JP2825888B2 - 低融点金属用耐火組成物 - Google Patents
低融点金属用耐火組成物Info
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- JP2825888B2 JP2825888B2 JP1322920A JP32292089A JP2825888B2 JP 2825888 B2 JP2825888 B2 JP 2825888B2 JP 1322920 A JP1322920 A JP 1322920A JP 32292089 A JP32292089 A JP 32292089A JP 2825888 B2 JP2825888 B2 JP 2825888B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アルミニウム(融点660.4℃)、亜鉛(融
点419.6℃)、マグネシウム(融点651.0℃)等、融点が
800℃程度以下の単体金属及びその合金類のような低融
点金属の溶湯と直接接触する溶解炉,保持炉,取鍋,樋
等の内張りとして使用される耐火物の組成に関する。
点419.6℃)、マグネシウム(融点651.0℃)等、融点が
800℃程度以下の単体金属及びその合金類のような低融
点金属の溶湯と直接接触する溶解炉,保持炉,取鍋,樋
等の内張りとして使用される耐火物の組成に関する。
低融点金属溶湯は、一般に耐火物組組織中に浸透し易
く、極めて強い還元力を有する。耐火物内部では、シリ
カの還元(金属化)を生じ、耐火物が脆弱化する。
く、極めて強い還元力を有する。耐火物内部では、シリ
カの還元(金属化)を生じ、耐火物が脆弱化する。
また一方では、溶湯もシリカとの反応で酸化され、ア
ルミナ等の酸化物を生成し、溶湯が汚染されてしまう。
ルミナ等の酸化物を生成し、溶湯が汚染されてしまう。
この現象を防ぐためには、溶湯が耐火物中に浸透しな
い、あるいは耐火物と反応しないことが重要で、一般に
は耐火物を緻密にしたり、溶湯に濡れ難い材質を選択し
ている。たとえば、高圧プレスやラバープレスを用い高
密度にした上に、更に高温焼成によって緻密化したりす
る。このような対策では非常に高価な設備を必要とした
り、生産性が悪かったりする。
い、あるいは耐火物と反応しないことが重要で、一般に
は耐火物を緻密にしたり、溶湯に濡れ難い材質を選択し
ている。たとえば、高圧プレスやラバープレスを用い高
密度にした上に、更に高温焼成によって緻密化したりす
る。このような対策では非常に高価な設備を必要とした
り、生産性が悪かったりする。
また一方では、溶湯に濡れ難い性質を利用した窒化ア
ルミニウムや窒化硼素系の耐火物、あるいはそれらを配
合した炭化珪素系の耐火物が使用されている。このよう
な原料自体非常に高価な合成原料であると同時に、その
製造方法も特殊であり、量産性や価格面で実用性に乏し
い。
ルミニウムや窒化硼素系の耐火物、あるいはそれらを配
合した炭化珪素系の耐火物が使用されている。このよう
な原料自体非常に高価な合成原料であると同時に、その
製造方法も特殊であり、量産性や価格面で実用性に乏し
い。
更には、アルミニウム溶湯に対する濡れ性の改善のた
めにB2O3系ガラス質フリットを添加した耐火物が、米国
特許第2997402号及び第4158568号明細書に開示されてい
るが、フリット類は市販のものはなく、通常は入手しに
くい特殊な原料である。
めにB2O3系ガラス質フリットを添加した耐火物が、米国
特許第2997402号及び第4158568号明細書に開示されてい
るが、フリット類は市販のものはなく、通常は入手しに
くい特殊な原料である。
またBN,B4C,ZrB2、硼酸マグネシウム等、結晶性の硼
素化合物を硼素分として0.1〜8重量%配合した耐火物
が特開昭62−12653号公報に開示されているが、前述の
如くこれらの添加物は原料自体が非常に高価な合成原料
であるという問題がある。
素化合物を硼素分として0.1〜8重量%配合した耐火物
が特開昭62−12653号公報に開示されているが、前述の
如くこれらの添加物は原料自体が非常に高価な合成原料
であるという問題がある。
本発明において解決しようとする課題は、上記低融点
金属の溶解に際して使用される耐火物における問題を解
消することにあって、比較的安価で入手し易い原料を使
用し、且つ特別高価な製造設備を必要とせず、生産性に
優れ、低融点金属溶湯の浸透がなく、溶湯を汚染するこ
とのない耐火物を提供することを目的とする。
金属の溶解に際して使用される耐火物における問題を解
消することにあって、比較的安価で入手し易い原料を使
用し、且つ特別高価な製造設備を必要とせず、生産性に
優れ、低融点金属溶湯の浸透がなく、溶湯を汚染するこ
とのない耐火物を提供することを目的とする。
本発明は、弗素分としての含有量が0.3〜30重量%と
なるように配合した融点が700℃以上の弗素化合物を1
種以上と、タルクを0.5〜50重量%とを配合してなり、
残部がアルミナあるいはマグネシアの何れの耐火原料で
ある低融点金属用耐火組成物である。
なるように配合した融点が700℃以上の弗素化合物を1
種以上と、タルクを0.5〜50重量%とを配合してなり、
残部がアルミナあるいはマグネシアの何れの耐火原料で
ある低融点金属用耐火組成物である。
融点が700℃以上の弗素化合物とは、代表的なものと
して、弗化カルシウム,弗化マグネシウム,弗化アルミ
ニウム,弗化ナトリウム,弗化カリウム等があるが、こ
れらに限定されるわけではなく、それらの混合物,化合
物であってもよいし、純度的にも高純度な方がよいが、
特別な制限はない。
して、弗化カルシウム,弗化マグネシウム,弗化アルミ
ニウム,弗化ナトリウム,弗化カリウム等があるが、こ
れらに限定されるわけではなく、それらの混合物,化合
物であってもよいし、純度的にも高純度な方がよいが、
特別な制限はない。
これらの弗素化合物は、比較的安価で、入手も容易で
ある。たとえは、弗化カルシウムは螢石として天然に多
く産出し、製鉄用融剤等、工業的に大量且つ安価で使用
されているものである。
ある。たとえは、弗化カルシウムは螢石として天然に多
く産出し、製鉄用融剤等、工業的に大量且つ安価で使用
されているものである。
上記弗素分の配合は、耐火性の高い他の耐火骨材、た
とえはアルミナ,マグネシア等と組合わせ、全体的な耐
火性を改善すれば、400〜800℃程度で溶解される低融点
金属用耐火物として使用可能であるという知見に基づい
て完成した。
とえはアルミナ,マグネシア等と組合わせ、全体的な耐
火性を改善すれば、400〜800℃程度で溶解される低融点
金属用耐火物として使用可能であるという知見に基づい
て完成した。
その使用機構等は明らかではないが、弗素化合物及び
タルク共に、微粉域で使用したほうが、その改善効果が
顕著であることからすれば、溶湯と耐火物マトリックス
の濡れ性が改善されることによるものと推定される。
タルク共に、微粉域で使用したほうが、その改善効果が
顕著であることからすれば、溶湯と耐火物マトリックス
の濡れ性が改善されることによるものと推定される。
タルクは0.5〜50重量%配合することによって弗化物
の使用量の低減を図ることができ、耐火性の低下を防ぎ
つつ溶湯に対する濡れ性の改善に有効に作用する。
の使用量の低減を図ることができ、耐火性の低下を防ぎ
つつ溶湯に対する濡れ性の改善に有効に作用する。
このように身近に存在する弗素化合物やタルクが、こ
れまで耐火物に応用された例はほとんどない。それは、
融点が低いために、高温用材料としては不適当とされて
きたからである。
れまで耐火物に応用された例はほとんどない。それは、
融点が低いために、高温用材料としては不適当とされて
きたからである。
本発明の耐火組成物は上記の配合により、低融点金属
溶湯の浸透が無く、また、この溶湯との反応も殆ど無
く、溶湯を汚染することがない。また、安価で入手し易
い原料を使用することができ、特別高価な製造設備を必
要とせず、当耐火物業界で一般的な製造方法により製造
することができる。
溶湯の浸透が無く、また、この溶湯との反応も殆ど無
く、溶湯を汚染することがない。また、安価で入手し易
い原料を使用することができ、特別高価な製造設備を必
要とせず、当耐火物業界で一般的な製造方法により製造
することができる。
高アルミナれんがをベースにした各例を第1表に示
す。
す。
れんがの製造方法は、当耐火物業界では周知であり、
一般的に用いられる一軸のフリクションプレス又は油圧
プレスを用いた成型を行い、乾燥,焼成まで特別な装置
及び工程は含まれていないので、詳細は省略する。
一般的に用いられる一軸のフリクションプレス又は油圧
プレスを用いた成型を行い、乾燥,焼成まで特別な装置
及び工程は含まれていないので、詳細は省略する。
第1表に示された各種のれんがの耐アルミニウム性を
坩堝法によって評価した。すなわち、各れんが材質で10
0×100×65mmの立方体を作成し、その中央部に直径50m
m、深さ40mmの穴を設け(坩堝と呼ぶ)、これに所定量
のアルミニウム合金(JIS−AC7A合金)を入れ、電気炉
で800℃×48時間保持した後、常温まで冷却し、坩堝の
中央部を切断して溶湯による坩堝の侵食状況を観察し
た。
坩堝法によって評価した。すなわち、各れんが材質で10
0×100×65mmの立方体を作成し、その中央部に直径50m
m、深さ40mmの穴を設け(坩堝と呼ぶ)、これに所定量
のアルミニウム合金(JIS−AC7A合金)を入れ、電気炉
で800℃×48時間保持した後、常温まで冷却し、坩堝の
中央部を切断して溶湯による坩堝の侵食状況を観察し
た。
比較例1は、アルミニウム溶解用耐火物として一般的
に使用されている高アルミナれんがである。
に使用されている高アルミナれんがである。
これに対し本発明の実施例1〜5は、適正な範囲で弗
化物とタルクを組み合わせ配合した例であり、いずれも
アルミニウム溶湯の浸透、浸食が少なく、優れた耐食性
を示し、タルクの使用は、地金の付着を大幅に減少させ
ることができ、よりよい効果が得られた。
化物とタルクを組み合わせ配合した例であり、いずれも
アルミニウム溶湯の浸透、浸食が少なく、優れた耐食性
を示し、タルクの使用は、地金の付着を大幅に減少させ
ることができ、よりよい効果が得られた。
比較例2は、弗化物の添加量が不足で、充分な耐アル
ミ性が得られず、比較例3では弗化物の添加量が過剰な
ために、耐アルミ性はよいが、熱間強度の劣化が著し
く、実使用は困難である。比較例4は適正範囲の弗化物
添加にタルクを併用した場合であるが、この場合もタル
クの添加量が過剰なために、同様に満足な結果が得られ
ていない。
ミ性が得られず、比較例3では弗化物の添加量が過剰な
ために、耐アルミ性はよいが、熱間強度の劣化が著し
く、実使用は困難である。比較例4は適正範囲の弗化物
添加にタルクを併用した場合であるが、この場合もタル
クの添加量が過剰なために、同様に満足な結果が得られ
ていない。
以上はアルミニウム合金の溶湯を侵食剤とした例であ
るが、亜鉛合金,マグネシウム合金等他の低融点金属に
おいても同様の効果を確認した。
るが、亜鉛合金,マグネシウム合金等他の低融点金属に
おいても同様の効果を確認した。
〔発明の効果〕 本発明の低融点金属用耐火組成物は以上のような組成
であるから、以下のような効果を奏する。
であるから、以下のような効果を奏する。
低融点金属溶湯の浸透が無く、またこの溶湯との反応
も殆ど無く、溶湯を汚染することのない耐火物を得るこ
とができ、実使用における耐火物への信頼性が向上す
る。
も殆ど無く、溶湯を汚染することのない耐火物を得るこ
とができ、実使用における耐火物への信頼性が向上す
る。
比較的安価で入手し易い原料を使用することができ、
且つ特別高価な製造設備を必要とせず、当耐火物業界で
周知の製造方法、既知の設備の活用により製造できるの
で価格的に安く、生産性が向上する。
且つ特別高価な製造設備を必要とせず、当耐火物業界で
周知の製造方法、既知の設備の活用により製造できるの
で価格的に安く、生産性が向上する。
当耐火物業界で周知の製造方法、例えば成形方法、結
合形態、結合剤の変更により、焼成れんがからキャスタ
ブル耐火物まで各種の耐火物への幅広い応用が可能であ
る。
合形態、結合剤の変更により、焼成れんがからキャスタ
ブル耐火物まで各種の耐火物への幅広い応用が可能であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−132778(JP,A) 特開 平1−192773(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 35/66 - 35/68
Claims (1)
- 【請求項1】弗素分としての含有量が0.3〜30重量%と
なるように配合した融点が700℃以上の弗素化合物を1
種以上と、タルクを0.5〜50重量%とを配合してなり、
残部がアルミナあるいはマグネシアの何れの耐火原料で
ある低融点金属用耐火組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1322920A JP2825888B2 (ja) | 1989-12-12 | 1989-12-12 | 低融点金属用耐火組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1322920A JP2825888B2 (ja) | 1989-12-12 | 1989-12-12 | 低融点金属用耐火組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03183665A JPH03183665A (ja) | 1991-08-09 |
JP2825888B2 true JP2825888B2 (ja) | 1998-11-18 |
Family
ID=18149106
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1322920A Expired - Fee Related JP2825888B2 (ja) | 1989-12-12 | 1989-12-12 | 低融点金属用耐火組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2825888B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5420815B2 (ja) * | 2006-03-27 | 2014-02-19 | ニチアス株式会社 | 低融点金属鋳造装置用耐熱材料 |
JP2007269605A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Nichias Corp | 溶融シリカ質耐火物及びその製造方法 |
-
1989
- 1989-12-12 JP JP1322920A patent/JP2825888B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03183665A (ja) | 1991-08-09 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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R250 | Receipt of annual fees |
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FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
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