JP2822104B2 - 架空送配電線の氷結防止用磁性材料 - Google Patents
架空送配電線の氷結防止用磁性材料Info
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- JP2822104B2 JP2822104B2 JP3196080A JP19608091A JP2822104B2 JP 2822104 B2 JP2822104 B2 JP 2822104B2 JP 3196080 A JP3196080 A JP 3196080A JP 19608091 A JP19608091 A JP 19608091A JP 2822104 B2 JP2822104 B2 JP 2822104B2
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- magnetic material
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- preventing icing
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A30/00—Adapting or protecting infrastructure or their operation
- Y02A30/14—Extreme weather resilient electric power supply systems, e.g. strengthening power lines or underground power cables
Landscapes
- Non-Insulated Conductors (AREA)
- Insulated Conductors (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は架空送配電線の氷結防
止のために電線上に巻付けて使用される磁性材料に関す
るものである。 【0002】 【従来の技術】冬期に於て寒冷地域特に北日本或は裏日
本では、架空送電線に着雪、着氷を来たし、これが成長
してかなりの大きさとなり、径間における電線重量の増
大、風圧荷重の増大を招き、電線の強度の増大や、過大
張力による電線の破断、更には鉄塔の倒壊などの事故を
発生するに至る原因となる場合が多い。又、着氷雪がブ
ロック状となり落下すると、架空線下を通行する人間に
対する危険がある外、架空線下が農地であっても、作物
やビニルハウス等に損傷を与えるおそれがあり、大きな
社会問題を発生するのでこの問題の解決が要望されてい
る。このため、これまで着雪防止対策として、一時的な
大電流送電により、導体のジュール熱により融解する方
法、或はリング状のものを送電線に取り付けて、着雪塊
を落下せしめる方法等が行なわれているが、大電流送電
は電力系統運用上制限を受け、自由には実施できず、リ
ング状のものを取り付けても、着氷雪の種類によって効
果に差があり、更に成長した氷雪塊を単に落下させると
その落下地点に於て2次災害を発生するおそれがあり、
充分な対策とは言えないものである。 【0003】一方、交流送電線上に磁性体で作られたス
リーブ或はスパイラル状に加工された線状体、テープ、
ロッド等を巻きつけ、送電々流による交流磁界がスリー
ブ等を通過することによって発生するヒステリシス損、
うず電流による損失熱を利用して融雪する方法も提案さ
れているが、これらのスリーブ、線、テープ、ロッドを
電線上に巻きつけると電線重量が増加するため、なるべ
く軽量であることが望ましく、又着氷雪の起らない温度
での磁性体からの発熱は、送電損失の増加となるので、
高温時には磁気特性が低下し発熱しなくなるキュリー点
の低い材料が望ましい。このキュリー点が常温付近に存
在するいわゆる低キュリー点材料は一般にキュリー点の
高い材料と比較して保持力が小さい特徴がある。そのた
め発熱に関与するヒステリシス損失のみでは所望の融雪
効果を期待できず、うず電流損失による発熱を併用する
必要がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】磁性体のキュリー点が
高温(300℃以上)の場合はヒステリシス損失による
発熱がうず電流損による発熱と比べて大きいために、被
覆材の厚さが変化してもそれ程大きな違いは生じない。
しかしキュリー点が低温(200℃以下)になると、ヒ
ステリシス損による発熱よりもうず電流による発熱が大
きくなるため、適切な寸法に高導電性金属被覆層の厚さ
を決定しないと融雪効果が見られないなどの問題を発生
することとなる。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者等は種々検討の
結果磁性材料の周囲に均一な厚さで銅系の低抵抗材料を
被覆する場合に於て、被覆材の厚さを、全断面積に対す
る銅系の導電材料の占める断面積の面積比率を15〜4
0%とするようにし、更に一層好ましくは20〜30%
とするようにした架空送配電線の氷結防止用磁性材料を
提供するものである。ここで銅系の高導電材料の面積比
が15%未満の場合は、銅系の導電材料を被覆した効果
が余りにも小さく、特に効果的であるとみられるのは2
0%以上の場合である。又、40%を越えて厚い銅系の
導電材料を被覆した場合には、逆に発熱が小さくなり、
不適当である。なお、本発明で用いられる磁性材料とし
てはNi−Cr−Si−Fe系の合金が好ましく、断面
円形のものが好ましい。 【0006】 【実施例】以下本発明を実施例について説明する。 実施例1 Ni54重量%、Cr9重量%、Si5重量%、残部F
eからなる合金線を真空溶解して溶製し、直径30mm
の金型で鋳造した。この合金を冷間鍛造および伸線によ
り直径10mmの線に加工した後、合金線を研磨し、
0.3〜2.0mm厚の銅管を被覆し、被覆厚を面積比
で15,25,33,40%及び47%になるように被
覆し、直径2.0mmまで伸線加工と歪取りを行ない試
料を作成した。 比較例5 実施例4と同様だが銅管被覆しないで直径2.0mmま
で伸線加工と歪取りを行ない試料を作成した。実施例1
及び比較例1の線を交番磁界30Oeに於て、磁界の方
向と線の軸方向を一致させたときの発熱を測った。その
結果は図1の通りである。図1から銅管被覆の場合も3
0Oeで30Watt/kg以上となるのは15〜40
%であることが必要となる。 【0007】 【発明の効果】本発明によるときは極めて簡単な手段に
より銅系の架空送電線における着雪、着水を融解除去す
ることができ、特に歪取加工をしたものにあってはその
効果が非常に大きいものであった。
止のために電線上に巻付けて使用される磁性材料に関す
るものである。 【0002】 【従来の技術】冬期に於て寒冷地域特に北日本或は裏日
本では、架空送電線に着雪、着氷を来たし、これが成長
してかなりの大きさとなり、径間における電線重量の増
大、風圧荷重の増大を招き、電線の強度の増大や、過大
張力による電線の破断、更には鉄塔の倒壊などの事故を
発生するに至る原因となる場合が多い。又、着氷雪がブ
ロック状となり落下すると、架空線下を通行する人間に
対する危険がある外、架空線下が農地であっても、作物
やビニルハウス等に損傷を与えるおそれがあり、大きな
社会問題を発生するのでこの問題の解決が要望されてい
る。このため、これまで着雪防止対策として、一時的な
大電流送電により、導体のジュール熱により融解する方
法、或はリング状のものを送電線に取り付けて、着雪塊
を落下せしめる方法等が行なわれているが、大電流送電
は電力系統運用上制限を受け、自由には実施できず、リ
ング状のものを取り付けても、着氷雪の種類によって効
果に差があり、更に成長した氷雪塊を単に落下させると
その落下地点に於て2次災害を発生するおそれがあり、
充分な対策とは言えないものである。 【0003】一方、交流送電線上に磁性体で作られたス
リーブ或はスパイラル状に加工された線状体、テープ、
ロッド等を巻きつけ、送電々流による交流磁界がスリー
ブ等を通過することによって発生するヒステリシス損、
うず電流による損失熱を利用して融雪する方法も提案さ
れているが、これらのスリーブ、線、テープ、ロッドを
電線上に巻きつけると電線重量が増加するため、なるべ
く軽量であることが望ましく、又着氷雪の起らない温度
での磁性体からの発熱は、送電損失の増加となるので、
高温時には磁気特性が低下し発熱しなくなるキュリー点
の低い材料が望ましい。このキュリー点が常温付近に存
在するいわゆる低キュリー点材料は一般にキュリー点の
高い材料と比較して保持力が小さい特徴がある。そのた
め発熱に関与するヒステリシス損失のみでは所望の融雪
効果を期待できず、うず電流損失による発熱を併用する
必要がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】磁性体のキュリー点が
高温(300℃以上)の場合はヒステリシス損失による
発熱がうず電流損による発熱と比べて大きいために、被
覆材の厚さが変化してもそれ程大きな違いは生じない。
しかしキュリー点が低温(200℃以下)になると、ヒ
ステリシス損による発熱よりもうず電流による発熱が大
きくなるため、適切な寸法に高導電性金属被覆層の厚さ
を決定しないと融雪効果が見られないなどの問題を発生
することとなる。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者等は種々検討の
結果磁性材料の周囲に均一な厚さで銅系の低抵抗材料を
被覆する場合に於て、被覆材の厚さを、全断面積に対す
る銅系の導電材料の占める断面積の面積比率を15〜4
0%とするようにし、更に一層好ましくは20〜30%
とするようにした架空送配電線の氷結防止用磁性材料を
提供するものである。ここで銅系の高導電材料の面積比
が15%未満の場合は、銅系の導電材料を被覆した効果
が余りにも小さく、特に効果的であるとみられるのは2
0%以上の場合である。又、40%を越えて厚い銅系の
導電材料を被覆した場合には、逆に発熱が小さくなり、
不適当である。なお、本発明で用いられる磁性材料とし
てはNi−Cr−Si−Fe系の合金が好ましく、断面
円形のものが好ましい。 【0006】 【実施例】以下本発明を実施例について説明する。 実施例1 Ni54重量%、Cr9重量%、Si5重量%、残部F
eからなる合金線を真空溶解して溶製し、直径30mm
の金型で鋳造した。この合金を冷間鍛造および伸線によ
り直径10mmの線に加工した後、合金線を研磨し、
0.3〜2.0mm厚の銅管を被覆し、被覆厚を面積比
で15,25,33,40%及び47%になるように被
覆し、直径2.0mmまで伸線加工と歪取りを行ない試
料を作成した。 比較例5 実施例4と同様だが銅管被覆しないで直径2.0mmま
で伸線加工と歪取りを行ない試料を作成した。実施例1
及び比較例1の線を交番磁界30Oeに於て、磁界の方
向と線の軸方向を一致させたときの発熱を測った。その
結果は図1の通りである。図1から銅管被覆の場合も3
0Oeで30Watt/kg以上となるのは15〜40
%であることが必要となる。 【0007】 【発明の効果】本発明によるときは極めて簡単な手段に
より銅系の架空送電線における着雪、着水を融解除去す
ることができ、特に歪取加工をしたものにあってはその
効果が非常に大きいものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における銅管被覆磁性材料の銅面積比
(%)と1kg当りの発熱量(Watt/kg)のグラ
フである。
(%)と1kg当りの発熱量(Watt/kg)のグラ
フである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 長沼 義裕
東京都江東区木場一丁目5番1号藤倉電
線株式会社内
(72)発明者 佐々木 宏
東京都江東区木場一丁目5番1号藤倉電
線株式会社内
(56)参考文献 特開 昭51−88459(JP,A)
特開 昭53−135809(JP,A)
特開 昭53−113749(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.Ni−Cr−Si−Fe系の合金からなる磁性体の
周囲に、銅被覆層を全断面積比で15〜40%の厚さで
設けたことを特徴とする架空送配電線の氷結防止用磁性
材料。 2.伸線加工後歪取りをされていることを特徴とする請
求項1記載の磁性材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3196080A JP2822104B2 (ja) | 1991-07-11 | 1991-07-11 | 架空送配電線の氷結防止用磁性材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3196080A JP2822104B2 (ja) | 1991-07-11 | 1991-07-11 | 架空送配電線の氷結防止用磁性材料 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57109845A Division JPS59806A (ja) | 1982-06-21 | 1982-06-28 | 磁性材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0594906A JPH0594906A (ja) | 1993-04-16 |
JP2822104B2 true JP2822104B2 (ja) | 1998-11-11 |
Family
ID=16351873
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3196080A Expired - Lifetime JP2822104B2 (ja) | 1991-07-11 | 1991-07-11 | 架空送配電線の氷結防止用磁性材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2822104B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110686608B (zh) * | 2019-11-11 | 2021-08-31 | 国网湖南省电力有限公司 | 用于输电线路的便携式覆冰厚度测量装置及其测量方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5188459A (ja) * | 1975-01-31 | 1976-08-03 | Fukugoriidosen | |
JPS53113749A (en) * | 1977-03-16 | 1978-10-04 | Fujikura Ltd | Manufacture of copper-clad-composite-wire |
JPS5933173B2 (ja) * | 1977-04-30 | 1984-08-14 | 住友電気工業株式会社 | 銅被覆鋼線の連続熱処理方法 |
-
1991
- 1991-07-11 JP JP3196080A patent/JP2822104B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0594906A (ja) | 1993-04-16 |
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