JP2830864B2 - 静電式インクジェット記録装置 - Google Patents

静電式インクジェット記録装置

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JP2830864B2
JP2830864B2 JP32836096A JP32836096A JP2830864B2 JP 2830864 B2 JP2830864 B2 JP 2830864B2 JP 32836096 A JP32836096 A JP 32836096A JP 32836096 A JP32836096 A JP 32836096A JP 2830864 B2 JP2830864 B2 JP 2830864B2
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良介 上松
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仁史 峯本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に係り、特に、インク中の帯電されたトナーを電
界の作用により記録媒体に付着させて記録を行う静電式
インクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、静電式インクジェット記録装置
は、PCTの国際公表番号WO93/11866に記載
されているように、インクを吐出するための吐出電極を
有する記録ヘッド本体と、その記録ヘッド本体に対向し
て配置される対向電極とを有する。
【0003】図5に示すように、記録ヘッド本体50の
先端には、複数の吐出電極52が突出して設けられてい
る。これら吐出電極52の延長上には、記録媒体58を
介して対向電極53が配置されている。複数の吐出電極
52は、記録解像度に応じた間隔で並設され、インクに
浸されている。インクは、帯電粒子物質(帯電トナー)
を含有したインク液が使用される。表面張力によって吐
出電極の先端まで達する。一方、対向電極53は、複数
の吐出電極52に対し共通した一体の電極として設けら
れアースされている。
【0004】任意の吐出電極52に高電圧パルスが印加
されると、吐出電極52の先端と対向電極53との間に
電位差を生じる。この電位差に応じて形成される電界
(電気力線63)の作用により、インクは吐出電極52
の先端から対向電極53に向けて飛翔する。飛翔したイ
ンクは、対向電極53の手前に配設された記録媒体58
に付着し記録が行われる。ここで、高電圧パルスが与え
られた吐出電極52に対し、対向電極53側のインク着
地位置の周囲の電位は一様である。このため、インクの
飛翔方向は、電界の強さに応じ吐出電極52から対向電
極53までの距離が最短となる方向、即ち符号Aの方向
となり、そのインク着滴位置は位置Bとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例にあっては、符号Aが示す電界とその周囲の電界
(例えば符号C)の大きさの差はわずかなものであり、
例えば記録用紙の表面が粗い場合や記録用紙にゴミが付
着した場合等に、その大小が逆転する事態が生じ得る。
かかる場合、例えば符号Cの電界に沿って飛翔したイン
クの着滴位置が位置Dとなる場合もあり、この記録位置
のズレが画像品位の劣化を招く不都合があった。
【0006】本発明は、上記従来例の有する不都合を改
善し、特に、高精細画像の安定した記録を実現する静電
式インクジェット記録装置を提供することを、その目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の静電式インクジ
ェット記録装置は、所定の極性に帯電されるインクを格
納したインクチャンバとインクチャンバに連結しインク
が吐出する複数のインク吐出ポートとを有するヘッド本
体と、ヘッド本体のインク吐出ポート近傍にそれぞれ固
定された複数の吐出電極と、複数の吐出電極の互いに隣
接する電極には同時に吐出電圧が供給されないよう吐出
電圧によって時分割に駆動する吐出電極駆動回路と、複
数の吐出電極に記録用紙を介して対向し吐出電極に個別
に対応させて設けられた複数の対向電極と、複数の対向
電極の電位を個々に設定する対向電位設定回路とを含
む。
【0008】複数の対向電極は、時分割駆動によって選
択的に駆動されている吐出電極に対向する第1の対向電
極と、これに隣接し時分割駆動でまだ駆動されていない
吐出電極に対向する第2の対向電極とに分離される。対
向電位設定回路は、第1の対向電極に第1の電位、第2
の対向電極に第2の電位を設定する。第1の電位は、イ
ンク吐出ポートから吐出したインクを第2の対向電極よ
りも第1の対向電極に電気的に強く引き寄せるような値
に設定される。
【0009】これにより、吐出電極と対向電極との間の
電位差が吐出閾値を越え、吐出電極から帯電されたイン
クが飛翔する。飛翔したインクは、吐出電極と対向電極
との形成電界の最も強い方向に飛翔するので、第1の電
位に設定された第1の対向電極の位置に到達する。も
し、何らかの外乱の影響で、インクの飛翔方向がずれよ
うとしても、インクは第1の対向電極に向かう電気力線
に沿って弧を描いて飛翔し、第1の対向電極に確実に到
達する。
【0010】本発明の実施例では、複数の対向電極が複
数の吐出電極と等しいピッチで配置される。また、複数
の個別対向電極は、絶縁体に個別に固定されている。
【0011】さらに本発明では、対向電位設定部は、記
録用紙が配置されていない非記録領域に位置する対向電
極を第2の電位に設定する。これによって、万一対向電
極が損傷したような場合でも、吐出電極を含む他の金属
部との間で不慮の電流リーク等が生じる事態を有効に防
止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の静電式
インクジェット記録装置の実施の形態を示す概略ブロッ
ク図である。
【0013】図1において、静電式インクジェット記録
装置のヘッド本体10は、内部にインクチャンバ3を有
するヘッドハウジング1と、ヘッドハウジング内に並列
に配置された複数の吐出電極2とを有する。吐出電極2
の先端は、インクチャンバ3と外部とを連通するインク
吐出口12に配置される。吐出電極2は吐出電極駆動回
路6に接続され、吐出電圧によって個別に駆動される。
吐出電圧は、インクの特性によって決定される。
【0014】吐出電極駆動回路6は、複数の吐出電極2
を1つおきに時分割で駆動する。すなわち、最初の駆動
タイミングでは配列方向に奇数位置の吐出電極が駆動さ
れ、次の駆動タイミングで偶数位置の吐出電極が駆動さ
れる。この駆動方法は、必ずしも偶数、奇数駆動による
2分割駆動でなくてもよく、駆動される吐出電極とそれ
に隣接する2つの電極が同時に駆動されなければ、吐出
電極を2つおきに3分割、3つおきに4分割で時分割駆
動してもよい。
【0015】対向電極デバイス20は、複数の吐出電極
2に記録用紙8を介して対向装備された複数の対向電極
4と、複数の対向電極4を保持する電極ホルダー5とを
有する。各対向電極4は、吐出電極2の延長線上に配置
され、吐出電極に個別に対応している。即ち、複数の対
向電極4は、複数の吐出電極2と等しいピッチで1対1
に対応して配置されている。また、対向電極4は、対向
電位設定回路7に接続される。複数の対向電極4の電位
は、対向電位設定部7によって個別に設定される。
【0016】対向電位設定回路7は、時分割駆動によっ
て選択的に駆動されている吐出電極2(これを第1の吐
出電極と称す)に対向する対向電極4(これを第1の対
向電極と称す)に第1の電位を設定し、同時に、選択的
にまだ駆動されていない吐出電極2(これを第2の吐出
電極と称す)に対向する対向電極4(これを第2の対向
電極と称す)に、第2の電位を設定する。たとえば、偶
数位置の吐出電極が吐出電圧によって駆動される期間で
は、偶数位置の吐出電極が第1の吐出電極となり、奇数
位置の吐出電極が第2の吐出電極となる。同時に、偶数
位置の対向電極が第1の対向電極となり、奇数位置の対
向電極が第2の対向電極となる。
【0017】第2の電位は、時分割駆動されている第1
の吐出電極と第1の対向電極との間の電位差が、第1の
吐出電極と第2の対向電極との間の電位差よりも大きく
なるよう、設定される。例えば、吐出電圧が1500
(V)とすると、第1の電位は、0(V)、第2の電位
は1000(V)とする。あるいは、第1の電位を−1
000(V)、第2の電位を500(V)としてもよ
い。
【0018】この結果、第1の吐出電極と第1の対向電
極との間の電界強度が大きくなり、第1の吐出電極のイ
ンク吐出口から吐出したインクは、第2の対向電極より
も第1の対向電極側に強く引き寄せられる。
【0019】本実施例において、ヘッド本体10のヘッ
ドハウジング1は、誘電体材料で形成され、液体インク
はヘッドハウジング1の中のインクチャンバ3にインク
供給機構(図示せず)から供給される。複数の吐出電極
2は、Cu,Ni等の導電性材料によってインク吐出方
向に沿って帯状に形成される。また、各吐出電極は、滑
らかな円弧状の先端を有し、その先端位置は、ヘッドハ
ウジング1よりも幾分インク吐出方向に突出して設けら
れている。吐出電極2の先端位置は、インク吐出口12
の構造を工夫すれば、必ずしもヘッドハウジング1より
も吐出する必要はない。
【0020】インク室3に満たされているインクは、石
油系有機溶媒(イソパラフィン)に帯電制御剤とともに
着色した熱可塑性樹脂の微粒子、いわゆる帯電トナーを
分散したものである。帯電トナーはゼータ電位により正
極性に見かけの帯電がされている。
【0021】複数の対向電極4は、吐出電極2と同様に
Cu,Ni等の導電性材料で形成される。ここで、複数
の対向電極4は、記録解像度に応じて例えば300dp
iピッチで配置されるが、吐出電極2は、本実施形態に
よらず、必ずしも記録解像度に応じた密度で配置されて
いなくとも良い。また、各対向電極4は、絶縁体の電極
ホルダー5によって互いに絶縁されている。更に、対向
電極4の表面には絶縁被膜が施されている。
【0022】吐出電極駆動回路6は、直流電源6aに接
続され、その電源出力に応じた振幅の吐出電圧のパルス
を記録信号Pに基づいて吐出電極2に供給する。吐出電
圧のパルスは、インク中の帯電トナーと同極性をもち、
記録信号に応じて奇数、偶数位置の吐出電極に時分割に
印加される。また、吐出電極駆動回路6は、吐出電極2
の駆動に関する駆動情報S1を発生し、それを対向電位
設定回路7に通知する機能を備えている。駆動情報S1
は、各吐出電極2の時分割駆動の状況を表すデータで、
例えば、時分割駆動されている電極に対して、”1”、
まだ駆動されていない電極に対して、”0”のデータで
ある。
【0023】対向電位設定回路7は、直流電源7aに接
続される。直流電源7aは、対向電極4を第1の電位ま
たは第2の電位に設定するための電力源である。吐出電
極駆動回路6から駆動情報S1を受けると、対向電極設
定回路7は、駆動情報S1に基づいて、時分割駆動中の
吐出電極2(第1の吐出電極)に対向する第1の対向電
極を識別し、その第1の対向電極を第1の電位に設定す
る。第1の電位は、吐出電圧パルスの電圧との間に生じ
る電位差が帯電トナーの吐出閾値を超えるように予め設
定する必要がある。
【0024】また対向電位設定回路7は、第1の電位の
設定と同時に、まだ時分割駆動されていない吐出電極2
(第2の吐出電極)と対向する第2の対向電極を第2の
電位に設定する。ここで、第2の対向電極の電位は、吐
出電圧が印加されている第1の吐出電極からインク吐出
を生じない程度の電位に保持されるのが望ましい。
【0025】吐出電極2と対向電極4との間に配設され
る記録用紙8の用紙幅は、予め光センサ等により検出さ
れ、当該用紙幅を表す用紙幅信号S2を発生し、それが
対向電位設定部7に供給される。用紙幅の検出は、例え
ば、記録用紙8が、ヘッド本体10と対向電極デバイス
20との間の記録位置に到達する前に行われれば良い。
図1に示すように、複数の対向電極4上の位置におい
て、記録用紙8が配置される領域が記録領域10、記録
用紙8が配置されていない領域が非記録領域11であ
る。対向電位設定回路7は、非記録領域11に位置する
対向電極4を第2の電位に設定する。これにより、記録
用紙8の記録を行わない領域にヘッド本体10のインク
吐出部12からインクが誤って到達することを完全に防
止する。また、万一対向電極が損傷したような場合で
も、吐出電極を含む他の金属部との間で不慮の電流リー
ク等が生じる事態を有効に防止することができる。
【0026】次に上記実施形態の全体動作を図1及び図
2に基づいて説明する。
【0027】インク室3にインクが保持された状態で
は、インク吐出口12付近の吐出電極2の先端部がイン
クで潤った状態となっており、インクメニスカスが形成
される。そして、記録信号Pに基づいて吐出電圧駆動部
6から吐出電極2にインク中の帯電トナーと同極性の吐
出電圧が、奇数位置、偶数位置に駆動タイミングを分け
て印加される。時分割駆動のタイミングに同期して第1
の吐出電極に対向する第1の対向電極の電位が第1の電
位に、第2の対向電極と非記録領域11の対向電極とが
第2の電位に設定される。この場合、第1、第2の電位
に設定される第1、第2の対向電極は、時分割駆動され
る吐出電極2が奇数位置から偶数位置に切り替わること
によって切り替わる。
【0028】これにより、第1の吐出電極と第1の対向
電極との電位差が吐出閾値を越え、第1の吐出電極の先
端に形成されていたインクメニスカスから帯電トナーを
含むインクが吐出される。吐出されたインクは、図2に
示すように形成電界(電気力線13)の最も強い方向に
飛翔する。即ち、インクの飛翔方向は、力線方向Eとな
り、記録用紙8上の位置Fに到達する。
【0029】ここで、何らかの外乱の影響で、インクの
飛翔方向にずれを生じ、例えば、力線方向Gに飛び出し
たとしても、位置Fの第1の対向電極4に隣接する第2
の対向電極が第2の電位であるので、帯電トナーを含む
インクは電気力線に沿って弧を描いて飛翔し、やはり位
置Fに確実に到達する。このため、飛翔したトナーの到
達位置精度が高まり、特に高解像度の画像記録時におい
て画像品位が向上する。
【0030】また、本実施例によれば、時分割駆動され
ている吐出電極に対向する第1の対向電極とそれに隣接
する対向電極(第2の対向電極)とは互いに絶縁されて
いるので、各対向電極が異なる電位に設定された場合で
も、隣接電極間におけるリークの発生を防止することが
できる。
【0031】更に、記録用紙8の幅が対向電極デバイス
20の対向電極の配列長さより短い場合、記録用紙の両
端又は片側の個別対向電極4は、記録用紙で覆われない
非記録領域である。図1の対向電位設定回路7は、用紙
幅信号S2に基づいて非記録領域に位置する対向電極4
を第2の電位に保持するので、万一対向電極4の被膜が
損傷したような場合でも、吐出電極2を含む他の金属部
との間で不慮の電流リーク等が生じる事態を有効に防止
することができる。
【0032】次に図3及び図4を参照して、吐出電極駆
動回路6と対向電位設定回路7の詳細を説明する。
【0033】図3において、吐出電極駆動回路6は、記
録信号Pを受信する第1、第2のシフトレジスタ61、
62と、出力回路63、64と、複数の吐出電極2への
信号として直流電源6aからの吐出電圧かアース電位を
選択するセレクタ回路65と、駆動情報S1を発生する
駆動情報発生回路66とを有する。
【0034】記録信号Pは、奇数位置の吐出電極の駆動
を制御する奇数電極制御信号と、偶数位置の吐出信号を
駆動する偶数電極制御信号を有し、順次発生する。各制
御信号は、吐出電圧を印加する場合、”1”で、印加し
ない場合、”0”を表す。奇数電極制御信号がシフトパ
ルスSP1によって奇数シフトレジスタ61に蓄積され
るとき、偶数シフトレジスタ62には、すべて”0”の
信号が偶数電極制御信号として蓄積される。逆に、偶数
電極駆動信号がシフトパルスSP2によって偶数シフト
レジスタ62に蓄積されるとき、奇数シフトレジスタ6
1には、すべて”0”の信号が奇数電極制御信号として
蓄積される。
【0035】奇数シフトレジスタ61、偶数シフトレジ
スタ62からの奇数電極制御信号D1〜Dnと、偶数電
極制御信号D1’〜Dn’は、並列に出力回路63、6
4に供給される。出力回路63、64は、シフトレジス
タ61、62からの制御信号をラッチした後、出力制御
信号C1に同期して所定幅のパルス信号を並列にセレク
タ65に供給する。セレクタ65は、出力回路63、6
4からの信号が”1”のとき、直流電源6aの出力を選
択して吐出電極2へ供給し、”0”のとき、アース電位
を選択する。
【0036】したがって、吐出電極駆動回路6は、記録
信号Pの奇数電極制御信号により奇数配列の吐出電極を
吐出電圧で駆動し、このとき偶数配列の吐出電極を0電
位とする。また、記録信号Pの偶数電極制御信号により
偶数配列の吐出電極を吐出電圧で駆動し、このとき奇数
配列の吐出電極を0電位とする。
【0037】駆動情報発生回路66は、シフトパルスS
P1,SP2に基づいて吐出電極2の時分割駆動状態を
示す駆動情報S1を発生する。
【0038】図4において、対向電位設定回路7は、駆
動情報S1に基づいて各対向電極の時分割駆動状況を表
す”1”、”0”のデータを発生するデータ発生回路7
0と、用紙幅信号S2(S2−1〜S2−n)とデータ
発生回路70の出力データが供給される複数のANDゲ
ートからなるゲート回路71と、出力回路72と、出力
回路72の出力に応じて第1の電位か第2の電位を選択
し対向電極4に同時に出力するセレクタ回路73とを有
する。ここで、第1の電位は、0(V)で、第2の電位
は1000(V)とする。
【0039】データ発生回路70は、駆動情報S1に基
づいて、奇数位置の吐出電極が駆動されているとき奇数
位置の対向電極に対して”1”のデータを、同時に偶数
位置の対向電極に対して”0”のデータを発生する。ゲ
ート回路71は、用紙幅信号S2−1〜S2−nが”
1”の場合、データ発生回路70の出力をそのまま通過
させる。用紙幅信号S2−1〜S2−nは、図1の記録
用紙8の記録領域10の対向電極に対して”1”とな
り、非記録領域11の対向電極に対して”0”となる。
したがって、非記録領域11に対応して、出力回路72
には”0”のデータが供給される。出力回路72は、ゲ
ート回路71からの並列データをラッチした後、出力制
御信号C1に同期して所定幅のパルス信号を並列にセレ
クタ65に供給する。出力制御信号C1は、図3の出力
回路63、64への出力制御信号C1と同一である。セ
レクタ65は、出力回路71からの信号が”1”のと
き、対向電極4の電位として第1の電位を選択し、”
0”のとき、第2の電位を選択する。
【0040】以上のように対向電位設定回路7は、駆動
情報S1と記録用紙8の用紙サイズを示す情報(用紙幅
信号S2−1〜S2−n)に基づいて第1、第2の電位
を供給する対向電極を決定する決定回路(図4の70、
71、72)と、この決定回路の出力に基づき、第1の
対向電極に第1の電位、第2の対向電極に第2の電位を
それぞれ供給する回路(セレクタ回路73)とを有す
る。
【0041】したがって、対向電極4は、吐出電極2の
時分割駆動に同期して第1または第2の電位に設定され
る。また、駆動中の第1の吐出電極に対応して第1の対
向電極が第1の電位に設定され、まだ駆動されない第2
の吐出電極に対応して第2の対向電極が第2の電位に設
定される。さらに、対向電極4において、記録用紙8が
配置されない非記録領域の対向電極に第2の電位が設定
され、記録領域と明確に区分される。
【0042】図4のデータ発生回路70は、駆動情報S
1が供給されているが、記録信号Pが駆動情報として供
給されてもよい。この場合、データ発生回路には、記録
信号Pを蓄積し並列出力するシフトレジスタを使用でき
る。
【0043】吐出電圧の大きさと極性は、インクの帯電
トナーの帯電特性によって決まる。第1、第2の電位
は、吐出電圧の大きさで決まる。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明は、対向電極を、複
数の吐出電極に個別に対応させて設け、対向電位設定回
路は、第1の対向電極に第1の電位、第2の対向電極に
第2の電位を設定する。さらに第1の電位は、インク吐
出ポートから吐出したインクを第2の対向電極よりも第
1の対向電極に電気的に強く引き寄せるような値に設定
される。この結果、何らかの外乱の影響で、帯電トナー
を含むインクの飛翔方向にずれを生じたとしても、帯電
トナーを記録用紙上の正規の位置に確実に到達させるこ
とができ、これがため、飛翔したインクの到達位置精度
を高め、特に高解像度の画像記録時において画像品位を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電式インクジェット記録装置の実施
例を示す平面図である。
【図2】図1の静電式インクジェット記録装置における
インク吐出動作を示す概略平面図である。
【図3】図1の静電式インクジェット記録装置における
吐出電極駆動回路を示す回路図である。
【図4】図1の静電式インクジェット記録装置における
対向電位設定回路を示す回路図である。
【図5】従来の静電式インクジェット記録装置の概略平
面図である。
【符号の説明】
1 ヘッドハウジング 2 吐出電極 3 インクチャンバ 4 対向電極 5 電極ホルダー 6 吐出電極駆動回路 7 対向電位設定回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 峯本 仁史 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 島 和男 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−71874(JP,A) 特開 昭59−22762(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/06 B41J 2/16

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の極性に帯電されるインクを格納し
    たインクチャンバと前記インクチャンバに連結し前記イ
    ンクが吐出する複数のインク吐出ポートとを有するヘッ
    ド本体と、 前記ヘッド本体の前記インク吐出ポート近傍にそれぞれ
    固定された複数の吐出電極と、 前記複数の吐出電極の互いに隣接する電極には同時に吐
    出電圧が供給されないよう前記吐出電極を吐出電圧によ
    って時分割に駆動する吐出電極駆動回路と、 前記複数の吐出電極に記録用紙を介して対向し前記複数
    の吐出電極に個別に対応させて設けられ、前記時分割駆
    動によって選択的に駆動されている吐出電極に対向する
    第1の対向電極と、これに隣接し前記時分割駆動によっ
    てまだ駆動されていない吐出電極に対向する第2の対向
    電極とに分離される複数の対向電極と、 前記複数の対向電極の電位を個々に設定する対向電位設
    定回路とを含み、 前記対向電位設定回路は、前記第1の対向電極に第1の
    電位、前記第2の対向電極に第2の電位を設定し、前記
    第1の電位は、前記インク吐出ポートから吐出したイン
    クを前記第2の対向電極よりも前記第1の対向電極に電
    気的に強く引き寄せるような値に設定したことを特徴と
    した静電式インクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の電位は、前記インク吐出ポー
    トからインクの吐出を生じさせない程度の値を有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の静電式インクジェット記
    録装置。
  3. 【請求項3】 前記対向電位設定部は、さらに前記記録
    用紙が配置されていない非記録領域に位置する対向電極
    を前記第2の電位に設定することを特徴とした請求項1
    記載の静電式インクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記吐出電極駆動回路は、記録信号に基
    づいて前記複数の吐出電極を前記吐出電圧によって時分
    割駆動する手段と、前記複数の吐出電極の駆動状態を表
    す駆動情報を発生する駆動情報発生手段とを有する請求
    項1記載の静電式インクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記対向電位設定回路は、前記駆動情報
    に基づいて前記第1、第2の電位を供給する対向電極を
    決定する手段と、この決定手段の出力に基づき、前記第
    1の対向電極に第1の電位、前記第2の対向電極に第2
    の電位をそれぞれ供給する手段とを含むことを特徴とす
    る請求項4記載の静電式インクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記対向電位設定回路は、前記駆動情報
    と前記記録用紙の用紙サイズを示す情報に基づいて前記
    第1、第2の電位を供給する対向電極を決定する手段
    と、この決定手段の出力に基づき、前記第1の対向電極
    に第1の電位、前記第2の対向電極に第2の電位をそれ
    ぞれ供給する手段とを含み、前記第2の対向電極と前記
    記録用紙が配置されていない非記録領域に位置する対向
    電極とを前記第2の電位に設定することを特徴とする請
    求項4記載の静電式インクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の対向電極が前記複数の吐出電
    極と等しいピッチで配置されていることを特徴とした請
    求項1記載の静電式インクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記複数の対向電極は、絶縁体に個別に
    固定されていることを特徴とした請求項1記載の静電式
    インクジェット記録装置。
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