JP2823003B2 - 荷電粒子入射シールド装置 - Google Patents

荷電粒子入射シールド装置

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    • B64GCOSMONAUTICS; VEHICLES OR EQUIPMENT THEREFOR
    • B64G1/00Cosmonautic vehicles
    • B64G1/22Parts of, or equipment specially adapted for fitting in or to, cosmonautic vehicles
    • B64G1/52Protection, safety or emergency devices; Survival aids
    • B64G1/54Protection against radiation
    • B64G1/546Protection against radiation shielding electronic equipment

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衛星打ち上げ用ロ
ケット,人工衛星,宇宙ステーションあるいは宇宙往還
機等に搭載される荷電粒子入射シールド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、宇宙環境で使用される電子機器あ
るいは荷電粒子加速器や放射線医療機器近傍で使用され
る電子機器において、宇宙放射線によるLSI等への悪
影響が問題となっている。特に、低軌道宇宙電子機器で
は、バンアレン帯に存在しているプロトンと銀河宇宙線
の重粒子の電子機器への入射によってVLSIのラッチ
アップやソフトエラーが発生することが知られている。
【0003】また、地上においても、同様の放射線環境
(荷電粒子が多く放出されている環境あるいは存在して
いる環境)で使用される電子機器の誤動作対策が問題と
なっている。
【0004】従来、これらの対策として、VLSIのプ
ロセス,デバイス構造を改良することにより、電子機器
への放射線を遮断する特殊な耐放射線デバイスが開発・
使用されている。
【0005】また、従来の放射線入射シールド構造とし
ては、重量,容積が許容される範囲で比重が高い金属板
によって電子機器内の回路を覆う構造が採用されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者(特殊な
耐放射線デバイスを使用する電子機器)にあっては、同
一の機能をもつ民生用デバイスが使用された電子機器と
比較し、デバイス内の電荷に対しセンシティビティを低
く設定する必要があるため、動作速度が犠牲となった
り、特殊構造の追加により集積度が悪化したり、あるい
は消費電力が大きくなったりして電子機器の性能を十分
に発揮させることができないという問題があった。
【0007】また、耐放射線デバイスを使用する電子機
器においては、耐放射線デバイスの設計の困難性と特殊
性から、その開発・設計に多額の投資と時間を要し、製
造コストが嵩むという問題もあった。
【0008】一方、後者(シールド構造として比重が高
い金属板を使用する電子機器)にあっては、金属板の厚
さを相当大きい寸法に設定する必要が生じ、重量制限が
厳しい宇宙機搭載用電子機器に適用可能な範囲が限定さ
れるという不都合があった。
【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、電子機器の性能を十分に発揮させることができ
ると共に、製造コストの低廉化を図ることができ、かつ
広範囲に亘り適用することができる荷電粒子入射シール
ド装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載の荷電粒子入射シールド装置
は、電子回路を内蔵する機器筐体を備えた電子機器にお
いて、機器筐体を、機器筐体外から機器筐体内に向かう
荷電粒子を遮蔽するシールド層を有する機器筐体によっ
て構成し、この機器筐体のシールド層には機器筐体内か
ら機器筐体外に向かう電界を発生させるコンデンサが埋
設されている構成としてある。したがって、シールド層
によって機器筐体外から飛来する荷電粒子の機器筐体内
への入射が阻止される。また、機器筐体外から飛来する
荷電粒子がシールド層内に入射しても、この入射エネル
ギーがシールド層によって減衰することになる。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の荷
電粒子入射シールド装置において、機器筐体にシールド
層が貼付されている構成としてある。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1記載の荷
電粒子入射シールド装置において、機器筐体がシールド
層によって形成されている構成としてある。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項1,2また
は3記載の荷電粒子入射シールド装置において、電子機
器が宇宙環境で使用される電子機器からなる構成として
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につき、
図面を参照して説明する。図1(a)および(b)は本
発明の第1実施形態に係る荷電粒子入射シールド装置を
示す斜視図とシールド層を構成するコンデンサを示す回
路図である。同図において、符号11で示す荷電粒子入
射シールド装置は、機器筐体12とシールド層13とを
備えている。
【0015】機器筐体12は、全体が直方体からなる角
形箱によって形成されている。機器筐体12には宇宙環
境で使用される電子機器としての観測機器14を構成す
る複数の回路基板(図示せず)が内蔵されており、これ
ら回路基板(図示せず)上には半導体装置等の電子部品
(図示せず)を含む電子回路(図示せず)が実装されて
いる。
【0016】シールド層13は、平板15,16と誘電
体17とを有するコンデンサ18およびこのコンデンサ
18の平板15,16に絶縁層(図示せず)を介して積
層されたアルミニウム製の補強板(図示せず)とからな
り、機器筐体12の各内側面(6面)あるいは機器筐体
12内におけるサブシステムのモジュール壁全面に貼付
されている。
【0017】平板15,16は、全体が例えば銅板によ
って形成されている。これら両平板15,16は、各々
が所定の間隔をもって対向しかつ機器筐体12の内側面
に平行する位置に位置し、各々電源19あるいはバッテ
リ(図示せず)の正極と負極に接続されている。誘電体
17は、全体が高誘電率部材からなり、両平板15,1
6間に介装されている。
【0018】コンデンサ18は、シールド層13内に埋
設されており、電源19から平板15,16に常時高電
圧を供給することにより、機器筐体12内から機器筐体
12外に向かい、かつ機器筐体12の内側面に垂直な電
界Lを発生させる。
【0019】このように構成された荷電粒子入射シール
ド装置においては、コンデンサ18で発生する電界Lと
平板15,16に蓄積する電荷によって機器筐体12外
から機器筐体12内に向かう宇宙線(正の荷電粒子)が
遮蔽される。また、機器筐体12外から飛来してシール
ド層13内に宇宙線が入射しても、そのエネルギーがシ
ールド層13によって減衰することになる。
【0020】したがって、本実施形態においては、電界
シールド構造に民生用のデバイスを使用することができ
るから、従来のようにデバイス内の電荷に対しセンシテ
ィビティを低く設定することを必要とせず、動作速度お
よび集積度の低下を抑制することができると共に、消費
電力を低減することができる。
【0021】また、本実施形態において、電界シールド
構造に民生用デバイスの使用を可能としたことは、シー
ルド用デバイスの開発・設計に対する投資と時間を節減
することができる。
【0022】さらに、本実施形態においては、従来のよ
うに金属板のみによって電界遮蔽するものでないから、
機器筐体の厚さを小さい寸法に設定することができる。
【0023】なお、本実施形態においては、機器筐体に
シールド層を貼付してなるものを示したが、本発明はこ
れに限定されず、第2実施形態として機器筐体をシール
ド層によって形成することにより一層効果的に荷電粒子
を遮蔽することができる。この機器筐体(角形箱である
場合)は、両方向に開口する角形筒およびこの角形筒の
両開口部を閉塞する角形板によって形成される。
【0024】また、本実施形態においては、宇宙環境で
使用する電子機器に適用する例を示したが、本発明はこ
れに限定されず、第3実施形態として荷電粒子加速器や
放射線医療機器の近傍で使用する他の電子機器にも第1
実施形態と同様に適用可能である。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
子回路を内蔵する機器筐体を、機器筐体外から機器筐体
内に向かう荷電粒子を遮蔽するシールド層を有する機器
筐体によって構成し、この機器筐体のシールド層には機
器筐体内から機器筐体外に向かう電界を発生させるコン
デンサが埋設されているので、シールド層によって機器
筐体外から飛来する荷電粒子の機器筐体内への入射が阻
止される。また、機器筐体外から飛来する荷電粒子が機
器筐体内に入射しても、この入射エネルギーがシールド
層によって減衰することになる。
【0026】したがって、電界シールド構造に民生用の
デバイスを使用することができるから、従来のようにデ
バイス内の電荷に対しセンシティビティを低く設定する
ことを必要とせず、動作速度および集積度の低下を抑制
することがができると共に、消費電力を低減することが
でき、電子機器の性能を十分に発揮させることができ
る。
【0027】また、電界シールド構造に民生用デバイス
の使用を可能としたことは、シールド用デバイスの開発
・設計に対する投資と時間を節減することができるか
ら、製造コストの低廉化を図ることができる。
【0028】さらに、従来のように金属板のみによって
電界遮蔽するものでないから、機器筐体の厚さを小さい
寸法に設定することができ、宇宙機搭載用電子機器等を
含み広範囲に亘り適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は本発明の第1実施形態に
係る荷電粒子入射シールド装置を示す斜視図とシールド
層を構成するコンデンサを示す回路図である。
【符号の説明】
11 荷電粒子入射シールド装置 12 機器筐体 13 シールド層 14 観測機器 18 コンデンサ L 電界

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子回路を内蔵する機器筐体を備えた電
    子機器において、 前記機器筐体を、機器筐体外から機器筐体内に向かう荷
    電粒子を遮蔽するシールド層を有する機器筐体によって
    構成し、 この機器筐体のシールド層には機器筐体内から機器筐体
    外に向かう電界を発生させるコンデンサが埋設されてい
    ることを特徴とする荷電粒子入射シールド装置。
  2. 【請求項2】 前記機器筐体に前記シールド層が貼付さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子入射
    シールド装置。
  3. 【請求項3】 前記機器筐体が前記シールド層によって
    形成されていることを特徴とする請求項1記載の荷電粒
    子入射シールド装置。
  4. 【請求項4】 前記電子機器が宇宙環境で使用される電
    子機器からなることを特徴とする請求項1,2または3
    記載の荷電粒子入射シールド装置。
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