JP2826384B2 - タービン動翼の保護装置 - Google Patents
タービン動翼の保護装置Info
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- JP2826384B2 JP2826384B2 JP2346591A JP2346591A JP2826384B2 JP 2826384 B2 JP2826384 B2 JP 2826384B2 JP 2346591 A JP2346591 A JP 2346591A JP 2346591 A JP2346591 A JP 2346591A JP 2826384 B2 JP2826384 B2 JP 2826384B2
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Description
【0001】〔発明の目的〕
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、蒸気タービン低圧部に
おけるタービン動翼の保護装置に係り、特に蒸気が乾き
状態と湿り状態とを繰り返すことによる腐食成分の堆積
および濃縮を防止するタービン動翼の保護装置に関す
る。
おけるタービン動翼の保護装置に係り、特に蒸気が乾き
状態と湿り状態とを繰り返すことによる腐食成分の堆積
および濃縮を防止するタービン動翼の保護装置に関す
る。
【0003】
【従来の技術】一般に、大容量蒸気タービンは使用蒸気
条件により高圧タービン、中圧タービンおよび低圧ター
ビンとに区別される。通常高圧タービンは、ボイラにて
発生した高温・高圧蒸気が供給され、中圧タービンは、
高圧タービンにて仕事をした蒸気を再びボイラに戻して
再熱し高温化した蒸気を供給し、さらに低圧タービンに
は、中圧タービンにて仕事をした蒸気が供給される構成
となっている。
条件により高圧タービン、中圧タービンおよび低圧ター
ビンとに区別される。通常高圧タービンは、ボイラにて
発生した高温・高圧蒸気が供給され、中圧タービンは、
高圧タービンにて仕事をした蒸気を再びボイラに戻して
再熱し高温化した蒸気を供給し、さらに低圧タービンに
は、中圧タービンにて仕事をした蒸気が供給される構成
となっている。
【0004】また、産業用タービンには、ボイラにて発
生した高温・高圧蒸気を再熱せず低圧タービンの排気圧
力まで膨脹させる復水タービンが多く利用されている。
生した高温・高圧蒸気を再熱せず低圧タービンの排気圧
力まで膨脹させる復水タービンが多く利用されている。
【0005】蒸気の状態としては、高温・高圧状態から
低圧タービンの排気圧力まで膨脹し、最終的には復水器
にて凝縮されて水に戻され、高圧ポンプにてボイラに戻
され高温・高圧蒸気となって再び蒸気タービンに供給さ
れる。
低圧タービンの排気圧力まで膨脹し、最終的には復水器
にて凝縮されて水に戻され、高圧ポンプにてボイラに戻
され高温・高圧蒸気となって再び蒸気タービンに供給さ
れる。
【0006】この種の蒸気タービンのサイクルとして
は、図8に示すような構成のものが知られている。ボイ
ラ1にて発生した蒸気は、高圧タービン2に流入して仕
事をする。高圧タービン2で仕事をした蒸気は、一旦ボ
イラ1に戻って再熱されて中圧タービン3に流入して、
仕事をした後、中圧タービン3の出口部に設置される蒸
気連絡管5を通じて低圧タービン4に案内される。低圧
タービン4で仕事をし、膨脹した蒸気は復水器6で凝縮
されて復水となる。この復水は給水・復水系統7を介し
てボイラ1に戻される。
は、図8に示すような構成のものが知られている。ボイ
ラ1にて発生した蒸気は、高圧タービン2に流入して仕
事をする。高圧タービン2で仕事をした蒸気は、一旦ボ
イラ1に戻って再熱されて中圧タービン3に流入して、
仕事をした後、中圧タービン3の出口部に設置される蒸
気連絡管5を通じて低圧タービン4に案内される。低圧
タービン4で仕事をし、膨脹した蒸気は復水器6で凝縮
されて復水となる。この復水は給水・復水系統7を介し
てボイラ1に戻される。
【0007】一方、蒸気タービンの構造としては、高温
・高圧蒸気に晒されることから、各タービン共に、図9
に示す如く二重ケーシング構造の外部ケーシング10と
内部ケーシング11とから構成され、さらに蒸気のエネ
ルギを回転エネルギに変換するために、各タービン段落
12には複数枚のノズルダイアフラム13と動翼14と
を備えている。
・高圧蒸気に晒されることから、各タービン共に、図9
に示す如く二重ケーシング構造の外部ケーシング10と
内部ケーシング11とから構成され、さらに蒸気のエネ
ルギを回転エネルギに変換するために、各タービン段落
12には複数枚のノズルダイアフラム13と動翼14と
を備えている。
【0008】また、蒸気タービン内を通過する蒸気は、
膨脹を繰り返して下流側へ流れるため、蒸気の比体積は
次第に増加する。そのため、蒸気の通過面積を確保する
ためにノズル、動翼の長さを増加する必要があり、蒸気
タービンの容積としては、高圧部から中圧、低圧部側に
行くに連れて大きくなる。このため低圧部の動翼長さは
長く、その固有振動数は低くなり、必然的にそのための
制振構造(例えば、動翼先端や中央部の翼連結構造)が
必要になり、動翼にはそれの取付の孔が必要になってい
る。
膨脹を繰り返して下流側へ流れるため、蒸気の比体積は
次第に増加する。そのため、蒸気の通過面積を確保する
ためにノズル、動翼の長さを増加する必要があり、蒸気
タービンの容積としては、高圧部から中圧、低圧部側に
行くに連れて大きくなる。このため低圧部の動翼長さは
長く、その固有振動数は低くなり、必然的にそのための
制振構造(例えば、動翼先端や中央部の翼連結構造)が
必要になり、動翼にはそれの取付の孔が必要になってい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】低圧タービンは、比較
的圧力の低い蒸気の下で使用され、また、ほぼ真空に近
い圧力まで蒸気が膨脹するため比体積が大きくなるた
め、ノズル、動翼の長さが増加し低圧ケーシングの容積
は高圧および中圧ケーシングに比べてかなり大形化とな
っている。
的圧力の低い蒸気の下で使用され、また、ほぼ真空に近
い圧力まで蒸気が膨脹するため比体積が大きくなるた
め、ノズル、動翼の長さが増加し低圧ケーシングの容積
は高圧および中圧ケーシングに比べてかなり大形化とな
っている。
【0010】一方、低圧タービン内部の蒸気状態は、タ
ービンの出口にて真空の圧力となるため、低圧タービン
では、途中にて必ず乾き蒸気と湿り蒸気の境となってい
る飽和線Aを通過するタービン段落が存在し、さらに定
格負荷から最低負荷までの全運転範囲を推移する過程に
おいて、飽和線Aと交差するかあるいは飽和線Aに非常
に近付く場合が在り得る。
ービンの出口にて真空の圧力となるため、低圧タービン
では、途中にて必ず乾き蒸気と湿り蒸気の境となってい
る飽和線Aを通過するタービン段落が存在し、さらに定
格負荷から最低負荷までの全運転範囲を推移する過程に
おいて、飽和線Aと交差するかあるいは飽和線Aに非常
に近付く場合が在り得る。
【0011】すなわち、蒸気タービンは、運転負荷に応
じて膨脹状態が異なり、高負荷から低負荷に移行する
と、図10に示す如くi−s線図の膨脹線“B”から膨
脹線“C”に膨脹状態が変化する。この場合、図10に
示す如くあるタービン段落では特定の低負荷にて飽和線
Aを通り、それまで水分を含んだ湿り蒸気域にあったも
のが過熱蒸気域に突入する。このように、蒸気状態から
運転状態によって変化し過熱、湿り両者の状態になるこ
とを、乾燥交番状態になるということは知られている。
なお、符号Dは等圧線である。
じて膨脹状態が異なり、高負荷から低負荷に移行する
と、図10に示す如くi−s線図の膨脹線“B”から膨
脹線“C”に膨脹状態が変化する。この場合、図10に
示す如くあるタービン段落では特定の低負荷にて飽和線
Aを通り、それまで水分を含んだ湿り蒸気域にあったも
のが過熱蒸気域に突入する。このように、蒸気状態から
運転状態によって変化し過熱、湿り両者の状態になるこ
とを、乾燥交番状態になるということは知られている。
なお、符号Dは等圧線である。
【0012】ところで、蒸気タービン内を流れる蒸気中
には、微量ではあるが腐食性物質が存在しており、特に
蒸気タービン部品に対して材料の疲労強度を低下させる
腐食成分として、海水系より混入するNaClが最も有
害であり、蒸気中に存在する場合は、乾き状態と湿り状
態が繰り返される部位にて、この腐食成分は堆積、濃縮
し易い状況にあることが知られている。
には、微量ではあるが腐食性物質が存在しており、特に
蒸気タービン部品に対して材料の疲労強度を低下させる
腐食成分として、海水系より混入するNaClが最も有
害であり、蒸気中に存在する場合は、乾き状態と湿り状
態が繰り返される部位にて、この腐食成分は堆積、濃縮
し易い状況にあることが知られている。
【0013】腐食成分の堆積によってタービン部品に局
部的な孔食を生じせしめ、腐食雰囲気にて材料の疲労強
度を低下させる懸念がある。
部的な孔食を生じせしめ、腐食雰囲気にて材料の疲労強
度を低下させる懸念がある。
【0014】特に、高い遠心力による応力や振動応力が
作用する動翼については制振構造結合部に損傷が多く発
生していることは内外の諸文献に報告されている通りで
あり、通常、蒸気タービンプラントには海水リークを検
知する機能と復水中に含まれる塩素を取り除く装置が設
けられており、これらの装置によってプラント系統内に
存在する腐食成分はある程度除去されるようになってお
り、タービン内の蒸気状態が乾きあるいは湿り状態にて
一定であれば腐食成分の堆積および濃縮は起こりにく
く、材料の疲労強度が低下する等の不具合は生じない。
作用する動翼については制振構造結合部に損傷が多く発
生していることは内外の諸文献に報告されている通りで
あり、通常、蒸気タービンプラントには海水リークを検
知する機能と復水中に含まれる塩素を取り除く装置が設
けられており、これらの装置によってプラント系統内に
存在する腐食成分はある程度除去されるようになってお
り、タービン内の蒸気状態が乾きあるいは湿り状態にて
一定であれば腐食成分の堆積および濃縮は起こりにく
く、材料の疲労強度が低下する等の不具合は生じない。
【0015】そのため、蒸気タービンの運転中に乾き状
態と湿り状態が繰り返し存在するか否かが最も重要とな
るが、運転中に蒸気状態を正確に把握することが非常に
困難であるために、これまでは低圧タービンの入口蒸気
状態と出口蒸気状態から膨脹線を推定して各段の蒸気状
態を求めているため正確さに欠けるところがあり、蒸気
温度が変化した場合には各段の蒸気条件も変化し、これ
まで湿り状態であったものが乾き状態になることも十分
に考えられる。
態と湿り状態が繰り返し存在するか否かが最も重要とな
るが、運転中に蒸気状態を正確に把握することが非常に
困難であるために、これまでは低圧タービンの入口蒸気
状態と出口蒸気状態から膨脹線を推定して各段の蒸気状
態を求めているため正確さに欠けるところがあり、蒸気
温度が変化した場合には各段の蒸気条件も変化し、これ
まで湿り状態であったものが乾き状態になることも十分
に考えられる。
【0016】このように、蒸気タービンの運転中に低圧
タービンのあるタービン段落において湿り状態と乾き状
態が繰り返して存在する部分がある場合には、蒸気中の
腐食成分が濃縮し堆積する可能性があり、これが長時間
に亘る場合には蒸気タービン部品に腐食を引き起こし、
さらに材料の強度を低下せしめ動翼に損傷を引き起こす
ことも考えられる。
タービンのあるタービン段落において湿り状態と乾き状
態が繰り返して存在する部分がある場合には、蒸気中の
腐食成分が濃縮し堆積する可能性があり、これが長時間
に亘る場合には蒸気タービン部品に腐食を引き起こし、
さらに材料の強度を低下せしめ動翼に損傷を引き起こす
ことも考えられる。
【0017】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、蒸気タービンの運転中に、乾き状態と湿り状
態とが繰り返し発生するおそれがあるタービン段落にお
いて、動翼表面を常に湿り状態に保持することができる
タービン動翼の保護装置を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
たもので、蒸気タービンの運転中に、乾き状態と湿り状
態とが繰り返し発生するおそれがあるタービン段落にお
いて、動翼表面を常に湿り状態に保持することができる
タービン動翼の保護装置を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係るタービン動
翼の保護装置は、上述した課題を解決するために低圧タ
ービンの段落群の中で、乾き状態と湿り状態との境界付
近の蒸気状態を呈するタービン段落の静止部側に設置さ
れ、蒸気の圧力および温度に基づき、蒸気が湿り状態か
ら乾き状態に変化するのを検知する蒸気状態検知手段
と、この蒸気状態検知手段からの信号により、前記ター
ビン段落のノズルダイアフラムに外部から冷却水を導入
し、蒸気通路部のノズルを冷却して後続の動翼表面に水
膜を発生させて湿り状態を維持する冷却水供給手段とを
具備するものである。
翼の保護装置は、上述した課題を解決するために低圧タ
ービンの段落群の中で、乾き状態と湿り状態との境界付
近の蒸気状態を呈するタービン段落の静止部側に設置さ
れ、蒸気の圧力および温度に基づき、蒸気が湿り状態か
ら乾き状態に変化するのを検知する蒸気状態検知手段
と、この蒸気状態検知手段からの信号により、前記ター
ビン段落のノズルダイアフラムに外部から冷却水を導入
し、蒸気通路部のノズルを冷却して後続の動翼表面に水
膜を発生させて湿り状態を維持する冷却水供給手段とを
具備するものである。
【0019】
【作用】本発明に係るタービン動翼の保護装置において
は、蒸気が湿り状態から乾き状態に変化するのが検知さ
れると、ノズルダイアフラムに外部から冷却水が導入さ
れる。導入された冷却水により蒸気通路部のノズルを冷
却して後続の動翼表面に水膜を発生させて、湿り状態を
維持するようになっている。
は、蒸気が湿り状態から乾き状態に変化するのが検知さ
れると、ノズルダイアフラムに外部から冷却水が導入さ
れる。導入された冷却水により蒸気通路部のノズルを冷
却して後続の動翼表面に水膜を発生させて、湿り状態を
維持するようになっている。
【0020】具体的な第1の方式は、冷却水の導入によ
り蒸気通路分のノズルを冷却するものである。これによ
り、ノズル壁面の蒸気も冷却されて壁面に水滴が発生す
る。そして、この水分により、動翼表面に水膜が発生す
る。
り蒸気通路分のノズルを冷却するものである。これによ
り、ノズル壁面の蒸気も冷却されて壁面に水滴が発生す
る。そして、この水分により、動翼表面に水膜が発生す
る。
【0021】また、第2の方式は、導入した冷却水を、
蒸気通路分のノズルから、スリットあるいはスプレーノ
ズルを介して噴出させるものである。これにより、後続
の動翼表面に水膜が発生し、湿り状態と乾き状態とが繰
り返されることがなくなる。
蒸気通路分のノズルから、スリットあるいはスプレーノ
ズルを介して噴出させるものである。これにより、後続
の動翼表面に水膜が発生し、湿り状態と乾き状態とが繰
り返されることがなくなる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図1ないし第4
を参照して説明する。
を参照して説明する。
【0023】図1は、本発明に係るタービン動翼の保護
装置の一例を示すもので、この保護装置は、低圧タービ
ン4を構成するタービン段落群の中で、飽和線近辺の蒸
気状態を示すタービン段落20に設けられるようになっ
ている。
装置の一例を示すもので、この保護装置は、低圧タービ
ン4を構成するタービン段落群の中で、飽和線近辺の蒸
気状態を示すタービン段落20に設けられるようになっ
ている。
【0024】すなわち、このタービン段落20を構成す
る静止部側のノズルダイアフラム21には、図1に示す
ように、蒸気タービン運転中の内部蒸気状態を常時監視
する圧力・温度計測装置23が設けられており、この圧
力・温度計測装置23は、図2に示すように、例えば蒸
気圧力を検知する圧力計24と、蒸気温度を検知する温
度計25とから構成され、このノズルダイアフラム21
部分の圧力、温度から、タービン運転中の実際の蒸気状
態が乾きか湿りかを判断するようになっている。
る静止部側のノズルダイアフラム21には、図1に示す
ように、蒸気タービン運転中の内部蒸気状態を常時監視
する圧力・温度計測装置23が設けられており、この圧
力・温度計測装置23は、図2に示すように、例えば蒸
気圧力を検知する圧力計24と、蒸気温度を検知する温
度計25とから構成され、このノズルダイアフラム21
部分の圧力、温度から、タービン運転中の実際の蒸気状
態が乾きか湿りかを判断するようになっている。
【0025】具体的には、計測された蒸気圧力の飽和温
度を求め、計測された蒸気温度がその飽和温度以上であ
れば過熱域と判断すると共に、飽和温度であれば湿り域
と判断するようになっている。
度を求め、計測された蒸気温度がその飽和温度以上であ
れば過熱域と判断すると共に、飽和温度であれば湿り域
と判断するようになっている。
【0026】一方、前記圧力・温度計測装置23が設け
られたノズルダイアフラム21の上流側のノズルダイア
フラム21には、図1に示すように、調整弁26を介し
てスプレー水27が導入されるようになっており、導入
されたスプレー水27は、図3および図4に示すよう
に、ノズル28に設けたスリット29から水滴30とし
て噴出し、後続の動翼31表面を湿らせるようになって
いる。
られたノズルダイアフラム21の上流側のノズルダイア
フラム21には、図1に示すように、調整弁26を介し
てスプレー水27が導入されるようになっており、導入
されたスプレー水27は、図3および図4に示すよう
に、ノズル28に設けたスリット29から水滴30とし
て噴出し、後続の動翼31表面を湿らせるようになって
いる。
【0027】前記スリット29は動翼31の有効長の例
えば1/2程度に設定されており、これにより、動翼3
1の連結構造部の接合孔に水滴30が当たって、動翼3
1の表面に水膜が発生、保持されるようになっいてる。
また、スプレー水55は、復水器から復水脱塩装置を通
した後の復水が用いられるようになっており、このスプ
レー水27の作動条件は、後述する湿り度演算装置33
からの信号によって調整弁26を制御することにより行
なわれるようなっている。
えば1/2程度に設定されており、これにより、動翼3
1の連結構造部の接合孔に水滴30が当たって、動翼3
1の表面に水膜が発生、保持されるようになっいてる。
また、スプレー水55は、復水器から復水脱塩装置を通
した後の復水が用いられるようになっており、このスプ
レー水27の作動条件は、後述する湿り度演算装置33
からの信号によって調整弁26を制御することにより行
なわれるようなっている。
【0028】すなわち、前記湿り度演算装置33は、図
1に示すように、圧力・温度計測装置23で検知した蒸
気状態の信号を、蒸気の湿り度に換算するようになって
おり、その値が0.5%以下となった時点で、調節弁2
6を開くと共に、1%以上の湿り度になった時点で、調
節弁26を閉じるようになっている。
1に示すように、圧力・温度計測装置23で検知した蒸
気状態の信号を、蒸気の湿り度に換算するようになって
おり、その値が0.5%以下となった時点で、調節弁2
6を開くと共に、1%以上の湿り度になった時点で、調
節弁26を閉じるようになっている。
【0029】次に、本実施例の作用について説明する。
【0030】蒸気タービン内部の蒸気状態は、タービン
段落20を構成しているノズルと羽根とによって決定さ
れ、このノズル、羽根のプロフィールおよび通過面積
は、計画の蒸気条件が基になって決定されている。した
がって、蒸気タービン内部の蒸気状態としては、ほぼ計
画の膨脹線上を推移することになり、ある程度の蒸気状
態の推定は可能であるが、正確に把握することはできな
い。また、長時間の運転では、入口および出口の蒸気状
態が変化することが考えられ、この場合には、当然のこ
とながら中間のタービン段落の蒸気状態も変化すること
になり、計画の蒸気状態から逸脱する。このため、蒸気
タービン内部の蒸気状態を直接検知することにより、蒸
気タービン運転中のタービン段落蒸気状態を判定するこ
とが必要になってくる。
段落20を構成しているノズルと羽根とによって決定さ
れ、このノズル、羽根のプロフィールおよび通過面積
は、計画の蒸気条件が基になって決定されている。した
がって、蒸気タービン内部の蒸気状態としては、ほぼ計
画の膨脹線上を推移することになり、ある程度の蒸気状
態の推定は可能であるが、正確に把握することはできな
い。また、長時間の運転では、入口および出口の蒸気状
態が変化することが考えられ、この場合には、当然のこ
とながら中間のタービン段落の蒸気状態も変化すること
になり、計画の蒸気状態から逸脱する。このため、蒸気
タービン内部の蒸気状態を直接検知することにより、蒸
気タービン運転中のタービン段落蒸気状態を判定するこ
とが必要になってくる。
【0031】ところで、蒸気タービンの運転は、図10
に示すように、通常負荷が低くなると、湿り域であった
タービン段落が乾き域に変化する。しかし、この蒸気タ
ービンは、湿り域にあった段落を、負荷変化によっても
乾き域とせず、湿り域のままの状態を維持するようにな
っている。しかも、タービン内部部品の健全性を維持す
るためには、金属表面の状態が湿っていれば足りる。
に示すように、通常負荷が低くなると、湿り域であった
タービン段落が乾き域に変化する。しかし、この蒸気タ
ービンは、湿り域にあった段落を、負荷変化によっても
乾き域とせず、湿り域のままの状態を維持するようにな
っている。しかも、タービン内部部品の健全性を維持す
るためには、金属表面の状態が湿っていれば足りる。
【0032】そこで本実施例では、飽和線近辺の蒸気状
態を示す段落のノズルダイアフラム21に、圧力・温度
計測装置23を設置し、蒸気タービン運転中の内部蒸気
状態を常時監視するようにしている。具体的には、計測
された蒸気圧力の飽和温度が求められ、計測された蒸気
温度が、その飽和温度以上であれば過熱域、飽和温度で
あれば湿り域と判断される。そして、この結果は、湿り
度演算装置33に入力される。
態を示す段落のノズルダイアフラム21に、圧力・温度
計測装置23を設置し、蒸気タービン運転中の内部蒸気
状態を常時監視するようにしている。具体的には、計測
された蒸気圧力の飽和温度が求められ、計測された蒸気
温度が、その飽和温度以上であれば過熱域、飽和温度で
あれば湿り域と判断される。そして、この結果は、湿り
度演算装置33に入力される。
【0033】湿り度演算装置33は、この入力信号を蒸
気の湿り度に換算し、その値が0.5%以下になった時
点で、調整弁26を開制御すると共に、1%以上の湿り
度になった時点で、調整弁26を閉制御する。
気の湿り度に換算し、その値が0.5%以下になった時
点で、調整弁26を開制御すると共に、1%以上の湿り
度になった時点で、調整弁26を閉制御する。
【0034】調整弁26が開制御されると、スプレー水
27がノズルダイアフラム21に導入され、そのノズル
28に設けたスリット29から、水滴27として噴出
し、蒸気流に混合されて下流側に流れ、後続の動翼31
の表面がこの水滴30によって湿らされて、表面に水膜
が形成される。
27がノズルダイアフラム21に導入され、そのノズル
28に設けたスリット29から、水滴27として噴出
し、蒸気流に混合されて下流側に流れ、後続の動翼31
の表面がこの水滴30によって湿らされて、表面に水膜
が形成される。
【0035】従来、蒸気タービンの運転中に一部のター
ビン段落において、乾き状態になるおそれが生じた場合
の対処方法としては、蒸気タービンの特性として入口の
蒸気圧力を上昇させる処置、すなわち蒸気タービンの負
荷を増加させるか、あるいは入口の蒸気温度を下げる処
置を採ることが考えられているが、前者は運用性に対し
て柔軟性がなく、また後者については、蒸気温度を下げ
るため効率が低下するという問題がある。
ビン段落において、乾き状態になるおそれが生じた場合
の対処方法としては、蒸気タービンの特性として入口の
蒸気圧力を上昇させる処置、すなわち蒸気タービンの負
荷を増加させるか、あるいは入口の蒸気温度を下げる処
置を採ることが考えられているが、前者は運用性に対し
て柔軟性がなく、また後者については、蒸気温度を下げ
るため効率が低下するという問題がある。
【0036】これに対して、本実施例では、効率低下を
最小限に抑えて、蒸気状態を確実に制御することができ
る。
最小限に抑えて、蒸気状態を確実に制御することができ
る。
【0037】なお、第1実施例では、ノズルダイアフラ
ム21のノズル28にスリット29を設ける場合につい
て説明したが、スリット29に代えてスプレーノズルを
設けるようにしてもよい。
ム21のノズル28にスリット29を設ける場合につい
て説明したが、スリット29に代えてスプレーノズルを
設けるようにしてもよい。
【0038】図5および図6は、本発明の第2実施例を
示すもので、第1実施例におけるスリット29を省略
し、スプレー水27を、ノズル28の冷却水として利用
するようにしたものである。
示すもので、第1実施例におけるスリット29を省略
し、スプレー水27を、ノズル28の冷却水として利用
するようにしたものである。
【0039】すなわち、スプレー水27は図5に示すよ
うに、ノズルダイアフラム21に冷却水として導入され
るうになっており、これによりノズル28が冷却される
と共に、その壁面の蒸気も冷却され、図5および図6に
示すように、ノズル28の壁面に水滴30が発生するよ
うになっている。そしてこの水滴30は、蒸気流に混合
されて下流側に流れ、後続の動翼31の表面を湿らせて
表面に水膜を発生させるようになっている。また、冷却
に用いられたスプレー水27はタービンケーシング外に
管を用いて導出され、タンクから復水器に排出されて蒸
気タービンサイクル系統に回収されるようになってい
る。
うに、ノズルダイアフラム21に冷却水として導入され
るうになっており、これによりノズル28が冷却される
と共に、その壁面の蒸気も冷却され、図5および図6に
示すように、ノズル28の壁面に水滴30が発生するよ
うになっている。そしてこの水滴30は、蒸気流に混合
されて下流側に流れ、後続の動翼31の表面を湿らせて
表面に水膜を発生させるようになっている。また、冷却
に用いられたスプレー水27はタービンケーシング外に
管を用いて導出され、タンクから復水器に排出されて蒸
気タービンサイクル系統に回収されるようになってい
る。
【0040】なお、その他の点については、前記第1実
施例と同一構成となっており、作用も同一である。
施例と同一構成となっており、作用も同一である。
【0041】しかして、スプレー水27をノズル28の
冷却水として用いても、動翼31の表面が湿り状態に維
持され、前記第1実施例と同様の効果が期待できる。
冷却水として用いても、動翼31の表面が湿り状態に維
持され、前記第1実施例と同様の効果が期待できる。
【0042】ところで、前記両実施例では、動翼31の
表面を湿り状態に維持する場合について説明したが、乾
き域で運転されていたタービン段落20が湿り域に入る
場合には、動翼31の表面を乾き状態に維持する必要が
ある。
表面を湿り状態に維持する場合について説明したが、乾
き域で運転されていたタービン段落20が湿り域に入る
場合には、動翼31の表面を乾き状態に維持する必要が
ある。
【0043】図7は、このような場合に適用される本発
明の第3実施例を示すもので、ノズル28にスリット2
9を設けたノズルダイアフラム21に、高圧タービン段
落から、調整弁26を介し過熱蒸気35を導入するよう
にしたものである。
明の第3実施例を示すもので、ノズル28にスリット2
9を設けたノズルダイアフラム21に、高圧タービン段
落から、調整弁26を介し過熱蒸気35を導入するよう
にしたものである。
【0044】すなわち、ノズルダイアフラム21には、
図7に示すように、高圧タービン段落20からの過熱蒸
気35が、調整弁26介して導入されるようになってお
り、この過熱蒸気35により、ノズル28の壁面が過熱
されると共に、乾き蒸気36がスリット29から動翼3
1の入口に噴射され、後続の動翼31の表面が乾き状態
に維持されるようになっている。
図7に示すように、高圧タービン段落20からの過熱蒸
気35が、調整弁26介して導入されるようになってお
り、この過熱蒸気35により、ノズル28の壁面が過熱
されると共に、乾き蒸気36がスリット29から動翼3
1の入口に噴射され、後続の動翼31の表面が乾き状態
に維持されるようになっている。
【0045】なお、その他の点については、前記第1実
施例と同一構成になっており、作用も、湿り状態か乾き
状態かの点を除き同一である。
施例と同一構成になっており、作用も、湿り状態か乾き
状態かの点を除き同一である。
【0046】しかして、動翼35の表面を常に乾き状態
に維持することができる。
に維持することができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、タ
ービン内部の蒸気状態を直接検知し、これに基づいて蒸
気状態を調整しているので、全運転範囲において、動翼
表面を常に湿り状態にしておくことができる。このた
め、蒸気中の存在する腐食成分の堆積、濃縮現象が防止
され、タービン部品の材料強度の低下および損傷の発生
を未然に防止することができる。
ービン内部の蒸気状態を直接検知し、これに基づいて蒸
気状態を調整しているので、全運転範囲において、動翼
表面を常に湿り状態にしておくことができる。このた
め、蒸気中の存在する腐食成分の堆積、濃縮現象が防止
され、タービン部品の材料強度の低下および損傷の発生
を未然に防止することができる。
【図1】本発明に係るタービン動翼の保護装置の第1実
施例を示す全体構成図。
施例を示す全体構成図。
【図2】圧力・温度計測装置の具体例を示す説明図。
【図3】前記第1実施例の作用を示す説明図。
【図4】図3のスリットから噴出する水滴と動翼との関
係を示す説明図。
係を示す説明図。
【図5】本発明のタービン動翼の保護装置の第2実施例
を示す図3相当図。
を示す図3相当図。
【図6】図5のノズル壁面で発生した水滴と動翼との関
係を示す説明図。
係を示す説明図。
【図7】本発明の第3実施例を示す図3相当図。
【図8】蒸気タービンの全体構成を示す説明図。
【図9】蒸気タービンの内部構造を示す断面図。
【図10】蒸気タービンの内部蒸気の膨脹状態を示す蒸
気膨脹線図。
気膨脹線図。
4 低圧タービン 20 タービン段落 21 ノズルダイアフラム 23 圧力・温度計測装置 26 調整弁 27 スプレー水 28 ノズル 29 スリット 30 水滴 31 動翼 33 湿り度演算装置 35 過熱蒸気 36 乾き蒸気
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01D 5/28 F01D 9/02 F01D 17/20 F01D 21/14
Claims (1)
- 【請求項1】 低圧タービンの段落群の中で、乾き状態
と湿り状態との境界付近の蒸気状態を呈するタービン段
落の静止部側に設置され、蒸気の圧力および温度に基づ
き、蒸気が湿り状態から乾き状態に変化するのを検知す
る蒸気状態検知手段と、この蒸気状態検知手段からの信
号により、前記タービン段落のノズルダイアフラムに外
部から冷却水を導入し、蒸気通路部のノズルを冷却して
後続の動翼表面に水膜を発生させて湿り状態を維持する
冷却水供給手段とを具備することを特徴とするタービン
動翼の保護装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2346591A JP2826384B2 (ja) | 1991-02-18 | 1991-02-18 | タービン動翼の保護装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2346591A JP2826384B2 (ja) | 1991-02-18 | 1991-02-18 | タービン動翼の保護装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04262001A JPH04262001A (ja) | 1992-09-17 |
JP2826384B2 true JP2826384B2 (ja) | 1998-11-18 |
Family
ID=12111276
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2346591A Expired - Lifetime JP2826384B2 (ja) | 1991-02-18 | 1991-02-18 | タービン動翼の保護装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2826384B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5329942B2 (ja) * | 2008-12-25 | 2013-10-30 | 株式会社東芝 | 蒸気タービン |
JP6005567B2 (ja) * | 2013-03-21 | 2016-10-12 | 株式会社東芝 | 蒸気タービン |
CN108204256B (zh) * | 2018-03-21 | 2023-09-15 | 张黎明 | 一种消除鼓风损失实现低压缸零进汽的系统及其工作方法 |
JP7471372B1 (ja) * | 2022-10-26 | 2024-04-19 | 三菱重工業株式会社 | 蒸気タービン |
-
1991
- 1991-02-18 JP JP2346591A patent/JP2826384B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04262001A (ja) | 1992-09-17 |
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