JPH0598396A - 融雪合金 - Google Patents

融雪合金

Info

Publication number
JPH0598396A
JPH0598396A JP3258892A JP25889291A JPH0598396A JP H0598396 A JPH0598396 A JP H0598396A JP 3258892 A JP3258892 A JP 3258892A JP 25889291 A JP25889291 A JP 25889291A JP H0598396 A JPH0598396 A JP H0598396A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
snow
alloy
snowmelting
melting alloy
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP3258892A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsuhiko Fujii
淳彦 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP3258892A priority Critical patent/JPH0598396A/ja
Publication of JPH0598396A publication Critical patent/JPH0598396A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電線の発熱による軟化を防止することがで
き、かつ十分な着雪防止効果を得ることのできる融雪合
金を提供する。 【構成】 Niを25〜40重量%、Mnを0.1〜
0.4重量%、Crを8〜12重量%含み、残部がFe
よりなるFe−Ni系合金。この融雪合金は、線材に加
工し融雪合金線材2、あるいはリング状に加工し融雪合
金リング部材3などの形態で使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電線の着氷雪を積極
的に防止することのできる着雪防止型電線に用いられる
融雪合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】架空送電線への着雪は、鉄塔倒壊事故、
または落雪による家屋およびビニールハウスなどの線下
構造物の破壊事故などの原因となる。このため、多雪地
帯においてはその防止策が必要となる。
【0003】電線への着雪防止策としては、たとえば、
電線の外周に磁性体を線路方向または線路に直角の方向
に取付け、送電線への通電によってその磁性体中に発生
する鉄損による発熱で着雪を防止するとともに、付着し
た雪を溶かす方法がある。
【0004】しかしながら、この方法は、たとえば夏期
には電線への通電量が非常に大きくなり、通電の際に発
生する磁性体の発熱が非常に大きくなるという問題を有
していた。このため、エネルギ損失を生じたり、あるい
は安全基準を越える電線の発熱軟化を招いていた。この
ような問題を解決するため、キューリー点が室温近傍
で、かつキューリー点以下の低温においては強磁性体と
なり、一方キューリー点を越す高温のときには、非磁性
体に近い性質になる低キューリー点材料を電線に取付
け、これによって着雪を防止するとともに付着した雪を
溶かす方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の磁性体による着
雪防止では、上述のように、夏期などの着雪防止の必要
のない時期に非常に大きな発熱を生じ、エネルギを損失
するとともに電線の軟化をもたらす。また上述の低キュ
ーリー点材料を用いる場合には、通常の強磁性体を用い
る場合に比べれると、低温時における磁気特性が不十分
であるため、大きな発熱量を期待できないという問題点
があった。このため、着雪防止の効果を十分に得ること
ができる降雪の条件が非常に狭く、使用可能な場所およ
び用途が限定されてしまうという問題を生じた。
【0006】この発明の目的は、電線の発熱による軟化
を防止できるとともに、十分な落雪防止効果を得ること
のできる融雪合金を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に従う融雪合金
は、Fe−Ni系合金であり、Niを25〜40重量
%、Mnを0.1〜0.4重量%、Crを8〜12重量
%含み、残部がFeよりなることを特徴としている。
【0008】また、この発明に従う融雪合金は、送電線
に取付けられる際、線材に加工してコイル状に巻付けて
使用したり、あるいはリング状に加工して送電線に取付
けて使用することができる。
【0009】
【作用】この発明の融雪合金の融雪の原理は、交流電流
の流れている送電線の回路中に、Fe−Ni系合金の磁
性体を配置すると、この磁性体に鉄損が生じ、この鉄損
による発熱により送電線上の着雪が融解されるというも
のである。磁性体の鉄損は、主に磁気的なヒステリシス
損と渦電流損失の和であるが、この発明に従う合金線材
は、特にヒステリシス損失が向上したものである。
【0010】この発明における融雪合金は、Niを25
〜40重量%含む。Niが25重量%未満であればα相
が多くなり、冷間加工および焼鈍を施しても十分な磁気
特性を得ることができないからである。一方Niが40
重量%を越えると残留γ相が増加し、飽和磁束密度が著
しく低下するため、実用上好ましくない。
【0011】Mnは0.1〜0.4重量%含まれる。M
nはこの発明に従う合金系において、キューリー点を低
下させる効果を有し、著しく鉄損による発熱効果を向上
させる。0.1重量%未満になるとキューリー点低下の
効果および発熱効果も小さくなり、着雪防止の効果がな
くなる。また、0.4重量%を越えるとキューリー点は
低下するものの発熱効果が飽和するとともに、この合金
系の熱間および冷間加工性が阻害される。
【0012】Crは、Mnと同様に、キューリー点を低
下させ、低温時の発熱を大きくする効果を有する。8重
量%より少ないと、その効果が小さくない。12重量%
を越えると、その効果が飽和するとともに、熱間および
冷間加工性が阻害される。
【0013】
【実施例】表1に示す割合で、Ni、Mn、およびCr
を含有したFe−Ni系合金を、真空溶解炉で溶解し鋳
造した後、熱間で鍛造および圧延し、鍛造−熱処理−伸
線を繰返して、直径3mmの線材に加工した。得られた
線材を、図1に示すように、断面積240mm2 の送電
線1に、この融雪合金線材2を4周巻き付けた。この状
態で磁気特性測定器により、発熱量(鉄損)を測定し
た。この測定は、雰囲気温度0℃および50℃の2つの
条件下で測定した。得られた結果を表1に示す。
【0014】実際に着雪の実験を行ない、50Aを送電
線に通電して、着雪状況を観察した。これについても表
1に示す。
【0015】また、比較として一般に市販されているパ
ーマロイ合金線を用い、従来例No.14として示し
た。
【0016】
【表1】
【0017】表1から明らかなように、この発明に従う
合金線材No.1〜5は、比較例のNo.6〜11およ
び従来例のNo.14の合金線材の場合に比べ、低温時
の発熱効果がとくに優れており、着雪防止の実験でも十
分に着雪防止の効果が認められた。
【0018】次に、表1に示したのと同様のFe−Ni
系合金を製造し、これらを直径35mm、内径25m
m、幅15mmのリング状部材に加工した。
【0019】このリング状部材を、図2に示すように断
面積240mm2の送電線1に融雪合金リング部材3と
して取付けた。この状態で、磁気特性測定器により発熱
量(鉄損)を測定した。発熱量は、100e印加時のも
のであり、雰囲気温度0℃のときと50℃のときの2つ
の条件で測定した。得られた結果を表2に示す。
【0020】また、上記の融雪合金リング部材を取付け
た送電線について、着雪実験を行なった。送電線には5
0Aを通電し、着雪状況を観察した。この結果も表2に
示す。
【0021】また、比較としては、一般に市販されてい
るパーマロイ合金より作成したリング状部材を用い、従
来例No.14として示した。
【0022】
【表2】
【0023】表2から明らかなように、この発明に従う
本発明例No.1〜5は、比較例No.6〜11および
従来例No.14のものに比べ、低温時の発熱効果がと
くに優れており、着雪実験においても十分に着雪防止の
効果が認められた。
【0024】
【発明の効果】この発明に従うFe−Ni系合金は、低
温時における発熱量が大きく、また架空送電線の着雪防
止効果も十分である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う融雪合金を用いた融雪合金線材
を示す側面図である。
【図2】この発明に従う融雪合金を用いた融雪合金リン
グ部材を示す側面図である。
【符号の説明】
1 送電線 2 融雪合金線材 3 融雪合金リング部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fi−Ni系合金であって、Niを25
    〜40重量%、Mnを0.1〜0.4重量%、Crを8
    〜12重量%含み、残部がFeよりなる、架空送電線用
    の融雪合金。
  2. 【請求項2】 送電線にコイル状に巻付けて使用するた
    め、請求項1に記載の融雪合金を線材に加工した、融雪
    合金線材。
  3. 【請求項3】 送電線に取付けて使用するため、請求項
    1に記載の融雪合金をリング状に加工した、融雪合金リ
    ング部材。
JP3258892A 1991-10-07 1991-10-07 融雪合金 Withdrawn JPH0598396A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3258892A JPH0598396A (ja) 1991-10-07 1991-10-07 融雪合金

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3258892A JPH0598396A (ja) 1991-10-07 1991-10-07 融雪合金

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0598396A true JPH0598396A (ja) 1993-04-20

Family

ID=17326482

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3258892A Withdrawn JPH0598396A (ja) 1991-10-07 1991-10-07 融雪合金

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0598396A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112310925A (zh) * 2020-11-23 2021-02-02 国网河南省电力公司洛阳供电公司 一种电线电缆上落雪自动清除装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112310925A (zh) * 2020-11-23 2021-02-02 国网河南省电力公司洛阳供电公司 一种电线电缆上落雪自动清除装置
CN112310925B (zh) * 2020-11-23 2022-02-01 国网河南省电力公司洛阳供电公司 一种电线电缆上落雪自动清除装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1200407A (en) Magnetic devices using amorphous alloys
KR100271953B1 (ko) 송전선용 융설부재
US4525432A (en) Magnetic material wire
JPS6330393B2 (ja)
GB1596909A (en) Glassy alloys containing cobalt nickel and iron having near-zero magnetostriction and high saturation induction
TW576871B (en) Magnetic glassy alloys for high frequency applications
JP2778719B2 (ja) コバルトを含有する鉄基非晶質磁性合金
JPH0598396A (ja) 融雪合金
JPH06121438A (ja) 送電線用融雪合金ならびにその線材およびリング
JPH03124211A (ja) 融雪合金リング
JPH02193517A (ja) 融雪合金リング及びその製造方法
JPH07161222A (ja) 送電線用融雪部材
JPH02193516A (ja) 融雪合金線材及びその製造方法
JPS61558A (ja) 高い温度における増強されたac磁気特性をもつ非晶質合金
JP3166339B2 (ja) 難着氷雪電線用発熱合金線
JP2822104B2 (ja) 架空送配電線の氷結防止用磁性材料
JPH07322457A (ja) 融雪電線
JPH0870525A (ja) 難着氷雪電線用融雪磁性合金部材
JPH0135574B2 (ja)
JPH05292638A (ja) 融雪効果を有する線材
JPS58223211A (ja) 線状磁性体
JPH06165355A (ja) 送電線用融雪合金線材およびその製造方法
JPH069418B2 (ja) 融雪用磁性線材
JP2862985B2 (ja) 磁気シールド部品
JPS5933180B2 (ja) 高強度非磁性銅合金およびその製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990107