JP2827183B2 - 光ファイバケーブル用スペーサ製造方法 - Google Patents

光ファイバケーブル用スペーサ製造方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、中心部に心材を有する合成樹脂スペーサ
層の外周に光ファイバを収容するら旋溝を設けた光ファ
イバケーブル用スペーサを製造する光ファイバケーブル
用スペーサ製造装置に関する。
[従来の技術] 第5図に上記光ファイバケーブル用スペーサの一例を
示す。光ファイバケーブル用スペーサ(以下、スペーサ
という)1は、図示のように鋼線等の心材2を中心部に
有するポリエチレン等のスペーサ層3の外周に複数のら
旋溝4を形成した構造であり、このスペーサ1のら旋溝
4に例えば光ファイバテープ5等を例えば複数本ずつ収
容して、光ファイバケーブルとする。図示例では2カ所
のら旋溝4にのみ光ファイバテープ5を図示している。
なお、ら旋溝4に光ファイバを直接収容する場合もあ
る。
このスペーサ1を製造する従来装置の一例を第6図に
より説明すると、送り出し装置6の送り出しドラム7に
は鋼線等の心材2が巻き付けられており、この送り出し
ドラム7から連続的に送り出された心材2は、予熱装置
9で予熱され、次いで押し出し成形機10によりその回り
に前述の合成樹脂スペーサ層3が形成されてスペーサ1
となり、冷却水槽11で冷却され、ピッチ測定装置12で前
述のら旋溝4の周方向のピッチが測定され、形状寸法測
定装置13でスペーサ1の外径・溝形状寸法等の測定およ
び計尺が行われ、スペーサ1の送り駆動(心材2の送り
駆動でもある)は送り駆動装置14によって行われ、ダン
サロール15で巻取り張力を調整されつつ巻き取り装置16
の巻き取りドラム17に巻き取られる。
[発明が解決しようとする課題] ところで、送り出しドラム7から出線している心材2
は、第6図に示すように送り出しドラム7上の幅方向の
出線位置に対応して予熱装置9側に向かって放射状に向
きを変えるため、第7図に示すように、当該出線してい
る心材21がその隣の心材22を矢印のように乗り越える場
合が生じるが、乗り越えた時の衝撃で当該出線している
心材21に振動が発生する。このような振動が発生する
と、押し出し成形機10においても心材2が振動するの
で、その回りに押し出し成形で被覆される合成樹脂のス
ペーサ層3の形状寸法が精度良く得られない。また、ピ
ッチ測定装置12によるピッチ測定値を押し出し成形機10
にフィードバックして押し出し成形機10の制御を行って
いるが、前述の振動がピッチ測定装置12の位置にも伝わ
り、ら旋溝のピッチ測定が正確に行えないため、押し出
し成形機10において形成するら旋溝のピッチの精度を確
保することができない、という問題もある。
なお、従来はこのような振動の影響を回避するため、
送り出し装置6を後方(第6図で左方)に離すことが一
般に行われているが、この方法では振動の影響の回避が
十分でないばかりでなく、製造設備全体のスペースが広
くなってしまう、という問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、スペーサ
の形状寸法精度を向上させることができ、かつ製造設備
のスペースを広く要しない光ファイバケーブル用スペー
サ製造装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明では上記課題を解決するために,心材送り出し
ドラムに巻かれた心材を送り駆動装置の駆動により連続
的に送り出しながら,この心材の回りに前記送り駆動装
置より上流側に配置された押し出し成形機により光ファ
イバを収容するら旋溝を持つ合成樹脂スペーサ層を形成
する光ファイバケーブル用スペーサ製造装置において, 前記心材送り出しドラムと前記押し出し成形機との間
に,心材送り出しドラムから送り出された心材の振動を
防止するための、心材の送り速度と同調して周回しつつ
心材を両側から押圧する1対のエンドレス部材を備えた
振動防止手段を設けた。
[作用] 上記構成において、心材送り出しドラムから送り出さ
れた心材は振動防止手段により振動を防止されるので、
押し出し成形機における心材の振動はない。したがっ
て、押し出し成形機において形成される合成樹脂スペー
サ層の形状寸法精度が心材の振動により低下する、とい
う問題はなくなり、精度よい形状寸法のスペーサが得ら
れる。
また、心材が振動しないため、通常下流に設けるピッ
チ測定装置におけるピッチ測定値の精度も向上し、この
ピッチ測定値をフィードバックして制御する押し出し成
形機において、正確なピッチのら旋溝を持つスペーサ層
が形成される。
[実施例] 以下、本発明の一実施例を第1図〜第4図を参照して
説明する。
第1図は本発明の一実施例の光ファイバケーブル用ス
ペーサ製造装置の概略構成を示す平面図、第2図は同側
面図を示す。第6図の従来例と共通する部分には同一の
符号を付して説明すると、鋼線等の心材2は送り出し装
置6の送り出しドラム7に巻き付けられている。9は送
り出しドラム7から送り出された心材2を予熱する予熱
装置、10は心材2の回りに第5図に示す合成樹脂スペー
サ層3を形成する押し出し成形機である。本発明では、
送り出しドラム7と押し出し成形機10との間に振動防止
手段を設けるが、実施例では予熱装置9の上流側(第1
図で左方)に振動防止装置20を設置している。この振動
防止装置20以外は従来と同じであるが、再度説明する
と、振動防止装置20を通過して振動を抑制された心材2
は、予熱装置9で予熱され、次いで押し出し成形機10に
よりその回りに前述の合成樹脂スペーサ層3が形成され
てスペーサ1となり、冷却水槽11で冷却され、ピッチ測
定装置12でら旋溝4の周方向のピッチが測定され、形状
寸法測定装置13でスペーサ1の外径・溝形状寸法等の測
定および計尺が行われ、スペーサ1の送り駆動(心材2
の送り駆動でもある)は送り駆動装置14によって行わ
れ、ダンサロール15で巻取り張力を調整されつつ巻き取
り装置16の巻き取りドラム17に巻き取られる。
前記振動防止装置20の一例の詳細を第3図、第4図に
より説明する。装置本体台21の上には減速機22、心材送
り方向(矢印a方向)の前後に間隔をあけた2本の垂直
なガイドポスト23、両ガイドポスト23間の2つの垂直な
エアシリンダ24が設置され、両ガイドポスト23の上部に
上部フレーム25が橋渡し固定されている。2本のガイド
ポスト23には下スライド部材26および上スライド部材27
が上下に摺動可能に取り付けられ、下スライド部材26は
この下スライド部材26を昇降駆動するための前記エアシ
リンダ24のピストンロッドに連結されている。
前記スライド部材26の心材送り方向(矢印a方向)の
前後部にはそれぞれ軸受け部28が固定され、この軸受け
部28に支持されたシャフト29にスプロケット30が取り付
けられ、この前後のスプロケット30間にキャタピラ31が
巻き掛けられている。また、下スライド部材26にはつば
32aの付いたプーリ32がブラケット33を介して取り付け
られ、このプーリ32には前記キャタピラ31の外周を囲ん
でその上下面に接する平ベルト34が巻き掛けられてい
る。下スライド部材26には平ベルト34を受ける受け板35
が固定されている。
前記上部フレーム25にはハンドル付きの垂直な調整ス
クリュー36が螺合しており、この調整スクリュウ36の下
端に前記上スライド部材27が固定されて上下に移動調整
可能に設けられている。この上スライド部材27側の構造
も下スライド部材26側とほぼ同様であり、上スライド部
材27の心材送り方向(矢印a方向)の前後部にはそれぞ
れ軸受け部37が固定され、この軸受け部37に支持された
シャフト38にスプロケット39が取り付けられ、この前後
のスプロケット39間にキャタピラ40が巻き掛けられ、ま
た、上スライド部材27にはつば41aの付いたプーリ41が
ブラケット42を介して取り付けられ、このプーリ41には
前記キャタピラ40の外周を囲んでその上下面に接する平
ベルト43が巻き掛けられ、また、上スライド部材27には
平ベルト43を受ける受け板44が固定されている。
また、前記上下のシャフト29,38はそれぞれユニバー
サルジョイント45,46を介して前記減速機22に連結され
ている。また、装置の心材送り方向前後には心材2の下
側で受ける水平なガイドローラ47,48、および心材2を
左右から挟む2本の(第3図では1本に見える)垂直な
ガイドローラ49,50が配置されている。
次に上記振動防止装置20の動作について説明すると、
図示略のモータの回転動力が図示せぬ伝達機構を介して
減速機22に伝達され、ユニバーサルジョイント45,46を
介してシャフト29,38およびスプロケット30,39が回転駆
動され、これによりキャタピラ31,40が周回駆動され、
これに接触する上下の平ベルト34,43が互いに接触した
状態で周回駆動される。なお、キャタピラ31,40の周回
速度は心材の送り速度と同調する周速とされている。し
たがって、送り出しドラム7から送りだされ、ガイドロ
ーラ47,49でガイドされて上下の平ベルト34,43間を移動
する心材2は、この上下に平ベルト34,43で押圧されつ
つ送られる。このため、送り出しドラム7から出線して
いる心材2に振動が発生しても、この上下の平ベルト3
4,43の押圧により振動が抑制される。
また、押し出し成形機10で心材2の回りにスペーサ層
3を形成した後は、冷却水槽11を通り、次いでピッチ測
定装置12でスペーサ層3のら旋溝4の周方向のピッチが
測定され、この測定値が押し出し成形機10にフィードバ
ックされ、フィードバックされたピッチ測定値に応じて
押し出し成形機10の制御、つまり、ら旋溝4を形成する
ための金型の回転動作の制御が行われるが、ピッチ測定
装置12を通過するスペーサ1の振動がないので、ら旋溝
のピッチ測定を正確に行うことができ、押し出し成形機
10で正確なピッチのら旋溝を形成することができる。
なお、実施例の振動防止装置は、上下の平ベルトによ
り心材を押圧する構造であるが、これに限定されるもの
ではなく、平行な2本のロール(ゴムロールが好まし
い)で心材を挟みつける構造を始め、種々考えられる。
要するに、心材の振動を抑制することができるものであ
り、かつ、送り出しドラムと押し出し成形機との間に設
置されたものであればよい。
[発明の効果] 本発明は上記の通り構成されているので、次のような
効果を奏する。
心材送り出しドラムから送り出された心材が押し出し
成形機に入る前に振動防止手段により振動を防止される
構成であるから、押し出し成形機における心材の振動は
なく、心材の回りに精度よい寸法形状の合成樹脂スペー
サ層を形成することができ、精度よい形状寸法のスペー
サが得られる。
また、心材が振動しないため、ピッチ測定装置におけ
るピッチ測定値の精度も向上し、このピッチ測定値をフ
ィードバックして制御する押し出し成形機において、正
確なピッチのら旋溝を持つスペーサ層が形成される。
上記のように心材の振動の問題が解決されるから、送
り出しドラムを離す必要がなくなり、省スペース化が図
られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の光ファイバケーブル用スペ
ーサ製造装置の概略構成を示す平面図、第2図は同側面
図、第3図は第1図、第2図における振動防止装置の詳
細を示す側面図、第4図は同正面図、第5図は光ファイ
バケーブル用スペーサの一例を断面とともに示す斜視
図、第6図は従来の光ファイバケーブル用スペーサ製造
装置の概略構成を示す平面図、第7図は従来装置におけ
る問題点についての説明図である。 1……光ファイバケーブル用スペーサ(スペーサ)、2
……心材、3……合成樹脂スペーサ層、4……ら旋溝、
7……送り出しドラム、10……押し出し成形機、12……
ピッチ測定装置、20……振動防止装置、23……ガイドポ
スト、26,27……スライド部材、30,39……スプロケッ
ト、31,40……キャタピラ、33,41……プーリ、34,43…
…平ベルト。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−303408(JP,A) 特開 昭62−115110(JP,A) 特開 昭60−260012(JP,A) 特開 昭60−111211(JP,A) 特開 昭60−247608(JP,A) 実開 昭61−68216(JP,U) 実開 昭49−47877(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 6/44 391

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】心材送り出しドラムに巻かれた心材を送り
    駆動装置の駆動により連続的に送り出しながら,この心
    材の回りに前記送り駆動装置より上流側に配置された押
    し出し成形機により光ファイバを収容するら旋溝を持つ
    合成樹脂スペーサ層を形成する光ファイバケーブル用ス
    ペーサ製造装置において, 前記心材送り出しドラムと前記押し出し成形機との間
    に,心材送り出しドラムから送り出された心材の振動を
    防止するための、心材の送り速度と同調して周回しつつ
    心材を両側から押圧する1対のエンドレス部材を備えた
    振動防止手段を設けたことを特徴とする光ファイバケー
    ブル用スペーサ製造装置。
  2. 【請求項2】前記エンドレス部材が,キャタピラの外周
    にベルトを配置して構成されたことを特徴とする請求項
    2記載の光ファイバケーブル用スペーサ製造装置。
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