JP2829113B2 - 光磁界測定装置 - Google Patents

光磁界測定装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は磁気光学物質によるファラデー効果を利用し
た光磁界測定装置に関する。
(従来の技術) 磁気光学効果の一種であるファラデー効果を利用して
磁界・電流を測定する磁界・電流センサは、光ファイバ
伝送技術を利用するため絶縁性が高く、電磁誘導雑音を
受けにくい測定系を構成することが出来るので、近年、
盛んに開発が進められている。
第2図はファラデー効果を利用した磁界センサの基本
構成を示す図である。光源1を出た光は、入射ファイバ
2によりセンサ部3まで導かれる。入射ファイバ2を出
た光ビーム11は、偏光子4、磁気光学物質5,検光子6を
通過する。磁界7の大きさHに応じた強度変化を受けた
光ビームが出射ファイバ8に導かれ、その出力強度は、
光検出器9で電気信号に変換される。検出された電気信
号は、信号処理器10によって精度が高められる。信号処
理器10からの出力電圧より磁気光学物質5に加えられた
磁界の大きさHを知ることができる。いま、入射光の電
気ベクトルの大きさをE,偏光子4と検光子6のなす角を
45゜とすると検光子6を通過した光強度Pは となる。
ここで、磁気光学物質5のベルデ定数Vおよびその長さ
をLとすれば ファラデー回転角 θ=VHL …(2) である。
偏光子4と検光子6のなす角度(45゜)は、光学的バイ
アスと呼ばれ信号検出の動作点を与える。印加磁界が存
在しない時の出力電圧および被測定磁界が交流磁界の時
の平均出力電圧はE2/2となる。
また(1)式のsin2 θは被測定磁界による光強度
の変調度である。したがって、交流磁界を計測する場
合、信号処理器10において、光検出器9の出力電圧の交
流成分(AC)を直流成分(DC)で電気的に除算すれば受
光強度に依存しない変調度sin2 θを測定でき高精度
な計測ができる。
上記原理を使った従来例としては、磁気光学物質とし
て反磁性体の鉛ガラスを、光源として波長850nmのAlGaA
s−LEDを使用したものがある(三菱電機技報Vol.57.No.
10・1983参照)。
(発明が解決しようとする課題) ところで、磁気光学物質として使われている反磁性体
のベルデ定数は電気学会技術報告(II部)第149号「計
器用光変成器研究開発の現状と動向」にも述べられてい
るように波長特性があり、次の(3)式で示される。
ここで、Kは物質の屈折率,原子数等により決まる係
数,λは吸収線波長、λは磁気光学物質を通過する光
の波長である。第3図は鉛ガラス(SF−6)のベルデ定
数の波長依存性を示す実施例である。
一方、従来の光磁界測定装置では、光源として発光ダ
イオード(以下LED),レーザダイオード(以下LD)等
の半導体発光源が使われている。これらLEDおよびLDに
は温度変化により、発光ピーク波長が変化するという特
性がある。
第4図は800nm帯LEDの順電流IF=100mAにおける発光
ピーク波長温度特性図である。(参考試料;富士通株式
会社光半導体カタログ参照) たとえば周囲温度の上昇や、LED,LDの自己発熱によっ
てケース温度が上昇した場合、その発光ピーク波長が高
くなる。従って反磁性体のベルデ定数の波長特性によ
り、ベルデ定数が小さくなりファラデー回転角が減少す
るため、光検出器9の出力電圧の交流成分が減少し、信
号処理器10の出力も減少する。
一般に、光磁界測定装置が使用される周囲温度として
−20℃〜+40℃を考慮しておく必要がある。
ここで、光源として、波長850nmのLEDを使用した場合
の上記温度範囲における信号処理器の出力誤差変化幅を
第3図及び第4図から求めると約4%となる。従って、
光源にLEDやLDを用いた場合、光源の発光ピーク波長温
度特性が問題となる。
また、一般に、周囲温度の変化により、磁気センサ部
でのファラデー回転角および光検出器・信号処理器の出
力も変化するため、精密測定上問題となる。
本発明は上記問題点を解決するために提案されたもの
で、周囲温度が変化しても、高精度な計測が可能な光磁
界測定装置を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明は、光源と、前記
光源からの光が順に透過するように配置した偏光子,磁
気光学物質,検光子と、前記検光子の出射光を受光して
光強度に比例した電気信号に変換すると共に前記電気信
号を直流成分と交流成分に分離して出力する光検出器
と、前記交流成分と前記交流成分を入力する信号処理器
とからなり、前記信号処理器の出力によって前記磁気光
学物質に作用している交流磁界を測定する光磁気測定装
置において、前記光源の温度に比例した直流電圧を前記
光検出器出力電圧の直流成分から減算し、さらにこの減
算した直流成分で前記交流成分を除算した結果を前記信
号処理器の出力とするように構成したことを特徴とする
ものである。
(作用) 光源に温度変化があり,その発光ピーク波長が変化
し,光検出器出力電圧の交流成分が変化するが、本発明
の光磁界測定装置によると、光検出器出力電圧の直流成
分もまた光源の温度変化に比例した直流電圧により上記
交流成分と同様に変化するため、信号処理器での除算後
の出力は一定に保たれる。
(実施例) 本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第1図は本発明の一実施例の系統構成図である。なお
既に説明した第2図と同一部分には同一符号を付して説
明する。
図に示すように、発光ダイオードやレーザダイオード
等の光源1を出た光ビーム11は、入射ファイバ2により
センサ部3まで導かれ、偏光子4,ファラデー素子5,検光
子6を通過する。そして磁界7の大きさHに応じた強度
変化を受けた光ビーム11は出射ファイバ8に導かれ、そ
の出力強度は、光検出器9で交流成分(X)と直流成分
(Y)の電気信号に変換される。
一方、光源1に取付けられた温度センサ12は、電圧変
換器13に接続され、光源1の温度に比例した直流電圧
(Z)を出力する。この直流電圧(Z)は、光検出器出
力電圧の直流成分(Y)とともに、減算器14に入力さ
れ、その出力電圧(Y−Z)が、信号処理器10に入力さ
れる。
この信号処理器10には光検出器出力電圧の交流成分
(X)も入力されており、(X)/(Y−Z)の除算結
果が、信号処理器10の出力となる。
上記実施例において、光源1の温度が上昇した場合、
その発光ピーク波長が高くなり、ファラデー回転角θ
が減少し、光検出器出力電圧の交流成分(X)が減少す
る。一方、光源1に取付けられた温度センサ12に接続さ
れた電圧変換器13の出力電圧(Z)は、光源1の温度上
昇とともに増加するため、減算器14の出力電圧(Y−
Z)も減少する。
従って、光源1の温度変化に伴なう交流成分(X)の
変化の割合と減算器14の出力電圧(Y−Z)の変化の割
合とが同一となる様、電圧変換器13の出力電圧(Z)の
傾きを設定すれば、光源1の温度が変化しても、(X)
/(Y−Z)の除算結果は一定となり、測定誤差への影
響がなくなる。
また、周囲温度の変化により、センサ部3でのファラ
デー回転角θおよび光検出器9,信号処理器10の出力も
変化する。
したがって、これらの変化分も含めて信号処理器10で
の除算結果(X)/(Y−Z)が一定となる様、電圧変
換器13の出力電圧(Z)の傾きを設定すれば光磁界測定
装置の測定誤差への周囲温度変化の影響を避けることが
できる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、光検出器出力
電圧の交流成分を直流成分で電気的に除算する際に、光
源の温度に比例した直流電圧を光検出器出力電圧の直流
成分から減算することにより、周囲温度が変化しても、
高精度な計測が可能な光磁界測定装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の系統構成図、第2図は従来
の光磁界測定装置の系統構成図、第3図はベルデ定数の
波長特性の一例を示す特性図、第4図はLED発光ピーク
波長温度特性の一例を示す特性図である。 1……光源、2……入射ファイバ 3……センサ部、4……偏光子 5……磁気光学物質、6……検光子 7……磁界、8……出射ファイバ 9……光検出器、10……信号処理器 11……光ビーム、12……温度センサ 13……電圧変換器、14……減算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−184974(JP,A) 特開 昭61−133826(JP,A) 特開 平1−187476(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01R 33/032 G01R 15/07 G01R 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、前記光源からの光が順に透過する
    ように配置した偏光子,磁気光学物質,検光子と、前記
    検光子の出射光を受光して光強度に比例した電気信号に
    変換すると共に前記電気信号を直流成分と交流成分に分
    離して出力する光検出器と、前記直流成分と前記交流成
    分を入力する信号処理器とからなり、前記信号処理器の
    出力によって前記磁気光学物質に作用している交流磁界
    を測定する光磁気測定装置において、前記光源の温度に
    比例した直流電圧を前記光検出器出力電圧の直流成分か
    ら減算し、さらにこの減算した直流成分で前記交流成分
    を除算した結果を前記信号処理器の出力とするように構
    成したことを特徴とする光磁気測定装置。
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