JP2828891B2 - 表面洗浄方法および表面洗浄装置 - Google Patents

表面洗浄方法および表面洗浄装置

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JP2828891B2
JP2828891B2 JP689494A JP689494A JP2828891B2 JP 2828891 B2 JP2828891 B2 JP 2828891B2 JP 689494 A JP689494 A JP 689494A JP 689494 A JP689494 A JP 689494A JP 2828891 B2 JP2828891 B2 JP 2828891B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、洗浄方法および洗浄装
置に関し、特に半導体ウエハのごとき平板の表面を洗浄
するのに適した洗浄方法および洗浄装置に関する。
【0002】LSI製造工程における半導体ウエハの表
面上やLCDあるいは太陽電池等の表面上の微粒子や汚
れは、最終製品の歩留りを大きく低下させる。このた
め、ウエハの表面洗浄が極めて重要である。なお、洗浄
に伴って環境破壊を生じさせないことも重要である。
【0003】
【従来の技術】従来より種々の表面洗浄方法が提案され
ている。半導体ウエハの表面洗浄に用いられる表面洗浄
方法を概略的に以下に説明する。
【0004】化学洗浄または溶剤洗浄 表面の汚れを化学反応もしくは溶解によって除去する方
法である。水、酸、有機溶媒、フレオン等が用いられる
が、除去すべき汚れに対して有効な薬剤を選択する必要
がある。超音波洗浄と組み合わせることにより、物理的
洗浄力を増大させることもできる。洗浄後の表面に汚れ
を残さないためには、高純度の薬剤を使用する必要があ
る。
【0005】水は、高純度が得易く、大量に使用するこ
ともできるが、表面に水が残ると、その後の汚染原因と
なる。また、水によって溶解することのできる汚れの種
類は限られている。
【0006】その他の有用な溶剤は、使用後廃棄すると
環境破壊を生じさせるものが多い。環境破壊を防止する
ため循環使用する場合は、循環液の再精製が困難であ
り、高価なものとなる。また、同一薬剤を用いて洗浄を
繰り返し、薬剤中に汚染物が累積すると、洗浄表面にこ
の汚染物が付着することとなり、製品不良を起こしてし
まう。
【0007】氷微粒子吹き付け 氷の微粒子を表面に吹き付け、表面上の微粒子および汚
れを除去する方法である。しかしながら、現在作成でき
る氷の微粒子の径は、十分小さくすることができず、1
μm以下の微粒子の除去が困難である。
【0008】CO2 微粒子吹き付け ドライアイスの微粒子を表面に吹き付け、表面上の微粒
子および汚れを除去する方法である。しかしながら、炭
酸ガス中から炭化水素化合物を極低濃度まで除去するこ
とは極めて困難であり、CO2 を冷却して吹き付ける
と、炭化水素化合物が凝縮し、洗浄表面に固着してしま
う。また、CO2 もCの汚染源となる。
【0009】ガス噴射 ガスを固体表面に吹き付け、固体表面を洗浄する方法で
ある。しかしながら、固体表面上にはガス流速が極めて
遅い境界層が形成されてしまい、このような遅いガス流
速によっては微粒子を除去する力が弱い。したがって、
1μm以下の微粒子の除去は困難である。なお、粒子の
表面付着力は直径に比例し、ガス流が粒子に与える除去
力は粒子の直径の二乗に比例する。
【0010】極低温アルゴンガス吹き付け アルゴンガスまたはアルゴンガスを含む混合ガスを極低
温にし、表面に吹き付ける方法である。ノズルから真空
容器中にガスを開放することにより、ガスは急激に断熱
膨張し、その温度を低下させる。温度低下の結果、固体
アルゴンが形成され、固体アルゴン微粒子が表面上に衝
突する。
【0011】たとえば、加圧状態でのアルゴンを含むガ
スを、その圧力でのアルゴンガスの液化点よりも高い温
度まで冷却し、ノズルから真空容器中に吹き出すことに
より、気体アルゴンを固体アルゴンに変化させる方法が
提案されている。
【0012】アルゴンよりも高い液化温度を有する不純
物は予め液化させて除去することもできる。しかしなが
ら、この方法によって得られる固体アルゴン微粒子の数
は少量であり、洗浄能力が弱い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】アルゴンは不活性元素
であり、固体表面に付着しても悪影響を与えることは極
めて少ない。また、アルゴンの固化温度は比較的高温で
あり、冷却によって固体アルゴンを得ることも比較的容
易である。
【0014】しかしながら、固体アルゴンの微粒子を用
いた実用的な洗浄技術は未だ開発されておらず、高い洗
浄能力を得ることができない。本発明の目的は、アルゴ
ンを用い、実用的な洗浄能力を有する洗浄方法および洗
浄装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の表面洗浄方法
は、アルゴン液を含む流体をノズル装置から減圧雰囲気
中に吹き出すことによって膨張させ、前記アルゴン液の
少なくとも一部を固化させてアルゴン微粒子とするアル
ゴン微粒子形成工程と、前記アルゴン微粒子を含む流体
を被洗浄表面に噴射させる噴射工程とを含む。
【0016】さらに、前記アルゴン微粒子形成工程の前
に、アルゴンガスを含むガスを、その圧力でのアルゴン
ガスの液化点以下に冷却し、アルゴン液を形成する冷却
工程を含んでもよい。
【0017】
【作用】アルゴンの液を含むガスをノズルから吹き出す
ことによって膨張させ、断熱膨張等を行なわせると、急
激に温度を低下させることができ、アルゴン液の少なく
とも一部を固化させることができる。
【0018】このように形成させたアルゴンの微粒子を
被洗浄表面に噴射させれば、表面を有効に洗浄すること
ができる。アルゴンを含むガスをその圧力でのアルゴン
ガスの液化点以下に冷却することにより、ガス中にアル
ゴン液を形成することができる。
【0019】アルゴン微粒子を用いて被洗浄物を洗浄す
ることにより、洗浄による新たな汚染を防止することが
できる。また、洗浄によって環境汚染を生じることを防
止することができる。
【0020】
【実施例】図1に、本発明の第1の実施例による表面洗
浄方法を実施するための洗浄装置を示す。
【0021】アルゴン(Ar)ガスのボンベ1および窒
素(N2 )ガスのボンベ2は、それぞれ圧力調整弁3、
4を介して合流点20に配管で接続される。合流点20
で混合されたAr+N2 混合ガスは、配管21を介して
フィルタ5に供給され、ガス中の粒子が除去される。
【0022】粒子の除去された混合ガスは、配管22を
介して冷却器(または熱交換器)6で冷却され、ノズル
装置10から真空容器11内に吹き出される。冷却器6
から出力された混合ガスの圧力および温度は、圧力計8
および温度計7で測定され、その測定結果は電気信号の
形で温度制御装置9に送られる。
【0023】温度制御装置9は、冷却器6の到達冷却温
度がその圧力でのアルゴンガスの液化点以下になるよう
に冷却器6を制御する。図2は、アルゴンガスの液化温
度および固化温度を示すグラフである。図中、横軸はエ
ントロピをジュール/モル・Kで示し、縦軸は温度を絶
対温度Kで示す。図中、Gは気相、 Lは液相、Sは固
相を示す。曲線aは液化温度(気体液体界面)を示し、
点線bは固化温度(液体固体界面)、点Pはアルゴンの
三重点を示す。
【0024】図1に示す温度制御装置9は、入力される
圧力信号および温度信号に基づいて、冷却器6の出口ガ
ス温度が図2に示すようなその圧力でのアルゴンガスの
液化温度以下になるように制御する。
【0025】したがって、混合ガス中のアルゴンガスの
一部または全部は冷却されて液化し、微細液滴を形成す
る。混合ガス中の窒素ガス濃度は、2〜70モル%とす
ることが好ましい。窒素ガスは、アルゴンガスよりも比
熱が大きいため、窒素ガスの濃度を高くするとガス冷却
のために必要な熱量が多くなり、好ましくないからであ
る。また、窒素の液化温度はアルゴンよりも低いため、
少しでも窒素ガスを含むことにより、冷却しすぎた場合
でもキャリアガスを気体の状態で残すことができる。
【0026】ノズル装置10から真空容器11内に混合
ガスを吹き出すことにより、混合ガスの圧力は急激に低
下し、断熱膨張を行なう。このため、混合ガスの温度は
急激に低下し、微細液滴は少なくとも表面が固化したア
ルゴンの微粒子に変化する。
【0027】このようにして、多量のアルゴン微粒子を
含む流体が被洗浄物12表面に噴射される。このため、
被洗浄物12表面はアルゴンの微粒子により効率的に洗
浄される。
【0028】なお、真空容器11は、流量調整弁13を
介して真空排気装置に接続されている。また、真空容器
11には圧力計14が接続されており、圧力計14で検
出した圧力を表す信号は、圧力制御器15に供給され
る。
【0029】圧力制御器15は、検出した圧力に基づい
て流量調整弁13を制御する。このように、流量調整弁
13、圧力計14及び圧力制御器15を含む真空排気手
段18によって、真空容器11内が所定の圧力に保たれ
る。
【0030】なお、真空容器11内の圧力は、絶対圧で
0.2気圧以上0.7気圧以下になるように圧力調整弁
13を制御することが好ましい。さらに好ましくは、ア
ルゴンの三重点(0.68気圧)以下の圧力になるよう
に制御するのがよい。
【0031】また、ノズル装置10内の圧力は、真空容
器11内の圧力との関係によって適正値が決まり、絶対
圧で3気圧−7気圧の気圧が好ましい。ノズル装置10
内と真空容器11内の圧力差が少ない場合は、高い洗浄
効果が得られない。圧力差を徐々に大きくすると洗浄効
果が増加する。さらに大きくすると、ノズル装置10か
ら吹き出されたアルゴン微粒子が真空容器11内に拡が
って浮遊した状態になり、洗浄効果は減少する。
【0032】これは、以下のように推察される。圧力差
が少ない場合には、混合ガスの断熱膨張量が少ない。こ
のため、アルゴン微細液滴が固化せず液滴の状態で洗浄
表面に衝突すると考えられる。この時の洗浄能力は低
い。また、圧力差が大きすぎる場合には、混合ガスの断
熱膨張量が大きくなり、混合ガスの温度が大きく低下す
る。このため、アルゴン微細液滴のほとんど中心部まで
固化して固体粒子となり、洗浄表面に衝突した際に弾性
的に反射すると考えられる。この時も洗浄能力は低い。
【0033】圧力差が適切な場合は、アルゴン微細液滴
の表面のみが固化し、内部は液相状態のままであると考
えられる。アルゴン微粒子の表面のみが固化し、殻状に
なっている場合には、洗浄表面に衝突した際に殻が割れ
るため、弾性的に反射することがない。そのため、洗浄
効果が向上するものと考えられる。
【0034】なお、真空容器11内の圧力がアルゴンの
三重点以下であれば、アルゴンは液相で存在し得ないた
め、少なくともアルゴン微細液滴の表面が固化する。真
空容器11内の圧力をアルゴンの三重点以下とすること
により、制御性よくアルゴン微細液滴を殻状のアルゴン
微粒子とすることができる。
【0035】なお、ガスを系に導入する前には、配管2
1に接続された弁17を通してシステム内の雰囲気を真
空排気し、不純物ガスの混合を防止することが望まし
い。また、装置運転停止後は、弁16を開き、混合ガス
をベントすることが好ましい。
【0036】なお、ノズル装置10上流側における圧力
はほぼ一定に保持されるため、圧力計8は冷却器6の上
流側に設けてもよい。アルゴンガスと窒素ガスの混合ガ
スを用い、アルゴンガスを液化して微細液滴を窒素ガス
または混合ガス中に浮遊させる場合を説明したが、アル
ゴンガスのみを用いることも可能である。
【0037】この場合、ガスが冷却器6を通過する際、
アルゴンガスの一部が微細液滴に変化し、残余の気体ア
ルゴンガス中に浮遊する状態とすればよい。したがっ
て、洗浄用ガスとしては数%〜100%のアルゴンガス
を用いることができる。
【0038】また、真空容器11内で被洗浄物12を加
熱してもよい。アルゴンの微細液滴を含むガスがノズル
装置10を通って噴射することにより、微細液滴の少な
くとも表面は固化して被洗浄物12を衝撃するが、被洗
浄物の温度がある程度以上高ければ、被洗浄物表面に付
着したアルゴン微粒子または液滴は急激に蒸発する。
【0039】このように、粒子のサンドブラスト効果と
気化による洗浄作用を併用することもできる。また、ア
ルゴンガス濃度、圧力、冷却能力、冷却温度等を調整す
ることにより、アルゴン微粒子の径を制御することも可
能である。
【0040】上記第1の実施例では、冷却器を1段設け
る場合について説明したが、冷却器を2段以上の構成と
してもよい。まず1段目の冷却器で不純物ガスを液化等
して、次に2段目の冷却器でアルゴンの液化を行い、不
純物を除去することができる。
【0041】また、上記第1の実施例では、アルゴンガ
スを冷却してアルゴン液滴を形成する場合について説明
したが、アルゴンの発生源として液体アルゴンを使用し
てもよい。
【0042】図3は、液体アルゴンを使用したアルゴン
発生源の例を示す。断熱容器34に液体アルゴン35が
収容されている。容器34には、上面から配管37が挿
入され、その先端は液体アルゴン35に浸漬されてい
る。配管37は、容器34の外部で二股に分岐し、一方
は配管40を介して図1に示すノズル装置10に接続さ
れている。また、他方は、バルブを有する配管38に接
続されており、窒素ガスを導入することができる。
【0043】容器34の上部には、加圧用配管36が開
口している。容器34内は、加圧用配管36によって、
または液体アルゴン35自体の蒸気圧によって加圧され
る。このため、液体アルゴン35は、配管37及び配管
40を経由してノズル装置10に供給される。このと
き、液体アルゴンは途中で加温され、一部は気化しアル
ゴンガス中にアルゴンの液滴が浮遊した状態になる。
【0044】配管40の周囲に加熱手段39を設け、ア
ルゴンガス及び液体アルゴンを積極的に加熱してもよ
い。加熱量を調整することにより、アルゴンの気化量を
制御することができる。
【0045】次に、図4〜図9を参照して、ノズル装置
等の詳細について説明する。図4に、真空容器11内の
基本構成を示す。真空容器11内には、複数のノズル2
3a〜23dを備えたノズル装置10aが設けられ、ノ
ズルに対向して半導体ウエハ等の被洗浄物12を載置す
る駆動機構24が設けられている。駆動機構24は、複
数のノズル23a〜23dの配列方向であるx方向およ
びそれに垂直な方向であるy方向に駆動可能である。
【0046】駆動機構24によって被洗浄物12をx方
向に高速に往復駆動し、y方向にゆっくりと駆動する
と、図中ジグザグの矢印で概略的に示すように、アルゴ
ン微粒子による軌跡25が形成され、被洗浄物全表面が
洗浄できる。
【0047】以下、ノズル装置及び駆動機構の各部をよ
り詳細に説明する。図5A、図5Bは、ノズル装置を説
明するための図である。図5Aはその構成を斜視図で示
す。
【0048】ノズル装置10は、複数のノズル23を有
しており、ガス配管によって冷却アルゴンガス源に接続
される。ノズル23の数は、冷却アルゴンガス源の供給
能力等によって選択する。
【0049】図5Bは、複数のノズルからアルゴンガス
を吹き出した時の噴出ガス流の様子を示す。ノズルから
吹き出した噴出ガス流26は、進行に伴って拡がるが、
隣接する噴出ガス流26間には間隙が存在する。
【0050】もし、図5Aに示すようなノズル装置を用
い、被洗浄物をノズル配列方向と直角方向に駆動する
と、被洗浄物表面において複数のストライプ状領域が洗
浄できるが、各ストライプ間の領域は洗浄されないまま
残ってしまう。
【0051】全表面を一度に洗浄するために、ノズルの
数を増大させ、被洗浄物を一方向に駆動した時に全表面
が洗浄されるようにすることも不可能ではない。しか
し、このような構成とすると、アルゴンガスの総吹き出
し量が極めて多量となり、装置全体を大掛かりなものと
してしまう。
【0052】本構成においては、図5Aに示すように離
隔的に配置された複数のノズルを用い、x方向に高速に
往復駆動可能であり、y方向に低速駆動可能である駆動
機構を用い、x方向の高速往復駆動を組み合わせること
によって被洗浄物全表面を洗浄可能とする。
【0053】図6は、他のノズル装置の例を示す。円筒
状のノズルヘッダ10bの側面に、軸方向に沿って一列
に円形の穴が開けられている。この円形の穴に、例えば
外径が2mm、内径が0.2〜0.25mmの円筒状ノ
ズル23がはめ込まれている。ノズルヘッダ10b及び
ノズル23の内面には、メカノケミカル研磨が施されて
いる。
【0054】ノズルヘッダ10bの一端は密閉され、他
端からアルゴン微細液滴を含むガスが供給される。ノズ
ルヘッダ10b内に供給されたガス及びアルゴン微細液
滴は、ノズルヘッダ10b内外の圧力差によってノズル
23から吹き出す。
【0055】図7A、図7Bは、駆動機構の例を示す。
図7Aにおいて、真空容器11からベローズ27が延在
し、フランジ28に接続されている。フランジ28に
は、支持機構29が固定されており、支持機構29は外
部の駆動源によってx方向およびy方向に駆動される。
支持機構29の先端部は、被洗浄物を載置できるように
テーブル状にされている。
【0056】ノズル装置10の複数のノズル23からア
ルゴン微粒子を含む流体を噴出させつつ、支持機構29
をx方向に高速に往復駆動し、y方向にゆっくりと駆動
することにより、被洗浄物全面をアルゴン微粒子を含む
流体の噴出流で走査することができる。
【0057】図7Aは、支持機構29とフランジ28と
を固定し、フランジ28と支持機構29とを共にx、y
方向に駆動する場合について説明したが、フランジ28
をy方向に関して固定し、支持機構29のみをy方向に
駆動する構成としてもよい。
【0058】図7Bは、支持機構29のみをy方向に駆
動するようにした場合のフランジ部分の断面図を示す。
図7Bに示すようにフランジ28を支持機構29が貫通
し、貫通部分は、Oリング32a、32bで密閉されて
いる。Oリング32a、32bはフランジ押さえ28
a、28bによって押さえつけられ、フランジ28及び
支持機構29に密着している。このようにして、真空容
器11内の気密性を保持したままで支持機構29をy方
向に駆動することができる。
【0059】また、x方向には、図7Aの場合と同様
に、フランジ28と支持機構29とを共に駆動する。こ
のような構成にすることにより、y方向に関してフラン
ジ28を固定することができる。
【0060】通常、x方向の駆動幅はノズル間隔と同程
度であるのに対し、y方向の駆動幅は、例えば6インチ
ウエハを洗浄する場合であれば約6インチ必要である。
図7Bに示す方法では、フランジ28をy方向に駆動す
る必要がなく、駆動幅の少ないx方向のみの駆動でよ
い。このため、ベローズ27の伸縮幅が少なくてすみ、
ベローズの信頼性が向上する。
【0061】図7Cは、駆動機構の他の構成例を示す。
真空容器11の一端には、気密を保ちつつ図7Bと同様
に、摺動可能にアーム30が配置されており、アーム3
0は外部の駆動源によってy方向に駆動される。アーム
30先端には、テーブル31が往復回転運動可能に支持
されている。
【0062】テーブル31を高速に往復回転運動させつ
つ、アーム30をゆっくりとy方向に駆動することによ
り、図7Aとほぼ同様の機能を発生することができる。
なお、図7Cにおいて、ガス噴出機構は図示を省略し
た。
【0063】図8は、駆動機構の他の構成例を示す。基
板ホルダ41は、上部の突出した部分にアーム42が固
定されており、アーム42はリニアベアリング43を介
してガイドフレーム44に接続されている。したがっ
て、基板ホルダ41は、リニアベアリング43によって
x方向に移動可能に支持されている。なお、アーム42
の周囲にベローズ46が配置されている。
【0064】ガイドフレーム44の左端と、アーム42
の間にはばね45が設けられており、アーム42を右方
向に付勢している。ガイドフレーム44上にプーリ47
が結合され、ガイドフレーム44上に他のプーリ48が
結合され、ワイヤ49がアーム42の先端からプーリ4
7、48を通って上方向に引き出されている。
【0065】ワイヤ49を上方向に引っ張ると、アーム
42が左方向に付勢され、アーム42を介して基板ホル
ダ41が左方向に移動する。ワイヤ49を緩めると、ば
ね45の付勢力により、基板ホルダ41は右方向に移動
する。
【0066】ガイドフレーム44には、さらに支持アー
ム50が固定されており、支持アーム50は他の駆動機
構によりy方向に駆動可能である。支持アーム50をy
方向に駆動すると、基板ホルダ41もy方向に駆動され
る。
【0067】このように、支持アーム50およびワイヤ
49の駆動により、基板ホルダ41はx方向およびy方
向に駆動可能となる。基板ホルダ41上に、被洗浄物1
2を載置し、支持アーム50でy方向にゆっくりと駆動
しつつ、ワイヤ49を用いてx方向に高速に往復駆動さ
せることにより、図5A、図5B及び図6に示したよう
なノズル装置により噴出される複数のアルゴン微粒子を
含む流体によって被洗浄物12全表面を洗浄することが
できる。
【0068】図9は、駆動機構の他の構成例を示す。基
板ホルダ41、アーム42、ばね45、ベローズ46
は、図8の構成と同様である。ガイドフレーム44a
は、中空の支持アーム50aに接続され、その内部にカ
ム機構を備えたアーム52を収容する。
【0069】アーム42には、ローラ51が結合されて
おり、アーム52のカムと係合している。ローラ53お
よびブッシュ54は、アーム52のリニア駆動を補助す
る。支持アーム50aをy方向に駆動すると、基板ホル
ダ41はy方向に駆動される。また、支持アーム50a
内のアーム52をy方向に往復駆動すると、カム機構を
介して基板ホルダ41はx方向に往復駆動される。この
ようにして、x方向およびy方向に駆動可能な基板支持
機構が実現される。
【0070】x方向およびy方向の駆動は、図4の軌跡
25で示すように、ノズル23から噴出するガス流が被
洗浄物表面でジグザグ状の軌跡を描くようにする。この
際、隣接するジグザグの軌跡が互いに接するか、部分的
に重複するようにy方向の駆動速度を調整する。
【0071】さらに、隣接するノズルからの噴出ガス流
の軌跡も、x方向で互いに接するか、一部重複するよう
に駆動幅を選択する。すなわち、図示の状態において、
x方向の往復運動の駆動幅は、隣接するノズル間の距離
間隔と同等以上とすることが望ましい。
【0072】なお、x方向の駆動幅が、ノズル間間隔に
厳密に等しくなくても、ノズル間間隔からガス噴出流の
直径分を差し引いた間隔以上であれば連続的な洗浄面が
得られる。なお、この場合も本明細書においては、ノズ
ル間間隔と同等と呼ぶ。
【0073】以上説明したように、ノズル装置に複数の
ノズルを設け、間隔をおいた噴出ガス流を形成すると共
に、被洗浄物を平面内の2方向に駆動する駆動機構を組
み合わせることにより、被洗浄物全表面を適当流量のガ
ス噴出流で洗浄することができる。
【0074】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。アルゴンの微粒子を含む極低温の流体を吹きつけ
られた被洗浄物は、表面が短時間の内に急速に冷却さ
れ、表面と内部の温度差による熱歪で損傷を受けること
がある。さらに、アルゴン微粒子吹きつけによる洗浄の
あとに被洗浄物をすぐに洗浄装置から取り出すと、低温
の被洗浄物表面に大気中の水分が結露、結霜して被洗浄
物を再汚染する。したがって、結露、結霜を防止するた
めには、洗浄後の低温状態の被洗浄物を常温状態にまで
時間をかけて昇温する必要がある。そのために、洗浄処
理の速度を低下させ生産性を落とすことになる。
【0075】被洗浄物を下部からヒータのようなもので
加熱すると、被洗浄物が熱変形して反り返りの問題が発
生する。以下、上記問題点を解決するための第2の実施
例について説明する。
【0076】図10に、本発明の第2の実施例による洗
浄装置の基本構成を示す。アルゴンガスボンベ1及び窒
素ガスボンベ2から、フィルタ5、冷却器6を通して真
空容器11内のノズル装置10に至る構成、及び真空容
器11内の駆動機構24、被洗浄物12、真空排気手段
18の構成は図1に示す第1の実施例と同様である。
【0077】窒素ガスのボンベ2にはもう一つの圧力調
整弁55が配管により接続され、圧力調整弁55から配
管56を介してフィルタ57に接続されている。フィル
タ57では窒素ガス中の粒子が除去される。
【0078】粒子の除去された窒素ガスは、配管58を
介してもう一方のノズル装置60から真空容器11内に
吹き出される。窒素ガスの配管58の近傍、または内部
にはヒータ装置59が配置され、窒素ガスを加熱するこ
とができる。ノズル装置10と60の先端部は接近して
配置される。好ましくは、真空容器中で断熱膨張した後
の状態で室温程度以上となるようにヒータ装置59で窒
素ガスを昇温する。
【0079】ノズル装置10からアルゴン混合ガスを真
空中に噴射しつつ、駆動機構24によって被洗浄物12
を図10のy方向のノズル装置に近づく向きにゆっくり
と移動すると、ノズル装置10からの極低温のアルゴン
微粒子が被洗浄物12の表面をy方向に走査することに
なる。低温のアルゴン微粒子を含む流体が被洗浄物12
の表面の汚染物を叩き飛ばして洗浄すると同時に被洗浄
物12表面は低温に冷却される。
【0080】被洗浄物12表面の洗浄により冷却された
部分にノズル60から窒素ガスが吹きつけられる。窒素
ガスは室温に近いか、あるいはヒータ装置59により適
温に加熱されているので、冷却された被洗浄物12表面
の温度は上昇する。好ましくは、室温程度まで昇温す
る。
【0081】アルゴン微粒子による洗浄後すぐに窒素ガ
スで室温程度まで加温されるので、洗浄処理後にすぐに
真空容器11の外部に被洗浄物12を取り出しても、結
露、結霜することがない。また、温度差による熱歪で被
洗浄物12が損傷されることも少ない。さらに、被洗浄
物全体をヒータで加熱するものではないので反りの問題
も少ない。
【0082】図11は、真空容器11を上部よりみた洗
浄装置の構成を示す。ノズル装置10には、x方向に一
列に配列した複数のノズルが設けられている。ノズル装
置10には冷却器6からAr+N2 混合ガスが供給され
る。その後ろ側に配置されたもう一つのノズル装置60
にもx方向に一列に配列した複数のノズルが設けられて
いる。
【0083】ノズル装置10と60のノズルは図11の
ように交互に配置される。この配置は、冷却されたAr
+N2 混合ガス流と加温用N2 ガス流を、なるべく相互
干渉させないために有効である。
【0084】また、駆動機構24によって被洗浄物12
をx方向に高速に往復駆動し、y方向のノズルに近づく
向きにゆっくりと駆動すると、図中ジグザグの矢印で概
略的に示すように、アルゴン微粒子および加温用ガス流
による軌跡25が形成される。このため、被洗浄物全表
面がより均一に洗浄でき、冷却された表面を再び室温程
度まで昇温できる。また、被洗浄物12は固定し、ノズ
ル装置10及び60側を駆動しても同様な効果が得られ
る。
【0085】アルゴン混合ガスと加温用気体を、被洗浄
物に対して同一方向から吹き付ける場合を説明したが、
図12に示すように、両ノズル装置からの吹き付け方向
を対向させてもよい。たとえば、図示のように、第1の
ノズル装置10から吹き出すアルゴン混合ガス流62
と、第2のノズル装置60から吹き出す加温用ガス流6
3を右と左に対向させ、駆動機構を右から左に向けて駆
動する。
【0086】被洗浄物12表面は、初めに洗浄されて冷
却され、次に加温される。なお、以上の説明あるいは図
示したノズルの配置、ノズルの数は例示であって、制限
的なものではない。被洗浄物12の形状や大きさなどに
よって、適宜選択、変更されるものである。また、加温
するための気体として窒素ガス以外にも不活性ガスのよ
うな他の気体を使用することも可能である。
【0087】洗浄による冷却後加温する場合を説明した
が、加温後、洗浄を行ない、結果として被洗浄物表面
を、室温程度になるようにしてもよい。次に、本発明の
第3の実施例について説明する。
【0088】半導体ウエハや液晶表示装置の基板など
は、その表面に微小な凹凸のパターンが形成されてい
る。たとえば、図22Aのように半導体ウエハ100の
表面に形成された微小な溝101の中に汚染物102が
付着している場合、ノズル103からウエハ100の表
面に向けてアルゴン微粒子104を吹き出しつつ、ウエ
ハ100を図の矢印方向に移動したとする。
【0089】すると、溝101のAで示す部分の汚染物
はアルゴン微粒子により吹き飛ばされるが、Bで示す部
分は溝101の壁の影になってアルゴン微粒子104が
当たらない。
【0090】また、図22Bで示すような突起105が
ウエハ100の表面に形成されている場合でも同様にノ
ズル103の吹き出し方向に対して突起105が影を作
る部分Cに付着した汚染物106は取り除くことが難し
い。以下、上記問題点を解決するための第3の実施例に
ついて説明する。
【0091】図13A、図13Bに、本発明の第3の実
施例による洗浄装置の真空容器11内の基本構成を示
す。気密構造の真空容器11は、真空ポンプのような排
気装置18に接続されており、内部を排気することがで
きる。真空容器11内には、複数のノズルが配列された
ノズル装置10と、ノズル装置10に対向して半導体ウ
エハ等の被洗浄物12を載置する駆動機構24が設けら
れている。駆動機構24は、図のy方向およびy方向と
直交し複数のノズルの配列方向であるx方向(紙面に垂
直な方向)に駆動可能である。
【0092】アルゴンガスの噴出ノズル装置10は、開
閉バルブ66a、66bと二股配管67とを介して、図
1に示す第1の実施例と同様のボンベ1、2、フィルタ
5及び冷却器6を含んで構成されるガス供給手段に接続
され、複数のノズルからアルゴン微粒子を含む流体を真
空中に噴射する。ノズル装置10は図のように吹き出し
方向が紙面内で互いに交差するように配置された2方向
のノズル列10cと10dとを有する。
【0093】図14に図13A、図13Bのノズル列1
0c(10dも同じ)をy方向から見た構成を示す。ノ
ズル列10c(10d)はx方向に複数のノズル65が
配列されている。図14のノズル装置の場合、ノズル6
5からのアルゴン微粒子の噴射方向はy方向から見た場
合被洗浄物12に対してほぼ直角である。
【0094】図13Aにおいて、開閉バルブ66bを閉
じ、開閉バルブ66aを開けてノズル列10cの複数の
ノズル65からアルゴンガスを真空中に噴射しつつ、駆
動機構24によって被洗浄物12を図13Aのy1 の向
きにゆっくりと移動すると、ノズル列10cからのアル
ゴン微粒子が被洗浄物12の全体にくまなく噴射される
ことになる。
【0095】なお、アルゴンガス噴射流間に間隙が生じ
る時は、駆動機構24をx方向に速く振動させ、y方向
にゆっくり駆動してアルゴンガス噴射流が全面にゆき亘
るようにすればよい。
【0096】被洗浄物12をy1 の向きに移動して全表
面をノズル列10cで洗浄した後、開閉バルブ66aを
閉じ、代わりに開閉バルブ66bを開けて、ノズル列1
0dからアルゴン微粒子を図13Bで示すような方向に
噴射しつつ、駆動機構24によって被洗浄物12をy2
の向きにゆっくりと移動すると、ノズル列10dからの
アルゴン微粒子が被洗浄物12の表面に噴射される。噴
射方向が断面図で交差する図13Aの工程と、図13B
の工程を合わせると、溝等の凹凸部を含め、被洗浄物1
2の全表面がくまなく洗浄されることになる。
【0097】図15Aは、被洗浄物12の表面に形成さ
れた微細な溝68内を図13A、図13Bのノズル装置
で洗浄する場合の断面図である。この場合、相異なる方
向からアルゴン微粒子を吹き付けることにより、溝68
内をアルゴン微粒子で洗浄して汚染物を残さず除去でき
る。
【0098】図15Bは、被洗浄物12の表面に形成さ
れた突起69を図13A、図13Bのノズル装置で洗浄
する場合の断面図である。この場合も、相異なる方向か
らアルゴン微粒子を吹き付けることにより、突起69の
周囲をアルゴン微粒子で洗浄して汚染物を残さず除去で
きる。
【0099】汚染の程度が強い場合等には、被洗浄物1
2をy方向に往復運動させながらノズル10c、10d
を切替える工程を複数回繰り返せば洗浄効果を増すであ
ろう。
【0100】図16はノズル装置10の他の実施例であ
る。この実施例ではノズル装置10は一つのノズル列1
0eとノズル列の回転装置70で構成される。回転装置
70はステッピングモータのような駆動手段で配管とノ
ズル列10eとを気密シールしつつ、ノズル列10eを
矢印方向に回転可能な構成を有する。
【0101】図16のノズル列10eを用い、アルゴン
微粒子の噴射方向を可変にすることにより、図13A、
図13Bと図14で説明した実施例と同様な作用と効果
が得られるであろう。この実施例ではノズル列10eの
角度を連続的に可変できるようにすれば、被洗浄物12
の表面のパターン形状に応じてより適切な吹き出し角度
を得ることができる。さらに、アルゴン微粒子を吹き出
しつつノズル列10eの方向を矢印方向にあおる動作を
可能とすれば、さらに効果的な洗浄が期待できる。
【0102】図17にさらに他のノズル配置を有するノ
ズル装置10の例を示す。図14のノズル列ではノズル
65の吹き出し方向がy方向からみて被洗浄物12に対
して直角方向であったが、図17のノズル列10fでは
隣合うノズル73と74が一対となりそれぞれある角度
をもって向かい合って被洗浄物12に吹き出すように構
成される。他のノズルも同様な対で構成される。この実
施例ではy方向に沿って垂直な面に対してもより効果的
に洗浄できる。
【0103】図18A、図18Bは、駆動機構24に被
洗浄物12(例えば半導体ウエハ)が載せられた状態を
真空容器11の上部より見た図である。被洗浄物12を
y方向に移動中にさらに駆動機構24を図18Aで示す
ように被洗浄物12の面内のある点Oを中心として約1
0°程度の回転角の範囲で回転させる。図17の実施例
同様、y方向に沿った垂直面等に対してより洗浄効果が
増す。なお、回転中心を被洗浄物面内に設ける代わりに
面外として搖動運動をさせても同様の効果が得られる。
【0104】また、被洗浄物12をy方向に移動中に駆
動機構24を図18Bで示すようにx方向に小刻みに往
復運動させるとアルゴンガス流によって洗浄される面積
が増大し、洗浄効果が増し、被洗浄物の表面が均一に洗
浄できる。
【0105】以上の実施例の説明あるいは図示したノズ
ルの配置、ノズル径および数は、単なる主な例示であっ
て、限定的なものではなく、被洗浄物12の形状や大き
さ、あるいは被洗浄物12の表面の溝の寸法などによっ
て、適宜選定されるものであることを断っておく。
【0106】アルゴン微粒子を含む流体を被洗浄物表面
に噴射すると、被洗浄物表面は、アルゴンの微粒子によ
り洗浄されるが、同時にダメージも受ける可能性があ
る。被洗浄物表面を精密洗浄するためには、なるべくダ
メージを抑え、洗浄力を大きくすることが好ましい。そ
のためには、混合ガス中のArガスの液化量を正確に制
御する必要がある。そのために、冷却された混合ガスの
温度を測定してこの温度が一定になるように混合ガスの
冷却量を制御する方法が考えられる。しかし、この方法
ではArガスが液化する量を精密に制御することは以下
に述べる理由により困難である。
【0107】図19Aは、アルゴンの相図を示す。図中
横軸は、エントロピをジュール/モル・Kで示し、縦軸
は、温度を絶対温度Kで示す。図中曲線aは液化温度
(気体液体界面)を示す。曲線aの上側の領域は気相状
態、下側の領域は気相と液相の混合状態であることを示
す。曲線b1、b2、b3はそれぞれ液化温度が約95
K、100K、105Kの圧力一定の場合の温度変化を
示す。
【0108】例えば、曲線b1の場合、気体の状態で冷
却すると、アルゴンガスのエントロピが減少すると共
に、温度も低下し左下がりの曲線となる。曲線b1が曲
線aと交わる点で液化が始まる。この時の温度は約95
Kである。さらに冷却するとエントロピは減少するが温
度は低下せず一定値を示す。これは、冷却作用が、気体
の温度低下ではなく、気相から液相への相変化として現
れるためである。曲線b2、b3の場合も液化温度及び
圧力が異なるだけで、温度変化に関しては同様の形状を
示す。
【0109】従って、Arガスがその圧力での液化点に
達し、アルゴンの液滴化が開始された後は、アルゴンガ
スの温度は殆ど変化しない。そのため、アルゴンガスの
温度測定によって、混合ガス中のArガスの液化量を検
出することは困難である。本発明は、上記問題点を解決
するため、冷却後のArガスの温度の代わりに圧力を測
定して、混合ガス中のArガスの液化量を制御するもの
である。
【0110】図20は本発明の第4の実施例による洗浄
装置を示す。マスフローコントローラ91、92によっ
てそれぞれ一定流量に調整されたArガス及びN2 ガス
の混合ガスが配管21を通してフィルタ5に供給され
る。フィルタ5によって粒子が除去されたガスは、配管
22を介して二重管熱交換器77に供給される。
【0111】二重管熱交換器77には、配管86から液
化窒素が供給されている。液化窒素は配管22を介して
供給された混合ガスをArガスのその圧力での液化点以
下に冷却し、一部または全部が気体になって配管87を
介して排出される。配管87には、フローコントローラ
82が設けられており、排出される窒素ガス及び液化窒
素の流量を所望の値に調整することができる。
【0112】二重管熱交換器77に供給された混合ガス
はArガスのその圧力での液化点以下に冷却され、微細
液滴となって真空容器11内に配置されたノズル装置1
0に供給される。このとき、二重管熱交換器77とノズ
ル装置10との間の配管は直線状であることが好まし
い。
【0113】屈曲部があると、内面の鏡面研磨、電解研
磨が困難となり、配管内面の凹凸からのパーティクル発
生を防止できないからである。また、屈曲部内面には、
多くの凹凸が発生し、パーティクル発生の原因となる。
ノズル装置10には複数のノズルが設けられており、冷
却された混合ガスは、アルゴンの液滴と共にノズルから
真空容器11内に吹き出される。
【0114】ノズル装置10は、配管75により真空容
器11の外部の圧力計78に接続されており、ノズル装
置10内の圧力を測定することができる。また、配管7
5を通してノズル装置10内に熱電対76が挿入されて
おり、内部の温度を測定することができる。
【0115】ノズル装置10の下方には、ウエハテーブ
ル79が配置されている。ノズルから吹き出したアルゴ
ン微粒子を含む混合ガスは、ウエハテーブル79の上に
載置された被洗浄物表面に噴射され、被洗浄物表面を洗
浄する。
【0116】真空容器11は、配管83及びオイルトラ
ップ84を介して真空排気装置85に接続されている。
これにより、真空容器11内は、真空排気される。オイ
ルトラップ84は真空排気装置85からのオイルの逆流
を防止するためのものである。さらに、オイルの逆流を
減少させるために、ドライポンプを使用してもよい。
【0117】圧力計78及び熱電対76の測定結果は電
気信号の形で制御手段81に送られる。制御手段81
は、ノズル装置10内部が所望の圧力になるように流量
調整手段82の流量を調整する。
【0118】図19Bは、ノズル装置10内の温度と圧
力の変化の様子を示すグラフである。横軸は、時間を表
し、縦軸は温度及び圧力を表す。二重管熱交換器77に
よって混合ガスを冷却すると、ノズル装置10内の温度
は低下する。アルゴンのその圧力での液化点T0に達す
ると、その後は前述したように温度はほとんど低下しな
い。
【0119】圧力は、温度の低下と共に減少し、温度T
0の時の圧力P0に達する。さらに冷却すると、Arガ
スの液化が始まるため、圧力の減少速度は速くなり、事
前に制御装置11に与えられている所望の圧力P1に達
する。
【0120】制御手段81は、ノズル装置10内の圧力
がP1に達したことを検出すると、その後圧力が一定に
なるように、流量調整手段82の流量を調整する。この
ときP0とP1との差は、Arガスの液化量に対応して
いるため、この差分からArガスの液化量を推定するこ
とができる。従って、圧力P1を所望の値に設定してお
くことにより、所望のArガスを液化させることが可能
になる。また、液化量に応じて圧力は大きく変化するた
め、Arガスの液化量を少ない誤差で制御することがで
きる。
【0121】Arガスの液化量が一定であれば、ノズル
から吹き出した後のアルゴン微粒子も一定と考えられる
ため、所望の量のアルゴン微粒子を、被洗浄物表面に噴
射することができる。これによって、被洗浄物表面に与
えるダメージと洗浄力を適正な値に維持して洗浄を行う
ことができる。
【0122】図19Bでは、混合ガスの流量を一定に
し、圧力の変化を検出して冷却量を調整する場合につい
て説明したが、圧力を所望の値に設定しておき、圧力を
一定に保ちつつ混合ガスの流量を増加させてもよい。
【0123】図19Cは、ノズル装置内の圧力を一定に
保ちつつ流量を増加させた場合の混合ガスの冷却温度に
対する流量の変化を示す。横軸は混合ガスの冷却後の温
度を絶対温度Kで表し、縦軸はアルゴンガスと窒素ガス
との合計の冷却前の流量を単位slmで表す。
【0124】流量を徐々に増加させると、ノズル装置1
0内の圧力が上昇する。圧力を一定に保つため、制御手
段81による制御によって冷却量が増加し、混合ガスの
温度が下がる。このように、流量を徐々に増加させる
と、混合ガスの冷却後の温度が徐々に低下する。
【0125】混合ガスの冷却後の温度が、その圧力にお
けるアルゴンの液化点に達するとアルゴンの液化が始ま
る。この液化開始時点の混合ガスの温度及び流量は、ノ
ズル装置10内の圧力、ノズルの形状等によって相違す
るが、本実施例の条件下では、混合ガスの温度は約10
0K、流量は約20リットル/minであった。
【0126】さらに流量を増加させると、制御手段81
による制御によって冷却量が増加し、さらにアルゴンの
液滴化が進む。ただし、混合ガスの温度は、アルゴンの
液化温度でほぼ一定となる。従って、混合ガスがアルゴ
ンの液化点まで冷却されると、図19Cに示すように混
合ガスの温度はほとんど低下せず流量のみが急激に増加
する。この増加分は、アルゴンの液化量に相当する。
【0127】このことから、洗浄を行っている時の混合
ガスの流量と、アルゴンの液化開始点における流量との
差からアルゴンの液化量を求めることができる。洗浄表
面に大きなダメージを与えることなく高い洗浄効果を得
るためには、洗浄時の混合ガスの流量をアルゴンの液化
開始点における流量の1.2〜4倍程度とすることが好
ましい。
【0128】上記実施例では、二重管熱交換器77のN
2 ガスの排気側の流量を変化させることにより、冷却量
を制御する方法について説明したが、他の方法で冷却量
を制御してもよい。例えば、液化窒素を供給するボンベ
の圧力を変化させて液化窒素の流量を変化させ、冷却量
を制御してもよい。
【0129】また、上記実施例では、冷却手段として液
化窒素を使用した二重管熱交換器を使用したが、その他
の冷却手段を使用してもよい。例えば、ギフォード・マ
クマホン冷凍機(GM冷凍機)、スターリング冷凍機、
ターボ冷凍機等のクライオシステムを使用してもよい。
【0130】図21A、図21Bは、GM冷凍機を使用
した場合の、冷却手段を示す。図21Aは冷却手段の平
面図、図21Bは側面図を示す。図21Aに示すよう
に、フィルタを通して粒子が除去されたArガスとN2
ガスの混合ガスが、配管22の曲折点88から供給され
る。配管22の曲折点88と真空容器11の間の部分に
は、GM冷凍機の冷却板89が熱伝導性よく接触されて
おり、周囲には、ヒータ90が配置されている。屈曲点
88からノズルに至る配管22は直線状に配置されてい
る。図20の実施例同様、直線状配管はパーティクル発
生防止に効果がある。なお、配管22、冷却板89、ヒ
ータ90は、断熱のため真空容器94内に配置されてい
る。
【0131】図21Bに示すように、冷却板89の下に
はGM冷凍機95a、95bが配置されており、冷却板
を冷却することができる。なお、図21Bでは、2台の
GM冷凍機を配管22に対して直列に配置した場合を示
したが、十分な冷凍能力が得られるのであれば1台でも
よい。また、冷凍能力が十分でない場合には、図20に
示す液化窒素による冷却を併用してもよい。
【0132】ヒータ90は制御手段93に接続されてお
り、制御手段93によって発熱量が制御される。ヒータ
90の発熱量を調整することにより、Arガスの冷却量
を制御することができる。制御手段91には、ノズル装
置内の圧力測定結果が電気信号の形で入力されており、
圧力が所望の値になるようにヒータ90の発熱量を調整
する。
【0133】上記第1〜第4の実施例では、アルゴンを
含むガスを冷却し、または液体アルゴンを加熱してアル
ゴン微細液滴を形成する場合について説明したが、必ず
しも微細液滴とする必要はない。アルゴンを含むガスを
冷却することによってアルゴンを液化し、流体状の液体
アルゴンとしてもよい。また、液体アルゴンを加熱し、
一部を気化させ、残りのアルゴンを流体状の液体のまま
残してもよい。
【0134】ノズル装置内で流体状の液体アルゴンであ
っても、真空容器内に吹き出すことにより、液体アルゴ
ンは霧状の微細液滴となり、上記実施例と同様の効果を
得ることができる。
【0135】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。たとえば、
混合ガスとしてアルゴンガスとアルゴンよりも液化温度
の低い他の不活性ガスとの混合ガスを用いてもよい。
【0136】また、被洗浄物は、半導体ウエハに限ら
ず、プリント基板、光ディスク、磁気ディスク、液晶表
示装置のフラットパネルまたは太陽電池等を被洗浄物と
し、これらの製造工程における表面洗浄に用いることも
できる。
【0137】その他、種々の変更、改良、組み合わせ等
が可能なことは当業者に自明であろう。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
多量のアルゴン微粒子を含む流体を生成させ、高速で被
洗浄物表面に噴射することにより、被洗浄物表面を効率
的に洗浄することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による表面洗浄方法を実
施するための洗浄装置の基本構成を示す概略図である。
【図2】アルゴンの相図である。
【図3】液体アルゴンからアルゴンガス及びアルゴン微
細液滴を発生するためのアルゴン発生源の概略断面図で
ある。
【図4】本発明の実施例による洗浄装置の真空容器内の
基本構成を示す概略図である。
【図5A】ノズル装置の構成を示す斜視図である。
【図5B】ノズル装置からのガス吹き出しの様子を示す
正面図である。
【図6】ノズル装置の他の構成を示す断面図である。
【図7A】駆動機構の構成例を示す概略図である。
【図7B】駆動機構の他の構成例のフランジ部を示す断
面図である。
【図7C】駆動機構のさらに他の構成例を示す概略図で
ある。
【図8】駆動機構のさらに他の構成例を示す概略図であ
る。
【図9】駆動機構のさらに他の構成例を示す概略図であ
る。
【図10】本発明の第2の実施例による洗浄装置の基本
構成を示す概略図である。
【図11】本発明の第2の実施例による洗浄装置の真空
容器の平面図である。
【図12】洗浄用アルゴン混合ガスと加温用気体の他の
吹き付け態様を示す概略図である。
【図13A】本発明の第3の実施例による洗浄装置の真
空容器部分の基本構成を示す概略図である。
【図13B】本発明の第3の実施例による洗浄装置の真
空容器部分の基本構成を示す概略図である。
【図14】図13Aの洗浄装置のノズル装置及び駆動機
構の正面図である。
【図15A】本発明の第3の実施例による洗浄方法を説
明するための被洗浄物の拡大断面図である。
【図15B】本発明の第3の実施例による洗浄方法を説
明するための被洗浄物の拡大断面図である。
【図16】ノズル装置の実施例を示す概略斜視図であ
る。
【図17】ノズル装置のさらに他の実施例を示す側面図
である。
【図18A】駆動機構の他の駆動型式を説明する概略平
面図である。
【図18B】駆動機構のさらに他の駆動型式を説明する
概略平面図である。
【図19A】アルゴンの相図である。
【図19B】ノズルヘッダ内の温度と圧力の時間変化を
示すグラフである。
【図19C】アルゴンを含む混合ガスの冷却温度と流量
との関係を示すグラフである。
【図20】本発明の第4の実施例による洗浄装置の基本
構成を示す概略図である。
【図21A】本発明の第4の実施例の他の構成例による
洗浄装置の冷却手段の概略平面図である。
【図21B】本発明の第4の実施例の他の構成例による
洗浄装置の冷却手段の概略断面図である。
【図22A】ノズルの吹き出し方向が一方向に固定して
ある場合の洗浄を説明する被洗浄物の拡大断面図であ
る。
【図22B】 ノズルの吹き出し方向が一方向に固定して
ある場合の洗浄を説明する被洗浄物の拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1、2 ボンベ 3、4 圧力調整弁 5 フィルタ 6 冷却器 7 温度計 8 圧力計 9 温度制御装置 10、10a ノズル装置 10b ノズルヘッダ 10c、10d、10e、10f ノズル列 11 真空容器 12 被洗浄物 13 流量調整弁 14 圧力計 15 圧力制御器 16、17 弁 18 真空排気手段 20 合流点 21、22 配管 23、23a〜23d ノズル 24 駆動機構 25 軌跡 26 噴出ガス流 27 ベローズ 28 フランジ 28a、28b フランジ押さえ 29 支持機構 30 アーム 31 テーブル 32a、32b Oリング 34 容器 35 液体アルゴン 36 加圧用配管 37、38 配管 39 加熱手段 40 配管 41 基板ホルダ 42 アーム 43 リニアベアリング 44、44a ガイドフレーム 45 ばね 46 ベローズ 47、48 プーリ 49 ワイヤ 50、50a 支持アーム 51 ローラ 52 カム機構を備えたアーム 53 ローラ 54 ブッシュ 55 圧力調整弁 56 配管 57 フィルタ 58 配管 59 ヒータ装置 60 ノズル装置 62 アルゴン混合ガス流 63 加温用ガス流 65 ノズル 66a、66b バルブ 67 二股配管 68 溝 69 突起 70 回転装置 73、74 ノズル 75 配管 76 熱電対 77 二重管熱交換器 78 圧力計 79 ウエハテーブル 81 制御手段 82 流量調整手段 83 配管 84 オイルトラップ 85 真空排気装置 86、87 配管 88 曲折点 89 冷却板 90 ヒータ 91、92 流量調整手段 93 制御手段 94 真空容器 95a、95b GM冷凍機 100 半導体ウエハ 101 溝 102 汚染物 103 ノズル 104 アルゴン微粒子 105 突起 106 汚染物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/304 B08B 3/10

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルゴンガスを含むガスを、その圧力で
    のアルゴンガスの液化点以下に冷却し、アルゴン微細液
    滴を形成する工程と、 アルゴン微細液滴を含む流体をノズル装置から減圧雰囲
    気中に吹き出すことによって膨張させ、前記アルゴン
    細液滴の少なくとも一部を固化させてアルゴン微粒子と
    するアルゴン微粒子形成工程と、 前記アルゴン微粒子を含む流体を被洗浄表面に噴射させ
    る噴射工程とを含む表面洗浄方法。
  2. 【請求項2】 前記ノズル装置および被洗浄表面が真空
    容器中に配置されている請求項1記載の表面洗浄方法。
  3. 【請求項3】 前記アルゴンを含むガスがアルゴンガス
    と窒素ガスとの混合ガスであり、窒素ガスの濃度は2〜
    70モル%である請求項1または2記載の表面洗浄方
    法。
  4. 【請求項4】 前記真空容器中の圧力は、絶対圧で0.
    2気圧以上0.7気圧以下である請求項2記載の表面洗
    浄方法。
  5. 【請求項5】 前記ノズル装置内の前記アルゴンを含む
    ガスの圧力は、絶対圧で3気圧以上7気圧以下である
    求項2記載の表面洗浄方法。
  6. 【請求項6】 前記アルゴン微粒子は、表面が固相状態
    であり、内部が液相状態である請求項1記載の表面洗浄
    方法。
  7. 【請求項7】 前記冷却工程は、 前記ノズル装置内の圧力を所定の圧力に保持しつつ、前
    記アルゴンを含むガスを冷却するとともに、前記アルゴ
    ンを含むガスのモル流量を徐々に増加し、該モル流量が
    急激に増加し始める時点における第1のモル流量を測定
    する工程と、 前記ノズル装置内の圧力を所定の圧力に保持しつつ、前
    記アルゴンを含むガスを冷却するとともに、該モル流量
    をさらに増加し、該モル流量が所定の第2のモル流量に
    なるように、前記アルゴンガスの冷却量及び該モル流量
    を調整する工程とを含む請求項1記載の表面洗浄方法。
  8. 【請求項8】 前記ノズル装置内の圧力は、絶対圧で3
    気圧以上7気圧以下である請求項7記載の表面洗浄方
    法。
  9. 【請求項9】 前記第2のモル流量は、前記第1のモル
    流量の1.2倍以上4倍以下である請求項7記載の表面
    洗浄方法。
  10. 【請求項10】 アルゴンを含むガスを供給するための
    ガス供給手段と、 前記ガスをその圧力におけるアルゴンの液化点以下まで
    冷却し、アルゴン液を形成する冷却手段であって、冷却
    量を調節することができる前記冷却手段と、 前記冷却手段により冷却された アルゴン液を含むガスが
    供給され、前記アルゴン液を含むガスを噴出するための
    複数のノズルが設けられているノズル装置と、 前記ノズル装置のガス吹き出し方向に被洗浄物を支持す
    るための被洗浄物支持手段と、 前記ノズル装置および前記被洗浄物支持手段を収容する
    気密容器と、 前記気密容器内を排気できる排気手段とを含む表面洗浄
    装置。
  11. 【請求項11】 前記冷却手段が、前記ノズル装置内の
    圧力を検出し、検出された圧力に基づいて冷却量を調節
    する請求項10に記載の表面洗浄装置。
  12. 【請求項12】 窒素ガスの濃度が2〜70モル%であ
    るアルゴンガスと窒素ガスとの混合ガスを、その圧力で
    のアルゴンガスの液化点以下に冷却し、アルゴン液を形
    成する工程と、 前記アルゴン液を含む前記混合ガスを、ノズル装置から
    減圧雰囲気中に吹き出すことによって膨張させ、前記ア
    ルゴン液の少なくとも一部を固化させてアルゴン微粒子
    とする工程と、 前記アルゴン微粒子を含む流体を被洗浄表面に衝突させ
    る工程とを含む表面洗浄方法。
  13. 【請求項13】 アルゴン液を含む液体をノズル装置か
    ら減圧雰囲気中に吹き出すことによって膨張させ、前記
    アルゴン液の少なくとも一部を固化させて、表面が固相
    状態であり、内部が液相状態であるアルゴン微粒子とす
    る工程と、 前記アルゴン微粒子を含む流体を被洗浄表面に衝突させ
    る工程とを有する表面洗浄方法。
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