JP2823337B2 - 金属帯の巻取方法 - Google Patents

金属帯の巻取方法

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JP2823337B2
JP2823337B2 JP21031990A JP21031990A JP2823337B2 JP 2823337 B2 JP2823337 B2 JP 2823337B2 JP 21031990 A JP21031990 A JP 21031990A JP 21031990 A JP21031990 A JP 21031990A JP 2823337 B2 JP2823337 B2 JP 2823337B2
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敏郎 平石
喜一郎 小木曽
迪雄 渡辺
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川鉄鋼板株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、金属帯、たとえば鋼帯を、巻取機の巻取
リールに装着されるリールスリーブ上に巻取るに際し、
その鋼帯の第2巻目以降の巻締め鋼帯に生ずる,いわゆ
る面折れの発生を有効に防止することができる金属帯の
巻取方法に関するものである。
〔従来の技術〕
金属帯(以下は、鋼帯の例で説明する)を巻取機によ
って巻取る場合、リールスリーブ上に巻取った第1巻目
の鋼帯の先端厚みにより、ときとしてはこれに加えて、
その先端部分の、巻取方向もしくはそれとは逆方向への
反りの影響により、第2巻目以降に巻取る鋼帯が、巻取
り先端鋼帯の厚みの影響を受けて段差を生じ、それがた
め、スリーブの外周面に倣って滑らかに巻回し得ないと
いう、いわゆる面折れが発生することがあった。
一般に、この面折れが自然に解消されるに要する巻数
は、鋼帯の厚みが厚い場合、または、それが冷延鋼帯、
アルミニウム帯などの軟質材料である場合に、とくに多
くが必要であり、それ故に幾巻きもの鋼帯が不良品とな
っていた。
そこで、このような面折れの発生を防止すべく、たと
えば、特開昭56−149939号公報および特開昭62−124025
号公報に開示されているような巻取方法が提案されてい
る。ここで前者の方法は、ゴム製のリールスリーブを用
い、鋼帯の先端部を、そのリールスリーブの巻付け面に
設けた凹条内に収納した状態として鋼帯の巻取りを行う
ことにより、鋼帯の先端厚みの影響による面折れの発生
を防止するものであり、また、後者の方法は、金属スト
リップの先端部分だけを、これもゴム製のリールスリー
ブの外径より大きな曲率で巻取方向へ予め湾曲させた
後、それをリールスリーブで巻取ることにより、その湾
曲先端部分の、リールスリーブへの喰込みに基づいて面
折れの発生を防止するものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、特開昭56−149939号公報に開示された従来
技術にあっては、リールスリーブの全体がゴム製である
ことにより、とくに、鋼帯の厚さが厚い場合、および鋼
帯の先端部分が巻取方向へ反っている場合は、鋼帯とリ
ールスリーブとの摩擦によって、鋼帯の先端がスリーブ
に引掛りやすく、これがため、鋼帯先端部分をスリーブ
の凹条部分に正確に合わせることが困難であり、鋼帯の
巻取りに際する面折れ防止機能を十分に発揮させること
ができない問題がある一方、スリーブの凹条に鋼帯の先
端部分を正確に合わせる場合には、先端合わせに時間が
かかりすぎるが故に、連続めっきラインのような連続ラ
インではラインの停止をもたらすおそれがあった。
しかも、鋼帯の先端部分が巻取方向とは逆方向へ反っ
ている場合には、たとえその先端部分を、スリーブの凹
条に正確に合わせることができたとしても、その先端部
分の後方に隣接する部分を、凹条の縁を境として、先端
部分とは逆方向へ湾曲させてスリーブの巻付け面に正確
に沿わせることが実質的に不可能であるため、面折れ防
止機能をほとんど期待することができなかった。
そしてまた、特開昭62−124025号公報に開示された従
来技術では、金属ストリップの先端部分を巻取方向へ積
極的に湾曲させるため、連続めっきラインのような連続
ラインへの通板性が悪くなり、かかる問題を回避すべ
く、先端曲げ装置の配設位置を選択する場合には、設備
の改造に多大な費用がかかるという他の問題があった。
この発明は、従来技術のかかる問題をことごとく解決
するものであり、鋼帯の厚み、その先端部分の反りの状
況のいかんにかかわらず、しかも、連続ラインへの通板
性の悪化、設備の改造の必要性などをもたらすことなし
に、面折れを極めて有効に防止することができる鋼帯の
巻取方法を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明の、鋼帯の巻取方法は、その鋼帯が巻回され
るリールスリーブを、弾性材料からなるスリーブ主体
と、このスリーブ主体の外表面に設けられてその軸線方
向へ延在する条溝内に嵌め込んだ硬質材料とで構成し、
この硬質材料の外表面の、リールスリーブの回転方向前
方側部分に、スリーブ主体の外表面から幾分ステップダ
ウンする窪み部を設けるとともに、それの、リールスリ
ーブの回転方向後方側部分に、前記窪み部からステップ
アップして、スリーブ主体の外表面に連続する迫り出し
部を設けたところにおいて、鋼帯の先端を、スリーブ主
体の条溝の、回転方向前方側の側壁に当接させた状態で
その鋼帯の巻取りを開始し、そして、鋼帯の、先端部分
の後方に隣接する部分を、硬質材料の迫り出し部の、前
記窪み部に隣接する迫り出し肩部で、迫り出し部の表面
に沿う方向へ湾曲させるものである。
〔作 用〕
この巻取方法では、たとえば、リールスリーブの硬質
材料の位置を電気光学的に検知することによって、鋼帯
の先端が硬質材料の窪み部へちょうど入り込み得る位置
にリールスリーブが達したときに、そのリールスリー
ブ、ひいては巻取リールを自動的に停止させ、その後、
その巻取リールに対して鋼帯の先端部を供給する。
この場合において、鋼帯の先端部が、スリーブ主体
の、窪み部に隣接する条溝側壁に直接的に当接したとき
には、その後に続く巻取リールの再作動によってリール
スリーブ上への鋼帯の巻取りを開始する一方、鋼帯の先
端が、その鋼帯の厚み、鋼帯先端部分の反りなどの影響
によって、前述した条溝側壁より手前側の位置にてリー
ルスリーブに当接したときは、リールスリーブに嵌め込
んだ硬質材料と鋼帯先端との小さな摩擦力に基づき、そ
の鋼帯先端を、硬質材料の外表面上で条溝側壁側へ十分
なめらかに滑動させ、ついにはその条溝側壁に当接させ
ることによって鋼帯の先端の、所定位置へ確実にして容
易な到達をもたらし、しかる後、巻取リールの再作動に
基づく鋼帯の巻取りを開始する。
そして、このような巻取りの開始によって、鋼帯を硬
質部材の迫り出し部を経てスリーブ主体の外表面に巻付
けるに際し、その迫り出し部の、窪み部に隣接する迫り
出し肩部が、鋼帯の、先端部分の後方に隣接する部分
を、迫り出し部の表面に沿う方向へ強制的に湾曲させる
ので、鋼帯の厚み、その先端部分の反りの方向のいかん
にかかわらず、鋼帯を、迫り出し部の表面およびスリー
ブ主体の外表面に正確に沿わせて巻取ることができ、こ
れがため、巻取られる鋼帯の、巻回の内側方向への折れ
曲がりを十分に防止して、面折れの発生を有効に回避す
ることができる。
かくして、この巻取方法に従えば、連続ラインでの通
板性の悪化のおそれ、設備の改造の必要性などをもたら
すことなしに、鋼帯の巻取りに際するそこへの面折れの
発生を効果的に防止することができる。
〔実施例〕
以下に、この発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。
第1図は、この発明の実施に用いるリールスリーブを
例示する斜視図であり、第2図は、それの要部拡大断面
図である。
巻取リールの周りに装着されるこのリールスリーブ
は、弾性材料、たとえばゴム、ゴム状弾性材料からなる
円筒状のスリーブ主体1の外表面に、その周方向の少な
くとも一個所で軸線方向にのびる、断面形状がほぼチャ
ンネル状の条溝2を設けるとともに、この条溝内に、た
とえば金属からなる硬質材料3を嵌め込み固定し、そし
て、この硬質材料3の外表面の、リールスリーブの回転
方向前方側部分に、スリーブ主体1の外表面4から幾分
ステップダウンして位置する窪み部5を設ける一方、そ
れの、リールスリーブの回転方向後方側部分に、その窪
み部5からステップアップしてスリーブ主体1の外表面
4に、一定の曲率半径の下で、もしくは、漸次変化する
曲率半径の下で連続する迫り出し部6を設けたものであ
り、かかるリールスリーブでは、スリーブ主体1の条溝
2の側壁7が、窪み部5に隣接する部分で一部露出し、
迫り出し部分6が、それの、窪み部5との隣接部分に迫
り出し肩部8を有する。
このようなリールスリーブ上への鋼帯の巻取りは、は
じめに、そのリールスリーブ、ひいては、巻取リール
を、たとえば第3図(a)に示すような位置に、好まし
くは自動的に停止させた状態で、硬質材料3の窪み部5
へ向けて鋼帯9を進出させることによって、その先端部
を、スリーブ主体1の、窪み部5へ向けて属帯9を進出
させることによって、その先端を、スリーブ主体1の、
窪み部5に隣接する条溝側壁7に当接させ、そこで、巻
取リールはそのままにして、鋼帯9の進出を継続させる
ことにより、その鋼帯9の先端部分を第3図(b)に示
すように幾分湾曲させ、しかる後、巻取リールの回転作
動に基づき、リールスリーブ上への鋼帯9の巻取りを、
第3図(c)に示すように、その巻取リールとベルトラ
ッパー10との協働下で開始し、以後、ベルトラッパー10
の後退下で、鋼帯9をリールスリーブ上へ連続的に巻取
ることにより行う。
ところで、鋼帯9の先端の、条溝側壁7への前述した
当接は、鋼帯9の進出変位によって直接的にもたらされ
ることもあるが、多くの場合には、鋼帯9の先端部分の
反り、その先端部分の重量などの影響により、それら両
者の直接的な当接をもたらすことができず、鋼帯9の先
端は、はじめは、たとえば第2図に仮想線で示すよう
に、硬質材料3の外表面、図ではその迫り出し部6に当
接することになる。しかしながら、鋼帯9の先端と迫り
出し部6との摩擦力は、その迫り出し部6が硬質材料3
にて構成されていることから極めて小さく、しかも、そ
の先端が硬質材料3に喰い込むこともないので、鋼帯9
の先端は、如何なる場合でも、それの連続した進出変位
に基づき、硬質材料3の外表面上を滑らかに滑動して、
ついには条溝側壁7に所期した通りに当接することにな
る。
そして、かかる当接の後に続く、鋼帯9の巻取りに際
しては、迫り出し部6の、窪み部5に隣接する迫り出し
肩部8が、鋼帯9の、先端部分の後方に隣接する部分
を、その先端部分が第4図(a)に示すように真直ぐに
のびる場合はもちろん、第4図(b),(c)にそれぞ
れ示すように、巻取方向またはその逆方向へ予め反って
いる場合であっても、高い硬度の下で、迫り出し部6の
表面に沿う方向へ強制的に湾曲させるので、その鋼帯9
を、それがいかなる条件の下にあっても、迫り出し部表
面およびスリーブ主体1の外表面4に正確に沿わせて巻
取ることができ、それ故に、とくには巻取りの初期にお
ける、鋼帯9の、巻回の内側方向への折れ曲がり、すな
わち面折れの発生を十分に防止することができる。
ちなみに、外径が610mmの各種のリールスリーブを用
いて鋼帯を巻取った場合における、巻取り先端からの、
面折れが自然解消するまでの長さを測定したところ、次
表に示す通りとなった。
〔発明の効果〕 以上に述べたところから明らかなように、この発明に
よれば、とくには、スリーブ主体に嵌め込み固定した、
特定形状の硬質材料の作用により、鋼帯の厚さ、その先
端部分の予めの反り方向のいかんにかかわらず、それの
巻取りに際するそこへの面折れの発生を、従来技術に比
してより効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図,第2図はそれぞれ、この発明の実施に用いるリ
ールスリーブを例示する斜視図および要部拡大断面図、 第3図(a)〜(c)は、鋼帯巻取り開始時のもようを
示す略線図、 第4図(a)〜(c)は、本発明にかかる鋼帯巻取りの
初期状態を示す部分断面図である。 1……スリーブ主体、2……条溝、 3……硬質部材、4……外表面、 5……窪み部、6……迫り出し部、 7……側壁、8……迫り出し肩部、 9……鋼帯、10……ベルトラッパー
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21C 47/02,47/32 B65H 19/28,75/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻取リールに装着したリールスリーブ上に
    金属帯を巻取るに際し、 弾性材料にて構成した前記リールスリーブ主体の外表面
    の軸方向に設けた条溝内へ、リールスリーブの回転方向
    前方側部分に、スリーブ主体の外表面から幾分ステップ
    ダウンして位置する窪み部を有するとともに、リールス
    リーブの回転方向後方側部分に、前記窪み部からステッ
    プアップして、スリーブ主体の外表面に連続する迫り出
    し部を設けてなる硬質材料を嵌め込み固定してなるリー
    ルスリーブを用い、 前記金属帯の先端を、前記スリーブ主体の条溝の、回転
    方向前方側の側壁に当接させた状態で巻取りを開始し、
    前記硬質材料の迫り出し部の、前記窪み部に隣接する迫
    り出し肩部で、金属帯を迫り出し部の表面に沿う方向へ
    湾曲させた状態して巻取ることを特徴とする金属帯の巻
    取方法。
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