm3 であってその密度のばら
つき範囲が±5%以下である複数の高密度層と、その平
均密度が0.025g/cm3 であってその密度のばら
つき範囲が±5%以下である1以上の低密度層とが積層
されてなる制振性クッション材である。
のポリエチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテ
レフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポ
リ1、4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポ
リヒドロラクトンまたはこれらの共重合エステルや(コ
ンジュケート)複合繊維などがいずれも使用できる。特
に熱収縮率の異なる2種のポリマーからなるサイドバイ
サイド型複合繊維は、スパイラル状捲縮を発現し、立体
構造をとるので好ましく、更に5〜30%の中空糸を使
用することが好ましい。尚、このようなポリエステル繊
維を製造する際には、相対粘度の異なる2種以上のポリ
エステルを組み合わせて複合するのが一般的である。ま
た、ポリエステル短繊維(A)の繊度は3〜30デニー
ル、繊維長は25〜76mm程度が好ましい。
芯に通常のポリエステル繊維成分を使用し、鞘に低融点
ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド等を、芯成
分と鞘成分の融点の差が30℃以上となるように組み合
わせて製造したもので、一般には鞘部の融点が110〜
220℃の範囲のものが使用される。
ステルを使用することが望ましいが、かかるポリエステ
ルとしては、アジピン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカル
ボン酸類、フタル酸、イソフタル酸、ナフタリンジカル
ボン酸等の芳香族ジカルボン酸類および/またはヘキサ
ヒドロイソフタル酸等の脂環族ジカルボン酸類と、ジエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、パラキシリレングリコール等の脂肪族や
脂環族ジオール類とを所定数含有し、所望に応じてパラ
ヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類を添加した共重合
エステルであり、例えばテレフタル酸とエチレングリコ
ールに、イソフタル酸及び1、6−ヘキサンジオールを
添加共重合させたポリエステルなどが例示される。ま
た、芯鞘型複合短繊維(B)の繊度は1.5〜20デニ
ール、繊維長は25〜76mm程度が好ましい。
繊維集合体であるが、ポリエステル短繊維(A)と芯鞘
型複合短繊維(B)の重量比率は95〜50:5〜50
が好ましい。また本発明には、前記短繊維の他に易滑性
短繊維や抗菌性短繊維等の第3成分繊維を40重量%程
度含有しても良い。
絡部が芯鞘型複合短繊維(B)の鞘部の溶融により融着
接合され立体的な構造を取るものである。また、クッシ
ョン材の厚さは50mm以上であり、後述する方法によ
れば100mm程度の厚さのものも得ることができる。
述べる高密度層と低密度層とが積層されて前記短繊維集
合体が形成されている点である。すなはち、高密度層は
平均密度0.03g/cm3 以上0.05g/cm3 以
下、低密度層は平均密度0.01g/cm3 以上0.0
3g/cm3 未満であり、両層の平均密度は0.01〜
0.04g/cm3 程度異なることが好ましい。また、
本クッション材の高密度層の厚みは40〜80mm、低
密度層の厚みは40〜20mm程度が好ましく、高密度
層と低密度層の厚みの比は、1:1〜1:4程度が好ま
しい。
する面)に高密度層を配置するが、単純に単一の高密度
層と単一の低密度層とを積層する他、単一の低密度層の
上下を高密度層で挟みこむサンドウィッチ構造をとって
も良い。更に、該高密度層と該低密度層は各層の密度の
ばらつき範囲が縦・横・高さいずれの方向においても±
5%以内で、均一なものである。
造する方法について述べる。先ず、前記のポリエステル
短繊維(A)と芯鞘型複合短繊維(B)とを混綿して、
高密度カードウエブ(H)と低密度カードウエブ(L)
を夫々製造する。一般にベッドや椅子用のクッション材
とするのであれば、高密度カードウエブ(H)の密度は
0.018〜0.03g/cm3 、低密度カードウエブ
(L)の密度は0.0025〜0.0074g/cm3
とすればよく、具体的には、目付360〜600g/c
m2 で厚さ20mm程度の高密度カードウエブ(H)
と、目付200〜590g/cm2 で厚さ80mm程度
の低密度カードウエブ(L)を挙げることができる。ま
た、カードウエブの表面は遠赤外線や熱風式ヒータで仮
融着させておくと后次の扱いが容易となり好ましい。
ション材の規格に応じて積層する。すなはち、低密度の
ウエブと高密度のウエブを交互に積層して後述する熱処
理を施すと、高密度のウエブは膨張し、低密度のウエブ
は圧縮される方向に変化して、互いの密度差を少なくし
ようとする傾向にある。したがって、該変化量を見越し
て、低密度層用のカードウエブの積層枚数及び高密度層
用のカードウエブの積層枚数を設定する。例えば、前記
の如き密度を有するカードウエブを積層する場合、低密
度層を形成する低密度カードウエブ(L)の積層枚数は
1〜4枚、高密度層を形成する高密度カードウエブ
(H)の積層枚数は5〜15枚程度が好ましい。
一の低密度層とを積層して、1個の本クッション材を製
造しても良いが、該積層を複数回繰り返し、後述の熱処
理後これをスライスして一回の処理で複数個の本クッシ
ョン材を製造すると生産効率が高く好ましい。
伝導性のよい金属板などのプレート間に圧縮保持して、
蒸気釜にセットし、蒸熱処理を行う。蒸熱処理は、蒸気
釜内部を750mmHg以上に減圧したのち、1kg/
cm2 以上の蒸気を導入して行うことが好ましく、該プ
レートは多孔板であることが好ましい。
定した。 見掛け密度、圧縮硬さ JIS K6767 試験寸
法 100×100×100mm 圧縮残留歪み JIS K6401 試験寸
法 100×90×90mm 繰り返し圧縮残留歪み JIS K6401 試験寸
法 100×150×150mm 共振振動数、減衰比 (1)試験体を加振テーブルに乗せ、その上に等価質量を
置く。 (2)加振テーブルを、加振振動数範囲5〜20Hz、掃
引時間5〜20Hz/90分、複振幅1mmp−pで振
動させる。 (3)加振テーブルの加速度と等価重量の加速度を加速度
センサ(VP4200IMV製)で測定して、FFTア
ナライザ(CF910 小野測器製)で周波数応答関数
を求める。 (4)測定された周波数応答関数より一自由度カーブフィ
ットにより共振振動数と減衰比を求める。
レンテレフタレートと1.22のポリエチレンテレフタ
レートを1:1の比率でサイドバイサイド型に複合して
得た中空率16.1%、繊度13デニール、カット長5
1mmの中空コンジュケートポリエステル繊維(A)8
0重量%と、融点110℃の共重合ポリエステル(テレ
フタル酸/イソフタル酸=60/40)を鞘成分、融点
257℃のポリエチレンテレフタレートを芯成分とする
繊度4デニール、カット長51mmの芯鞘型複合繊維
(B)20重量%を開繊機にて混綿し、カーディングを
した後、クロスレイヤーにて2種類のウエブを製造し、
連続的に130℃の遠赤外線熱処理機を通過させて仮融
着させ、目付500g/m2 、厚み80mm、密度0.
00625g/cm3 (L)と目付400g/m2 、厚
み20mm、密度0.02g/cm3 (H)のウエブを
得た。
し、HのウエブとLのウエブを表1の如く重ね、その上
下を多孔ステンレス板で挟み、蒸気釜にセットし、75
0mmHgに減圧した後、3kg/cm2 の蒸気を吹き
込んで、130℃にて10分間熱処理した。次いで、蒸
気釜内部の蒸気を、再度真空ポンプにて抜き繊維の交絡
部が融着され一体成形された100cm×200cm×
8cmのクッション材を得た。得られたクッション材及
び従来のウレタンフォームクッション材の振動特性、マ
ットレスとしての圧縮特性を表1に示す。
ン材は特に低周波振動領域の制振効果、マットレスとし
ての圧縮特性に優れたものであることが分かる。また、
本発明のクッション材は防炎製品の性能試験基準規格に
相当する難燃性を示した。
は実施例1と同様の中空コンジュケートポリエステル繊
維(A)と、芯鞘型複合繊維(B)とを実施例1と同様
にして目付500g/m2 、厚み80mm(L)と目付
480g/m2 、厚み20mm(H)のウエブを得た。
し、Lのウエブ1枚(I)の上にHのウエブ10枚(I
I)、更にその上にLのウエブ2枚(III)、Hのウエブ
10枚(IV)、Lのウエブ1枚(V)を順次重ね、その
上下を多孔ステンレス板で挟み、表2に示した設定値を
目標として熱処理を行った。すなはち、蒸気釜に該積層
ウエブをセットし、750mmHgに減圧した後、3k
g/cm2 の蒸気を吹き込んで、130℃にて10分間
熱処理した。次いで、蒸気釜内部の蒸気を、再度真空ポ
ンプにて抜き繊維の交絡部が融着され一体成形された1
00cm×200cm×32cmの繊維集合体を得た。
そして、該繊維集合体をII、III 、IVのウエブの各中心
位置で水平方向にスライスして8cmの厚みの4個のク
ッション材(1〜4)を得た。得られたクッション材の
物性を表2に示す。また、得られたクッション材の共振
振動特性は7.38Hz、減衰比3.64であり、鉄道
車両用材料の燃焼性規格に相当する難燃性を示した。
ッション材はいずれも本クッション材の物性を満たして
いる。
く密度や硬さが均一で、低周波振動領域の制振効果に優
れたものである。このため、本クッション材を、車や船
舶等のシートやベッド用として用いると極めて有用であ
る。また、本発明方法によれば、前記クッション材を効
率良く製造することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリエステル短繊維(A)と、鞘に芯よ
り融点が30℃以上低い低融点成分を使用した芯鞘型複
合短繊維(B)とを混綿してなり、立体的に連続した繊
維の交絡部が該芯鞘型複合短繊維の鞘部の溶融によって
融着されている厚さ50mm以上の短繊維集合体におい
て、該短繊維集合体は、その平均密度が0.04g/c
m 3 であってその密度のばらつき範囲が±5%以下であ
る複数の高密度層と、その平均密度が0.025g/c
m 3 であってその密度のばらつき範囲が±5%以下であ
る1以上の低密度層とが積層されてなることを特徴とす
る制振性クッション材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5192049A JP2834390B2 (ja) | 1993-07-05 | 1993-07-05 | 制振性クッション材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5192049A JP2834390B2 (ja) | 1993-07-05 | 1993-07-05 | 制振性クッション材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0726459A JPH0726459A (ja) | 1995-01-27 |
JP2834390B2 true JP2834390B2 (ja) | 1998-12-09 |
Family
ID=16284768
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5192049A Expired - Fee Related JP2834390B2 (ja) | 1993-07-05 | 1993-07-05 | 制振性クッション材 |
Country Status (1)
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Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02154050A (ja) * | 1988-12-01 | 1990-06-13 | Kanebo Ltd | クッション材とその製造方法 |
JP2948655B2 (ja) * | 1990-11-28 | 1999-09-13 | 日本バイリーン株式会社 | 成形用自動車内装材およびその製造法 |
-
1993
- 1993-07-05 JP JP5192049A patent/JP2834390B2/ja not_active Expired - Fee Related
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