JP2828227B2 - 光ヘッド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンパクトディス
ク、ビデオディスク等の光ディスクや光磁気ディスク等
の光ディスクや光磁気ディスクなどの光学式記録媒体に
対して情報の記録や再生を行うための光学ヘッドに関す
るものである。 【従来の技術】従来の光ヘッドとして、例えば特開昭５
９−２０１２４０号公報に記載されているものがある。
この従来の光ヘッドにおいては、レーザダイオードより
成る光源、この光源から放射される光ビームを対物レン
ズへ導く光学系、対物レンズをその光軸方向に変位させ
てフォーカシング制御やトラッキング制御を行うアクチ
ュエータ、記録媒体から反射された光ビームを対物レン
ズを介して受光するフォトダイオードより成る受光素子
等を備えている。 【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、従来
の光ヘッドにあっては、光学系を形成する各光学部品を
それぞれ光ヘッド本体に取り付けていたため、組立工数
が多くなり、さらに各光学部品間の距離がばらついたり
して、光学的な精度が悪くなる不具合がある。また、部
品点数および組み立て工数が多くなり、コスト高になる
という欠点がある。本発明はかかる欠点を解決した光ヘ
ッドを提供することを目的とする。 【問題点を解決するための手段及び作用】本発明は上記
目的を達成するために、情報記録媒体から情報を読みと
るに際し、収束光を前記情報記録媒体に照射し、その反
射光を光検出器に導くようにした光ヘッドにおいて、あ
る光学作用を有する光学系の端面としての第１の光学面
と、その光学面内での互いに直交する２方向における形
状がそれぞれ異なる第２の光学面と、前記光検出器を取
り付けるための取付部とがプラスチック系材料により一
体的に成形された光学素子を備え、該光学素子の取付部
に前記光検出器を直接取り付けたことを特徴とするもの
である。上記構成を採用したことにより、第１の光学面
と第２の光学面を有する光学素子と光検出器との位置精
度が格段に向上する。また光検出器用の保持部材も取付
部として光学素子に一体に成形しているので部品点数を
削減することができる。 【発明の実施の形態】以下、本願発明の一実施形態を図
面に基づき、詳細に説明する。図１はこの発明の原理を
説明するための他の参考例を示す線図的断面図である。
この参考例の光ピックアップでは、光ビームを放射する
レーザダイオード２０をプラスチック成形体からなる光
学系支持体２１に装着し、回折格子２２に向けて光ビー
ムを投射する。回折格子２２は、多数の溝が形成されて
いる格子部２２ａとその保持部材である周囲の環状の鏡
筒部２２ｂとを一体成形した透明プラスチックの成形体
をもって構成され、鏡筒部２２ｂを光学系支持本体２１
に直接装着する。回折格子２２を透過した光ビームは３
本の光ビームに分岐され、ビームスプリッタ２３のハー
フミラー面２３ａを透過しコリメータレンズ２４に入射
する。このコリメータレンズ２４も同様にレンズ作用を
果たすレンズ部２４ａとその保持部材である周囲の鏡筒
部２４ｂとを一体成形した透明プラスチックの成形体を
もって構成し、光軸方向に調整して鏡筒部２４ｂを光学
系支持本体２１に直接装着する。コリメータレンズ２４
を出射した３本の光ビームはそれぞれ平行光束とされ、
アクチュエータ２５により光軸方向およびそれと直交す
るトラッキング方向に変位される対物レンズ２６に入射
し、記録媒体２７にスポットとして照射される。この参
考例では記録媒体２７に記録された情報を再生するもの
とする。記録媒体２７からの反射光ビームは対物レンズ
２６で集光され、再びコリメータレンズ２４を通りビー
ムスプリッタ２３のハーフミラー面２３ａで反射し凹レ
ンズ２８に入射する。凹レンズ２８も同様に、凹レンズ
部２８ａとその保持部材である環状の鏡筒部２８ｂとを
一体成形した透明プラスチックの成形体をもって構成さ
れ、光軸方向に位置調整を行ってから鏡筒部２８ｂを接
着剤によりプラスチック成形体から成る光ヘッド本体２
９に装着する。凹レンズ２８を透過した光ビームは、凹
レンズ２８と同軸に配置されたシリンドリカルレンズ３
０に入射する。このシリンドリカルレンズ３０も同様に
レンズ作用を有するレンズ３０ａとその保持部材である
環状の円筒部３０ａとを一体成形した透明プラスチック
の成形体をもって構成する。シリンドリカルレンズ３０
を透過した光ビームは各ビームに対応する受光領域を有
するフォトダイオード３１に入射し、光電変換されて情
報信号とフォーカシングエラー信号およびトラッキング
エラー信号が取り出される。図２は本願発明の原理を説
明するための他の参考例である。図２は図１に示す凹レ
ンズ２８とシリンドリカルレンズ３０とを一体成形した
光学部品の構成を示す断面図である。この光学部品は、
入射側に凹レンズを構成する凹型の球面４１ａが形成さ
れ、出射側にシリンドリカルレンズを構成する円筒面４
１ｃが形成された光学素子であって、透明プラスチック
によって一体成形されている。球面４１ａと円筒面４１
ｃとの間には材料である透明プラスチックが充填されて
おり、内部に空間が形成されていない。また、光学素子
の入射側の保持部４１ｄ周辺には光透過防止処理として
金属のワッシャ４１ｂがインサート成形されている。こ
のように、本参考例においては、光路長を延ばす作用を
有する凹レンズの凹型球面を一端に、レンズ面内での互
いに直交する２方向における形状がそれぞれ異なるシリ
ンドリカルレンズの円筒面を他端に形成した光学素子を
透明プラスチックで一体成形したので、以下の効果を奏
する。 （１）１つの成形体で２つの異なる光学的機能を有する
ことができるので、部品点数が削減され、低コストな光
ヘッドを提供することができる。さらに、光ヘッド本体
に保持されるための保持部をも一体的に成形したので、
さらに、部品点数が削減され、低コストな光ヘッドを提
供することができる。 （２）プラスチック成形体は高い成形精度を有している
ので、光軸方向における凹型球面と円筒面との間の距離
の調整を不要とすることができる。 （３）光透過防止処理を施したので有害光の進入を有効
に防止できる。従って、フォーカシング制御およびトラ
ッキング制御を高精度で行うことができると共に、情報
の再生を正確に行うことができる。 図３は本発明の実施形態の光ヘッドの構成を示す断面図
である。本実施形態では、各光学系と各光学系を支持す
る光学系支持本体および光ヘッド本体とを透明プラスチ
ックにより一体的に成形して構成したので、図１に示す
光学系と同様の光学系を有している。従って、図１で用
いた部材と同一の部材には同一の参照符号を付して説明
する。本実施形態では、透明プラスチックの一体成形体
５０の各部に以下に示す面を設けて各光学系を形成す
る。すなわち、一体成形体５０にレーザダイオード２０
が取り付けられる取り付け面を形成し、そのレーザダイ
オード２０の出射面と対向する面を凹とし、その底面に
は多数の細条状の溝部５０ａが設けられ、回折格子を形
成する。さらに、一体成形体５０には、ビームスプリッ
タ２３の取り付け部を設け、ビームスプリッタ２３の取
り付け部を経て対物レンズ２６に光ビームを出射させる
面に凸型の球面５０ｂを設けてコリメータレンズを形成
する。また、記録媒体で反射されビームスプリッタ２３
のハーフミラー面２３ａで反射した光ビームが入射する
面には凹型の球面５０ｃを設けて凹レンズを形成し、そ
の出射面には円筒面５０ｄを形成してシリンドリカルレ
ンズを形成する。一体成形体５０の各光学面（５０ａ，
５０ｂ，５０ｃ，５０ｄなどの面）およびビームスプリ
ッタ２３の取り付け面をを除く一体成形体５０の周囲に
は光透過防止処理として不透明コート層５１を設ける。
なお、光透過防止処理は不透明コート層を設けること以
外に、光路部を形成するように、金属をインサートした
り、二色成形したり、あるいは光学面の周囲に砂目地を
形成し表面を粗くすることによって施すこともできる。
光透過処理を施すことで、有害光の侵入を防止すること
ができ、フォーカシング制御およびトラッキング制御を
高精度で行うことができると共に、情報の記録、再生を
正確に行うことができる。このように本実施形態によれ
ば、プラスチックの成形体５０の各面に種々の球面や細
条状の溝部を設けるだけで、各光学系（回折格子、コリ
メータレンズ、凹レンズ、シリンドリカルレンズ）、そ
の支持部、光ヘッド本体を構成することができる。した
がって、各光学素子が非常に容易に得られる。また、一
体成形体に直接ビームスプリッタ２３を取り付けて他の
光学素子と一体的に構成した。そのため光学素子間の位
置精度が格段に向上すると共に、組立も著しく簡略化さ
れる。さらに本実施形態においては、レーザダイオード
取付部及びフォトダイオード取付部を一体成形体５０に
形成し、該一体成形体５０に直接レーザダイオード２０
とフォトダイオード３１を取り付けるようにした為、回
折格子５０ａ、コリメータレンズ５０ｂ、凹レンズ５０
ｃ、シリンドリカルレンズ５０ｄの各光学素子に対する
レーザダイオード２０とフォトダイオード３１の位置精
度が格段に向上する。さらに本実施形態においては、レ
ーザダイオード２０から記録媒体に至る光ビームの往路
中に一体成形した回折格子５０ａと集光作用のあるレン
ズ５０ｂとを配置した。そのため、回折格子５０ａと集
光作用のあるレンズ５０ｂの間の間隔や傾きの精度が良
く、回折格子５０ａとレンズ５０ｂを介して生成され記
録媒体側に投射された３つのスポットの精度が良く、記
録再生信号が劣化することなく、フォーカシング制御や
トラッキング制御が正確に行え、結果として情報の記録
再生を正確に行う事ができる。なお、この発明は上述し
た実施形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形
または変更が可能である。例えば、光ヘッド本体に装着
する光源、光学系および受光素子は種々のものがあり、
またアクチュエータも種々の形式のものがある。また、
対物レンズとその保持部材とをプラスチックの一体成形
体をもって構成した場合にも本発明を有効に適用するこ
とができる。さらに、上述した実施例では、光ヘッド本
体や光学系支持本体をもプラスチックの一体成形をもっ
て構成したが、この発明では光学素子とその保持部材と
をプラスチックで一体成形し、その一部分に光透過性防
止処理を施すこともでき、光ヘッド本体や光学系支持本
体は金属の形成体をもって構成することもできる。 【発明の効果】以上説明した通り、本発明の光ヘッドで
は、ある光学作用を有する光学系の端面としての第１の
光学面と、その光学面内での互いに直交する２方向にお
ける形状がそれぞれ異なる第２の光学面と、前記光検出
器を取り付けるための取付部とがプラスチック系材料に
より一体的に成形された光学素子を備え、該光学素子の
取付部に前記光検出器を直接取り付けたことので、第１
の光学面と第２の光学面を有する光学素子と光検出器と
の位置精度が格段に向上する。また光検出器用の保持部
材も取付部として光学素子に一体に成形しているので部
品点数を削減することができる。

【図面の簡単な説明】 【図１】 図１は本発明の原理を説明するための参考例
としての光ヘッドの断面図である。 【図２】 図２は本発明の原理を説明するための参考例
としての光ヘッドに用いられる光学素子の断面図であ
る。 【図３】 図３は本発明の実施形態の光ヘッドの断面図
である。 【符号の説明】 ２０ レーザダイオード ２１ 光学系支持体 ２２ 回折格子 ２３ ビームスプリッタ ２６ 対物レンズ ２７ 記録媒体 ２８ 凹レンズ ３０ シリンドリカルレンズ ３１ フォトダイオード ４１ａ 凹型球面 ４１ｃ 円筒面 ４１ｄ 保持部 ５０ 一体成形体 ５０ａ 溝部 ５０ｂ 凸型球面 ５０ｃ 凹型球面 ５０ｄ 円筒面

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−129938（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−46335（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−20322（ＪＰ，Ａ) 実開 昭58−131435（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．情報記録媒体から情報を読みとるに際し、収束光を
   前記情報記録媒体に照射し、その反射光を光検出器に導
   くようにした光ヘッドにおいて、 ある光学作用を有する光学系の端面としての第１の光学
   面と、その光学面内での互いに直交する２方向における
   形状がそれぞれ異なる第２の光学面と、前記光検出器を
   取り付けるための取付部とがプラスチック系材料により
   一体的に成形された光学素子を備え、該光学素子の取付
   部に前記光検出器を直接取り付けたことを特徴とする光
   ヘッド