JP2831595B2 - 制震構造物用ハイブリッド可変減衰装置 - Google Patents

制震構造物用ハイブリッド可変減衰装置

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JP2831595B2 JP14862595A JP14862595A JP2831595B2 JP 2831595 B2 JP2831595 B2 JP 2831595B2 JP 14862595 A JP14862595 A JP 14862595A JP 14862595 A JP14862595 A JP 14862595A JP 2831595 B2 JP2831595 B2 JP 2831595B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、地震や風等の振動外
力に対する構造物の応答について高い減衰性を与え、そ
の振動を低減するための制震構造物用ハイブリッド可変
減衰装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】制震構造物用可変減衰装置は、構造物の
架構内に設置し、個々の地震や風外力等の特性に応じて
装置の減衰係数を能動的に変化させることにより、その
減衰抵抗力で構造物の揺れを低減するものであり、コン
ピュータ等を用いた制御手段により構造物の減衰性を評
価した制御を行うことができる。
【0003】このような、制震構造物用可変減衰装置と
しては、例えば特開平2−289769号公報に記載さ
れたもの等がある。
【0004】図6は、このような可変減衰装置1’の一
例を油圧回路図として示したもので、シリンダ2内で往
復動する両ロッド型のピストン3の左右に油圧室6を設
け、この左右の油圧室6内の圧油を流量制御弁12の開
口面積に応じて流動させることにより、ピストン3の抵
抗力を調整できる構成になっている。
【0005】そして、シリンダ2及びロッド4をそれぞ
れ構造物の架構本体または耐震要素に連結することで、
架構の変形に対し減衰抵抗力を与える。
【0006】左右の油圧室6には、それぞれ油圧室6の
圧油の流出を阻止する流出阻止用チェック弁8及び油圧
室6への圧油の流入を阻止する流入阻止用チェック弁9
が設けられ、左右の流出阻止用チェック弁8どうしを連
結する流入用流路10と、左右の流入阻止用チェック弁
9どうしを連結する流出用流路11とが設けられてい
る。
【0007】これら流入用流路10及び流出用流路11
の連結位置には流量制御弁12が設けられており、この
流量制御弁12の開度を変化させることにより、可変減
衰装置1の減衰係数cを調整することができる。
【0008】また、この例で、流量制御弁12は、弁体
の一端側に入口ポート15と出口ポート16を有し、他
端側に背圧ポート17を有する大流量切換弁12aと、
背圧ポート17への圧油の流出を制御し得るシャットオ
フ弁12bとからなり、コンピュータ14からの指令を
受けて、シャットオフ弁12bが開閉し、これに伴って
大流量切換弁12aが作動し、大流量切換弁12aの開
度及びその開度に応じた装置の減衰係数cが調整制御さ
れる。
【0009】すなわち、流量制御弁12の開度を調整
し、完全なロック状態と完全なフリー状態の間で連結状
態を微妙に調整することにより、種々の減衰係数cを与
え、減衰係数cと架構本体の振動状態に応じ、そのとき
の架構本体の固有周期及び架構本体の減衰定数hが与え
られることになる。
【0010】また、流入用流路10または流出用流路1
1には、作動油の圧縮及び温度変化による容積変化を補
うなどの目的で、アキュムレータ19等が設けられてい
る。また、コンピュータ等による制御システムを必要と
しない受動型制震装置として、両ロッド型のシリンダの
ピストンの両側油圧室をつなぐ流路に所定の減衰係数を
与える圧力調整弁を設けたもの等がある。
【0011】図7は、そのような受動型制震装置21の
基本構造の一例を示したもので、図中22が両油圧室6
をつなぐ流路23に設けられた圧力調整弁であり、圧力
調整弁22の設計により所定の減衰係数が与えられる。
また、25,26は受動型制震装置21を柱梁架構内に
設置するための取付部である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】可変減衰装置は、地震
や風等の振動特性あるいは構造物の応答に応じて、時々
刻々減衰係数cを変化させながら、最適な減衰力を発生
することができるという利点がある反面、万が一の故障
が生じて制御が停止した場合に問題が生ずる。
【0013】本願発明は、可変減衰装置に受動型制震装
置を組み合わせることで、万が一の故障等により能動型
制御の機能が損なわれても、高い減衰効果を保有する制
震構造物用ハイブリッド可変減衰装置を提供することを
目的としたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に係るハ
イブリッド可変減衰装置1は、従来の可変減衰装置の流
量制御弁12に対し、流量制御弁12が故障、断電等で
機能が停止した場合にフェールセーフ機能を働かせるた
めに動作する切り換え弁32と、フェールセーフ機能と
なる高い減衰係数を実現する圧力調整弁34を並列に設
けたものである。
【0015】従って流量制御弁12が動作しない場合に
は、圧力調整弁34により装置1の減衰係数cが決ま
り、構造物に高い減衰性を与える。
【0016】流量制御弁12には、装置1に対する電源
供給がストップしたり、故障が発生した場合には閉状態
となるノーマルロック機構の弁を用いる。一方、切り換
え弁32によるフェールセーフ時の切り換え機構には、
装置1に対して電源供給がある場合は閉状態で、電源供
給をストップした場合のみ開状態となるノーマルオープ
ン機構を用いる。
【0017】従って、装置1は通常の制御状態では流量
制御弁12のみによる制御が行われ、異常時には、圧力
調整弁34のみによる減衰特性が発揮される。
【0018】本願の請求項3に係るハイブリッド可変減
衰装置1Aは、上述の請求項1に係るハイブリッド可変
減衰装置1に対し、切り換え弁32と切り換え弁用パイ
ロット弁33との組合せを、高減衰バルブとしての圧力
調整弁34Aと圧力調整弁用パイロット弁33Aとの組
合せにより同等以上の機能を有するようにしたものであ
る。また、並列に設けた流量制御弁12及び圧力調整弁
34Aに対し、さらにリリーフ弁41を並列に設け、装
置油圧回路内に独立したリリーフ機構を設けている。
【0019】リリーフ弁41を油圧回路内に独立させて
設けることで、装置1Aについて通常の制御状態である
流量制御弁12のみによる制御の際と、異状時において
圧力調整弁34Aの高減衰機能を発揮させる際の両者に
おいて、リリーフ機能が発揮され、装置1Aに過大な負
荷が作用するのを防止することができる。
【0020】可変減衰装置としての構成については、従
来開発されている各種可変減衰装置の構成をそのまま用
いることができ、基本的な構成は、両ロッド型のシリン
ダ2、シリンダ2のピストン3の両側に形成された油圧
室6、両油圧室6の圧油の流出を阻止する一対の流出阻
止用チェック弁8、両油圧室6の圧油の流入を阻止する
一対の流入阻止用チェック弁9、両流出阻止用チェック
弁8を連結する流入用流路10、両流入阻止用チェック
弁9を連結する流出用流路11、流入用流路10及び流
出用流路11の連結位置に並列に設けられた流量制御弁
12、及び制震の対象となる構造物に作用する外力に応
じて流量制御弁12の開度を制御するコンピュータ等を
用いた制御手段とからなる。
【0021】フェールセーフ時の切り換えは上述したよ
うに、装置1に対する電源供給がストップした場合に自
動的に行われる方法と、流量制御弁12を制御している
コンピュータが装置異常を検知して、コンピュータから
の指令によってフェールセーフ状態への切り換えを行う
場合の2通りの方法が可能である。
【0022】また、本願発明の装置では、流量制御弁1
2と圧力調整弁34(または34A)が同時に動作する
ことがないため、通常の制御方法と、フェールセーフ時
の圧力調整弁の設定を独立に考えることができる。
【0023】本願発明のハイブリッド型可変減衰装置1
の構造物への設置は、従来の受動型制震装置の場合と同
じであり、例えばシリンダ2本体を架構の梁に連結し、
シリンダ2の一端より出入するピストンロッド4をブレ
ースまたは耐震壁等の耐震要素側に連結する。
【0024】架構または耐震要素に対するシリンダ2本
体及びロッド4の連結関係は上述した場合の逆であって
もよく、また架構内の耐震要素間に設置し、耐震要素ど
うしを連結する形でもよい。
【0025】
【実施例】図1は、本願の請求項1に係るハイブリッド
可変減衰装置1の一実施例における油圧回路を示したも
のである。
【0026】可変減衰装置1の装置本体は、シリンダ2
内で往復動する両ロッド型のピストン3の左右に油圧室
6を設け、この左右の油圧室6内の圧油の移動を流量制
御弁12により制御し、ピストン3の移動に対し大きな
抵抗を与える高減衰状態と抵抗の小さい状態との間で可
変としている。
【0027】シリンダ2及びロッド4の一方が構造物の
架構本体及び耐震要素または耐震要素どうしの一方に連
結され、他方が架構本体及び耐震要素または耐震要素ど
うしの他方に連結される。
【0028】左右の油圧室6には、それぞれ油圧室6の
圧油の流出を阻止する流出阻止用チェック弁8及び油圧
室6への圧油の流入を阻止する流入阻止用チェック弁9
が設けられ、左右の流出阻止用チェック弁8どうしを連
結する流入用流路10と、左右の流入阻止用チェック弁
9どうしを連結する流出用流路11とが設けられてい
る。
【0029】これら流入用流路10及び流出用流路11
の連結位置にはノーマルロックの流量調整弁12が設け
られており、この流量制御弁12の開度を変化させるこ
とにより装置の減衰係数cを調整することができる。
【0030】流量制御弁12の開度の制御は、振動外力
あるいは構造物の応答等に基づいてコンピュータまたは
制御回路等により決定された指令値を弁開度コントロー
ラ13に送り、さらに弁開度コントローラ13からの制
御電流で流量制御弁12を作動させることによって行
う。図中、18は変位計であり、流量制御弁12の開度
をフィードバックするために用いられている。
【0031】また、このハイブリッド可変減衰装置1に
は、流量制御弁12と並列に切り換え弁32、切り換え
弁用パイロット弁33及び圧力調整弁34が設けられて
いる。
【0032】流量制御弁12がロック状態の時(断電に
よるロック時、故障によるロック時、弁開度コントロー
ラ13によるロック指令時等)に、切り換え弁用パイロ
ット弁33に対する弁開度コントローラ13からの電源
供給がストップし、切り換え弁用パイロット弁33は切
り換え弁32の背圧を低圧側(P2 )に逃がし、切り換
え弁32を開状態にする。
【0033】このように切り換え弁32と切り換え弁用
パイロット弁33によりノーマルオープン(電源が供給
されない場合のみ開状態となる)の切り換え機構が構成
される(図1はノーマルオープン時の回路状態)。
【0034】従って、流量制御弁12がロック時には、
ピストンの動きによって生じる油の流れは、切り換え弁
用パイロット弁33の切り換え動作により、圧力調整弁
34のみを通過し、装置1は受動型制震装置として減衰
力を発生するようになる。
【0035】この時、圧力調整弁34は弁入力ポートの
圧力P1 と弁出力ポートの圧力P2との圧力差を発生さ
せ、この圧力差に対応する減衰力を発生させる。この場
合の圧力調整弁34は、減衰係数が一定値(装置の発生
する減衰力が装置速度に比例する)となるように、圧力
調整弁34の機構及び形状で設定することが可能である
(詳細については図2に示す)。
【0036】また、設定する減衰係数は、その一例とし
て、構造物に対して減衰定数h=10〜20%の高い応
答低減効果を与えるような設定を考えることができる。
【0037】図2は上述のハイブリッド可変減衰装置1
に使用するための圧力調整弁34の機構の具体例を示し
たものである。以下に切り換え弁32が動作した場合の
圧力調整弁34の動作の概要について述べる。
【0038】圧力調整弁34はパイロットスプール3
6、メインスプール35、ばね37及びそれらを納める
ケーシングから構成される。
【0039】ピストンの移動により発生した高圧P1
低圧部P2 との差圧により、パイロットスプール36を
右側(図2上の方向にて)に押す力が発生する。この力
がばね37のたわみによって発生する力と釣り合う位置
まで、メインスプール35を移動させる。
【0040】このようにP1 の変化に応じてメインスプ
ール35の位置が移動し、メインスプール35に加工さ
れたノッチの開口面積が変化して、装置速度(流量に比
例)に減衰力(差圧に比例)が比例する減衰状態を実現
する。
【0041】図3は図2の圧力調整弁34のメインスプ
ール35のノッチ形状と装置1の特性との関係を示した
もので、このような機構により、速度比例の減衰力(差
圧が流量に比例)を実現するためのメインスプール35
のノッチ形状及びばね37のばね定数の考え方を以下に
述べる。
【0042】まず、装置の減衰係数cが一定となるよう
なノッチ開口面積Aと差圧ΔP(=P1 −P2 )の関係
は、A=α(ΔP)1/2 〔α:流量係数、作動油の密度
等から決まる係数〕となる。
【0043】また、差圧ΔPとメインスプールの変位量
xとの関係は、ばね37のばね定数が一定の場合、線形
で比例し、ΔP=βx〔β:ばね定数、パイロットスプ
ール形状により決まる係数〕となる。
【0044】従って、減衰係数一定の特性を得るための
理想的なメインスプール形状は、ノッチ開口面積Aが、
メインスプール変位量xの平方根に比例するものとなる
(図3(b) 中、AI が理想的な開口面積の変化を示した
ものである)。
【0045】この形状を疑似的に実現するために、メイ
ンスプール形状を図3(a) に示すようなものとし、円ノ
ッチ38aとUノッチ38bを設けることで、メインス
プールの変位量xに対する開口面積の変化は、図3(b)
のAR の曲線のようになる。開口面積特性は、円ノッチ
38a及びUノッチ38bの数、直径D、曲率R、ノッ
チ38a,38bの初期開口位置等を変更することで、
理想的な開口面積変化に近づくよう設定でき、図3(b)
はメインスプールに円ノッチを4箇所、Uノッチを2箇
所設置した場合の一例である。
【0046】一方、装置速度vに対する発生減衰力F
は、図3(c) のようになる。図では理想的な速度に対す
る減衰力特性FI と、図3(b) に示したような開口面積
特性を持つメインスプールを用いた場合の特性FR を示
している。
【0047】メインスプールは、初期開口位置におい
て、ばねにある程度のプリロードがかかるように設置さ
れる。従って、ΔPの値がある一定値に達するまで、メ
インスプールに対して変位が生じず、それまでの減衰特
性はメインスプールの初期開口面積のオリフィス効果に
よってのみ決まる(図3(c) のaの範囲)。
【0048】そして、ΔPがばねのプリロードを越える
と、メインスプールに変位が生じ、開口面積Aの変化に
応じた減衰力Fが発生する(図3(c) のbの範囲)。
【0049】これらの特性は、ばねの初期縮み量を変化
させることにより、任意に設定することができ、図3
(c) に示したように理想的な装置特性に近づける設計が
可能である。
【0050】図4は、本願の請求項3に係るハイブリッ
ド可変減衰装置1Aの一実施例における油圧回路を示し
たものである。
【0051】可変減衰装置1Aの装置本体は、シリンダ
2内で往復動する両ロッド型のピストン3の左右に油圧
室6を設け、この左右の油圧室6内の圧油の移動を流量
制御弁12により制御し、ピストン3の移動に対し大き
な抵抗を与える高減衰状態と抵抗の小さい状態との間で
可変としている。
【0052】シリンダ2及びロッド4の一方が構造物の
架構本体及び耐震要素または耐震要素どうしの一方に連
結され、他方が架構本体及び耐震要素または耐震要素ど
うしの他方に連結される。図中、25,26は柱梁架構
内に設置するための取付部である。
【0053】左右の油圧室6には、それぞれ油圧室6の
圧油の流出を阻止する流出阻止用チェック弁8及び油圧
室6への圧油の流入を阻止する流入阻止用チェック弁9
が設けられ、左右の流出阻止用チェック弁8どうしを連
結する流入用流路10と、左右の流入阻止用チェック弁
9どうしを連結する流出用流路11とが設けられてい
る。
【0054】これら流入用流路10及び流出用流路11
の連結位置にはノーマルロックの流量調整弁12が設け
られており、この流量制御弁12の開度を変化させるこ
とにより装置の減衰係数cを調整することができる。
【0055】流量制御弁12の開度の制御は、振動外力
あるいは構造物の応答等に基づいてコンピュータまたは
制御回路等により決定された指令値を弁開度コントロー
ラ13に送り、さらに弁開度コントローラ13からの制
御電流で流量制御弁12を作動させることによって行
う。
【0056】このハイブリッド可変減衰装置1Aには、
流量制御弁12と並列に、流量制御弁12が作動できな
い異状時に高減衰機能を与えるための圧力調整弁34A
が設けられ、さらにこれらと並列にリリーフ弁41が並
列に設けられている。
【0057】このように装置油圧回路内に独立して設け
られたリリーフ弁41は、流量制御弁12による通常の
制御状態と、フェールセーフ時において圧力調整弁34
Aが機能する高減衰状態の両者において、リリーフ機能
を発揮し、装置1Aに過大な負荷が生じるのを防止して
いる。
【0058】本実施例では、上述した請求項1に係る発
明の実施例の場合と異なり、切り換え弁32を設けず、
切り換え弁の機能を高減衰バルブとしての圧力調整弁3
4Aで行うようにし、油圧回路内には圧力調整弁34A
の作動に対する圧力調整弁用パイロット弁33Aのみを
有する機構とした。
【0059】図5は上述のハイブリッド可変減衰装置1
Aに使用するための圧力調整弁34Aの機構の具体例を
示したものである。
【0060】本実施例では、上述のように切り換え弁の
機能を高減衰バルブとしての圧力調整弁34Aで行うよ
うにしており、前述した図2の圧力調整弁34ではメイ
ンスプール35について初期開口(図2のA−A’線位
置)を与えていたのに対し、本実施例では初期開口をな
くしゼロラップにしている(図5のA−A’線位置)。
【0061】また、装置の要求仕様からメインスプール
35に対するばねが37aには大きなバネ定数が必要と
なるが、そのため、わずかな初期たわみでもプリロード
が大きくなり、メインスプール35の作動に関する不感
帯が増加する。この問題に対し、本実施例ではメインの
ばね37aの内側に比較的柔らかい(バネ定数の小さ
い)補助ばね37bを用い、この補助ばね37bでメイ
ンスプール35のゼロラップ位置に保つようにし、プリ
ロードを低減させる構成とした。
【0062】その他の構成は、原則的に図2に示した圧
力調整弁34と同様である。
【0063】
【発明の効果】 万が一の故障等において、制御が停
止しても受動型制震装置としての制震効果を発揮させる
ことができる。
【0064】 流量制御弁と圧力調整弁が同時に動作
することがないため、通常の制御方法と、フェールセー
フ時の圧力調整弁の設定を独立に考えることができる。
【0065】 請求項3に係る発明では、リリーフ弁
を油圧回路内に独立させて設けることで、通常の制御状
態と、フェールセーフ時の高減衰状態の両者において、
リリーフ機能を発揮し、装置に過大な負荷が生じるのを
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願の請求項1に係る発明の一実施例を示す
油圧回路図である。
【図2】 図1の実施例で用いる圧力調整弁の機構を示
したもので、(a) は全体構造の概要図、(b) はA−A’
線拡大断面図、(c) はB−B’線断面図である。
【図3】 図2の圧力調整弁のメインスプールのノッチ
形状と装置の特性との関係を示したもので、(a) はノッ
チ形状の説明図、(b) はメインスプール変位量とノッチ
の開口面積との関係を示すグラフ、(c) は装置速度と装
置発生減衰力の関係を示すグラフである。
【図4】 本願の請求項3に係る発明の一実施例を示す
油圧回路図である。
【図5】 図4の実施例で用いる圧力調整弁の機構を示
す概要図である。
【図6】 従来例としての可変減衰装置の一例を示す油
圧回路図である。
【図7】 従来例としての受動型制震装置の基本構成を
示す概要図である。
【符号の説明】
1,1A…ハイブリッド可変減衰装置、1’…可変減衰
装置、2…シリンダ、3…ピストン、4…ピストンロッ
ド、6…油圧室、8…流出阻止用チェック弁、9…流入
阻止用チェック弁、10…流入用流路、11…流出用流
路、12…流量制御弁、13…弁開度コントローラ、1
4…コンピュータ、15…入口ポート、16…出口ポー
ト、17…背圧ポート、18…変位計、19…アキュム
レータ、21…受動型制震装置、22…圧力調整弁、2
3…流路、25,26…取付部、32…切り換え弁、3
3…切り換え弁用パイロット弁、33A…圧力調整弁用
パイロット弁、34…圧力調整弁、35…メインスプー
ル、36…パイロットスプール、37,37a,37b
…ばね、38a…円ノッチ、38b…Uノッチ、39…
絞り、41…リリーフ弁
フロントページの続き (72)発明者 丹羽 直幹 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 笹木 寛訓 兵庫県神戸市西区櫨谷町松本234番地 川崎重工業株式会社西神戸工場内 (72)発明者 篠原 直志 兵庫県神戸市西区櫨谷町松本234番地 川崎重工業株式会社西神戸工場内 (72)発明者 宮本 弘敏 兵庫県神戸市西区櫨谷町松本234番地 川崎重工業株式会社西神戸工場内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04H 9/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両ロッド型のシリンダと、前記シリンダ
    のピストンの両側に形成された油圧室と、前記両油圧室
    の圧油の流出を阻止する一対の流出阻止用チェック弁
    と、前記両油圧室の圧油の流入を阻止する一対の流入阻
    止用チェック弁と、前記両流出阻止用チェック弁を連結
    する流入用流路と、前記両流入阻止用チェック弁を連結
    する流出用流路と、前記流入用流路及び前記流出用流路
    の連結位置に設けた流量制御弁と、制震の対象となる構
    造物に作用する外力に応じて前記流量制御弁の開度を制
    御する制御手段とを有する制震構造物用可変減衰装置に
    おいて、前記流量制御弁として故障または断電状態にお
    いて閉状態となるノーマルロック機構の弁を用い、所定
    の減衰係数を与える圧力調整弁及び故障または断電状態
    において開状態となるノーマルオープン機構の切り換え
    弁を、前記流量制御弁に対し並列に設けたことを特徴と
    する制震構造物用ハイブリッド可変減衰装置。
  2. 【請求項2】 前記圧力調整弁は、ケーシング内にパイ
    ロットスプールと、該パイロットスプールの移動に伴っ
    て移動するメインスプールと、該メインスプールの移動
    に対し反力を与えるためのばねとを納め、弁入力ポート
    の圧力P1 と弁出力ポートの圧力P2 との圧力差ΔPに
    よりメインスプールを変位させるようにし、前記メイン
    スプール位置で圧油を通過させるためのノッチの開口面
    積Aがメインスプールの移動に伴い、メインスプールの
    変位量xの平方根に略比例するようにしたものである請
    求項1記載の制震構造物用ハイブリッド可変減衰装置。
  3. 【請求項3】 両ロッド型のシリンダと、前記シリンダ
    のピストンの両側に形成された油圧室と、前記両油圧室
    の圧油の流出を阻止する一対の流出阻止用チェック弁
    と、前記両油圧室の圧油の流入を阻止する一対の流入阻
    止用チェック弁と、前記両流出阻止用チェック弁を連結
    する流入用流路と、前記両流入阻止用チェック弁を連結
    する流出用流路と、前記流入用流路及び前記流出用流路
    の連結位置に設けた流量制御弁と、制震の対象となる構
    造物に作用する外力に応じて前記流量制御弁の開度を制
    御する制御手段とを有する制震構造物用可変減衰装置に
    おいて、前記流量制御弁として故障または断電状態にお
    いて閉状態となるノーマルロック機構の弁を用い、前記
    流量制御弁とそれぞれ並列に、前記流量制御弁が閉状態
    のときに装置に所定の減衰係数を与える圧力調整弁と、
    前記流量制御弁及び圧力調整弁に対する圧力リリーフ機
    能を与えるリリーフ弁とを設けたことを特徴とする制震
    構造物用ハイブリッド可変減衰装置。
  4. 【請求項4】 前記圧力調整弁は、ケーシング内にパイ
    ロットスプールと、該パイロットスプールの移動に伴っ
    て移動するメインスプールと、該メインスプールの移動
    に対し反力を与えるためのばねとを納め、弁入力ポート
    の圧力P1 と弁出力ポートの圧力P2 との圧力差ΔPに
    よりメインスプールを変位させるようにし、前記メイン
    スプール位置で圧油を通過させるためのノッチの開口面
    積Aがメインスプールの移動に伴い、メインスプールの
    変位量xの平方根に略比例するようにしたものであり、
    かつ前記パイロットスプール位置と前記弁出力ポート側
    との間に絞りを設けた流路を形成し、圧力調整弁が非作
    動の状態では、前記メインスプール位置で圧油を通過さ
    せるためのノッチの開口面積Aが0となるようにした請
    求項3記載の制震構造物用ハイブリッド可変減衰装置。
  5. 【請求項5】 前記メインスプールの移動に対し反力を
    与えるためのばねとして、バネ定数の大きいメインのば
    ねと、バネ定数の小さい補助ばねの2種類のばねを用
    い、前記補助ばねにより前記メインスプール位置で圧油
    を通過させるためのノッチの開口面積Aが0となる初期
    状態を維持させている請求項4記載の制震構造物用ハイ
    ブリッド可変減衰装置。
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