JP2832249B2 - パイロット着陸支援装置 - Google Patents

パイロット着陸支援装置

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JP2832249B2
JP2832249B2 JP5221323A JP22132393A JP2832249B2 JP 2832249 B2 JP2832249 B2 JP 2832249B2 JP 5221323 A JP5221323 A JP 5221323A JP 22132393 A JP22132393 A JP 22132393A JP 2832249 B2 JP2832249 B2 JP 2832249B2
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誠 上村
主典 石川
直樹 須藤
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KAGAKU GIJUTSUCHO
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KAGAKU GIJUTSUCHO
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファジィ推論を用い
て、いくつかの候補の中から最良のものを選択したり、
目的達成のために必要な条件を算出して、特にヘリコプ
ター等の航空機が不時着する場合に、より安全な飛行航
路を算出、表示することによって、パイロットを支援す
るためのパイロット着陸支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、パイロットが飛行機を操縦する場
合、自機の3次元位置や姿勢を検出して表示する計器類
を見ながら、自機位置を確認している。また、INS
(慣性航行装置)やGPS(Grobal Positioning Syste
m)などを使用することによって、出発地から目的地ま
での予め定めた飛行航路に沿って誘導飛行することが可
能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、航空機
のエンジン故障や燃料系統のトラブル等が発生して、不
時着せざるを得ない場合は、パイロットが自らの目視で
地上の着陸可能地点を探し出し、その地点へ安全に着陸
するための飛行経路を決定する必要がある。このとき、
パイロットが着陸可能性を短時間で正確に判断するのに
かなりの熟練を要し、特に気象条件が不良の場合は、安
全な不時着が極めて困難になるという課題がある。
【0004】本発明の目的は、前述した課題を解決する
ため、航空機のエンジン故障等のトラブルが発生して不
時着する場合に、パイロットに適切な飛行コースを速や
かに教示することができるパイロット着陸支援装置を提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、自機位置を検
出するための自機位置検出手段と、自機の故障を検出す
るための自機故障検出手段と、地図情報を記憶するため
の地図情報記憶手段と、前記自機位置検出手段からの信
号、前記自機故障検出手段からの信号および前記地図情
報記憶手段からの信号に基づいて、自機位置、自機の故
障および自機周辺の地図を画面に表示するための表示手
段とを具備するパイロット着陸支援装置において、前記
自機故障検出手段が自機の故障を検出したときに、自機
位置から着陸可能地点までの飛行コースを複数作成する
ための飛行コース作成手段と、各飛行コースの安全性を
ファジィ推論を用いて評価し、最良の飛行コースを決定
するための飛行コース評価手段とを具備することを特徴
とするパイロット着陸支援装置である。
【0006】また本発明は、自機位置から着陸可能地点
までのコース長を算出するためのコース長算出手段と、
自機周辺の気象条件を検出するための気象条件検出手段
と、前記コース長算出手段からの信号および前記気象条
件検出手段からの信号に基づいて、ファジィ推論を用い
て自機高度を評価するための自機高度評価手段とを具備
することを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明に従えば、自機位置検出手段から送られ
る自機位置信号、自機故障検出手段から送られる自機故
障信号および地図情報記憶手段から送られる地図情報信
号に基づいて、自機位置、自機の故障および自機周辺の
地図を画面に表示することによって、パイロットが自機
の飛行位置を容易に確認することができる。さらに、自
機の故障を検出したときに、飛行コース作成手段が自機
位置から着陸可能地点までの飛行コースを作成すること
によって、不時着時の飛行コースを予め予測することが
できる。また、飛行コース評価手段が、安全性を評価す
るファジィ推論を用いて、複数の飛行コースの中から最
良の飛行コースを決定することによって、パイロットが
その最良コースに従うだけで安全な不時着が可能とな
る。
【0008】また、コース長算出手段が、自機位置から
着陸可能地点までのコース長を算出し、気象条件検出手
段から送られる自機周辺の気象条件に基づいて、自機高
度評価手段が、ファジィ推論を用いて自機高度を評価す
ることによって、不時着時における着陸可能地点までの
飛行可能性を安全にかつ正確に予測することができる。
【0009】
【実施例】図1は、本発明の一実施例であるパイロット
着陸支援装置の構成を示すブロック図である。パイロッ
ト着陸支援装置1は、自機位置を検出するための航法セ
ンサ6と、自機状態、特にエンジン状態を検出するため
のエンジンモニタ5と、地図データを記憶するためのマ
ップジェネレータ3と、自機周辺の気象条件、特に風向
および風速を検出するための気象センサ11と、航法セ
ンサ6から送られる自機位置信号、エンジンモニタ5か
ら送られるエンジン状態信号、マップジェネレータ3か
ら送られる地図データおよび気象センサ11から送られ
る風向風速信号に基づいて飛行コースを計算するための
飛行コース計算部2と、自機位置、自機状態、自機周辺
の地図、飛行コースおよび気象条件等のデータを演算処
理するための表示処理部4と、演算処理されたデータを
画面に表示するためのCRT(陰極線管)計器9と、C
RT計器9の画面上での位置を指示するためのタッチパ
ネルセンサ10と、タッチパネルセンサ10から送られ
るタッチパネル入力信号を処理するための入力処理部8
と、入力処理部8から送られるパイロット入力信号およ
び飛行コース計算部2から出力されるコースデータに基
づき、ファジィ推論を用いて、飛行コースを評価して選
択処理を行ない、その推論結果を表示処理部4に出力す
るためのコース選択処理部7などから構成されている。
【0010】なお、航法センサ6は自機位置検出手段と
して、エンジンモニタ5は自機故障検出手段として、マ
ップジェネレータ3は地図情報記憶手段として、気象セ
ンサ11は気象条件検出手段として、飛行コース計算部
2は飛行コース作成手段およびコース長算出手段とし
て、CRT計器9は表示手段として、コース選択処理部
7は飛行コース評価手段および自機高度評価手段とし
て、パイロット着陸支援装置1を構成する。航法センサ
6は、前述のINSやGPSを搭載しており、所定の地
上点を基準とした自機の3次元位置および3次元姿勢を
計測することができる。
【0011】エンジンモニタ5は、エンジンの回転数や
温度、振動等のエンジン状態を計測し、これらの値が所
定の基準値を超えた場合にエンジン異常と判断する。
【0012】気象センサ11は、自機を基準とした風向
および風速や気温などを計測するものである。
【0013】マップジェネレータ3は、地球の緯度およ
び経度を用いて領域指定することによって、地上の地形
図や山脈の標高分布等を任意倍率で生成するものであ
る。
【0014】タッチパネルセンサ10は、CRT計器9
の画面表示を妨げないように透光性部材で形成され、パ
イロット90がタッチパネルセンサ10を指などで接触
することによって、画面上での接触位置を出力する。
【0015】このような構成を有するパイロット着陸支
援装置1はパイロット90の操縦席の周りに設置されて
いる。
【0016】図2は、図1に示したパイロット着陸支援
装置の動作例を示すフローチャートである。エンジンモ
ニタ5がエンジン故障を検出するとステップa1からス
タートして、ステップa2において、CRT計器9の画
面上にエンジン故障の警告表示を行なう。
【0017】図3は、エンジン故障の警告表示の一例で
ある。航空機がヘリコプターである場合、エンジン故障
が検知されると、安定したオートローテーション飛行に
入るまでの間、図3のような画面表示を行なってパイロ
ット90にエンジン故障を告知する。画面の上部両隅お
よび下部中央に、エンジン故障緊急シンボル21が表示
され、安定したオートローテーション飛行に入るまで点
滅を続ける。また、通常飛行時と同様に、自機の昇降率
(1分間当りのフィート高度変化:fpm)を示す昇降
率メータ22が画面左側部に表示され、自機の方位角
(北の方位から時計周りの角度:deg)を示す方位角
メータ23が画面上部に表示され、自機の高度(ft)
を示す高度メータ24が画面右側部に表示される。さら
に、自機の飛行速度(kt)を示す計器指示速度メータ
25が画面下部右側に表示され、40〜80ktの範囲
を超えると点滅表示になる。また、自機のロータの回転
数(%)を示すロータ回転数メータ26が画面下部左側
に表示され、85〜105%の範囲を超えると点滅表示
になる。なお、画面中央には、自機シンボル20と、山
40の等高線が表示されている。
【0018】図2に戻って、次のステップa3に移行し
て、航法センサ6からの自機位置信号およびマップジェ
ネレータ3からの地図データに基づいて、地形図および
障害物の無い平坦地などの着陸可能地点をCRT計器9
の画面上に表示する。なお、着陸可能地点はマップジェ
ネレータ3に予め記憶されている。
【0019】図4は、着陸可能地点の画面表示の一例で
ある。ヘリコプターが定常オートローテーション飛行に
入ると、その時点での昇降率、速度などに基づいて、到
達可能範囲を計算して表示する。同時に、その到達可能
範囲内に存在する着陸候補点をファジィ推論によって良
否を判定し順位を付け、その順位を示す数字とともに表
示する。パイロット90は、表示された着陸表示点の中
で希望する場所を選択し、タッチパネルセンサ10で入
力する。画面の上部両隅に表示されていたエンジン故障
緊急シンボル21は、着陸点選択シンボル27に変わ
り、パイロット90に着陸点の選択を促している。さら
に、自機の到達可能範囲を示すマーク30が画面中央に
表示されており、その範囲内において、着陸候補点を示
す着陸候補シンボル28,29が、判定順位(画面中の
「1」「2」等)を伴って表示されている。なお、着陸
候補点の順位は、それぞれの候補点への考え得る全ての
コースを設定し、それらのコースをファジィ推論で判定
し、より良いコースを持つ順で決めている。
【0020】図2に戻って、次のステップa4に移行し
て、パイロット90は、CRT計器9の画面上に表示さ
れた着陸候補点の中から自機が着陸しようとする地点を
タッチパネルセンサ10で1つ選択する。次のステップ
a5において、現在の自機位置から選択された着陸点に
至るコースを幾つか作成する。
【0021】図5(a)は、自機位置から着陸点までの
コース作成方法の一例を示すフローチャートである。ま
ず、ステップb1からスタートして、ステップb2にお
いて、CRT計器9の画面上に表示された地形図に図5
(b)に示すような仮想の格子を設定して、ステップb
3において現在の自機位置と飛行方位に基づいて、スタ
ート点となるノード点を決定する。次に、そのノード点
への進入方位を基準にして左右±90°以内の方位に存
在する隣接するノード点(図5(b)中のa点〜e点)
を選択し、ステップb5において、現在の自機位置から
目標までの距離と比べて、選択したノード点から目標ま
での距離が小さくなったか否かを判断し、後者の方が小
さければ選択ノード点が目標に近付いていることにな
り、次のステップb6へ移行するが、選択ノード点が目
標から遠ざかるものであれば、別のノード点を評価する
ためステップb4へ戻る。次のステップb6において、
選択したノード点上空での予想高度が、選択したノード
点での地形の標高より高くなっているか否かを判断し、
この予想高度が標高より低ければ自機が地表面に接触す
ることになるため、別のノード点を評価するためにステ
ップb4へ戻る。
【0022】次のステップb7において、ステップb
5,b6の条件を満足した選択ノード点をコースのウェ
イポイントとして決定し、ステップb8において、選択
ノード点から目標までの距離がほぼ0、すなわち格子間
隔以下になったか否かを判断し、目標近傍に近付くまで
ステップb4〜b8を繰り返す。こうして、次のステッ
プb9において、現在の自機位置から目標までに至る1
本のコースが完成する。さらに、次のステップb10に
おいて、別のコースも作成する必要があれば、ステップ
b4〜b9を繰り返して、ステップb5,b6の条件を
満足した選択ノード点を有するコースをいくつか設定し
て、次のステップb11で終了する。なお、図5(c)
は、現在の自機位置から目標となった2つの着陸候補点
A,Bまでに至る各コースを設定した例を示している。
【0023】図2に戻って、次のステップa6に移行し
て、通常の数値計算を用いて、上述のように作成された
コースの中から、飛行コース長が長すぎて明らかに着陸
点に到着できないコースを削除して、可能性のあるコー
スを絞り込む。ステップa7において、こうして残った
飛行コースについて、ファジィ推論を用いてコースの安
全面での良否を評価する。
【0024】図6(a)〜(e)は、本発明に係るパイ
ロット着陸支援装置1がファジィ推論を実行するときに
使用したメンバシップ関数である。ファジィ制御ルール
は、次の例に示すように、たとえば全部で25個あり、
さらに5つに分類される。
【0025】a.飛行コースの対地高度の平均値に関す
るルール(図6(a)) (1) if 対地高度の平均値 is 非常に低い(TL) then コ
ースの良否 is 悪い (2) if 対地高度の平均値 is 低い(LOW) then コ
ースの良否 is 少し悪い (3) if 対地高度の平均値 is 中程度(MED) then コ
ースの良否 is 中程度 (4) if 対地高度の平均値 is 高い(HIGH) then コ
ースの良否 is 少し良い (5) if 対地高度の平均値 is 非常に高い(TH) then コ
ースの良否 is 良い b.飛行コースの長さに関するルール(図6(b)) (6) if 飛行コース長 is 非常に短い(TN) then コース
の良否 is 中程度 (7) if 飛行コース長 is 低い(NEAR) then コース
の良否 is 良い (8) if 飛行コース長 is 中程度(MED) then コース
の良否 is 少し良い (9) if 飛行コース長 is 長い(HIGH) then コース
の良否 is 中程度 (10) if 飛行コース長 is 非常に長い(TH) then コース
の良否 is 少し悪い c.目標着陸点上空での高度余裕に関するルール(図6
(c)) (11) if 高度余裕 is 非常に低い(TL) then コース
の良否 is 悪い (12) if 高度余裕 is 低い(LOW) then コース
の良否 is 少し悪い (13) if 高度余裕 is 中程度(MED) then コース
の良否 is 少し良い (14) if 高度余裕 is 高い(HIGH) then コース
の良否 is 良い (15) if 高度余裕 is 非常に高い(TH) then コース
の良否 is 中程度 d.飛行コース上での旋回角度の合計に関するルール
(図6(d)) (16) if 旋回角度の合計 is 非常に小さい(VS) then コ
ースの良否 is 良い (17) if 旋回角度の合計 is 小さい(SMALL) then コ
ースの良否 is 少し良い (18) if 旋回角度の合計 is 中程度(MED) then コ
ースの良否 is 中程度 (19) if 旋回角度の合計 is 大きい(LARGE) then コ
ースの良否 is 少し悪い (20) if 旋回角度の合計 is 非常に大きい(VL) then コ
ースの良否 is 悪い e.目標着陸点での風向と進入方位のなす角度に関する
ルール(図6(e)) (21) if 風向と進入方位のなす角度 is 非常に小さい(V
S)〔追い風〕 then コースの良否 is 非常に悪い (22) if 風向と進入方位のなす角度 is 小さい(SMALL) then コースの良否 is 悪い (23) if 風向と進入方位のなす角度 is 中程度(MED)
〔横風〕 then コースの良否 is 少し悪い (24) if 風向と進入方位のなす角度 is 大きい(LARGE) then コースの良否 is 少し良い (25) if 風向と進入方位のなす角度 is 非常に大きい(V
L)〔向かい風〕 then コースの良否 is 非常に良い コースの良否に関しては、7つのファジィ集合「非常に
悪い(VB)、悪い (BAD)、少し悪い(LB)、中程度(ZO)、少
し良い(LG)、良い(GOOD)、非常に良い(VG)」に分類され
ている。
【0026】次に、ステップa6で候補に挙がった各飛
行コースのメンバシップ関数を算出する具体例を説明す
る。まず、ある飛行コースを評価する際に、対地高度の
平均値がたとえばXaであった場合(図6(a)参
照)、ルール(2)の適合度が約0.7で、かつルール
(3)の適合度が約0.3となるため、コースの良否を
示すファジィ集合は、それぞれ「少し悪い(LB)」が図6
(f)に示す関数および「中程度(ZO)」が図6(g)に
示す関数になる。
【0027】次に、飛行コース長がたとえばXbであっ
た場合(図6(b)参照)、ルール(8)の適合度が約
0.7で、かつルール(9)の適合度が約0.3となる
ため、コースの良否を示すファジィ集合は、それぞれ
「少し良い(LG)」が図6(h)に示す関数および「中程
度(ZO)」が図6(i)に示す関数になる。
【0028】以下同様に、高度余裕がたとえばXcであ
った場合(図6(c)参照)、ルール(13)の適合度
が約0.4で、かつルール(14)の適合度が約0.6
となるため、コースの良否を示すファジィ集合は、それ
ぞれ「少し良い(LG)」が図6(j)に示す関数および
「良い(GOOD)」が図6(k)に示す関数になる。
【0029】次に、旋回角度の合計がたとえばXdであ
った場合(図6(d)参照)、ルール(18)の適合度
が約0.6で、かつルール(19)の適合度が約0.4
となるため、コースの良否を示すファジィ集合は、それ
ぞれ「中程度(ZO)」が図6(l)に示す関数および「少
し悪い(LB)」が図6(m)に示す関数になる。
【0030】次に、風向と進入方位のなす角度がたとえ
ばXeであった場合(図6(e)参照)、ルール(2
4)の適合度が約0.6で、かつルール(25)の適合
度が約0.4となるため、コースの良否を示すファジィ
集合は、それぞれ「少し良い(LG)」が図6(n)に示す
関数および「非常に良い(VG)」が図6(o)に示す関数
になる。
【0031】こうして求まったコースの良否を示すファ
ジィ集合を全て加算することによって、図6(p)に示
すメンバシップ関数を作成することができる。なお、他
のコースに関するメンバシップ関数は、たとえば図6
(q),(r)に示すように作成される。
【0032】図2に戻って、次のステップa8に移行し
て、各コースのメンバシップ関数のたとえば重心座標を
計算することによってデファジファイを行い、グレード
分布関数から1つの数値に換算する。たとえば図6
(p),(q),(r)に示すメンバシップ関数は、重
心座標としてそれぞれ数値Y1,Y2,Y3をとる。
【0033】ステップa9において、得られた数値Y
1,Y2,Y3の中で最も「良」側に位置する数値Y1
をとる飛行コースが最良のものとして決定され、ステッ
プa10において、こうして決定された最良のコースや
次点のコースなどをCRT計器9の画面上に表示して、
ステップa10で終了する。
【0034】図7は、推奨飛行コースの画面表示の一例
である。画面には自機シンボル20から着陸点シンボル
35までのコースの中で、条件の良い上位3つコース3
1,32,33が順位(画面中の「1」「2」等)とと
もに表示される。画面上部左側には、選択した着陸点の
方位および現在位置からの距離を表す着陸点方位シンボ
ル36が表示されており、パイロット90は画面上のコ
ースのうち1番コースに従って、オートローテーション
飛行を行なうことによって、安全で正確な不時着を実施
することができる。
【0035】図8(a)は、図1に示したパイロット着
陸支援装置の他の動作例を示すフローチャートであり、
ここではファジィ推論を用いて自機高度を評価する例を
説明する。エンジンモニタ5がエンジン故障を検出する
とステップc1からスタートして、ステップc2におい
て、CRT計器9の画面上に図3に示したようなエンジ
ン故障の警告表示を行なう。次のステップc3におい
て、航法センサ6からの自機位置信号およびマップジェ
ネレータ3からの地図データに基づいて、図4に示した
ように、地形図および障害物の無い平坦地などの着陸可
能地点をCRT計器9の画面上に表示する。次のステッ
プc4において、パイロット90は、CRT計器9の画
面上に表示された着陸候補点の中から自機が着陸しよう
とする地点をタッチパネルセンサ10で1つ選択する。
【0036】次のステップc5において、現在の自機位
置から選択された着陸点までを直線で結ぶ直線コースを
作成する。ステップc6において、直線距離と滑空比に
基づいた通常の数値計算を用いて、完全無風状態の下で
該直線コースを飛行するのに必要な無風高度H0を算出
する。
【0037】ステップc7において、ファジィ推論を用
いて、気象条件、特に自機周辺の風向や風速に対する補
正量ΔHを積み上げる。ファジィ制御ルールは、次の例
に示すように、たとえば全部で9個ある。
【0038】 (31) if コース長が長い and 向かい風が強い then
ΔH is 大 (32) if コース長が長い and 向かい風が弱い then
ΔH is 中 (33) if コース長が長い and 風が無い then
ΔH is 小 (34) if コース長が長い and 追い風がある then
ΔH is ゼロ (35) if コース長が短い and 向かい風が強い then
ΔH is 中 (36) if コース長が短い and 向かい風が弱い then
ΔH is 小 (37) if コース長が短い and 風が無い then
ΔH is ゼロ (38) if コース長が短い and 追い風がある then
ΔH is ゼロ (39) if 進入方向が横風方向 then
ΔH is 中 次のステップc8において、求まった無風高度H0と補
正量ΔHをファジィ加算して、自機の現在位置から着陸
点まで飛行するのに必要な高度(飛行中の不確定要素を
含めた高度)を図8(b)に示すようなメンバシップ関
数として求める。次にステップc9において、得られた
メンバシップ関数のたとえば重心座標を計算することに
よってデファジファイして、グレード分布関数から1つ
の数値H1に換算する。次にステップc10において、
換算した数値H1と自機の現在高度HCとを比較して、
H1≦HC、すなわち換算数値H1より自機高度が高い
場合、当該着陸地点に到達可能であることをCRT計器
9の画面上に表示する。逆に、H1>HC、すなわち換
算数値H1より自機高度が低い場合、当該着陸地点に到
達できないことをCRT計器9の画面上に表示して、ス
テップc11で終了する。
【0039】こうして現在位置から着陸点までの飛行中
に発生する不確定要素を見込んで、高度余裕計算を行な
うことができるため、正確でかつ安全な不時着飛行コー
スを選定することができる。
【0040】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、自
機が故障した場合に、パイロットが不時着時の飛行コー
スを予め予測することができるともに、その最良コース
に従って着陸飛行を行なうだけで安全で確実な不時着が
可能となる。したがって、パイロットの意志決定に係る
負担を軽減することができる。
【0041】また、ファジィ推論を用いて自機高度を評
価することによって、不時着時における着陸可能地点ま
での飛行可能性を安全にかつ正確に予測することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるパイロット着陸支援装
置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したパイロット着陸支援装置の動作例
を示すフローチャートである。
【図3】エンジン故障の警告表示の一例である。
【図4】着陸可能地点の画面表示の一例である。
【図5】図5(a)は、自機位置から着陸点までのコー
ス作成方法の一例を示すフローチャートであり、図5
(b)は次のウェイポイント選択方法を示す図であり、
図5(c)は、現在位置から着陸候補点A,Bまでに至
る各コースの設定例を示す図である。
【図6】図6(a)〜(e)は、本発明に係るパイロッ
ト着陸支援装置がファジィ推論を実行するときに使用し
たメンバシップ関数であり、図6(f)〜(r)は、コ
ースの良否に関するファジィ集合である。
【図7】推奨飛行コースの画面表示の一例である。
【図8】図8(a)は、図1に示したパイロット着陸支
援装置の他の動作例を示すフローチャートであり、図8
(b)は、無風高度H0と補正量ΔHをファジィ加算し
たメンバシップ関数の例である。
【符号の説明】
1 パイロット着陸支援装置 2 飛行コース計算部 3 マップジェネレータ 4 表示処理部 5 エンジンモニタ 6 航法センサ 7 コース選択処理部 8 入力処理部 9 CRT計器 10 タッチパネルセンサ 11 気象センサ 20 自機シンボル 21 エンジン故障緊急シンボル 22 昇降率メータ 23 方位角メータ 24 高度メータ 25 計器指示速度メータ 26 ロータ回転数メータ 27 着陸点選択シンボル 28,29 着陸候補シンボル 30 到達可能範囲マーク 31,32,33 コース 35 着陸点シンボル 36 着陸点方位シンボル 40 山 90 パイロット
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−39095(JP,A) 特開 昭62−279195(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B64D 45/04 - 45/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自機位置を検出するための自機位置検出
    手段と、 自機の故障を検出するための自機故障検出手段と、 地図情報を記憶するための地図情報記憶手段と、 前記自機位置検出手段からの信号、前記自機故障検出手
    段からの信号および前記地図情報記憶手段からの信号に
    基づいて、自機位置、自機の故障および自機周辺の地図
    を画面に表示するための表示手段とを具備するパイロッ
    ト着陸支援装置において、 前記自機故障検出手段が自機の故障を検出したときに、
    自機位置から着陸可能地点までの飛行コースを複数作成
    するための飛行コース作成手段と、 各飛行コースの安全性をファジィ推論を用いて評価し、
    最良の飛行コースを決定するための飛行コース評価手段
    とを具備することを特徴とするパイロット着陸支援装
    置。
  2. 【請求項2】 自機位置から着陸可能地点までのコース
    長を算出するためのコース長算出手段と、 自機周辺の気象条件を検出するための気象条件検出手段
    と、 前記コース長算出手段からの信号および前記気象条件検
    出手段からの信号に基づいて、ファジィ推論を用いて自
    機高度を評価するための自機高度評価手段とを具備する
    ことを特徴とする請求項1に記載のパイロット着陸支援
    装置。
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