JP2829146B2 - 即席カッテージチーズ用粉末組成物 - Google Patents
即席カッテージチーズ用粉末組成物Info
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Description
乳、粉末状の有機酸、レンネット粉末及び水溶性カルシ
ウム塩類粉末で構成され、家庭等で簡単かつ確実に、新
鮮な、食感の良好なカッテージチーズを製造することの
出来る、即席カッテージチーズ用粉末組成物に関する。
尚、本発明において「粉末」は、微粉、微小粒状の粉末
及び顆粒を意味する。
ーター又は乳酸菌スターターとレンネットを加えてカッ
テージチーズを製造する方法は公知であり、この際、塩
化カルシウムを添加する場合があることも知られてい
る。更に「低pH乳を用いたナチュラルチーズの製造
法」(特開平2−117344号公報)も知られてい
る。
チーズの製造にあっては、原料に液状の乳を使用してい
るのでカッテージチーズ製造用の原料混合物を長期保存
しようとする考えはなく、又製造には手間がかかり、温
度管理等に高度の技術を必要とした。更に乳酸菌スター
ターやレンネットは専門製造者以外の者にとっては入手
し難く、保存もむづかしいため、家庭で即席に簡単に、
新鮮な、食感の良好なカッテージチーズを作ることは困
難であった。又、前記特開平2−117344号公報の
方法は「原料乳にスターター、塩化カルシウム及びレン
ネットを添加してカードを形成させることによりナチュ
ラルチーズを製造するに際し、牛乳に低pH乳を加えて
pH値を低下させたものを原料乳として用いること」が
特徴であるが、この方法の目的はカード化の時間の短縮
にあり、原料乳は液状であってカッテージチーズ製造用
の原料混合物を粉末状組成物とする技術的思想は開示さ
れていない。
保存と取扱いが容易な粉末状の組成物とし、該粉末組成
物を水(温水)に溶かし、のち簡単な操作のみで、チー
ズ製造について格別の知識がない者にも容易かつ確実に
カッテージチーズを製造することが出来る即席カッテー
ジチーズ用の粉末組成物を提供することを課題とする。
術及び上記の課題に鑑み検討を重ねた結果、特定の粉末
状の成分を特定の割合とすることにより、容易かつ確実
に、新鮮な、食感の良好なカッテージチーズを与える粉
末組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
なくとも次の(a),(b),(C)及び(d)からな
ることを特徴とする即席カッテージチーズ用粉末組成物
である。
02〜0.17部(重量) (d)カルシウムイオン換算で0.12〜7.23部
(重量。以下特に断りのない限り同じ。)の水溶性カル
シウム塩類粉末 以下本発明粉末組成物の構成と作用効果について詳しく
説明する。
温加熱で調製した脱脂粉乳を使用することが出来る。低
温加熱で調製した蛋白質変成度の小さい脱脂粉乳が原料
としてはより望ましい。
エン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマール酸一ナトリウム、
等の市販品を使用することが出来る。本発明において有
機酸は一般的なカッテージチーズ製造における乳酸菌ス
ターターの代わりに使用するものであるが、脱脂粉乳の
水溶液のpHを微酸性(pH5.2〜6.5)とし、レ
ンネットの凝乳性を増加させる量において配合されなけ
ればならない。因みにレンネットが存在しなければ、脱
脂粉乳水溶液のpHを5.2〜6.5としても凝乳は起
こらない。一方有機酸の添加で脱脂粉乳の水溶液のpH
を5.1以下にするときは、レンネットが存在しなくと
もカードは得られるが、そのカードの組織は粗く、食感
がぼそぼそして悪いものになってしまう。従って適量の
有機酸とともにレンネットの併用が必要である。有機酸
粉末としては、味がおだやかで、かつ出来上がりカッテ
ージチーズの味にも良い影響を与える点から、クエン
酸、リンゴ酸等の使用が最も好ましく、2種以上の有機
酸を混合して使用することもできる。適量のレンネット
及び適量の水溶性カルシウム塩類がある場合、脱脂粉乳
の水溶液のpHを5.2〜6.5とするための、組成物
中の粉末状有機酸の配合適量は、脱脂粉乳100部に対
して0.067〜2.67部である。0.067部未満
のときはカード生成までに長時間を要し、即席性が失わ
れ、反対に2.67部を超えるときは加温前の常温放置
(約5分間)中に凝乳が始まり、出来上がりカードの食
感が不良となる。
とが出来、動物由来、植物由来、微生物由来のいずれで
もよいが、カーフのレンネットが風味の点から最も好ま
しい。有機酸とレンネットを併用することにより、なめ
らかな組織のカードを得ることが出来るが、やや軟らか
く、締まりが不十分である。適量の有機酸及び適量の水
溶性カルシウム塩類が存在する場合、粉末組成物中のレ
ンネット粉末の配合適量は、脱脂粉乳100部に対して
力価を10万単位に換算して0.02〜0.17部であ
る。0.02部未満のときは凝乳開始までに長時間を要
して即席性が乏しくなり、反対に0.17部を超えると
きは加温前の常温放置(約5分間)中に凝乳が始まり、
離水の多いカードとなる。適量の有機酸及び適量の水溶
性カルシウム塩類とともに、この量のレンネットを使用
することによって食感の良いカードを短時間に得ること
が出来る。本発明の粉末組成物において、レンネットは
水分の少ない状態に置かれるため、保存中のレンネット
の力価の低下は殆ど無視することができる。尚、レンネ
ットの力価測定方法は、祐川金次郎著、乳業技術便覧下
巻、(酪農技術普及学会刊、1976年7月20日発
行)第85頁記載の方法によった。
カルシウム粉末、酢酸カルシウム粉末等、カルシウムイ
オンを与える可食性の化合物であり、2種以上混合して
使用することもできる。カルシウム塩類から生じるカル
シウムイオンは、カードに適度の締まりを付与し、適量
の有機酸及び適量のレンネットがある場合、粉末組成物
中の水溶性カルシウム塩類粉末の配合適量は、脱脂粉乳
100部に対してカルシウムイオンとして0.12〜
7.23部である。0.12部未満のときは凝乳開始ま
でに長時間を要して即席性が乏しくなり、反対に7.2
3部を超えるときは凝乳開始までに長時間を要して即席
性が乏しくなるとともに、出来上がりカッテージチーズ
に好ましくない味を与えるおそれがある。
の粉末状の有機酸、レンネット粉末及び水溶性カルシウ
ム塩類粉末は、なめらかであり、かつ締まった組織のカ
ードを得るのに必須の成分であり、更にその配合比は前
記のように特定された範囲内でなければならない。
着色料(例えばβ−カロチン)、着香料(例えばレモン
果汁粉末)、栄養強化成分(例えば鉄剤、ビタミン
E)、食物繊維(例えばポリデキストロース)、ビフィ
ズス菌末等の適量を付加することは差支えない。
組成物1部に対して水(温度は15〜25℃が望まし
い)約5〜15部程度、好ましくは約10部程度、を加
え、溶解する。水に対して組成物の量が多くなると、製
品中に乳糖が取り込まれてやや甘みのあるものとなる。
水に溶解後その温度で約5分間程度放置し、次いで湯せ
ん等を使用して上記品温を約50℃程度に調整し、その
温度に約10〜15分間静置し、凝乳が生じる。生成し
たカードをナイフ等でカッテイングして適当な大きさに
切断し、次にそのままの温度(約50℃程度)で約5分
間ゆるやかに撹拌する。最後にガーゼ、濾布等を用いて
カードからホエーを除去する。ホエーを除去したカード
を1回又は数回水洗し、カッテージチーズを得る。尚、
牛乳を用いて粉末組成物を溶解してもよい。
とにより、長くてもわずか30分程度の短時間で、簡単
かつ確実に新鮮な、食感の良好な、保存料を含まないカ
ッテージチーズを製造することが出来る。因みに市販の
カッテージチーズは保存性をよくするため、しばしばデ
ヒドロ酢酸ナトリウムが添加されている。
て説明する。
クエン酸(食添用クエン酸結晶粉末、三栄化学工業社
製)、レンネット(カーフレンネット粉末[力価10万
単位]、ハンセン社製)、及び塩化カルシウム(食添用
塩化カルシウム粉末、冨田製薬社製)を表1記載の量で
混合し、試験試料とした。
の水10mlを加えて溶解し、5分間20℃に放置し、
次に50℃に保持した湯せんに該試験管を浸漬し、試験
管内の溶液の流動性がなくなるまでの時間を測定した。
溶液の流動性の有無は、試験管を垂直から角度30度に
傾けたときに液面が水平を保たなくなるのをもって「流
動性無し」、即ち「凝乳」とした。
酸の配合割合は脱脂粉乳100部に対し0.067〜
2.67部が適しており、0.067部未満のときは凝
乳に時間がかかりすぎ、一方、2.67部を超えるとき
は50℃加温前に凝乳が始まってしまうことが確認され
た。
た。
ネット粉末、及び塩化カルシウム粉末を表2に記載した
量で混合して、試験試料とした。
ネットの配合割合は脱脂粉乳100部に対し0.02〜
0.17部が適していること、0.02部未満のときは
長時間経過しても凝乳しないこと、又、0.17部を超
えるときは50℃加温前に凝乳が始まってしまうことが
確認された。
行った。
ネット粉末、及び塩化カルシウム粉末を表3に記載した
量で混合して、試験試料とした。
シウムイオンの配合割合は、脱脂粉乳100部に対し
0.12〜7.23部が適していること、0.12部未
満のとき、或いは7.23部を超えるときは凝乳に時間
がかかりすぎることが確認された。
℃の水100mlを加え、溶解し、室温に約5分間程度
放置し、のち60℃の湯せんを用いて品温50℃に調整
し、約15分間静置した。この静置の間に生成したカー
ドをナイフで切断し、次にそのままの温度(50℃程
度)で約5分間ゆるやかに撹拌した。最後にガーゼを用
いてカードからホエーを除去し、カードを約50mlの
水で1回水洗し、色の綺麗な、新鮮で食感の良いカッテ
ージチーズ約40gを得た。
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
食添用クエン酸結晶粉末(三栄化学工業社製)12g、
カーフレンネット粉末[力価10万単位](ハンセン社
製)1.5g、及び食添用塩化カルシウム粉末(冨田製
薬社製)30gをV型ミキサー(3型、徳寿社製)を用
いて混合し、即席カッテージチーズ用粉末組成物約45
00gを得た。
食添用クエン酸結晶粉末(三栄化学工業社製)12g、
カーフレンネット粉末[力価10万単位](ハンセン社
製)1.5g、食添用塩化カルシウム粉末(冨田製薬社
製)30g、及びカロチンベースMN−4430[β−
カロチン製剤、三栄化学工業社製]2.5gをV型ミキ
サー(3型、徳寿社製)を用いて混合し、即席カッテー
ジチーズ用粉末組成物約4500gを得た。この粉末組
成物を用い、参考例1に記載した方法によって、色の綺
麗な、新鮮で食感の良いカッテージチーズを得ることが
出来た。
おりである。
後簡単な操作を加えるだけでカッテージチーズ様食品を
製造することが出来る。
い者にも容易かつ確実にカッテージチーズ様食品を製造
することが出来る。
ズ様食品を即席に製造することが出来る。
Claims (1)
- 【請求項1】 少なくとも次の(a),(b),(c)
及び(d)からなることを特徴とする即席カッテージチ
ーズ用粉末組成物。 (a)脱脂粉乳100部(重量) (b)粉末状の有機酸0.067〜2.67部(重量) (c)力価を10万単位に換算したレンネット粉末0.
02〜0.17部(重量) (d)カルシウムイオン換算で0.12〜7.23部
(重量)の水溶性カルシウム塩類粉末
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7166691A JP2829146B2 (ja) | 1991-04-04 | 1991-04-04 | 即席カッテージチーズ用粉末組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7166691A JP2829146B2 (ja) | 1991-04-04 | 1991-04-04 | 即席カッテージチーズ用粉末組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04311346A JPH04311346A (ja) | 1992-11-04 |
JP2829146B2 true JP2829146B2 (ja) | 1998-11-25 |
Family
ID=13467153
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7166691A Expired - Lifetime JP2829146B2 (ja) | 1991-04-04 | 1991-04-04 | 即席カッテージチーズ用粉末組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2829146B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009147157A1 (en) * | 2008-06-05 | 2009-12-10 | Dsm Ip Assets B.V. | Instant yoghurt |
-
1991
- 1991-04-04 JP JP7166691A patent/JP2829146B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04311346A (ja) | 1992-11-04 |
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