JP2822191B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2822191B2
JP2822191B2 JP63260503A JP26050388A JP2822191B2 JP 2822191 B2 JP2822191 B2 JP 2822191B2 JP 63260503 A JP63260503 A JP 63260503A JP 26050388 A JP26050388 A JP 26050388A JP 2822191 B2 JP2822191 B2 JP 2822191B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤に分散
してなる磁性層を設けた磁気記録媒体に関し、走行性、
耐久性に優れ、かつ電磁変換特性の良好なる磁気記録媒
体に関するものである。
〔従来技術〕
磁気記録媒体は、基本的には非磁性支持体と、この支
持体上に設けられた磁性層よりなる。一般に磁性層は結
合剤と、結合剤(バインダ)に分散された強磁性粉末よ
りなる。
近年、記録の高密度化の要請下に強磁性粉末として、
従来使用されていたγ−Fe2O3などの金属酸化物系の強
磁性粉末およびコバルト等の他の成分を含有する酸化鉄
系強磁性粉末に代わり、強磁性金属微粉末が使用される
ようになってきている。
このような強磁性金属非粉末は微粉末化することによ
りさらに高密度記録が可能になることが知られている。
一方、このような強磁性金属微粉末を分散して磁性層
を形成する結合剤として用いる樹脂成分としては、塩化
ビニル系共重合体(たとえば、塩化ビニル・酢酸ビニル
・無水マレイン酸共重合体)とポリウレタン樹脂を併用
することが多くなってきている。両者を組合わせて使用
することにより、磁気記録媒体として要求される強度な
どの特性が向上した磁性層を形成とすることができる。
しかしながら、本発明者の検討によると、結合剤とし
て使用される塩化ビニル系共重合体は、高温(たとえば
80℃以上)および湿度の高い条件下で長時間放置するな
どの過酷な条件下に磁気記録媒体を放置した場合に、塩
化ビニル系共重合体に結合している塩素が塩酸ガスとし
て放出されることがあることが判明した。このように放
出された塩酸ガスによって強磁性金属微粉末が腐食され
ることがあり、さらに、ビデオテープデッキなどの記録
再生装置内にある金属(例えば、支持ロッド、パーマロ
イヘッド)をも腐食させることがある。
本出願人は、特定の極性基とエポキシ基とを導入して
安定化させた塩化ビニル系共重合体およびポリウレタン
系樹脂を結合剤として用いた磁性層を有する記録媒体の
発明に関して既に出願をしている(特開昭61−253627号
参照)。この磁気記録媒体は、例えば高温多湿の条件下
において長時間、磁気記録媒体とビデオテープデッキな
どの記録再生装置とを接触下に放置したとしても塩化ビ
ニル系樹脂が安定であるので磁気記録媒体と接触してい
る装置内部の金属が腐食されることがほとんどなく、ま
た、強磁性金属微粉末を使用した場合にこれを腐食する
ことがない優れた磁気記録媒体である。
しかしながら、前述の結合剤を使用した磁気記録媒体
についてさらに検討を重ねた結果、非常に微粉末化され
た強磁性粉末を使用するなど特殊な場合に、強磁性粉末
が分散されにくいとの傾向があることが判明した。すな
わち、微粉末化された強磁性粉末を使用したにも拘ら
ず、得られた磁気記録媒体の電磁変換特性が充分には改
善されないことがわかった。
一方最近の高密度記録に対応するため磁性層表面はで
きるだけ平滑にし、磁気ヘッドのスペーシングロスを少
なくしようとしている。磁性層表面が平滑化すると磁気
ヘッド、シリンダー、ガイドローラー等と接触して摩擦
係数が上がり、走行性、耐久性が劣化することが知られ
ている。そのためこれらの走行性及び耐久性を向上させ
るために様々な潤滑剤の使用が提案されている。例えば
特公昭44−18221号、同48−15007号には脂肪酸類が開示
され、また特公昭43−23889号、同41−18065号などには
脂肪酸エステル類、特公昭41−16984号、同47−15624
号、特開昭50−136009号、同55−139637号、同54−4695
0号などの各公報には、脂肪酸アミド類の使用が開示さ
れている。その他脂肪酸、シリコンオイル類、脂肪酸変
性シリコン類、このように多種多様な潤滑剤の提案であ
るが、この中で脂肪酸は摩擦係数を顕著に低下し、スチ
ル耐久性など潤滑性能に優れるため脂肪酸エステルや脂
肪酸変性シリコンなどと組合わせて頻ぱんに用いられる
ことが多い。そのためスルホン酸やリン酸等の極性基と
エポキシ基を有する樹脂(特開昭61−123017号、特開昭
61−253627号)も従来脂肪酸や脂肪酸エステルの潤滑剤
と組合せて用いられている。
しかしながら、このような結合剤と潤滑剤の組合せで
は潤滑剤としての機能や分散性も格段に優れるという程
の効果は得られなかった。そこで近年の超微細な強磁性
粉末を用いるためには更に優れた結合剤や潤滑剤が求め
られていた。
〔本発明が解決しようとする課題〕
そこで本発明らは粒子サイズの極めて小さい強磁性粉
末を用いて、高度に強磁性粉末を分散させ、極めて電磁
変換特性が良好で、しかも耐久性、走行性が両立する磁
気記録媒体を提供しようとするものである。この目的の
ため上記に開示されたエポキシ基と極性基を併せもつ結
合剤を使用したとき結合剤の持つ高度な分散性を損なわ
ず、しかも特定の潤滑剤との組合せにより飛躍的に走行
性、耐久性が良好な磁気記録媒体がえられた。さらに高
密度な磁気記録媒体において品質上大きな問題であるド
ロップアウトの極めて少ない磁気記録媒体が、本組合せ
で得られた。
発明の構成 〔課題を解決するための手段〕 本発明らは鋭意検討した結果、非磁性支持体上に強磁
性粉末と結合剤からなる磁性層を設けた磁気記録媒体に
おいて、前記磁性層中にエポキシ基並びに−SO3M及び/
又は−OSO3M(Mは水素、アルカリ金属もしくはアンモ
ニウム)を併せ持つ塩化ビニル系共重合体とエポキシ
基、−SO3M及び−OSO3M(Mは水素、アルカリ金属もし
くはアンモニウム)から選ばれた1種以上を有するポリ
ウレタン樹脂と炭素数が12〜26の脂肪酸アミドを含むこ
とを特徴とする磁気記録媒体。によって本発明の目的は
達成されることをみいだした。
すなわち本発明はエポキシ基と−SO3M及び/又は−OS
O3Mで表される極性基とを同一分子中に併せ持つ結合剤
である塩化ビニル系共重合体と脂肪酸アミドを組み合わ
せることにより、強磁性粉末の分散性が驚くほどに向上
し、しかも走行性、耐久性が良好な磁気記録媒体が得ら
れ、さらに予期せざる効果としてドロップアウトの極め
て少ない磁気記録媒体が得られた。これは脂肪酸は結合
剤の持つエポキシ環と反応性を有することにより非溶解
性のものが生成しドロップアウトの原因になったりある
いは強磁性粉末への吸着性が大きく結合剤の吸着を阻害
して分散性を低下させたりする。一方本発明では、脂肪
酸アミドはエポキシ基との反応性が小さく、あるいは吸
着能が小さいためではないかと推定される。
すなわち従来脂肪酸は循環剤として優秀であると共に
分散剤としても効果が顕著であり、磁性層中にかなりの
量用いていた。そのため結合剤のエポキシ基と脂肪酸と
が反応し、脂肪酸の潤滑剤としての機能が低下すると共
にエポキシ基の優れた分散性も低下するものと思われ
る。本発明で該−SO3M及び/又は−OSO3Mで表される極
性基とエポキシ基を同一分子中に含む結合剤を脂肪酸ア
ミドと組合せて用いると脂肪酸のようなエポキシ基との
相互作用がなく、かつ潤滑性能もあり、エポキシ基の分
散性能を損わないものと思われる。尚本発明において脂
肪酸は完全に脂肪酸アミドに置換してもよいが、エポキ
シ基との相互作用上問題とならない程度まで脂肪酸の量
を減らして用いることもかまわない。
本発明に用いられる強磁性粉末としては、強磁性合金
粉末、強磁性酸化鉄微粉末、Coドープの強磁性酸化鉄微
粉末、強磁性二酸化クロム微粉末、バリウムフェライト
などが使用できる。強磁性合金粉末、Coドープの強磁性
酸化鉄微粉末、強磁性酸化鉄、二酸化クロムの針状比
は、2/1〜20/1程度、好ましくは5/1以上、平均長は0.2
〜2.0μm程度の範囲が有効である。本発明は結晶子サ
イズとしては500オングストローム以下のとき特に効果
的であり、更に効果的なのは400オングストローム以下
であり、さらに好ましくは250オングストロームである
(結晶子サイズはX線回折による)。但し本発明の主旨
によりこの結晶子サイズ以上の場合でも本発明の技術を
用いることにより電磁変換特性、走行性、耐久性などの
効果が発現され、上記の結晶子サイズ以下の時に効果的
である。強磁性合金粉末は金属分が75wt%以上であり、
金属分の80wt%以上が強磁性金属(即ち、Fe、Co、Ni、
Fe−Ni、Co−Ni、Fe−Co−Ni)の粒子である。
本発明に用いられるエポキシ基並びに−SO3M及び/又
は−OSO3M(Mは水素、アルカリ金属もしくはアンモニ
ウム)を併せ持つ塩化ビニル系共重合体としては、塩化
ビニル−酢酸ビニル系共重合体、塩化ビニル−プロピオ
ン酸ビニル系共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル系
共重合体などの共重合系であることが好ましい。
これらの−SO3M及び/又は−OSO3Mで表される極性基
の含有量としてはポリマー1グラムあたり10-7〜10-3
量程度含むものが好ましく、更に好ましくは10-5〜5×
10-4当量である。この範囲を外れると強磁性粉末の分散
性が不良となり、また電磁変換特性も大幅に低下する。
該塩化ビニル系共重合体は、極性基として同一分子中に
−SO3M及び−OSO3Mの少なくとも一方を有し、更に所望
により、−PO3M2、−OPO3M2、−COOM(Mは前記と同
義)を併有することもできる。またさらに−OH基がある
とさらに分散性の向上に有効である。エポキシ基の含有
量としては、ポリマー1グラムあたり10-4〜10-2モルで
あり、好ましくは5×10-4〜5×10-3モルである。ま
た、本発明に用いられる結合剤分子の重量平均分子量と
しては20,000〜100,000、好ましくは30,000〜80,000で
ある。この範囲を外れると分散性が不良になったりある
いは耐久性が悪くなったりする。
これらの結合剤の合成は、塩化ビニル−グリシジル
(メタ)アクリレート系共重合体への付加反応、あるい
は塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体を鹸化することに
よって生じたヒドロキシル基の一部を変性するすること
などによって得ることができ、また特開昭80−238306
号、同60−238309号、同60−238371などに記載されてい
る方法を用いてもよい。また電子線などの放射線照射な
どにより重合硬化する樹脂、例えば、特開昭61−89207
号、同61−106605号、同57−40744号、同59−8126号、
同62−122665号などに開示されているものも使用でき
る。
また本発明で使用する脂肪酸アミドは炭素数の総和が
12〜26のもの、特に14〜18のものが走行性および耐久性
向上に効果的で好ましい。脂肪酸アミドの該炭素数が、
12〜26を外れると摩擦係数が高くなり、走行性が不良に
なり、更に塗膜の平滑性が悪化し、電磁変換特性が低下
する。これらの好ましい具体例としては、ラウリン酸ア
ミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステ
アリン酸アミド、イソステアリン酸アミド、オレイン酸
アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、エイコ
酸アミド、エライジン酸アミド、ベヘン酸アミドなどの
脂肪酸アミド類、さらにこれらのN−アルキル、N−,N
−ジアルキル誘導体であるN−メチルミリスチン酸アミ
ド、N−エチルミリスチン酸アミド、N−メチルステア
リン酸アミド、N−,N−ジメチルステアリン酸アミド、
N−,N−ジエチルステアリン酸アミドなどである。特に
効果的なのはN原子にアルキル置換しないもので、脂肪
族鎖が直鎖飽和構造のものである。
これらの強磁性粉末、結合剤、潤滑剤などを用いて磁
気記録媒体を製造する方法として、好ましい方法を以下
に述べる。強磁性粉末はそれ自身が持つ磁性のため2次
凝集しているので、機械的に粉砕することが好ましくこ
の工程を導入することによって、次の混練工程の短時間
化をはかることができる。粉砕工程は、シンプソンミル
(新東工業製)、サンドミル(松本鋳造工業製)、サン
ドグラインダー、2本ロールミル、3本ロールミル、オ
ープンニーダー、加圧ニーダー、連続ニーダー、ヘンシ
ェルミキサーなどを用いることができる。好ましいのは
次の混練工程で用いる設備と同じ設備をもちいると移送
工程が無くなるので都合がよい。この粉砕を省略すると
分散時間が長くかかったり、分散不良になったりして好
ましくないことがわかった。混練・分散工程は前述の結
合剤と溶剤を強磁性粉末とともに、上記のロールミルも
しくはニーダーなどで先ず混練し、ついで分散する。分
散の時にはサンドミル、ボールミル、アトライター、ヘ
ンシェルミキサーなどを使用することができる。このと
き結合剤は溶剤に溶解して投入してもいいし、溶剤と結
合剤を別々に投入してもいい。脂肪酸アミドの添加は、
分散後に行うのが好ましいが、分散と同時であっても構
わない。工程としては、分散液調製後に塗布直前に1軸
デスパ、2軸デスパ、サンドミル、ボールミル、高速ミ
キサーなどを用いておこなう。本発明では結合剤の一部
として硬化剤を用いることができるが、硬化剤はこれら
脂肪酸アミドと同時に添加することができる。
脂肪酸アミドの添加量は、強磁性粉末に対して0.05〜
2重量%、特に好ましくは0.1〜1.0重量%が適当であ
る。脂肪酸アミドの添加量がこの範囲をこえると、磁性
層表面の潤滑剤が過剰になり、磁性層表面に粉状に吹き
出したり、デッキ走行時に貼りつき等の故障の原因にな
ったりすることがあるだけでなく、磁性層結合剤のを可
塑化する作用によりかえって耐久性が低下する等の問題
がある。添加量がこの範囲を下まわると当然のことなが
ら走行性が不十分となり効果が得られない。
本発明においては、その他の潤滑剤を混在させてもよ
い。併用できる潤滑剤としては、炭素数12〜24の脂肪
族、脂肪酸エステル(各種モノエステルをはじめソルビ
タン、グリセリン等多価エステルの脂肪酸エステル、多
塩基酸のエステル化物等)、金属石鹸、高級脂肪族アル
コール、モノアルキルフォスフェート、ジアルキルフォ
スフェート、トリアルキルフォスフェート、パラフィン
類、シリコーンオイル、脂肪酸変性のシリコン化合物、
フッソ系オイル、パーフロロアルキル基をもつエステ
ル、パーフロロアルキルのシリコン化合物、動植物油、
鉱油、高級脂肪族アミン;更にグラファイト、シリカ、
二硫化モリブデン、二硫化タングステン等の無機微粉末
等があげられる。
これらの混在潤滑剤の中でも好ましいのは炭素数14〜
22の脂肪酸、炭素数22〜36の脂肪酸エステル、炭素数6
以上のパーフロロアルキル基を有するエステル、炭素数
6以上のパーフロロアルキル基を有するシリコン化合物
である。
本発明で用いられる結合剤として上記結合剤にその他
の樹脂を加えることができる。例えば、塩化ビニル・酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニルとビニルアルコール、マ
レイン酸および/またはアクリル酸との共重合体、塩化
ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル・アクリ
ロニトリル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、
ニトロセルロース樹脂などのセルロース誘導体、アクリ
ル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラ
ール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタ
ン樹脂等を挙げることができる。本発明においては、エ
ポキシ基及び極性基を有する塩化ビニル系共重合体と共
にエポキシ基、−SO3Mおよび−OSO3M(Mは水素、アル
カリ金属もしくはアンモニウム)から選ばれた1種以上
を有するポリウレタン樹脂を用いるので、分散性・耐久
性を更に高めるために好ましい。上記ポリウレタン樹脂
は、所望により−COOH、−NH2、−PO3M2、−OPO3M2(M
は上記と同義)を有することができる。これらのウレタ
ン樹脂については、特開昭57−165464号、特公昭58−41
565号、特開昭62−40615号、同59−30235号に開示され
ている。
エポキシ基、−SO3M又は−OSO3Mの含有量としてはポ
リマー1グラム当り10-5〜10-3当量が好ましい範囲であ
り、骨格としてはポリエステル、ポリエーテル、ポリエ
ステルエーテル、ポリカーボネートなどいずれでもよ
い。以上列挙の高分子結合剤は単独または数種混合で使
用され、イソシアネート系の公知の架橋剤(例えばトリ
メチロールプロパンのトリレンジイソシアネート3付加
物など)を添加して硬化処理することもできる。また、
アクリル酸エステル系のオリゴマーと、モノマーを結合
剤として用い、放射線照射によって硬化する結合剤系も
もちいることができる。
本発明の磁気記録媒体の磁性層中の全結合剤の含有量
は、通常は強磁性粉末100重量部に対して10〜100重量部
であり、好ましくは20〜40重量部である。
混練、分散、磁性塗液の塗布に用いる有機溶剤として
は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン系;酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グリコール
モノエチルエーテル等のエステル系;エチルエーテル、
グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエ
ーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル系;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化
水素;メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩
化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジク
ロルベンゼンなどの塩素化炭化水素等が選択して使用で
きる。
また、本発明の磁性塗液には、さらに、研磨剤、分散
剤、帯電防止剤、防錆剤等の添加剤を加えてもよい。使
用される研磨剤は、モース硬度が5以上、好ましくは8
以上であれば特に制限はない。モース硬度が5以上の研
磨剤の例としては、Al2O3(モース硬度9)、TiO(同
6)、TiO2(同6.5)、SiO2(同7)、SnO2(同6.5)、
Cr2O3(同9)、およびα−Fe2O3(同5.5)を挙げるこ
とができ、これらを単独あるいは混合して用いることが
できる。とくに好ましいのはモース硬度が8以上の研磨
剤である。モース硬度が5よりも低い研磨剤を用いた場
合には、磁性層から研磨剤が脱落しやすく、またヘッド
の研磨作用も殆どないため、ヘッド目詰まりを発生しや
すく、また走行耐久性も乏しくなる。研磨剤の含有量
は、通常、強磁性粉末100重量部に対して0.1〜20重量部
の範囲であり、好ましくは1〜10重量部の範囲である。
帯電防止剤としては、カーボンブラック(特に、平均粒
径が10〜300nm(ナノメートル;10-9)のもの)などを含
有させることが望ましい。
磁性塗液を塗布する支持体の素材としては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレート
などのポリエステル類;ポリエチレン、ポリプロピレン
などのポリオレフィン類、セルローストリアセテートな
どのセルロース誘導体、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ポリアミドイミドなどのプラスチック、その他の用
途に応じてアルミニウム、銅、錫、亜鉛又はこれらを含
む非磁性合金などの非磁性金属類、アルミニウムなどの
金属を蒸着したプラスチック類も使用できる。支持体の
厚みは3〜100μ、磁気テープとしては好ましくは3〜2
0μ、磁気ディスクとしては20〜100μが通常使用される
範囲である。
また非磁性支持体の形態はフィルム、テープ、シー
ト、ディスク、カード、ドラムなどいずれでもよく、形
態に応じて種々の材料が必要に応じて選択される。
また本発明の支持体は帯電防止、転写防止、ワウフラ
ッター防止、磁気記録媒体の強度向上、バック面のマッ
ト化等の目的で、磁性層を設けた側の反対の面(バック
面)にいわゆるバックコートがなされていてもよい。
〔実施例〕
次に実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中
の「部」の表示は「重量部」を示すものとする。
〔実施例1〕 強磁性合金粉末(組成:Fe 94%、Zn 4%、Ni 2%、Hc
1500Oe、結晶子サイズ200オングストローム)100部を
オープンニーダーで10分間粉砕し、次いで塩化ビニル/
酢酸ビニル/グリシジルメタアクリレート=88/9/5の共
重合体にヒドロキシエチルスルフォネートナトリウム塩
を付加した化合物(−SO3Na=6×10-5eq/g、エポキシ
基=10-3eq/g、Mw 30,000)を10部及びメチルエチルケ
トン60部で60分間混練し、次いで −SO3Na含有ウレタン樹脂(東洋紡(株)製「UR820
0」) 8部(固形分) 研磨剤(Al2O3粒子サイズ0.3μm) 5部 カーボンブラック(粒子サイズ40nm) 2部 メチルエチルケトン/トルエン 200部 =1/1 を加えてサンドミルで120分間分散した。これに ポリイソシアネート(日本ポリウレタン(株)製「コロ
ネート3041」) 8部(固形分) ステアリン酸アミド 1部 ブチルステアレート 2部 メチルエチルケトン 50部 を加え、さらに20分間撹はん混合したあと、1μmの平
均孔径を有するフィルタを用いてろ過し、磁性塗料を調
製した。得られた磁性塗料を乾燥後の厚さが3.0μmに
なるように、厚さ10μmのポリエチレンテレフタレート
支持体の表面にリバースロールを用いて塗布した。
磁性塗料が塗布された非磁性支持体を、磁性塗料が未
乾燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場配向を行ない、さ
らに乾燥後、スーパーカレンダー処理を行なった後8mm
幅にスリットし、8mmビデオテープを製造した。
以下実施例1と同様にして実施例、比較例を行った。
実施例1と異なる部分および得られたテープの評価結果
を表1にまとめて示す。
比較例1 実施例1において塩化ビニル/酢酸ビニル/グリシジ
ルメタアクリレート=86/9/5の共重合体にヒドロキシエ
チルスルフォネートナトリウム塩を付加した化合物の替
わりに、塩化ビニル/酢酸ビニル/3−アリロキシ−2−
ヒドロキシプロパンスルホン酸塩(3−allyloxy−2−
hydroxypropanesul−fonate)共重合体を用いて、比較
例1とした。
比較例2 実施例1において塩化ビニル/酢酸ビニル/グリシジ
ルメタアクリレート=86/9/5の共重合体を、そのまま用
いて、比較例2とした。
比較例3 実施例1において、ステアリン酸アミドの代わりにス
テアリン酸を添加し比較例3とした。
比較例4 比較例1において、ステアリン酸アミドの代わりにス
テアリン酸を添加した。
実施例2 実施例1において塩化ビニル/酢酸ビニル/グリシジ
ルメタアクリレート=86/9/5の共重合体にヒドロキシエ
チルスルフォネートナトリウム塩を付加した化合物とし
て、(−SO3Na=4×10-4eq/g、エポキシ基=4×10-3e
q/g、Mw 30,000)を用いた。
実施例3 実施例1において塩化ビニル/酢酸ビニル/グリシジ
ルメタアクリレート=86/9/5の共重合体にヒドロキシエ
チルスルフォネートナトリウム塩を付加した化合物とし
て、(−SO3Na=4×10-5eq/g、エポキシ基=8×10-4e
q/g、Mw 30,000)を用いた。
実施例4 実施例1において、ステアリン酸アミドにかえてミリ
スチン酸アミドを用いた。
実施例5 実施例1において、強磁性粉末としてCo被着したγ−
酸化鉄(Hc 9000e、結晶子サイズ280オングストロー
ム)を用いた。
比較例5 実施例5において、ステアリン酸アミドにかえてステ
アリン酸を用いた。
「評価方法」 1) 電磁変換特性:上記のようにして得られたビデオ
テープにVTR(富士写真フィルム(株):FUJIX−8)を
用いて7MHzの信号を記録し、再生した。基準テープ(比
較例1)に記録した7MHzの再生出力を0dBとしたときの
ビデオテープの相対的な再生出力を測定した。ただし実
施例5及び比較例5は1/2インチ幅にスリットし、松下
電産製S−VHS VTR(AG6200)を用いた。
2) 走行性:得られたビデオテープとステンレスポー
ルとを50gの張力(T1)で接触(巻きつけ角180゜)させ
て、この条件下で、ビデオテープを3.3cm/sの速度で走
行させるのに必要な張力(T2)を測定した。この測定値
をもとに、下記計算式によりビデオテープの、摩擦係数
μをもとめた。
μ=1/π・1n(T2/T1) 尚、摩擦係数のテストは、25℃、70%RHの条件で行な
った。
3) 耐久性:上記のFUJIX−8を用いてスチル状態で
テストし、再生出力が記録信号の50%になるまでの時間
を測定した。このときUnloading機能は解除した。実施
例5および比較例5はAG6200を用いた。
4) ドロップアウト:FUJIX−8をもちいて1/10H以上
の期間で再生出力レベルが16db以上低下するドロップア
ウトをドロップアウトカウンターで1分間測定した。実
施例5および比較例5はAG6200を用いた。
5) 結合剤中のエポキシ基含有量の定量:6N HClで40
℃1時間開環させ、残ったHClをKOHで逆滴定してもとめ
た。
〔発明の効果〕
本発明の結合剤と脂肪酸アミドとの組み合わせを有す
る磁気記録媒体は、良好な電磁変換特性を示し、また動
摩擦係数が低く、優れたスチル耐久性、及び極めてドロ
ップアウトが少ないことがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 175:04) (72)発明者 橋本 博司 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富士写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−289924(JP,A) 特開 昭62−121923(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤から
    なる磁性層を設けた磁気記録媒体において、前記磁性層
    中にエポキシ基並びに−SO3M及び/又は−OSO3M(Mは
    水素、アルカリ金属もしくはアンモニウム)を併せ持つ
    塩化ビニル系共重合体とエポキシ基、−SO3M及び−OSO3
    M(Mは水素、アルカリ金属もしくはアンモニウム)か
    ら選ばれた1種以上を有するポリウレタン樹脂と炭素数
    が12〜26の脂肪酸アミドを含むことを特徴とする磁気記
    録媒体。
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